JP3792594B2 - 熱伝導指紋センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、人の指紋の凹凸パターンの凹部および凸部への伝熱特性の差に基づいて指紋を検出する熱伝導指紋センサに関し、特に、耐磨耗性、耐静電気性に優れた熱伝導指紋センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、指紋の凹部と凸部の伝熱特性の差に基づいて指紋を検出する技術が注目されている。たとえば、特開2000−97690号公報には、複数の発熱体を同一平面内に配置し、この発熱体にパルス電流を通電して加熱するとともに通電開始から所定時間後における発熱体の温度をそれぞれ検出し、各温度の相違により指紋の凸部と凹部のような凹凸パターンを検出するよう構成した固体表面の凹凸パターン検出方法が開示されている。
【0003】
具体的には、この従来技術では、単結晶シリコンの表面に設けたシリコン酸化膜上に単結晶シリコンからなる発熱体および金の薄膜からなる配線を2次元配設する。そして、これらの発熱体および配線を絶縁体であるシリコン酸化膜で覆うことにより絶縁および保護することとしている。この結果、このシリコン酸化膜が指紋センサの検出面を形成することとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術のようにシリコン酸化膜で発熱体および配線を覆うだけでは、検出面への指の載置が繰り返されることによって、検出面が磨耗するという問題がある。また、人間の体は帯電することがあるので、指紋を検出しようとする指に帯電した静電気に伴って発生した放電電流が発熱体や配線に流れ、指紋センサを破壊してしまうことがあるという問題がある。さらに、検出対象が生体であるかを検知することができないので、指紋のレプリカ等も本物の指紋と誤認してしまうという問題がある。
【0005】
なお、静電気の問題については、特開2001−120519号公報に、保護膜上に除電電極を配設して放電電流を除去する指紋センサが開示されている。しかし、この指紋センサは静電容量型であることから、保護膜上の一部にしか除電電極を配設することができず、放電電流の除去が不十分となる。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、耐磨耗性、耐静電気性に優れた熱伝導指紋センサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明に係る熱伝導指紋センサは、基板の上部に形成された検出面に載置された指の凹部および凸部への伝熱特性の差に基づいて指紋を検出する熱伝導指紋センサであって、前記基板上に感熱型凹凸検知素子および配線を2次元配設するとともにその上部を絶縁性薄膜で被覆し、前記絶縁性薄膜全体を硬質導電性薄膜で被覆し、前記硬質導電性薄膜全体を硬質絶縁性薄膜で被覆して前記検出面を形成したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明に係る熱伝導指紋センサは、請求項1の発明において、前記硬質導電性薄膜に接続され、指紋を検出しようとする指に帯電した静電気に伴って該硬質導電性薄膜に発生した放電電流を除去する静電気除去手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明に係る熱伝導指紋センサは、請求項1または2の発明において、前記硬質導電性薄膜は、硬質の金属膜、窒化金属膜、酸化金属膜または炭化金属膜などの導電性皮膜で形成された薄膜であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明に係る熱伝導指紋センサは、請求項1、2または3の発明において、前記硬質絶縁性薄膜は、硬質の酸化膜または窒化膜などの絶縁性皮膜で形成された薄膜であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る熱伝導指紋センサの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態1で用いる熱伝導指紋センサの外観構成について説明する。図1は、本実施の形態1に係る熱伝導指紋センサの外観構成を示す図である。同図に示すように、この熱伝導指紋センサ1は、指紋画像を検出する指紋検出部10と、信号処理をおこなう信号処理部20とからなる。ここで、この熱伝導指紋センサ1は、熱伝導方式によって指紋画像を取得する指紋センサであり、指紋検出部10の検出面の下部にヒーターと温度センサを兼用する複数の感熱型凹凸検知素子をマトリックス状に作り込み、ラインごとに順次加熱して、その直後の温度上昇を複数の感熱型凹凸検知素子すなわち温度センサで検出して指紋画像を得るようにしたものである。
