JP4319829B2 - Ultrasonic shock treatment machine and ultrasonic shock treatment device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材料の表面に超音波によって動作する物体よる打撃で衝撃を与え、これによって金属材料表層の形状および特性を改善するための超音波衝撃処理機およびこれを組み込んだ超音波衝撃処理装置に関し、特に超音波衝撃処理によるナノ結晶構造化を効率的に行なえる機器および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材料の表面層の結晶組織をナノメータ(nm、10−9m)を単位として用いるのが適当なサイズ、例えば100nm以下に微細化した、いわゆるナノ結晶組織を得ることにより、従来には得られなかった優れた性質、例えば超高強度などの特性を得ることができることが知られている。
【0003】
このナノ結晶組織をもつ金属材料を得る各種の方法が報告されている(たとえは、非特許文献1参照)が、例えば、金属材料を一旦アモルファス状態とし、次いで低温熱処理を行なう方法がある。また、アモルファス状態とするには、金属材料を高速急冷あるいはスパッタ成膜などの方法があるが、この場合、広く一般の形状の成形体や構造体を得るには制約がある。また、この他に、金属材料の粉末をボールミルなどで処理し、材料表面に強加工を施すことにより材料をアモルファス化し、次いでこれを熱処理することにより、ナノ結晶構造を有する金属粉末を得ることができる。この金属粉末を高温で加圧成形し、或いはさらに溶接などの処理を行なって構造体とすることができる。
【0004】
しかしながら、この高温の過程を経ることによってナノ結晶構造が消失し、ナノ結晶組織の特性を生かした成形体や構造体を得ることは困難である。
【0005】
ところで、材料の表面に超音波衝撃処理を施すことにより、表面に塑性変形を与え,表面結晶組織を改善し,或いは残留応力を開放することが知られており、例えば、金属材料の溶接部に超音波衝撃処理を施し、溶接部の残留応力を開放し、ボイドや異常粒界のような微小欠陥を低減することが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、従来の超音波衝撃処理は、このように疲労強度の向上、微小欠陥の軽減などが主体であり、金属材料表層の材料特性が改善されるとしてもそれは副次的で、その範囲、程度などはかなりばらつきが多い状況で生じており、目的に合わせて主体的にコントロールして改善するまでには到っていない。そして、超音波衝撃処理機としては、超音波を発生させるトランスデューサー、超音波を先端に導くためのウエーブガイド、その先端部に設けられ、超音波により振動する衝撃用のピンを収納するヘッド部を備えた機器が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6,338,765号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開平10−296461号公報。
【0008】
【特許文献3】
米国特許出願公開第2002/001400号明細書。
【0009】
【非特許文献1】
ラスミス(LASMIS)著 金属材料の表面ナノ結晶化−新研究の背景にある概念の報告 (SurfaceNanocrystallisation (SNC) of the Metallic Materials - Presentation of the Concept behind a New Approach)材料科学(Mater. Sci. Technol.),第15巻、第3号 1999
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らは、上述のようなナノ結晶構造を有する成形体や構造体を得る上での問題点に鑑み、金属材料の成形体や構造物に対してナノ結晶構造の形成を自由度を大きく可能にする条件とそれを可能にする新しい方法を検討した結果、金属材料の表面層にショットピーニングなどの冷間加工を振動性状をコントロールして行なうことにより,表面層を強化加工し、同時にこの金属材料の処理状況を雰囲気および温度をコントロールすることによって表面層にナノ結晶を析出させることができることを開発した。そしてこの手段として、超音波衝撃処理が適切であることを知見した。
【0011】
上述のように、従来の超音波衝撃処理機器は、比較的小型であるため人手により処理することも可能であり、所要の箇所のみを処理できるという利点がある反面、処理範囲が狭く、広い範囲を効率的に処理するには不適当である。また、従来の超音波衝撃処理の装置は、表面の形状と残留応力を変えて疲労強度や静的強度を向上させることを主に目的としたものであり、材料の表層をナノ結晶構造化すると共に、さらに材質を改善し、優れた特性を得るためには、超音波衝撃処理に使用する機器の検討が必要である。
【0012】
本発明は、ナノ結晶組織を有する共に、各種の特性を有する表面層を得るための、またこれらの表面層を効率的に得るための超音波衝撃処理機および装置を提供するものである。ここで、装置は、この超音波衝撃処理機の組み合わせ、他の装置、手段との組み合わせたものを意味するものとする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、
(a)超音波衝撃処理を多軸的に施すことによってナノ結晶化を促進すること、(b)処理表面の温度制御を可能な構成とすることにより、超音波衝撃処理によりえられる処理対象の諸特性を選択できるようにすること、(c)少なくとも処理表面の雰囲気を制御可能な構造とし、酸化物層の形成を抑制し、良好な金属表面状態とすると共に、さらには合金層の形成を可能とすること、(d)処理対象物に対して金属成分を供給可能な構造とし、表層に元の処理対象金属が持たない成分を含んだ合金層を形成可能とすること、を狙いとしている。その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)超音波を発生させるトランスデューサーと、該トランスデューサーからの発振方向の前方に取り付けられ、超音波を前方に導くためのウエーブガイドと、該ウエーブガイドの先端に取り付けられ、前記超音波により振動するピンと該ピンを保持するホルダーとを備えたヘッドとからなる超音波衝撃処理機であって、前記ウエーブガイドに複数のトランスデューサーが接続されており、前記複数のトランスデューサーは、それぞれ互いに超音波の位相及び荷重軸のいずれかまたは両方が異なること、を特徴とする超音波衝撃処理機。
(2)前記(1)に記載の超音波衝撃処理機を有することを特徴とする超音波衝撃処理装置。
(3)超音波を発生させるトランスデューサーと、該トランスデューサーからの発振方向の前方に取り付けられ、超音波を前方に導くためのウエーブガイドと、該ウエーブガイドの先端に取り付けられ、前記超音波により振動するピンと該ピンを保持するホルダーとを備えたヘッドとからなる超音波衝撃処理機を有する超音波処理装置であって、
該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段、該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段及びこれを移動させる手段、該超音波衝撃処理機の少なくともヘッドを揺動させる手段、該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段及び少なくともヘッドを揺動させる手段、該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段とこれを移動させる手段及び少なくともヘッドを揺動させる手段、のうちいずれかを備えたことを特徴とする超音波衝撃処理装置。
(4)超音波を発生させるトランスデューサーと、該トランスデューサーからの発振方向の前方に取り付けられ、超音波を前方に導くためのウエーブガイドと、該ウエーブガイドの先端に取り付けられ、前記超音波により振動するピンと該ピンを保持するホルダーとを備えたヘッドとからなる超音波衝撃処理機を有する超音波処理装置であって、前記超音波衝撃処理機が複数機配置されていることを特徴とする超音波衝撃処理装置。
(5)前記複数機の超音波衝撃処理機の中心軸方向が互いに異なり、ほぼ同じ場所を集中的に処理することを特徴とする前記(4)に記載の超音波衝撃処理装置。
(6)複数機の超音波衝撃処理機の中心軸方向が互いに平行となるように配置されていることを特徴とする前記(4)に記載の超音波衝撃処理装置。
(7)トランスデューサーが発振する超音波振動の位相、ピンの形状、ウエーブガイドの性状のいずれか1つが、他の超音波処理機のそれと異なる性状のものであることを特徴とする前記(4)〜(6)のいずれかに記載の超音波衝撃処理装置。
(8)前記超音波衝撃処理機が、少なくとも処理対象箇所に金属粉を供給する手段、少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段、少なくとも処理対象箇所にシールドガスを供給する手段、のうちいずれかまたはこれらのうち2つ以上を備えたことを特徴とする、前記(2)〜(7)のいずれかに記載の超音波衝撃処理装置。
(9)前記(8)に記載の超音波衝撃処理装置のうち、前記少なくとも処理対象箇所を加熱する加熱手段を有しているものにおいて、前記加熱手段が電磁誘導加熱手段であり、かつ電磁シールドを備えていることを特徴とする超音波衝撃処理装置。
(10)前記(2)〜(9)のいずれか1項に記載の超音波衝撃処理装置が、ロボットアームに取り付けられていることを特徴とする超音波衝撃処理装置。
(11)前記超音波衝撃処理機の前記ヘッドのピンの先端形状が、凸状又は凹状の曲面を有することを特徴とする前記(2)〜(10)のいずれかに記載の超音波衝撃処理装置。
(12)前記超音波衝撃処理機の前記ヘッドのピンが、処理対象物の硬度および/又は表面に合金形成させる目的に応じてその硬さと化学組成を制御されていることを特徴とする前記(2)〜(11)のいずれか1項に記載の超音波衝撃処理装置。
(13)前記超音波衝撃処理機の前記ヘッドのピンの先端部が、多数のワイヤー状体からなることを特徴とする前記(2)〜(12)のいずれか1項に記載の超音波衝撃処理機。
(14)前記超音波衝撃処理機の前記ヘッドのピンの長さ方向の中間から先端にかけて筒形状部が形成され、該筒形状部からワイヤー状体を先端部に供給するようにしたことを特徴とする前記(2)〜(12)のいずれか1項に記載の超音波衝撃処理機。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の超音波衝撃機および超音波衝撃装置は、前述のように、下記の(a)〜(d)を可能とすると共に、広範囲の面積を効率的に処理できるようにしたものである。(a)超音波衝撃処理を多軸的に施すことによってナノ結晶化を促進すること、すなわち、一軸方向の加工では、ナノ結晶構造を得ることは困難であり、複数軸方向からの強加工が必要である。(b)処理表面の温度制御を可能な構成とすることにより、超音波衝撃処理によりえられる表層の諸特性を選択できるようにすること、すなわち、高温での処理では、変形は大きいが残留応力は小さく、逆に、低温での処理では、変形は小さいが残留応力は大きく付与される。このことから、高温では深さ方向の加工の範囲が広くなり、低温では狭くなる。しかし、温度が高すぎると、強加工により細かくされた金属粒が再び成長してしまい、大きくなってしまうことがある。従ってナノ結晶化の度合い、ナノ結晶組織周辺の組織の状況が変化するので、特性の所要に応じて条件を選択することができる。(c)少なくとも処理表面の雰囲気を制御可能な構造とし、酸化物層の形成を抑制し、良好な金属表面状態とすると共に、さらには合金層の形成を可能とすること、すなわち、処理表面の雰囲気が酸化雰囲気であると、ナノ結晶層が形成されても、同時に酸化層が形成されるために、処理効果が低下する。また、処理中に材料の表面で生成した酸化物が表層部に巻き込まれ、表面欠陥となるばかりか耐食性を損なうことにもなる。さらに、合金層と処理部の母材部との界面に酸化物が存在すると、一体性、密着性に劣る処理結果となってしまうことがある。雰囲気制御を可能とすることにより、このような表面材質の低下を回避できるばかりでなく、雰囲気を特定の雰囲気、例えば窒素雰囲気、とすることによって表層に窒素浸透させ、特性の改善を図るという積極的な処理を行なうこともできる。(d)処理対象物に対して合金成分を供給可能な構造とし、表層に合金層を形成可能とすること、すなわち、超音波衝撃処理と同時に処理箇所に金属材料の粉末を供給する、或いは、ピン自体を特定の金属材料とすることによって、衝撃を与えると同時に金属粉末或いはピンの小片を処理対象物の表面に供給し、表層を所望の合金層とすることができる。これによって、表面に形成されるナノ層の成分を元の処理対象母材部と異なる成分構成を持つ合金層を形成し、例えば、普通鋼で製作されて使用中の橋梁の表面だけをステンレス鋼化して耐食性を向上させるなど、材料表面に新しい機能を付与することもできる。
【0015】
以下、本発明を、実施例の図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明に使用する超音波衝撃処理機の概要を示す断面図である。
【0017】
図1において、超音波衝撃処理機1は、超音波を発信するトランスデューサー2と、その前方に取り付けられ、トランスデューサー2で発生した超音波を先端部に導き、振動を増幅させるウエーブガイド3と、ウエーブガイド3の先端、すなわち、処理対象物と対向する側、に取り付けられたヘッド4とから構成される。
【0018】
ヘッド4は、その先端に1又は複数の孔5が設けられ、この孔に上下方向に挿入された棒状のピン6と、ピン6の上端とウエーブガイド3の先端とに間に設けられた空間8と含んで収納するホルダー9とからなり、ホルダー9は、環状の金具10により、ウエーブガイド3の外周に着脱可能に接続されており、ピンを含めて取替え可能となっている。必要に応じて、ピンの径、本数、配列、材質、形状などを、交換することができる。
【0019】
