JP4321059B2 - 画像表示素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示素子技術に係り、特に、隔壁で区分された画素を有する画像表示素子技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
バンクと称される隔壁で区分された画素内に様々な発光または発色用材料からなる層を形成するため、インクジェット技術を利用したインクジェット法を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。インクジェット法は、溶媒に発光または発色用材料を溶かした液体であるインク組成物の液滴をインクジェットヘッドからバンクで区分された画素内に向けて吐出して着弾させ、インク液滴が乾燥することでバンクで区分された画素内に発光または発色用材料からなる層を形成するものであり、発光または発色用材料からなる層を微細に、また、容易にパターニングできる。
【0003】
なお、インクジェット法を適用できる画像表示素子としては、発光形では、例えば有機EL(Electro―Luminescence)素子やプラズマディスプレイパネルを形成する素子などがあり、受光形では、例えば液晶ディスプレイなどを形成する素子など様々な画像表示素子がある。したがって、例えば、発光形では、発光または発色用材料からなる層は、発光層や正孔輸送層、蛍光層などであり、受光形では、カラーフィルター層などである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−291583号公報(第2−3頁、第1−5図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェット法を適用する場合、インク液滴を確実にバンクで区分された画素内の底となっている面に集めるため、例えば撥インク性を有する材料でバンクを形成するか、または、バンクに対し撥インク化処理を行うことなどで、バンクに撥インク性を与えている。このため、バンクで区分された画素内に着弾したインク液滴は、中央部分が盛り上がった凸状態となり、乾燥すると、発光または発色用材料からなる層は、中央部分が凹んだ凹状態、つまり、バンクに向かうに連れて層の厚みが厚くなてバンクの面側で盛り上がった状態となってしまい、平坦な層を形成するのが難しい。発光または発色用材料からなる層が平坦でないと、画素の発光や発色が均一にならず、画像表示素子に発光むらや発色むらなどが生じることになり、画像表示素子としての性能が低下してしまう。
【0006】
これに対し、特許文献1では、インク液滴を数度に亘って滴下し、このとき、インク液滴の固形分濃度、つまり発光または発色用材料の濃度が、前回に滴下したインク液滴以下の濃度で次のインク液滴の滴下を行うことで、発光または発色用材料からなる層を平坦化しようとしている。
【0007】
ところが、このような方法の場合、前回に滴下したインク液滴と、次に滴下したインク液滴とが混ざらないため、界面が形成され、各々のインク液滴の滴下によって層が形成されてしまうことにより、個々の画素特性が劣化してしまうことにより、結局、画像表示素子としての性能が低下してしまい、画像表示素子の性能を向上することはできない。
【0008】
本発明の課題は、画像表示素子の性能を向上することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像表示素子の製造方法は、隔壁で区画された画素の、隔壁の壁面と底面とが連結される部分に、壁面から底面に向けて壁面より緩やかに傾斜した連結面を形成し、画素内に発光または発色用材料を含む液滴を吐出し、この液滴が乾燥することにより画素内の前記連結面で囲まれた領域に発光または発色用材料からなる層を形成することにより上記課題を解決する。
【0010】
さらに、本発明の画像表示素子は、透明な絶縁性の基板と、この基板側に設けられた透明な電極と、画素を区分する隔壁と、この隔壁で囲まれた画素内に発光または発色用材料を含む液滴を滴下して形成された少なくとも1つの発光または発色用材料の層とを有し、隔壁の壁面と電極の面とが、壁面から電極の面に向けて壁面より緩やかに傾斜した連結面を介して連結され、少なくとも1つの発光または発色用材料の層が、画素内の連結面で囲まれた領域内に形成された構成とすることにより上記課題を解決する。
