JP4321966B2 - 適合性抗微生物剤を含有する電気輸送式デバイス - Google Patents
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Description
(発明の背景)
A.発明の分野
本発明は、カソード貯蔵槽(cathodic reservoir)の材料と適合性を有する抗微生物剤(antimicrobial agent)を含有するカソード貯蔵槽を備えた経皮電気輸送式放出デバイスに関する。本発明はまた、医薬放出デバイスから電気輸送により患者に医薬を経皮供給する方法および経皮電気輸送式放出デバイスの製造方法に関する。
【0002】
B.関連技術の説明
表皮を経る拡散による医薬の経皮供給は、皮下注射および経口投与などの伝統的供給方法に比較して、より重要である。経皮医薬供給はまた、経口医薬供給が遭遇する肝臓一次通過作用を回避させる。従来から用いられているものとして、「経皮」供給の用語は、動物の皮膚、口腔、爪またはその他の身体表面(例えば、臓器表面)などの身体表面を経る薬剤の放出を広く包含する。
皮膚は、身体中への物質の経皮浸透に対する主要障壁として機能し、また医薬などの有益薬剤の経皮浸透に対して身体の主要な抵抗性を示す。今日まで、受動的拡散による医薬の供給にかかわり、皮膚の浸透性を増強させるか、または物理的抵抗を減少させるための研究が集中的になされている。経皮医薬流動速度を増加させる種々の方法が試行され、その最も顕著な例は化学的流動増強剤の使用によるものである。
【0003】
経皮医薬放出速度を増加させる手段の一つは、別種のエネルギー源、例えば電気エネルギーおよび超音波エネルギーの使用を包含する。電気補助経皮放出はまた、電気輸送と称される。本明細書で用いられているものとして、「電気輸送」(electrotransport)の用語は、一般に電力の印加より誘発または助長される皮膚、口腔、爪またはその他の身体表面などの膜を通過する有益薬剤(例えば、医薬)の放出を表わす。一例として、有益薬剤は、皮膚を通過する電気輸送式放出によってヒト身体の全身循環系に導入される。電気移動法(これはまた、イオン導入法とも称される)と称され、広く用いられている電気輸送法は、帯電したイオンの電気的に誘発された輸送を包含する。もう一つの方式の電気輸送は、電気浸透圧法と称され、放出しようとする薬剤を含有する液体を電場の影響下に流動させることを包含する。
【0004】
もう一つの方式の電気輸送法は、電気穿孔法(electoporation)と称され、電場の印加による生物学的膜における一時的に存在する孔の形成を包含する。薬剤は、受動的(passively)(すなわち、電気的補助を付随しない)または能動的(actively)(すなわち、電力の影響下における)のどちらかにより経皮放出させることができる。しかしながら、全部の従来の電気輸送法では、これらの方法の一つ以上が、例えば少なくとも若干の「受動的」拡散を包含する様相が、ある程度まで同時的に生じることがある。従って、本明細書で用いられているものとして、「電気輸送」の用語は、薬剤が実際に輸送される特定の1種のメカニズムまたは2種以上のメカニズムに関係なく、帯電した薬剤、非帯電薬剤またはその混合物を包含する少なくとも1種の薬剤の電気誘発または電気増強輸送を包含するものとする。
【0005】
電気放出デバイスには、皮膚、爪、粘膜またはその他の身体表面の一部分と電気的に接触している、少なくとも2個の電極が用いられる。電極の一つは、通常「ドナー」(donor)電極と称され、そこから医薬が身体中に放出される電極である。もう一つの電極は、代表的に「対向」電極と称され、身体を経る電気的循環を閉鎖する役目を果たす。一例として、放出される薬剤が正に帯電されている、すなわちカチオンである場合、アノード電極がドナー電極であり、他方、カソード電極は循環を完了させる役目を果たす対向電極である。別の場合、すなわち薬剤が負に帯電されている、すなわちアニオンである場合、カソード電極がドナー電極であり、またアノード電極が対向電極である。従って、アニオン薬剤イオンおよびカチオン薬剤イオンの両方、または非帯電の溶解した薬剤を放出させる場合、アノード電極およびカソード電極は両方ともに、ドナー電極であると考えられる。
【0006】
さらにまた、電気輸送式放出デバイスは一般に、身体に放出しようとする有益薬剤のための、少なくとも1個の貯蔵槽(reservoir)または供給源を必要とする。このようなドナー貯蔵槽は、ポーチまたは空腔、多孔質スポンジまたはパッド、および親水性ポリマーまたはゲルマトリックスを包含する。このようなドナー貯蔵槽は、アノード電極またはカソード電極に接続されており、またアノード電極またはカソード電極と身体表面との間に配置されており、1種または2種以上の有益薬剤の固定されているか、または再生可能な供給源を提供している。電気輸送式放出デバイスはまた、1個または2個以上の電池などの電力源を備えている。代表的に、いづれかの時点で、この電力源の1方の極が、ドナー貯蔵槽に電気的に接続され、他方、対向極は、対向電極に電気的に接続される。電気輸送式医薬放出の速度は、当該デバイスに適用される電流にほぼ比例することが証明されていることから、多くの電気輸送式デバイスは代表的に、電圧を制御しおよび/または電極を介して適用される電流を制御する電気制御器を備えており、これにより医薬放出速度が調整されている。これらの制御回路には、電力源により供給される電流および/または電圧の振幅、極性、タイミング、波長形態などを制御する種々の電気部品が用いられる。例えば、McNichols等による米国特許5,047,007を参照することができる。
【0007】
患者の身体に施用するための温度変換可能であるイオン導入式デバイスは、Bosniak等による米国特許5,169,384に記載されている。このデバイスは、患者の身体の或る部分に選択的に施用することができ、または患者の身体の或る部分からの熱エネルギーを除去することができ、またイオン導入法により化合物を投与することができる。種々の態様において、このデバイスは、患者の顔または膝に施用されるような形状を有する。
さらに電気輸送デバイスの発展に伴い、薬剤および電解質貯蔵槽マトリックスとしてヒドロゲルを使用することが特に好まれ、これは、一部、電気輸送薬剤放出において、アルコールやグリコールのような他の液体溶媒と比べて、水は優れた生物学的適合性を有して、好ましい液体溶媒であるという事実のためである。
電気輸送式放出デバイスは、説明されているように製造され、出荷され、また貯蔵され(または貯蔵され、出荷され、次いで貯蔵され)、次いで使用される。その結果として、これらのデバイスは、或る場合には、一定の要件を具備していなければならない。例えば、米国食品および医薬品局(U.S.Food and Drug Administration)は、数種の材料について6〜18か月の貯蔵寿命要件を有している。延長された貯蔵寿命の達成における一つの複雑な因子は、電極貯蔵槽内の水性環境が微生物成長のための優れた媒質を提供する点にある。従って、電極貯蔵槽の水性媒質に抗微生物剤を配合し、微生物の増殖を抑制することができる。
【0008】
多くの抗微生物剤が、種々の環境で使用されている。公知抗微生物剤(時には、殺菌剤(biocides)と称される)には、塩素化炭化水素類、有機金属類、ハロゲン放出性化合物、金属塩、有機イオウ化合物、四級アンモニウム化合物およびフェノール系薬剤が包含される。代表的化合物には、ソルビン酸、安息香酸、メチルパラベンおよびセチルピリジニウムクロライドが包含される。一例として、米国特許第5,434,144 号は、その数種がメチルパラベンおよびセチルピリジニウム塩を包含する局所用組成物を開示している。
電気輸送式デバイスの観点から、米国特許第5,668,120号は、その8欄、16〜21行に、メチルパラベンおよびセチルピリジニウム塩などの保存剤を任意に、イオン導入法媒質の液体ベヒクルに包含させることができることを開示し、またこのような化合物を包含する特許の数種の例を開示している。さらに、米国特許第4,585,652号および同第5,788,666号は、セチルピリジニウムクロライドをイオン導入法により投与することができることを開示しており、他方、米国特許第5,298,017号は、電気輸送により投与することができる多くの種々の物質を開示している。
【0009】
(発明の説明)
種々の抗微生物剤を、水性媒質を含有する外被(housing)を構成するポリマー材料中に吸収させ、これにより水性媒質中の抗微生物剤の効果を減少させることができることが見出された。電気輸送による患者への抗微生物剤の経皮放出を回避しながら、抗微生物剤の効果を保有し、同時に医薬を電気輸送により患者に放出させることができることがまた、証明された。
従って、本発明の一態様は、アノード、カソードおよびアノードおよびカソードに電気的に接続している電力源を包含する経皮電気輸送式医薬放出デバイスであって、上記カソードはカソード電極、ならびにポリマー材料から構成された外被および該外被と接触している水性媒質を包含するカソード貯蔵槽を備えており;上記水性媒質は、i)医薬または電解質塩もしくはその混合物およびii)水性媒質における微生物の成長を抑制するのに充分な量のセチルピリジニウム塩を含有し、ここで上記ポリマー材料はセチルピリジニウム塩と適合性を有するものである、経皮電気輸送式医薬放出デバイスに関する。
【0010】
さらにもうひとつの態様において、本発明は、アノード、カソードおよびアノードおよびカソードに電気的に接続している電力源を包含する医薬放出デバイスから電気輸送によって患者に医薬を経皮放出する方法であって、上記アノードはアノード電極および医薬を含有するアノード貯蔵槽を包含し;および上記カソードはカソード電極およびポリマー材料から構成され水性媒質を含有するカソード貯蔵槽を包含し;上記水性媒質は、i)電解質塩およびii) 水性媒質における微生物の成長を抑制するのに充分な量のセチルピリジニウム塩を含有し、また上記ポリマー材料はセチルピリジニウム塩と適合性を有するものであり、該方法が、上記医薬がアノード貯蔵槽から電気輸送によって患者に経皮放出され、またセチルピリジニウム塩がカソード貯蔵槽から電気輸送によって患者に経皮放出されないように、電力源から電流を付与することを包含する、上記経皮放出方法である。
さらにもう一つの態様において、本発明は、経皮電気輸送式医薬放出デバイスの製造方法に関する。この方法は、i)医薬または電解質塩もしくはその混合物およびii) 水性媒質における微生物の成長を抑制するのに充分な量のセチルピリジニウム塩を含有する水性媒質を調製し;次いでアノード、カソードおよびアノードおよびカソードと電気的に接続している電力源を包含するデバイスのカソード貯蔵槽内に水性媒質を入れることを包含し、上記カソードはカソード電極およびポリマー材料から構成された外被を包含するカソード貯蔵槽を備えており、これにより水性媒質がカソード貯蔵槽の外被と接触し、および上記ポリマー材料はセチルピリジニウム塩と適合性を有するように選択される方法である。
【0011】
(発明の実施方法)
