JP4319820B2 - 電気化学素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気化学素子、特に、固体電解質を用いた化学エネルギと電気エネルギ間のエネルギ変換とその応用に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術による、固体電解質を用いたエネルギ変換素子の応用例として、特開平6−63343号公報に記載された除湿素子があった。これは、電気エネルギを用いて水の電解・合成反応を行わせ、水を陽極側空間から陰極側空間へ移動させるものである。
【0003】
図6に、その構成を示す。
図において、2は第1の電極で、給電機能を有する白金メッキをしたステンレス繊維と、チタンと、触媒機能を有する白金黒と、固体電解質成分混合層とからなる。
3は固体電解質で、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜(商品名;ナフィオン117:デュポン社製)である。
4は第2の電極で、給電機能を有する白金メッキをしたステンレス繊維と、触媒機能を有する白金黒と、固体電解質成分混合層とからなる。
14は電源で、第1の電極2と第2の電極3との間に直流3Vを印加する。
【0004】
図6に示すように、第1の電極2は高湿度側空間である第1の空間16に面し、一方、第2の電極4は低湿度側電極である第2の空間17に面した場合について説明する。
第1の電極2および第2の電極3では以下の反応が起る。
第1の電極;陽極(高湿度側空間):H2O → 2H++(1/2)O2+2e-
第2の電極;陰極(低湿度側空間):2H++(1/2)O2+2e- → H2
即ち、第1の電極2による陽極では水の分解反応が起り、第2の電極4による陰極では水の生成反応が起ることにより、水は高湿度側から低湿度側へ移行する。
また、反応が進み、第1の電極2に接する第1の空間16の湿度が第2の電極4に接する第2の空間17の湿度より低くなっても、その状態を保持することができる。
そして、これら第1の空間16と第2の空間17との間の湿度差は印加する電圧により変えることができ、電気エネルギを利用して空間の湿度制御が可能となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気化学素子は外部の電気エネルギにより電極反応を進行させ、第1の空間と第2の空間との間の湿度差を生じさせるものであった。
この電気化学素子は、第1の電極2と第2の電極4との間に電気エネルギを供給することにより、第1の電極2と第2の電極4との間で水活量差を生じさせることによって、湿度差を生じさせるものであるということができる。
ここで、水活量とは、水についての熱力学的濃度をいうものである。
【0006】
この従来技術による除湿素子としての電気化学素子を、第1の空間と第2の空間との間に湿度差つまり水活量差を与えることにより、両電極間に電位差を生じさせ電気エネルギを回収する用途に適用する電気化学素子として応用する場合には、両電極間の湿度差として10:1の程度の高湿度差(比)を与えても生じる電位差は高々数10mVに過ぎず、効率的に電気エネルギを回収することはできなかった。
【0007】
この発明は、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る電気化学素子では、水素イオン導電性を有する電解質からなる電解質膜と、この電解質膜の一側に形成された触媒機能を有する第1の電極と、前記電解質膜の他側に形成された触媒機能を有する第2の電極とを備えた電気化学素子において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極に水または水を含む物質を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給するものである。
【0009】
第2の発明に係る電気化学素子では、第1の発明において、前記第1の電極と前記第2の電極の間に負荷を接続し、負荷に流れる電流および/または第1の電極と第2の電極の間で発生する電力を利用するようにしたものである。
【0010】
第3の発明に係る電気化学素子では、第1または第2の発明において、前記電気化学素子は前記第1および第2の電極の電極面が水平方向に延在するように配置され、前記第1の電極が上部にあるように配置され、前記第2の電極が下部になるように配置される構成としたものである。
【0011】
第4の発明に係る電気化学素子では、第1から第3の発明において、前記第2の電極に供給される不活性ガスは、アルゴン,ヘリウム,窒素,六フッ化硫黄,フルオロカーボン化合物の少なくとも1種類を含むものである。
【0012】
第5の発明に係る電気化学素子では、第1から第4の発明において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極に水分を含む空気を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給するものである。
【0013】
第6の発明に係る電気化学素子では、第1から第4の発明において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極の上方に水収容部を形成して、この水収容部に水を収容することにより前記第1の電極水を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給するものである。
