JP4322342B2 - エレベーターの火災管制用安全装置 - Google Patents

エレベーターの火災管制用安全装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベーターの火災管制用安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベーターにおいて、火災時の管制運転は、建物内の火災センサーや管制運転SW(スイッチ)の動作で自動的に火災管制運転を行う。また、カゴ内への案内は管制運転動作案内を行う。しかし、これは、エレベーター付近の火災状況に応じて運転させている動作ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベーターにおける火災管制運転においては、避難階の火災状況を無視して管制運転を行うので、管制運転による避難階到着時に通常と同じ動作で戸開してしまい避難階に充満している煙をカゴ内に入れてしまうことがある。
【0004】
そこで、本発明は、上記の点に鑑み為されたもので、避難階でのカゴ内への煙や熱の流入を極力防止することができるエレベーターの火災管制用安全装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置は、避難階が火災であることを検出する避難階火災検出手段と、火災管制運転時に避難階火災検出手段により避難階が火災であることを検出した場合、カゴが避難階に到着した時にホールドアのみを開放させるように制御する手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
このような構成により、火災管制運転時に避難階の煙感知等により避難階が火災であることを検出して、避難階に到着した時、ホールドアのみを開放して煙をシャフトに排出し、急激に煙や熱がカゴ内に流入しない様にすることができる。
【0007】
また、本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置は、避難階が火災であることを検出する避難階火災検出手段と、火災管制運転時に避難階火災検出手段により避難階が火災であることを検出した場合、カゴが避難階に到着した時にホールドアに対するカゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
このような構成により、火災管制運転時に避難階の煙感知等により避難階が火災であることを検出して、避難階に到着した時、戸開時のカゴ内への煙や熱の急激な流入を防止することができる。
【0009】
更に、本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置は、避難階が火災であることを検出する避難階火災検出手段と、火災管制運転時に避難階火災検出手段により避難階が火災であることを検出した場合、カゴが避難階に到着した時にホールドアのみを開放させた後に、カゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成により、火災管制運転時に避難階の煙感知等により避難階が火災であることを検出して、避難階に到着した時、ホールドアのみを開放して煙をシャフトに排出し、戸開時のカゴ内への煙や熱の急激な流入を防止することができる。
【0011】
更にまた、本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置は、火災管制運転時に、カゴが避難階に到着した時にホールドアのみを開放させるように制御する手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
このような構成により、火災管制運転時に、避難階に到着した時、ホールドアのみを開放して煙をシャフトに排出し、急激に煙や熱がカゴ内に流入しない様にすることができる。
また、本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置は、火災管制運転時に、カゴが避難階に到着した時にホールドアに対するカゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段を備えた構成とすることもできる。
また、本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置は、火災管制運転時に、カゴが避難階に到着した時にホールドアのみを開放させた後に、カゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段を備えた構成とすることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0014】
(第1の実施形態)
図1に、本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置の第1の実施形態の構成を示す。
【0015】
図1に示すように、この実施形態においては、エレベーター制御装置3は建物内の火災センサー1及び管制運転SW2からの火災管制信号5を取り込み、火災管制運転を行い、避難階煙センサー11からの煙センサー動作信号12を入力して、ホールドア駆動装置4にホールドア駆動指令信号6を出力するような構成となっている。
【0016】
尚、この実施形態は、従来の火災管制運転を行なうことができるエレベーターに対して、避難階煙センサー11及びホールドア駆動装置4が付加されて、エレベーター制御装置3が、図2のフローチャートに示す処理を組み込んだ点が異なっている。
【0017】
図2に従って、第1の実施形態の動作を説明する。
エレベーター制御装置3は、建物内の火災センサー1及び管制運転SW2の動作(ステップS21)による火災管制信号5を入力して、火災管制運転を行う(ステップS22)。
