JP4318149B2 - フェンスの接続部強化構造と工法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚濁防止フェンス、オイルフェンス等の接続部、係留部の各種強化方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、汚濁防止フェンスやオイルフェンスは、海象気象条件の複雑な風波、波浪、流速などの水上水深下に設置展張され、接続部、係留部に異常な繰り返し荷重やねじれ現象がかかり、殊に接続部、係留部に破損が多く、その改良が求められていた。例えばフェンス間の連結部は、板状の剛体金具にて固定されているため、ゆるみやフレキシブル性がなく、周辺の布地やゴムベルト、接続金具等が引き千切られる事故が多発している。また、フロート部とカーテン部の接続も、プレート金具にて１乃至２点止めされているが、布地がボルト孔で裂けてカーテンがずり落ちる事が多く見受けられる。加えて、フェンスと係留索の接続部は、接続金具に直接シャックルを接続して、係留索をつないでいるが、水中にアンカー係留されるフェンス接続部は、風波、流速によって常にねじれやこじれ、上下左右に振回される挙動がおこり、集中荷重が係って破損するケースが多く見られる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、これら従来の欠点を解消すべく種々検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、▲Ａ▼フェンスの連結部を可撓性ベルトで複数本交差させ、▲Ｂ▼フロート部とカーテン部を、三角形の止め金具をボルトで３点止めし、▲Ｃ▼フェンスと係留索の接続部の接続金具が、円柱で側面に角のない棒状体を湾曲した形状であり、▲Ｄ▼フェンスと係留索の接続部の接続金具とシャックルの間に、円形リングを繋げ、▲Ｅ▼フェンス連結部の円形リング間に連結ロープを張り、▲Ｆ▼係留ロープの中間部にタイヤ式緩衝材を取付けること
を特徴とする フェンス である。
【０００５】
本発明を順次、図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
図１は本発明におけるフェンスの接続部の一例である。まず、フェンス間の連結部を可撓性ベルト１で交差させ、互いに表裏をボルトなどで固定し、間隔を設けて数本使用する。これにより、フェンスは、複雑な風波の動きにフレキシブルに対応して、一方向の力に偏らずに分散の力が働き、正常保持することが可能となる。なお可撓性ベルト１は、生布入りゴムベルト、タイヤベルト、合成樹脂幅広ベルトなどが適しており、使用本数も条件に応じ、適宜考慮すればよい。
【０００６】
フロート部とカーテン部の接続では、三角形止め金具２をボルト３で３点止めすることにより、２点止め時の金具のたわみによる隙間防止、１点に荷重がかかった時、他の２点に力の分散が可能な構造となり、破損等を大幅に防ぐことができる。さらに、ボルト３にホールカラーをつけることで、ボルトねじ山で生地、ベルト等の切れや破損を防いだり、また、三角形止め金具２の中心近傍を打ち抜くことにより、ボルトで締め込んだ時に挟み込んだ生地等が打ち抜き部から外側に膨らみ、ストッパーの役割を果たして、ずれにくくし、破損を削減するなどの改良を加えて行なってもよい。
【０００７】
フェンスと係留索の接続では、フェンスに取付けられた接続金具４が円柱で側面に角のない棒状体を湾曲した形状であり、接続金具４とシャックル５の間に、円形リング６を介し、係留部に接続する。これにより、フレキシブル性が高まり、風波、流速によって起こる、ねじれやこじれ、上下左右に振回される挙動により、接続部に集中荷重がかかることを緩和し、接続部の強化が可能である。なお、円形リングを複数個連ねたり、円形リングとシャックルの間にチェーン等を繋げても効果的である。また、接続金具４と円形リング６は、始めから一体の金物として製作することも可能で、それにより作業効率を上げることができる。
【０００８】
さらに、連結部をはさんだ、上記円形リング間に、連結ロープ７を張ることで、アンカーが受ける波の力を分散し、フェンス連結部の強化も図る事が可能となる。
【０００９】
また係留索の係留ロープ８の中間部に、タイヤ式緩衝材９を設けることにより、波の上下動に対応し、フェンス接続部へかかる波の力を軽減することができる。
【００１０】
また、前述の各種強化方法は、すべてを併用することが、望ましいが、その海象状況やその他の使用状況に応じ、適宜組合わせて利用してもよい。
【００１１】
【発明の効果】
本発明により、汚濁防止フェンスやオイルフェンス等における、接続部の負荷を大幅に低減し、破損や事故を防ぎ、更には相対的なコスト削減等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明におけるフェンスの接続部の斜視図
【符号の説明】
１．可撓性ベルト
２．三角形止め金具
３．ボルト
４．接続金具
５．シャックル
６．円形リング
７．連結ロープ
８．係留ロープ
９．タイヤ式緩衝材

Claims (2)

1. フロート部とカーテン部を有するフェンスにおいて、隣接するフェンス間の連結部を平面視において、可撓性ベルトの一端をフェンス連結部の裏面部に固定し、該可撓性ベルトの他端を隣接するフェンス連結部の表面部に固定し、その下部に設けられる可撓性ベルトは、一端を、前記上部に設けられた可撓性ベルトの固定面と反対になるように、フェンス連結部の表面部に固定し、該可撓性ベルトの他端を、隣接するフェンス連結部の裏面部に固定して、各々の可撓性ベルトが隣接する可撓性ベルトと交差された状態になるように設けることを特徴とするフェンス。
2. 請求項１のフェンスにおいて、さらにフェンス間の連結部をはさんで、フロート部に連接金具を設け、該接続金具に円形リングを設け、互に隣接する円形リング間に連結ロープを張ることを特徴とするフェンス。

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