JP4318145B2 - 既設推進管撤去装置及び該装置を用いた既設推進管撤去工法 - Google Patents

既設推進管撤去装置及び該装置を用いた既設推進管撤去工法 Download PDF

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本発明は、既設の推進管を撤去したり、撤去後埋め戻ししたりする際に使用するに好適な、既設推進管撤去装置及び該装置を用いた既設推進管撤去工法に関する。
最近、都市部では、下水道などの老朽化した推進管を撤去し埋め戻したり、撤去後に新しい推進管を敷設更新したりすることが検討されている。
推進管の撤去工法としては、撤去すべき推進管列の最先端に、シールドを設け、該シールドを立坑側から牽引することにより、推進管を引っ張り出す方法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、縁切り用のリングを、推進管列の外側を覆う形で、撤去すべき推進管列の全長に渡り推進させて、地山と推進管列との縁切りを行った後、推進管列を引き抜き撤去する方法も知られている(例えば、特許文献2)。
更に、ワイヤソーを、撤去すべき推進管列外周部の全長に渡り設置し、該ワイヤソーにより、地山と推進管列との縁切りを行った後、推進管列を引き抜き撤去する方法も知られている(例えば、特許文献3)。
また、別の方法としては、例えば円筒状の係合部材をアンカーボルト等により推進管の内壁に固定し、立抗には牽引ジャッキを設け、これらの係合部材と牽引ジャッキとを長尺状の牽引部材(具体的には、2〜3mのPC鋼棒をカップラーにより複数繋げたもの)により連結しておいて、牽引ジャッキの駆動力を、前記牽引部材及び前記係合部材を介して前記推進管に伝えるようにしたものがある(特許文献4参照)。
特開2001−262998号公報 特開2001−262976号公報 特開2001−262975号公報 特願2003−068660号(の公開公報)
しかし、いまだ、確立した技術が無く、簡単な構成で、効率よく既設推進管を撤去することの出来る工法及び装置の開発が、急がれている。
なお、上記特許文献4に記載された工法を実際に実施しようとするとPC鋼棒を一条だけでなく複数条設ける必要があるが、推進管の管径が小さい場合にはそれらのPC鋼棒が邪魔になるために、作業者が推進管内部に入って作業状態を直接視認することはできず、テレビカメラや変位計によらなければ確認できないという問題があった。また、推進管列を撤去する場合には複数箇所の縁切り作業を行う必要があるが、その場合には、推進管の中に入っていってPC鋼棒を係合部材に取り付け、推進管の外に出てから牽引ジャッキを駆動するという一連の作業を繰り返して行わなければならず、その作業が繁雑になるという問題があった。
本発明は、上記した事情に鑑み、既設推進管を撤去することの出来る装置及び該装置を用いた既設推進管撤去工法を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、図1に例示するように、連設された複数の推進管の少なくとも1つの推進管(A)の内周面に係合される第1係合手段(2)と、
該第1係合手段(2)が係合された推進管以外の少なくとも1つの推進管(Ai+1)の内周面に係合される第2係合手段(3)と、
これらの係合手段(2,3)の近傍に配置されると共にそれらの係合手段(2,3)に連結されていて、これらの係合手段(2,3)を推進管(A,Ai+1)の軸心(B)に沿って相対移動するように駆動する駆動手段(4)と、
を設けて構成された既設推進管撤去装置(1)についてのものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記駆動手段(4)は、前記第1係合手段(2)と前記第2係合手段(3)との間に配置されて、それらの係合手段(2,3)を互いに離間する方向に駆動する、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、図5に示すように、撤去しようとする推進管列(A)の一端開口を閉塞するように隔壁(7)を配置し、