上記したように、本発明の態様一つは、医薬が皮膚または粘膜を経て患者に放出されるようにデザインされている経皮電気輸送式医薬放出デバイスに関する。この経皮電気輸送式医薬放出デバイスは、アノード、カソードおよびアノードおよびカソードに電気的に接続している電力源を包含しており、このカソードはカソード電極およびポリマー材料および外被と接触している水性媒質から構成されている外被を包含するカソード貯蔵槽を備えており、上記水性媒質は、i)医薬または電解質塩もしくはその混合物およびii)水性媒質における微生物の成長を抑制するのに充分な量のセチルピリジニウム塩を含有し、また上記ポリマー材料はセチルピリジニウム塩と適合性を有するものである。
【0012】
本発明で用いられるセチルピリジニウム塩は、格別に有効な抗微生物剤であり、細菌およびカビ類を包含する多くの微生物を殺滅することができ、または少なくともその成長を抑制することができる。カソード貯蔵槽で有効な抗微生物剤は、約3〜約7.5、好ましくは約3.5〜約6.5のpH範囲で特に際立っており、カソード貯蔵槽の水性媒質に存在させると、これらのpHの低い方のレベルでそれ自体が或る程度の抗細菌活性を付与することができる。
このセチルピリジニウム塩は、水性媒質中の生物の成長を抑制するのに充分な量で存在させる。一般に、水性媒質は、セチルピリジニウム塩を少なくとも約0.005重量%の量で含有する。さらに詳細には、水性媒質は、セチルピリジニウム塩を約0.005重量%〜約2重量%の量で含有し、好ましくは約0.01重量%〜約1重量%の量で含有する。水性媒質の重量を計算する場合、ゲルマトリックスの量(存在させる程度まで)は包含させない。
【0013】
このセチルピリジニウム塩は、セチルピリジニウムハライド塩またはその混合物であることができる。セチルピリジニウム塩は好ましくは、セチルピリジニウムハライド塩であり、セチルピリジニウムクロライドは特に好適である。
セチルピリジニウム塩は、実質的に全部の経皮電気輸送式放出デバイスのカソード貯蔵槽で使用することができる。一般に、電気輸送式デバイスは、医薬が輸送される特定の1種のメカニズムまたは2種以上のメカニズムに関係なく、帯電した医薬、または非帯電の医薬、またはその混合物であることができる医薬の電気的に誘発または増強された輸送により医薬を経皮放出する。電気輸送は、医薬が単に拡散によって皮膚を通過して放出される受動的(すなわち、電気的に補助されていない)経皮放出系に比較して、医薬放出の流動率または速度を増加させる電力に基づいている。特に適用できるメカニズムは、イオン導入によるものであり、この場合、医薬は帯電した(イオン化された)形態で投与される。さらに上記したように、医薬がカチオンとして投与されるべき場合、この医薬は、医薬放出デバイスのアノード貯蔵槽に、初めから存在させる。他方、医薬がアニオンとして投与されるべき場合、この医薬は、医薬放出デバイスのカソード貯蔵槽に、初めから存在させる。カチオン形態およびアニオン形態の両方の医薬を、それぞれアノード貯蔵槽およびカソード貯蔵槽から同時的に放出させることができる。
【0014】
電気輸送により経皮放出させることができる医薬の全部を本発明で使用することができ、これらに制限されないものとして、抗生物剤および抗ウイルス剤などの抗感染剤;フェンタニール(fentanyl)、スフェンタニル(sufentanil)およびバプレノルフィン(buprenorphine)などの鎮痛剤および鎮痛剤組合わせ;麻酔剤;食欲抑制剤;抗関節炎剤;テルブタリン(terbutaline)などの抗喘息剤;抗ケイレン剤;抗うつ剤;抗糖尿病薬;抗皮膚炎薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤;抗偏頭痛製剤;スコポラミン(scopolamine)およびオンダンセトロン(ondansetron)などの抗運動疾患製剤;抗パーキンソン病薬;抗かゆみ薬;抗精神病薬;発熱防止薬;胃腸および膀胱を包含する抗けいれん薬;抗コリン作用剤;交換神経作用剤;キサンチン誘導体;カルシウムチャンネル遮断剤[例えば、ニフェジピン(nifedipine)]を包含する心臓血管系薬;ドーブタミン(dobutamine)およびリトドリン(ritodorine)などのベータ−作用薬;ベータ−遮断薬;抗不整脈剤;アテノロール(atenolol)などの抗高血圧薬;ラニチジン(ranitidine)などのACE阻害剤;利尿薬;一般、冠状、末梢および脳を包含する血管拡張薬;中枢神経系刺激薬;咳および風邪薬;うっ血除去薬;診断剤;甲状腺ホルモンなどのホルモン類;催眠薬;免疫抑制剤;筋肉弛緩剤;副交換神経作用薬;プロスタグランジン類;蛋白質類;ペプチド類;精神刺激薬;鎮静薬;およびトランキライザーを包含する。
【0015】
さらに特定の医薬には、バクロフェン(baclofen)、ベクロメタソン(beclomethasone)、ベタメタソン(betamethasone)、バスピロン(buspirone)、クロモリンナトリウム(cromolyn sodium)、ジルチアゼム(diltiazem)、ドキサゾシン(doxazosin)、ドロペリドール(droperidol)、エンカイニド(encainide)、フェンタニール(fentanyl)、ハイドロコーチゾン(hydrocortisone)、インドメタシン(indomethacin)、ケトプロフェン(ketoprofen)、リドカイン(lidocain)、メトトレキセート(methotrexate)、メトクロプラミド(metoclopramide)、ミコナゾール(miconazole)、ミダゾラム(midazolam)、ニカルジピン(nicardipine)、ピロキシカム(piroxicam)、プラゾシン(prazosin)、スコポラミン(scopolamine) 、スフェンタニル(sufentanil)、テルブタリン(terbutaline)、テストステロン(teststerone)、テトラカイン(tetracain)およびベラパミル(verapamil)が包含される。
【0016】
本発明はまた、それらの大きさによって、経皮または経粘膜放出が困難であるペプチド類、ポリペプチド類、蛋白質類、またはその他の巨大分子の制御放出に有用である。これらの巨大分子物質は、代表的に少なくとも約300ダルトンの分子量、さらに代表的に約300〜40,000ダルトンの範囲内の分子量を有する。本発明のデバイスを用いて放出させることができるペプチド類および蛋白質類の例には、これらに制限されないものとして、LHRH、LHRH類縁化合物[例えば、ブゼレリン(buserelin)、ゴセレリン(goserelin)、ゴナドレリン(gonadorelin)、ナフレリン(naphrelin)、ナツレチン(naturetin)、ロイプロリド(leuprolide)]、GHRH、GHRF、インスリン(insulin)、インスリノトロピン(insulinotropin)、ヘパリン(heparin)、カルシトニン(calcitonin)、オクトレオチド(octreotid)、エンドルフィン(endorphin)、TRH、NT−36(化学名:N−[[(S)−4−オキソ−2−アゼチジニル]カルボニル]L−ヒスチジル−L−プロリンアミド])、リプレシン(liprecin)、
【0017】
下垂体ホルモン類[例えば、HGH、HMG、HCG、デスモプレシン(desmopressin)アセテート]、小胞ルテオイド類(follicle luteoids)、α−ANF、成長因子放出因子(GFRF)、β−MSH、ソマトスタチン(somatostatin)、ブラディキニン(bradykinin)、ソマトトロピン(somatotropin)、血小板由来成長因子、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン(bleomycin)硫酸塩、チモパパイン(chymopapain)、コレサイストキニン(cholecystokinin)、コリオニック ゴナドトロピン(chorionic gonadotropin)、コルチコトロピン(corticotropin)(ACTH)、エリスロポイエチン(erythropoietin)、エポプロステノール(epoprostenol)(血小板凝集抑制剤)、グルカゴン(glucagon)、ヒルログ(hirulog)、ヒアルロニダーゼ(hyaluronidase)、インターフェロン(interferon)、インターロイキン−2(interleukin-2)、メノ−トロピン類(meno-tropins)[ウロホリトロピン(urofolitropin)(FSH)およびLH]、オキシトシン(oxitocin)、ストレプトキナーゼ(streptokinase)、組織プラスミノーゲン活性化剤、ウロキナーゼ、
【0018】
バソプレシン(vasopressin) 、デスモプレシン(desmopressin)、ACTH類縁化合物、ANP、ANPクリアランス抑制剤、アンギオテンシンII拮抗剤、抗利尿ホルモン作用剤、抗利尿ホルモン拮抗剤、ブラデイニン拮抗剤、CD4、セレダーゼ、CSF´S、エンケファリン(enkephaline)、FAB断片、lgEペプチド抑制剤、IGF−1、神経栄養因子、コロニイ刺激因子、甲状腺ホルモンおよび作用薬、甲状腺ホルモン拮抗剤、プロスタグランジン拮抗剤、ペンチゲチド(pentigetide)、蛋白質C、蛋白質S、レニン阻害薬、チモシンアルファ−1、血栓崩壊薬、TNF、ワクチン類、バソプレシン拮抗体類縁化合物、アルファ−1抗トリプシン(組換え体)、およびTGF−ベータが包含される。
【0019】
本発明のデバイスおよび方法により放出させることができる特に好適な医薬は、全身性麻酔薬であるフェンタニールおよびスフェンタニルであり、これらの薬剤は、それらの迅速な鎮静作用および作用の短い持続時間を特徴とするものである。これらの化合物は、格別に強力であり、またモルヒネに比較して、それぞれ80倍および800倍であると推定される。これらの化合物は両方ともに、アミン化合物であり、またその主要部分が酸性水性媒質中でカチオン形態である弱塩基性である。フェンタニールおよびスフェンタニルを、アノード貯蔵槽から投与しようとする医薬として使用する場合、カソード貯蔵槽は代表的に、実質的に医薬を含有していない。経皮電気輸送フェンタニールおよびスフェンタニル放出デバイスの例は、WO 96/39222;WO 96/39223およびWO 96/39224に記載されており、これらの記載を引用して、ここに組み入れる。
【0020】
フェンタニールをデバイスで使用する場合、代表的には、酸付加塩、特にクロライド塩の形態で用いられ、アノード貯蔵槽の水性媒質中の初期濃度(すなわち、いずれかの医薬を患者に投与する以前)は、ドナー貯蔵槽内に含有されているフェンタニール塩のモル数に基づき、約10〜約50mg/kg、好ましくは約20〜約55mg/kgである。さらに、この濃度は、液体溶媒の容積に基づいており、貯蔵槽の総合容積に基づくものではない。換言すれば、この濃度は、貯蔵槽マトリックス(例えば、ヒドロゲルまたはその他のマトリックス物質)により代表される貯蔵槽の容積を包含するものではない。
【0021】
本発明の観点において、フェンタニールはスフェンタニルよりも好適である。アノード貯蔵槽の実質的に中性のpH環境において、少なくとも5.7mg/mlの濃度で、フェンタニールは、エス.アウレウス(S.aureus)、イー.コリ(E.coli)、ピー.アエルギノーサ(B.aeruginosa)、ビー.プミルス(B.pumilus)種およびシー.アルビカンス(C.albicans)などの微生物に対して抗微生物性を提供する。この濃度で、フェンタニールはまた、エイ.ニガー(A.niger)などのその他の微生物の成長を抑制し、また22.7mg/mlの程度の濃度で、このカビを殺滅する。従って、フェンタニールまたは類似の抗微生物性を有する医薬をアノード貯蔵槽から患者に投与しようとする医薬として用いた場合、このアノード貯蔵槽は別種の抗微生物剤を含有する必要はない。
