JP4322192B2 - 電子機器 - Google Patents

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本発明は、表示画面と操作部材の少なくとも一方を備えた可動パネルが、水平姿勢で筐体内を前進し、さらに筐体の前方で回動姿勢となる電子機器に関する。
車載用などの電子機器として、表示画面や操作部材を備えた可動パネルが、水平姿勢となって筐体内に収納され、使用時には前記可動パネルが筐体の前方へ突出し、さらに立ち上がり姿勢に回動するものがある。この電子機器では、筐体の内部で前後方向へ移動する移動体が設けられ、この移動体に可動パネルの基部が回動自在に連結されている構造が一般的である。そして、前記移動体が筐体内の後方へ移動すると、可動パネルが水平姿勢となって筐体の内部に収納され、移動体が筐体内で前進した後に、前記可動パネルが筐体の前方において立ち上がり姿勢に回動する。
前記移動体が筐体内を前方へ移動した後に、前記可動パネルを立ち上がり姿勢へ回動させるための機構として、従来は以下に記載のものが知られている。
以下の特許文献1に記載の電子機器は、移動体が筐体内を前進し、可動パネルが筐体の前方へ突出した後に、手動で可動パネルを立ち上がり姿勢に回動させるものである。
特許文献2に記載の電子機器は、移動体内に可動パネルを回動させるモータが設けられており、移動体が筐体内を前進して可動パネルが筐体の前方へ突出した後に、前記モータの動力で可動パネルが立ち上がり姿勢へ回動する。
また、特許文献3に記載の電子機器では、可動パネルの基部が移動体に回動自在に連結されているとともに、移動体と可動パネルとを連結するリンク機構が設けられている。この電子機器では、移動体が筐体内を前進して可動パネルが筐体の前方へ突出した後に、さらに移動体が前進する力が前記リンク機構によって可動パネルの回動力に変換され、この回動力によって可動パネルが立ち上がり姿勢へ回動させられるものである。
特開平7−179152号公報 特開2000−344020号公報 特開平7−144583号公報
前記特許文献1に記載のように、可動パネルが筐体の前方へ突出した後に、手動で可動パネルを立ち上がり姿勢へ回動させるものでは、操作が煩雑であり、車載用として使用する場合には、走行中に搭乗者が、可動パネルを手動で操作することが必要となって安全上好ましくない。
前記特許文献2に記載のものは、可動パネルが筐体の前方へ突出した後に自動的に立ち上がり姿勢へ回動するものである。しかし、この電子機器では、可動パネルを回動させるモータが移動体に搭載されているため、移動体を前後に移動させるモータと、前記モータの双方が必要になり、モータ数が多くなって、全体の重量が重くなり、また価格も高いものとなる。
次に前記特許文献3に記載のものは、移動体が前進したときに、可動パネルと共にリンク機構が筐体の前方へ突出し、しかも可動パネルが立ち上がり姿勢のときに、前記リンク機構を構成するリンクが、移動体と可動パネルとの間で斜めの姿勢で配置されることになる。筐体の前方にリンク機構が突出することにより電子機器の見栄えが悪く、また筐体の前方へ機構の突出スペースが広く必要になる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、最小のモータ数で、移動体の前後移動と可動パネルの立ち上がり姿勢への回動動作が可能となり、また機構の占めるスペースを最小にでき、さらに可動パネルが立ち上がり姿勢となるときの筐体からの突出部分を最小にすることも可能な電子機器を提供することを目的としている。
本発明は、筐体と、筐体の内部に収納される可動パネルとを有し、前記可動パネルが、その使用面が筐体の天井面または底面と平行な水平姿勢と、筐体の前方へ突出して前記使用面が筐体の前方へ向けられる回動姿勢との間で移動する電子機器において、
