JP4315934B2 - 磁気ディスク評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータの外部記憶装置等として使用される磁気ディスク装置に搭載される磁気ディスクの信頼性評価試験を行う磁気ディスク評価装置に関する。
製品用に製造された磁気ディスクは、磁気ディスク装置に搭載される前に、所定の浮上保証高さを満たしているか、否かが評価(検査)される。そのために、磁気ディスク評価装置が使用される。近年の磁気ディスク装置の高記録密度化に伴い、グライドハイトも小さくなってきており、磁気ディスク評価装置で用いるグライドハイトヘッドへの性能要求は厳しくなっている。
また、グライドハイトヘッドが磁気ディスクと接触した際に発する検出信号に基づいて行う磁気ディスクの評価については、より高精度に行うことが必要となってきている。
近年、磁気ディスク装置は高記録密度化、小型化が著しい。これに伴い、磁気ヘッドが磁気ディスク表面から浮上している高さとなる浮上量についても、ますます小さくしなければならない。このように浮上量を小さくするためには、磁気ディスク表面の表面粗さを小さくする必要がある。
ところで、従来から現在に至るまで多く用いられているCSS方式では、磁気ディスクの停止時には磁気ヘッド浮上面と磁気ディスク面とが接触している。そして、磁気ディスクの回転に伴って生じる空気流の作用で磁気ヘッドが浮上する。このため、上記CSS方式では、前記のように磁気ディスクの表面粗さを小さくすると、磁気ディスクの停止時における磁気ヘッドの接触面と磁気ディスク面との間の接触面積が大きくなり、磁気ディスク装置の回転起動時に、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間で吸着障害が生じて問題となる。この問題に対処するため、磁気ディスク表面にテクスチャ加工と称して、人工的に微細な凹凸を設ける処理が広く採用され、この手法により上記問題の発生を抑制している。
上記のように、一方では磁気ヘッドの浮上量を小さくするために磁気ディスク表面の表面粗さを小さくすることへの要求があり、他方では磁気ディスク表面での吸着防止のために微細な凹凸を設けることへの要求がある。これらの要求各々を追求すると相反することになるので、両要求をバランスよく調整して磁気ディスクを設計することが必要となる。そのためには、製品として製造した磁気ディスクを正確に評価できる浮上保証評価を行う装置が必要となる。
ここで、上記浮上保証評価の考え方を以下に簡単に述べる。磁気ディスク装置で使用する磁気ヘッドの浮上量よりも多少なりとも小さな浮上量で、グライドハイト評価用のヘッド(以下、グライドハイト評価ヘッド)を磁気ディスク面上に浮上させる。また、グライドハイト評価ヘッドと磁気ディスクとの間の接触を検出するためピエゾ素子等の接触検出センサを配設する。
上記浮上保証評価の試験では、ある値以下ではグライドハイト評価ヘッドは磁気ディスク表面にある突起の一部と接触を引き起こすが、その値を越えるとグライドハイト評価ヘッドと磁気ディスクとの接触が決して引き起こされないような浮上量を特定することができる。このように、グライドハイト評価ヘッドが磁気ディスクと接触しない下限の高さとして特定された浮上量をグライドハイト(Glide Height)という。このグライドハイトは磁気ディスクの浮上保証高さということになる。
そして、実際の磁気ディスク装置では、このグライドハイトより僅かに大きい(高い)フライングハイトにより磁気ヘッドを浮上させるように設定する。よって、磁気ディスクのグライドハイトを目標値以下に抑えないと磁気ディスク装置の信頼性が損なわれることになる。
前述した理由から、グライドハイトを評価するために用いるグライドハイト評価ヘッドは、磁気ヘッドより小さい浮上量で磁気ディスクの評価を行うため、より厳格な浮上性能が要求されることにもなる。
しかしながら、前述した磁気ディスク評価装置に関しては、以下に説明するような問題がある。
従来の磁気ディスク評価装置による試験では、磁気ディスク表面の異常突起の有無を判定することを主な目的としている。そのために、回転する磁気ディスクの表面上に、一定の浮上量(グライドハイト)で、突起との接触を検出するピエゾ素子等の接触検出センサを備えたグライドハイト評価ヘッドを浮上させ、磁気ディスク表面を走査して、磁気ディスク上にグライドハイト評価ヘッドと接触する高さの突起が存在するか、否かを判定している。