【0014】
次に、図1に示した熱伝導指紋センサ1の構造についてさらに具体的に説明する。図2は、図1に示した指紋検出部10の断面構造を示す図である。図2に示すように、この熱伝導指紋センサ1は、基板100上に感熱型凹凸検知素子111およびアルミ配線113を配設することにより基板100上にヒーター兼センサ層110を形成することになる。ここでは説明の便宜上、図2に示す基板100上に2つの感熱型凹凸検知素子111のみを設けた場合を示したが、実際にはこの基板100上にたとえば256×256個(合計65536個)の感熱型凹凸検知素子111をマトリクス状に形成することになる。
【0015】
そして、感熱型凹凸検知素子111、アルミ配線113および基板100の上部を絶縁性薄膜112で覆い、絶縁性薄膜112全体を硬質導電性薄膜120で覆うこととしている。さらに、硬質導電性薄膜120全体を硬質絶縁性薄膜130で覆うとともに、硬質導電性薄膜120を静電気除去回路140に接続することとしている。
【0016】
基板100は、石英、ガラス、ポリイミド、アルミナ、表面を絶縁化したシリコンなどが用いられる。ただし、これに限定されるものではなくその他の絶縁性材料を用いることもできる。
【0017】
感熱型凹凸検知素子111は、検出面11を加熱するヒーターと、温度を検出する温度センサとしての役割を果たしているので、この感熱型凹凸検知素子111には、発熱素子としての特性と抵抗変化型の温度センサとしての特性が求められる。かかる感熱型凹凸検知素子111の材料としては、たとえばポリシリコン、アモルファスシリコンまたはITOなどがある。
【0018】
そして、かかる温度の検出は、この感熱型凹凸検知素子111に所定の電圧を印加しその時流れる電流の大きさを検出することによっておこなう。なお、ここでは温度を検出する役割のみを果たす温度検出素子は設けていないので、指紋検出部10の内部構造が単純化され、検出面11の表面状態(凹凸)を所望の状態とすることが容易となる。
【0019】
また、ここでは指紋の凹凸ピッチが数百μm程度であることを考慮して感熱型凹凸検知素子111の配列ピッチを50〜100μm程度にするとともに、感熱型凹凸検知素子111の厚さを0.5〜1μm程度にしている。
【0020】
絶縁性薄膜112は、感熱型凹凸検知素子111およびアルミ配線113などを絶縁するための薄膜である。この絶縁性薄膜112は、その特性上できるだけ薄くすることが求められるが、ここでは絶縁性薄膜112自体の厚さを1μm程度にしている。
【0021】
アルミ配線113は、感熱型凹凸検知素子111に電圧を印加して電流を流し、この電流の大きさを測定するための配線である。ここでは配線材料としてアルミニウムを用いているが、銅などを用いることもできる。
【0022】
硬質導電性薄膜120は、下層の絶縁性薄膜112の全面を被覆するように形成された連続膜である。この硬質導電性薄膜120の材料としては、硬質の金属膜、窒化金属膜、酸化金属膜または炭化金属膜などが用いられる。また、この硬質導電性薄膜120の厚さは、感熱型凹凸検知素子111の配置ピッチと比較して十分小さな値としている。
【0023】
硬質絶縁性薄膜130は、下層の硬質導電性薄膜120の全面を被覆するように形成された連続膜である。この硬質絶縁性薄膜130の材料としては、硬質の酸化膜、窒化膜などが用いられる。
【0024】
このように、硬質導電性薄膜120および硬質絶縁性薄膜130の2つの硬質の薄膜で指紋検出部10の全面を被覆することによって、全体の表面強度の向上をはかり、もって熱伝導指紋センサ1の耐磨耗性の向上をはかることとしている。
【0025】
静電気除去回路140は、硬質導電性薄膜120に接続され、指に帯電した静電気に伴って硬質導電性薄膜120に発生した放電電流を除去する回路である。
【0026】
ここで、硬質導電性薄膜120と静電気除去回路140を用いた熱伝導指紋センサ1の静電破壊防止について説明する。指紋を検出しようとする指が静電気を帯びた状態で検出面11に載置されると、指に帯電した静電気は硬質導電性薄膜120に放電される。そして、硬質導電性薄膜120に発生した放電電流は、静電気除去回路140によって直ちに除去される。
【0027】
すなわち、硬質導電性薄膜120と静電気除去回路140は、指紋を検出しようとする指に帯電した静電気を硬質導電性薄膜120に放電させ、発生した放電電流を静電気除去回路140で除去することによって、この放電電流が感熱型凹凸検知素子111やアルミ配線113に直接流れることを防ぎ、もって熱伝導指紋センサ1の耐静電気性の向上をはかることとしている。
【0028】