該隔壁(7)には、地盤側に固定された少なくとも1本の長尺状の部材(C)を係止し、
前記駆動手段(4)を駆動したときの反力を前記隔壁(7)及び前記長尺状の部材(C)にて取らせる、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、複数の推進管(例えば、図5の符号Ai−1,A,Ai+1,Ai+2参照)が直列に接続された状態で地盤中に敷設されてなる推進管列(A)を撤去する既設推進管撤去工法であって、
該既設推進管撤去工法は、
撤去すべき前記推進管列の両側の少なくとも一方の側に立坑(G)を構築し、
少なくとも1つの推進管(A)に第1係合手段(2)を係合させ、該第1係合手段(2)が係合された推進管以外の少なくとも1つの推進管(Ai+1)に第2係合手段(3)を係合させ、これらの係合手段(2,3)を、これらの係合手段の間に配置した駆動手段(4)により推進管の軸心(B)に沿って相対移動させて、前記第1係合手段(2)又は前記第2係合手段(3)の係合された推進管(A又はAi+1)と周囲地山との間の縁切りを行い、
前記推進管列につき所定箇所の縁切りが行われたところで、縁切りされた推進管を一体的に前記立抗(G)の側に移動させ、該立抗側で、順次押し出されてくる推進管を取り外すようにして構成した既設推進管撤去工法についてのものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記縁切りされた推進管の前記立抗の側への一体的な移動は、該立抗の側からの牽引動作により行う、ことを特徴とする。
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。以下の発明の効果についても同様である。
請求項1及び4,5に係る発明によれば、比較的簡単な構成でありながら、既設推進管(A又はAi+1)と周囲地山との間を効率良く縁切りし、及び/又は推進管列を撤去することができる。また、これらの発明によれば、撤去装置(1)は作業箇所だけに配置されているため、作業中でも作業者が推進管内部に入っていって、その作業の様子を目視で直接確認することができる(詳細は後述する)。さらに、これらの発明によれば、作業箇所毎に駆動手段(4)が配置されていて、駆動手段(4)を共通して使用する必要が無く、複数の撤去装置(1)を作業箇所にそれぞれ配置するだけの作業で足り、その分、作業が簡単になるという効果を奏する(詳細は後述する)。
請求項2に係る発明によれば、前記駆動手段(4)は、前記第1係合手段(2)と前記第2係合手段(3)との間に配置されているため、推進管列の開口部から入って来た作業者は、前記駆動手段(4)に妨げられることなく係合手段(2又は3)に近づいて作業を詳細に観察することができる。
請求項3に係る発明によれば、所定の推進管(A)を確実に移動させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜3及び図5に沿って説明する。
図1は、本発明に係る既設推進管撤去装置の全体構成を示す縦断面図であり、図2は、本発明に係る既設推進管撤去装置が駆動されたときの状態を示す縦断面図である。また、図3は、本発明に係る既設推進管撤去装置の構造を示す横断面図であり、図5は、牽引ジャッキやPC鋼棒がセットされた状態を示す縦断面図である。
本発明に係る既設推進管撤去装置は、既設のトンネルを埋め戻したり、古い推進管を新しい推進管と交換したり等する際に、地中に埋設されている既設の推進管(例えば、図1の符号A参照)を非開削で軸心Bに沿って移動させて縁切り及び/又は撤去するために使用されるものである(以下、このようにトンネルを埋め戻すために既設の推進管を撤去する現場、古い推進管を新しい推進管に交換するために既設の推進管を撤去する現場、及びその他の目的のために既設の推進管を撤去する現場を、本明細書では“推進管撤去現場”と称することとする)。なお、この推進管撤去現場においては、所定長さ(例えば、2.5m程度)の複数の円筒状推進管A,…,A,Ai+1,…が直列に接続されて推進管列Aが構成されている。また、この推進管撤去現場においては、撤去しようとする推進管列の区間の前端と後端とに向けては地表から立坑が掘られていて(図5には、符号Gを付して、1つのみ示す)、立坑の壁面には、推進管列の端部が開口された状態となっている。