ところが、前述したように磁気ヘッドの浮上量(フライングハイト)を減少させることが必要となってきている。その結果、磁気ディスク表面の突起ばかりでなく、磁気ディスク表面に塗布されている潤滑剤の塗布むらで生じた局部的な潤滑剤の突出部と磁気ヘッドとの接触が、新たな問題となりつつある。
よって、磁気ディスク評価装置により、塗布むらで生じた突起状の潤滑剤も検出することが必要となってきている。しかしながら、従来の磁気ディスク評価装置では、磁気ディスク表面の突起(固体)との接触を検出することを目的に構成されていたので、突出した潤滑剤(液体)との接触を検出することについては、これまでに知見が無く、当然に有効な試験法についての提案もなされていないのが現状である。
なお、従来の磁気ディスク評価においては、グライド評価ヘッドと磁気ディスク上の突起との接触を検出するために、観測対象とするグライド評価ヘッドの振動周波数を例えば200〜800kHz程度に設定していた。これは磁気ディスクの表面にある突起は固体であり、この固体突起に接触したグライド評価ヘッドは例えば200kHzより高い周波数で振動する傾向があるので、接触検出センサによる検出信号の内で200kHzより高い周波数の信号成分が所定閾値を越えた時に固体の突起との接触があったと判定するためである。また、200kHzより低い周波数での振動はグライド評価ヘッド周辺の空気膜が振動した影響を受けたものであると想定して検出対象から除外していた。
本発明は上述した実状に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来においては対象となっていなかった磁気ディスク表面で突出した潤滑剤をも検出する機能を備えた磁気ディスク評価装置を提供することである。
上記問題に対処するために、本発明者等はグライドハイト評価ヘッドが振動することに関して詳細な検討を行った。その結果、従来において空気膜振動であるとして除外していた信号成分には、グライドハイト評価ヘッドが突出した潤滑剤に接触した場合も含まれていることを見出して、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は磁気ディスク上の固体突起にグライドハイト評価ヘッドが接触した場合にはある程度高い周波数となり、突出状態となっている液体の潤滑剤に評価ヘッドが接触した場合にはこれと比較して低い周波数となることに着目して成されたものである。例えば、グライド評価ヘッドが何かに接触した際に発された検出信号を200kHz未満の帯域と200kHz以上の帯域とに分割し、別個に観測対象とすることにより、グライド評価ヘッドと磁気ディスク上の潤滑剤との接触を検出可能としたものである。
すなわち、上記目的は、潤滑剤が塗布された磁気ディスクを回転させながら、該記磁気ディスクとの接触を検出する接触検出手段を備えたグライドハイト評価ヘッドを浮上させながら走査して、該磁気ディスクの評価を行う磁気ディスク評価装置であって、前記接触検出手段の検出信号を、前記磁気ディスクの突起に前記グライドハイト評価ヘッドが接触したことに基づいて生じる第1の周波数帯に入る信号成分と、前記潤滑剤の突出部に前記グライドハイト評価ヘッドが接触したことに基づいて生じる第2の周波数帯に入る信号成分とに、分割する検出信号分割手段と、前記検出信号分割手段に接続され、前記検出信号に前記第2の周波数帯のみに所定閾値を越える前記信号成分が含まれていることに基づいて、前記グライドハイト評価ヘッドが前記潤滑剤の突出部に接触したとの判定を実行する接触判定部とを含むものであって、前記グライドハイト評価ヘッドの浮上面の少なくとも一部が、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、水素添加ダイヤモンドライクカーボン及び窒素添加ダイヤモンドライクカーボンよりなる群から選択された保護材料により被覆されている、磁気ディスク評価装置により達成される。
本発明によると、これまで得ることができなかった磁気ディスク表面に塗布された潤滑剤の突出高さに関する情報を得ることができ、また、その程度が磁気ディスク装置の動作に悪影響を及ぼすものであるか予想することも可能となる。
本発明に関して、前記接触判定部は、少なくとも前記第1の周波数帯に所定閾値を越える信号成分が含まれていることに基づいて前記グライドハイト評価ヘッドが前記磁気ディスクの突起に接触したとの判定も実行することとすれば、磁気ディスクの突起及び潤滑剤の突出部を各々検出できる磁気ディスク評価装置とすることができる。