なお、ウエーブガイドの中間部には、その外周を間隙を持って囲む樹脂製のカバー11を設けており、この間隙にはウエーブガイドおよび振動部を有するヘッドを冷却、潤滑する潤滑冷却材を保持するための多孔体12を充填することができる。その場合、されている。カバー11の下端部とウエーブガイド3と間には、開口部13が設けられており、潤滑冷却材はこの開口部を経てヘッドへ供給される。なお、この冷却構造は、必須ではなく、必要に応じて設けられる。また、トランスデューサー2を冷却するために、水冷や空冷の冷却層を設けても良い。
【0020】
トランスデューサー2は、電気エネルギーを超音波エネルギーに変換するものであり磁歪式トランスデューサー或いは圧電式トランスデューサーなどを利用できる。前者は大容量化が可能であり、広範囲の音響負荷に対して高い安定度で作動するが、重く、冷却が必要である。一方、後者は、容量は小さいが効率は高く、発熱が少なく冷却を軽減できる。また、可搬性に優れる。しかし、逆に音響負荷に対しての安定度は低い。従って処理条件や目的によってこれらを適宜選択できる。
【0021】
ヘッドのピンは、一本の場合でも良いが、二本以上を一列或いは複数列に配列するようにすることができる。
【0022】
トランスデューサー2が超音波を発信すると、生じた超音波はこれに接続されたウエーブガイド3を伝わり、ウエーブガイドの径が絞られていることによって速度が変性される。超音波はウエーブガイド3の先端にから、ヘッド4に至り、板8を振動させ、ピン6を振動させる。この振動により、ピンの先端が処理対象14を打撃することによって衝撃処理される。
【0023】
振幅20〜60μm、周波数15kHz〜60kHz、出力0.2〜1KWで処理するのが一般的である。
【0024】
図2は、本発明の超音波衝撃処理機の実施例の斜視図を示すものである。
【0025】
図2において、超音波衝撃処理機1のウエーブガイド3に、複数のトランスデューサー2、2’、2”が設けられているものである。これにより複数方向の振動を先端に与えることができる。従って、処理面に対して複数のベクトル(荷重軸)をもって応力を与えることができ、結晶粒の微細化が効率よくできる。また、複数の荷重軸の応力のサイクルがいずれも同程度であること、或いは配置によっては軸の方向を完全に3方向に分けることができるので、結晶粒の微細化効果がより向上する。なお、図2では、3つのトランスデューサーを設けているが、これを2つ或いは、4つ以上の複数個とすることも可能である。
【0026】
図3(a)は、ウエーブガイドに3つのトランスデューサーを配置した状況を模式的に示したものであるが、さらに、図3(b)に示すように、特に、それらの振動数が同じである場合は、このように複数設けたトランスデューサーの位相がずれるように配置することも好ましい。また、超音波の周波数をトランスデューサーごとにずれるようにしても良い。
【0027】
これによって、処理面に対して複数の荷重軸で応力を与えることができ、結晶粒の微細化ができる。また、複数の荷重軸の応力のサイクルがいずれも同程度であること、或いは軸の方向を完全に角度をずらして分けることができるので、結晶粒の微細化効果がより向上する。
【0028】
図4は、本発明の超音波衝撃処理機において、ピンの先端形状を示したものである。図4において、ピン6の先端形状は、凸状又は凹状の曲面を有している。基本的に、凸形状を持つピン6によって打撃を与えると、処理対象物の表面には塑性変形による溝が形成される。しかし、デザインの要請によって処理対象物が曲面を持っている場合には、大きな溝を形成するのは意匠上好ましくない場合がある。そのような場合、形成される塑性変形の形状をピンの先端形状を変更することによって変更することができる。例えば、盛り上がった表面を処理するには、凹型の先端形状のピンを使用すると、処理対象物に目立つ疵を与えることがなく好適である。ピンの先端形状の凹凸曲面の曲率は、処理対象箇所の面形状の曲率に近いものとすることもできるが、表面形状を意図して変えようとする場合は、処理対象箇所の曲率と大きく異なるは曲率とすることができる。例えば、薄板の板端部の処理を行なう場合にも、凹型のピンを用いて板端の過度を落として応力集中を低減することもできる。このように、処理対象物、或いは処理箇所の表面形状に応じて曲率を変え、適切に交換することができる。
【0029】
また、ピンの材質は、処理対象物の性状および処理の目的に応じてその硬さと組成を調整されているものである。例えば、硬度の高い金属材料を処理する場合には、硬度の高い材質のピンが好ましく、硬度の高くない材料を処理する場合は、硬度の低い材質のピンを使用することも可能である。これは、ピンは消耗品であるが、硬度の高い材料は一般的にコストが高いからである。
【0030】
また、超音波衝撃処理において処理対象物の金属材料とピンの先端が接触する際に、ピンの一部は、剥離して磨耗する。この剥離したピンの材料は、処理対象物の表面に圧着されル。また、条件が揃えば、対象物の金属材料と合金層を形成する。図5は、この経過を説明する模式図である。すなわち、これによって、対象物の材質とは異なる表面層を形成することができ、たとえば、対象物に耐食性や、耐磨耗性を付与或いは向上させることができる。つまり、このように合金を形成するという目的の場合、むしろ積極的に柔らかめのピンを用いて、ピンの損耗によって合金成分を供給するということもできる。従って、ピンの材質、硬さ、組成はこのような観点からも調整されたものとし、必要に応じて取り替えるものである。
【0031】
次に、図6(a)、(b)は、本発明の超音波衝撃処理機で使用する実施例のピンの先端を示したものであり、図6(a)は、超音波衝撃処理機に組み込まれた状態、図6(b)は、先端をワイヤー状体15で形成したピン6の状態を示す模式図である。図2〜5に示したピンは、先端まで棒状に一体に形成された例を示したが、この例では、ピンの先端は多数のワイヤー状体15で構成されている。このワイヤー状体は、ピン6の先端に、径が0.01〜1.0mmのワイヤー或いは小径の棒などを埋め込むことにより形成することができる。
【0032】
ワイヤー状体の材質は、ピンの材質と同じとしても良いが、上述のように、処理対象物の金属材料と合金を形成する材料を選択してもよい。先端をこのようなワイヤー状体で構成することによって、広い面積に対して弱めの衝撃処理を行なうことができ、ショットブラスト処理の代替としても使用させ得る。また、接触面積が広がる、またワイヤーはより損耗しやすい結果、表面層に合金成分を供給しやすくなり、合金層を形成する場合に好適である。
【0033】
ワイヤー状体が磨耗した場合はピンと共に取り替える必要がある。このため、本発明の超音波衝撃処理機では、連続的に使用する場合、ワイヤーをピンの先端部に供給するようにすることが好ましい。図7(a)は、超音波衝撃処理機に組み込んだ状態を示す模式図、図7(b)は、そのための好適なピンの構造を示す断面模式図である。ピン6の側面部にはワイヤー状体15を導入するための開口部17が設けられておりワイヤー状体15がワイヤー供給装置16からピン6に供給され、ピンの振動によってワイヤー状体処理対象物を衝撃する。すなわち、ピン6は、ワイヤー状体を保持すると共に、衝撃伝達のためのピンとしても機能する。
【0034】
このように本発明の超音波衝撃処理機1は、多様な機能を果たすことができるように構成されている。
【0035】
次に従来の超音波処理装置、或いは上述の本発明の超音波衝撃処理機をより効率的に使用するための本発明の装置について説明する。以下の説明において、本体とは、特に断りのない限り、従来および本発明の超音波衝撃処理機を含めた、超音波衝撃処理機を意味するものとする。
【0036】
本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理機と、この超音波衝撃処理機をその軸の周りに回転および/又は移動する手段を備えることを特徴とする。超音波衝撃処理機のヘッドを回転および/又移動させながら処理対象物を超音波衝撃処理するものである。
【0037】
図8は、超音波衝撃処理機を回転可能その軸の周りに回転可能とすると共に移動可能とした本発明の超音波衝撃処理装置を示す模式図である。
【0038】
図8において、超音波衝撃処理機1(本体1)は、本体1のトランスデューサー2およびウエーブガイド3の端部近傍の外周において固定されたベアリング19を介してケーシング18に回転可能に収納保持されており、本体1の少なくともヘッド4はケーシング外にある。一方、ケーシング18のトランスデューサー側には、モーターなどの回転駆動装置20が固定されており、その軸は、歯車41を介して本体1のトランスデューサー側端部と接続されている。
【0039】
駆動装置が回転するとケーシング内で本体1がその軸を中心として回転する。これによって、ヘッドが回転し、処理面を広げることができると共に、処理面に対して複数の荷重軸で衝撃を与え、作用する応力を多軸化することができる。
【0040】
また、図9は、超音波衝撃処理機を対象物の処理方向に移動可能とした超音波衝撃処理装置を示す概略図であり図9(a)は、側面図、図9(b)は平面図である。この超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理機1と、これを移動させる手段とから構成される。図9において、図8で示したように、本体1はケーシング18に収納され、ガイドレール21の間に設けられ、これに沿って移動する架台23の上に固定手段24によって垂下保持されている。架台23には、ガイドレールに沿って設けられたねじ山を有する動力シャフト22に螺合するナット22aが固定されており、モーターなどの駆動手段(図示せず)により動力シャフトを回転させることにより架台23をガイドレールに沿って移動させることができる。この装置を処理対象物の位置に配置するか、処理対象物をこの装置の作動範囲に配置し、本体を処理対象物の処理部に位置させ、かつ移動させつつ処理を行なうことができる。図8で説明したように、この装置において回転駆動装置20により本体を回転させ、かつ移動させながら処理することができることは言うまでもない。これによって上記のように、処理面を広げることができると共に、処理面に対して複数の荷重軸で衝撃を与え、作用する応力を多軸化することができる。
【0041】
なお、図10は、本発明の回転/移動可能とした本発明の超音波衝撃処理処理装置の他の例を示した概略図である。図8同様、ケーシング18に本体1が収納保持されている。そして、ケーシングのトランスデューサーの端部側の端部には、フレーム25が固定されており、このフレームに回転駆動装置20が固定されている。また、フレームの一端には、把持用のハンドル26が設けられている。すなわち、これによって人手により支持し、移動させることによって処理対象物に対して作業し得る形とすることができ、既設橋梁などの現場での作業や、機器をガイドするレールなどを配置し難い場所での処理に好適であり、移動は人力となるが作業を適切に管理することにより、フレキシブルに上記と同様の効果をうることができる。
【0042】
また、本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理機と超音波衝撃処理機の少なくともヘッドに揺動を与える手段を備えることを特徴とする。図11は、本発明の揺動手段を有する超音波衝撃処理装置を示す概略図である。本体1のトランスデューサー2およびウエーブガイド3の端部近傍の外周において固定されたベアリング19を介してケーシング18に回転可能に保持されており、本体1の少なくともヘッド4はケーシング外にある。一方、ケーシング18のトランスデューサー側には、揺動を与える揺動装置27が設けられており、その軸は、本体1のトランスデューサー側端部と接続されている。
【0043】
揺動装置としては、例えば、超音波モーターなどを用いることができる。これにより本体1に回転と同時に、揺動を与えることも可能である。超音波振動する超音波衝撃処理機1(本体1)が、その鉛直振動と同程度の周期で揺動させることができる。このようにヘッドを揺動をさせながら処理することにより、処理面に対して複数の荷重軸で応力を与えることができ、結晶粒の微細化ができる。また、複数軸の応力のサイクルがいずれも同程度であるので結晶粒の微細化効果がより向上する。なお、超音波振動中は、摩擦力は著しく低下しているので、揺動に伴う抵抗力は小さく、揺動に必要なトルク、すなわちエネルギーは少ない。
【0044】
なお、本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理機に、以上説明した回転手段、移動手段、揺動手段を適宜組み合わせたものとして良いことは言うまでもない。
【0045】
また、本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理装機と、処理対象箇所に金属粉を供給する手段を備えることを特徴とする。図12は、金属粉を供給する手段を備えた本発明の超音波衝撃処理装置を示す概略図である。なお、図12は、後述するシールドガス供給手段を併せて備えている例として示している。
【0046】
超音波衝撃処理装機は、図8で示したように、その外周に設けたベアリング19を介してケーシング18に回転可能の収納保持されている。ケーシング18には金属粉供給管28が設けられ、その先端開口部はピンの先端近傍に位置するように設けられている。金属粉供給管の他端は、例えば空気搬送装置などの金属供給装置(図示しない)に接続されており、金属粉タンク(図示しない)から金属粉が供給されるようになっている。この例では、金属粉供給管は、ケーシングおよびホルダー9において支持されているが、ホルダーでの支持部29をベアリング30を介して金属粉供給管28を回転可能に支持するようにすれば、超音波衝撃処理機を回転させながら処理するようにすることもできる。また、金属粉供給管の強度によってはホルダーでの支持部29を省略しても良い。
【0047】
なお、金属粉供給管を本体に取り付けて配置せず、離れた位置に配置してフレーム等を介して本体と連結する構成としても良い。
【0048】
この装置を用いることにより、超音波衝撃処理において処理対象箇所に合金形成用の金属粉を供給することができ、処理対象の金属材料(母材)とは異なる組成の合金表面層を形成し、母材表面の材質特性を目的に添って改善することができる。
【0049】