【0018】
火災管制運転中のエレベーター制御装置3は、避難階煙センサー11からの煙センサー動作信号12を入力して(ステップS23)、カゴが避難階に到着する(ステップS24)と、避難階に到着した際にエレベーター制御装置3からのホールドア駆動指令信号6をホールドア駆動装置4に出力して(ステップS25)、ホールドア開動作を行う(ステップS26)。
【0019】
この第1の実施形態によれば、火災管制運転を行なうことができるエレベーターにおいて、火災時の管制運転時に避難階が火災の場合、避難階にて乗客を降ろす前にホールドアのみを開放することで、煙をシャフトに逃がすことで、避難階でのカゴドア戸開時のカゴ内への煙の急激な流入を防止することができ、従来よりも、一層、乗客の安全を確保することができる。
【0020】
(第2の実施形態)
次に、図3に第2の実施形態の構成を示す。
図3に示すように、この実施形態においては、エレベーター制御装置3は建物内の火災センサー1及び管制運転SW2からの火災管制信号5を取り込み、火災管制運転を行い、避難階煙センサー11からの煙センサー動作信号12を入力して、カゴドアを通常よりも遅い速度で開動作させるための管制用カゴドア駆動指令信号8をドアコントロールユニット7に出力するような構成となっている。
【0021】
尚、この実施形態は、従来の火災管制運転を行なうことができるエレベーターに対して、避難階の煙センサー11が付加されて、エレベーター制御装置3が図4のフローチャートに示す処理を組み込んだ点が異なっている。
【0022】
図4に従って、第2の実施形態の動作を説明する。
エレベーター制御装置3は建物内の火災センサー及び管制運転SWの動作(ステップS41)による火災管制信号5を入力して、火災管制運転を行う(ステップS42)。
【0023】
火災管制運転中のエレベーター制御装置3は、避難階煙センサー10からの煙センサー動作信号を入力して(ステップS43)、カゴが避難階に到着する(ステップS44)と、避難階に到着した際にエレベーター制御装置3から、カゴドアを通常よりも遅い速度で開動作させるための火災管制用カゴドア開指令信号8をドアコントロールユニット7に出力して(ステップS45)、ドア開動作(ステップS46)を行う。
【0024】
この第2の実施形態によれば、火災管制運転を行なうことができるエレベーターにおいて、火災時の管制運転時に避難階が火災の場合、避難階にて乗客を降ろす前に、ホールドアは通常の速度で開動作するが、カゴドアを通常よりも遅い速度で開動作することで、避難階での戸開時のカゴ内への煙や熱の急激な流入を防止することができ、従来よりも、一層、乗客の安全を確保することができる。
【0025】
(第3の実施形態)
次に、図5に第3の実施形態の構成を示す。
図5に示すように、この実施形態においては、エレベーター制御装置3は建物内の火災センサー1及び管制運転SW2からの火災管制信号5を取り込み、火災管制運転を行い、避難階煙センサー11からの煙センサー動作信号12を入力して、ホールドア駆動装置4にホールドア駆動指令6を出力して、ホールドアを開動作させ、その後カゴドアを通常よりも遅い速度で開動作させるための管制用カゴドア駆動指令信号8をドアコントロールユニット7に出力するような構成となっている。
【0026】
尚、この実施形態は、従来の火災管制運転を行なうことができるエレベーターに対して、避難階煙センサー11及びホールドア駆動装置4が付加されて、エレベーター制御装置3が図6のフローチャートに示す処理を組み込んだ点が異なっている。
【0027】
図6に従って、第3の実施形態の動作を説明する。
エレベーター制御装置3は、建物内の火災センサー1及び管制運転SW2の動作(ステップS61)による火災管制信号5を入力して、火災管制運転を行う(ステップS62)。
【0028】
火災管制運転中のエレベーター制御装置3は、避難階煙センサー11からの煙センサー動作信号を入力して(ステップS63)、カゴが避難階に到着する(ステップS64)と、避難階に到着した際にエレベーター制御装置3からのホールドア駆動指令信号6をホールドア駆動装置4に出力して(ステップS65)、ホールドア開動作を行う(ステップS66)。
【0029】
ホールドア開動作の終了後、エレベーター制御装置3からドアコントロールユニット7に、カゴドアを通常よりも遅い速度で開動作させるための火災管制用ドア開指令信号8を出力して(ステップS67)、カゴドア開動作(ステップS68)を行う。
【0030】
この第3の実施形態によれば、火災管制運転を行なうことができるエレベーターにおいて、火災時の管制運転時に避難階が火災の場合、避難階にて乗客を降ろす前にホールドアを開放することで、ホールの煙をシャフトに逃がし、ホールの煙が低減された頃にカゴドアを通常よりも遅い速度で開けることで、カゴ内への煙や熱の急激な流入を防止することができ、従来よりも、一層、乗客の安全を確保することができる。
【0031】
(第4の実施形態)
次に、図7に第4の実施形態の構成を示す。
図7に示すように、この実施形態においては、エレベーター制御装置3は建物内の火災センサー1及び管制運転SW2からの火災管制信号5を取り込み、火災管制運転を行い、避難階煙センサー11からの煙センサー動作信号12を入力して、音声案内装置9に避難階火災案内指令信号10を出力するような構成となっている。
【0032】
尚、この実施形態は、従来の火災管制運転付のエレベーターに対して、避難階煙センサー11が付加されて、エレベーター制御装置3が図8のフローチャートに示す処理を組み込んだ点が異なっている。
【0033】
図8に従って、第4の実施形態の動作を説明する。