また、本発明に関して、前記保護材料による被膜の少なくとも一部がフッ素化処理されている磁気ディスク評価装置とすることができる。
前述したように、固体である磁気ディスクの突起に、グライドハイト評価ヘッドが接触したときには比較的高い周波数で振動する傾向にある。よって、例えば200kHzを境界周波数とし、その前後を、グライドハイト評価ヘッドが磁気ディスクの突起に接触したことに基づいて生じた信号成分が属する第1の周波数帯と、グライドハイト評価ヘッドが潤滑剤の突出部に接触したことに基づいて生じた信号成分が属する第2の周波数帯とに分割できる。
ところで、磁気ディスク評価装置で用いられるグライドハイト評価ヘッドには種々の形状があり、また将来においてはグライドハイト評価ヘッドがより小型化するものと想定される。よって、前記境界周波数は200kHzに限定されるものではなく、設計したグライドハイト評価ヘッドの形状に応じて100〜500kHzから適宜選択される。
本発明によれば、磁気ディスク表面に塗布された潤滑剤の突出高さに関する情報を得ることができ、また、その程度が磁気ディスク装置の動作に悪影響を及ぼすものであるか予想することも可能となる。
図面に基づいて実施例を説明する。以下の第1実施例から第4実施例は前述した第1の発明に関連して例示するものである。また、第5実施例は前述した第2の発明に関連して例示するものである。
(第1実施例)
図1から図4を参照して、第1実施例の磁気ディスク評価装置について説明する。図1は、磁気ディスク評価装置10のグライドハイト評価ヘッド(以下、単に評価ヘッドとする)20と磁気ディスク11の周辺を示した図である。
図1において、磁気ディスク11は矢印Xで示される方向に所定回転数で回転されるようになっている。評価ヘッド20は、この磁気ディスク11の上面に接近し、対向した状態で磁気ディスク11のグライドハイトを評価する。この評価ヘッド20は、図示せぬ装置本体側から延出し、矢印Y方向に回動可能なバネ性の支持部材(以下、サスペンションという)12の先端部に固定されている。この固定部分についてより詳細に説明すると、サスペンション12の先端部の一部が切欠かれて舌片13が形成されている。この舌片13に設けた支持点13Aの下側に評価ヘッド20が固定されている。
上記サスペンション12は基部12Aとアーム部12Bとに成形したバネ材で形成されている。この基部12Aとアーム部12Bとは所定の曲げ角度ANをもって成形され、評価ヘッド20を磁気ディスク11側へ押下するような負荷を生じさせる構成となっている。曲げ角度ANを変更することで評価ヘッド20へのバネ圧(gf)としての負荷を調整できるようになっている。
図2(A)及び(B)は、図1で示した評価ヘッド20を拡大して示した図である。図2(A)は評価ヘッド20を磁気ディスク11側から見た浮上面を示した図、図2(B)は評価ヘッド20を磁気ディスク11を下にして側面から見た図である。
図2(A)及び(B)を参照して評価ヘッド20の概形を説明する。評価ヘッド20の後端部には、磁気ディスク11がX方向へ回転したことにより発生する空気流を受け入れ易くするようにテーパ25が形成され、また両側部には中央より高く形成したレール21、22を備えるヘッドスライダである。
また、評価ヘッド20は支持点24で前述したサスペンション12の支持点13Aに固定されている。図2(A)及び(B)ではこの支持点24の位置を×印で示している。
本実施例では、上記支持点24は、図2(A)に示すように、評価ヘッド20の全長Lに対し、空気流入端から0.8L±0.02Lの位置に設定されている。このような配置とすることにより、グライドハイト評価条件における同ヘッド20の浮上ピッチ角を100μrad(ラジアン)程度またはそれ以上とすることができる。ここで、浮上ピッチ角αは、図2(A)に示すように、評価ヘッド20の浮上面と磁気ディスク11表面とが成す角である。
ところで、本発明者等は、上記浮上ピッチ角を少なくとも95μrad以上、好ましくは100μrad以上に設計することが、評価ヘッド20の安定浮上に効果的であることを確認している。そのための構成として、上記支持点24が評価ヘッド20の全長Lに対して0.78L以上の位置にあるように設定することが有効であるとの知見を得ている。
本第1実施例で一例として支持点24の位置をほぼ0.8Lとなるように設定する例を示している。しかしこれに限らず、支持点24の位置を0.78Lより空気流出端側とすることにより、評価ヘッド20の空気流入端部が、従来の評価ヘッドの場合と比較して、持上がった態勢(浮上ピッチ角が95μrad以上の状態)を形成できる。このような態勢が評価ヘッド20の安定浮上に効果を奏するのである。その詳細な理由については、この後の説明で明らかにする。