【0014】
第7の発明に係る電気化学素子では、第1から第6の発明において、前記電気化学素子における前記第1の電極に供給される水または水を含む物質は加圧されているものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1および図2について説明する。図1は実施の形態1における発電素子の構成を示す側断面図である。比較的常温に近い低い温度における、この発明の適用例である。図2は実施の形態1における電気化学素子の起電力特性を示す特性線図である。
【0021】
図において、1は比較的常温に近い低い温度において起電力を生起し発電作用を奏する電気化学素子としての発電素子を示す。
2は第1の電極で陽極であり、この第1の電極2は、Pt無電解めっき層(多孔性面)と、この無電解めっき層の一部に接触し、この無電解めっき層の少なくとも3倍以上の厚さを有するAuの非多孔性電子導伝層(給電体)とで構成されている。
この第1の電極2における電極面の親水性は、酸素プラズマ処理により付与されている。
3は固体電解質で、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜(商品名;ナフィオン117:デュポン社製)である。
4は第2の電極で撥水性電極であり陰極である。この第2の電極4は、Pt無電解めっき層(多孔性面)と、この無電解めっき層の一部に接触し、この無電解めっき層の少なくとも3倍以上の厚さを有するAuの非多孔性電子導伝層(給電体)で構成されている。
この第2の電極4の撥水性は、フッ素含有率を1%から30%の間で所定の値のフッ素化合物の多孔性薄膜をフッ化シラン並びに白金を原料とするプラズマCVDで突起状の撥水性電極を形成したものである。
なお、フッ素化合物の替わりに有機シリコン化合物でも同様の撥水性電極を形成できる。
第2の電極4の水滴接触角は140°であった。第2の電極4には不活性ガス相6が接触している。
7は両電極2,4間に接続された負荷であり、8はリード線である。9aは流入空気、9bは流出空気である。10は不活性ガス補給管で第2の電極に不活性ガスを補給する。12は不活性ガス排出管である。13は両電極間の起電力を検出するための電圧計である。
【0022】
第1の電極2における流入空気9aは、イオン交換水等による水分を含み、第1の電極(親水性)2の図示上面に液体水相5を形成する。
不活性ガス補給管10により供給され第2の電極4の下方において不活性ガス相6を形成するアルゴンガス等の不活性ガスは、例えば流速25リットル/分をなす供給速度で補給され、第2の電極4の下面において生成ないしは付着された水分を排除し水排出管11を介して外部へ排出する。
【0023】
流入空気9aに含まれる水分により第1の電極(親水性)2に生成される液体水としてイオン交換水、第2の電極(撥水性)4に供給される不活性ガスとしてアルゴンを用いた例について、その出力電圧は以下に示される。
図1において、水素イオン導電性を有する固体電解質からなる固体電解質膜3と、この固体電解質膜3の一側に形成された触媒機能および親水性を有する第1の電極2と、前記固体電解質膜3の他側に形成された触媒機能および撥水性を有する第2の電極4を備えた電気化学素子において、第1の電極2側に水を供給し、第2の電極4に不活性なガス(アルゴンガス)を供給し、第1の電極2と第2の電極4の間で発生する起電力を利用させたものである。
【0024】
電気化学素子の環境が25℃として、両電極2,4間の水活量差に起因する起電力は、下記の式で表される。
【0025】
【数1】
Figure 0004319820
【0026】
この式によって示されるように、両電極2,4間における起電力は、水活量の差に応じて生成される。
ここで、水活量とは、水についての熱力学的濃度であり、このような水活量の差すなわち水濃度の差によって、両電極2,4間における起電力が生成されるのである。
【0027】
流入空気9aに含まれる水分により第1の電極(親水性)2に生成される液体水としてイオン交換水、第2の電極(撥水性)4に供給される不活性ガスとしてアルゴンを用いた例について、その起電力特性を図2に示す。図2では、縦軸に起電力(mV)を示し、横軸に時間(min)を示すものである。
図2において示される最初の180分までの間は第1の電極2に水を補給して液体水相5を形成し、第2の電極4は空気と接触させている。この時点では、不活性ガスは第2の電極4に供給されていない。そのときの起電力は数10mV以下の小さな値であった。
その後、第2の電極4に空気の代わりに不活性ガスとしてアルゴンを供給すると急速に起電力は増加し500mVを超える値を示した。
また別途、無負荷時で電流を測定した場合の測定値は数10μAレベルであった。
【0028】