エレベーター制御装置3は、建物内の火災センサー1及び管制運転SW2の動作(ステップS81)による火災管制信号5を入力して、火災管制運転を行う(ステップS82)。
【0034】
火災管制運転中のエレベーター制御装置3は、避難階煙センサー11からの煙センサー動作信号を入力して(ステップS83)、カゴが避難階に到着する(ステップS64)と、避難階に到着した際にエレベーター制御装置からの避難階火災案内指令信号を音声案内装置9に出力して(ステップS85)、避難階火災案内動作(ステップS86)を行う。
【0035】
この第4の実施形態によれば、火災管制運転を行なうことができるエレベーターにおいて、火災時の管制運転時に避難階が火災の場合、避難階にて乗客を降ろす前に、音声案内装置9により避難階が火災であることを案内することで、避難階での戸開時の乗客のパニックを防止することができ、従来よりも、一層、乗客の安全を確保することができる。
【0036】
なお、この第4の実施形態は、上述の第1乃至第3の実施形態のいずれかと組み合わせて実施してもよい。その場合は、第1乃至第3の実施形態において、避難階に到着した際にエレベーター制御装置3からのホールドア駆動指令信号6をホールドア駆動装置4に出力するとき(ステップS25、またはステップS65)、または火災管制用カゴドア開指令信号8をドアコントロールユニット7に出力するとき(ステップS45)、同時に、避難階火災案内指令信号10を音声案内装置9に出力し、避難階火災案内動作を行うこととすればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、火災管制運転を行なうことができるエレベーターにおいて、火災時の管制運転時に避難階が火災であることを検出して、避難階でのドアの開動作を管制運転用に制御することで、避難階での煙や熱のカゴ内への流入を防止することができ、乗客の安全を従来以上に確保することができる。
さらに、避難階が火災であることを案内するようにすれば、カゴ内の乗客のパニックを防止することができ、より一層、乗客の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置の第1の実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】 図1に示されたエレベーターの火災管制用安全装置の動作を示すフローチャート。
【図3】 本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置の第2の実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図4】 図3に示されたエレベーターの火災管制用安全装置の動作を示すフローチャート。
【図5】 本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置の第3の実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図6】 図5に示されたエレベーターの火災管制用安全装置の動作を示すフローチャート。
【図7】 本発明に係るエレベーターの火災管制用安全装置の第4の実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図8】 図7に示されたエレベーターの火災管制用安全装置の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…火災センサー
2…管制運転SW
3…エレベーター制御装置
4…ホールドア駆動装置
5…火災管制信号
6…ホールドア駆動指令信号
7…ドアコントロールユニット
8…管制用ドア駆動指令信号
9…音声案内装置
10…避難階火災管制案内指令信号
11…避難階煙センサー
12…煙センサー動作信号

Claims (6)

  1. 避難階が火災であることを検出する避難階火災検出手段と、火災管制運転時に前記避難階火災検出手段により避難階が火災であることを検出した場合、カゴが前記避難階に到着した時にホールドアのみを開放させるように制御する手段とを備えたことを特徴とするエレベーターの火災管制用安全装置。
  2. 避難階が火災であることを検出する避難階火災検出手段と、火災管制運転時に前記避難階火災検出手段により避難階が火災であることを検出した場合、カゴが前記避難階に到着した時にホールドアに対するカゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段とを備えたことを特徴とするエレベーターの火災管制用安全装置。
  3. 避難階が火災であることを検出する避難階火災検出手段と、火災管制運転時に前記避難階火災検出手段により避難階が火災であることを検出した場合、カゴが前記避難階に到着した時にホールドアのみを開放させた後に、カゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段とを備えたことを特徴とするエレベーターの火災管制用安全装置。
  4. 火災管制運転時に、カゴが避難階に到着した時にホールドアのみを開放させるように制御する手段を備えたことを特徴とするエレベーターの火災管制用安全装置。
  5. 火災管制運転時に、カゴが避難階に到着した時にホールドアに対するカゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段を備えたことを特徴とするエレベーターの火災管制用安全装置。
  6. 火災管制運転時に、カゴが避難階に到着した時にホールドアのみを開放させた後に、カゴドアの開速度を遅くしてカゴドアの開動作を行うように制御する手段を備えたことを特徴とするエレベーターの火災管制用安全装置。
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