図3は、上記評価ヘッド20が不安定浮上する問題を発生させた率と、上記浮上ピッチ角αとの関係について示した図である。
なお、図3に示したデータの測定条件は次の通りである。磁気ディスク11の周速は同一とし、浮上量がほぼ同一となるような複数の評価ヘッド20を準備して測定した。サスペンション12により評価ヘッド20を磁気ディスク11側へ押下するバネ圧を3gfで一定とし、浮上ピッチ角αを変更した。その際、磁気ディスク装置で使用する磁気ヘッドの浮上量よりも小さな所定の浮上量とし、各評価ヘッド20が磁気ディスク11面上に墜落する割合を調査して問題発生率とした。
図3により、上記浮上ピッチ角αが、95μrad(ラジアン)以上、より確実には100μrad以上となれば問題発生率がゼロとなることが確認できる。すなわち、浮上ピッチ角αを95μradとすることが評価ヘッド20を安定浮上させるために有効であり、そのためには評価ヘッド20の支持点24を全長Lに対して空気流入端から0.78L以上の位置に設定すればよい。
次に、図4は、評価ヘッド20が不安定浮上の問題を発生させた率とサスペンション12のバネ圧(gf)との関係について示した図である。本発明者等は、さらにサスペンション12から評価ヘッド20へ供給されるバネ圧についても検討を行い、評価ヘッド20の浮上安定に好ましいバネ圧を見出した。また、これに関連して評価ヘッド20と磁気ディスク11との間に形成される空気バネの強さついても知見を得た。
なお、図4に示したデータの測定条件は次の通りである。磁気ディスク11の周速は同一とし、浮上量及び浮上ピッチ角αの両方がほぼ同一となるような複数の評価ヘッド20を準備して測定した。サスペンション12により評価ヘッド20を磁気ディスク11側へ押下するバネ圧を変更した。その際、バネ圧を大きくするときには図2のレール21、22の幅を適宜広げて、浮上に必要な空気流が評価ヘッド20下に流入するように調整した。また、磁気ディスク装置で使用する磁気ヘッドの浮上量よりも小さな所定の浮上量とし、各評価ヘッド20が磁気ディスク11面上に墜落する割合を調査して問題発生率とした。
この図4から、サスペンション12のバネ圧(gf)が大となる程、問題発生率が抑制される傾向にあることが確認できる。このような傾向が現われる理由を確認するため、バネ圧及び空気膜剛性値並びに問題発生率の関係をまとめて、下記の表1に示した。
上記空気膜剛性値は、評価ヘッド20と磁気ディスク11との間に形成された空気バネの強さ(堅さ)を示す指針である。評価ヘッド20が浮上するということは、この空気バネが下から評価ヘッド20を押上げていると見ることができる。そして、評価ヘッド20はサスペンション12のバネ圧を受けているので、この上下のバネ圧が釣り合い状態にあるときに浮上状態が維持されることになる。
そして、この浮上状態を維持するには、上のバネ圧が強くなったとき、下の空気バネもこれに応じて強くなるはずである。本発明者等はこのような観点から、空気膜剛性値を求めて検討を行った。
なお、空気膜剛性値の単位は(gf/nm)であり磁気ディスク11の高さ方向でのバネ係数を示していると見ることができる。バネ係数が大きい程、強い(堅い)空気バネとなる。
ここで、表1によると、バネ圧が大となるほど空気膜剛性値が大となっている。空気膜剛性値が大とは、評価ヘッド20と磁気ディスク11との間の空気バネが堅いということになる。よって、この空気膜剛性値に着目すると、この空気膜剛性値が大となるように評価ヘッド20の設計条件を定めると磁気ディスク11との接触が発生し難い構成となる。
ところで、図4に示すバネ圧2.5gfは、従来の磁気ディスク評価装置で採用していたバネ圧である。従来においては、設定するグライドハイトが大きいので不安浮上の問題は生じていなかった。ところが、本第1実施例の磁気ディスク評価装置では例えば8〜11nmというグライドハイト値を設定する。このように小さいグライドハイトにして従来のバネ圧2.5gfを用いると76%もの問題発生率となり、全く実用に耐えないものとなる。
ところが、バネ圧3.5gf、5gfとすると問題発生率が顕著に減少する。これについて検討すると、前述したように上側のバネ圧に応じて下の空気バネも強くなっていおり、これが評価ヘッド20の安定浮上に寄与していると推定できる。