筐体の内部で前後に移動し且つ前記可動パネルの基部が回動自在に支持されている移動体と、前記移動体を筐体内で前後方向へ移動させる往復駆動手段とを有し、
前記移動体には、前記可動パネルに回動力を与える歯車機構が設けられ、筐体には、前記歯車機構を構成するいずれかの歯車と噛み合うラックが設けられており、
前記移動体が筐体内で所定距離前進するときに、前記歯車と前記ラックが噛み合わず、前記移動体が所定距離前進した後に前記歯車と前記ラックとが噛み合って、その後の移動体の前進力によって可動パネルが回動姿勢に向けて回動することを特徴とするものである。
本発明の電子機器は、移動体が筐体内で前進するときに、最初は歯車とラックとが噛み合わないため可動パネルが水平姿勢を維持できる。よってこのときは、モータに作用する負荷も小さい。移動体がさらに前進して可動パネルが筐体から突出したときに、歯車とラックとが噛み合って、移動体の前進力によって可動パネルが回動姿勢に回動する。このとき、筐体の前方にリンク機構などが突出しないため、見栄えが良くなる。
本発明では、実施の形態で説明するように、可動パネルが水平姿勢で筐体の前方へ突出した後に、可動パネルが上方へ向けて回動して回動姿勢となるものであってもよいし、または可動パネルが水平姿勢で筐体の前方へ突出した後に下方へ向けて回動し回動姿勢となるものであってもよい。
また、本発明では、前記歯車と前記ラックとが噛み合うことなく前記移動体が移動するときに、前記歯車の回転位相を一定に保つ位相規制手段が設けられていることが好ましい。
前記位相規制手段が設けられていると、移動体が前進するときに、歯車が常に一定の回転位相であるため、その後に歯車とラックを確実に噛み合わせることができ、さらに可動パネルの立ち上がり動作および回動姿勢での停止角度を常に一定に保つことができる。
本発明では、例えば、前記位相規制手段は、前記歯車と一緒に回転する規制体と、筐体に設けられて前記規制体が摺動する摺動面とを有している。
この場合に、前記歯車に回動付勢力を与えるばね部材が設けられており、前記ばね部材の回動付勢力によって、前記規制体が前記摺動面に押し付けられるものとして構成できる。この場合に、前記可動パネルが、水平姿勢から重力に反する方向へ回動して回動姿勢となるものであり、前記ばね部材によって、前記可動パネルが重力と反対向きに付勢されている構造が好ましい。この構造では、可動パネルを上向きに回動させる際の負荷を低減させることができる。
あるいは、前記移動体が前進するときに、この前進動作に伴って所定方向へ回転する軸が設けられ、前記規制体が、前記軸の回転力によって前記摺動面に押し付けられているものであってもよい。
また、本発明は、前記可動パネルが水平姿勢で且つ移動体が筐体内を前後に移動するときに、前記可動パネルを水平姿勢のまま移動させる水平案内手段が設けられていることが好ましい。
前記水平案内手段が設けられていると、可動パネルが水平姿勢となって、移動体が筐体内で前後に移動するときに、前記歯車の回転位相が大きくずれるのを防止でき、その結果、歯車とラックを確実に噛み合わせることが可能となる。
本発明では、最小のモータ数で、可動パネルを水平姿勢から筐体の外へ突出させて回動姿勢に設定することが可能になる。また機構が必要とするスペースを最小にすることができ、さらにモータに作用する負荷も最小にできる。
図1は、本発明の実施の形態として車載用の電子機器1の構成の概略を示すものであり、可動パネルが水平姿勢で筐体内に収納されている状態を示す平面図、図2(A)は図1の左側面図、図2(B)は歯車と規制体の動作を示す部分側面図、図3(A)は、移動体および水平姿勢の可動パネルが前進した状態を示す左側面図、図3(B)は、歯車と規制体の動作を示す部分側面図、図4は、可動パネルが回動姿勢となった状態を示す左側面図である。