【0011】
このようにすれば、インク液滴の乾燥に伴ってインク液滴の体積が減少すると共に、インク液滴の濃度が変化し、隔壁の面との接触角が減少する。このとき、層が連結面に対応する領域の部分内に形成されていることから、乾燥状態に近づいたインク液滴が傾斜した連結面と接触することになる。このため、隔壁の壁面側での層の盛り上がりを低減でき、個々の画素特性が劣化することなく層を平坦化できるため、画像表示素子の性能を向上できる。
【0012】
また、隔壁の壁面が、この壁面の間隔が電極の面に向かって狭くなる傾斜した面のとき、連結面の傾斜は、壁面の他の部分の傾斜よりも緩やかに形成された構成とすることで、層をより平坦化できる。
【0013】
さらに、隔壁の壁面の少なくとも一部が、電極の面に向かうに連れて傾斜が緩やかになり、壁面の間隔が電極の面に向かって狭くなる曲面に形成され、連結面は、曲面の電極側の裾部分である構成とすれば、層をより平坦化できる。
【0014】
また、隔壁は、段状に形成された段部を有し、段部の面が傾斜した面となっており、複数の層のうち、1つの層が画素の連結面で囲まれた領域内に形成され、別の層が画素の段部の面で囲まれた領域から電極側にかけて形成された構成とする。これにより、複数の層を積層する場合、各層を平坦化できるため、複数の層をより平坦化できる。
【0015】
さらに、電極の面に対する連結面、または、連結面及び段部の面のなす角度が、30度以下である構成とすれば、層をより平坦化できる。
【0016】
また、電極の面に対する連結面及び段部の面のなす角度が、各々、連結面及び段部の面を形成する各材料で形成した壁面と層との接触角となっている構成とすれば、層を最も平坦化できる。
【0017】
さらに、上記のいずれかの画像表示素子を備えた表示装置とすれば、表示装置の性能を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる画像表示素子の第1の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる有機EL素子の概略構成を示す断面図である。図2は、本発明を適用してなる有機EL素子を形成するガラス基板とバンクの概略構成を示す斜視図である。図3は、本発明を適用してなる有機EL素子の1つの画素を陰極と保護膜を形成していない状態で示す平面図である。図4は、本発明を適用してなる有機EL素子の製造方法におけるインク液滴の滴下を説明する断面図である。図5は、本発明を適用してなる有機EL素子の製造方法におけるインク液滴の乾燥による層形成を説明する断面図であり、(a)はインク液滴が凹部内に滴下されている状態を、(b)は凹部内にインク液滴が拡がった状態を、(c)はインク液滴が乾燥し発光層が形成された状態を示している。図6は、本発明を適用してなる有機EL素子の製造方法における連結面の角度を説明するバンク部分を拡大して示す断面図である。
【0019】
なお、本実施形態では、画像表示素子として有機EL(Electro―Luminescence)素子を例示している。有機EL素子は、近年、自発光を利用する薄型の表示素子として注目されている。有機EL素子は、パッシブ型ではITO陽極配線層、アクティブ型ではTFT回路がそれぞれ形成されたガラス基板上に、有機材料からなる電界発光材料を主成分とする発光層と金属陰極配線層を順次形成したもので、双方の電極に電圧を加えることで、発光層そのものが自発光する素子である。この発光層に使用される有機材料によって低分子系と高分子系の2種類に分けられる。このうち、素子の構造が簡単で、大画面に向いた高分子系有機EL材料を用いた有機EL素子では、微細に、また、容易にパターニングできることから、インクジェット法を用いた製造方法が特に有用である。
【0020】