また、この場合、前述のピンからの金属成分の供給を期待しないで済むため、ピンの硬度を高く設定してピンの損耗も少なくすることができる。また、前述のピンの材質を選択することによって表面層に合金層を形成する場合のものとは異なり、自由に合金用の金属を選択することができるので、表面層の成分調整の自由度が向上する。
【0050】
また、本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理装機と、処理対象箇所にシールドガスを供給する手段を備えることを特徴とする。図12は、シールドガスを供給する手段を備えた本発明の超音波衝撃処理装置を示す概略図である。
【0051】
超音波衝撃処理装機は、図8で示したように、その外周に設けたベアリング19を介してケーシング18に回転可能の収納保持されている。ケーシング18にはシールドガス供給管31が設けられ、その先端開口部はピンの先端近傍に位置するように設けられている。シールドガス供給管の他端は、例えばアルゴンガス、ヘリウムガス、炭酸ガスなどの不活性ガスのタンク(図示しない)に接続されており、不活性ガスタンクからシールドガスが供給されるようになっている。この例では、シールドガス供給管は、ケーシングにおいて支持されているが、ホルダー9でも支持するようにしても良く、その際、支持部をベアリングを介して回転可能にシールドガス供給管31を支持するようにすれば、超音波衝撃処理機を回転させながら処理するようにすることもできる。
【0052】
なお、シールドガス供給管を本体に取り付けて配置せず、離れた位置、処理対象物への処理移動方向の前方、に配置してフレーム等を介して本体と連結する構成としも良い。
【0053】
この装置を用いることにより、超音波衝撃処理において処理対象箇所の雰囲気を調整することができるので、処理に伴う処理対象箇所の温度上昇や、後述するような加熱処理に伴って生じる金属酸化物の生成を抑制することができ、表面改質層の純度が向上し、また、表面改質層の厚さを実質的に厚くすることができる。
【0054】
また、本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理装機と、処理対象箇所を加熱する手段を備得ることを特徴とする。図13は、処理対象箇所を加熱する手段を備えた本発明の超音波衝撃処理装置を示す、(a)は、一部断面を含む概略図、(b)は、そのA−A’視概略図である。
【0055】
超音波衝撃処理装機は、図8で示したように、その外周に設けたベアリング19を介してケーシング18に回転可能の収納保持されている。加熱手段33は、一端をケーシング18の外周に固定された支持体32によりその他端において、本体1のヘッド4の近傍ないしはそれより下方に位置し、処理対象物に近接するように支持されている。加熱手段は、処理対象物の少なくとも処理箇所を所定の温度に加熱し得るものであれば良い。図13の例においては誘導加熱コイルを設けている。加熱手段33と本体のヘッド4との間には、電磁シールド材が34が設けられている。電磁シールド材34は、一端がケーシング18の外周に固定部35により固定支持されている。他端は本体1のヘッド4の下端まで伸びている。
【0056】
また、固定部35を、例えばシリンダーなど、昇降可能になものとして電磁シールド材34を支持することが好ましい。これによって、たとえはシールドを下降させた状態で加熱すれば、ヘッド部およびピンの加熱を抑制しつつ、処理対象箇所の加熱を先行させることができる。また、シールドを上昇させた状態で加熱することによって、処理対処箇所およびピンを同時に加熱することが必要に応じてできる。
【0057】
なお、加熱装置や溶接などの熱源を本体に取り付けて配置せず、本体とはやや離れた位置、処理対象物への処理移動方向の前方、に配置してフレーム等を介して本体と連結する構成としも良い。
【0058】
このように、本発明の装置を用いて処理すると、処理箇所の加熱を超音波衝撃処理に先行あるいは同時に行なえるので、処理箇所の処理温度を適宜選択することができ、表面硬化、組織の微細化、残留応力の付与など、それぞれの効果を選択的に、また効率的に向上させることができる。
【0059】
本発明の超音波衝撃処理装置においては、上述した金属粉供給手段、シールドガス供給手段、加熱手段は、それぞれ単独で備える例を説明したが、これらの手段を複数組み合わせて超音波衝撃処理機に備えるようにしても良い。
【0060】
すなわち、金属粉供給手段とシールドガス供給手段、加熱手段と金属粉供給手段、シールドガス供給手段と加熱手段、金属粉供給手段およびシールドガス供給手段と加熱手段を超音波衝撃処理機に備えた装置とすることができる。また、上記手段らを超音波衝撃処理機とは離れた位置に配置して連結した構造の装置としても良い。本発明の装置は、上述したように、処理対象の金属材料の表面層をナノ結晶構造とすると共に、各種の合金層を形成したり、微細な組織構造としたり、形状を改善したり、また応力状態を改善することができる。これによって、耐磨耗性、耐食性、疲労特性などを改善するなど、広範囲の特性の改善を可能とすることができる。
【0061】
さらに、本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理機又は超音波衝撃処理装置を複数配置したことを特徴としている。
【0062】
図14は、超音波衝撃処理機、あるいは本発明の超音波衝撃処理装置を複数配置した超音波衝撃処理装置の構成を示す(a)は正面の、(b)は上面の、(c)は側面の概略図である。
【0063】
ガイドレール21の間に移動可能に設けられた架台23架台が設けられており、この架台には、それぞれケーシング18、18’に収納された2台の超音波衝撃処理機1,1’が、ケーシング18、18’に設けた支持体36、36’を介して、固定部材37、37’によって架台23に固定されている。その際、図14(a)〜(c)から判るように、超音波衝撃処理機1,1’の中心軸線が角度θをなすように配置されている。そしてこれらの複数の装置によって、ほぼ同じ場所を集中的に処理することができる。すなわち、一台の中に複数のトランスデューサーを配置する場合と異なり、振動系を別個にして同一エリアを処理するため、振動の干渉が少なく、効率よく複数軸で応力を処理対象部に与えることができる。
【0064】
なお、固定部材37および37’のいずれか一方又は双方を、支持体36,36’に対して角度可変に支持固定可能な部材とすることも好ましい。これによって角度を自在に設定すること、また角度方向に動作させながらの処理も可能となる。
【0065】
さらに、架台23に対して固定部材37,37’を移動可能な構造とすることも好ましい。例えば、架台にガイドレールと、それぞれ独立の動力シャフトとを設け、これに動力シャフトのネジ山に螺合するナットを固定部材に設ける構成とすれば、動力シャフトを回転させることによって、超音波衝撃処理機1、1’の間隔を任意に選択できるようにすることができる。
【0066】
なお、架台23には、ガイドレールに沿って設けられたネジ山を有する動力シャフト22に螺合するナット22aが固定されており、動力シャフトが回転することによって架台は、ガイドレールに沿って移動することができる。
【0067】
また、複数の超音波衝撃処理機、あるいは本発明の超音波衝撃処理装置を配置した本発明の装置の他の例は、複数の複数の超音波衝撃処理機、あるいは本発明の超音波衝撃処理装置を、その軸が処理対象物の処理方向に対して互いに平行になるよう配置した構成の超音波衝撃処理装置である。これは、図15(a)〜(c)において、3台の超音波衝撃処理機1,1’1”の中心軸が互いに平行となるように配置されるものである。超音波衝撃処理機1,1’、1”をそれぞれ収納したケーシング18,18’,18”は、その外周に設けられた支持体36,36’,36”を介して、 固定部材37、37’、37”によって架台23に固定されている。その際、図15(a)〜(c)から判るように、超音波衝撃処理機1,1’の中心軸線は、処理方向に対して、互いに平行になるように配置されている。この場合は、複数個のピンの処理範囲はそのままでは重ならないのが通常なため、処理が均一にまんべんなくなるように、移動は2方向に行ないながら、表面を平滑に処理していくように機器を構成し、コントロールすることが好ましい。
【0068】
なお、上述のように、複数の超音波衝撃処理機を架台23に固定する際に、角度可変に支持可能な固定部材37,37’37”を用いた構成とすれば、超音波衝撃処理機相互の中心軸が互いに平行となるように配置した超音波衝撃処理装置とすることができると共に、必要に応じて互いに角度をなして配置した超音波衝撃処理装置とすることができる。また、上記のように、架台23に対して固定部材37,37’37”を移動可能な構造とすることも好ましく、移動可能とすることによって、複数の超音波衝撃処理機を平行かつ所望の間隔に設定した超音波衝撃処理装置とすることができる。
【0069】
複数の超音波衝撃処理機を中心軸の角度を持って配置した装置を用い、或いはさらに超音波衝撃処理機の動作条件、例えばトランスデューサー位相、ピンの形状、ウエーブガイドの性状など、をそれぞれ異なる条件とし、中心軸が交わる位置に処理対象箇所を位置させて処理を行なうことによって、処理面に対して複数の荷重軸で応力を与えることができ、結晶粒の微細化ができる。また、複数軸の応力のサイクルがいずれも同程度であり、あるいは、軸の方向を完全に角度をずらして分けることができるので、結晶粒の微細化効果がより向上する。
【0070】
また、複数の超音波衝撃処理機を中心軸を平行となるように配置した装置を用い、或いはさらに超音波衝撃処理機の動作条件、例えばトランスデューサー位相、ピンの形状、ウエーブガイドの性状など、をそれぞれ異なる条件とし、処理を行なうことにより、大きな出力を用いなくても広い面積を処理でき、或いは大きな出力の機器を用いた場合よりも平面的な均一性を確保することができる。また、必要に応じて、処理条件の異なった処理を同時に行なうことができる。
【0071】
上記複数の超音波衝撃処理機を備えた超音波衝撃処理装置は、従来の超音波衝撃処理機のほか、これまで説明した本発明の超音波衝撃処理機および超音波衝撃処理装置を用いて構成することができることは言うまでもない。例えば、超音波衝撃処理機を複数のトランスデューサーを備えたもの、或いはピンの先端形状をワイヤー状体としたものなどとすることも好ましく、また、金属粉供給手段或いは加熱手段などを備えた超音波衝撃処理装置を複数配置するなど、処理の必要に応じて選択配置することが好ましい。また、複数の超音波衝撃処理機又は超音波衝撃処理装置が異なる機能を持つものを組み合わせて配置することも可能である。複数の超音波衝撃処理機、超音波衝撃処理装置を配置することによって、上記効果を一層広範囲のものとすることができる。
【0072】
また、本発明の超音波衝撃処理装置は、超音波衝撃処理装機或いは超音波衝撃処理装置を、ロボットアームに搭載したものである超音波衝撃処理装置である。図16は、超音波衝撃処理装機或いは超音波衝撃処理装置を、ロボットアームに搭載したものである超音波衝撃処理装置を示す概略図である。
【0073】
ケーシング18に収納された超音波衝撃処理機1は、ケーシング18に設けられた継手38によりロボットアームに搭載され、ロボット制御装置と40により制御されて超音波衝撃処理を行なう。
【0074】
超音波衝撃処理を自動化して行なうことができ極めて効率的に表面改質等を行なうことができる。
【0075】
【実施例】
本発明の超音波衝撃処理装機又は、本発明の超音波衝撃処理装置を、実施例により具体的に説明する。
【0076】
基本構成の超音波衝撃処理機(基本機器)は、図1に示したような構成であり、27kHz、出力600Wの金属トランスデューサーを備えたもので、振幅20〜40μmの鉛直振動をピンに発生させる。ピンはHv800の硬さを備えており、3本が20mmの間に配列されている。この超音波衝撃処理装機を基本機器とした上で、本発明の機器又は各装置を用い、それらの構成や処理条件等を変えて、金属材料の処理を行なった。
【0077】
金属材料として1.2mm(厚)×1m(幅)×L(長さ)の板を用いた。
【0078】
処理後の金属材料の表面を調査し、処理幅の大きさ(mm)、処理表面の硬さ(Hv)を測定すると共に、処理後の金属材料より試験片を切り出し、顕微鏡観察によってナノ結晶組織層や、酸化層の厚さを調査した。さらに、表面ナノ層の成分をEPMA面分析により調査した。また、これらの結果を総合評価した。それらの結果を、上述の処理条件とともに、表1に示す。
【0079】
また、処理対象金属および添加した金属の成分組成を表2に示した。なお、表1中の「合金化指標」とは、合金化の効率を表すものであり、処理対象母材中の化学成分をA%,添加した成分をB%、形成された合金層中の化学成分をC%としたとき、合金化指標をX%とすると、Y=(A+B)/2、X=C/Y×100(%)とする。
【0080】
(比較例1)図1に示した基本構成の超音波衝撃処理機(基本機器)を用い、鋼板を処理した。なお、処理速度は、50cm/minとした。表面層にはナノ結晶層は、全く形成されなかった。
【0081】
(比較例2)比較例1と同様に、基本機器を用い、アルミ板を処理した。
【0082】
なお、処理速度は100cm/minとした。
【0083】
表面層にはナノ結晶層は、全く形成されなかった。
【0084】
(実施例1)図8に示すような回転手段を有する超音波衝撃処理装置を用い、20Hzの回転速度で本体(ヘッド)を回転させながら鋼板を処理した。ピンは3列が約20mmの間に並んでいるために、約20mmの幅で処理をなした。表面層にはナノ結晶層が形成された。しかし処理時間は、やや長く要した。
【0085】
(実施例2)図11に示すような超音波モーターを備えた超音波衝撃処理装置を用い、本体を振動数1kHz、振幅3μmで揺動させながら、鋼板を処理した。処理速度は50cm/minとした。(以下の実施例でも、鋼板の場合は、処理速度は50cm/minとした。)
表面層には45μmのナノ結晶層が形成され処理効率も良好であった。
【0086】
(実施例3)実施例2と同様に、揺動手段を設けた超音波衝撃処理装置により、アルミ板を処理した。処理速度は比較例と同様、100cm/minである。(以下の実施例でも、アルミ板の場合は、処理速度は100cm/minとした。)
表面層には35μm以上のナノ結晶層が形成され、処理効率も良好であった。
【0087】