以下、本発明に係る既設推進管撤去装置について詳述する。
本発明に係る既設推進管撤去装置1は、図1に示すように、連設された複数の推進管の少なくとも1つの推進管(符号A参照)の内周面に係合される第1係合手段2と、該第1係合手段2が係合された推進管以外の少なくとも1つの推進管Ai+1の内周面に係合される第2係合手段3と、推進管内部に配置されると共にそれらの係合手段2,3に連結されていて、これらの係合手段2,3を推進管A,Ai+1の軸心Bに沿って相対移動するように(例えば、図2に示すように、離間するように)駆動する駆動手段4と、を備えている。本発明によれば、比較的簡単な構成でありながら、既設推進管A又はAi+1を効率良く縁切り及び/又は撤去することができる。上述した特許文献4の装置の場合、作業箇所だけでなく、立抗には牽引ジャッキが配置され、立抗から作業箇所まではPC鋼棒が配置されていて、推進管の管径が小さい場合にはそれらが邪魔となって作業者が推進管内部に入ることができなかったが、本発明によれば、撤去装置1は作業箇所だけに配置することができるため、作業中でも作業者が推進管内部に入っていって、その作業の様子を目視で直接確認することができる。また、特許文献4の装置で複数箇所の縁切りを行おうとした場合、牽引ジャッキとPC鋼棒とは各縁切り作業に共通して使用されるものであるため、複数の係合部材を縁切り作業箇所の推進管内壁にそれぞれ固定し、1つの縁切り作業が終了する度に、作業者が推進管の中に入って行ってPC鋼棒を付け替えるという作業が必要であったが、本発明によれば、作業箇所毎に駆動手段4がそれぞれ配置されていて、駆動手段4を共通して使用する必要が無く、複数の撤去装置1を作業箇所にそれぞれ配置するだけの作業で足り、1つの作業が終了する度に推進管の内部に入って行く必要は無く、その分、作業が簡単になるという効果を奏する。なお、本発明に係る既設推進管撤去装置1は、駆動手段4の駆動ストロークを短くして推進管の縁切りだけを行うようにした装置、該駆動ストロークを長くして推進管の引抜きを行えるようにした装置の両方を含むものである。
上述した駆動手段4を、前記第1係合手段2と前記第2係合手段3との間に配置して、それらの係合手段2,3を互いに離間する方向に駆動するようにすると良い。その場合、前記駆動手段4は、前記第1係合手段2と前記第2係合手段3との間に配置されているため、推進管列の開口部から入って来た作業者は、前記駆動手段4に妨げられることなく係合手段2又は3に近づいて作業を詳細に観察することができる。
この場合、図5に示すように、推進管列Aの一端開口を閉塞するように隔壁7を配置し、この隔壁7には、地盤側に固定された少なくとも1本の長尺状の部材Cを係止して、前記駆動手段4を駆動したときの反力を前記隔壁7及び前記長尺状の部材Cにて取らせるようにすると良い。これにより、所定の推進管を確実に移動させることができる。なお、図5では、長尺状の部材Cの地盤側への固定は、推進管列Aの他端開口に対向する位置に配置したアンカープレート80等を介して行っているが、もちろんこれに限られるものではない。また、隔壁7等で反力を取らないようにしても良く、その場合には、地盤との接着力が弱い方の推進管A又はAi+1が軸心Bに沿って移動されることとなる。
図1及び図2に示す第1係合手段2は、推進管Aの内壁に対向する位置で、該内壁に接離自在となるように支持された複数の板状部材20,…と、これら複数の板状部材20,…を前記内壁に押圧する押圧手段21,…と、により構成されており、第2係合手段3も同様で、推進管Ai+1の内壁に対向する位置で、該内壁に接離自在となるように支持された複数の板状部材30,…と、これら複数の板状部材30,…を前記内壁に押圧する押圧手段31,…と、により構成されているが、他の構造としても良い。例えば、推進管の内壁に対向するように配置された板状部材と、該板状部材を前記内壁に固着するための固着手段(例えば、メカニカルアンカーや樹脂系アンカーなどのアンカーボルト)と、により構成しても良い。なお、第1係合手段2を図1及び図2に示す構成とする場合、各板状部材20,…は推進管内壁からの抗力を受けるので、板状部材20,…を複数、しかも、それらの抗力が相殺されるような位置に配置すると良い(例えば、図3参照)。第2係合手段3についても同様である。
