JP4317377B2 - 指紋検出装置および指紋検出装置の製造方法 - Google Patents

指紋検出装置および指紋検出装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置および指紋検出装置の製造方法に関し、特に、磨耗などに対する十分な機械的強度を有するとともに、高い検出精度を得ることができる指紋検出装置および指紋検出装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、指紋を用いて個人の認証をおこなう場合には、その個人の指紋画像を光学的に取得して、あらかじめ登録された各個人の指紋画像と照合することが一般的であった。
【0003】
この光学的に指紋画像を取得する方式では、塵埃や汚れに対して脆弱であり、かつ装置の小型化が難しいという欠点がある。このため、指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を取得する伝熱式の指紋検出装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
この従来技術では、温度を検出する複数の検出部材を加熱し、各検出部材の温度変化を供給熱量と比較して熱損失を測定し、その熱損失に基づいて指紋画像を形成する。また、この指紋検出装置は、内部の温度検出素子や配線などを破壊などから保護するために、最上部の表面に保護層を設けている。保護層は、検出対象である指への熱伝導を妨げないように十分に薄く形成される。
【0005】
また、最近では、このような指紋検出装置を透明性の材料で構成し、携帯電話、ノートブックコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報機器のディスプレイ上に配設することもおこなわれるようになってきている。
【0006】
【特許文献1】
特表平11−503347号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の指紋検出装置では、保護層を薄く形成したことにより、磨耗などに対する指紋検出面の機械的強度が低下し、保護層としての機能を維持できなくなるという問題があった。
【0008】
これを解決するために、保護層を厚く形成したとしても、指紋検出面の機械的強度は向上するものの、検出素子と検出対象の指との間隔が大きくなって温度検出素子と指との間の熱伝導が悪化し、十分な検出精度が得られなくなるという問題があった。
【0009】
さらに、指紋検出装置を情報機器のディスプレイ上に設置する場合などには、指紋検出装置を透明性の材料で構成する必要があるが、従来の透明化された指紋検出装置は、上記のような問題をそのまま抱えているため、高い検出精度と十分な機械的強度を併せ持つことができず、実用化を妨げていた。
【0010】
この発明は、上述した問題(課題)を解消するためになされたものであり、磨耗などに対する十分な機械的強度を有するとともに、高い検出精度を得ることができる指紋検出装置および指紋検出装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1に係る指紋検出装置は、複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、前記温度検出素子上部の凸部領域の表面高さが前記配線上部の凸部領域の表面高さと略同等になるように該温度検出素子の上部に高熱伝導性材料により形成された嵩上げ膜と、前記温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面の凹部領域を充填して該積層表面を平坦化し、かつ、低熱伝導性材料によって形成された平坦化膜と、前記平坦化膜により平坦化された積層表面上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に係る指紋検出装置は、請求項1の発明において、前記基板は、石英、ガラス、サファイア等の透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、ポリシリコン、窒化タンタル、窒化クロム、ニッケル、白金、銅等の感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、酸化珪素、窒化珪素、ダイヤモンド、非導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記嵩上げ膜は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO等の透明性を有する高熱伝導性材料により形成され、前記平坦化膜は、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、SOG(Spin on Glass)等の透明性を有する低熱伝導性材料により形成され、前記表面導電膜は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に係る指紋検出装置は、複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、前記温度検出素子、配線および絶縁膜を積層した積層表面上の前記温度検出素子の上部領域を除いた部分に低熱伝導性材料によって形成された平坦化膜と、前記積層表面上の温度検出素子の上部領域および前記平坦化膜上に硬質の高熱伝導性材料によって平坦化されて形成された保護膜とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に係る指紋検出装置は、請求項3の発明において、前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に係る指紋検出装置は、請求項3の発明において、前記基板は、石英、ガラス、サファイア等の透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、ポリシリコン、窒化タンタル、窒化クロム、ニッケル、白金、銅等の感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO等の透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、酸化珪素、窒化珪素、ダイヤモンド、非導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記平坦化膜は、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、SOG等の透明性を有する低熱伝導性材料により形成され、前記保護膜は、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン、透明性を有する非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素等の透明性を有する硬質の高熱伝導性材料により形成されることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に係る指紋検出装置は、請求項5の発明において、前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備え、前記表面導電膜は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に係る指紋検出装置は、複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、前記温度検出素子、配線および絶縁膜を積層した積層表面上に硬質の高熱伝導性材料によって平坦化されて形成された保護膜を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項8に係る指紋検出装置は、請求項7の発明において、前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項9に係る指紋検出装置は、請求項7の発明において、前記基板は、石英、ガラス、サファイア等の透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、ポリシリコン、窒化タンタル、窒化クロム、ニッケル、白金、銅等の感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO等の透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、酸化珪素、窒化珪素、ダイヤモンド、非導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記保護膜は、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン、透明性を有する非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素等の透明性を有する硬質の高熱伝導性材料により形成されることを特徴とする。
【0020】
また、請求項10に係る指紋検出装置は、請求項9の発明において、前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備え、前記表面導電膜は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする。
【0021】
また、請求項11に係る指紋検出装置は、複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、前記温度検出素子上部の凸部領域の表面高さが前記配線上部の凸部領域の表面高さと略同等になるように該温度検出素子の上部に高熱伝導性材料により形成された嵩上げ膜と、前記温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面上に硬質の高熱伝導性材料によって形成された保護膜とを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項12に係る指紋検出装置は、請求項11の発明において、前記保護膜上に硬質の導電性材料によって平坦化して形成された表面導電膜をさらに備えたことを特徴とする。