この電子機器1は、筐体2を有している。この筐体2は直方体の箱体形状であり、金属板によってプレス成型されている。図1に示すように、筐体2は、開口部を有する前面2a、これと対向する後面2b、および右側面2cと左側面2dを有している。図2(A)に示すように、筐体2は天井面2eと底面2fを有している。筐体2の寸法がいわゆる1ディン(DIN)サイズまたは2ディンサイズである。車室内では、筐体2がインストルメントパネル内などに埋設され、前面2aがインストルメントパネルとほぼ同一面に現れる。
筐体2内には移動体5が設けられている。この移動体5は、筐体2の内部空間のうちの上半分の領域に配置されているものであり、筐体2内において、天井面2eに沿って、前方(Y1方向)と後方(Y2方向)へ移動自在に支持されている。筐体2内で移動体5を移動可能に支持する支持機構の図示は省略しているが、例えば、移動体5に右方向(X1方向)と左方向(X2方向)へ突出する軸や突起が設けられ、筐体2の右側面2cと左側面2dには、前記軸や突起をY1−Y2方向へ案内する案内穴や案内溝が設けられている。
図1に示すように、前記移動体5の右側の前方には軸受部5aが突出し、左側の前方には軸受部5bが突出している。移動体5の前方には可動パネル6が設けられている。可動パネル6の基部6aの右側部には支持軸7が突出しており、この支持軸7が前記軸受部5aに回動自在に支持されている。可動パネル6の基部6aの左側部には支持軸8が突出しており、この支持軸8が前記軸受部5bに回動自在に支持されている。
前記支持軸7と前記支持軸8は、横方向(X方向)に延びる同一線上に位置しており、可動パネル6の基部6aは、前記支持軸7と支持軸8とによって、前記移動体5の先部に回動自在に支持されている。
図1と図2に示すように、前記可動パネル6は水平姿勢で筐体2内に収納されているときに、その先部6bが筐体2の前面2aに形成された開口部からやや前方へ突出している。可動パネル6は、背面6cと、前面となる使用面6dを有しており、筐体2内に収納された水平姿勢のときに、背面6cが筐体2の天井面2eと平行であり、使用面6dが底面2fと平行である。可動パネル6内には、液晶表示パネルやその他の表示装置、およびこの表示装置を駆動する駆動回路などが内蔵されている。可動パネル6の使用面6dに表示装置の表示画面が設けられ、またこの使用面6dに、必要に応じて押し釦や回転ノブなどの操作部材が設けられている。
水平姿勢のときの可動パネル6の右側面6eは、筐体2の右側面2cと平行であり、可動パネル6の左側面6fは、筐体2の左側面2dと平行である。図2(A)に示すように、可動パネル6の右側面6eと左側面6fには、背面6cおよび使用面6dと平行に延びる水平案内溝6gが形成されている。また、筐体2の右側面2cと左側面2dには、前後方向に間隔を開けて案内突起9,9がそれぞれ固定されている。前記水平案内溝6gが、前記案内突起9,9を摺動することにより、水平姿勢の可動パネル6は、その水平状態を維持したまま、筐体2内において前方(Y1方向)と後方(Y2方向)へ移動できるようになっている。
図1に示すように、移動体5と筐体2との間には、移動体5を前後方向へ移動させる往復駆動手段10が設けられている。
この往復駆動手段10では、筐体2内に右側面2cに沿って前後方向(Y1−Y2方向)に延びる駆動用ラック11が、筐体2内に固定されて設けられている。また、移動体5には、前記駆動用ラック11と常に噛み合う駆動用ピニオン歯車12が設けられている。移動体5には駆動モータMと、この駆動モータMの回転動力を前記駆動用ピニオン歯車12に減速して伝達する減速歯車列13が設けられている。前記駆動モータMが正逆両方向へ回転することにより、駆動用ピニオン歯車12が駆動されて、筐体2内で移動体5が前方(Y1方向)または後方(Y2方向)へ移動させられる。