よって、評価ヘッド20に下向きの負荷を供給するバネ圧に関しては、3.5gf以上となるように設定することが好ましく、より好ましくは5gf以上に設定することが推奨される。また、空気膜剛性値の側から捉えると、0.33gf/nm以上となるように設定することが好ましく、0.40gf/nm以上に設定するのがより好ましいことになる。
Figure 0004315934
(第2実施例)
図5を参照して、第2実施例の磁気ディスク評価装置について説明する。但し、磁気ディスク評価装置としての基本構成は第1実施例の装置と同様であり、用いる評価ヘッド30に特徴があるのでヘッド部について説明する。
本第2実施例の評価ヘッド30の浮上面には、浮上面側に磁気ディスクの回転により発生した空気流を利用して負圧を生じさせる負圧誘導形状が形成されている。磁気ディスクの回転により負圧が発生すると、評価ヘッド30は前記磁気ディスク側に所定圧で吸引される状態となる。
このように構成すると、前記第1実施例の場合と比較して、評価ヘッド30の支持点34を中央部側に移動することが可能となり、またサスペンション(図示せず)によるバネ圧を弱くすることができる。すなわち、負圧誘導形状を有する本第2実施例の評価ヘッド30では、第1実施例の評価ヘッド20より穏やかな条件で、第1実施例の同様の効果を得ることができる構成となる。
図5により評価ヘッド30の概形を説明する。評価ヘッド30の浮上面には空気流Airが流入する側に屈曲部を設けたU条の気流障害壁31が形成されている。この気流障害壁31の直線部分は、第1実施例のリール21、22と同様の機能を果たすABS(Air Bearing Surface)面である。
気流障害壁31の屈曲部の外周には約0.2μm下がって外平坦部33が形成され、気流障害壁31の内部には約2μm下がった内平坦部32が形成されている。
このような、負圧誘導型の形状が浮上面に形成されていると、磁気ディスクの回転により空気流Airが気流障害壁31の屈曲部を越えて流れ込むことで負圧が発生する負圧利用型ヘッドスライダの浮上面設計となる。
本実施例の評価ヘッド30の場合、サスペンション支持支点34の位置を空気流端から0.6L程度、バネ圧は2gf程度としても、第1実施例で示した評価ヘッドの好ましい条件である、浮上ピッチ角が95μrad以上及び空気膜剛性値が0.33gf/nm以上を実現できる。
そして、本第2実施例の負圧利用型の評価ヘッド30では次のような利点がある。
(1)上記バネ圧を小として、空気膜剛性値を大にすることができる。このようにすると、評価ヘッド30が磁気ディスク表面上に墜落して滑走したときには、評価ヘッド30には正圧と負圧のどちらも発生しない。そのため、評価ヘッド30と磁気ディスク間の接触力は弱いバネ圧のみとなる。よって、滑走状態での接触力を小さくすることができる。これにより、評価ヘッド30と磁気ディスクとの接触摺動をよりスムースにすることができ、グライド検査中に問題が発生して評価ヘッドが磁気ディスク表面上に墜落した場合に、瞬間的に墜落姿勢から復帰して正常な浮上姿勢に戻る傾向を強めることができる。
(2)所望の空気膜剛性値の大きさに対し、バネ圧の大きさを小とすることができる。このため、サスペンションの曲げ角度AN(図1参照)を小さくすることができる。そのため磁気ディスク評価装置側への制約を緩和することができ、余分な付加装置を省略することができる。
(第3実施例)
図6を参照して、第3実施例の評価ヘッドについて説明する。
本第3実施例は、浮上面側に形成されるABS面に吸着抑制用の保護被膜を形成して前記第1及び第2実施例で示した評価ヘッドを改善する例である。ここでは、第1実施例で示した図2の評価ヘッド20を改善した評価ヘッド40について説明する。
図6(A)は、第3実施例の評価ヘッド40の浮上面を示した図である。本第3実施例の特徴は、図6(A)でABS面となるレール21、22の各々の上に、カーボン材料を塗布して被膜41、42を形成した点である。
図6(B)に示すように、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を3nm程度の厚さでレール(例えば、Al23−TiC材)21、22上を被覆する。
上記の様に形成した評価ヘッド40に第1実施例の場合と同様に、バネ圧3.5gfのサスペンション12と組合せて不安定浮上の問題が発生する率を調査した。その結果を下記表2に示す。DLC被膜を施すと、これを施さない場合と比較して問題発生率が低減することが確認できる。
なお、本第3実施例において、被膜材料のDLCに替えてアモルファスカーボン、水素添加ダイヤモンドライクカーボン、窒素添加ダイヤモンドライクカーボン等を用いても同様の効果を得ることができる。