本実施形態の有機EL素子1は、図1に示すように、透明な絶縁体であるガラス基板3の一方の面にパターニングされた透明電極からなる陽極5が形成されている。この陽極5のガラス基板3と反対側の面を底面とする凹状も窪みである画素7が隔壁であるバンク9によって形成されている。そして、バンク9によって区分されたこの1つの画素7が、図2に示すように、有機EL素子1の1つの画素となる。画素7内には、図1に示すように、画素7の底部に陽極5と接触する状態で発光または発色用材料からなる層として発光層11が形成されている。さらに、発光層11とバンク9に沿って発光層11とバンク9を覆った状態で陰極13が形成されている。有機EL素子1の陰極13側の面は、保護層15で覆われている。なお、ガラス基板3は、TFT付きの基板とすることもできる。
【0021】
透明電極である陽極5は、通常、ITO(Indium Tin Oxide)で形成されている。隔壁であるバンク9は、高分子材料からなるインク液滴を各画素となる画素7内に留まらせ、インク液滴が隣接する画素へ混入するのを防いでいる。さらに、バンク9は、高分子材料からなるインク液滴が各画素となる画素7の底部分に確実に溜まるように、撥インク性を有している。このようなバンク9は、フォトリソグラフィー技術などにより形成されたもので、有機樹脂、例えばポリイミド樹脂などで形成される。そして、バンク9が撥インク性を有していない材料で形成されている場合、撥インク化処理を施す。例えば、バンクが本実施形態のバンク9のようにポリイミド樹脂で形成されている場合、大気圧プラズマ処理を施すことにより撥インク性を与える。
【0022】
格子状にこのようなバンク9を形成することにより、基板1の面上には、図2に示すように、バンク9で仕切られた複数の画素7が縦横に規則的に形成される。本実施形態では、画素7の開口の形状は、図3に示すように、4隅の角部が丸く形成された矩形となっている。しかし、凹状の画素7の開口の形状は、円形や楕円などにすることもできる。画素7の大きさは、現在の技術では、数十μmから数百μmの幅で、深さは数μmから数十μm程度である。しかし、これらの寸法は将来の技術の進歩によってさらに小さくなる可能性がある。
【0023】
画素7の壁面となるバンク9の面の主たる部分は、図1に示すように、陽極5の面に対して垂直になっている。しかし、バンク9は、バンク9の面の陽極5近傍部分に、バンク9の陽極5の面に対して垂直面から陽極5の面に沿って突出した部分を有しており、このバンク9の突出した部分の表面は、バンク9の陽極5の面に対して垂直な部分の面と陽極5の面とを連結する傾斜した連結面17となる。連結面17は、バンク9の陽極5の面に対して垂直な面から陽極5の面に向けて傾斜している。この連結面17により、連結面17が設けられた画素7の底部では、画素7の対向する壁面間の間隔が陽極5に向かうに連れて漸次狭くなっている。
【0024】
陰極1は、導電性を有する金属材料を、蒸着法やスパッタ法などにより形成したものである。保護層1は、例えばエポキシといった電子部品用封止材料などで形成したものである。
【0025】
本実施形態では、発光層11は、発光または発色用材料として、発光材料の他に正孔注入材料や正孔輸送材料、電子輸送材料などを含んでいるため、画素7に形成される層としては、発光層11のみが形成されている。この発光層11は、インクジェット法で形成されたものである。
【0026】
ここで、インクジェット法による有機EL素子1の製造方法について説明する。インクジェット法とは、有機EL素子1を構成する発光層11を形成するための発光材料の他に正孔注入材料や正孔輸送材料、電子輸送材料などを溶媒に溶解または分散させたインク組成物を調整する。このインク組成物は、インクジェット装置を用いてインク液滴として有機EL素子1の画素7内に滴下される。インクジェット装置は、図4に示すように、有機EL素子1の画素7に対応する間隔でインク液滴を吐出する複数のノズル19が設けられたインクジェットヘッド21を備えている。インクジェットヘッド21のノズル19からインク液滴23が、画素7に向かって吐出される。
【0027】
インク液滴23の量は、現在形成可能な画素7の大きさでは、数十pLから数百pLであるが、将来の技術の進歩によって画素7の大きさが小型化されると、さらに微量になる可能性がある。このインク液滴23の滴下量は、画素7の大きさ、つまり画素の大きさ、形成する発光層11の厚み、インク組成物中の発光または発色用材料などの濃度により適宜調整される。
【0028】
