JP4320341B2 - 粒子状物質を処理する装置および該装置を操作する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、またこの種の装置を操作する方法に関する。
そこにおいては、コーティング媒体で粒子状物質を処理する、特に製薬、食物関連であり、技術的または化学的性質を有する成形製品をコーティングするための装置が記述されている。
この種の装置は、たとえば製薬、化学薬品、菓子または食品産業で使用されている。製薬産業においては、糖衣錠として知られている糖シロップでコーティングされたタブレットを製造する。コーティング錠を製造するためにフィルムコーティングを使用するが、これはポリマーでコーティングされている医薬品を投与する目的を有する形態である。
一般的な型のその他の装置は下記特許文献2で知られている。これは上述のこれまで知られている装置と異なっており、粒子状物質を容器の基部に戻すための戻し面が、回転状態に設定できる容器の立て壁の外部に配置されている。このこれまで知られている装置の容器は、またその上部領域に転向用部品を有しており、これによって、立て壁が回転して、その移動方向に壁に沿って上昇する物質を転向させ、物質が放射状に外部に配置された戻し面に沿って容器の基部へ戻ることができるようにする。この知られている装置の場合には、この転向用部品は静止している、すなわち、その循環動作中に粒子状物質と共に回転しない。
転向用部品が、容器の立て壁と共に回転する場合、その上で粒子状物質が、壁の回転によって同じ回転速度で上昇し、この転向用部品の回転の結果、この物質粒子に作用する遠心力が強いため物質粒子の動きの反転が不十分となり、この物質粒子がこの転向用部品に蓄積する可能性が出てくる。この点で、一方ではこの転向用部品の部分では、物質粒子の運動がほぼ180°反転するように、しかし他方では容器の壁の上部領域では付加的な上方向きの成分を有する遠心方向の高い運動エネルギーおよび高い運動量を有するように考慮する必要がある。
冒頭のこの装置の操作方法においては、本発明の目的は、前記壁のある回転速度未満の回転速度で回転できるように設定されている少なくとも1つの容器体によって達成できる。
好ましい改良例においては、転向用部品自体が前記少なくとも1つの容器体とされる。
本発明による装置のこの改良例では、この転向用部品は、しかし容器の回転壁の回転速度より低い回転速度で回転の鉛直軸のまわりで回転する。この手段では、以下の効果がある。すなわち、粒子状物質が、転向用部品の場所では容器の回転壁に対応する相対速度を有し、この相対速度が、一方では、粒子状物質の摩耗を減らすか回避するには十分に低く、他方では、転向用部品に粒子状物質が蓄積することを回避するには十分に大きくなるようにする。すなわち、粒子状物質が、転向用部品の場所でその移動方向に穏やかに連続的に転向して、十分確実に基部へ再び戻ることができるようにされる。
したがってこの改良例の場合には、前記転向用部品と前記容器の壁との間に容器の壁と同じ方角に回転する少なくとも1つの壁部分があるが、その速度は前記容器の壁より低い回転速度であり、このため粒子状物質が転向用部品に達する前に、運動エネルギーの一部は、この壁部分で粒子状物質から既に消費されてしまい、転向用部品に対する相対速度は同様に減少して、その結果摩耗が低減されるか回避される。また、非常に大きな容器の場合には、このような壁部分を2つ以上設置することも可能である。
本発明の装置を操作する方法においては、壁部分の回転速度は、壁の回転速度未満のある値に設定し、かつ転向用部品の回転速度は、壁部分の回転速度未満のある値に設定する。
本発明の装置のさらなる好ましい改良例では、前記少なくとも1つの容器体の回転速度は、壁の回転速度のおよそ10%ないし80%の範囲、好ましくはおよそ20%ないし60%までのある値に設定することができる。
前記少なくとも1つの容器体と前記容器の回転壁との間の相対速度の上述の範囲は、前記転向用部品自体および/または前記少なくとも1つの壁部分および/または前記転向用部品および前記壁部分の双方を基準とすることができるが、この範囲は、転向用部品の場所で物質の緩やかでかつ運動学的に好ましい転向動作に対して好適な影響を有しており有利である。
本方法においては、同様に少なくとも1つの容器体の回転速度を、壁および容器体の互いに隣接した領域間の経路速度の差が、およそ0.5m/sないし3m/sの範囲、またはおよそ0.9m/sないし2m/sの範囲になるような値に設定することが好ましい。
本発明の装置のさらなる好ましい改良例では、上部から底部に向かって狭くなっており、かつ容器の基部に物質を戻すために用いられる戻し面が、容器の壁より内方に、または外方に配置されている。
転向用部品が回転状態になっている場合、転向用部品の回転運動が粒子状物質に遠心的で接線方向の運動成分を与え、次いで、その成分は戻し面の共回転により取られるので、粒子状物質は、低い相対速度で戻し面に到達し、それによって転向用部品から戻し面までの移行の部分においても粒子状物質の摩耗は回避されるようになる。容器の壁部分に関して上述したように、戻し面はまた1つ以上の壁部分を有していてもよく、これを転向用部品と隣接させ、上部から底部まで回転速度が減少するように回転するようにすると、戻し面の下方部は静止状態にすることが可能となる。