次に、図1に示した指紋検出部10内に設けられるヒーター/センサ回路41および信号処理部20内に設けられる検知回路42の回路構成並びにこのヒーター/センサ回路41に対する電圧パルスの印加タイミングについて説明する。図3は、図1に示した指紋検出部10内に設けられるヒーター/センサ回路41および信号処理部20内に設けられる検知回路42の回路構成並びにこのヒーター/センサ回路41に対する電圧パルスの印加タイミングの一例を示す図である。
【0029】
ヒーター/センサ回路41は、ヒーターおよび温度センサの役割を果たす感熱型凹凸検知素子111をたとえば256×256個マトリックス状に配置し、各感熱型凹凸検知素子111を水平方向(行)および垂直方向(列)にそれぞれ配設した256本のアルミ配線113で接続したものである。
【0030】
検知回路42は、マトリックス状に配置した各感熱型凹凸検知素子111から温度に係るデータを受け取って温度を検知する回路である。具体的には、各感熱型凹凸検知素子111をつなぐ水平方向(行)および垂直方向(列)のアルミ配線113を介して温度に係るデータを受け取る。なお、図中に示すIVアンプおよび差動アンプなどの回路は、温度信号を変換、増幅、保持する回路部分である。
【0031】
そして、加熱および温度検出は、信号処理部20によっていずれかの行を選択し、この選択した行の感熱型凹凸検知素子111に所定の定電圧パルスを印加することでおこなう。また、この選択する行を順次切り替え走査してゆくことで、すべての感熱型凹凸検知素子111について同様の加熱、温度検出をおこなうことができる。
【0032】
ここで、この信号処理部20では、行を単に順々にずらしながらヒーター/センサ回路41へ電圧パルスを印加しているのではなく、行間隔をあけながら各行に順次電圧パルスを印加している。行間隔をあけることとした理由は、隣接した感熱型凹凸検知素子111を順次加熱することにより生ずる平面的分解能の低下を防ぐためである。
【0033】
たとえば、感熱型凹凸検知素子111を発熱させるべくヒーター/センサ回路41の端子T1に電圧パルスP1を印加するとともに、引き続きこの端子T1に隣接する端子T2に電圧パルスP2を印加した場合には、最初の電圧パルスP1により本来熱したい感熱型凹凸検知素子R1の周囲だけではなく感熱型凹凸検知素子R2の周囲にも熱が伝播することになるので、その後に感熱型凹凸検知素子R2の温度を検出するための電圧パルスを端子T2に印加したとしても、この感熱型凹凸検知素子R2の周囲は熱を保持していることとなり、結果的に平面的分解能が低下する。
【0034】
このため、ここでは図3に示すように端子T1に電圧パルスP1を印加したならば、次に行間隔をあけて端子T3に電圧パルスP2を印加するよう制御して、感熱型凹凸検知素子R1による発熱の感熱型凹凸検知素子R3に対する影響を低減し、もって平面的分解能を高めるとともに検出時間を短縮化している。なお、たとえば1行目、33行目、65行目、97行目、129行目、…というよう32行間隔をあけつつこれらの行に同時に電圧パルスを印加することもできる。この場合には、次回はたとえば3行目、35行目、67行目、99行目、131行目、…について同時に電圧パルスが印加される。
【0035】
また、図3に示すように、ヒーター/センサ回路41の列のアルミ配線113と検知回路42のIVアンプは、それぞれ数列ごとにスイッチSWにより切り替え接続される。かかるスイッチSWを設けた理由は、隣接した列が同時に加熱されないようにするためである。また、各感熱型凹凸検知素子111には、ダイオードが設けられる。スイッチSWにより端子が解放された列に電流が流れ込まないようにするためである。
【0036】
次に、上記感熱型凹凸検知素子111に電圧パルスを印加してヒーターとして加熱するタイミングとこの感熱型凹凸検知素子111により温度を検出するタイミングとの関係について説明する。図4は、図3に示した感熱型凹凸検知素子111に電圧パルスを印加してヒーターとして加熱するタイミングとこの感熱型凹凸検知素子111により温度を検出するタイミングとの関係を説明するための説明図である。
【0037】
同図(a)に示すように、指が検出面11に載置された後、指紋を検出する為の電圧を印加した時刻tsから所定時間後の時刻teに電圧の印加を終了すると、同図(b)に示すように、時刻tsから感熱型凹凸検知素子111の周囲の温度が上昇を開始し、時刻teから感熱型凹凸検知素子111の周囲の温度が低下する。ここで、指紋の谷部と山部の温度上昇特性は図示したように異なるため、この温度上昇特性の違いを利用して指紋の山部と谷部を検出することになる。
【0038】