なお、雑誌NATURE、389巻、1997年発行の827ページに発表された「コーヒーリング」または「コーヒーステイン」と呼ばれる現象が、溶質を溶媒に溶解させた液体を乾燥させる際に発生することがある。これは、基板に広がった液滴の外縁の蒸発量が多いため、それを補うように液が外周に向かって流れ、その結果、乾燥後、外縁で盛り上がった膜が形成される現象である。しかし、多くの塗料はそのような現象が生じないような材料が選ばれて製品化されている。例えば、墨汁は膠が混入されているため、乾燥とともにゲル化し、液が移動しづらくなっており、コーヒーステイン現象は生じない。本発実施形態におけるインク組成物の材料にも、このようなコーヒーステイン現象が生じないような材料が選ばれている。
【0029】
このようなインク組成物からなる液滴、つまりインク液滴23は、図5(a)、(b)に示すように、滴下され、画素7の中に着弾すると、画素7内に広がった状態となる。このとき、バンク9は、撥インク処理が施されているため、バンク9とインク液滴23との接触角が比較的大きいことから、画素7内に広がった状態のインク液滴23は、図5(b)に示すように、上面の中央部分が盛り上がった凸状の形状をしている。インク液滴23が乾燥すると、図5(c)に示すように、90%以上の体積を占めていた溶媒が蒸発するため、体積がその分減少して固体が画素7の底部分に残り、これが発光層11となる。このとき、インク液滴23の固形分の濃度が乾燥とともに高くなるため、インク液滴23が乾燥状態に近づくに連れて、インク液滴23のバンク9の面との接触角が小さくなって行く。
【0030】
このとき、バンク9の画素7の壁面となる面と陽極5の面とは、陽極5の面に向かって傾斜した連結面17によって連結されている。そして、発光層11は、画素7内の連結面17に対応する領域部分に形成されるように調整されている。言い換えれば、発光層11の厚みは、連結面17の陽極5の面に垂直な方向の高さ以下に調整されている。したがって、発光層11は、バンク9の陽極5の面に垂直な面の部分ではなく、傾斜した連結面17と接触することになるため、バンク9の陽極5の面に垂直な面に発光層11が接触する場合に比べて、インク液滴23が乾燥して形成された発光層11の表面は平坦化される。
【0031】
ここで、本実施形態では、連結面17は、バンク9として、バンク9の他の部分と一体に形成されている。そして、インク液滴23が乾燥して形成された発光層11のバンク9を形成している材料の壁面との接触角がΘdとすると、発光層11の連結面17との接触角は、図6に示すように、Θdとなる。したがって、本実施形態では、陽極5の面に対する連結面17の傾斜角度δをΘdとしており、乾燥後の形成された発光層11の上面は、完全に平坦な状態となっている。すなわち、連結面17の傾斜角度δは、発光層11の連結面17が形成されている部分の材料からなる壁面との接触角と等しくすれば、発光層11の上面は、最も平坦化できる。
【0032】
ところで、本実施形態のように連結面17を設けていない従来の有機EL素子25では、図7に示すように、隔壁であるバンク27で区分された凹部29内の壁面は、陽極5の面に対してほとんど垂直に近い。そして、図7に破線で示す着弾直後のインク液滴23のバンク27の壁面との接触角Θwに比べ、インク液滴23が乾燥した後の発光層29のバンク27の壁面との接触角Θdは、非常に小さい。このため、固体となった発光層29の上面は、凹状に凹んだ形状、つまり、バンク27の壁面との接触部分が上方に盛り上がって厚みが厚くなった形状となる。このように、従来の有機EL素子25では、発光層29は、厚みが一様にならず、平坦にならない。
【0033】
これに対して、本実施形態の有機EL素子1では、バンク9の陽極5の面に対して垂直な部分の面と陽極5の面とを連結する傾斜した連結面17が形成されており、発光層11は、画素7内の連結面17に対応する領域部分に形成されている。したがって、インク液滴23が乾燥して形成された発光層11は、傾斜した連結面17と接触するため、インク液滴23が乾燥されて発光層11が形成されるに連れて接触角が小さくなって行ったとき、形成された発光層11は、平坦化された状態となる。このため、発光層などの層に界面が形成されて個々の画素特性が劣化してしまうことなく、画素の発光や発色が均一化され、画像表示素子に発光むらや発色むらなどを生じ難くできることにより、画素の画像表示素子の性能を向上できる。