このようにすれば、少なくとも1つの容器体の回転速度を、容器の壁の回転速度と独立に対応する制御装置によって設定することができるため有利であり、特に、この少なくとも1つの容器体の回転速度を、処理すべき物質の性質に合わせて適合させることができるようになる。
この種の変換は、ギヤ機構によって実現でき、前記少なくとも1つの容器体の異なる回転速度を設定することができるように、この少なくとも1つの容器体と容器の壁との間で異なる相対速度を設定するのに多重ステップギヤ機構が有利である。
上述の機能、および以下に記述する機能がそれぞれ指定された組み合わせでのみ使用することができるのみならず、また他の組み合わせで、またはそれ自体で、本発明の範囲を外れることなしに使用できることは言うまでもない。
本発明の例示的な実施形態を図面で表わし、かつ前記図面に関してより詳細に以下に記述する。
円錐形の側面形状をとる複曲面の基部14および立て壁16は、回転の鉛直軸22のまわりで回転駆動することができる。この場合、基部14は、立て壁16に関して、同じかまたは異なる回転速度で回転できる。
装置10を運転するとき、粒子状物質を容器12へ導入する。容器12の基部14および壁16が回転することによって、以下の効果がでる。すなわち、遠心力によって、粒子状物質は基部14に沿って、次いで壁16に沿って容器12の上部領域へ移動し、そこで矢印26の移動方向に転向し、次いで、転向用部品18から戻し面20の上に移動し、その上で重力の影響で下へ滑り、全体として円錐形の形状を有する戻し面20にある下側開口部28から基部14上へ落下して戻る。実行する処理によっては、戻し面20から基部14へ落下する間に粒子状物質に、ノズル29から放出されるコーティング媒体を散布(噴霧)する。
これまで知られている装置との差としては、以下のものがある。すなわち装置10の容器12の上部領域に、少なくとも1つの容器体があり、例示的な本実施形態では容器12の上部領域に2つの容器体30および32があり、これによって、物質粒子の経路速度を低下させるために、または、転向用部品18に対して物質粒子が特定の相対速度を得るために、この容器体30および32が、立て壁16と同じ回転方向の回転の鉛直軸22のまわりで回転状態で、しかしより低い回転速度で駆動する。
第2の容器体32は壁部分36になっており、転向用部品18に隣接している。壁16と同様に、この壁部分36は、円錐台の側面の形状をとっており、回転の鉛直軸22のまわりでロータリーベアリング38によって回転できるように取り付けられている。壁16は、回転の鉛直軸22のまわりで、さらなるロータリーベアリング40によって回転できるように取り付けられている。ロータリーベアリング38および40は、たとえば薄いリングベアリングの形状をとる。
容器体30および32の回転速度は、壁16の回転速度のほぼ10%ないし80%の範囲のある値に設定することができ、これは、転向用部品18の回転速度に特に適用される。転向用部品18の回転速度の値が、壁16の回転速度の20%ないし50%である場合、好結果を達成することができる。
特に粒子状物質を大きなバッチで処理するための大容量の容器12の場合には、回転可能な容器12の壁部分36を、より低い回転速度で回転させ、物質粒子の経路速度を中程度領域まで低下させて、壁16の回転速度から転向用部品18の回転速度への移行を穏やかにする。また、この型の壁部分を軸方向に直接順おくりで複数個取り付けることも可能であり、こうすると物質粒子の速度を多段で低下させることができる。
このようにして、壁16が回転し、壁部分36が、壁16の回転速度未満のある回転速度で回転できるように設定するような方法で本装置10を操作する。転向用部品18は、壁部分36および壁16と同じ方向の回転であるが、壁部分36よりさらに低い回転速度に設定し、こうすると、この回転速度は、壁16から壁部分36を介して転向用部品18へ段階的に減少するようになる。
Claims (18)
- 粒子状物質を処理するための装置であって、
該装置は、容器(12)を含み、
前記容器(12)は、
基部(14)と、
底部から上部まで達する立て壁(16)と、
上部領域にある転向用部品(18)であって、前記壁(16)に沿って上昇する物質を、その移動方向について、前記基部(14)へ再び戻ることができるように転向させるための転向用部品とを有し、
少なくとも前記壁(16)が回転の鉛直軸(22)のまわりで回転駆動することができ、