【0022】
カソード電極およびアノード電極は、金属などの導電性材料から構成されている。一例として、これらの電極は金属薄片、金属スクリーン、適当な裏打ち材料上に沈着または塗布された金属から、カレンダーリングにより、薄膜蒸発によりまたはポリマー結合剤マトリックス中に導電性材料を混合することにより、形成することができる。適当な導電性材料の例は、カーボン、グラファイト、銀、亜鉛、アルミニウム、プラチナ、ステンレス鋼、金およびチタンを包含する。一例として、上記したように、アノード電極は電気化学的に酸化可能である銀から構成することができる。カソード電極はカーボンおよび電気化学的に還元可能な銀クロライドから構成することができる。銀は、その比較的低い哺乳動物に対する毒性から、その他の材料よりも好適である。銀クロライドは、カソードで生じる電気化学的還元反応 (AgCl + e- → Ag + Cl-)が大部分の動物に対して無毒性であり、また大部分の動物で一般的なものであることから、好適である。
【0023】
別法として、これらの電極は、金属粉末、粉末状グラファイト、炭素繊維などの導電性充填材料またはその他公知の導電性充填材料を含有するポリマーマトリックスから形成することができる。ポリマーを基材とする電極は、ポリマーマトリックス中に、好ましくは親水性ポリマーと疎水性ポリマーとの混合物中に導電性充填剤を混合することによって形成することができる。この疎水性ポリマーは構造剛性を付与し、他方で親水性ポリマーはイオン輸送を増強することができる。例えば、亜鉛粉末、銀粉末、粉末状カーボン、炭素繊維およびその混合物を疎水性ポリマーマトリックス中に混合することができ、このような導電性塩の好適濃度は、約30〜約90容量%であり、残りはポリマーマトリックスまたはその他の不活性添加剤である。
【0024】
アノード電極およびカソード電極と電気的に接続されている電力源は、いずれかの電池であることができる。例えば、対向電極およびドナー電極が類似していない金属から構成されているか、または相違する半電池反応を有する場合、それ自体が電力を発生する装置が可能である。化学電池カップルを提供する代表的材料は、亜鉛ドナー電極と塩化銀対向電極を包含する。このような組合わせは、約1ボルトの電力を発生する。化学電池カップルを用いる場合、ドナー電極と対向電極とは、電力発生プロセスの一体部分である。このような化学電池カップル起電装置は、身体組織および/または体液が当該装置と完全回路を形成する場合、或る制御手段が存在しないと、自動的に活性化される。本発明で特に有用である化学電池カップル起電装置のその他の多くの例が存在する。
【0025】
或る場合、化学電池電極対により供給される電力の増強が必要であることがある。この場合、別の電力源を付随することができる。このような電力源は代表的に、一列にまたは平行に接続されている1個の電池または複数個の電池であり、カソード電極とアノード電極との間に、一方の電極が電力源の1極に接続されており、他方の電極が対向極に接続されているように配置する。通常、1個または2個以上の3ボルトボタン型集合電池が電気輸送デバイスの電力源として適している。好適電池は3ボルトリチウムボタン型集合電池である。
【0026】
電力源は、当該電気輸送デバイスの動作を制御するための電気回路を備えていることができる。すなわち、電力源は、例えば要求される医薬投与計画に応じて装置をオンおよびオフに手動で切り換えることができるようにデザインされた回路、または或る所望の、例えば身体の自然のまたは日周期パターンに適合した定期期間で装置をオンおよびオフに切り換えることができるようにデザインされた回路を備えていることができる。さらに、制御手段は、患者に投与することができる投与量を制限することができる。比較的単純なコントローラーまたはマイクロプロセッサーは、時間の関数として電流を制御することができ、または脈搏または洞様毛細血管波長(sinusoidal waves)などの複雑な電流波形を発生することができる。制御回路はまた、生体信号を監視する或るタイプのフィードバック装置およびバイオセンサーを備えていることができ、これらは治療の評価を提供し、従って医薬放出の調整手段を提供する。代表的例には、インスリンの制御投与における血糖値の監視がある。
【0027】
カソード貯蔵槽内の水性媒質、および代表的にアノード貯蔵槽内に存在する水性媒質は、そこに存在する液体を、電気輸送によってそこを通過する薬剤の輸送を可能にするのに充分な量で吸収し、また保持するのに適するいずれの材料であることもできる。例えば、木綿またはその他の天然および合成の両方の吸収性繊維からなるガーゼ、パッドおよびスポンジを使用することができる。さらに好ましくは、この水性媒質は、少なくとも部分的に、1種または2種以上の親水性ポリマーからなる。親水性ポリマーは代表的に好適であり、これは水が好適イオン輸送媒質であり、また親水性ポリマーは比較的高い平衡水含有量を有するからである。最も好ましくは、貯蔵槽内の水性媒質は、少なくとも一部分が親水性ポリマーから構成されているポリマーマトリックスである。不溶性の親水性ポリマーマトリックスは、それらの構造物性(例えば、水吸収による膨潤が小さいという物性)の観点から、可溶性の親水性ポリマーよりも好適である。
【0028】
水性媒質はゲルであることができ、この場合、ゲルは水に不溶性または可溶性である親水性ポリマーから形成される。このようなポリマーは諸成分をいずれかの割合で配合することができるが、好ましくは貯蔵槽の重量の数パーセントから約50パーセントまでの量で存在する。これらのポリマーは、線状であることができ、または架橋されていてもよい。適当な親水性ポリマーは、コポリエステル[例えば、HYTREL(登録商標)(DuPont De Nemours & Co.,Wilmington,Del.)]、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド[例えば、POLYOX(登録商標)(Union Carbide Corp.)、CARBOPOL(登録商標)(BF Goodrich of Akron,Ohio)]、ポリオキシエチレンまたはポリエチレングリコールとポリアクリル酸との配合物[例えば、CARBOPOL(登録商標)と配合されたPOLYOX(登録商標)]、ポリアクリルアミド、KLUCEL(登録商標)、架橋したデキストラン[例えば、SEPHADEX(登録商標)(Pharmacia Fine Chemicals,AB,Uppsala, スエーデン国]、
【0029】
WATER LOCK(登録商標)(Grain Processing Corp.,Muscatine,Iowa)(これは、デンプン−グラフトしたポリ(アクリル酸ナトリウム−コ−アクリルアミド)ポリマーである)、セルロース誘導体[例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースおよび架橋したNa−カルボキシメチルセルロース[例えば、Ac−DiSol(FMC Corp.,Philadelphia,Pa.)]、ヒドロゲル[例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート(National Patent Development Corp.)]、天然ガム、キトサン、ペクチン、デンプン、グアガム、ロカストビーンガム等、およびその配合物を包含する。これらの中で、ポリビニルアルコールは、貯蔵槽の内容物の約5重量%〜約35重量%、好ましくは約19重量%〜約23重量%の範囲の量で好適である。このリストは、本発明で使用するのに適する材料を単に例示するものである。その他の適当な親水性ポリマーは、J.R.Scott および W.J.Roff によるHandbook of Common Polymers(CRC Press,1971)に見出すことができ、この記載を引用して、ここに組み入れる。
【0030】
場合により、疎水性ポリマーを存在させ、構造強度を増加させることができる。好ましくは、この疎水性ポリマーは、熱軟化性であり、これにより隣接層への積層が容易になる。適当な疎水性ポリマーは、これらに制限されないものとして、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレンおよびポリアルケン、ゴム類、コポリマー類、例えばKRATON(登録商標)、ポリビニルアセテート、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド類(例えばナイロン類)、ポリウレタン類、ポリビニルクロライド、アクリルまたはメタアクリル樹脂(例えばアクリル酸またはメタアクリル酸のn−ブタノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、イソオクタノール、n−デカノールなどのアルコールによるエステルのポリマー]を包含し、これらのポリマーは単独であるか、またはエチレン状不飽和モノマー、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−アルコキシメチル、アクリルアミド類、N−アルコキシメチルメタアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、イタコン酸、アルキル基が炭素原子10〜24個を有するN−分枝アルキルメラミン酸、グリコールジアセテートと共重合されていてもよく、また上記ポリマーの配合物も包含する。上記疎水性ポリマーの大部分は、熱軟化性である。しかしながら、カソード貯蔵槽に使用する材料は、これらがセチルビリジニウム塩と適合性であるように選択しなければならない。
【0031】
アノードおよびカソード貯蔵槽内の媒質は、所望の医薬、電解質またはその他の成分(1種または2種以上)を不活性ポリマーと配合することによって形成することができ、この配合は溶融配合法、溶液流延法または押出し法などの方法によることができる。代表的に、アノード貯蔵槽媒質は、放出しようとする医薬を含有し、他方カソード貯蔵槽媒質は、電解質、代表的に塩化ナトリウムなどの生体適合性塩およびセチルピリジニウム塩を含有する。カソード貯蔵槽内にセチルピリジニウム塩が存在すると、電流がデバイスに供給された時、セチルピリジニウム塩がイオン化して、電気輸送により患者に放出されないことから有利である。
医薬および電解質に加えて、アノードおよびカソード貯蔵槽はまた、その他の慣用の成分、例えば不活性充填剤等を含有することができる。一例として、カソード貯蔵槽は塩化ナトリウムなどの電解質を約0.01〜約1.0重量%の量で、クエン酸または匹敵する物質を約0.1〜約1.0重量%の量で、およびクエン酸三ナトリウム二水和物または匹敵する物質を約0.1〜約1.0重量%の量で含有することができ、ここでクエン酸およびクエン酸三ナトリウム二水和物は緩衝系として機能する。
【0032】
カチオン性医薬、水およびヒドロゲルに加えて、アノード貯蔵槽は、米国特許第5,023,085号に記載されているような流動増強剤、米国特許第5,624,415号に記載されているような緩衝剤、WO 95/27530に記載されているようなハライド樹脂およびその他公知の賦形剤を含有することができる。特定の追加の成分には、約0.01〜約1.0重量%の量のEDTAナトリウム塩、または約0.1〜約2.5重量%の量のL−ヒスチジンまたはL−ヒスチジンHClが包含される。