【0034】
さらに、本実施形態の有機EL素子1では、陽極5の面に対する連結面17の傾斜角度δを、発光層11の連結面17となる部分を形成している材料、つまりバンク9の材料で形成した壁面との接触角Θdと等しくしているため、発光層11を最も平坦化でき、画素の画像表示素子の性能を一層確実に向上できる。
【0035】
ただし、完全に平坦にしなくても、従来よりも平坦化できれば、必要な性能が得られる場合などでは、連結面の傾斜角度δを発光層の連結面との接触角Θdに合わせていない構成にすることもできる。画像表示素子において連結面となる部分に用いられる材料、用いられるインク組成物などを考慮すると、一般には、連結面の傾斜角度δを30度以下にすれば、層を平坦化することにより、画像表示素子の性能をより確実に向上できる。そして、傾斜角度δを接触角Θdとすることで画像表示素子の性能を一層確実に向上できる。なお、本実施形態では、インク組成物にコーヒーステイン現象が起こらないことを前提としているが、多少とも、起こる場合には、インク液滴が乾燥して形成された層や膜などができるだけ平坦になるように、連結面の傾斜角δが設計される。
【0036】
加えて、本実施形態の有機EL素子1を備えた画像表示装置では、有機EL素子1の性能が向上することにより、光学的な特性を向上した画像表示装置が製造でき、画像表示装置としての性能を向上できる。なお、本実施形態の有機EL素子は、図示していない駆動回路などを設けることで、画像表示装置である有機ELディスプレイとなる。
【0037】
また、本実施形態では、発光層11を形成する場合について説明したが、発光層が正孔注入材料や正孔輸送材料、電子輸送材料などを含んでいない場合に、陽極上に、正孔注入材料や正孔輸送材料、電子輸送材料などを含む正孔注入/輸送層などと、発光材料を含む発光層とを積層する場合、つまり複数の層を成膜する場合にも、本発明を適用することができる。この場合、陽極側の1層のみを、凹部内の連結面に対応する領域部分に形成することで、その層を平坦化し、画像表示素子の性能を向上できるが、すべての層を凹部内の連結面に対応する領域部分に形成すれば、全ての層が平坦化され、画像表示素子の性能をさらに向上できる。
【0038】
また、本実施形態では、画像表示素子として有機EL素子1を例示したが、本発明は、有機EL素子に限らず、例えば、プラズマディスプレイパネルを形成する素子や液晶ディスプレイなどを形成する素子など様々な画像表示素子に適用することができる。さらに、本発明は、本実施形態のような構成の画像表示素子に限らず、隔壁で区分された画素を有する様々な形状や構成の画像表示素子に適用することができる。
【0039】
以下に、本発明を適用してなる画像表示素子で、本実施形態とは異なるバンク形状を有する変形例について説明する。なお、以下の変形例の説明では、上記の実施形態と同一の構成などには同じ符号を付して説明を省略し、上記の実施形態と相違する特徴部などについて説明する。
【0040】
画像表示素子31は、図8に示すように、バンク33の壁面が、全体的に陽極5に向かうに連れて壁面間の間隔が漸次狭くなる傾斜を有している。そして、バンク33の壁面の、画素7の開口側の部分33aの傾斜よりも、陽極5側の部分の傾斜の方が緩やかになっている。そして、この陽極5側の傾斜が緩やかになっている部分が連結面35となる。連結面35の傾斜角度は、画素7の開口側の部分33aの傾斜よりも緩やかであればよいが、30度以下であれば、画像表示素子の性能をより確実に向上できるので好ましく、発光層11の連結面35との接触角と等しければ、画像表示素子の性能を一層確実に向上できるのでさらに好ましい。
【0041】
なお、画像表示素子31では、バンク33の壁面全体を連結面35と同じ傾斜角度で形成すると、画素間の距離が広がってしまい、画像表示装置の性能が低下してしまう。このため、バンク33の壁面の開口側部分33aの傾斜角度は、できるだけ大きくする必要がある。また、このようにバンク33の壁面の開口側部分33aに傾斜を設けることにより、画像表示装置の視野角が広がる効果がある。
【0042】