具体的には、検知回路42のIVアンプの出力である検出電流は同図(c)のようになるので、感熱型凹凸検知素子に電圧を印加したと同時(時刻ts)または電圧を印加した直後(時刻ts+α;ただしαは定数)の温度が上がっていない状態での電流値をホールドする。また、同図(d)に示すように、時刻ts+β後(時刻te)の差動信号すなわち温度変動を検出し、ΔV(山部)とΔV(谷部)の電圧差を利用して指紋の山部と谷部を検出する。すなわち、時刻tsまたはts+α時点での温度に対応する電流値と、電圧パルスの立ち下がり時点である時刻teでの電流値との差動信号を検出し、この検出値に基づいて指紋の山部と谷部を検出する。この際、電圧パルスの印加時間を固定すれば、時刻teは時刻tsまたはts+αから所定時間後になるので、電圧パルスの立ち下がりを意識しなくとも温度の検出タイミングを容易に把握することができる。
【0039】
なお、ホールドのタイミングや差動出力のタイミングは、図示しないタイミング信号制御回路からのタイミング信号に基づいて各々行われている。また、検出面11へ指が圧着された場合の検知は、図示しない方法により、例えば、検出面に生体検知センサを設けて指が置かれたときのインピーダンスの変化により検知したり、別途押圧検知センサにより検出面に所定の圧力が加わったことを検知したりして行う。
【0040】
ここで、本実施の形態1では、指を検出面11に載置した後、指紋の検出を開始するために電圧を印加した時刻tsまたは電圧を印加した直後の時刻ts+αでの電流値をホールドしている点が重要である。ここで、この時刻tsは電圧パルスの立ち上がりであるので、電圧パルスの立ち上がり時点またはその直後の電流をホールドすることになる。すなわち、指を検出面11に載置する前の定常状態での電流値をホールドすることとすると、環境温度による検出精度への影響が大きくなり、たとえば検出面11の温度が体温より低くなれば、ΔV(山部)の値が大きくなり、かかる山部が谷部とみなされる可能性が生ずるからである。
【0041】
上述してきたように、本実施の形態1によれば、基板100上に感熱型凹凸検知素子111およびアルミ配線113を2次元配設し、感熱型凹凸検知素子111、アルミ配線113および基板100の上部を絶縁性薄膜112で覆い、絶縁性薄膜112全体を硬質導電性薄膜120で覆い、さらに、硬質導電性薄膜120全体を硬質絶縁性薄膜130で覆うように構成したので、全体の表面強度の向上をはかり、もって熱伝導指紋センサ1の耐磨耗性の向上をはかることができる。
【0042】
また、硬質導電性薄膜120を静電気除去回路140に接続するように構成したので、指紋を検出しようとする指に帯電した静電気に伴って硬質導電性薄膜120に発生した放電電流を除去することができ、この放電電流が感熱型凹凸検知素子111やアルミ配線113に直接流れることを防ぎ、もって熱伝導指紋センサ1の耐静電気性の向上をはかることができる。
【0043】
なお、本実施形態1では、絶縁性薄膜112で感熱型凹凸検知素子111、アルミ配線113および基板100の上部を一定の厚さで覆うこととしたが、絶縁性薄膜112を平坦化膜とすることもできる。すなわち、絶縁性薄膜112の表面が平坦になるように、感熱型凹凸検知素子111およびアルミ配線113の上部は絶縁性薄膜112で薄く覆い、基板100の上部は絶縁性薄膜112で厚く覆うこともできる。
【0044】
図5は、絶縁性薄膜として平坦化膜を利用する場合の指紋検出部10の断面構造を示す図である。図5に示すように、この指紋検出部10は、感熱型凹凸検知素子111およびアルミ配線113を配設するヒーター兼センサ層510の表面が平坦になるように、感熱型凹凸検知素子111、アルミ配線113および基板100の上部を絶縁性薄膜512で覆うこととしている。
【0045】
そして、絶縁性薄膜512全体を平坦な硬質導電性薄膜520で覆い、硬質導電性薄膜520全体を平坦な硬質絶縁性薄膜530で覆うとともに、硬質導電性薄膜520を静電気除去回路140に接続することとしている。このように、絶縁性薄膜512を平坦化膜とすることで、硬質導電性薄膜520および硬質絶縁性薄膜530を平坦にすることができ、もって硬質導電性薄膜520および硬質絶縁性薄膜530の作成を容易にすることができる。
【0046】
(実施の形態2)
ところで、上記実施の形態1では、生体検知は別途おこなうこととしたが、熱伝導指紋センサを用いて指紋を検出するとともに生体検知をおこなう装置を実現することができる。そこで、本実施の形態2では、熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置について説明する。なお、ここでは説明の便宜上、上記実施の形態1と共通する機能部などについては同一符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
【0047】