さらにまた、米国特許第5,080,646号および同第5,147,296号に記載されているような1種または2種以上の速度制御膜を、ドナー貯蔵槽と身体表面との間に配置することができ、これにより薬剤が放出される速度が制御され、または電力源をオフモードにある場合の受動的薬剤の放出が制限される。
【0033】
ここで図1を参照すると、図1には本発明に従い使用することができる電気輸送式デバイスの具体例が示されている。図1は、プッシュボタンスイッチ形態の活性化スイッチ12および光発射ダイオード(light emitting diode)(LED)の形態のディスプレイ14を備えた電気輸送式デバイス10の図解式拡大図を示している。デバイス10は上部外被16、回路板集合部品18、下部外被20、アノード電極22、カソード電極24、アノード貯蔵槽26、カソード貯蔵槽28および皮膚適合性接着剤30からなる。上部外被16は患者の皮膚上にデバイス10を保持する助けをする横方向翼15を有する。上部外被16は好ましくは、注入成型可能なエラストマー(例えば、エチレンビニルアセテート)から構成する。
【0034】
印刷回路板集合部品18は、別々の電気部品40および集合電池32と組合わされている集積回路19を包含する。印刷回路板集合部品18は、開口部13aおよび13bを通るポスト(図示されていない)により外被16に接合されており、これらのポストの末端を加熱/溶融し、回路板集合部品18を外被16に熱溶接させる。下部外被20は、接着剤30により上部外被16に接合されており、この接着剤30の上方表面34を下部外被20および翼15の底部表面を包含する上部外被16の両方に接着させる。
電池32は、印刷回路板集合部品18の下側に示されている(部分的に)。この電池は好ましくは、ボタン型集合電池であり、最も好ましくはリチウム電池である。別の種類の電池を、デバイス10の電力源として使用することもできる。
【0035】
回路板集合部品18の回路出力装置(図1には示されていない)は、導電性接着ストリップ42,42´により、下部外被に形成されているくぼみ25,25´で、開口部23,23´を介して電極24および22と電気的に接触させる。電極22および24は次いで、貯蔵槽26および28の頂上側44´,44と機械的に、また電気的に直接に結合させる。貯蔵槽26および28の底部側46´,46は、接着剤30の開口部29´,29を経て患者の皮膚と接触する。
プッシュボタン型スイッチ12を押すと、回路板集合部品18上の電気回路が電極/貯蔵槽22,26および24,28に予め定められた直流電流を放出し、これにより予め定められた長さの、例えば約10〜20分の放出間隔が得られる。好ましくは、このデバイスは、明るくなるLED14によって、および/または音信号、例えば「ビーパー(ポケットベル、beeper)」によって、医薬放出間隔の開始または大量放出間隔の視覚による確認情報および/または音による確認情報を使用者に送る。鎮痛性医薬、例えばフェンタニールまたはスフェンタニルは次いで、予め定められた間隔で患者の皮膚、例えば腕の皮膚を経て供給される。実際に、使用者は、視覚により(LED14が明るくなる)および/または音信号により(ビーパーからのビープ音)、医薬放出間隔の開始についてフィードバックを受ける。
【0036】
アノード電極22は好ましくは、銀からなり、またカソード電極24は好ましくは、ポリイソブチレンなどのポリマーマトリックス材料上に装填されたカーボンおよび銀クロライドからなる。貯蔵槽26および28は両方ともに、例22、24に記載されているようにポリマーヒドロゲル材料からなり、また貯蔵槽26、28は下部外被20により保持されている。フェンタニールおよびスフェンタニルの場合、アノード貯蔵槽26は、「ドナー」貯蔵槽であり、医薬を含有する。アノード貯蔵槽28は、生体適合性電解質およびセチルピリジニウム塩を含有する。電極材料がセチルピリジニウム塩を吸収することができる材料から構成されている場合、イオン交換膜を電極24と貯蔵槽28との間に配置することができる。従って、例えばアニオン交換膜(図1には示されていない)、例えばSYBRON(登録商標)またはRAIPORE(登録商標)アニオン交換膜を、カソード電極24とカソード貯蔵槽28との間に配置することができ、セチルピリジニウムカチオンは、このような膜を透過しない。従って、セチルピリジニウムカチオンは、カソード電極と接触しない。
【0037】
プッシユボタン型スイッチ12、回路板集合部品18上の電気回路および電池32は、上部外被16と下部外被20との間に、接着により「シール」されている。上部外被16は好ましくは、ゴムまたはその他の弾性材料から構成されている。下部外被20は、くぼみ25,25´を形成することができるように容易に成型することができ、また開口部23,23´を切り出すことができるポリマーシート材料から構成されている。下部外被、特にアノード貯蔵槽26およびカソード貯蔵槽28を包含する部分は、ポリマー材料から構成されている。このポリマー材料は、セチルピリジニウム塩と適合性を有し、これによりセチルピリジニウム塩は、ポリマー材料中に実質的に吸収されない。このようなポリマー材料は、ポリエチレンテレフタレート、当該ポリマーをさらに無定形にするシクロヘキサンジメチロールにより変性されているポリエチレンテレフタレート(これは、ポリエチレンテレフタレートグリコールまたはPETGと称される)、ポリプロピレンおよびその混合物を包含する。好適ポリマー材料は、ポリエチレンテレフタレートおよびPETGであり、これらは両方ともに、市販されている。PETGは、最も好適である。適当なPETGは、KODAR(登録商標)PETGコポリエステル6763の商品名でEasan Chemical Products,Inc.から市販されている。
【0038】
集合されたデバイス10は好ましくは、耐水性(すなわち、跳ね水防止性)であり、最も好ましくは防水性である。この装置はプロファイルは低く、身体に容易に整合し、これにより装着部位におよびその周囲で自由に動かすことができる。アノード医薬貯蔵槽26とカソード貯蔵槽28とは、デバイス10の皮膚接触側に配置し、また通常の取扱いおよび使用中における不意の電気的短連絡を防止するように充分に離しておく。
デバイス10は、上方側34および身体接触側36を有する末梢接着部30により患者の身体表面(例えば、皮膚)に接着させる。接着側36は、通常の使用者の活動中、身体のその場所にとどまり、しかも予め定められた装着期間(例えば、24時間)の後に妥当に取り除くことができることを確実にする接着物性を有する。接着部の上方側34は、下部外被20に接着しており、外被くぼみ25,25´内に電極および医薬貯蔵槽を保有し、さらに上部外被16に接合した下部外被20を保有する。デバイスはまた、通常、初期に接着部30の身体接触側36に結合し、患者に貼る前に取り除かれる剥離性ライナー(図示されていない)を備えている。この剥離性ライナーは、代表的にシリコン処理したポリエチレンエチレンテレフタレートであり、これはまた、セチルピリジニウム塩と適合性である。
【0039】
プッシュボタン型スイッチ12は、デバイス10の頂上面上に位置しており、布地を介して容易に活性化させることができる。プッシュボタン型スイッチ12を短時間(例えば、3秒)内に二度押す行為を使用し、医薬放出用デバイス10を活動させると好ましく、これによりデバイス10の不注意による活性化の可能性が最低にされる。
スイッチを活動させると、音アラームが医薬放出の開始を知らせ、この時点で、回路は予め定められた(例えば、10分間)放出間隔で電極/貯蔵槽に予め定められたレベルの直流電流を供給する。LED14は、この放出間隔期間を通して「オン」のままで滞まり、デバイス10が医薬放出活性モードにあることを知らせる。電池は、装着期間全体(例えば、24時間)を通して、予め定められたレベルの直流電流によりデバイス10を連続的に動作させるのに充分な電力を有すると好ましい。集積回路19は、予め定められた量の医薬が予め定められた期間にわたり患者に放出され、次いでスイッチが再度、活性化されるまで止まり、また予め定められた回数の用量が投与された後に、ドナー貯蔵槽内に余剰医薬が存在していても、追加の放出が不可能であるようにデザインすることができる。
【0040】
カソード貯蔵槽の材料は、当該経皮電気輸送式医薬放出デバイスの使用以前の出荷および保存の期間中または保存、出荷および保存の期間中に遭遇することがあるような延長された期間にわたっても、当該貯蔵槽内のセチルピリジニウム塩の抗微生物効果を維持することができるように選択する。このことは、カソード貯蔵槽の水性媒質を含有する材料、例えば図1に例示されているデバイスの下部外被などの材料は、カソード貯蔵槽内におけるその抗微生物効果を減少させるような実質的量のセチルピリジニウム塩を吸収しないように選択する。このような材料はまた、代表的に末梢接着部30の身体接触面36上に位置する剥離性ライナー(図示されていない)にも使用することができる。本発明で使用されているものとして、「適合性」(compatible)の用語は、当該材料が貯蔵中に、実質適量のセチルピリジニウム塩を吸収しないことを意味する。或るポリマー材料がセチルピリジニウム塩と適合性であると判断するためには、0.1mg/mlの濃度のセチルピリジニウム塩水性溶液を調製し、ポリマー材料の試料を25℃で4週間、浸漬し、次いでポリマー材料により吸収されたセチルピリジニウム塩の量をHPLCにより測定することができる。吸収されたセチルピリジニウム塩の量が、0.25mg/gポリマー材料よりも少ない、好ましくは0.10mg/gポリマー材料よりも少ない、最も好ましくは0.025mg/gポリマー材料よりも少ない場合、このポリマー材料は、セチルピリジニウム塩と適合性であると考えることができる。
【0041】
上記したように、カソード貯蔵槽の形成に使用することができる適当なポリマー材料は、ポリエチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメチロールにより変性されたポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンおよびその混合物を包含する。好ましくは、この材料はポリエチレンテレフタレートまたはシクロヘキサンジメチロールにより変性されたポリエチレンテレフタレートである。ポリマー材料は、熱成形またはいずれかその他の適当な技術により、所望の形状(例えば、下部外被の形態)に形成することができる。
【0042】
アノード貯蔵槽内に含有させる水性媒質は、いずれか常習的技術に従い製造することができる。一例として、水性媒質がヒドロゲル組成物である場合、これはポリビニルアルコール約10〜約30重量%、緩衝剤約0.1〜約0.4重量%、および所望量の医薬、例えばフェンタニールまたはスフェンタニル塩、特に塩酸塩から構成することができる。残りは、水およびその他の慣用の成分である。このヒドロゲル組成物は、フェンタニールまたはスフェンタニル塩を包含する全成分を1個の容器内で約90〜約95℃の高められた温度で少なくとも約0.5時間、混合することによって調製することができる。この熱い混合物を次いで、発泡体鋳型に注ぎ入れ、次いで約−35℃の凍結温度で、ポリビニルアルコールが架橋するのに充分時間(例えば、一夜)、保存する。室温まで温めると、経皮電気輸送式放出デバイスのアノード貯蔵槽に配置するのに適する、強く弾性のゲルが得られる。