この実施の形態1における電気化学素子の構成では、第1の電極2へ水または水を含む物質が供給されて第1の電極2の上面に液体水相5が形成され、第2の電極4へアルゴンガス等の不活性ガスが供給されて第2の電極4の下面に不活性ガス相6が形成される電気化学素子において、第1の電極2が親水性を有することにより、第1の電極2に対する水分の吸着ないしは供給が促進され、第1の電極2における水活量すなわち水濃度を増大する方向に働くものであり、これに対して、アルゴンガス等の不活性ガスが供給される第2の電極4が撥水性を有することにより、第2の電極4において生成ないしは吸着される水分の排除が促進され、第2の電極4における水活量すなわち水濃度を減少する方向に働くものであって、このような構成により、水活量の差すなわち水濃度の差が拡大するのである。
したがって、前述の通り、数100mVに及ぶ充分大きな起電力を効率的に確保することができるものである。
【0029】
前述の例では、不活性ガスとしてアルゴンの例を示したが、ヘリウム,窒素,六フッ化硫黄,フルオロカーボンなど酸素を含まないガスは、同様な効果を示した。
【0030】
電気化学素子を構成する発電素子1は、互いに平行する第1の電極2の電極面と第2の電極4の電極面とがそれぞれ水平方向に延在するように、水平状態に配置され、親水性を有する第1の電極2が上部になるように配置され、撥水性を有する第2の電極4が下部になるように配置されている。
この構成により、第1の電極2には、その電極面の上部に流入空気9aに含まれる水分により液体水相6が形成され、親水性を有する第1の電極2に水が簡潔な構成で確実に供給される。
そして、第1の電極2に供給される水に対する重力の作用によって、第1の電極2への水の供給が更に確実に行われるものである。
また、第2の電極4には、その電極面の下方から不活性ガスが供給され、電極面において生成ないしは吸着された水分は、その水成分に対する重力の作用によって、下方に排除され、第2の電極4における水活量つまり水濃度を減少するように働くものである。
【0031】
この発明による実施の形態1においては、次の(1A)項から(1D)項までにそれぞれ記載した構成を有し、次の(1A)項から(1D)項までにそれぞれ記載した各構成に基づく作用効果を奏する。
(1A)この発明による実施の形態1によれば、水素イオン導電性を有する固体電解質からなる固体電解質膜3と、この固体電解質膜3の一側に形成された触媒機能を有する第1の電極2と、前記固体電解質膜3の他側に形成された触媒機能を有する第2の電極4を備えた電気化学素子において、前記第1の電極2を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極4を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極2側に水または水を含む物質を供給し、前記第2の電極4に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給して、第1の電極2と第2の電極4との間で発生する起電力を利用するようにし、第1の電極2と第2の電極4の間に負荷7を接続して、負荷7に流れる電流および/または第1の電極2と第2の電極4との間で発生する電力を利用することができるようにしたので、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせ、その電気エネルギによる電流および/または電力を利用できるる電気化学素子を得ることができるものである。
(1B)この発明による実施の形態1によれば、前記(1A)項の構成において、前記電気化学素子は、互いに平行する第1の電極2の電極面と第2の電極4の電極面とがそれぞれ水平方向に延在するように水平状態に配置され、第1の電極2が上部になるように配置され、第2の電極4が下部になるように配置される構成としたので、水平方向に延在する第1および第2の電極を上下に配置することによって、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを一層効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができる。
(1C)この発明による実施の形態1によれば、前記(1B)項の構成において、第2の電極に供給される不活性ガスは、アルゴン,ヘリウム,窒素,六フッ化硫黄,フルオロカーボン化合物の少なくとも1種類を含むので、不活性ガスとして特定のガスを用いることによって、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
(1D)この発明による実施の形態によれば、前記(1C)項において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極に水分を含む空気を供給し、第2の電極に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給するようにしたので、第1の電極に水分を含む空気を供給し、第2の電極に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給することによって、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
【0032】
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図3および図4について説明する。図3は実施の形態2における発電素子の構成を示す側断面図である。比較的常温に近い低い温度における、この発明の適用例である。図4は実施の形態2における電気化学素子の全体構成を示す側断面図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成および作用以外の構成,作用については、先に説明した実施の形態1と同様の構成を有し、同様の作用を奏するものである。