画像表示素子37は、図に示すように、バンクが陽極側バンク39と陰極側バンク41の2層で構成されている。陽極側バンク39は、陽極5の縁部を、囲んだ状態で設けられており、陽極5の面が露出する開口の壁面が、陽極5の面に向かい、この壁面間の間隔が漸次狭くなる傾斜となっており、この傾斜した壁面全体が連結面43となっている。そして、陽極側バンク39を形成する層上に、本実施形態のバンク9と同様の陽極5の面に対して垂直な壁面を有する陰極側バンク41が形成されている。陽極側バンク39となる層は、例えばSiOなどで形成されている。連結面43の傾斜角度は、画素7の開口側の部分33aの傾斜よりも緩やかであればよいが、30度以下であれば、画像表示素子の性能をより確実に向上できるので好ましく、発光層11の連結面43との接触角、つまりSiOからなる壁面との接触角と等しければ、画像表示素子の性能を一層確実に向上できるのでさらに好ましい。このように、バンクを陽極側バンク39と陰極側バンク41の2層で構成することにより、連結部の傾斜角度を設計し易くできる。
【0043】
画像表示素子45は、図10に示すように、バンク47の壁面は、陽極5に向かうに連れて壁面間の間隔が漸次狭くなると共に、傾斜が漸次緩やかになる曲面になっている。そして、バンク47の壁面が陽極5に到達する部分、つまりバンク47の壁面の裾部分が連結面49となっている。画素7内に着弾したインク液滴23が体積を減少させながら乾燥していくと、液の上面は下がっていく。最初、インク液滴23のバンク47の壁面との接触角は大きいため、インク液滴23の上面は図10に破線で示すような形状である。インク液滴23が乾燥するにしたがい、つまり発光層11が形成されるにしたがいバンク47の壁面との接触角が小さくなって行くが、このとき、発光層11が接触するバンク47の壁面部分の傾斜角度も小さくなって行く。このため、発光層11の上面は、平坦化される。画像表示素子45のような構成にすることにより、製造工程の管理を容易にできる。
【0044】
なお、バンク47の壁面となる曲面は、この曲面に対する接線の傾きが小さい部分が複数箇所繰り返すような曲線を断面で見たときの縁の線とする曲面形状や、球面の一部である曲面形状にできる。さらに、インク液滴23のバンク47の壁面との接触角度に対してインク液滴23の濃度がtanδに反比例する場合には、このバンク47の壁面の断面で見た場合の曲面形状は、指数関数曲線の一部であることが望ましい。
【0045】
画像表示素子51は、図11に示すように、バンク53の壁面の陽極5側の部分は、画像表示素子45と同様に陽極5に向かうに連れて傾斜が緩やかになるような曲面となっており、画素7の開口側の部分は、開口に向かうに連れて壁面の間隔が狭くなる曲面で形成されている。そして、画像表示素子45と同様に、バンク53の壁面が陽極5に到達する部分、つまりバンク53の壁面の陽極5側の裾部分が連結面55となっている。この画像表示素子51のような構成にすることにより、より狭い領域で画素を形成でき、画像表示装置を小型化できる。
【0046】
画像表示素子57は、図12に示すように、バンク59の壁面が、画像表示素子45のバンク47のような曲面からなる壁面を2段組み合わせた形状になっている。すなわち、バンク59の壁面は、陽極5側に向かうに連れて壁面間の間隔が漸次狭くなる第1の曲面59aと、第1の曲面59aの端縁部分から陽極5側に向けて形成され、陽極5に向かうに連れて壁面間の間隔が漸次狭くなる第2の曲面59bとで構成されている。第1の曲面59aの裾部分は、傾斜する面を有して段状に形成された段部61となっている。そして、第2の曲面59bが陽極5に到達する部分、つまり第2の曲面59bの裾部分が連結面63となっている。
【0047】