【0043】
カソード貯蔵槽内に含有させる水性媒質はまた、いずれか常習的技術に従い製造することができる。一例として、水性媒質がヒドロゲル組成物である場合、これはポリビニルアルコール約10〜約30重量%およびそれぞれ前記した量の塩化ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸およびセチルピリジニウム塩などの成分から構成することができ、残りは水である。このヒドロゲル組成物は、全成分を混合し、次いでアノード貯蔵槽に用いられるヒドロゲル組成物の調製にかかわり記載されている方法を用いることによって、調製することができる。
本発明の種々の態様は、下記例および比較例から理解することができる。しかしながら、本発明は、例に示されている具体例に制限されないものと理解されるべきである。
【0044】
例1
本発明のセチルピリジニウム塩の抗微生物効力を説明するために、セチルピリジニウム塩0.01%、0.02%および0.03%を、下記の3種の細菌とともに含有するカソードヒドロゲル組成物を製造した:1種の酵母菌、1種のカビ[これらの微生物は抗微生物保護効果試験(Antimicrobial Preservative Effectiveness Test)に詳細に記載されている]および1種の環境型カビ(environment mold)。別段の記載がないかぎり、この例におけるパーセンテージは全部が重量によるパーセントである。カソードヒドロゲルにおける接種体の生存可能性は、抗微生物効果試験に従い評価した。この試験は、米国薬局方(U.S.Pharmacopoeia)23<51>抗微生物保護効果(Antimicrobial Preservatives-Effectiveness);英国薬局方(British Pharmacopoeia)(BP)付録XVIC 抗微生物保護効果(Efficacy of Antimicrobial Preservation);および欧州薬局方(European Pharmacopoeia)(EP)VIII.15 抗微生物保護効果(Efficacy of Antimicrobial Preservation)に記載の方法に関連して説明し、またこの方法に従う試験である。
【0045】
下記の微生物を使用した:
細菌
スタフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureus)ATCC 6538
エスケリッチャ コリ(Escherichia coli)ATCC 8739
シュウドモナス アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 9027
酵母菌
カンジダ アルビカンス(Candida albicans)ATCC 10231
カビ類
アスペルギラス ニガー(Aspergillus niger)ATCC 16404
環境分離微生物(Environmental Isolate)
クラドスポリウム種(Cladosporium species)(環境分離微生物)
【0046】
この試験に使用した組成物を下表に示す:
【0047】
組成Iのヒドロゲル組成物の試料は、250mlジャケット付きガラスビーカーに、精製水(USP)80.28g、塩化ナトリウム(USP)0.10g、クエン酸三ナトリウム0.37g、クエン酸0.24gおよびセチルピリジニウムクロライド0.01gを添加することによって製造した。生成する混合物をガラス撹拌棒を用いて5〜10分間撹拌し、次いで塩を完全に溶解させた。このビーカーに、洗浄したポリ(ビニルアルコール)19.00gを添加し、デルリン(Delrin)パドルを備えたガラス撹拌棒および熱電対温度計を付けたゴム栓を、このビーカーの開口部中に挿入した。この混合物を、撹拌しながら90〜95℃に温め、次いでこの温度に約60分間保持した。この熱いポリ(ビニルアルコール)溶液を約60℃に冷却させ、次いで60mlポリプロピレン製シリンジに移した。このポリプロピレン製シリンジおよび内容物を、予め60℃に加温されているアルミニウム製ブロックヒーター内に入れ、次いで銀カソード/ポリイソブチレン/カーボンブラック電極および導電性接着テープ(例えば、ポリイソブチレン/カーボンブラックからなる感圧性テープ)を含有する2.0cm2 PETGカソード外被に充填した。この充填されたPETG外被を、ポリエチレンテレフタレート製剥離性ライナーで被覆し、これらの試料を次いで、−35℃で約24時間、冷凍庫に入れた。凍結したヒドロゲルを室温まで温め、抗微生物添加剤としてセチルピリジニウムクロライドを含有するカソードヒドロゲルを得ることができた。このカソードヒドロゲルのpHは、4.5であった。
【0048】
組成2および3のヒドロゲル組成物の試料は、各成分のパーセンテージを上記表に示されているとおりにする以外は、同一技術を用いて製造した。
この試験には、下記培地を使用した:
*トリプチカーゼ大豆アガール(Trypticase Soy Agar)(TSA)w/レシチンおよびポリソルベート80、Difcoコード番号0553-17-2 または均等物;
*サボーラウドデキストロースアガール(Sabouraud Dexstrose Agar)(SDA)、Difcoコード番号0553-17-3または均等物;
*トリプチカーゼ大豆アガール(Trypticase Soy Agar)(TSA)、BBL 11043または均等物;
*0.1%ポリソルベート80、BBL No.11925を添加したリン酸塩緩衝剤、BBL No.11544または均等物。
【0049】
標準接種体の調製
6種のチャレンジ生物のそれぞれから、標準法に従い接種体懸濁液を製造し、5継代(passes)よりも少ない培養物のみを使用した。この懸濁液を、標準法に従い約1.0×108 コロニイ形成単位(CFU)/mlに調節した。接種の直前に、接種体の濃度を、注入プレート法(Pour Plate Method)(米国薬局方1995および刊行物 Biology of Microorganisms,3版、1979に示されている説明参照、これらの記載を引用してここに組み入れる)により確認した。
注入プレート法において、細菌にはトリプチカーゼ大豆アガール(TSA)を使用し、また酵母菌およびカビ類にはサボーラウドデキストロースアガール(SDA)を使用した。TSAプレートは、30〜35℃で48〜72時間、インキュベートした。エイ.ニガー(A.niger)を接種したSDAプレートは、20〜25℃で3日間、インキュベートした。シー.アルビカンス(C.albicans)およびクラドスポリウム種(Cladosporium species)を接種したSDAプレートは、20〜25℃で5〜7日間、インキュベートした。インキュベーション後、コロニー数を数えた。3枚のプレート間で測定された平均コロニー数を、稀釈ファクターを掛け算し、生物/系の数を得た。
【0050】
試料試験方法
試料を試験するために、貯蔵槽外被から保護剥離性ライナーを無菌条件下に取り除いた。各ヒドロゲル組成物に、微生物懸濁液6□L(約6.0×105 CFU/外被)を接種した。接種の直後に、剥離性ライナーを再配置し、接種された外被を、元の包装に戻し、ヒートシーラーを用いてシールした。接種された外被を含有する再シールされた包装物を、20〜25℃でインキュベートした。3個の複製された接種後の外被を、接種後の0時点、および2日目、7日目、14日目、21日目および28日目に分析した。この方法は6種の被験微生物のそれぞれについて、反復した。これらの試料を評価するために、各ヒドロゲルを、先ず包装物および外被から取り出し、0.1%ポリソルベート80含有リン酸塩緩衝液5.4mlを含有するネジ栓付き管に入れた。各管を2分間、振り混ぜた。注入プレート法を使用し、抽出液の一連の稀釈液のプレートを、細菌全部についてはレシチンおよびポリソルベート80含有TSA上に形成し、また酵母菌およびカビ類についてはSDA上に形成した。これらのブレートを次いで、インキュベートし、次いで上記方法で、その数を測定した。
【0051】
これらの試験結果を、表1〜3に示す。これらの表は、セチルピリジニウムクロライド0.01%、0.02%および0.03%を含有するカソードヒドロゲル組成物が、米国薬局方23微生物試験<51>抗微生物/保護−効果に示されている抗微生物保護効果要件、すなわち1)生存する細菌の濃度が、14日後に3対数(logs)の最低値まで減少され、その後、増加しないこと、および2)生存する酵母菌およびカビ類の濃度が、28日間の試験期間中、初期濃度にとどまるか、または初期濃度以下であるという要件に適合することを示している。
【0052】
セチルピリジニウムクロライドは3種全部の濃度で、チャレンジ細菌および酵母菌の全部の生存生物数を、試験の2日目で減少させた。これは、10CFU/外被である当該評価の最低検出レベルよりも少ない。0.03%のCPC濃度において、生存カビ数はまた、試験の2日目で、10CFU/外被よりも減少した。0.02%のCPC濃度において、試験の2日目で生存していたエイ.ニガー(A.niger)は0.1%よりも少なく、またクラドスポリウム種(Cladosporium species)は、10CFU/外被よりも少ない程度にまで減少された。0.01%のCPC濃度において、エイ.ニガー(A.niger)は、10CFU/外被よりも少ない程度にまで減少され、またクラドスポリウム種(Cladosporium species)は、14日目までに0.1%よりも少ない程度にまで減少された。
【0053】
この試験結果の追加の分析は、セチルピリジニウムクロライド0.01%、0.02%および0.03%を含有するカソードヒドロゲル組成物がまた、英国薬局方に示されている局所用製剤にかかわる抗微生物保護効果要件、すなわち1)生存細菌数が、48時間の時点で3対数(logs)の最低値まで減少され、7日間の時点またはその後、被験細菌の回復は見られないこと、および2)生存カビ数が、28日目の時点で被験カビの増加を示さないこと、という要件に適合することを示している。
さらに、これらのセチルピリジニウムクロライド0.01%、0.02%および0.03%を含有するカソードヒドロゲル組成物はまた、欧州薬局方の臨界条件Aに示されている局所用製剤にかかわる抗微生物保護効果要件、すなわち1)生存細菌数が、2日目および7日目の時点で、それぞれ少なくとも2対数(logs)および3対数にまで減少され、その後、増加しないこと、および2)生存カビ数が、14日目の時点で2対数の最低値まで減少され、28日目の時点で被験カビの増加を示さないこと、という要件に適合する。
【0054】
【0055】
組成:精製水(USP)(80.28%)、洗浄したポリビニルアルコール(19.00%)、塩化ナトリウム(USP)(0.10%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、クエン酸(USP)(0.24%)、セチルピリジニウムクロライド(0.01%)
b 初期試料濃度:種々の時点における生物濃度の順次変化の全部を測定するための基底値
c CFU:コロニー形成単位
d 0時点:接種直後のプレート計数値。この数値は、抗微生物剤がただちに作用することから、接種濃度を表わすものではない