ところで、駆動手段4としては、油圧ジャッキや他の手段を用いると良い。
図1及び図2では、第1係合手段2は1つの推進管Aのみに係合されているが、複数の推進管(例えば、図5に示す2つの推進管A及びAi−1)に係合されるようにしても良い。第2係合手段3も同様であって、複数の推進管(例えば、図5に示す2つの推進管Ai+1及びAi+2)に係合されるようにしても良い。また、図1等では、互いに隣接される推進管A及びAi+1に各係合手段2,3が係合されているが、隣接されておらずに多少離れた位置に配置されている推進管に各係合手段2,3を係合させても良い。
次に、本発明に係る既設推進管撤去工法について説明する。
本発明に係る既設推進管撤去工法は、複数の推進管A,…,A,…が直列に接続されて構成された推進管列であって地盤中に敷設されているものを撤去する工法であって、撤去すべき前記推進管列の両側の少なくとも一方の側に立坑(図5の符号G参照)を構築し、少なくとも1つの推進管Aに第1係合手段2を係合させ、該第1係合手段2が係合された推進管以外の少なくとも1つの推進管Ai+1に第2係合手段3を係合させ、これらの係合手段2,3を、これらの係合手段2,3の間に配置した駆動手段4により推進管の軸心Bに沿って相対移動させて、前記第1係合手段2又は前記第2係合手段3の係合された推進管A又はAi+1と周囲地山との間の縁切りを行い、前記推進管列につき所定箇所の縁切りが行われたところで、縁切りされた推進管を一体的に前記立抗Gの側に移動させ、該立抗側で、順次押し出されてくる推進管を取り外すようにした、ことを特徴とする。このような工法によれば、既設推進管A,…を効率良く縁切りして、推進管列を撤去することができる。なお、前記縁切りされた推進管の前記立抗Gの側への一体的な移動は、該立抗Gの側からの牽引動作により行うようにすると良い。
以下、本発明の一実施例について、図1〜図9を参照して説明する。
本実施例では図1〜3に示す既設推進管撤去装置1を作製した。すなわち、第1係合手段2は、本体フレーム22と、該本体フレーム22により上下左右に支持された4つのグリッパージャッキ21,…と、推進管Aの内壁に沿うように各グリッパージャッキ21,…に支持された4枚の押圧板20,…(図3参照)と、により構成した。なお、図3に示すように、下側の押圧板20と左側の押圧板20との間、及び下側の押圧板20と右側の押圧板20との間には、本体フレーム22に支持されたキャスター23,23をそれぞれ配置し、推進管A,…,A,…の内部を該係合手段2が軸心Bに沿って移動できるようにした。第2係合手段3も、第1係合手段2と同様の構造とした。
そして、図1に示すように、第1係合手段2における、第2係合手段3に対向する側には、推進管の内径よりも若干小さな外径の第1リングガータ24を取り付けた。また、第2係合手段3における、第1係合手段2に対向する側には、同様の第2リングガータ34を取り付けた。そして、これらのリングガータ24,34の間には、4つの縁切りジャッキ(駆動手段)4を、推進管A,Ai+1の軸心Bに沿うように配置した。
さらに、推進管A,Ai+1の内径より若干小さい外径で推進管A,Ai+1の内壁に沿うと共に第2リングガータ34の近傍にまで延設された略円筒状の部材(以下、第1円筒状部材とする)51を第1リングガータ24の外周面に取り付け、第1円筒状部材51の内径よりも若干小さい外径で該第1円筒状部材51の内壁に沿うと共に第1リングガータ24の近傍にまで延設された略円筒状の部材(以下、第2円筒状部材とする)52を第2リングガータ34の外周面に取り付けた。