(実施例4)実施例2と同様に揺動手段を設けた装置を用い、本体を振動数1kHz、振幅3μmで揺動させながら、鋼板を処理した。このときさらに、約1mm程度の幅で5cm/secの速さでウイービング(左右又は前後に振ること)させ処理した。表面層には41μmと厚いナノ結晶層が得られ、処理効率も良好であった。
【0088】
(実施例5)図2に示すような複数のトランスデューサーを備えた超音波衝撃処理装置を用いた。このときトランスデューサーは垂直方向の1台と、水平方向に2台の計3台を備えた装置を用いた。水平方向の2つのトランスデューサーの発振は、20kHz、振幅は2μmである。なお垂直方向のトランスデューサーは上記基本のものであり、27kHz、振幅20〜40μmである。これによって3方向の振動をピンに与えて、鋼板を処理した。表面層には50μmと厚いナノ結晶層が得られ、処理効率も良好であった。
【0089】
(実施例6)垂直方向1台、水平方向2台の合計3台のトランスデューサーを備えた実施例4と同様の超音波衝撃処理装置を用いた。このとき、しかしながら、水平方向の2台のトランスデューサーの位相は、互いに180度ずれたものとした。これによって3方向からの位相のずれた振動をピンに与えて、鋼板を処理した。表面層には52μmと厚いナノ結晶層が得られ、処理効率も良好であった。
【0090】
(実施例7)比較例1の基本機器を2台を、その中心軸が互いに45°をなすように配置した超音波衝撃処理装置を用いて、鋼板の同一の処理対象箇所を処理した。なお、ピンの干渉を避けるために、ピンは、基本のものより細い、3mm径のものを用いた。表面層には50μmと厚いナノ結晶層が得られたが処理幅が広く、処理効率は良好であった。
【0091】
(実施例8)図15に示すように複数の超音波衝撃処理機を平行に配置した超音波衝撃処理装置を用いた例である。この例では、5台の基本機器を配置した超音波衝撃処理装置を配置したものである。この場合、直径5mmのピンが約7mmの間隔で並んでいるため3mmほどの幅でウイービングしながら鋼板を処理した。
【0092】
表面層にはナノ結晶層が形成され、処理幅も大きくは、処理効率も良好であった。
【0093】
(実施例9)実施例8と同様に5台の超音波衝撃処理装置を平行に配置した超音波衝撃処理装置を用いたものであるが、この例では、揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を配置した。直径5mmのピンが約7mmの間隔で並んでいるため3mmほどの幅でウイービングしながら鋼板を処理した。
【0094】
表面層には40μmと厚いナノ結晶層が得られ、処理幅も大きく、効率は良好であった。
【0095】
(実施例10)図4に示したように、超音波衝撃処理装機のピンの先端形状を変えた例である。厚さ1.2mmの鋼板の端部を処理するために、ピンの先端形状を曲率半径が7mmの凹形状とした。
【0096】
このピンを、基本機器のヘッドに装着して鋼板の端部を処理した。端部の曲率が3mmとなり角が滑らかとなると共に、表面層にナノ結晶層を形成することができた。
【0097】
(実施例11)この実施例は、超音波衝撃処理機のピンの材質を変えて処理を行なった。ピンは、Ni−Cr合金のものであり、硬さは200HVである。このピンを図11に示したような揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置のヘッドに装着し、揺動させながら鋼板を処理した。
【0098】
表面層にはナノ結晶層が形成されるとともに、表面の硬さが向上した。これは、図5に示したように、ピンの成分が鋼板の表面層に移行し、Fe−Ni―Crの合金表面層が形成されたためである。
【0099】
(実施例12)この実施例は、超音波衝撃処理機のピンを、先端形状を図6に示すようにワイヤー状体にしたものを使用したものである。Ni−CrC合金の径が0.1mmのワイヤーを束ねたものをピンの先端に埋め込んでピンを形成し、これを、図8に示したような回転手段を備えた超音波衝撃処理装置のヘッドに装着し、ヘッドを回転させながら鋼板を処理し、細い線で回転しながら金属表面に衝撃を与えた。
【0100】
表面層にはナノ結晶層が形成されていると共に、表面の硬さが向上した。しかし、処理効率や合金化指標はやや低かった。
【0101】
(実施例13) この実施例は、超音波衝撃処理機のピンの先端部に、ワイヤー状体を束ねたものを先端部に供給しながら処理するものである。図7に示すように、Ni−Cr合金%の径が0.1mmのワイヤーを束ねたものを先端部を筒状としたピン側面に設けた開口部から先端部に供給するようにしたものである。このようにしたピンを、図11に示したような揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置のヘッドに装着し、ワイヤーを束ねたものを1分間に3mm程度を供給し、回転させながら鋼板を処理した。
【0102】
表面層にはナノ結晶層が形成されていると共に、表面の硬さが向上した。処理幅は広かったが、処理効率は低いものであった。
【0103】
(実施例14)この実施例は、図12に示したような金属粉を供給する手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものである。なお、この実施例では、金属粉供給手段のほか、揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を用い、金属粉供給管からNi−Cr合金粉を,10g/minで供給し、揺動させながら鋼板を処理した。
【0104】
表面層にはナノ結晶層が形成されていると共に、表面の硬さが向上した。処理効率も良好であった。
【0105】
(実施例15)この実施例は、図13に示したような加熱手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものである。なお、この実施例では、加熱手段のほか、揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を用い、電磁コイルで処理対象箇所の表面近傍のみを500℃に加熱し、揺動させながら処理を行なった。
【0106】
表面層には50μmと厚いナノ結晶層が形成されており、処理効率も良好であった。ただし、酸化層も厚いものが形成されていた。
【0107】
(実施例16)この実施例は、実施例15と同様に、加熱手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものである。なお、この実施例では、加熱手段、揺動手段のほかに、金属粉供給手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いた。電磁コイルで処理対象箇所の表面近傍のみを500℃に加熱するとともに、金属粉供給管からNi−Cr合金粉を,10g/minで供給し、揺動させながら鋼板を処理した。
【0108】
表面層には40μmと厚いナノ結晶層が形成されており、かつ硬さも向上していた。処理効率も良好であった。
【0109】
(実施例17)この実施例は、実施例15と同様に、加熱手段および揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものである。この実施例では、電磁コイルで処理対象箇所の表面近傍のみを500℃に加熱し、揺動させながら鋼板を処理し、処理する際は、電磁シールドは降下させた状態とし、ピンの過熱を抑制した。
【0110】
表面層には50μmと厚いナノ結晶層が形成されており、処理効率も良好であった。
【0111】
(実施例18)この実施例は、図12に示したようなシールドガス供給手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものである。なお、この実施例で、シールドガス供給手段のほかに、揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理した。シールドガスとしてCO2ガスを用い、20リットル/分を供給し、揺動させながら鋼板を処理した。
【0112】
表面層には41μmと厚いナノ結晶層が形成されており、酸化層の形成がなく処理効率も良好であった。
【0113】
(実施例19)この実施例は、実施例18と同様に、シールドガス供給手段、揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものであるが、この実施例では、この他に、金属粉供給手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いたものである。シールドガスとしてCO2ガスを用い、20リットル/分を供給すると共に、金属粉供給管からNi−Cr合金粉を,10g/minで供給し、揺動させながら鋼板を処理した。
【0114】
表面層には35μmと厚いナノ結晶層が形成されており、硬さが向上した。酸化層の形成がなく処理効率も良好であった。
【0115】
(実施例20)この実施例は、実施例18と同様に、シールドガス供給手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものである。なお、この実施例で、シールドガス供給手段のほかに、揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理した。シールドガスとしてCO2ガスを用い、20リットル/分を供給し、揺動させながらアルミ板を処理した。
【0116】
表面層には55μmと厚いナノ結晶層が形成されており、酸化層の形成がなく処理効率も良好であった。
【0117】
(実施例21)この実施例は、実施例19と同様に、シールドガス供給手段、揺動手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いて処理するものであるが、この実施例では、この他に、金属粉供給手段を備えた超音波衝撃処理装置を用いた門のである。シールドガスとしてCO2ガスを用い、20リットル/分を供給すると共に、金属粉供給管からアルミ合金粉を,10g/minで供給し、揺動させながらアルミ板を処理した。
【0118】
表面層には30μmと厚いナノ結晶層が形成されており、硬さが向上した。酸化層の形成がなく処理効率も良好であった。
【0119】
【表1】
【表2】
【0120】
【発明の効果】
本発明の超音波衝撃処理機および超音波衝撃処理装置によれば、(a)超音波衝撃処理を多軸的に施すことによってナノ結晶化を促進すること、(b)処理表面の温度制御を可能な構造とすることにより、超音波衝撃処理により得られる表層の諸特性を選択できるようにすること、(c)少なくとも処理表面の雰囲気を制御可能な構造とし、酸化物層の形成を抑制し、良好な金属表面状態とすると共に、さらには合金層の良好な形成を可能とすること、(d)処理対象物に対して金属成分を供給可能な構造とし、表層に元の母材と異なる成分構成の合金層の形成を可能とする、等の効果を得ることができ、ナノ結晶組織を有する共に、各種の特性を有する表面層を効率的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する超音波衝撃処理機(基本機器)の構成概要を示す断面図。
【図2】本発明の複数のトランスデューサーを備えた超音波衝撃処理機の構成を示す斜視図。
【図3】(a)本発明の複数のトランスデューサーを備えた超音波衝撃処理機のウエーブガイドへのトランスデューサーを配置を示した模式図。
(b)複数設けたトランスデューサーの位相がずれを説明する図。
【図4】本発明の超音波衝撃処理機のピンの先端形状の例を示した図であり、(a)は凸面形状、(b)は凹面形状を示す。
【図5】本発明の超音波衝撃処理機による表層の合金層の形成過程を示す模式。
【図6】本発明の超音波衝撃処理機のピンの先端の一例を示す概略図であり、(a)は、超音波衝撃処理機に組み込まれた状態、(b)は、先端をワイヤー状体で形成したピンを示す。
【図7】本発明の超音波衝撃処理機のピンの先端の他の例を示したものであり、(a)は、超音波衝撃処理機に組み込んだ状態を概略図、(b)は、ピンの構造を示す断面模式図である。
【図8】超音波衝撃処理機を回転可能とする超音波衝撃処理装置の概略図。
【図9】超音波衝撃処理機を処理方向に移動可能とした超音波衝撃処理装置を示す模式図であり、(a)は、側面図、図9(b)は平面図。
【図10】超音波衝撃処理機を回転/移動可能とした本発明の超音波衝撃処理処理装置の他の例を示した概略図。
【図11】図11揺動手段を備えた本発明の超音波衝撃処理装置を示す概略図。
【図12】金属粉を供給する手段およびシールドガス供給手段を備えた本発明の超音波衝撃処理装置を示す概略図。
【図13】加熱する手段を備えた本発明の超音波衝撃処理装置を示すであり、(a)は、一部断面を含む概略図、(b)は、そのA−A’視概略図である。
【図14】超音波衝撃処理機あるいは超音波衝撃処理装置を複数配置した本発明の超音波衝撃処理装置の構成を示す概略図であり(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【図15】超音波衝撃処理機或いは超音波衝撃処理装置を複数配置した本発明の超音波衝撃処理装置の他の例の構成を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【図16】図16 超音波衝撃処理装機或いは超音波衝撃処理装置を、ロボットアームに搭載した本発明の超音波衝撃処理装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…超音波衝撃処理機
2、2’2”…トランスデューサー
3…ウエーブガイド
4…ヘッド
5…孔
6…ピン
8…空間
9…ホルダー
10…環状の金具
11…カバー
12…多孔体
13…開口部
14…処理対象
15…ワイヤー状体
16…ワイヤー供給装置
17…ピンの開口部
18…ケーシング
19…ベアリング
20…回転駆動装置
21…ガイドレール
22…動力シャフト
22a…ナット
23…架台
24…固定手段
25…フレーム
26…把持用ハンドル
27…揺動手段(超音波モーター)
28…金属粉供給管
29…支持部
30…ベアリング
31…シールドガス供給管
32…支持体
33…加熱手段(電磁コイル)
34…電磁シールド材
35…固定部
36、36’、36”…支持体
37、37’、37”…固定部材
38…継手
39…ロボットアーム