正孔注入/輸送層65と、発光層67といった2つの層を形成する場合、陽極5上に積層する正孔注入/輸送層65は、画素7内の連結面63に対応する部分に形成し、発光層67は、段部61の面から正孔注入/輸送層65の面にかけての部分に形成する。このように、傾斜する段部61を形成することで、正孔注入/輸送層65上に積層される発光層67も平坦化できる。この画像表示素子57ような構成にすれば、2つの層を共に平坦化できることにより、画像表示素子の性能をさらに向上できる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、画像表示素子の性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる有機EL素子の一実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明を適用してなる有機EL素子の一実施形態を形成するガラス基板とバンクの概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用してなる有機EL素子の一実施形態の1つの画素を陰極と保護膜を形成していない状態で示す平面図である。
【図4】本発明を適用してなる有機EL素子の製造方法の一実施形態におけるインク液滴の滴下を説明する断面図である。
【図5】本発明を適用してなる有機EL素子の製造方法の一実施形態におけるインク液滴の乾燥による層形成を説明する断面図であり、(a)はインク液滴が凹部内に滴下されている状態を、(b)は凹部内にインク液滴が拡がった状態を、(c)はインク液滴が乾燥し発光層が形成された状態を示している。
【図6】本発明を適用してなる有機EL素子の製造方法の一実施形態における連結面の角度を説明するバンク部分を拡大して示す断面図である。
【図7】従来の有機EL素子における発光層の状態を説明する断面図である。
【図8】本発明を適用してなる有機EL素子の一変形例の概略構成を示す断面図である。
【図9】本発明を適用してなる有機EL素子の別の変形例の概略構成を示す断面図である。
【図10】本発明を適用してなる有機EL素子の別の変形例の概略構成を示す断面図である。
【図11】本発明を適用してなる有機EL素子の別の変形例の概略構成を示す断面図である。
【図12】本発明を適用してなる有機EL素子の別の変形例の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 画像表示装置
3 ガラス基板
5 陽極
7 画素
9 バンク
11 発光層
13 陰極
15 保護層
17 連結面

Claims (7)

  1. 隔壁で区画された画素の、前記隔壁の壁面と底面とが連結される部分に、前記壁面から前記底面に向けて、前記壁面より緩やかに傾斜した連結面を形成し、画素内に発光または発色用材料を含む液滴を吐出し、該液滴が乾燥することにより前記画素内の前記連結面で囲まれた領域に前記発光または発色用材料の層を形成する画像表示素子の製造方法。
  2. 透明な絶縁性の基板と、該基板側に設けられた透明な電極と、画素を区分する隔壁と、該隔壁で囲まれた画素内に発光または発色用材料を含む液滴を滴下して形成された少なくとも1つの発光または発色用材料の層とを有し、前記隔壁の壁面と前記電極の面とが、前記壁面から前記電極の面に向けて、前記壁面より緩やかに傾斜した連結面を介して連結され、前記少なくとも1つの発光または発色用材料の層が、前記画素内の前記連結面で囲まれた領域内に形成された画像表示素子。
  3. 前記隔壁の壁面が、該壁面の間隔が前記電極の面に向かって狭くなる傾斜した面のとき、前記連結面の傾斜は、前記壁面の他の部分の傾斜よりも緩やかに形成されたことを特徴とする請求項2に記載の画像表示素子。
  4. 前記隔壁の壁面の少なくとも一部が、前記電極の面に向かうに連れて傾斜が緩やかになり、前記壁面の間隔が前記電極の面に向かって狭くなる曲面に形成され、前記連結面は、前記曲面の前記電極側の裾部分であることを特徴とする請求項2に記載の画像表示素子。
  5. 前記隔壁は、段状に形成された段部を有し、前記段部の面が傾斜した面となっており、複数の前記層のうち、1つの層が前記画素の前記連結面で囲まれた領域内に形成され、別の層が前記画素の前記段部の面で囲まれた領域から前記電極側にかけて形成されたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像表示素子。
  6. 前記連結面が、前記底面より30度以下に傾斜していることを特徴とする請求項乃至5のいずれか1項に記載の画像表示素子。
  7. 請求項2乃至6のいずれか1項に記載した画像表示素子を備えた表示装置。
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