【0023】
また、請求項13に係る指紋検出装置は、請求項11の発明において、前記基板は、石英、ガラス、サファイア等の透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、ポリシリコン、窒化タンタル、窒化クロム、ニッケル、白金、銅等の感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO等の透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、酸化珪素、窒化珪素、ダイヤモンド、非導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記嵩上げ膜は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO等の透明性を有する高熱伝導性材料により形成され、前記保護膜は、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン、透明性を有する非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素等の透明性を有する硬質の高熱伝導性材料により形成されることを特徴とする。
【0024】
また、請求項14に係る指紋検出装置は、請求項13の発明において、前記保護膜上に硬質の導電性材料によって平坦化して形成された表面導電膜をさらに備え、前記表面導電膜は、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン等の透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする。
【0025】
また、請求項15に係る指紋検出装置の製造方法は、複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置の製造方法において、前記温度検出素子上部の凸部領域の表面高さが前記配線上部の凸部領域の表面高さと略同等になるように該温度検出素子の上部に嵩上げ膜を高熱伝導性材料により形成する嵩上げ膜形成工程と、前記温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面の凹部領域を充填して該積層表面を平坦化する平坦化膜を低熱伝導性材料によって形成する平坦化膜形成工程と、前記平坦化膜により平坦化された積層表面上に硬質の導電性材料によって表面導電膜を形成する表面導電膜形成工程とを含んだことを特徴とする。
【0026】
また、請求項16に係る指紋検出装置の製造方法は、請求項15の発明において、前記平坦化膜形成工程は、前記積層表面の凹凸が少なくとも隠れるまで低熱伝導性材料を該積層表面に塗布する塗布工程と、塗布された前記低熱伝導性材料をプリベイクするプリベイク工程と、プリベイクされた前記低熱伝導性材料の領域のうち、前記積層表面の凸部領域の表面高さと略同等の高さより上に塗布された該低熱伝導性材料の領域が感光する条件で露光をおこなう露光工程と、露光された前記低熱伝導性材料の感光部分を現像して除去する現像工程と、除去されずに残った前記積層表面の凹部領域にある前記低熱伝導性材料をポストベイクするポストベイク工程とを含み、前記ポストベイク工程後の前記積層表面とポストベイクされた前記低熱伝導性材料とからなる表面の凹凸差が所定の値以下になるまで前記塗布工程、プリベイク工程、露光工程、現像工程およびポストベイク工程を繰り返すことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る指紋センサおよび指紋センサの製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る指紋検出装置の構成を示す図である。同図に示すように、この指紋検出装置1は、指紋画像を検出する指紋検出部10と、信号処理をおこなう信号処理部20と、指紋検出部10の配線に電圧を印加する駆動部21とを有する。
【0029】
ここで、この指紋検出装置1は、熱伝導方式による指紋検出装置である。具体的には、指紋検出部10の検出面11の下部にマトリックス状に複数のヒーターと複数の温度センサとを形成し、ヒータをラインごとに順次加熱して、その直後の温度上昇を複数の温度センサで検出して指紋画像を得るようにしたものである。
【0030】
すなわち、指の凸部が温度センサ上に存在する場合、ヒータによって与えられた熱が凸部に大きく流出し、指の凸部が温度センサ上に存在しない場合には、熱伝導性の低い空気層を介しているため、ヒータによって与えられた熱が指に流出しにくくなり、この熱の流出の大小に基づいた温度差を温度センサが検出することによって、指の凹凸、つまり指紋を検出することになる。
【0031】
次に、図1に示した指紋検出装置1の構造についてさらに具体的に説明する。図2は、図1に示した指紋検出部10の正面および断面構造を示す図である。この正面図では、断面図に示している絶縁膜112a〜112c、平坦化膜115および表面導電膜116は簡略化のため図示していない。ここでは、指紋検出部10を薄膜のパターニングプロセスにより形成する場合について説明する。
【0032】
同図に示すように、この指紋検出部10は、基板100、温度検出素子111、絶縁膜112a〜112c、配線113a、配線113b、嵩上げ膜114、平坦化膜115および表面導電膜116を有する。なお、これらの各構成部材は、請求項1または請求項2の同一名称の各構成部材に対応する。
【0033】
この指紋検出部10では、まず、基板100上に温度検出素子111が配設される。温度検出素子111は、温度を検出する温度センサとして機能するとともに、検出面11を加熱するヒータとしての機能をも有する抵抗素子である。なお、指紋のピッチが数百μm程度であることを考慮し、隣接する各温度検出素子111間のピッチは50〜100μm程度にしている。また、温度検出素子111の厚さは、0.1μm〜0.5μm程度である。
【0034】
配線113aおよび配線113bは、温度検出素子111に通電するための配線であり、L字型の温度検出素子111の端部と接続される。したがって、温度検出素子111は、配線113aおよび配線113bにより信号処理部20および駆動部21と接続される。配線113aおよび配線113bの厚さは、0.5μm〜1μm程度である。また、絶縁膜112aの厚さは、0.5μm〜1μm程度である。
【0035】
配線113aを形成する際には、配線113aを形成するのと同一の工程で嵩上げ膜114を形成する。同一の工程で嵩上げ膜114を形成することにより、配線113aの表面高さと嵩上げ膜114の表面高さとをほぼ同等とすることができる(断面B−B’参照。)。また、この嵩上げ膜114は、温度検出素子111により発生した熱を効率的に検出面11に伝達する役割を有する。嵩上げ層の厚さは、配線113aと同じく、0.5μm〜1μm程度である。
【0036】
表面高さがほぼ同等にされた配線113aおよび嵩上げ膜114上に、絶縁膜112bを介して配線113bが形成され、配線113bの上部には検出面11との電気的導通を防止する絶縁膜112cが形成される。ここで、嵩上げ膜114上部の絶縁膜112cの表面高さと配線113aおよび配線113b上部の絶縁膜112cの表面高さとはほぼ同等となっている(断面B−B’および断面C−C’参照。)。絶縁膜112bおよび絶縁膜112cの厚さは、0.5μm〜1μm程度である。
【0037】
なお、ここでは、嵩上げ膜114を配線113aと同一の工程で形成することとしたが、嵩上げ膜114を配線113bと同一の工程で形成してもよい。また、配線113aまたは配線113bを形成する工程とは別材料・別工程で嵩上げ膜114を形成し、配線113aまたは配線113bの表面高さと嵩上げ膜114の表面高さとをほぼ同等とするようにしてもよい。
【0038】
絶縁膜113cの凹部領域には平坦化膜115が形成され、凹凸が平坦化される。この平坦化膜115は、熱伝導率が小さい材料で形成され、個々の温度検出素子111から発生する熱が自身上部領域のみ加熱し、隣接する温度検出素子111の上部領域へ拡散するのを抑制し、指紋の検出精度を向上させる役割を有している。平坦化膜115の厚さは、1〜4μm程度である。
【0039】
さらに、平坦化膜115により平坦化された表面には、静電気等による指紋検出装置1の破壊を防止するため、硬質の導電性材料により表面導電膜116が形成され、外部に放電することによって静電気が除去される。また、表面導電膜116を静電容量型生体検知回路の電極の一つとすることにより、シリコンなどによって偽造された偽造指を本物と見分ける生体検知機能を追加することもできる。ここで、表面導電膜116の厚さは、0.5μm〜1μm程度である。
【0040】
この指紋検出部10の各構成部を形成する場合には、以下のような材料を用いる。まず、基板100には、石英、ガラス、ポリイミド、アルミナ、セラミックス、サファイア、数十μm以上の酸化膜が付いたシリコンウェハなどが用いられる。
【0041】
温度検出素子111は、室温近傍において、抵抗温度係数が大きく、抵抗値が数キロオーム程度の材料を用いるのが好ましい。具体的には、温度変化を電流変化で検出する感温半導体や、温度変化を抵抗変化で検出する測温抵抗体等の温度検出が可能な材料が用いられ、感温半導体の例としては、ポリシリコンなどが、測温抵抗体の例としては、ポリシリコン(好ましくは、不純物濃度を調整して、その抵抗値を数キロオームとしたもの。)、窒化タンタル、窒化クロム、ニッケル、白金、銅などが挙げられる。ここで、ポリシリコンは、感温半導体あるいは測温抵抗体として用いることができる。以下に説明する他の実施の形態でも同様である。
【0042】