40…ロボット制御装置
41…歯車[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides an ultrasonic impact processor for impacting a surface of a metal material by hitting an object operated by ultrasonic waves, thereby improving the shape and characteristics of the surface of the metal material, and an ultrasonic impact process incorporating the ultrasonic impact processor. More particularly, the present invention relates to an apparatus and an apparatus that can efficiently perform nanocrystal structuring by ultrasonic impact treatment.
[0002]
[Prior art]
The crystal structure of the surface layer of the metal material is nanometer (nm, 10-9m) is an appropriate size to use as a unit, for example, a so-called miniaturized to 100 nm or lessNanoIt is known that by obtaining a crystal structure, it is possible to obtain excellent properties such as ultra-high strength that have not been obtained in the past.
[0003]
Various methods for obtaining a metal material having this nanocrystalline structure have been reported (for example, see Non-Patent Document 1). For example, there is a method in which a metal material is once brought into an amorphous state and then subjected to low-temperature heat treatment. In addition, for the amorphous state, the metal material is rapidly quenched or sputtered.Film formationHowever, in this case, a widely-shaped shaped body or structureobtainThere are limitations. In addition, it is possible to obtain a metal powder having a nanocrystalline structure by processing a metal material powder with a ball mill or the like, making the material amorphous by subjecting the material surface to strong processing, and then heat-treating the material. it can. The metal powder can be pressure-molded at a high temperature, or further subjected to treatment such as welding to form a structure.
[0004]
However, the nanocrystal structure disappears through this high-temperature process, and it is difficult to obtain a molded body or a structure using the characteristics of the nanocrystal structure.
[0005]
By the way, it is known that by subjecting the surface of the material to ultrasonic impact treatment, the surface is plastically deformed, the surface crystal structure is improved, or the residual stress is released. It has been proposed to perform ultrasonic impact treatment to release the residual stress in the welded portion and reduce minute defects such as voids and abnormal grain boundaries (see, for example,
[0006]
[Patent Document 1]
US Pat. No. 6,338,765.
[0007]
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-296461.
[0008]
[Patent Document 3]
US Patent Application Publication No. 2002/001400.
[0009]
[Non-Patent Document 1]
Surface nanocrystallization (SNC) of the Metallic Materials-Presentation of the Concept behind a New Approach, Materials Science (Mater. Sci. Technol. ), Vol. 15, No. 3, 1999
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the problems in obtaining a molded body or structure having a nanocrystal structure as described above, the inventors have a greater degree of freedom in forming a nanocrystal structure for a molded body or structure of a metal material. As a result of studying the enabling conditions and a new method that enables this, the surface layer is strengthened by controlling the vibration properties of the surface layer of the metal material by performing cold processing such as shot peening, and at the same time, We have developed that nanocrystals can be deposited on the surface layer by controlling the atmosphere and temperature of the metal material. As a means for this, it has been found that ultrasonic impact treatment is appropriate.
[0011]
As described above, the conventional ultrasonic impact processing equipment is relatively small and can be processed manually, and there is an advantage that only a required part can be processed. However, the processing range is narrow and wide. Is not suitable for efficiently treating In addition, conventional ultrasonic impact treatment equipment mainly aims to improve the fatigue strength and static strength by changing the surface shape and residual stress, and the surface layer of the material is made into a nanocrystalline structure. At the same time, in order to further improve the material and obtain excellent characteristics, it is necessary to study the equipment used for ultrasonic impact treatment.
[0012]
The present invention provides an ultrasonic impact processor and apparatus for obtaining a surface layer having a nanocrystalline structure and various properties, and for efficiently obtaining these surface layers. here,DressThe device means a combination of this ultrasonic impact treatment machine and a combination with other devices and means.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made to solve the above problems,
(A) Promoting nanocrystallization by applying ultrasonic shock treatment in a multiaxial manner, (b) By making the temperature control of the treatment surface possible, the object of treatment obtained by ultrasonic shock treatment It is possible to select various characteristics, and (c) at least the atmosphere of the treated surface can be controlled, the formation of an oxide layer is suppressed, a good metal surface state is obtained, and the formation of an alloy layer is further achieved. It aims to be possible, and (d) to be able to supply a metal component to the object to be processed and to be able to form an alloy layer containing a component that the original metal to be processed does not have on the surface layer. . The gist is as follows.
(1) A transducer that generates an ultrasonic wave, a wave guide that is attached to the front of the oscillation direction from the transducer, and that guides the ultrasonic wave forward, and is attached to a tip of the wave guide. An ultrasonic shock processing machine comprising a head having a vibrating pin and a holder for holding the pin, wherein a plurality of transducers are connected to the wave guide, and the plurality of transducers are super An ultrasonic impact treatment machine characterized in that either or both of a phase of a sound wave and a load axis are different.
(2) An ultrasonic impact treatment apparatus comprising the ultrasonic impact treatment apparatus according to (1).