e 環境分離微生物:抗微生物剤を含有していないカソードヒドロゲルから分離した
f N/A:不適用
【0056】
表1(続き)
組成:精製水(USP)(80.28%)、洗浄したポリビニルアルコール(19.00%)、塩化ナトリウム(USP)(0.10%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、クエン酸(USP)(0.24%)、セチルピリジニウムクロライド(0.01%)
b 初期試料濃度:種々の時点における生物濃度の順次変化の全部を測定するための基底値
c CFU:コロニー形成単位
d 0時点:接種直後のプレート計数値。この数値は、抗微生物剤がただちに作用することから、接種濃度を表わすものではない
e 環境分離微生物:抗微生物剤を含有していないカソードヒドロゲルから分離した
f N/A:不適用
【0057】
【0058】
組成:精製水(USP)(80.27%)、洗浄したポリビニルアルコール(19.00%)、塩化ナトリウム(USP)(0.10%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、クエン酸(USP)(0.24%)、セチルピリジニウムクロライド(0.02%)
b 初期試料濃度:種々の時点における生物濃度の順次変化の全部を測定するための基底値
c CFU:コロニー形成単位
d 0時点:接種直後のプレート計数値。この数値は、抗微生物剤がただちに作用することから、接種濃度を表わすものではない
e 環境分離微生物:抗微生物剤を含有していないカソードヒドロゲルから分離した
f N/A:不適用
【0059】
表2(続き)
組成:USP精製水(80.28%)、洗浄したポリビニルアルコール(19.00%)、塩化ナトリウム、USP(0.10%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、クエン酸、USP(0.24%)およびセチルピリジニウムクロライド(0.02%)
b 初期試料濃度:種々の時点における生物濃度の順次変化の全部を測定するための基底値
c CFU:コロニー形成単位
d 0時点:接種直後のプレート計数値。この数値は、抗微生物剤が直に作用することから、接種濃度を表わすものではない
e 環境分離微生物:抗微生物剤を含有していないカソードヒドロゲルから分離した
f N/A:不適用
【0060】
【0061】
組成:精製水(USP)(80.26%)、洗浄したポリビニルアルコール(19.00%)、塩化ナトリウム(USP)(0.10%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、クエン酸(USP)(0.24%)、セチルピリジニウムクロライド(0.03%)
b 初期試料濃度:種々の時点における生物濃度の順次変化の全部を測定するための基底値
c CFU:コロニー形成単位
d 0時点:接種直後のプレート計数値。この数値は、抗微生物剤がただちに作用することから、接種濃度を表わすものではない
e 環境分離微生物:抗微生物剤を含有していないカソードヒドロゲルから分離した
f N/A:不適用
【0062】
表3(続き)
c CFU:コロニー形成単位
d 0時点:接種直後のプレート計数値。この数値は、抗微生物剤がただちに作用することから、接種濃度を表わすものではない
e 環境分離微生物:抗微生物剤を含有していないカソードヒドロゲルから分離した
f N/A:不適用
【0063】
例2
本発明のセチルピリジウム塩の抗微生物効果をさらに例示するために、セチルピリジウムクロライド0.08%を、細菌、酵母菌およびカビ類を包含する種々の微生物ととも含有するカソードヒドロゲル組成物を製造した。使用した生物は、エス.アウレウス(S.aureus)、イー.コリ(E. coli)、ピー.アエルギセノーサ(P.aeruginosa)およびエイ.ニガー(A.niger)および4種の環境分離カビであった。試験方法は米国薬局方、英国薬局方および欧州薬局方にかかわり上記した方法と同一の方法に従った。
【0064】
使用微生物は、下記のとおりである:
細菌
エス.アウレウス(S.aureus)ATCC No.6538
イー.コリ(E.coli)ATCC No.8739
ピー.アエルギノーサ(P.aeruginosa)ATCC No.9027
酵母菌
シー.アルビカンス(C.albicans)ATCC No.10231
カビ類
エイ.ニガー(A.niger)ATCC No.16404
環境分離微生物
ペニシリウム種 (Penicillium species)(環境分離微生物)
クラドスポリウム種(Cladosporium species)(環境分離微生物)
アスペルギラス種(Aspergillus species)(環境分離微生物)
クリプトコッカスアルビダス(Cryptococcus albidus)(環境分離微生物)
【0065】
この試験には下記の組成物を使用した:
組成物4
精製水(USP)(84.21%)、洗浄したPVOH(15.00%)、クエン酸、USP(0.24%)、クエン酸三ナトリウム、USP(0.37%)、塩化ナトリウム、USP(0.10%)、セチルピリジニウムクロライド(0.08%)、pH4.5。
この組成物の試料は、上記例1に記載されている方法と同様の方法で調製した。
この試験には、下記媒質を使用した:
【0066】
*レシチンおよびポリソルベート80を含有するトリプチカーゼ大豆アガール(TSA)、BBLコード番号4311764または均等物;
*サボーラウドデキストロースアガール(SDA)、BBLコード番号431584または均等物;
*トリプチカーゼ大豆ブロース(TSB)、BBLコード番号4311768 または均等物;
*0.05%ポリソルベート80を含有する塩類TS;
*フロイドA(Fluid A)(USP):0.1%バクト−ペプタミン(Bacto-Peptamin)、Difco コード番号0905-01または均等物;
*フロイドD(Fluid D)(USP):0.1%バクト−ペプタミン(Bacto-Peptamin)、Difco コード番号0905-01または均等物;
*0.1%ポリソルベート80、Difco コード番号x257-07または均等物。
【0067】
チャレンジ接種体の標準化
微生物培養物は、米国、英国および欧州薬局方に記載のとおりに調製した。特に、細菌培養物は、TSA中で継代培養し、30〜35℃で18〜24時間インキュベートした;酵母菌培養物[シー.アルビカンス(C.albicans)およびクリプトコッカス アルビダス(Cryptococcus albidus)は、TSA中で継代培養し、20〜25℃で48時間、撹拌しながらインキュベートした(通気し、高濃度の生物を得た)。インキュベーション後、各懸濁液を4℃で10分間、10,000で遠心処理することによって洗浄した。培養物は、無菌蒸留水で2回洗浄し、このペレット状物を無菌水に再懸濁した。調製された懸濁液の濃度は、530nm波長における吸光値を読み取ることによって、濁度に基づき測定した。この懸濁液濃度を調節し、約108 コロニー形成単位(CFU)/mlを得、その後、直ちに使用した。
【0068】
カビ類(糸状菌)胞子は、米国薬局方に記載のとおりに成長させた。特に、エイ.ニガー(A.niger)、クラドスポリウム種(Cladosporium species)、アスペルギラス種(Aspergillusspecies)およびペニシリウム種 (Penicillium species)は、SDAプレートにおいて20〜25℃で1週間、または充分の胞子形成が得られるまで成長させた。インキュベーション後、各カビ培養物を、0.05%ポリソルベート80を含有する無菌塩類溶液TS中で培養した。懸濁液中のCFU/ml数を、SDAにおいて注入プレート法により測定した。胞子の数は、約108 CFU/mlに調節した。
【0069】
試験方法
試料に接種するために、全部の微生物について下記の方法に従った。保護環境で無菌技術を使用し、30種のヒドロゲル組成物試料を、45mm径ペトリ皿に入れた(1g/皿)。保護剥離性ライナーをゲルから取り除き、無菌下にペトリ皿で保存した。各外被に、微生物懸濁液各3μl一定量(約106 CFU/外被)の3つを接種した。接種の開始時点、中間時点および終了時点に、注入プレート法を使用して、接種体濃度を測定した。接種直後に、接種された外被を含有するペトリ皿を、それらの元のホイル裏打ち包装内に戻し、試料を光および水分損失から保護した。ホイル包装の内部の過剰量の空気を、当該ホイル包装の両側を穏やかに押すことによって除去し、この間、包装物のヒドロゲル表面上における接種体との接触を確実に失わせた。これらの包装物は、ヒートシーラーを用いてシールした。24時間後、各ホイル包装を切り開き、剥離性ライナーを各試料の接種表面上に再配置し(製品保存状態のシュミレーション)、次いでこれらの包装物を、ヒートシーラーにより再シールした。接種された外被を含有する再シールされた包装物を、28日間、20〜25℃で保存した。接種された外被5個/生物を、接種後の2日目、7日目、14日目、21日目および28日目に回収した。
【0070】
これらの外被を評価するために、剥離性ライナーを備えた5個の接種された外被のそれぞれを、それらの包装から取り出し、フロイドD(USP)20mlをそれぞれ含有するネジ栓を付けた管に入れた。試料および剥離性ライナーを含有する管を、平行振盪器上に置き、内容物を30分間、約200RPMで振り混ぜた。各管について、一連の10倍稀釈液を作り、各一定量を栄養培地(細菌の場合、レシチンおよびポリソルベート80含有TSAおよびカビの場合、SDA)20〜30mlとともに注入プレート法を用いて培養した。細菌培養物は、30〜35℃で48時間、インキュベートし、またカビ培養物は、20〜25℃で3〜5日間、インキュベートした。
【0071】
これらの試験結果を、表4に示す。表4から証明できるように、接種された試料の表面上のエス.アウレウス(S.aureus)、イー.コリ(E.coli)およびピー.アエルギノーサ(P.aeruginosa)にかかわる生存細菌数およびシー.アルビカンス(C.albicans)の生存酵母菌数およびクリプトコッカス種(Cryptococcus species)(環境分離微生物)生存菌数は、2日間およびその後、10CFU/外被(これは、当該分析法の最大感度である)よりも少ない程度に減少された(4対数過剰で減少)。接種された試料上のエイ.ニガー(A.niger)および環境分離微生物[クラドスポリウム種(Cladosporium species)、ペニシリウム種 (Penicillium species)およびアスペルギラス種(Aspergillus species)]にかかわる生存カビ数は、2日間で、3対数よりも大きく減少し、28日間まで増加しなかった。この試験結果は、セチルピリジニウムクロライド0.08%を含有するカソードヒドロゲル組成物が、米国、英国および欧州薬局方について上記した抗微生物保護効果要件に適合することを示している。
【0072】
比較例
比較の目的で、セチルピリジニウムクロライドを含有していないヒドロゲル試料(その組成は下記表にそれぞれ記載されている)の12ヶ月にわたる試験結果を、表5および6に示す。表に示されているように、これらの組成物におけるカビの成長を観察した。
【0073】
【0074】