まず、本実施の形態2に係る熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置の外観構成について説明する。図6は、本実施の形態2に係る熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置の外観構成を示す図である。図6に示すように、この熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置6は、検出面61が指紋検出部60と生体検知用外付け電極62とからなる。ここで、指紋検出部60と生体検知用外付け電極62は絶縁することとし、生体検知をしようとする指は、指紋検出部60と生体検知用外付け電極62の両方に接触するように載置することとする。
【0048】
次に、図6に示した熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置6の構造についてさらに具体的に説明する。図7は、図6に示した指紋検出部60の断面構造を示す図である。図7に示すように、この熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置6は、指紋検出部60と、生体検知用外付け電極62と、静電気除去回路140と、生体検知回路70とからなる。
【0049】
指紋検出部60は、基板100上に感熱型凹凸検知素子を配設し、その上部を絶縁性薄膜112で覆い、さらに、絶縁性薄膜112全体を硬質導電性薄膜720で覆うこととしている。ここで、この硬質導電性薄膜720は、検出面61を形成する層であり、耐食性を有する材料が用いられる。たとえば、この硬質導電性薄膜720の材料として、TiNをあげることができる。
【0050】
生体検知用外付け電極62は、静電気除去回路140を経由して生体検知回路70に接続される生体検知のための電極である。この生体検知用外付け電極62は、硬質導電性薄膜720とともに検出面61を形成しており、硬質導電性薄膜720と同様に耐食性を有する材料が用いられる。
【0051】
静電気除去回路140は、硬質導電性薄膜720および生体検知用外付け電極62に接続され、生体検知をしようとする指に帯電した静電気に伴って硬質導電性薄膜720および生体検知用外付け電極62に発生した放電電流を除去する回路である。
【0052】
生体検知回路70は、硬質導電性薄膜720と生体検知用外付け電極62を電極として、2つの電極間のインピーダンスを測定することにより生体を検知する回路である。
【0053】
ここで、硬質導電性薄膜720と生体検知用外付け電極62を電極とする生体検知について説明する。生体検知をしようとする指が硬質導電性薄膜720と生体検知用外付け電極62の両方に接触するように載置されると、硬質導電性薄膜720と生体検知用外付け電極62との間のインピーダンスが増加する。その理由は、人間の指はシリコン偽造指などの絶縁体と比べて数百〜数万倍のインピーダンスを示すためである。
【0054】
したがって、硬質導電性薄膜720と生体検知用外付け電極62との間のインピーダンスを測定することにより、生体を検知することが可能となる。ここで、生体検知回路70としては、インピーダンスに応じた周波数の電圧を発生しこの周波数を測定することによって生体を検知する回路、高周波信号を発信しその反射レベルを測定することによって生体を検知する回路などを用いることができる。
【0055】
上述してきたように、本実施の形態2では、指紋検出部60の硬質導電性薄膜720と生体検知用外付け電極62で検出面61を構成し、硬質導電性薄膜720と生体検知用外付け電極62を静電気除去回路140を経由して生体検知回路70に接続する構成としたので、検出面61に載置された指の指紋を検出するだけでなく、検出面61に載置された指が生体であるかを同時に検知することができる。
【0056】
なお、本実施の形態2では、絶縁性薄膜112で感熱型凹凸検知素子111、アルミ配線113および基板100の上部を一定の厚さで覆うこととしたが、絶縁性薄膜112を平坦化膜とすることもできる。
【0057】
図8は、絶縁性薄膜として平坦化膜を利用する場合の指紋検出部60の断面構造を示す図である。図8に示すように、この指紋検出部60は、感熱型凹凸検知素子111およびアルミ配線113を配設するヒーター兼センサ層510の表面が平坦になるように、感熱型凹凸検知素子111、アルミ配線113および基板100の上部を絶縁性薄膜512で覆うこととしている。すなわち、図7で示す絶縁性薄膜112の表面が平坦になるように、感熱型凹凸検知素子111およびアルミ配線113の上部は絶縁性薄膜112で薄く覆い、基板100の上部は絶縁性薄膜112で厚く覆うことで対応する。
【0058】