(3) A transducer that generates ultrasonic waves, a wave guide that is attached to the front of the oscillation direction from the transducer, guides the ultrasonic waves forward, and is attached to the tip of the wave guide. An ultrasonic processing apparatus having an ultrasonic impact processing machine comprising a head provided with a vibrating pin and a holder for holding the pin,
Means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, means for moving the ultrasonic shock processor, and at least a head of the ultrasonic shock processor. Means for swinging, means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, means for swinging at least the head, means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, and moving this An ultrasonic shock treatment apparatus comprising: a means for causing the head to swing at least.
(4) A transducer that generates ultrasonic waves, a wave guide that is attached to the front of the oscillation direction from the transducer, and that guides the ultrasonic waves to the front, and is attached to the tip of the wave guide. An ultrasonic processing apparatus having an ultrasonic shock processor comprising a vibrating pin and a head having a holder for holding the pin, wherein a plurality of the ultrasonic shock processors are arranged. Ultrasonic impact treatment device.
(5) The ultrasonic impact processing apparatus according to (4), wherein the plurality of ultrasonic impact processors have different central axis directions and intensively process substantially the same place.
(6) The ultrasonic impact processing apparatus according to (4), wherein the plurality of ultrasonic impact processors are arranged so that the central axis directions thereof are parallel to each other.
(7) The above-mentioned (4), wherein any one of the phase of ultrasonic vibration oscillated by the transducer, the shape of the pin, and the property of the wave guide is different from that of the other ultrasonic processing machines. The ultrasonic impact treatment apparatus according to any one of (6) to (6).
(8) The ultrasonic impact processor is any one of a means for supplying metal powder to at least a processing target location, a heating means for heating at least the processing target location, a means for supplying a shielding gas to at least the processing target location, or The ultrasonic impact treatment apparatus according to any one of (2) to (7), wherein two or more of these are provided.
(9) In the ultrasonic impact processing apparatus according to (8), in which the heating means for heating at least the processing target portion is provided, the heating means is an electromagnetic induction heating means, and an electromagnetic shield An ultrasonic impact treatment apparatus comprising:
(10) An ultrasonic impact processing apparatus, wherein the ultrasonic impact processing apparatus according to any one of (2) to (9) is attached to a robot arm.
(11) The ultrasonic impact treatment according to any one of (2) to (10), wherein a tip shape of a pin of the head of the ultrasonic impact treatment machine has a convex or concave curved surface. apparatus.
(12) The pin of the head of the ultrasonic impact processor is controlled in hardness and chemical composition in accordance with the hardness of the object to be processed and / or the purpose of forming an alloy on the surface. The ultrasonic impact processing apparatus according to any one of 2) to (11).
(13) The ultrasonic impact according to any one of (2) to (12), wherein a tip portion of a pin of the head of the ultrasonic impact processor is formed of a number of wire-like bodies. Processing machine.
(14) A cylindrical part is formed from the middle of the length direction of the pin of the head of the ultrasonic impact processor to the tip, and a wire-like body is supplied from the cylindrical part to the tip. The ultrasonic impact treatment machine according to any one of (2) to (12).
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As described above, the ultrasonic impact machine and the ultrasonic impact apparatus of the present invention enable the following (a) to (d) and efficiently process a wide area. (A) It is difficult to obtain a nanocrystal structure by accelerating nanocrystallization by applying ultrasonic impact treatment in a multiaxial manner, that is, by processing in a uniaxial direction. is necessary. (B) To make it possible to select various characteristics of the surface layer obtained by ultrasonic impact treatment by adopting a configuration capable of controlling the temperature of the treated surface, that is, in the treatment at high temperature, the deformation is large but the residual stress On the contrary, in the treatment at low temperature, the deformation is small but the residual stress is large. For this reason, the processing range in the depth direction is widened at high temperatures, and narrowed at low temperatures. However, if the temperature is too high, the metal grains refined by strong processing may grow again and become larger. Therefore, since the degree of nanocrystallization and the situation of the structure around the nanocrystal structure change, conditions can be selected according to the requirements of characteristics. (C) At least the atmosphere on the treated surface can be controlled to suppress the formation of an oxide layer, to provide a good metal surface state, and further to allow the formation of an alloy layer, When the atmosphere is an oxidizing atmosphere, even if the nanocrystal layer is formed, the oxide layer is formed at the same time, so that the treatment effect is lowered. Moreover, the oxide produced | generated on the surface of the material during a process is caught in a surface layer part, and it will not only cause a surface defect but will also impair corrosion resistance. Furthermore, if an oxide is present at the interface between the alloy layer and the base material portion of the processing portion, the processing result may be inferior in integrity and adhesion. By enabling atmosphere control, it is possible not only to avoid such deterioration of the surface material, but also to positively improve the characteristics by infiltrating the surface layer with nitrogen by setting the atmosphere to a specific atmosphere, for example, nitrogen atmosphere. It is also possible to perform typical processing. (D) A structure in which an alloy component can be supplied to an object to be processed, and an alloy layer can be formed on the surface layer, that is, a powder of a metal material is supplied to a processing portion simultaneously with ultrasonic impact treatment, or By making the pin itself a specific metal material, it is possible to supply the surface of the object to be treated with metal powder or a small piece of the pin at the same time as giving an impact, and to make the surface layer a desired alloy layer. As a result, an alloy layer having a component structure different from that of the original base material to be processed is formed on the surface of the nanolayer formed on the surface. It is also possible to impart new functions to the material surface, such as improving the corrosion resistance.
[0015]
The present invention will be described below with reference to the drawings of the embodiments.
[0016]
FIG. 1 is a sectional view showing an outline of an ultrasonic impact treatment machine used in the present invention.
[0017]
In FIG. 1, an ultrasonic
[0018]
The
[0019]
A
[0020]
The
[0021]
The number of pins of the head may be one, but two or more pins can be arranged in one or a plurality of rows.
[0022]
When the
[0023]
In general, processing is performed with an amplitude of 20 to 60 μm, a frequency of 15 kHz to 60 kHz, and an output of 0.2 to 1 kW.
[0024]
FIG. 2 shows a perspective view of an embodiment of the ultrasonic shock treatment machine of the present invention.
[0025]
In FIG. 2, a plurality of
[0026]
FIG. 3 (a) schematically shows a situation in which three transducers are arranged in the wave guide. Furthermore, as shown in FIG. 3 (b), in particular, those frequencies are the same. In some cases, it is also preferable to arrange the plurality of transducers so that the phases are shifted. Further, the ultrasonic frequency may be shifted for each transducer.
[0027]
As a result, stress can be applied to the processing surface with a plurality of load axes, and crystal grains can be refined. In addition, since the stress cycles of the plurality of load shafts are all the same, or the directions of the shafts can be separated by completely shifting the angle, the effect of crystal grain refinement is further improved.
[0028]
FIG. 4 shows the tip shape of a pin in the ultrasonic impact treatment machine of the present invention. In FIG. 4, the tip shape of the
[0029]
The material of the pin is adjusted in hardness and composition according to the properties of the object to be treated and the purpose of the treatment. For example, when processing a metal material having a high hardness, a pin made of a material having a high hardness is preferable. When processing a material having a low hardness, a pin made of a material having a low hardness can be used. thisTheThis is because high hardness materials are generally expensive.
[0030]
Further, when the metal material to be processed and the tip of the pin come into contact with each other in the ultrasonic impact treatment, a part of the pin is peeled off and worn. The material of the peeled pin is pressure-bonded to the surface of the object to be processed. Moreover, if conditions are uniform, the metal material and alloy layer of a target object will be formed. FIG. 5 is a schematic diagram illustrating this process. That is, by this, a surface layer different from the material of the object can be formed, and for example, corrosion resistance and wear resistance can be imparted to or improved on the object. In other words, in the case of the purpose of forming an alloy in this way, rather than using a softer pin, the alloy component is supplied by wear of the pin.Can also. Therefore, the material, hardness, and composition of the pin are adjusted from this point of view, and are replaced as necessary.
[0031]
Next, FIGS. 6A and 6B show the tips of the pins used in the ultrasonic impact processor of the present invention. FIG. 6A shows the ultrasonic impact processor. FIG. 6B is a schematic view showing a state of the
[0032]
The material of the wire-like body may be the same as the material of the pin, but as described above, a material that forms an alloy with the metal material of the object to be processed may be selected. By configuring the tip with such a wire-like body, a weak impact treatment can be performed over a wide area, and it can be used as an alternative to a shot blast treatment. In addition, the contact area is widened, and the wire is more easily worn out. As a result, the alloy component is easily supplied to the surface layer, which is suitable for forming the alloy layer.
[0033]
If the wire is worn, it must be replaced with the pin. For this reason, in the ultrasonic impact treatment machine of the present invention, when continuously used, it is preferable to supply the wire to the tip of the pin. FIG. 7A is a schematic view showing a state where the ultrasonic shock processor is incorporated, and FIG. 7B is a schematic cross-sectional view showing a preferred pin structure for that purpose. An
[0034]
As described above, the ultrasonic
[0035]
Next, a conventional ultrasonic processing apparatus or an apparatus of the present invention for more efficiently using the above-described ultrasonic impact processing apparatus of the present invention will be described. In the following description, the main body means an ultrasonic impact processor including the conventional and the ultrasonic impact processors of the present invention unless otherwise specified.
[0036]
The ultrasonic impact processing apparatus of the present invention includes an ultrasonic impact processing machine and means for rotating and / or moving the ultrasonic impact processing machine around its axis. The object to be treated is subjected to ultrasonic impact treatment while rotating and / or moving the head of the ultrasonic impact treatment machine.
[0037]
FIG. 8 is a schematic view showing the ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention in which the ultrasonic impact treatment machine is rotatable and rotatable around its axis and is movable.
[0038]
In FIG. 8, the ultrasonic impact treatment machine 1 (main body 1) is rotatably housed and held in a
[0039]
When the drive device rotates, the
[0040]
FIG. 9 is a schematic view showing an ultrasonic shock treatment apparatus in which the ultrasonic shock treatment machine can be moved in the direction of treatment of an object. FIG. 9 (a) is a side view, and FIG. 9 (b) is a plan view. FIG. This ultrasonic impact processing apparatus is composed of an ultrasonic
[0041]
FIG. 10 is a schematic view showing another example of the ultrasonic impact treatment apparatus according to the present invention which can be rotated / moved according to the present invention. As in FIG. 8, the
[0042]
The ultrasonic impact processing apparatus of the present invention is characterized by comprising an ultrasonic impact processing machine and means for swinging at least a head of the ultrasonic impact processing machine. FIG. 11 is a schematic view showing an ultrasonic impact treatment apparatus having the swinging means of the present invention. It is rotatably supported by the
[0043]
As the oscillating device, for example, an ultrasonic motor can be used. As a result, the
[0044]
Needless to say, the ultrasonic impact processing apparatus of the present invention may be an appropriate combination of the ultrasonic impact processing machine with the rotating means, moving means, and swinging means described above.
[0045]
Moreover, the ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention is characterized by comprising an ultrasonic impact treatment equipment and means for supplying metal powder to a place to be treated. FIG. 12 is a schematic view showing an ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention provided with means for supplying metal powder. FIG. 12 shows an example in which a shield gas supply means described later is also provided.
[0046]
As shown in FIG. 8, the ultrasonic impact treatment equipment is rotatably stored and held in the
[0047]
In addition, it is good also as a structure which arrange | positions in a distant position and connects with a main body via a flame | frame etc., without attaching a metal powder supply pipe | tube to a main body.