組成:精製水(USP)(84.21%)、洗浄したPVOH(15.00%)、クエン酸(USP)(0.24%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、塩化ナトリウム(USP)(0.10%)、セチルピリジニウムクロライド(0.08%)
b 生物濃度:コロニー形成単位(CFU)/系
c 環境分離微生物
d 分析法の最大感度
【0075】
【0076】
組成:USP精製水(USP)(87.29%)、洗浄したPVOH(12.00%)、クエン酸(USP)(0.24%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、塩化ナトリウム(USP)(0.10%)、pH4.0
b カビ濃度:コロニー形成単位(CFU)/系;n=4または3
c 分析法の最大感度
d 1種のペニシリウム種(Penicillium species)は104 CFUレベルで、エイ.ニガー(A.niger)ATCC 16404を接種した4個の単位の一つから検出した
e 1種のペニシリウム種(Penicillium species)は104 CFUレベルで、エイ.ニガー(A.niger)ATCC 16404を接種した4個の単位の二つから検出し、1種のアスペルギラス種(Aspergillusspecies)は104 CFUレベルで、エイ.ニガー(A.niger)ATCC 16404を接種した他の二つから検出した
(再試験試料から、汚染は検出されなかった)
【0077】
f 1種のアスペルギラス種(Aspergillusspecies)(上記アスペルギラス種と同一)は106 CFUレベルで、シー.アルビカンス(C.albicans)ATCC 10231を接種した4個の単位の一つから検出した
g 1種のペニシリウム種(Penicillium species)は104 CFUレベルで、および1種のアスペルギラス種(Aspergillusspecies)(上記アスペルギラス種と同一)は102 CFUレベルで、およびピンクカラー酵母菌は103 CFUレベルで、シー.アルビカンス(C.albicans)ATCC 10231を接種した4個の単位の三つから検出した
1種のペニシリウム種(Penicillium species)は104 および106 CFUレベルで、エイ.ニガー(A.niger)ATCC 16404を接種した3単位の二つから検出した
h 1種のペニシリウム種(Penicillium species)は105 CFUレベルで、エイ.ニガー(A.niger)ATCC 16404を接種した3単位の一つから検出した
【0078】
【0079】
組成:精製水(USP)(87.29%)、洗浄したPVOH(12.00%)、クエン酸(USP)(0.24%)、クエン酸三ナトリウム(0.37%)、塩化ナトリウム(USP)(0.10%)、pH4.0
b 酵母菌およびクラドスポリウム種(Cladosporium species)は、製造環境から分離した。ペニシリウム種 (Penicillium species)は、前記試験でエイ.ニガー(A.niger)ATCC 16404を接種したゲルから分離した
カビ濃度:コロニー形成単位(CFU)/系;n=6か月時点(n=6)を除いて3
c 青カビ(ペニシリウム種に類似する)は103 CFUレベルで、クラドスポリウム種(Cladosporium species)を接種した系の一つから検出した
d 分析法の最大感度
e 1種のカビコロニー(クラドスポリウム種として同定)は、クラドスポリウム種(Cladosporium species)を接種したヒドロゲル単位の一つの表面から検出した
f TBD:終了(To be done)
【0080】
例3
シクロヘキサンジメチロールで変性されたポリエチレンテレフタレート[これは、Easan Chemical Products,Inc.からKODAR(登録商標)PETGコポリエステル6763の商品名で得られる)に対するセチルピリジニウムクロライドの適合性を、ポリイソブチレン、カーボンおよび銀クロライドからなる複合カソード電極を用いて例示するために、下記組成物をヒドロゲルとして調製した。
【0081】
ヒドロゲル組成物は、精製水(USP)84.2g、クエン酸0.24g、クエン酸三ナトリウム二水和物0.37g、塩化ナトリウム0.10gおよび洗浄したポリ(ビニルアルコール)15.0gを、250mlジャケット付きガラスビーカーに加えることによって調製した。窒素導入口、粉末添加ロート、熱電対温度計およびデルリン(Delrin)パドルを有するステンレス鋼撹拌シャフトを備えたゴム栓を、ビーカーの開口部に挿入した。混合物は90〜95℃に温めながら撹拌し[アロー(Arrow)850、速度設定=1〜2]、次いでこの温度で70分間保持した。ポリ(ビニルアルコール)のクエン酸塩緩衝液を50℃で冷却させ、次いでこのビーカーにセチルピリジニウムクロライド0.075gを添加した。この混合物を、15分間撹拌し、セチルピリジニウムクロライドを完全に溶解した。このポリマー溶液を、アルミニウムブロック加熱器により予め55℃に温められている60mlポリプロピレン製シリンジに移し、次いでPETG材料(これは、ポリイソブチレン29重量%、カーボン2.5重量%および銀クロライド68重量%からなり、約0.35mg/cm2の面密度を有する複合カソードを含有する)からなる熱成型された下部外被中に、マルチコア結合ペーストディスペンサー(Multicore solder paste dispenser)を用いて分配した。
【0082】
この装填カソードヒドロゲル組成物の試料を、シリコン処理したポリエチレンテレフタレート剥離性ライナーで覆い、次いでこれらの装填系を−20℃冷凍庫で18時間保存し、次いで作業台の上で室温まで温めた。架橋したヒドロゲル組成物の試料、ポリマー材料の外被およびポリエチレンテレフタレート剥離性ライナーの重量を測定し、次いでそれぞれシールしたサルリン(Surlyn)ライナー付きホイル包装内に包装した。
これらのカソードヒドロゲル組成物の試料を、4゜、25゜および40℃で1週間、4週間、8週間、12週間、24週間および48週間保存した後、ホイル包装から取り出した。これらのカソードヒドロゲル組成物の試料を、水60%/アセトニトリル40%からなる移動相により抽出し、次いでセチルピリジニウムクロライド(CPC)の含有量をHPLC分析により測定した。この試験結果を、下記表8に示す。
【0083】
【0084】
前記結果をさらに完全に理解するために、このカソードヒドロゲルの重量が0.64gである点に留意すべきである。従って、セチルピリジニウムクロライド含有量(ヒドロゲル中のCPC0.075重量%に基づく)は、0.48mgCPC/ヒドロゲルであり、これは0.075重量%CPC/gヒドロゲルに相当する。4゜、25℃および40℃で48週間後、このカソードヒドロゲル中のCPC濃度は、それぞれ0.055重量%、0.053重量%および0.043重量%に減少した。4℃、25℃および40℃で48週間後、このカソードヒドロゲル組成物中のCPC濃度は、0.55、0.53、0.43mgCPC/gヒドロゲルであった。4゜、25゜および40℃で48週間後、複合カソードに対して失われたCPC量は、それぞれ0.20、0.22および0.32mgCPC/gヒドロゲルであった。AgCl/PIB複合カソードの面積は、2.33cm2である。4℃、25℃および40℃で48週間後のCPC損失量は、AgCl/PIB複合体1.0cm2と接触するものとして、それぞれ0.086、0.094および0.137mgCPC/gヒドロゲル/cm2であった。
【0085】
引き続く抽出試験は、セチルピリジニウムクロライドが、初期に複合カソードで消失することを示した。上記したように、この状況に対する強力な解決策として、アニオン交換膜、例えばSYBRON(登録商標)またはRAIPORE(登録商標)アニオン交換膜を、電極と貯蔵槽内容物との間に付与し、これによりセチルピリジニウムカチオンがこのような膜を通って透過せず、従ってカソード電極と接触しないようにする。
【0086】
吸収データ
セチルピリジニウムクロライドおよびベンジルクロライドの追加のポリマー材料による吸収を例示するために、二組の溶液を調製した。第一組の試料溶液は、塩化ナトリウム0.01%、クエン酸0.24%、クエン酸ナトリウム0.37%、安息香酸(BA)0.03%および水76%からなるものであった。これは、BAにかかわる試験法における分析範囲の上限であるが、ヒドロゲル組成物に常用される量の1/10である397μgBA/mlの濃度を生じさせた。
他の一組の試料溶液は、CPCの分析範囲の中心部分に近い58.1μg/mの濃度で水に溶解した。
下記ポリマー材料を使用した:
EXX−216:TiO2−充填ポリプロピレン(これは、Exxon Chemical Co.から得られる)
EXX−210:ポリプロピレン(厚さ:0.1mm)
ACLAR:ポリビニルクロライド(PVC)0.13mm/ポリエチレン0.05mm/ACLAR(登録商標)(フルオロハロカーボン薄膜)0.15mmからなるテクニプレックス(Techniplex)から得られるラミネート
【0087】
この試験のために、被験材料150cm2を小片に切り取り、試験溶液50ml中に浸漬した。各材料の試料の一つは、100mlガラス抽出ビン内で調製し、25℃で保存し、もう一つの試料は40℃で保存した。三層被験材料のPVC側とACLAR(登録商標)側とは、相違する物性を示すことが予想されることから、第二組の試料として、導電性接着テープ片に積層し、ACLAR(登録商標)側のみが試験溶液と接触するようにした2片のACLAR(登録商標)を調製した。
導電性接着テープはまた、抗微生物剤を吸収することがあることから、このテープをガラス顕微鏡スライド間に挟むことによって対照を調製した。もう一つの対照は、単純ガラス顕微鏡スライドであった。全部の試料を試験溶液mlあたり同一割合の被験表面を露呈していた。導電性接着テープを用いる試料の全部は、ほぼ同一の露呈テープ面積/溶液mlを有していた。
【0088】
調製された試料ビンの重量を測定し、25℃および40℃で8週間、保存した。t=1日目、1週間目、2週間目、4週間目、8週間目に、試料を室温に平衡化し、次いで重量を測定した。前記保存期間中に、0.1gよりも多くが消失した試料の全部は、試料作成前に水の添加により適当な重量に戻した。これらの試料は、残りの時点で、僅かな効果もしくは最低の効果を保有していた。これらの試料をチャンバーに戻す前の各時点で、新たな重量を記録した。この試験の終了時点で、試料片を溶液から取り出し、視覚により観察した。
この試験結果を表9に示す。この表において、「ACLAR」(clear)は、溶液中に完全に浸漬したACLAR試料片を表わす。「ACLAR」(laminate)は、導電性接着テープに積層し、ACLAR側のみが露呈されるようにしたACLARを表わす。同一の用語を、ガラススライドの例でも使用した。さらに、安息香酸試験は4週間後に中止した。これは、どちらの温度でも試料の全部が濃度変化を示さなかったからである。
【0089】
【0090】
試験結果および視覚による観察から、CPC被験材料の全部が、対照に比較して若干のCPC消失を示したことが判る。最大消失は、対照試料を含有するガラススライドの場合であった。この結果は、導電性接着テープを備えたガラスまたは備えていないガラスについても同様であった。
タルク充填ポリプロピレンPETGおよびシリコン処理したPET剥離性ライナーにかかわる追加の吸収データを、セチルピリジニウムクロライド(CPC)含有カソード溶液を用いて得た。