図1に示すように、筐体2の右側面2cの内側には、前後方向(Y1−Y2方向)に延びる転動ラック21が設けられ、筐体2の左側面2dの内側にも前後方向に延びる転動ラック22が設けられている。それぞれの転動ラック21,22は、筐体2の天井面2eの下面に固定され、その歯列は底面2fに向けられている。移動体5の後部には、横方向(X1−X2方向)に延びる転動軸23が回転自在に支持されている。転動軸23の右端には転動ピニオン歯車24が固定されており、この転動ピニオン歯車24が前記転動ラック21と噛み合っている。転動軸23の左端には転動ピニオン歯車25が固定されており、この転動ピニオン歯車25が前記転動ラック22と噛み合っている。
移動体5は、筐体2内において、図2に示す後方位置から、図4に示す突出位置まで移動するが、この移動領域の全範囲において、前記転動ピニオン歯車24,25は、それぞれ転動ラック21,22に常に噛み合っている。移動体5が筐体2内において前後に移動する際に、転動ピニオン歯車24,25が転動ラック21,22と噛み合って常に回転する。転動ピニオン歯車24と転動ピニオン歯車25が、同一の転動軸23に固定されて互いに同期して回転するために、移動体5の、X1側に位置する右端部とX2側に位置する左端部が常に同じ速度で前後方向へ移動する。よって、移動体5は常に安定した姿勢で前後方向へ移動できるようになる。
前記筐体2と、移動体5および可動パネル6との間には、可動パネル6を図1、図2、および図3(A)に示す水平姿勢から図4に示す回動姿勢、すなわち使用面6dが筐体2の前方(Y1方向)へ向けられる立ち上がり姿勢へ回動させるための姿勢制御手段30が設けられている。以下、姿勢制御手段30の構造を説明する。
図1と図2(A)に示すように、可動パネル6の後端部に設けられた前記支持軸8には、従動歯車31が固定されており、この従動歯車31は前記支持軸8を支点として可動パネル6と一緒に回動できるように設けられている。また、移動体5の後部には、姿勢制御ピニオン歯車32が設けられ、この姿勢制御ピニオン歯車32には規制体33が一体に設けられている。前記姿勢制御ピニオン歯車32と規制体33は、前記転動軸23に摺動自在に軸支されている。すなわち、姿勢制御ピニオン歯車32と規制体33は一体となって、前記転動軸23に対して自由に回転できるように支持されている。
図2(B)および図3(B)に示すように、前記姿勢制御ピニオン歯車32は平歯車であり、その全周に所定モジュールの歯32aが形成されている。前記規制体33には当接部33aが形成されている。姿勢制御ピニオン歯車32が、図2(B)に示す姿勢のときに、前記当接部33aは、転動軸23の軸中心Oよりも前方(Y1側)で、且つ最も上方に位置する前記歯32aの歯先よりも下側に位置し、そして前後方向(Y1−Y2方向)に延びる短い平面となっている。
図1と図2(A)に示すように、前記移動体5には、伝達歯車列35が設けられている。この伝達歯車列35を構成する個々の歯車は、移動体5に固定された軸に回転自在に支持され、且つ互いに噛み合っている。伝達歯車列35の最も後方に位置する入力歯車36は、前記姿勢制御ピニオン歯車32と噛み合い、最も前方に位置する出力歯車37は、前記従動歯車31と噛み合っている。よって、姿勢制御ピニオン歯車32と、可動パネル6と一体に回動する前記従動歯車31との間は、前記伝達歯車列35を介して、常に互いに一緒に回転するように連結されている。
図1と図2(A)に示すように、筐体2の前方では、左側面2dの内側で、さらに前記転動ラック22の内側に姿勢制御ラック41が設けられている。この姿勢制御ラック41は筐体2の天井面2eの下面に固定され、その歯列が底面2fに向けられている。この姿勢制御ラック41は、筐体2内の前方の限られた長さLの範囲にのみ設けられている。前記姿勢制御ラック41は、移動体5が前方へ移動するときに、前記姿勢制御ピニオン歯車32が通過する領域に設けられており、姿勢制御ピニオン歯車32が前記長さLの範囲に至ったときに、姿勢制御ピニオン歯車32と姿勢制御ラック41とが噛み合う。