なお、第1リングガータ24の近傍においては、第1円筒状部材51と推進管Aとの間の間隙を全周に亘ってシールする環状のチューブパッカー(以下、第1チューブパッカーとする)53を第1円筒状部材51に取り付けて配置し、第2リングガータ34と推進管Ai+1との間の間隙を全周に亘ってシールする環状のチューブパッカー(以下、第2チューブパッカーとする)54を第2リングガータ34に取り付けて配置した。また、第2円筒状部材52の先端部の外周面全周には、第1円筒状部材51との間の隙間を閉塞する環状シール部材(図2の符号55参照)を貼着した。さらに、第1円筒状部材51の一部には、これらの円筒状部材51,52と推進管A,Ai+1との間隙に安定材を注入するための注入孔(図2の符号51a参照)を形成し、該注入孔51aには、図7に示すように安定材注入管90を接続しておいて、推進管A,Ai+1の隙間GPが大きくなるに従って、立抗Gの側から安定材(例えば、高粘度の泥水等)を注入できるようにした。その場合、注入された安定材の推進管内への漏れは、上述したチューブパッカー53,54や環状シール部材55により防止されることとなる。
次に、上述した既設推進管撤去装置1を用いて推進管を撤去する工法について説明する。
既設の推進管を撤去するには、撤去すべき推進管列Aの両端部に立抗(図4には一方の立抗Gのみを示す)を構築し、一方の立抗Gから既設推進管撤去装置1をクレーンで推進管開口部にまで下ろし、吊り下げた状態で推進管内部に挿入する。
次に、図4に示すように、既設推進管撤去装置1の奥側(図示右側)には、電動ウィンチ60を連結したワイヤ61の一端を取り付け、推進管列Aの他端開口部を閉塞するように隔壁7を配置すると共に、該隔壁7にワイヤ61の他端を取り付けた。そして、電動ウィンチ60を駆動して、撤去装置1を推進管列Aの奥へ移動させた。なお、図では、1つの撤去装置1のみが示されているが、必要に応じて、複数の撤去装置1を配置した。
このような撤去装置1の配備と相前後させて、立抗Gには、推進管列の開口部に対向する位置にアンカープレート80を配置しておき、該アンカープレート80は、推進管列Aの軸心方向Bに移動自在となるように構成しておく。また、この推進管列の開口端部を囲むように支圧壁81を配置しておき、アンカープレート80と支圧壁81との間には複数の牽引ジャッキ82,…を介装しておく。さらに、図5に示すように、推進管列を挟んで相対向した状態に配置されている隔壁7とアンカープレート80とは複数のPC鋼棒Cにて連結した。なお、符号Dは、PC鋼棒Cと隔壁7及びアンカープレート80との連結に用いたカプラーを示す。さらに、図6に示すように、撤去装置1の安定材注入孔(図2及び図6の符号51a参照)には安定材注入管90を接続し、隔壁7には埋め戻し材注入管91を接続した。なお、この隔壁7の側(図示右側)にはもう一つの立抗(不図示)が構築されているが、その立抗側のトンネル開口は仕切り板(不図示)にて閉塞して、該仕切り板と前記隔壁7とで密閉空間が形成されるようにした。一方、上述したグリッパージャッキ21,31や縁切りジャッキ4には油圧ホース(不図示)を接続し、各チューブパッカー53,54にはエアホース(不図示)を接続した。
次に、全てのグリッパージャッキ21,31を駆動し、押圧板20,30を推進管内壁に付勢させた。その状態で、エアホースからエアを供給してチューブパッカー53,54を膨らませ、円筒状部材51,52と推進管A,Ai+1との間のシールを行った。次に、これらのチューブパッカー53,54と円筒状部材51,52と推進管A,Ai+1とにより形成される密閉空間には、安定材注入管90から安定材を注入した(図7の符号E参照)。
この状態で縁切りジャッキ4を作動させるが、前記隔壁7はアンカープレート80及びPC鋼棒Cによって図示右方向への移動が禁止されているので、第2係合手段3の側は移動せず、第1係合手段2の方が推進管Aと共に移動し(図8の矢印F参照)、該推進管Aと周囲地山との間の縁切りがなされた。このような縁切り作業を、複数配置している全ての撤去装置に対して行った。