そして、絶縁性薄膜512全体を平坦な硬質導電性薄膜820で覆うとともに、硬質導電性薄膜820を静電気除去回路140を経由して生体検知回路70に接続することとしている。このように、絶縁性薄膜512を平坦化膜とすることで、硬質導電性薄膜820を平坦にすることができ、もって硬質導電性薄膜820の作成を容易にすることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、基板上に感熱型凹凸検知素子および配線を2次元配設するとともにその上部を絶縁性薄膜で被覆し、絶縁性薄膜全体を硬質導電性薄膜で被覆し、硬質導電性薄膜全体を硬質絶縁性薄膜で被覆して検出面を形成するよう構成したので、全体の表面強度の向上をはかることができ、もって耐磨耗性に優れた熱伝導指紋センサが得られるという効果を奏する。
【0060】
また、請求項2の発明によれば、指紋を検出しようとする指に帯電した静電気に伴って硬質導電性薄膜に発生した放電電流を除去するよう構成したので、この放電電流が感熱型凹凸検知素子や配線に直接流れることを防ぎ、もって耐静電気性に優れた熱伝導指紋センサが得られるという効果を奏する。
【0061】
また、請求項3の発明によれば、硬質の金属膜、窒化金属膜、酸化金属膜または炭化金属膜などの導電性皮膜で硬質導電性薄膜を形成するよう構成したので、耐磨耗性に優れた熱伝導指紋センサが得られるという効果を奏する。
【0062】
また、請求項4の発明によれば、硬質の酸化膜または窒化膜などの絶縁性皮膜で硬質絶縁性薄膜を形成するよう構成したので、耐磨耗性に優れた熱伝導指紋センサが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1に係る熱伝導指紋センサの外観構成を示す図である。
【図2】図1に示した指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図3】図1に示した指紋検出部内に設けられるヒーター/センサ回路および信号処理部内に設けられる検知回路の回路構成並びにこのヒーター/センサ回路に対する電圧パルスの印加タイミングの一例を示す図である。
【図4】図3に示した感熱型凹凸検知素子に電圧パルスを印加してヒーターとして加熱するタイミングとこの感熱型凹凸検知素子により温度を検出するタイミングとの関係を説明するための説明図である。
【図5】図1に示した指紋検出部の絶縁性薄膜を平坦化膜とした場合の断面構造を示す図である。
【図6】本実施の形態2に係る熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置の外観構成を示す図である。
【図7】図6に示した指紋検出部の断面構造を示す図である。
【図8】図6に示した指紋検出部の絶縁性薄膜を平坦化膜とした場合の断面構造を示す図である。
【符号の説明】
1 熱伝導指紋センサ
6 熱伝導指紋センサを用いた生体検知装置
10,60 指紋検出部
11,61 検出面
20 信号処理部
41 ヒーター/センサ回路
42 検知回路
62 生体検知用外付け電極
70 生体検知回路
100 基板
110,510 ヒーター兼センサ層
111 感熱型凹凸検知素子
112,512 絶縁性薄膜
113 アルミ配線
120,520,720,820 硬質導電性薄膜
130,530 硬質絶縁性薄膜
140 静電気除去回路

Claims (4)

  1. 基板の上部に形成された検出面に載置された指の凹部および凸部への伝熱特性の差に基づいて指紋を検出する熱伝導指紋センサであって、
    前記基板上に感熱型凹凸検知素子および配線を2次元配設するとともにその上部を絶縁性薄膜で被覆し、前記絶縁性薄膜全体を硬質導電性薄膜で被覆し、前記硬質導電性薄膜全体を硬質絶縁性薄膜で被覆して前記検出面を形成したことを特徴とする熱伝導指紋センサ。
  2. 前記硬質導電性薄膜に接続され、指紋を検出しようとする指に帯電した静電気に伴って該硬質導電性薄膜に発生した放電電流を除去する静電気除去手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導指紋センサ。
  3. 前記硬質導電性薄膜は、硬質の金属膜、窒化金属膜、酸化金属膜または炭化金属膜などの導電性皮膜で形成された薄膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱伝導指紋センサ。
  4. 前記硬質絶縁性薄膜は、硬質の酸化膜または窒化膜などの絶縁性皮膜で形成された薄膜であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の熱伝導指紋センサ。
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