配線113aおよび配線113bを形成する材料は、それらが発する熱による指紋検出精度の低下を防ぐため、温度検出素子111の抵抗値よりも2桁以上小さい配線抵抗値となるものが好ましい。具体的には、配線113aおよび配線113bには、アルミニウム、銅、金、銀、白金、酸化インジウム、酸化スズ、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電性材料が用いられる。また、嵩上げ膜114にも同様の材料が用いられ、これについては、高熱伝導性膜として機能する。
【0043】
絶縁膜112a〜112cには、酸化珪素、窒化珪素、ダイヤモンド、非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化タンタル、酸化アルミニウムなどの絶縁性材料が用いられる。
【0044】
平坦化膜115には、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、SOG(塗布ガラス材料、Spin on Glass)などの低熱伝導性材料が用いられる。平坦化膜115の材料として、感光性のポリベンゾオキサゾールや感光性のSOGなどの材料を選択した場合には、それを絶縁膜112c上に厚く塗布し、露光・現像処理によって不要部分を除去することによって平坦化膜115を形成する。
【0045】
また、感光性のないポリイミドやSOGなどを選択した場合でも、フォトリソグラフィおよびエッチング工程によってパターニングをおこなうことで、平坦化膜115を形成することができる。
【0046】
表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ニッケル、チタン、ニッケル−リン系メッキ、導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの硬質の導電性材料が用いられる。
【0047】
特に、この指紋検出装置1を情報機器などのディスプレイ上に配設する場合には、指紋検出部10全体を透明化するために、以下のような材料を用いる。まず、基板100には、石英、ガラス、サファイアなどの透明性材料が用いられる。
【0048】
また、温度検出素子111には、温度変化を電流変化で検出する感温半導体や、温度変化を抵抗変化で検出する測温抵抗体等の温度検出が可能な材料が用いられ、感温半導体の例としては、ポリシリコンなどが、測温抵抗体の例としては、ポリシリコン(好ましくは、不純物濃度を調整して、その抵抗値を数キロオームとしたもの。)、窒化タンタル、窒化クロム、ニッケル、白金、銅などが挙げられる。ここで、ポリシリコンは、感温半導体あるいは測温抵抗体として用いることができる。以下に説明する他の実施の形態でも同様である。
【0049】
ポリシリコンは、厚さが0.5μmで褐色透明性材料であるが、幅5μm、長さ20μm程度の微小・細線パターンとして50μm〜100μm程度のピッチで2次元的に配置することにより、指紋検出部10の透明性を確保することができる。他の不透明性材料の場合も、微小パターン、細線パターンとして形成することで同様に指紋検出部10の透明性を確保することができる。
【0050】
配線113aおよび配線113bには、酸化インジウム、酸化スズ、ITOなどの透明性の導電性材料が用いられる。また、嵩上げ膜114にも、同様の材料が用いられ、これについては、高熱伝導性膜として機能する。絶縁膜112a〜112cには、透明性の非導電性材料である酸化珪素、窒化珪素、ダイヤモンド、非導電性ダイヤモンドライクカーボンなどが用いられる。
【0051】
平坦化膜115には、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、SOGなどの透明性の低熱伝導性材料が用いられる。表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの透明性の硬質の導電性材料が用いられる。
【0052】
次に、図1に示した指紋検出部10の製造工程について説明する。図3は、図1に示した指紋検出部10の製造工程を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、温度検出素子111が基板100上に成膜・形成される(ステップS301)。
【0053】
続いて、基板100および温度検出素子111上に絶縁膜112aが成膜・形成される(ステップS302)。なお、この工程の中には、配線113aを温度検出素子111に接続するために、絶縁膜112aにコンタクトホールを形成する工程も含む。
【0054】
そして、配線113aと嵩上げ膜114とを同一材料・同一工程で成膜・形成し、配線113aと温度検出素子111とを接続する(ステップS303)。その後、絶縁膜112bを成膜・形成するが(ステップS304)、ここでは、配線113bを温度検出素子111に接続するために、絶縁膜112aおよび絶縁膜112bにコンタクトホールを形成しておく。
【0055】
続いて、配線113bを成膜・形成し、温度検出素子111と配線113bとを接続する(ステップS305)。そして、絶縁膜112bおよび配線113b上に絶縁膜112cの成膜・形成をおこなう(ステップS306)。
【0056】
絶縁膜112cの形成後は、絶縁膜112cの凹凸を平坦化するために、絶縁膜112cの凹部に平坦化膜の成膜・形成をおこなう(ステップS307)。そして最後に、表面導電膜116を成膜・形成し(ステップS308)、指紋検出部10の製造工程が終了する。
【0057】
次に、図3に示した指紋検出部10の平坦化膜115の形成工程について説明する。図4は、図3に示した指紋検出部10の平坦化膜115の形成工程を示すフローチャートであり、図5は、図3に示した指紋検出部10の平坦化膜115の形成工程の概念を示す図である。ここでは、絶縁膜112cの形成が終了した後の工程について説明をおこなう。
【0058】
図4に示すように、まず、絶縁膜112c上に平坦化膜115を形成する感光性材料を表面に凹凸がなくなるように厚く(10数μm程度)塗布し(ステップS401)、感光性材料を仮硬化させるためにプリベイクをおこなう(ステップS402)。図5(a)には、塗布した感光性材料の状態が示されている。
【0059】
そして、塗布した感光性材料全面に対し、嵩上げ膜114上部にある絶縁膜112cの、凸部領域の表面高さとほぼ同等の高さよりも上に塗布された感光性材料の領域が感光する露光条件で露光をおこなう(ステップS403)。図5(b)には、塗布された感光性材料に対して露光をおこなっている状態が示されている。
【0060】
続いて、現像液を用いて現像をおこない、感光した感光性材料の領域を除去する(ステップS404)。図5(c)には、感光した感光性材料の領域が除去された状態が示されている。その後、ポストベイクをおこない、感光性材料を硬化させる(ステップS405)。図5(d)には、感光性材料がポストベイクにより硬化された状態が示されている。
【0061】
図5(d)に示すように、ポストベイクをおこなうと、感光性材料が焼き締まって、その厚さがポストベイク以前の60〜80%程度となる。そのため、絶縁膜112cの凸部領域表面と感光性材料表面との凹凸がなくなるまで、上記の処理を繰り返す。
【0062】
具体的には、絶縁膜112cの凸部領域表面と感光性材料表面との間の凹凸差が、許容しうる凹凸差以下であるかどうかを調べる(ステップS406)。そして、凹凸差が許容しうる凹凸差よりも大きい場合には(ステップS406,No)、ステップS401に戻り、ステップS401からステップS406の工程を再度おこなう。凹凸差が許容しうる凹凸差よりも小さい場合には(ステップS406,Yes)、平坦化膜の形成工程を終了する。
【0063】
たとえば、ポストベイクによりそれ以前の厚さの70%にまで収縮する感光性材料を用いて、凹凸差が2μmの絶縁膜112cを平坦化する場合には、ステップS401からステップS405までの一回目の工程で、凹凸差が2×(1−0.7)=0.6μmにまで減少する。
【0064】
2回目の工程では、0.6×(1−0.7)=0.18μm、3回目の工程では、0.18×(1−0.7)=0.054μm、4回目の工程では、0.054×(1−0.7)=0.0162μmとなり、数回の工程をおこなうことで、凹凸差を10分の1以下にまで容易に減少させることができる。
【0065】
また、この方法によれば、絶縁膜112cの凹部に感光性材料を充填して凹凸を平坦化する際に、パターニングのためのフォトマスクを必要としないので、平坦化膜115の形成工程を簡略化することができる。
【0066】
さらに、この方法では、MP(Mechanical Polishing)処理やCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を必要とせずに、平坦化された表面を得ることができるため、製造コストを引き下げることができる。
【0067】
次に、図1に示した信号処理部20内に設けられる検出回路の構成について説明する。図6は、図1に示した信号処理部20内に設けられる検出回路の回路構成の一例を示す図である。
【0068】
図6において、検知回路22は、指紋検出部10内に設けられた温度センサの役割を果たす各温度検出素子111から温度に関するデータを受け取って温度を検知する回路である。具体的には、各温度検出素子111を繋ぐ垂直方向(列方向)に延びた256本の配線113aと、水平方向(行方向)に延びた256本の配線113bとを介して温度に関するデータを受け取る。なお、図6に示したIVアンプおよび差動アンプなどの回路は、温度信号を変換、増幅、ラッチする回路である。
【0069】
加熱および温度検出は、信号処理部20によっていずれかの行を選択し、駆動部21によってこの選択した行の温度検出素子111に所定電圧を印加することで行う。また、この選択する行を順次切り替え走査していくことで、全ての温度検出素子111について同様の加熱、温度検出を行うことができる。
【0070】
なお、加熱、温度検出を1行ずつ行っているのは、温度信号をラッチする検知回路22を各列毎にしか設けていないからである。このラッチする回路部を各行各列毎に設ければ、全ての温度検出素子111について一斉に加熱し、温度検出することができる。信号処理部20は、検知回路22以外に指紋のパターンを検出して指紋画像を生成する処理部を有する。