【0033】
図において、1は比較的常温に近い低い温度において起電力を生起し発電作用を奏する電気化学素子としての発電素子を示す。
2は第1の電極で陽極であり、この第1の電極2は、Pt無電解めっき層(多孔性面)と、この無電解めっき層の一部に接触し、この無電解めっき層の少なくとも3倍以上の厚さを有するAuの非多孔性電子導伝層(給電体)とで構成されている。
この第1の電極2における電極面の親水性は、酸素プラズマ処理により付与されている。
3は固体電解質で、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜(商品名;ナフィオン117:デュポン社製)である。
4は第2の電極で撥水性電極であり陰極である。この第2の電極4は、Pt無電解めっき層(多孔性面)と、この無電解めっき層の一部に接触し、この無電解めっき層の少なくとも3倍以上の厚さを有するAuの非多孔性電子導伝層(給電体)で構成されている。
この第2の電極4の撥水性は、フッ素含有率を1%から30%の間で所定の値のフッ素化合物の多孔性薄膜をフッ化シラン並びに白金を原料とするプラズマCVDで突起状の撥水性電極を形成したものである。
なお、フッ素化合物の替わりに有機シリコン化合物でも同様の撥水性電極を形成できる。
第2の電極4の水滴接触角は140°であった。第2の電極4には不活性ガス相6が接触している。
7は両電極2,4間に接続された負荷であり、8はリード線である。9は水補給管で第1の電極に水を供給する。11は水排出管である。10は不活性ガス補給管で第2の電極に不活性ガスを補給する。12は不活性ガス排出管である。13は両電極間の起電力を検出するための電圧計である。
図3に示す第1の電極2の上方には、水補給管9から供給される水を液体水相5をなして収容する水収容部が形成されている。
【0034】
液体水としてイオン交換水、不活性ガスとしてアルゴンを用いた例について、その起電力特性は、実施の形態1におけると同様に図2に示される。
図2において示される最初の180分までの間は第1の電極2に水を補給して液体水相5を形成し、第2の電極4は空気と接触させている。この時点では、不活性ガスは第2の電極4に供給されていない。そのときの起電力は数10mV以下の小さな値であった。
その後、第2の電極4に空気の代わりに不活性ガスとしてアルゴンを供給すると急速に起電力は増加し500mVを超える値を示した。
また別途、無負荷時で電流を測定した場合の測定値は数10μAレベルであった。
【0035】
電気化学素子の環境が25℃として、両電極2,4間の水活量差に起因する起電力は、下記の式で表される。
【0036】
【数2】
Figure 0004319820
【0037】
この式によって示されるように、両電極2,4間における起電力は、水活量の差に応じて生成される。
ここで、水活量とは、水についての熱力学的濃度であり、このような水活量すなわち水濃度の差によって、両電極2,4間における起電力が生成されるのである。
【0038】
この実施の形態2における電気化学素子の構成では、第1の電極2へ水または水を含む物質が供給されて第1の電極2の上面に液体水相5が形成され、第2の電極4へアルゴンガス等の不活性ガスが供給されて第2の電極4の下面に不活性ガス相6が形成される電気化学素子において、第1の電極2が親水性を有することにより、第1の電極2に対する水分の吸着ないしは供給が促進され、第1の電極2における水活量すなわち水濃度を増大する方向に働くものであり、これに対して、アルゴンガス等の不活性ガスが供給される第2の電極4が撥水性を有することにより、第2の電極4において生成ないしは吸着される水分の排除が促進され、第2の電極4における水活量すなわち水濃度を減少する方向に働くものであって、このような構成により、水活量の差すなわち水濃度の差が拡大するのである。
したがって、前述の通り、数100mVに及ぶ充分大きな起電力を効率的に確保することができるものである。
【0039】
前述の例では、不活性ガスとしてアルゴンの例を示したが、ヘリウム,窒素,六フッ化硫黄,フルオロカーボンなど酸素を含まないガスは、同様な効果を示した。
【0040】
また、第1の電極2および第2の電極4では以下の反応が起る。
第1の電極;陽極(高湿度側空間):H2O → 2H++(1/2)O2+2e-
第2の電極;陰極(低湿度側空間):2H++(1/2)O2+2e- → H2
即ち、第1の電極2による陽極では水の分解反応が起り、第2の電極4による陰極では水の生成反応が起ることにより、水は高湿度側から低湿度側へ移行する。
【0041】
電気化学素子を構成する発電素子1は、互いに平行する第1の電極2の電極面と第2の電極4の電極面とがそれぞれ水平方向に延在するように、水平状態に配置され、親水性を有する第1の電極2が上部になるように配置され、撥水性を有する第2の電極4が下部になるように配置されている。
この構成により、第1の電極2には、その電極面の上部に液体水相6を形成するタンク状の水収容部が構成され、親水性を有する第1の電極2に水が簡潔な構成で確実に供給される。そして、第1の電極2に供給される水に対する重力の作用によって、第1の電極2への水の供給が更に確実に行われるものである。