前記姿勢制御ラック41と前記転動ラック22との間には、規制摺動部材42が前後方向に延びて設けられている。この実施の形態では、前記姿勢制御ラック41と規制摺動部材42とが同じ長尺ブロックとして一体に形成されている。
図2(A)(B)に示すように、前記規制摺動部材42の下面には、筐体2の底面2fに平行に対面する摺動面42aが形成されている。図2(A)(B)に示すように、移動体5が筐体2内で最も後方に移動しているときに、前記規制体33の前記当接部33aが摺動面42aに面当接可能である。摺動面42aは図2(A)(B)において当接部33aが当接可能な位置から前方(Y1方向)へ向けて連続して延びており、この摺動面42aの前端42bは、前記姿勢制御ラック41が形成されている長さLの範囲の後端よりもやや前方に位置している。
図3(B)にも示すように、前記規制摺動部材42の下面には、前記摺動面42aの前端42bを起点として前方に凹部42cが形成されている。さらに前記凹部42cよりも前方に他の凹部42dが形成されている。これら凹部42c,42dは、前記長さLの範囲に移動した姿勢制御ピニオン歯車32が回転するときに、規制体33の当接部33aの回転動作を阻害しないために形成されている。規制摺動部材42の摺動面42aが、規制体33を規制するために必要となる機能範囲は前記前端42bよりも後方の領域のみである。よって、前記前端42bよりも前方に、規制摺動部材42が設けられていなくてもよい。
図2(A)に示すように、前記移動体5の前端から前方にはばね部材51が突出しており、このばね部材51によって、可動パネル6が上方へ付勢されている。図2(A)に示すように、可動パネル6が水平姿勢のときに、前記ばね部材51が可動パネル6に与えている支持軸8を中心とした反時計方向のモーメントmは、可動パネル6の自重による前記支持軸8を中心とした時計回りのモーメントよりも大きく設定されている。
次に、前記電子機器1の動作を説明する。
図2(A)では、可動パネル6が水平姿勢で、移動体5が筐体2内において後方(Y2方向)の最終端に移動している。このとき、可動パネル6の右側面6eと左側面6fに形成されている水平案内溝6gに、筐体2側の一対の案内突起9,9が入り込んでおり、可動パネル6が水平姿勢を維持している。
図2(A)では、移動体5の後方に設けられた姿勢制御ピニオン歯車32の歯32aが、長さLの範囲に設けられている姿勢制御ラック41からはるか後方へ離れている。可動パネル6を使用状態にするための操作が行われると、図1に示す駆動モータMが始動し、減速歯車列13によってその動力が減速されて、移動体5に搭載されている駆動用ピニオン歯車12が反時計方向へ回動する。よって、移動体5が前方Y1方向へ移動し、これに伴って可動パネル6も水平姿勢を維持したまま前方へ移動する。
移動体5が前進するときに、移動体5に回動自在に支持された転動軸23の右端部に固定された転動ピニオン歯車24が、筐体2の天井面2eに固定された転動ラック21と噛み合い続けて転動し、左端部に固定された転動ピニオン歯車25が、同じく天井面2eに固定された転動ラック22と噛み合い続けて転動する。よって、移動体5の右端部と左端部が同期して同じ速度で前進することになり、移動体5は安定した姿勢で前進する。
移動体5と、水平姿勢の可動パネル6とが、図3(A)の位置まで前進すると、図3(B)に示すように、移動体5の転動軸23に回転自在に支持されている姿勢制御ピニオン歯車32が、筐体2の天井面2eの前方の長さLの範囲に設けられた姿勢制御ラック41と噛み合う。その後に移動体5が前進すると、姿勢制御ピニオン歯車32が姿勢制御ラック41と噛み合ったまま図3(A)において反時計方向へ回動する。