【0071】
ここで、指紋検出装置1を用いた指紋の検出概念について説明する。まず、認証者が検出面11に指を載置して所定の検出開始操作を行うと、駆動部21は、配線113aおよび配線113bを介して温度検出素子111のそれぞれに所定電圧を印加し、各温度検出素子111をそれぞれ発熱させる。これによって、検出面11には指紋の形状(パターン)に対応した温度分布が生じる。
【0072】
この場合、指紋の谷部では、皮膚と検出面11との間に断熱体である空気が介在しており、両者が直接接触することはないので、温度検出素子111によって発生した熱が検出面11から皮膚へと逃げにくく、温度検出素子111近傍の温度が高くなる。
【0073】
これに対して、指紋の山部では、皮膚が検出面11と直接的に接触するため、検出面11から皮膚へと熱が逃げやすいので、温度検出素子111近傍の温度が低下する。特に、本実施の形態1では、検出面11が平坦であるため、皮膚との接触が確実なものとなり、検出面11から指への熱伝導が良好になる。
【0074】
このようにして、検出面11に温度分布が生じると、信号処理部20は、この温度分布を計測する。具体的には、駆動部21が配線113aおよび配線113bを介して各温度検出素子111に所定電圧を印加した際に流れる電流値を、信号処理部20が計測することによって温度を検出する。さらに、このようにして得た温度分布をもとに指紋画像を生成する。
【0075】
上述してきたように、本実施の形態1では、温度検出素子111の上部に嵩上げ膜114を高熱伝導性材料により形成し、かつ、低熱伝導性材料により平坦化膜115を形成して絶縁膜112cの凹凸を平坦化し、その上部に硬質の表面導電膜116を形成することとしたので、磨耗などに対する指紋検出部10の機械的強度を維持するとともに、指紋の検出精度を向上させることができる。また、指紋検出部10の各構成部材を透明性材料で形成することにより、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出部10を得ることができる。
【0076】
(実施の形態2)
ところで、上記実施の形態1では、平坦化膜115を形成して検出面11を平坦化する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以外の構造で平坦化をおこなうこともできる。そこで、本実施の形態2では、平坦化膜115および保護膜117を形成し、検出面11を平坦化する場合について説明する。以降、上記実施の形態1と同様の部分については同一の符号を附すこととし、簡単な説明にとどめる。
【0077】
まず、本実施の形態2に係る指紋検出部10の構造について説明する。図7は、本実施の形態2に係る指紋検出部10の断面構造を示す図である。図示しない正面図は、図2において、嵩上げ膜114がなく、温度検出素子111の上部領域以外の部分に平坦化膜115があるものとなる(表面導電膜116は省略している。)。図7に示す断面構造は、その正面図において、図2の線A−A’に対応する線に沿って切断したときに見ることができるものである。
【0078】
同図に示すように、この指紋検出部10は、基板100、温度検出素子111、絶縁膜112a〜112c、配線113a、配線113b(図示は省略している。)、平坦化膜115、表面導電膜116および保護膜117を有する。なお、これらの各構成部材は、請求項3〜6の同一名称の各構成部材に対応する。
【0079】
この指紋検出部10では、基板100上に温度検出素子111、配線113aおよび配線113bを、絶縁膜112aおよび絶縁膜112bを介して積層し、最上部に絶縁膜112cを形成する。
【0080】
そして、温度検出素子111の上部領域以外の絶縁膜112c上に、低熱伝導性材料により平坦化膜115を形成する。この平坦化膜115は、個々の温度検出素子111から発生する熱が自身上部領域のみ加熱し、隣接する温度検出素子111の上部領域へ拡散するのを抑制する役割を有する。
【0081】
温度検出素子111上部の絶縁膜112cおよび平坦化膜115上には、硬質の高熱伝導性材料により保護膜117が形成される。この保護膜は、温度検出素子111で発生した熱を、検出面11に効率よく伝達する役割を担っている。さらに、保護膜117の表面には、硬質の導電性材料により表面導電膜116が形成される。
【0082】
具体的には、保護膜117は、導電性ダイヤモンドライクカーボン、非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素などの材料により形成される。また、表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ニッケル、チタン、ニッケル−リン系メッキ、導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの硬質の導電性材料が用いられる。
【0083】
特に、指紋検出部10全体を透明化する場合には、保護膜117に、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン、透明性を有する非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素などの透明かつ高熱伝導性の硬質材料が用いられる。保護膜117の厚さは、1μm〜5μm程度である。
【0084】
また、この場合の表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの透明性の硬質導電性材料が用いられる。表面導電膜116の厚さは、0.5μm〜1μm程度である。他の構成要素の材料および厚みは、実施の形態1で示したものと同様である。
【0085】
次に、図7に示した指紋検出部10の製造工程について説明する。図8は、図7に示した指紋検出部10の製造工程を示すフローチャートである。ここで、ステップS801〜ステップS806までは、嵩上げ膜114の形成が不要であることを除いて、実施の形態1の図3で示したステップS301〜ステップS306の工程と同様であるので、説明を省略する。
【0086】
同図に示すように、ステップS806で絶縁膜112cを形成した後、温度検出素子111の上部領域以外の絶縁膜112c上に、低熱伝導性材料により平坦化膜115を成膜・形成する(ステップS807)。そして、温度検出素子111上部の絶縁膜112cと平坦化膜115上に、硬質の高熱伝導性材料により保護膜117を成膜する(ステップS808)。
【0087】
続いて、MP処理またはCMP処理により保護膜117表面の研磨をおこない、表面の凹凸を平坦化して保護膜117を形成する(ステップS809)。そして最後に、平坦化された保護膜117上に、硬質材料により表面導電膜116を成膜・形成し(ステップS810)、指紋検出部10の製造工程を終了する。
【0088】
上述してきたように、本実施の形態2では、低熱伝導性材料により平坦化膜115を温度検出素子111の上部領域を除いた部分に形成し、温度検出素子111の上部領域および平坦化膜115上に保護膜117を形成して積層表面を平坦化し、その上に硬質の表面導電膜116を平坦に形成することとしたので、高い機械的強度を有するとともに、低熱伝導性の平坦化膜115および高熱伝導性の保護膜117の働きにより高い検出精度を有する指紋検出部10を得ることができる。また、指紋検出部10の各構成部材を透明性材料で形成することにより、透明な指紋検出部10を得ることができる。
【0089】
(実施の形態3)
ところで、上記実施の形態2では、保護膜117上に表面導電膜116を形成することとしたが、保護膜117を導電性材料で形成することにより、表面導電膜116を不要とすることができる。そこで、本実施の形態3では、実施の形態2における指紋検出部10の保護膜117を、導電性材料で形成した場合について説明する。
【0090】
まず、本実施の形態3に係る指紋検出部10の構造について説明する。図9は、本実施の形態3に係る指紋検出部10の断面構造を示す図である。実施の形態2の断面図との相違点は、表面導電膜116がない点のみであるので、図示しない正面図は、実施の形態2で説明したものと同様のものとなる。図9に示す断面構造は、その正面図において、図2の線A−A’に対応する線に沿って切断したときに見ることができるものである。
【0091】
同図に示すように、この指紋検出部10は、基板100、温度検出素子111、絶縁膜112a〜112c、配線113a、配線113b(図示は省略している。)、平坦化膜115および保護膜117を有する。なお、これらの各構成部材は、請求項3または請求項5の同一名称の各構成部材に対応する。
【0092】
この指紋検出部10では、保護膜117が高熱伝導性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの硬質材料により形成される。特に、指紋検出部10全体を透明化する場合には、透明性および高熱伝導性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどが用いられる。保護膜117の厚さは、1μm〜5μm程度である。他の構成要素の材料および厚みは、実施の形態2で説明したものと同様のものとなる。
【0093】
次に、図9に示した指紋検出部10の製造工程について説明する。この指紋検出部10には表面導電膜116がないので、その製造工程は、図8のステップS810がない場合とほぼ同様になる。
【0094】
すなわち、ステップS801〜ステップS807まで図8と同一の工程で平坦化膜115までを形成し、続いて、高熱伝導性を有する硬質の導電性材料により保護膜117を成膜し(ステップS808に相当する)、その後、保護膜117表面をMP処理またはCMP処理により研磨して平坦化された保護膜117を形成し(ステップS809に相当する)、指紋検出部10の製造工程を終了する。
【0095】