また、第2の電極4には、その電極面の下方から不活性ガスが供給され、電極面において生成ないしは吸着された水分は、その水分に対する重力の作用によって、下方に排除され、第2の電極4における水活量つまり水濃度を減少するように働くものである。
【0042】
そして、図4に示すように、水加圧ポンプ13を用いて第1の電極2に供給する水の水圧を増大させると、起電力並びに電流の増大効果が見られた。
すなわち、第1の電極2に供給される水に水加圧ポンプ13によって水圧が加えられると、図3における第1の電極2の上方において形成された水収容部に液体水相5をなして収容された水は液圧を受け、この液圧により水が第1の電極2に一層確実に供給されて、起電力並びに電流が増大するものである。
【0043】
この発明による実施の形態2においては、次の(2A)項から(2E)項までにそれぞれ記載した構成を有し、次の(2A)項から(2E)項までにそれぞれ記載した各構成に基づく作用効果を奏する。
(2A)この発明による実施の形態2によれば、水素イオン導電性を有する固体電解質からなる固体電解質膜3と、この固体電解質膜3の一側に形成された触媒機能を有する第1の電極2と、前記固体電解質膜3の他側に形成された触媒機能を有する第2の電極4を備えた電気化学素子において、前記第1の電極2を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極4を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極2側に水または水を含む物質を供給し、前記第2の電極4に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給して、第1の電極2と第2の電極4との間で発生する起電力を利用するようにし、第1の電極2と第2の電極4の間に負荷7を接続して、負荷7に流れる電流および/または第1の電極2と第2の電極4との間で発生する電力を利用することができるようにしたので、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせ、その電気エネルギによる電流および/または電力を利用できる電気化学素子を得ることができるものである。
(2B)この発明による実施の形態2によれば、前記(2A)項の構成において、前記電気化学素子は、互いに平行する第1の電極2の電極面と第2の電極4の電極面とがそれぞれ水平方向に延在するように水平状態に配置され、第1の電極2が上部になるように配置され、第2の電極4が下部になるように配置される構成としたので、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により、電気エネルギを一層効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
(2C)この発明による実施の形態2によれば、前記(2B)項の構成において、第2の電極に供給される不活性ガスは、アルゴン,ヘリウム,窒素,六フッ化硫黄,フルオロカーボン化合物の少なくとも1種類を含むので、不活性ガスとして特定のガスを用いることによって、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
(2D)この発明による実施の形態2によれば、前記(2C)項の構成において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極の上方に水収容部を形成して、この水収容部に水を収容することにより前記第1の電極水を供給し、第2の電極に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給するようにしたので、第1の電極の上方に形成した水収容部に水を収容することにより前記第1の電極に水を供給し、第2の電極に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給することによって、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
(2E)この発明による実施の形態2によれば、前記(2D)項における構成において、前記電気化学素子における前記第1の電極に供給される水または水を含む物質は加圧されているので、第1の電極に供給される水または水を含む物質を加圧することによって、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
【0044】
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を図5について説明する。図5は実施の形態3における電気化学素子の起電力特性を示す特性線図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成および作用以外の構成,作用については、先に説明した実施の形態1および実施の形態2と同様の構成を有し、同様の作用を奏するものである。
【0045】
図5は、この発明による電気化学素子の水中の酸素濃度センサとして機能を示したものである。