姿勢制御ピニオン歯車32が反時計方向へ回動すると、この回動力が伝達歯車列35を経て従動歯車31に伝達され、従動歯車31が反時計方向へ回動する。図3(A)の状態では、可動パネル6に形成された水平案内溝6gが、案内突起9,9から抜け出ている。そのため、移動体5が図3(A)の位置から図4の位置まで前進する間に、前記従動歯車31の回動と共に可動パネル6が支持軸7,8を中心として反時計方向へ回動できる。移動体5は図4に示す位置が最も前進した位置であり、このとき可動パネル6が回動姿勢になり、使用面6dが前方に向けられる。
図4では、可動パネル6の先部6bが基部6aよりも後方に位置し、可動パネル6が斜めの姿勢となり、使用面6dが斜め上方前方へ向けられる。可動パネル6の傾斜姿勢角度は、移動体5の前進位置によって調整することが可能であり、例えば移動体5を、図4よりもやや後方の位置で停止させると、可動パネル6はほぼ垂直な姿勢で停止できる。
可動パネル6を筐体2内に収納させる操作を行うと、駆動モータMが前記と逆方向に始動し駆動用ピニオン歯車12が時計方向へ回動して、移動体5が筐体2の後方へ向けて移動する。この移動に伴って、姿勢制御ピニオン歯車32が、図4の状態から時計方向へ回動し、さらに伝達歯車列35によって従動歯車31が時計方向へ回動させられる。その結果、可動パネル6が水平姿勢に戻り、図2(A)に示すように、移動体5と可動パネル6とが筐体2内に収納される。
前記一連の動作において、図3(A)(B)に示すように、移動体5が前進して、姿勢制御ピニオン歯車32の歯32aが姿勢制御ラック41と噛み合いを開始するときに、姿勢制御ピニオン歯車32の回転位相は常に一定であることが好ましい。仮に、移動体5が図3(A)(B)の位置へ前進したときに、姿勢制御ピニオン歯車32の回転位相がずれていると、姿勢制御ピニオン歯車32の歯32aの歯先と、姿勢制御ラック41の歯先とが当たって噛み合いに移行できないおそれがある。また、姿勢制御ピニオン歯車32が、回転位相がずれた状態で姿勢制御ラック41に噛み合ってしまうと、その後に移動体5が前進し、図4の状態に至ったときに、回動姿勢となった可動パネル6の傾斜角度がずれる問題が生じる。
例えば、図2(A)に示す水平姿勢のときに、可動パネル6が支持軸7,8を支点として回動すると、その動作は従動歯車31から伝達歯車列35を介して姿勢制御ピニオン歯車32に伝達されてしまうために、前記のように姿勢制御ピニオン歯車32に回転位相のずれが発生してしまう。
この実施の形態の電子機器1では、図3(A)(B)の状態で、姿勢制御ピニオン歯車32に回転位相のずれが発生するのを防止するために以下の対策を施している。
第1の対策は、前記水平案内溝6gと案内突起9,9とによる水平案内手段である。図2(A)に示すように可動パネル6が水平姿勢のときに、可動パネル6に形成されている水平案内溝6gが案内突起9,9と嵌合している。そのため、可動パネル6が重力によって時計方向へ回動するのを防止でき、その結果、可動パネル6が水平姿勢のときに、姿勢制御ピニオン歯車32の回転位相が大きく変動するのを防止できるようになっている。
しかし、水平案内溝6gと案内突起9,9との間には摺動隙間を設ける必要があるため、図3(A)の状態で、可動パネル6は支持軸8を支点として上下に若干の回動余裕(がたつき)を有するようになる。このがたつきが生じていると、図3(B)の状態で、姿勢制御ピニオン歯車32の歯32aの歯先と姿勢制御ラック41の歯先とが当たって、スムースに噛み合いに移行できないことがあり得る。さらには、姿勢制御ピニオン歯車32が位相ずれを起こしたまま、姿勢制御ラック41と噛み合ってしまうこともあり得る。そこで、この実施の形態では、前記規制体33と摺動面42aとにより位相規制手段が構成されている。