このようにして複数箇所の推進管の縁切りを完了させると、立抗側の牽引ジャッキ82を作動させた。これにより、ジャッキ82の駆動力(図9の符号F参照)は、アンカープレート80、PC鋼棒C及び隔壁7を介して推進管列の他端に伝えられ、牽引ジャッキ82のストロークの分だけ、推進管の全体が隔壁7と共に移動され(同図の符号F参照)、最前端の推進管(図9においては符号Ai−1で示される推進管)は立抗内に引き出されることとなる。この状態で、PC鋼棒Cの連結を一旦解き、立抗内に突出している推進管Ai−1を立抗経由で地上に搬出し、再び、上述のようにPC鋼棒Cにてアンカープレート80と隔壁7とを連結し、牽引ジャッキ82を作動させて、推進管列Aの1ストローク分の引抜きを行った。このような作業を繰り返して行うことにより、全ての推進管を地上に搬出した。なお、隔壁7の移動に伴って該隔壁7の右側の空隙が大きくなるが、該空隙には埋め戻し材注入管91により埋め戻し材を注入した。
図1は、本発明に係る既設推進管撤去装置の全体構成の一例を示す縦断面図である。 図2は、本発明に係る既設推進管撤去装置が駆動されたときの状態の一例を示す縦断面図である。 図3は、本発明に係る既設推進管撤去装置の構造の一例を示す横断面図である。 図4は、図1に示す既設推進管撤去装置を推進管列内にセットする様子を説明するための縦断面図である。 図5は、牽引ジャッキやPC鋼棒がセットされた状態の一例を示す縦断面図である。 図6は、安定材注入管や埋め戻し材注入管がセットされた状態の一例を示す縦断面図である。 図7は、安定材注入管や埋め戻し材注入管がセットされた状態の一例を示す縦断面図である。 図8は、推進管の縁切り作業の一例を示す縦断面図である。 図9は、推進管の牽引作業の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 既設推進管撤去装置
2 第1係合手段
3 第2係合手段
4 縁切りジャッキ(駆動手段)
A 推進管列
,Ai+1 推進管
C PC鋼棒(長尺状の部材)
G 立坑

Claims (5)

  1. 連設された複数の推進管の少なくとも1つの推進管の内周面に係合される第1係合手段と、
    該第1係合手段が係合された推進管以外の少なくとも1つの推進管の内周面に係合される第2係合手段と、
    これらの係合手段の近傍に配置されると共にそれらの係合手段に連結されていて、これらの係合手段を推進管の軸心に沿って相対移動するように駆動する駆動手段と、
    を設けて構成された既設推進管撤去装置。
  2. 前記駆動手段は、前記第1係合手段と前記第2係合手段との間に配置されて、それらの係合手段を互いに離間する方向に駆動する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の既設推進管撤去装置。
  3. 撤去しようとする推進管列の一端開口を閉塞するように隔壁を配置し、
    該隔壁には、地盤側に固定された少なくとも1本の長尺状の部材を係止し、
    前記駆動手段を駆動したときの反力を前記隔壁及び前記長尺状の部材にて取らせる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設推進管撤去装置。
  4. 複数の推進管が直列に接続された状態で地盤中に敷設されてなる推進管列を撤去する既設推進管撤去工法であって、
    該既設推進管撤去工法は、
    撤去すべき前記推進管列の両側の少なくとも一方の側に立坑を構築し、
    少なくとも1つの推進管に第1係合手段を係合させ、該第1係合手段が係合された推進管以外の少なくとも1つの推進管に第2係合手段を係合させ、これらの係合手段を、これらの係合手段の間に配置した駆動手段により推進管の軸心に沿って相対移動させて、前記第1係合手段又は前記第2係合手段の係合された推進管と周囲地山との間の縁切りを行い、
    前記推進管列につき所定箇所の縁切りが行われたところで、縁切りされた推進管を一体的に前記立抗の側に移動させ、該立抗側で、順次押し出されてくる推進管を取り外すようにして、
    構成した既設推進管撤去工法。
  5. 前記縁切りされた推進管の前記立抗の側への一体的な移動は、該立抗の側からの牽引動作により行う、
    ことを特徴とする請求項4に記載の既設推進管撤去工法。
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