[0048]
By using this apparatus, it is possible to supply metal powder for forming an alloy to a treatment target location in ultrasonic impact treatment, forming an alloy surface layer having a composition different from that of the metal material (base material) to be treated, The material properties of the base material surface can be improved according to the purpose.
[0049]
In this case, since it is not necessary to expect the supply of the metal component from the pin, the pin hardness can be set high to reduce pin wear. Also, unlike the case of forming an alloy layer on the surface layer by selecting the material of the pin, the metal for the alloy can be freely selected, so the degree of freedom in adjusting the composition of the surface layer is increased. improves.
[0050]
Moreover, the ultrasonic impact processing apparatus of the present invention includes an ultrasonic impact processing equipment and means for supplying a shielding gas to a processing target location. FIG. 12 is a schematic view showing an ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention provided with means for supplying a shielding gas.
[0051]
As shown in FIG. 8, the ultrasonic impact treatment equipment is rotatably stored and held in the
[0052]
In addition, it is good also as a structure which arrange | positions in the distant position and the front of the process movement direction to a process target object, and connects with a main body via a flame | frame etc., without attaching a shield gas supply pipe to a main body.
[0053]
By using this apparatus, it is possible to adjust the atmosphere of the processing target location in the ultrasonic impact treatment, so that the temperature rise of the processing target location accompanying the processing, or the metal oxide generated with the heat treatment as described later Generation | occurrence | production can be suppressed, the purity of a surface modification layer improves, and the thickness of a surface modification layer can be made thick substantially.
[0054]
Moreover, the ultrasonic impact processing apparatus of the present invention can be provided with an ultrasonic impact processing equipment and means for heating a processing target portion. FIG. 13 shows an ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention provided with means for heating a processing target portion, (a) is a schematic view including a partial cross section, and (b) is a schematic view taken along line AA ′. FIG.
[0055]
As shown in FIG. 8, the ultrasonic impact treatment equipment is rotatably stored and held in the
[0056]
Moreover, it is preferable to support the
[0057]
It should be noted that a heat source such as a heating device or welding is not attached to the main body, and is arranged at a position slightly away from the main body, in front of the processing movement direction to the processing object, and is connected to the main body via a frame or the like. It is good also as a structure.
[0058]
As described above, when the processing using the apparatus of the present invention is performed, the processing portion can be heated prior to or simultaneously with the ultrasonic impact treatment, so that the processing temperature of the processing portion can be appropriately selected, and surface hardening, fine structure can be performed. Each effect can be selectively and efficiently improved, for example, the application of residual stress.
[0059]
In the ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention, the example in which the above-described metal powder supply means, shield gas supply means, and heating means are provided individually has been described, but a combination of these means is used in an ultrasonic impact treatment machine. You may make it prepare.
[0060]
That is, an apparatus provided with an ultrasonic impact treatment machine comprising a metal powder supply means and a shield gas supply means, a heating means and a metal powder supply means, a shield gas supply means and a heating means, a metal powder supply means, a shield gas supply means and a heating means It can be. Further, the above-described means may be an apparatus having a structure in which the above-described means are arranged and connected at a position away from the ultrasonic shock treatment machine. As described above, the apparatus of the present invention has a nanocrystal structure on the surface layer of the metal material to be processed, and forms various alloy layers, a fine structure, improves the shape, The stress state can be improved. As a result, it is possible to improve a wide range of characteristics such as improving wear resistance, corrosion resistance, fatigue characteristics, and the like.
[0061]
Furthermore, the ultrasonic impact processing apparatus of the present invention is characterized in that a plurality of ultrasonic impact processing machines or ultrasonic impact processing apparatuses are arranged.
[0062]
14A and 14B show the configuration of an ultrasonic impact processing apparatus or an ultrasonic impact processing apparatus in which a plurality of ultrasonic impact processing apparatuses of the present invention are arranged. FIG. 14A is a front view, FIG. 14B is a top view, and FIG. It is the schematic of a side surface.
[0063]
A
[0064]
In addition, it is also preferable that one or both of the fixing
[0065]
Furthermore, it is also preferable that the fixing
[0066]
In addition, a
[0067]
Further, another example of the apparatus of the present invention in which a plurality of ultrasonic shock treatment machines or the ultrasonic shock treatment apparatus of the present invention is arranged includes a plurality of ultrasonic shock treatment machines or the ultrasonic shock treatment of the present invention. This is an ultrasonic impact processing apparatus having a configuration in which the apparatus is arranged so that its axes are parallel to the processing direction of the processing object. 15A to 15C, the three
[0068]
As described above, when a plurality of ultrasonic impact processors are fixed to the
[0069]
Use a device in which multiple ultrasonic shock treatment machines are arranged with the angle of the central axis, or even different operating conditions of ultrasonic shock treatment machines, such as transducer phase, pin shape, wave guide properties, etc. By carrying out the processing by setting the processing target position at the position where the central axes intersect as conditions, stress can be applied to the processing surface with a plurality of load shafts, and the crystal grains can be refined. In addition, since the stress cycles of the plurality of axes are almost the same, or the directions of the axes can be separated by completely shifting the angles, the effect of crystal grain refinement is further improved.
[0070]
In addition, using a device in which a plurality of ultrasonic impact processors are arranged so that the central axis is parallel, or further operating conditions of the ultrasonic impact processor, such as transducer phase, pin shape, wave guide properties, etc. By performing the processing under different conditions, it is possible to process a large area without using a large output, or to ensure planar uniformity as compared with the case of using a device with a large output. In addition, processes with different processing conditions can be simultaneously performed as necessary.
[0071]
The ultrasonic impact processing apparatus including the plurality of ultrasonic impact processing apparatuses is configured using the ultrasonic impact processing apparatus and the ultrasonic impact processing apparatus of the present invention described so far, in addition to the conventional ultrasonic impact processing apparatus. It goes without saying that you can do it. For example, it is also preferable that the ultrasonic shock processing machine is provided with a plurality of transducers, or the tip of the pin is a wire-like body. It is preferable that a plurality of sonic impact treatment apparatuses are selectively arranged according to processing needs, for example. Moreover, it is also possible to arrange a plurality of ultrasonic impact treatment machines or ultrasonic impact treatment apparatuses in combination with different functions. By arranging a plurality of ultrasonic impact treatment machines and ultrasonic impact treatment apparatuses, the above-described effect can be further widened.
[0072]
The ultrasonic impact processing apparatus of the present invention is an ultrasonic impact processing apparatus in which an ultrasonic impact processing equipment or an ultrasonic impact processing apparatus is mounted on a robot arm. FIG. 16 is a schematic diagram showing an ultrasonic impact processing apparatus in which an ultrasonic impact processing equipment or an ultrasonic impact processing apparatus is mounted on a robot arm.
[0073]
The
[0074]
Ultrasonic impact treatment can be automated and surface modification can be performed very efficiently.
[0075]
【Example】
The ultrasonic impact treatment equipment of the present invention or the ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention will be specifically described by way of examples.
[0076]
The basic configuration of the ultrasonic shock treatment machine (basic equipment) is as shown in FIG. 1 and includes a metal transducer with 27 kHz and output of 600 W, and generates vertical vibration with an amplitude of 20 to 40 μm at the pin. Let The pins have a hardness of Hv800, and three pins are arranged between 20 mm. Using this ultrasonic impact treatment machine as a basic device, the metal material was processed using the device or each device of the present invention and changing the configuration, processing conditions, and the like.
[0077]
A plate of 1.2 mm (thickness) × 1 m (width) × L (length) was used as the metal material.
[0078]
Investigate the surface of the metal material after the treatment, measure the size of the treatment width (mm) and the hardness (Hv) of the treatment surface, cut out a test piece from the metal material after the treatment, and observe the nanocrystal structure by microscopic observation The thickness of the layer and the oxide layer was investigated. Furthermore, the components of the surface nanolayer were investigated by EPMA surface analysis. These results were comprehensively evaluated. The results are shown in Table 1 together with the above processing conditions.
[0079]
Table 2 shows the component composition of the metal to be treated and the added metal. The “alloying index” in Table 1 represents the efficiency of alloying. The chemical component in the base material to be treated is A%, the added component is B%, and the formed alloy layer is in the alloy layer. When the chemical component is C% and the alloying index is X%, Y = (A + B) / 2 and X = C / Y × 100 (%).
[0080]
(Comparative example 1) The steel plate was processed using the ultrasonic impact processing machine (basic equipment) having the basic configuration shown in FIG. The processing speed was 50 cm / min. No nanocrystal layer was formed on the surface layer.
[0081]
(Comparative Example 2) Similar to Comparative Example 1, an aluminum plate was processed using basic equipment.
[0082]
The processing speed was 100 cm / min.
[0083]
No nanocrystal layer was formed on the surface layer.
[0084]
(Example 1) An ultrasonic impact treatment apparatus having a rotating means as shown in FIG. 8 was used to treat a steel sheet while rotating the main body (head) at a rotation speed of 20 Hz. Since the pins were arranged in a row of about 20 mm, the pins were processed with a width of about 20 mm. A nanocrystal layer was formed on the surface layer. However, the processing time took a little longer.
[0085]
(Example 2) Using an ultrasonic impact treatment apparatus equipped with an ultrasonic motor as shown in FIG. 11, the steel sheet was treated while the main body was swung at a frequency of 1 kHz and an amplitude of 3 μm. The processing speed was 50 cm / min. (Even in the following examples, in the case of a steel plate, the processing speed was 50 cm / min.)
A 45 μm nanocrystal layer was formed on the surface layer, and the processing efficiency was good.
[0086]
(Example 3) In the same manner as in Example 2, an aluminum plate was processed by an ultrasonic impact treatment apparatus provided with a swinging means. The processing speed is 100 cm / min as in the comparative example. (Even in the following examples, in the case of an aluminum plate, the processing speed was set to 100 cm / min.)
A nanocrystal layer of 35 μm or more was formed on the surface layer, and the processing efficiency was good.
[0087]
(Embodiment 4) Using a device provided with rocking means in the same manner as in
[0088]
Example 5 An ultrasonic impact treatment apparatus having a plurality of transducers as shown in FIG. 2 was used. At this time, a device having a total of three transducers, one in the vertical direction and two in the horizontal direction, was used. The oscillations of the two transducers in the horizontal direction are 20 kHz and the amplitude is 2 μm. The vertical transducer is the above basic one, and has a frequency of 27 kHz and an amplitude of 20 to 40 μm. This gave the pins vibrations in three directions to treat the steel plate. A thick nanocrystal layer of 50 μm was obtained on the surface layer, and the processing efficiency was good.
[0089]
(Example 6) The same ultrasonic impact treatment apparatus as in Example 4 provided with a total of three transducers, one in the vertical direction and two in the horizontal direction, was used. At this time, however, the phases of the two transducers in the horizontal direction were shifted by 180 degrees from each other. This gave the pins vibrations that were out of phase from the three directions and processed the steel sheet. A thick nanocrystal layer of 52 μm was obtained on the surface layer, and the processing efficiency was also good.
[0090]
(Example 7) The same processing target portion of the steel sheet was processed using an ultrasonic impact processing apparatus in which two basic devices of Comparative Example 1 were arranged so that their central axes formed 45 ° with each other. In order to avoid pin interference, a pin with a diameter of 3 mm, which is thinner than the basic one, was used. A thick nanocrystal layer of 50 μm was obtained on the surface layer, but the treatment width was wide and the treatment efficiency was good.