この位相規制手段では、移動体5が図2(A)の位置から図3(A)に示す位置まで前進する間に、規制体33の当接部33aが前記摺動面42aに押し付けられたまま摺動面42aを摺動する。その結果、移動体5が前進して図3(A)(B)に示す位置へ移動したときに、規制体33と一体の姿勢制御ピニオン歯車32の回転位相が常に一定に保たれて、姿勢制御ラック41との噛み合いに至るようになっている。
前記規制体33の当接部33aを摺動面42aに押し付けるために、以下の2つの手段が採用されている。
第1の手段として、前記姿勢制御ピニオン歯車32と規制体33とが、転動軸23に回転自在に装着されている。図2(A)の状態から移動体5が前進する間、転動ピニオン歯車24,25と転動ラック21,22との噛み合いにより、転動軸23は図2(A)の側面図において反時計方向へ回転し続ける。このとき、転動軸23と、姿勢制御ピニオン歯車32および規制体33との摺動摩擦により規制体33の当接部33aが摺動面41aに押し付けられる。
第2の手段として、可動パネル6は、前記ばね部材51によって常に上方へ付勢されており、水平姿勢のときの可動パネル6には、反時計方向へのモーメントmが与えられ、このモーメントmは、可動パネル6の自重による時計方向へのモーメントよりも大きくなっている。前記モーメントmによって従動歯車31が常に反時計方向へ付勢され続け、この付勢回動力が伝達歯車列35を介して姿勢制御ピニオン歯車32に伝達されて、姿勢制御ピニオン歯車32が反時計方向へ付勢され続ける。その結果、規制体33の当接部33aが摺動面42aに押し付けられるようになる。
前記第2の手段を設けることにより、姿勢制御ピニオン歯車32と姿勢制御ラック41との噛み合い位相がずれるのをさらに確実に防止できる。すなわち、移動体5が図4から図3(A)の位置へ戻り、さらに図2(A)の収納位置まで戻る間、転動ピニオン歯車24,25と転動ラック21,22との噛み合いにより、転動軸23は時計方向へ回動し続ける。このとき、転動軸23と、姿勢制御ピニオン歯車32および規制体33との摺動摩擦によって、姿勢制御ピニオン歯車32と規制体33とが時計方向へ回動しやすくなっている。そこで、前記モーメントmを与えておくことにより、前記摺動摩擦によって、姿勢制御ピニオン歯車32と規制体33とが時計方向へ回動するのを防止できるようになっている。
また、可動パネル6が図3(A)に示す水平姿勢から、図4に示すように重力に対抗して回動姿勢へ向けて立ち上がる際に、前記ばね部材5によるモーメントmが、可動パネル6を立ち上がらせる力として作用する。よって、可動パネル6を重力に対抗して立ち上がらせるときの駆動モータMの負荷を低減できる。
さらに、図2(A)に示す収納姿勢などの際に、前記モーメントmによって従動歯車31が反時計方向へ付勢され、しかも規制体33が摺動面42aに押し付けられている。その結果、従動歯車31と姿勢制御ピニオン歯車32との間で伝達歯車列35を構成する各歯車間のバックラッシュが吸収される。よって、車体振動などが作用したときに、歯車のバックラッシュ音が発生しずらく、さらに水平姿勢の可動パネル6のがたつきも防止できる。
なお、姿勢制御ピニオン歯車32の回転位相を常に一定にする対策を、前記水平案内溝6gと案内突起9,9とによる水平案内手段のみで行ってもよいし、前記水平案内手段を設けずにばね部材51のみを設けてもよい。またばね部材51を設けずに、前記水平案内手段および、転動軸23と、姿勢制御ピニオン歯車32および規制体33との摺動摩擦のみで対策してもよい。
なお、移動体5が図3(A)(B)に示す位置へ移動し、姿勢制御ピニオン歯車32と姿勢制御ラック41とが噛み合った後に、さらに移動体5が前進すると、姿勢制御ピニオン歯車32と共に回転する規制体33の当接部33aが、規制摺動部材42に形成された凹部42c内を通過し、さらに1回転した後は前方の凹部42d内を通過する。よって、長さLの範囲で、姿勢制御ピニオン歯車32と姿勢制御ラック41とが噛み合っている間は、規制体33による規制動作は機能せず、姿勢制御ピニオン歯車32の回転を阻害しない。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。