この溶液および試料を下記で説明する:
カソード溶液の調製−1.0mg/mlCPC
1000ml容積フラスコに、クエン酸1.379g、クエン酸三ナトリウム二水和物6.321g、塩化ナトリウム1.149g、およびセチルピリジニウムクロライド1.0gを加えた。このフラスコに次いで、ミリポア水(millipore water)を印まで充填し、次いで全部の塩が完全に溶解するまで、ほぼ15分間撹拌した。
【0091】
カソード溶液の調製−0.1mg/mlCPC
500ml容積計量フラスコに、50mlピペットにより1.0mg/mlCPC溶液を加えた。このフラスコに次いで、ミリポア水を印まで充填し、内容物を均一になるまで撹拌した。
CPC/タルク充填ポリプロピレン試料の調製
タルク充填ポリプロピレンシート製品[プロプリント(Proprint)の名称で得られる]を、2cm2のディスクに切り取った。各ガラスバイアル中に、24個のディスクを入れた。24個のディスクの重量は、約1.0gであった。各バイアル中に、相当する溶液2mlを反復ピペットにより計量添加した。1溶液あたりで18の試料を調製した。バイアル全部の重量を、t=0時点で記録した。試料は、環境チャンバー内で25℃において保存した。
【0092】
CPC/PETG試料の調製
各125mlガラス培養ビンに、青色三層下部外被約9.5gを入れた。この外被は、小片に切り取り、このジャーの頚部を通過できるようにした。各ジャーに次いで、相当するCPC溶液16.6mlを計量添加した。各溶液濃度について3個の試料を調製した。各試料中に配合されているPETGの重量を、t=0時点で記録した。これらの試料は次いで、室温で保存した。
CPC/PET試料の調製
各125mlガラス培養ビンに、シリコン処理したPET剥離性ライナー約8.2gを入れた。この剥離性ライナーを小片に切り取り、このジャーの頚部を確実に通過できるようにした。各ジャーに次いで、相当するCPC溶液16.6mlを計量添加した。各溶液濃度について3個の試料を調製した。各試料中に配合されているPETの重量を、t=0時点で記録した。これらの試料は次いで、室温で保存した。
【0093】
対照試料の調製
これらの適合性試験用に調製された元のCPC溶液を、対照溶液として使用した。これらはガラス容積計量フラスコ内で室温において保存した。
CPC対照溶液および被験試料を、24時間、1週間、2週間、4週間、8週間および16週間後に環境チャンバーおよび振盪器から取り出した。いずれかの蒸発による水の消失が生じたことを確認するために、プロプリント(Proprint)試料の重量を測定した。水消失が生じた場合、バイアルに次いで、水を加え、前記時点で重量を同等にした。PET試料およびPETG試料を取り出し、分析後に振盪器に戻した。この期間中に、プロプリント試料は、各時点後に廃棄した。被験溶液の試料を採取し、HPLC分析法によってCPC含有量について分析した。
この結果を表10および11に示す。これらの表は基体1gあたりで吸収されたCPCの実際量を示している。これらの数値は、mgCPC消失/ml溶液を計算することによって決定した。この数値に、溶液総容積を掛け算し、CPC消失総量mgを得た。この数値を次いで、試料の基体の総重量で割り算し、基体1gあたりのmgCPC消失値を得た。
【0094】
【0095】
*この試料は測定しなかった。
**負の数値は、t=0濃度よりも高いCPC濃度によるものである。
【0096】
例4
セチルピリジニウムクロライド(CPC)の銀クロライド/カーボン複合カソードおよびその他の外被材料との適合性を例示するために、カソードヒドロゲルを調製し、次いで試験した。カソードヒドロゲルは、250mlジャッケト付きガラスビーカー中にL−ヒスチジン3.0gおよび精製水(UAP)148.84gを添加することによって調製した。このビーカーに、テフロン(Teflon)被覆磁気回転棒を配置し、L−ヒスチジンを完全に溶解した。この水性L−ヒスチジン溶液中にpH電極を配置し、次いで濃塩酸の滴下添加(1.968g)によって、そのpHをpH=4.5に調整した。追加の精製水(UAP)(8.032g)を添加し、200gの混合物を得た。ジャッケト付ビーカーから、磁気回転棒を取り除き、次いでこのビーカーに洗浄したポリ(ビニルアルコール)38.0gを添加した。熱電対温度計およびデルリン(Delrin)パドル付きステンレス鋼製撹拌シャフトを備えたゴム栓をジャッケト付きビーカーの開口部中に挿入した。この混合物を90℃に温めながら撹拌し、この温度を70分間維持した。このポリ(ビニルアルコール)溶液を、60℃に冷却し、次いでこのジャッケト付きビーカーにセチルピリジニウムクロライド0.16gを添加した。
【0097】
この混合物を約10分間撹拌し、セチルピリジニウムクロライドを完全に溶解した。この溶液をアルミニウム製ブロックヒーターにより60℃に予め加温されている60mlポリプロピレン製シリンジ中に移し、次いでタルク充填ポリプロピレン(これは、プロプリントの商品名で入手できる)からなる下部外被に、マルチコア結合ペーストディスペンサーにより分配した。この充填カソードヒドロゲル貯蔵槽を、シリコン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)剥離性テープで覆い、この充填デバイスを−20℃冷凍庫内で18時間保存し、次いで4℃に2時間温め、次いで室温まで温めた。この架橋したヒドロゲルを、ヒドロゲル貯蔵槽から取り出し、次いで重量を測定し、初期重量を決定した。このカソードヒドロゲルの初期pHは、4.53であった。これらの試料を個別に、サルリン(Surlyn)ライナー付きホイル包装内に密封し、40℃で保存した。
1週間、4週間、8週間、12週間、32週間および56週間後、ヒドロゲルを下部外被から取り出し、次いで水60%/アクリロニトリル40%からなる移動相を用いて抽出し、次いでセチルピリジニウムクロライド濃度を、HPLC分析法(AMM1.443)により測定した。下部外被の構成成分を別個に抽出し、これらの中に分散されているセチルピリジニウムクロライド量を測定した。この結果を表12に示す。
【0098】
【0099】
本発明を或る好適態様について説明したが、特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、その修正および変更を当業者がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の態様の一つに従う電気輸送式医薬放出デバイスの図解式拡大図である。
Claims (18)
- アノード、カソードおよびアノードおよびカソードに電気的に接続している電力源を包含する経皮電気輸送式医薬放出デバイスであって、上記カソードはカソード電極、ならびにポリマー材料から構成された外被および該外被と接触している水性媒質を包含するカソード貯蔵槽を備えており;上記水性媒質は、i)医薬または電解質塩もしくはその混合物およびii)水性媒質における微生物の成長を抑制するのに充分な量のセチルピリジニウム塩を含有し、ここで上記ポリマー材料はセチルピリジニウム塩と適合性を有するものである、経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- 水性媒質が約3〜約7.5のpHを有する、請求項1に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- 水性媒質が約3.5〜約6.5のpHを有する、請求項2に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- 水性媒質が緩衝剤を含有する、請求項1に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- ポリマー材料が、ポリエチレンテレフタレート、シクロヘサンジメチロールで変性されているポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンおよびその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- カソード貯蔵槽が、電解質塩の水性媒質を含有し、また医薬を実質的に含有していない、請求項1に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- アノードが、アノード電極および医薬を含有するアノード貯蔵槽を包含する、請求項6に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- アノード貯蔵槽が、電力源から電流が流されると放出させることができる形態でフェンタニールを含有する、請求項7に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- セチルピリジニウム塩が、ハライド塩である、請求項1に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- セチルピリジニウムハライド塩が、セチルピリジニウムクロライドである、請求項9に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- 水性媒質が、少なくとも約0.005重量%のセチルピリジニウム塩を含有する、請求項1に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- 水性媒質が、約0.005重量%〜約2重量%のセチルピリジニウム塩を含有する、請求項11に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- 水性媒質が、約0.01重量%〜約1重量%のセチルピリジニウム塩を含有する、請求項12に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- カソード電極とカソード貯蔵槽との間にアニオン交換膜を備えている、請求項1に記載の経皮電気輸送式医薬放出デバイス。
- 経皮電気輸送式医薬放出デバイスの製造方法であって、i)医薬または電解質塩もしくはその混合物およびii)水性媒質における微生物の成長を抑制するのに充分な量のセチルピリジニウム塩を含有する水性媒質を調製し;次いでアノード、カソードおよびアノードおよびカソードに電気的に接続している電力源を包含するデバイスのカソード貯蔵槽内に水性媒質を入れることを包含し、上記カソードはカソード電極およびポリマー材料から構成された外被を包含するカソード貯蔵槽を備えており、これにより水性媒質がカソード貯蔵槽の外被と接触し、ここで上記ポリマー材料はセチルピリジニウム塩と適合性を有するように選択される、上記製造方法。
- ポリマー材料が、ポリエチレンテレフタレート、シクロヘサンジメチロールで変性されているポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンおよびその混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
- 水性媒質が医薬を実質的に含有していない、請求項15に記載の方法。
- セチルピリジニウム塩が、ハライド塩である、請求項15に記載の方法。
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