[0091]
(Embodiment 8) This is an example using an ultrasonic shock treatment apparatus in which a plurality of ultrasonic shock treatment machines are arranged in parallel as shown in FIG. In this example, an ultrasonic shock treatment apparatus having five basic devices is arranged. In this case, since the pins having a diameter of 5 mm are arranged at intervals of about 7 mm, the steel plate was processed while weaving with a width of about 3 mm.
[0092]
A nanocrystal layer was formed on the surface layer, the treatment width was large, and the treatment efficiency was good.
[0093]
(Embodiment 9) As in
[0094]
As the surface layer, a thick nanocrystal layer of 40 μm was obtained, the treatment width was large, and the efficiency was good.
[0095]
(Embodiment 10) This is an example in which the tip shape of the pin of the ultrasonic impact treatment equipment is changed as shown in FIG. In order to process the end of a steel sheet having a thickness of 1.2 mm, the tip shape of the pin was a concave shape with a radius of curvature of 7 mm.
[0096]
This pin was attached to the head of the basic equipment to treat the end of the steel plate. The edge curvature was 3 mm and the corners were smooth, and a nanocrystal layer could be formed on the surface layer.
[0097]
(Example 11) In this example, the material of the pins of the ultrasonic impact treatment machine was changed to perform the treatment. The pin is made of a Ni—Cr alloy and has a hardness of 200 HV. This pin was attached to the head of an ultrasonic impact treatment apparatus having a swinging means as shown in FIG. 11, and the steel sheet was processed while swinging.
[0098]
A nanocrystal layer was formed on the surface layer, and the surface hardness was improved. This is because, as shown in FIG. 5, the component of the pin is transferred to the surface layer of the steel plate, and the alloy surface layer of Fe—Ni—Cr is formed.
[0099]
(Embodiment 12) In this embodiment, a pin of an ultrasonic impact treatment machine having a wire-like body as shown in FIG. 6 is used. A head of an ultrasonic impact treatment apparatus provided with a rotating means as shown in FIG. 8 is formed by embedding a bundle of Ni-CrC alloy wires having a diameter of 0.1 mm at the tip of the pin. The steel plate was processed while rotating the head, and the metal surface was impacted while rotating with a thin wire.
[0100]
A nanocrystal layer was formed on the surface layer, and the surface hardness was improved. However, the processing efficiency and the alloying index were slightly low.
[0101]
(Embodiment 13) In this embodiment, processing is performed while a wire bundle is bundled at the tip of a pin of an ultrasonic impact processor and supplied to the tip. As shown in FIG. 7, a bundle of Ni-Cr alloy% wire with a diameter of 0.1 mm is supplied to the tip portion from the opening provided on the side surface of the pin having the tip portion in a cylindrical shape. is there. A pin made in this manner is attached to the head of an ultrasonic impact processing apparatus having a swinging means as shown in FIG. 11, and a wire bundle is fed about 3 mm per minute and rotated while rotating. Processed.
[0102]
A nanocrystal layer was formed on the surface layer, and the surface hardness was improved. The processing width was wide but the processing efficiency was low.
[0103]
(Embodiment 14) In this embodiment, processing is performed using an ultrasonic impact treatment apparatus having means for supplying metal powder as shown in FIG. In this embodiment, in addition to the metal powder supply means, an ultrasonic impact treatment apparatus equipped with rocking means is used, and Ni-Cr alloy powder is supplied at 10 g / min from the metal powder supply pipe and rocked. The steel plate was processed while.
[0104]
A nanocrystal layer was formed on the surface layer, and the surface hardness was improved. The processing efficiency was also good.
[0105]
(Embodiment 15) In this embodiment, processing is performed using an ultrasonic impact treatment apparatus provided with a heating means as shown in FIG. In this embodiment, in addition to the heating means, an ultrasonic impact treatment apparatus provided with a rocking means is used, and only the vicinity of the surface of the processing target portion is heated to 500 ° C. by the electromagnetic coil, and the treatment is performed while rocking. It was.
[0106]
A thick nanocrystal layer of 50 μm was formed on the surface layer, and the processing efficiency was also good. However, a thick oxide layer was formed.
[0107]
(Embodiment 16) In this embodiment, processing is performed using an ultrasonic impact treatment apparatus equipped with heating means, as in the
[0108]
A thick nanocrystal layer of 40 μm was formed on the surface layer, and the hardness was improved. The processing efficiency was also good.
[0109]
(Embodiment 17) In this embodiment, processing is performed using an ultrasonic impact treatment apparatus having a heating means and a swinging means, as in the
[0110]
A thick nanocrystal layer of 50 μm was formed on the surface layer, and the processing efficiency was also good.
[0111]
(Embodiment 18) In this embodiment, processing is performed using an ultrasonic impact treatment apparatus having a shield gas supply means as shown in FIG. In this embodiment, in addition to the shield gas supply means, the treatment was performed using an ultrasonic impact treatment apparatus provided with a rocking means. CO as shielding gas2The steel sheet was processed using gas while supplying 20 liters / minute and rocking.
[0112]
A thick nanocrystal layer of 41 μm was formed on the surface layer, no oxide layer was formed, and the processing efficiency was good.
[0113]
(Embodiment 19) In this embodiment, as in the
[0114]
A thick nanocrystal layer of 35 μm was formed on the surface layer, and the hardness was improved. There was no formation of an oxide layer, and the processing efficiency was good.
[0115]
(Embodiment 20) In this embodiment, similarly to the
[0116]
A thick nanocrystal layer of 55 μm was formed on the surface layer, and no oxide layer was formed, and the processing efficiency was good.
[0117]
(Embodiment 21) In this embodiment, similarly to the
[0118]
A thick nanocrystal layer of 30 μm was formed on the surface layer, and the hardness was improved. There was no formation of an oxide layer, and the processing efficiency was good.
[0119]
[Table 1]
[Table 2]
[0120]
【The invention's effect】
According to the ultrasonic impact treatment machine and the ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention, (a) promoting nanocrystallization by applying ultrasonic impact treatment in a multiaxial manner, and (b) controlling the temperature of the treated surface. By making the structure possible, various characteristics of the surface layer obtained by ultrasonic impact treatment can be selected. (C) At least the atmosphere on the treated surface can be controlled to suppress the formation of an oxide layer. , A good metal surface state, and further possible formation of an alloy layer, (d) a structure capable of supplying metal components to the object to be treated, and the surface layer is different from the original base material Enables the formation of alloy layers of component composition, etc.obtainIt is possible to efficiently obtain a surface layer having various characteristics while having a nanocrystalline structure.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an outline of the configuration of an ultrasonic impact treatment machine (basic equipment) used in the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing a configuration of an ultrasonic shock treatment machine including a plurality of transducers according to the present invention.
FIG. 3A is a schematic diagram showing the arrangement of transducers on a wave guide of an ultrasonic impact treatment machine including a plurality of transducers according to the present invention.
(B) The figure explaining the phase shift of a plurality of transducers provided.
FIGS. 4A and 4B are diagrams showing an example of a tip shape of a pin of the ultrasonic shock treatment machine according to the present invention, in which FIG. 4A shows a convex shape, and FIG. 4B shows a concave shape.
FIG. 5 is a schematic view showing the formation process of the surface alloy layer by the ultrasonic impact treatment machine of the present invention.
6A and 6B are schematic views showing an example of the tip of a pin of the ultrasonic shock processor of the present invention, in which FIG. 6A is a state where it is incorporated in the ultrasonic shock processor, and FIG. The pin formed by the body is shown.
FIG. 7 shows another example of the tip of the pin of the ultrasonic shock treatment machine according to the present invention, in which (a) is a schematic view showing a state of being incorporated in the ultrasonic shock treatment machine, and (b) It is a cross-sectional schematic diagram which shows the structure of a pin.
FIG. 8 is a schematic view of an ultrasonic impact treatment apparatus that enables an ultrasonic impact treatment machine to rotate.
FIGS. 9A and 9B are schematic views showing an ultrasonic impact treatment apparatus in which an ultrasonic impact treatment machine can be moved in the treatment direction, where FIG. 9A is a side view and FIG. 9B is a plan view.
FIG. 10 is a schematic view showing another example of the ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention in which the ultrasonic impact treatment machine is rotatable / movable.
FIG. 11 is a schematic view showing an ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention provided with rocking means.
FIG. 12 is a schematic view showing an ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention provided with means for supplying metal powder and shield gas supply means.
13A and 13B show an ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention provided with a heating means, wherein FIG. 13A is a schematic view including a partial cross section, and FIG. 13B is a schematic view taken along line AA ′. is there.
FIGS. 14A and 14B are schematic views showing a configuration of an ultrasonic impact treatment apparatus according to the present invention in which a plurality of ultrasonic impact treatment machines or ultrasonic impact treatment apparatuses are arranged. FIG. 14A is a front view, FIG. c) is a side view.
FIGS. 15A and 15B are schematic views showing the configuration of another example of the ultrasonic shock treatment apparatus according to the present invention in which a plurality of ultrasonic shock treatment machines or ultrasonic shock treatment apparatuses are arranged. FIG. 15A is a front view, and FIG. Is a top view and (c) is a side view.
FIG. 16 is a schematic view showing an ultrasonic impact treatment apparatus of the present invention in which an ultrasonic impact treatment equipment or an ultrasonic impact treatment apparatus is mounted on a robot arm.
[Explanation of symbols]
1 ... Ultrasonic impact treatment machine
2, 2'2 "... Transducer
3. Wave guide
4 ... Head
5 ... hole
6 ... pin
8 ... space
9 ... Holder
10 ... Ring metal fittings
11 ... Cover
12 ... Porous material
13 ... Opening
14 ... processing target
15 ... Wire-like body
16 ... Wire feeder
17 ... Pin opening
18 ... casing
19 ... Bearing
20 ... Rotation drive device
21 ... Guide rail
22 ... Power shaft
22a ... Nut
23 ... Stand
24. Fixing means
25 ... Frame
26 ... Handle handle
27. Swing means (ultrasonic motor)
28 ... Metal powder supply pipe
29 ... support part
30 ... Bearing
31 ... Shield gas supply pipe
32 ... Support
33 ... Heating means (electromagnetic coil)
34 ... Electromagnetic shielding material
35 ... fixed part
36, 36 ', 36 "... support
37, 37 ', 37 "... Fixing member
38 ... Fitting
39 ... Robot arm
40. Robot controller
41 ... Gear
Claims (14)
該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段、該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段及びこれを移動させる手段、該超音波衝撃処理機の少なくともヘッドを揺動させる手段、該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段及び少なくともヘッドを揺動させる手段、該超音波衝撃処理機をその中心軸の周りに回転させる手段とこれを移動させる手段及び少なくともヘッドを揺動させる手段、のうちいずれかを備えたことを特徴とする超音波衝撃処理装置。 A transducer that generates ultrasonic waves, a wave guide that is attached to the front of the oscillation direction from the transducer, and that guides the ultrasonic waves forward; a pin that is attached to the tip of the wave guide and vibrates by the ultrasonic waves; An ultrasonic processing apparatus having an ultrasonic shock processing machine comprising a head provided with a holder for holding the pin,
Means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, means for moving the ultrasonic shock processor, and at least a head of the ultrasonic shock processor. Means for swinging, means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, means for swinging at least the head, means for rotating the ultrasonic shock processor around its central axis, and moving this An ultrasonic shock treatment apparatus comprising: a means for causing the head to swing at least .
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