前記容器(12)の前記上部領域において少なくとも1つの容器体(30、32)があり、この容器体(30、32)が前記立て壁(16)と同じ方向に回転状態で、しかし前記回転の鉛直軸(22)のまわりでより低い回転速度で駆動することができる装置。 - 前記少なくとも1つの容器体(30)が前記転向用部品(18)自体である請求項1に記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(32)が、前記転向用部品(18)に隣接する少なくとも1つ壁部分(36)である請求項1または2に記載の装置。
- 前記転向用部品(18)および前記少なくとも1つの壁部分(36)の双方が、前記回転の鉛直軸(22)のまわりに回転駆動することができ、前記壁部分(36)の回転速度を前記壁(16)の回転速度未満のある値に設定することができ、かつ前記転向用部品(18)の回転速度を前記壁部分(36)の回転速度未満のある値に設定できる請求項2または請求項3に記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)の回転速度が、前記壁(16)の回転速度のおよそ10%ないし80%の範囲にある値に設定することができる請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)の回転速度が、前記壁(16)の回転速度のおよそ20%ないし60%の範囲にある値に設定することができる請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)の回転速度を、前記壁(16)および前記容器体(30、32)の互いに隣接した領域間の経路速度の差が、およそ0.5m/sないし3m/sの範囲になるような値に設定することができる請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)の回転速度を、前記壁(16)および前記容器体(30、32)の互いに隣接した領域間の経路速度の差が、およそ0.9m/sないし2m/sの範囲になるような値に設定することができる請求項1ないし7のいずれかに記載の装置。
- 上部から底部に向かって狭くなっており、かつ前記容器(12)の前記基部(14)に物質を戻すために用いる戻し面(20)が、前記容器(12)の前記壁(16)より内方に配置されている請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
- 特に前記少なくとも1つの容器体が前記転向用部品(18)自体である場合、前記戻し面(20)を、前記壁(16)と同じ方向で前記回転の鉛直軸(22)のまわりを回転状態で、かつ前記少なくとも1つの容器体(30、32)の回転速度以下のある回転速度で駆動することができる請求項9に記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)に、前記壁(16)と独立に前記容器体を駆動する駆動装置が装備されている請求項1ないし10のいずれかに記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)に、前記壁(16)の回転運動を前記少なくとも1つの容器体(30、32)のより遅い回転運動に変換する伝動装置が装備されている請求項1ないし11のいずれかに記載の装置。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)が、回転状態において、前記壁(16)の回転速度未満のある回転速度に設定される請求項1ないし12のいずれかに記載の装置を操作する方法。
- 前記転向用部品(18)および前記少なくとも1つの壁部分(36)の双方を、前記回転の鉛直軸(22)のまわりに回転駆動することができ、前記壁部分(36)の回転速度が、前記壁(16)の回転速度未満のある値に設定され、前記転向用部品(18)の回転速度が、前記壁部分(36)の回転速度未満のある値に設定される請求項13に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)が、回転状態において、前記壁(16)の回転速度のおよそ10%ないし80%の範囲にある回転速度に設定される請求項13または14に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)が、回転状態において、前記壁(16)の回転速度のおよそ20%ないし60%の範囲にある回転速度に設定される請求項13ないし15のいずれかに記載の方法。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)の回転速度が、前記壁(16)および前記容器体(30、32)の互いに隣接した領域間の経路速度の差が、およそ0.5m/sないし3m/sの範囲になるような値に設定される請求項13ないし16のいずれかに記載の方法。
- 前記少なくとも1つの容器体(30、32)の回転速度が、前記壁(16)および前記容器体(30、32)の互いに隣接した領域間の経路速度の差が、およそ0.9m/sないし2m/sの範囲になるような値に設定される請求項13ないし17のいずれかに記載の方法。
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