上述してきたように、本実施の形態3では、保護膜117を硬質の導電性材料により平坦化して形成することとしたので、表面導電膜116を形成する必要がなくなり、高い検出精度を有し、かつ、検出面11が平坦化された指紋検出部10を簡易かつ短時間で形成することができる。また、指紋検出部10の各構成部材を透明性材料で形成することにより、透明な指紋検出部10を得ることができる。
【0096】
(実施の形態4)
ところで、上記実施の形態2および3では、温度検出素子111の上部領域以外の部分に低熱伝導性の材料により平坦化膜115を形成することとしたが、温度検出素子111から検出面11までの厚さが比較的薄く、温度検出素子111から発した熱の大部分が検出面11に伝達するような場合には、平坦化膜115を形成しなくとも高い検出精度を維持することができる。
【0097】
そこで、本実施の形態4では、平坦化膜115を形成しないで、指紋検出部10を形成する場合について説明する。まず、本実施の形態4に係る指紋検出部10の構造について説明する。図10は、本実施の形態4に係る指紋検出部10の断面構造を示す図である。図示しない正面図は、図2において嵩上げ膜114がないものと同様のものとなる(表面導電膜116および保護膜117は省略している。)。図10に示す断面構造は、その正面図において、図2の線A−A’に対応する線に沿って切断したときに見ることができるものである。
【0098】
同図に示すように、この指紋検出部10は、基板100、温度検出素子111、絶縁膜112a〜112c、配線113a、配線113b(図示は省略している。)、表面導電膜116および保護膜117を有する。なお、これらの各構成部材は、請求項7〜10の同一名称の各構成部材に対応する。
【0099】
この指紋検出部10は、基板100上に温度検出素子111、配線113aおよび配線113bを、絶縁膜112aおよび絶縁膜112bを介して積層し、最上部に絶縁膜112cを形成する。そして、絶縁膜112c上に、硬質の高熱伝導性材料により平坦化された保護膜117を形成する。さらに、保護膜117上には、表面導電膜116を形成する。
【0100】
保護膜117は、導電性ダイヤモンドライクカーボン、非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素などの材料により形成される。また、表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ニッケル、チタン、ニッケル−リン系メッキ、導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの硬質の導電性材料が用いられる。
【0101】
特に、指紋検出部10全体を透明化する場合には、保護膜117に、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン、透明性を有する非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素などの透明かつ高熱伝導性の硬質材料が用いられる。保護膜117の厚さは、1μm〜5μm程度である。
【0102】
また、この場合の表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの透明性の硬質導電性材料が用いられる。表面導電膜116の厚さは、0.5μm〜1μm程度である。他の構成要素の材料および厚みは、実施の形態1で示したものと同様である。
【0103】
ここで、温度検出素子111と検出面11との距離は、隣り合う各温度検出素子111間の距離の10分の1程度であり、各温度検出素子111から発生した熱の大部分が自身上部の検出面11に伝達されるため、低熱伝導性材料により形成された平坦化膜115がなくとも検出精度の大幅な低下は生じない。
【0104】
次に、図10に示した指紋検出部10の製造工程について説明する。この指紋検出部10は平坦化膜115がないので、その製造工程は図8のステップS807がない場合とほぼ同様になる。
【0105】
すなわち、ステップS801〜ステップS806まで図8と同一の工程で絶縁膜112cまでを形成し、続いて、高熱伝導性を有する硬質材料により保護膜117を成膜する(ステップS808に相当する)。その後、保護膜117表面をMP処理またはCMP処理により研磨して平坦化された保護膜117を形成し(ステップS809に相当する)、最後に硬質材料により表面導電膜116を成膜・形成して(ステップS810に相当する)、指紋検出部10の製造工程を終了する。
【0106】
上述してきたように、本実施の形態4では、温度検出素子111から検出面11までの厚みが比較的薄く形成される場合に、平坦化膜115を形成せずに、平坦化された保護膜117を高熱伝導性材料により形成し、その上部に硬質材料により平坦化された表面導電膜116を形成することとしたので、指紋の検出精度および機械的強度を維持しつつ、製造工程を簡略化して、検出面11が平坦化された指紋検出部10を形成することができる。また、指紋検出部10の各構成部材を透明性材料で形成することにより、透明な指紋検出部10を得ることができる。
【0107】
(実施の形態5)
ところで、上記実施の形態4では、保護膜117上に表面導電膜116を形成することとしたが、保護膜117を導電性材料で形成することにより、表面導電膜116を不要とすることができる。そこで、本実施の形態5では、実施の形態4に係る指紋検出部10の保護膜117を、導電性材料で形成した場合について説明する。
【0108】
まず、本実施の形態5に係る指紋検出部10の構造について説明する。図11は、本実施の形態5に係る指紋検出部10の断面構造を示す図である。実施の形態4の断面図との相違点は、表面導電膜116がない点のみであるので、図示しない正面図は、実施の形態4で説明したものと同様のものとなる。図11の断面構造は、その正面図において、図2の線A−A’に対応する線に沿って切断したときに見ることができるものである。
【0109】
同図に示すように、この指紋検出部10は、基板100、温度検出素子111、絶縁膜112a〜112c、配線113a、配線113b(図示は省略している。)および保護膜117を有する。なお、これらの各構成部材は、請求項7または請求項9の同一名称の各構成部材に対応する。
【0110】
この指紋検出部10では、保護膜117が高熱伝導性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの硬質材料により平坦化して形成される。特に、指紋検出部10全体を透明化する場合には、透明性および高熱伝導性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどが用いられる。保護膜117の厚さは、1μm〜5μm程度である。他の構成要素の材料は、実施の形態4で説明したものと同様のものとなる。
【0111】
ここでも、実施の形態4と同様に、温度検出素子111と検出面11との距離は、隣り合う各温度検出素子111間の距離の10分の1程度であり、各温度検出素子111から発生した熱の大部分が自身上部の検出面11に伝達されるため、低熱伝導性材料により形成された平坦化膜115がなくとも検出精度の大幅な低下は生じない。
【0112】
次に、図11に示した指紋検出部10の製造工程について説明する。この指紋検出部10には平坦化膜115および表面導電膜116がないので、その製造工程は、図8のステップS807およびステップS810がない場合とほぼ同様になる。
【0113】
すなわち、ステップS801〜ステップS806まで図8と同一の工程で絶縁膜112cまでを形成し、続いて、高熱伝導性を有する硬質の導電性材料により保護膜117を成膜し(ステップS808に相当する)、最後に、保護膜117表面をMP処理またはCMP処理により研磨して平坦化された保護膜117を形成して(ステップS809に相当する)、指紋検出部10の製造工程を終了する。
【0114】
上述してきたように、本実施の形態5では、温度検出素子111から検出面11までの厚みが比較的薄く形成される場合に、平坦化膜115を形成せず、かつ、保護膜117を硬質の導電性を有する高熱伝導性材料によって平坦化して形成することとしたので、平坦化膜115および表面導電膜116を形成する必要がなくなり、製造工程をさらに簡略化して、指紋の検出精度および機械的強度を維持した指紋検出部10を形成することができる。また、指紋検出部10の各構成部材を透明性材料で形成することにより、透明な指紋検出部10を得ることができる。
【0115】
(実施の形態6)
ところで、上記実施の形態1、2および4では、表面導電膜116を形成する土台となる表面をまず平坦化して、その後、その表面上に表面導電膜116を形成することとしたが、その表面の平坦化をおこなわなず、凹凸のある表面上に表面導電膜116を平坦化して形成してもよい。そこで、本実施の形態6では、凹凸のある表面上に表面導電膜116を平坦化して形成する場合について説明する。
【0116】
まず、本実施の形態6に係る指紋検出部10の構造について説明する。図12は、本実施の形態6に係る指紋検出部10の断面構造を示す図である。図示しない正面図は、図2と同様のものとなる(表面導電膜116および保護膜117は省略している。)。図12の断面構造は、その正面図において、図2の線B−B’に対応する線に沿って切断したときに見ることができるものである。
【0117】
同図に示すように、この指紋検出部10は、基板100、温度検出素子111、絶縁膜112a〜112c、配線113a、配線113b(図示は省略している。)、表面導電膜116および保護膜117を有する。なお、これらの各構成部材は、請求項11〜14の同一名称の各構成部材に対応する。
【0118】
この指紋検出部10では、まず、基板100上に温度検出素子111、配線113aおよび配線113bを、絶縁膜112aおよび絶縁膜112bを介して積層し、最上部に絶縁膜112cを形成する。
【0119】
配線113aを形成する際には、配線113aを形成するのと同一の工程で嵩上げ膜114を形成し、配線113aの表面高さと嵩上げ膜114の表面高さとをほぼ同等とする。なお、ここでは、嵩上げ膜114を配線113aと同一の工程で形成することとしたが、嵩上げ膜114を配線113bと同一の工程で形成してもよい。また、配線113aまたは配線113bを形成する工程とは別工程で嵩上げ膜114を形成してもよい。