前記実施の形態では、可動パネル6が比較的大きく、その使用面6dに液晶パネルなどの表示画面が設けられているものであるが、可動パネル6が前記実施の形態よりも小さく、使用面6dに主に操作部材が設けられているものであってもよい。
また、前記実施の形態を上下逆向きに構成すると、水平姿勢の可動パネル6が筐体2から前方へ突出した後に、先部6bが下方へ向けて回動するものとなる。
本発明の実施の形態の車載用の電子機器を示す平面図である。 (A)は図1の左側面図であり可動パネルが水平姿勢で筐体に収納されている状態を示す。(B)はそのときの姿勢制御ピニオン歯車および規制体と、摺動面との関係を示す拡大側面図である。 (A)は図1の移動体と可動パネルが前進した状態を示す。(B)はそのときの姿勢制御ピニオン歯車および規制体と、摺動面との関係を示す拡大側面図である。 可動パネルが回動姿勢となって状態を示す側面図である。
符号の説明
1 電子機器
2 筐体
2a 筐体の前面
2e 筐体の天井面
2f 筐体の底面
5 移動体
6 可動パネル
6a 基部
6d 使用面
7,8 支持軸
10 往復駆動手段
11 駆動用ラック
12 駆動用ピニオン歯車
21,22 転動ラック
23 転動軸
24,25 転動ピニオン歯車
30 姿勢制御手段
31 従動歯車
32 姿勢制御ピニオン歯車
33 規制体
33a 当接部
41 姿勢制御ラック
42a 摺動面

Claims (7)

  1. 筐体と、筐体の内部に収納される可動パネルとを有し、前記可動パネルが、その使用面が筐体の天井面または底面と平行な水平姿勢と、筐体の前方へ突出して前記使用面が筐体の前方へ向けられる回動姿勢との間で移動する電子機器において、
    筐体の内部で前後に移動し且つ前記可動パネルの基部が回動自在に支持されている移動体と、前記移動体を筐体内で前後方向へ移動させる往復駆動手段とを有し、
    前記移動体には、前記可動パネルに回動力を与える歯車機構が設けられ、筐体には、前記歯車機構を構成するいずれかの歯車と噛み合うラックが設けられており、
    前記移動体が筐体内で所定距離前進するときに、前記歯車と前記ラックが噛み合わず、前記移動体が所定距離前進した後に前記歯車と前記ラックとが噛み合って、その後の移動体の前進力によって可動パネルが回動姿勢に向けて回動することを特徴とする電子機器。
  2. 前記歯車と前記ラックとが噛み合うことなく前記移動体が移動するときに、前記歯車の回転位相を一定に保つ位相規制手段が設けられている請求項1記載の電子機器。
  3. 前記位相規制手段は、前記歯車と一緒に回転する規制体と、筐体に設けられて前記規制体が摺動する摺動面とを有している請求項2記載の電子機器。
  4. 前記歯車に回動付勢力を与えるばね部材が設けられており、前記ばね部材の回動付勢力によって、前記規制体が前記摺動面に押し付けられる請求項3記載の電子機器。
  5. 前記可動パネルは、水平姿勢から重力に反する方向へ回動して回動姿勢となるものであり、前記ばね部材によって、前記可動パネルが重力と反対向きに付勢されている請求項4記載の電子機器。
  6. 前記移動体が前進するときに、この前進動作に伴って所定方向へ回転する軸が設けられ、前記規制体が、前記軸の回転力によって前記摺動面に押し付けられている請求項3ないし5のいずれかに記載の電子機器。
  7. 前記可動パネルが水平姿勢で且つ移動体が筐体内を前後に移動するときに、前記可動パネルを水平姿勢のまま移動させる水平案内手段が設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の電子機器。
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