横軸を水中の酸素濃度モル分率の対数表示であり縦軸に起電力を示したものである。酸素濃度の対数と起電力の間の線形な関係が得られた。
【0046】
電気化学素子の環境が25℃として、両電極間の水活量差に起因する起電力は、実施の形態2で述べた通り、下記の式で表される。
【0047】
【数3】
Figure 0004319820
【0048】
電気化学素子の起電力は内外の水活量比が一定、並びに、固体電解質内の水素イオン濃度が一定と仮定すれば、上述の式より内外酸素濃度の比の対数に線形な起電力を示す。
この式から、内外の酸素濃度すなわち第1の電極に供給される水または水を含む物質における酸素濃度および第2の電極に供給される不活性なガスまたは不活性なガス水を含む物質における酸素濃度を制御することにより所定の起電力を発生させる定電圧電源等を提供することが可能になった。
【0049】
この実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2のいずれかの構成において、第1の電極2に供給される水または水を含む物質における酸素濃度を一定値等の所定の濃度に保持するとともに、第2の電極4に供給される不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における酸素濃度を任意の濃度とすることにより、不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における任意の酸素濃度に応じた起電力を発生させることができる。
【0050】
また、この実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2のいずれかの構成において、第2の電極4に供給される不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における酸素濃度を一定値等の所定の濃度に保持するとともに、第1の電極2に供給される水または水を含む物質における酸素濃度を任意の濃度とすることにより、水または水を含む物質における任意の酸素濃度に応じた起電力を発生させることができる。
【0051】
さらに、この実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2のいずれかの構成において、第1の電極2に供給される水または水を含む物質における酸素濃度を一定値等の所定の濃度に保持するとともに、第2の電極4に供給される不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における酸素濃度を一定値等の所定の濃度に保持することにより、一定の起電力を発生させることができる、定電圧電源を得ることができる。
【0052】
そして、この実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2のいずれかの構成において、第1の電極2に供給される水または水を含む物質における組成を一定にして第1の電極2に供給される水または水を含む物質における酸素濃度を一定値に保持することにより、第2の電極4に供給される不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における酸素濃度等の特定成分の濃度が測定可能な不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における酸素濃度センサを得ることができる。
【0053】
さらにまた、この実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2のいずれかの構成において、第2の電極4に供給される不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における組成を一定にして第2の電極4に供給される不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質における酸素濃度を一定値に保持することにより、第1の電極2に供給される水または水を含む物質における酸素濃度等の特定成分の濃度が測定可能な不活性な水または水を含む物質における酸素濃度センサを得ることができる。
【0054】
この発明による実施の形態3においては、次の(2A)項から(3E)項までにそれぞれ記載した構成を有し、次の(3A)項から(3E)項までにそれぞれ記載した各構成に基づく作用効果を奏する。
(3A)この発明による実施の形態3によれば、実施の形態1または実施の形態2における構成において、第2の電極4に供給される不活性ガスを含む物質には、任意の濃度に制御された酸素が含まれるので、第2の電極4に供給される不活性ガスを含む物質における任意の酸素濃度に応じて、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
(3B)この発明による実施の形態3によれば、前記(3A)項の構成において、第1の電極2に接する水または水を含む物質中の水濃度は所定の濃度に制御されているので、第1の電極2に接する水または水を含む物質中の水濃度を基に第2の電極4に供給される不活性ガスを含む物質における任意の酸素濃度に応じて、水活量差として示される水濃度差すなわち湿度差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができるものである。