【0120】
絶縁膜112c上には、高熱伝導性を有する硬質材料により保護膜117が形成される。そして、保護膜117上には、表面導電膜116が硬質の導電性材料により平坦化されて形成される。
【0121】
この表面導電膜116を形成する際には、保護膜117凹部領域幅の2分の1以上の膜厚で表面導電膜116を積層する。この方法を用いることにより、保護膜117の凹部は自然に充填され、MP処理あるいはCMP処理をおこなわなくとも平坦な表面を有する表面導電膜116を形成することができる。
【0122】
保護膜117は、導電性ダイヤモンドライクカーボン、非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素などの材料により形成される。また、表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ニッケル、チタン、ニッケル−リン系メッキ、導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの硬質の導電性材料が用いられる。
【0123】
特に、指紋検出部10全体を透明化する場合には、保護膜117に、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン、透明性を有する非導電性ダイヤモンドライクカーボン、酸化珪素、窒化珪素などの透明かつ高熱伝導性の硬質材料が用いられる。保護膜117の厚さは、1μm〜5μm程度である。
【0124】
また、この場合の表面導電膜116には、酸化インジウム、酸化スズ、ITO、透明性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの透明性の硬質導電膜が用いられる。表面導電膜116の厚さは、0.5μm〜1μm程度である。他の構成要素の材料および厚みは、実施の形態1で示したものと同様である。
【0125】
次に、図12に示した指紋検出部10の製造工程について説明する。この指紋検出部10の製造工程は、図8のステップS807およびステップS809がない場合とほぼ同様になる。
【0126】
すなわち、ステップS801〜ステップS806まで図8と同一の工程で絶縁膜112cまでを形成する。ただし、配線113aを形成する際には、嵩上げ膜114を配線113aと同一材料・同一工程で形成する(ステップS803に相当する)。ここで、嵩上げ膜114を配線113bと同一の工程で形成してもよいこと、また、配線113aまたは配線113bを形成する工程とは別材料・別工程で形成してもよいことは、実施の形態1と同様である。
【0127】
ステップS806の後、硬質の高熱伝導性材料により保護膜117を成膜・形成する(ステップS808に相当する)。この場合には、保護膜117を平坦化するMP処理またはCMP処理による研磨はおこなわない。
【0128】
そして、保護膜117上に、保護膜117の凹部領域幅の少なくとも2分の1以上の膜厚で硬質の導電性材料を成膜し、表面導電膜116を形成する(ステップS810に相当する)。このように少なくとも2分の1以上の膜厚で成膜することで、保護膜117の凹部領域が自然に埋まり、容易に平坦な表面導電膜116の表面を形成することができる。
【0129】
上述してきたように、本実施の形態6では、表面導電膜116を形成する土台となる保護膜117表面の平坦化をおこなわなず、凹凸のある表面上に硬質材料により表面導電膜116を平坦化して形成することとしたので、実施の形態1〜5と同様に検出面11が平坦化された、高い検出精度および機械的強度を有する指紋検出部10を得ることができる。また、指紋検出部10の各構成部材を透明性材料で形成することにより、透明な指紋検出部10を得ることができる。
【0130】
ここで、本実施の形態6で説明した凹部領域を充填する方法は、実施の形態2で説明した図7の構造にも適用することができる。すなわち、図7の2つの平坦化膜115間に生じた凹部領域を充填する際に、その凹部領域幅の2分の1以上の厚みをもった保護膜116を積層することで、容易に平坦化された保護膜116を形成することができる。
【0131】
(実施の形態7)
ところで、上記実施の形態6では、凹凸のある保護膜117上に表面導電膜116を平坦化して形成することとしたが、検出面11が曝される磨耗などに対する使用環境がそれほど苛酷ではない場合には、保護膜117自体が硬質材料で形成されているので、平坦な表面導電膜116を形成しなくとも問題なく使用することができる。そこで、本実施の形態7では、平坦化した表面導電膜116を形成しないで、指紋検出部10を形成した場合について説明する。
【0132】
まず、本実施の形態7に係る指紋検出部10の構造について説明する。図13は、本実施の形態7に係る指紋検出部10の断面構造を示す図である。図示しない正面図は、実施の形態6で説明したものと同様のものとなる。図13の断面構造は、その正面図において、図2の線B−B’に対応する線に沿って切断したときに見ることができるものである。
【0133】
同図に示すように、この指紋検出部10は、基板100、温度検出素子111、絶縁膜112a〜112c、配線113a、配線113b(図示は省略している。)および保護膜117を有する。なお、これらの各構成部材は、請求項11または請求項13の同一名称の各構成部材に対応する。
【0134】
この指紋検出部10では、保護膜117が高熱伝導性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどの硬質材料により形成される。特に、指紋検出部10全体を透明化する場合には、透明性および高熱伝導性を有する導電性ダイヤモンドライクカーボンなどが用いられる。保護膜117の厚さは、1μm〜5μm程度である。他の構成要素の材料および厚みは、実施の形態6で説明したものと同様のものとなる。
【0135】
次に、図13に示した指紋検出部10の製造工程について説明する。この指紋検出部10には平坦化膜115および表面導電膜116がないので、その製造工程は、図8のステップS807およびステップS810がない場合とほぼ同様になる。また、MP処理またはCMP処理による平坦化研磨をおこなわないので、ステップS809の平坦化研磨工程は不要となる。
【0136】
すなわち、ステップS801〜ステップS806まで図8と同一の工程で絶縁膜112cまでを形成する。ただし、配線113aを形成する際には、嵩上げ膜114を配線113aと同一材料・同一工程で形成する(ステップS803に相当する)。ここで、嵩上げ膜114を配線113bと同一の工程で形成してもよいこと、また、配線113aまたは配線113bを形成する工程とは別材料・別工程で形成してもよいことは、実施の形態1と同様である。
【0137】
ステップS806の後、高熱伝導性および導電性を有する硬質材料により保護膜117を成膜・形成して(ステップS808およびステップS809に相当する)、指紋検出部10の製造工程を終了する。
【0138】
上述してきたように、本実施の形態7では、検出面11が曝される磨耗などに対する使用環境がそれほど苛酷ではない場合には、表面導電膜116を形成しないこととしたので、使用環境に応じて製造コストを安く抑え、十分な機械的強度と高い検出精度とを有する指紋検出部10を形成することができる。また、指紋検出部10の各構成部材を透明性材料で形成することにより、透明な指紋検出部10を得ることができる。
【0139】
(実施の形態8)
ところで、上記実施の形態1〜8では、指紋検出部10のさまざまな構造に対して透明な指紋検出部10を形成する場合についても説明してきたが、本実施の形態8では、そのようにして形成された、透明な指紋検出部10を有する指紋検出装置1を、携帯電話などの情報機器のディスプレイ上に配設した場合について説明する。
【0140】
図14は、指紋検出装置1が携帯電話の液晶ディスプレイ上に組み込まれた一例を示す図である。同図に示すように、この指紋検出装置1は液晶ディスプレイ33上に設置されるが、透明であるために、液晶ディスプレイ33の表示を指紋検出装置1を透かして読み取ることができる。したがって、指紋の検出面11の位置・指の置き方などの指示を液晶ディスプレイ33に表示させ、ユーザに通知することができる。
【0141】
信号処理ICチップ31は、温度検出素子111から温度データを受け取って温度を検知する検知回路22をICチップ化したものであり、検出された指紋データを制御回路基板34に出力する。また、駆動用ICチップ32は、加熱または温度検出のために、各温度検出素子111に所定電圧を印加する回路をICチップ化したものである。
【0142】
制御回路基板34は、携帯電話の制御回路を搭載した基板であるとともに、信号処理ICチップ31から受け取った指紋データを用いて指紋の照合をおこなう制御回路などを搭載したものである。
【0143】
信号処理ICチップ31および駆動用ICチップ32は、指紋検出部10が形成される基板100上に直接COG(Chip on Glass)実装されるか、基板100上に接続されるフレキシブル配線板41上にCOF(Chip on Film)実装される。
【0144】
図15は、信号処理ICチップ31および駆動用ICチップ32を指紋検出部10が形成される基板100上にCOG実装した一例を示す図であり、図16は、信号処理ICチップ31および駆動用ICチップ32を基板100上に接続されるフレキシブル配線板41上にCOF実装した一例を示す図である。
【0145】
図15に示すように、COG実装する場合には、基板100上に直接信号処理ICチップ31および駆動用ICチップ32を実装し、実装された信号処理ICチップ31および駆動用ICチップ32の電極部(図示せず)にフレキシブル配線板41が接続される。また、図16に示すように、COF実装する場合には、基板100上に接続されたフレキシブル配線板41上に信号処理ICチップ31および駆動用ICチップ32を実装する。
【0146】
上述してきたように、本実施の形態8では、透明に形成された指紋検出部10を有する指紋検出装置1を携帯電話などの情報機器のディスプレイ上に組み込むこととしたので、指紋検出装置10の設置に適した平坦部が少ない情報機器にも容易に配設できるという利点を有するとともに、情報機器の情報表示機能を損なうことなく指紋検出機能をディスプレイ上に実現でき、さらに、ディスプレイ表示を指紋取得時の案内情報として利用することができる。
【0147】
また、本実施の形態8では、透明に形成された指紋検出部10を有する指紋検出装置1を携帯電話などの情報機器のディスプレイ上に組み込むこととしたが、この指紋検出装置1を何らかのデザイン面上に配設してもよい。これにより、デザイン面を指紋検出部10を透かして見ることができ、そのデザインを有効に活用することができる。
【0148】
(他の実施の形態)
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0149】
たとえば、本実施の形態では、温度検出素子111の形状を微小L字型パターンとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のパターンを用いた場合にも適用することができる。
【0150】
図17は、温度検出素子111のパターン形状を細線のミアンダ状パターンとした場合の一例を示す図である。このようにすれば、温度検出素子111の細線化が図れ、温度検出素子111をさらに目立たなくすることができ、指紋検出部10の透明度をさらに向上させることができるようになる。
【0151】
また、本実施の形態では、指紋検出部10を構成する各構成部の好ましい厚さを記載したが、必要な検出精度が得られる場合は記載した以外の厚さとしてもよい。また、この指紋検出装置1を情報機器などのディスプレイ上に配設する場合などには、必要な検出精度が得られ、かつ、指紋検出部10を透かしてディスプレイの表示を確認できるように構成すれば、各構成部の厚みは任意に設定できる。
【0152】
また、本実施の形態では、温度検出素子111が温度センサとヒータとを兼ねた1層構造のものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度センサとヒータとを別構造とする2層構造としてもよい(特開2002−269548号公報参照。)。
【0153】
さらに、本実施の形態では、導電性の各部材を、絶縁膜112a〜112cを順次形成することにより絶縁することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁の目的を果たす範囲において、さまざまな絶縁方法を用いることができる。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、温度検出素子上部の凸部領域の表面高さと配線上部の凸部領域の表面高さが略同等になるように、温度検出素子の上部に嵩上げ膜を高熱伝導性材料により形成し、温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面の凹部領域を充填して積層表面を平坦化する平坦化膜を低熱伝導性材料によって形成し、その積層表面上に硬質の導電性材料によって表面導電膜を形成するようにし、温度検出素子上部に形成された嵩上げ膜が高熱伝導性であり、温度検出素子と配線間に形成された平坦膜が低熱伝導性であることから、指紋の検出精度が向上するとともに、表面導電膜が硬質の材料で平坦化されて形成されていることから、高い機械的強度を得ることができる。
【0155】
また、請求項2の発明によれば、指紋検出装置を構成する嵩上げ膜、平坦化膜および表面導電膜などの各部材を透明性を有する材料で構成することとしたので、高い指紋の検出精度と機械的強度とを有し、かつ、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出装置を得ることができる。
【0156】
また、請求項3の発明によれば、温度検出素子、配線および絶縁膜を積層した積層表面上の前記温度検出素子の上部領域を除いた部分に低熱伝導性材料によって平坦化膜を形成し、積層表面上の温度検出素子の上部領域および平坦化膜上に保護膜を硬質の高熱伝導性材料によって平坦化して形成するようにし、温度検出素子上部に形成された保護膜が高熱伝導性であり、配線の上部周辺領域に形成された平坦膜が低熱伝導性であることから、指紋の検出精度が向上するとともに、保護膜が硬質の材料で平坦化されて形成されていることから、高い機械的強度を得ることができる。
【0157】
また、請求項4の発明によれば、保護膜上に硬質の導電性材料により表面導電層を形成することとしたので、指紋検出装置に悪影響を与える静電気を除去し、かつ、高い機械的強度を得ることができる。
【0158】
また、請求項5の発明によれば、指紋検出装置を構成する平坦化膜や保護膜などの各部材を透明性を有する材料で構成することとしたので、高い指紋の検出精度と機械的強度とを有し、かつ、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出装置を得ることができる。
【0159】
また、請求項6の発明によれば、表面導電膜などの各部材を透明性を有する材料で構成することとしたので、高い指紋の検出精度と機械的強度とを有し、指紋検出装置に悪影響を与える静電気を除去し、さらに、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出装置を得ることができる。
【0160】
また、請求項7の発明によれば、温度検出素子、配線および絶縁膜を積層した積層表面上に保護膜を硬質の高熱伝導性材料によって平坦化して形成することとしたので、指紋の検出精度および機械的強度を維持しつつ、製造工程が簡略化された指紋検出装置を得ることができる。
【0161】
また、請求項8の発明によれば、保護膜上に硬質の導電性材料により表面導電層を形成することとしたので、指紋検出装置に悪影響を与える静電気を除去するとともに、高い機械的強度を有し、かつ、製造工程が簡略化された指紋検出装置を得ることができる。
【0162】
また、請求項9の発明によれば、保護膜などの各部材を透明性を有する材料で構成することとしたので、製造工程が簡略化され、高い指紋の検出精度と機械的強度とを有し、さらに、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出装置を得ることができる。
【0163】
また、請求項10の発明によれば、表面導電膜などの各部材を透明性を有する材料で構成することとしたので、高い指紋の検出精度と機械的強度とを有し、指紋検出装置に悪影響を与える静電気を除去し、さらに、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出装置を得ることができる。
【0164】
また、請求項11の発明によれば、温度検出素子上部の凸部領域の表面高さと配線上部の凸部領域の表面高さが略同等になるように、温度検出素子の上部に嵩上げ膜を高熱伝導性材料により形成し、温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面上に硬質の高熱伝導性材料によって保護膜を形成するようにし、温度検出素子上部に形成された嵩上げ膜が高熱伝導性であり、積層表面上に形成された保護膜が硬質かつ高熱伝導性であることから、高い検出精度と十分な機械的強度を有する、製造工程が簡略化された指紋検出装置を得ることができる。
【0165】
また、請求項12の発明によれば、保護膜上に硬質の導電性材料により表面導電膜を形成することとしたので、指紋検出装置に悪影響を与える静電気を除去するとともに、高い機械的強度を有し、かつ、製造工程が簡略化された指紋検出装置を得ることができる。
【0166】
また、請求項13の発明によれば、保護膜などの各部材を透明性を有する材料で構成することとしたので、製造工程が簡略化され、高い指紋の検出精度と十分な機械的強度とを有し、さらに、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出装置を得ることができる。
【0167】
また、請求項14の発明によれば、表面導電膜などの各部材を透明性を有する材料で平坦化して構成することとしたので、高い指紋の検出精度と機械的強度とを有し、指紋検出装置に悪影響を与える静電気を除去し、さらに、情報機器などのディスプレイ上に搭載することができる透明な指紋検出装置を得ることができる。
【0168】
また、請求項15の発明によれば、嵩上げ膜形成工程によって、温度検出素子上部の凸部領域の表面高さと配線上部の凸部領域の表面高さが略同等になるように、温度検出素子の上部に嵩上げ膜を高熱伝導性材料により形成し、平坦化膜形成工程によって、温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面の凹部領域を充填して積層表面を平坦化する平坦化膜を低熱伝導性材料により形成し、表面導電膜形成工程によって、その積層表面上に硬質の導電性材料により表面導電膜を形成するようにし、温度検出素子上部に形成された嵩上げ膜が高熱伝導性であり、温度検出素子と配線間に形成された平坦膜が低熱伝導性であることから、指紋の検出精度が向上するとともに、表面導電膜が硬質の材料で平坦化されて形成されていることから、高い機械的強度をもつ指紋検出装置を製造することができる。
【0169】
また、請求項16の発明によれば、積層表面の凹凸が少なくとも隠れるまで低熱伝導性材料を積層表面に塗布し、塗布された低熱伝導性材料をプリベイクし、プリベイクされた低熱伝導性材料の領域のうち、積層表面の凸部領域の表面高さと略同等の高さより上に塗布された低熱伝導性材料の領域が感光する条件で露光をおこない、露光された低熱伝導性材料の感光部分を現像して除去し、除去されずに残った積層表面の凹部領域にある低熱伝導性材料をポストベイクし、ポストベイク後の積層表面とポストベイクされた低熱伝導性材料とからなる表面の凹凸差が所定の値以下になるまで塗布、プリベイク、露光、現像およびポストベイクを繰り返すこととしたので、積層表面を平坦化するのにフォトマスクを用いる必要が無く、指紋検出装置の製造工程を簡略化し、製造コストを引き下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1に係る指紋検出装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した指紋検出部の正面および断面構造を示す図である。