(3C)この発明による実施の形態3によれば、前記(3B)項の構成において、前記第1の電極2に接する水または水を含む物質における酸素濃度は一定の濃度に制御されるとともに、前記第2の電極4に供給される不活性ガスを含む物質における酸素濃度は一定の濃度に制御されるので、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせ定電圧電源として利用できる電気化学素子を得ることができる。
(3D)この発明による実施の形態3によれば、実施の形態1または実施の形態2における構成において、前記電気化学素子における前記第1の電極2に供給される水または水を含む物質における酸素濃度を一定にし、前記第2の電極4に供給される不活性ガスを含む物質における酸素濃度を、第1の電極2と第2の電極4の間に発生する起電力で測定するようにしたので、第2の電極4に供給される不活性ガスを含む物質における酸素濃度が測定可能な不活性ガスを含む物質における酸素濃度センサを得ることができる。
(3E)この発明による実施の形態3によれば、実施の形態1または実施の形態2における構成において、前記電気化学素子における前記第2の電極2に供給される不活性ガスを含む物質における酸素濃度を一定にし、前記第1の電極4に供給される水または水を含む物質における酸素濃度を、第1の電極2と第2の電極4の間に発生する起電力で測定するようにしたので、第1の電極2に供給される水または水を含む物質における酸素濃度が測定可能な不活性な水または水を含む物質における酸素濃度センサを得ることができる。
【0055】
以上のように、この発明による実施の形態では、第1の空間と第2の空間との間の湿度差を与えることにより、両電極間に電位差を生じさせ電気エネルギを回収するものである。
このような電気エネルギの回収用に従来の電気化学素子を用いても両電極間の湿度差を10:1の程度の高湿度差(比)を与えても生じる電位差は高々数10mVに過ぎなかった。
この発明による実施の形態では、電気化学素子の電極を改良し、かつ、それぞれの電極に接する物質を選ぶことにより、数100mVの電位差を生じさせる素子を提供すること、並びに、この素子の水分中の成分を検出するセンサを提供するものである。
【0056】
この発明による実施の形態に係る電気化学素子は、一方の電極(第1の電極)は親水性陽極で他方の電極(第2の電極)は撥水性陰極での両電極で水素イオン導電性の固体電解質を挟持している構造の電気化学素子にし、撥水性陰極は120°以上の水滴接触角を有する形状にした。
親水性電極側に液体の水を接触させ、陰極側電極側に不活性ガスを接触させ両電極間間に負荷を接続し、両電極で生じる水活量圧差に起因する起電力を電気エネルギとして利用できるようにした。
また、その起電力から水中の酸素濃度を測れるようにした。
両電極間の水活量差を利用して電気エネルギの回収が可能となった。また、水中の酸素濃度測定が可能となった。
【0057】
この発明による実施の形態によれば、両電極間の水活量差を利用して電気エネルギの回収が可能となった。
また、起電力を測定すること酸素濃度センサとして用いることが可能となった。
また、内外の酸素濃度を制御することにより定電圧電源を提供することができた。
【0058】
【発明の効果】
第1の発明によれば、水素イオン導電性を有する電解質からなる電解質膜と、この電解質膜の一側に形成された触媒機能を有する第1の電極と、前記電解質膜の他側に形成された触媒機能を有する第2の電極とを備えた電気化学素子において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極に水または水を含む物質を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給するようにしたので、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができる。
【0059】
第2の発明によれば、第1の発明において、前記第1の電極と前記第2の電極の間に負荷を接続し、負荷に流れる電流および/または第1の電極と第2の電極の間で発生する電力を利用するようにしたので、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせ、その電気エネルギによる電流および/または電力を利用できる電気化学素子を得ることができる。
【0060】
第3の発明によれば、第1または第2の発明において、前記電気化学素子は前記第1および第2の電極の電極面が水平方向に延在するように配置され、前記第1の電極が上部にあるように配置され、前記第2の電極が下部になるように配置される構成としたので、水活量差により電気エネルギを一層効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができる。
【0061】
第4の発明によれば、第1から第3の発明において、前記第2の電極に供給される不活性ガスは、アルゴン,ヘリウム,窒素,六フッ化硫黄,フルオロカーボン化合物の少なくとも1種類を含むので、不活性ガスとして特定のガスを用いることによって、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができる。
【0062】