【図3】図1に示した指紋検出部の製造工程を示すフローチャートである。
【図4】図3に示した指紋検出部の平坦化膜の形成工程を示すフローチャートである。
【図5】図3に示した指紋検出部の平坦化膜の形成工程の概念を示す図である。
【図6】図1に示した信号処理部内に設けられる検出回路の回路構成の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態2に係る指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図8】図7に示した指紋検出部の製造工程を示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態3に係る指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図10】本実施の形態4に係る指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図11】本実施の形態5に係る指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図12】本実施の形態6に係る指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図13】本実施の形態7に係る指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図14】指紋検出装置1が携帯電話の液晶ディスプレイ上に組み込まれた一例を示す図である。
【図15】信号処理ICチップおよび駆動用ICチップを指紋検出部が形成される基板上にCOG実装した一例を示す図である。
【図16】信号処理ICチップおよび駆動用ICチップを基板上に接続されるフレキシブル配線版上にCOF実装した一例を示す図である。
【図17】温度検出素子のパターン形状を細線の蛇行状パターンとした場合の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 指紋検出装置
10 指紋検出部
11 検出面
20 信号処理部
21 駆動部
22 検出回路
31 信号処理ICチップ
32 駆動用ICチップ
33 液晶ディスプレイ
34 制御回路基板
41 フレキシブル配線版
100 基板
111 温度検出素子
112a〜112c 絶縁膜
113a,113b 配線
114 嵩上げ膜
115 平坦化膜
116 表面導電膜
117 保護膜

Claims (16)

  1. 複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、
    前記温度検出素子上部の凸部領域の表面高さが前記配線上部の凸部領域の表面高さと略同等になるように該温度検出素子の上部に高熱伝導性材料により形成された嵩上げ膜と、
    前記温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面の凹部領域を充填して該積層表面を平坦化し、かつ、低熱伝導性材料によって形成された平坦化膜と、
    前記平坦化膜により平坦化された積層表面上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜と
    を備えたことを特徴とする指紋検出装置。
  2. 前記基板は、透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記嵩上げ膜は、透明性を有する高熱伝導性材料により形成され、前記平坦化膜は、透明性を有する低熱伝導性材料により形成され、前記表面導電膜は、透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする請求項1に記載の指紋検出装置。
  3. 複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、
    前記温度検出素子、配線および絶縁膜を積層した積層表面上の前記温度検出素子の上部領域を除いた部分に低熱伝導性材料によって形成された平坦化膜と、
    前記積層表面上の温度検出素子の上部領域および前記平坦化膜上に硬質の高熱伝導性材料によって平坦化されて形成された保護膜と
    を備えたことを特徴とする指紋検出装置。
  4. 前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の指紋検出装置。
  5. 前記基板は、透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記平坦化膜は、透明性を有する低熱伝導性材料により形成され、前記保護膜は、透明性を有する硬質の高熱伝導性材料により形成されることを特徴とする請求項3に記載の指紋検出装置。
  6. 前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備え、前記表面導電膜は、透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする請求項5に記載の指紋検出装置。
  7. 複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、
    前記温度検出素子、配線および絶縁膜を積層した積層表面上に硬質の高熱伝導性材料によって平坦化されて形成された保護膜を備えたことを特徴とする指紋検出装置。
  8. 前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の指紋検出装置。
  9. 前記基板は、透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記保護膜は、透明性を有する硬質の高熱伝導性材料により形成されることを特徴とする請求項7に記載の指紋検出装置。
  10. 前記保護膜上に硬質の導電性材料によって形成された表面導電膜をさらに備え、前記表面導電膜は、透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする請求項9に記載の指紋検出装置。
  11. 複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置において、
    前記温度検出素子上部の凸部領域の表面高さが前記配線上部の凸部領域の表面高さと略同等になるように該温度検出素子の上部に高熱伝導性材料により形成された嵩上げ膜と、
    前記温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面上に硬質の高熱伝導性材料によって形成された保護膜と
    を備えたことを特徴とする指紋検出装置。
  12. 前記保護膜上に硬質の導電性材料によって平坦化して形成された表面導電膜をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の指紋検出装置。
  13. 前記基板は、透明性材料により形成され、前記温度検出素子は、感温半導体または測温抵抗体により微小および/または細線パターンとして形成され、前記配線は、透明性を有する導電性材料により形成され、前記絶縁膜は、透明性を有する絶縁性材料により形成され、前記嵩上げ膜は、透明性を有する高熱伝導性材料により形成され、前記保護膜は、透明性を有する硬質の高熱伝導性材料により形成されることを特徴とする請求項11に記載の指紋検出装置。
  14. 前記保護膜上に硬質の導電性材料によって平坦化して形成された表面導電膜をさらに備え、前記表面導電膜は、透明性を有する硬質の導電性材料により形成されることを特徴とする請求項13に記載の指紋検出装置。
  15. 複数の温度検出素子、各温度検出素子に通電する配線および絶縁膜を基板上に積層して指を載置する検出面を形成し、前記検出面に指が載置された際に指紋の山部と谷部の伝熱特性の差に基づいて指紋画像を検出する指紋検出装置の製造方法において、
    前記温度検出素子上部の凸部領域の表面高さが前記配線上部の凸部領域の表面高さと略同等になるように該温度検出素子の上部に嵩上げ膜を高熱伝導性材料により形成する嵩上げ膜形成工程と、
    前記温度検出素子、配線、嵩上げ膜および絶縁膜を積層した積層表面の凹部領域を充填して該積層表面を平坦化する平坦化膜を低熱伝導性材料によって形成する平坦化膜形成工程と、
    前記平坦化膜により平坦化された積層表面上に硬質の導電性材料によって表面導電膜を形成する表面導電膜形成工程と
    を含んだことを特徴とする指紋検出装置の製造方法。
  16. 前記平坦化膜形成工程は、前記積層表面の凹凸が少なくとも隠れるまで低熱伝導性材料を該積層表面に塗布する塗布工程と、塗布された前記低熱伝導性材料をプリベイクするプリベイク工程と、プリベイクされた前記低熱伝導性材料の領域のうち、前記積層表面の凸部領域の表面高さと略同等の高さより上に塗布された該低熱伝導性材料の領域が感光する条件で露光をおこなう露光工程と、露光された前記低熱伝導性材料の感光部分を現像して除去する現像工程と、除去されずに残った前記積層表面の凹部領域にある前記低熱伝導性材料をポストベイクするポストベイク工程とを含み、前記ポストベイク工程後の前記積層表面とポストベイクされた前記低熱伝導性材料とからなる表面の凹凸差が所定の値以下になるまで前記塗布工程、プリベイク工程、露光工程、現像工程およびポストベイク工程を繰り返すことを特徴とする請求項15に記載の指紋検出装置の製造方法。
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