第5の発明によれば、第1から第4の発明において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極に水分を含む空気を供給し、第2の電極に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給するようにしたので、第1の電極に水分を含む空気を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給することによって、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができる。
【0063】
第6の発明によれば、第1から第4の発明において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極の上方に水収容部を形成して、この水収容部に水を収容することにより前記第1の電極に水を供給し、第2の電極に不活性なガスまたは不活性なガスを含む物質を供給するようにしたので、第1の電極の上方に形成した水収容部に水を収容することにより前記第1の電極に水を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給することによって、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができる。
【0064】
第7の発明によれば、第1から第6の発明において、前記電気化学素子における前記第1の電極に供給される水または水を含む物質は加圧されているので、第1の電極に供給される水または水を含む物質を加圧することによって、水活量差により電気エネルギを効率的に生じさせる電気化学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による実施の形態1における発電素子の構成を示す側断面図である。
【図2】 この発明による実施の形態1における電気化学素子の起電力特性を示す特性線図である。
【図3】 この発明による実施の形態2における発電素子の構成を示す側断面図である。
【図4】 この発明による実施の形態2における電気化学素子の全体構成を示す側断面図である。
【図5】 この発明による実施の形態3における電気化学素子の起電力特性を示す特性線図である。
【図6】 従来技術における電気化学素子の構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 発電素子、2 第1の電極(親水性)、3 固体電解質、4 第2の電極(撥水性)、5 液体水相、6 不活性ガス相、7 負荷、8 リード線、9 水補給管、10 不活性ガス補給管、11 水排出管、12 不活性ガス排出管、13 電圧計、14 水加圧ポンプ。

Claims (7)

  1. 水素イオン導電性を有する電解質からなる電解質膜と、この電解質膜の一側に形成された触媒機能を有する第1の電極と、前記電解質膜の他側に形成された触媒機能を有する第2の電極とを備えた電気化学素子において、前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極に水または水を含む物質を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給することを特徴とする電気化学素子。
  2. 前記第1の電極と前記第2の電極の間に負荷を接続し、負荷に流れる電流および/または第1の電極と第2の電極の間で発生する電力を利用することを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子。
  3. 前記電気化学素子は前記第1および第2の電極の電極面が水平方向に延在するように配置され、前記第1の電極が上部にあるように配置され、前記第2の電極が下部になるように配置される構成であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気化学素子。
  4. 前記第2の電極に供給される不活性ガスは、アルゴン,ヘリウム,窒素,六フッ化硫黄,フルオロカーボン化合物の少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電気化学素子。
  5. 前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極に水分を含む空気を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電気化学素子。
  6. 前記第1の電極を親水性を有する電極で構成し、前記第2の電極を撥水性を有する電極で構成するとともに、前記第1の電極の上方に水収容部を形成して、この水収容部に水を収容することにより前記第1の電極水を供給し、第2の電極に不活性なガスを供給することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電気化学素子。
  7. 前記電気化学素子における前記第1の電極に供給される水または水を含む物質は加圧されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電気化学素子。
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