また、上記DLC膜41、42の表面をさらにフッ素化処理すると、吸着発生率がさらに抑制する方向に改善された。この結果についても下記表2に併せて示している。フッ素化処理の効果で、磁気ディスク表面に塗布されている潤滑剤の評価ヘッド30への移着を低減できるためと推測できる。
Figure 0004315934
(第4実施例)
図7及び図8を参照して、第4実施例の評価ヘッドについて説明する。
本第4実施例は、上記第3実施例の評価ヘッド40の改善を行ったものである。したがって、本実施例でも図2に示した第1実施例の評価ヘッド20が基本構成となる。
図7は、第4実施例の評価ヘッド50の浮上面を示した図である。ここでは,符号51、52で示したDLC被膜の各々に突起54、56が新たに形成された点に特徴がある。これら突起54、56を空気流出端近くに設けることにより磁気ディスク突起の位置が特定し易くなる。
図8により、DLCからなる突起を設ける製造工程を説明する。突起材料であるDLC被膜を約40nm程度の厚さに被覆し(図8A)、フォトマスクMASとレジストRESとを用いたフォトリソグラフィー技術(図8B及びC)と反応性イオンエッチング(図8D)により突起状のDLCを成形する。
なお、上記突起形成時(図8D)に、突起以外の部位(平坦部分)にダイヤモンドライクカーボン被膜を3〜5nm程度残存させるような条件を選ぶと、第3実施例で述べた効果も併せて享受できる。
本第4実施例で試作した評価ヘッド50に第1実施例の場合と同様に、バネ圧3.5gfのサスペンション12と組合せて不安定浮上の問題が発生する率を調査した。その結果を下記表3に示す。DLC被膜に更に突起を形成すると、これを施さない場合と比較して問題発生率が2%以上低減できることが確認できる。
本実施例の評価ヘッド50は、突起を有することにより、摺動姿勢における接触面積が減少し、動摩擦力が低減する。グライドハイト評価中に問題が発生して評価ヘッド50が磁気ディスク表面上に墜落した場合に、浮上ピッチ角を負の方向に向けようとするモーメントが小となる。その結果として、瞬間的に墜落姿勢から復帰して正常な浮上姿勢に戻る傾向を強める効果が現れるためと推定できる。
Figure 0004315934
なお、上記第3実施例及び第4実施例は、図2に示した第1実施例の評価ヘッド20を改善した例を示したが、第2実施例の評価ヘッド30に関して同様の改善を行うことができる。
(第5実施例)
さらに、第2の発明に係る第5実施例の磁気ディスク評価装置について説明する。図9は、第2の発明に係る第5実施例の磁気ディスク評価装置100の概要構成を示した図である。
図9において、磁気ディスク101はスピンドルモーター102に、クランプ103によって固定され、スピンドルモーター102を回転することによって矢印方法に回転する。この状態で磁気ディスク102上にグライドハイト評価ヘッド(以下、評価ヘッドとする)104を移動させると、磁気ディスク101の回転に伴う空気流によって、評価ヘッド104は磁気ディスク101表面から浮上する。このような状態で評価ヘッド104は、磁気ディスク101の上面全体に亘って、半径方向に走査される。
上記評価ヘッド104は、ヘッド支持アーム105によって支持されたサスペンション106の先端に取り付けられている。図9中に、評価ヘッド104の周辺を一部拡大して示すように、この評価ヘッド104に接してその振動状態を検出する接触検出手段としての圧電素子114が配設されている。圧電素子114の信号出力は増幅器107に接続され増幅されてから、2つのバンドパスフィルタ108、108に入力されて分割される。これらのバンドパスフィルタのうち1つは、通過帯域を200〜800kHzとした第1の周波数帯、もう一方は通過帯域を75〜200kHzとした第2の周波数帯とする。
上記2つのバンドパスフィルタ108、108を通過した検出信号は、接触判定部としての信号解析装置109に入力される。信号解析装置109では、通過帯域の異なる2つのバンドパスフィルタからの出力を処理し、グライドハイト評価ヘッド104の振動が、磁気ディスク上の固体の突起との接触によるものか、あるいは塗布むらで生じた潤滑剤の突出部との接触や空気膜によるものかを判定する機能を備えている。
ここで、圧電素子114の信号出力を、第1の周波数帯200〜800kHzと、第2の周波数帯75〜200kHzとに分割して、磁気ディスク101を評価できる根拠について説明する。
図10は、バンドパスフィルタの通過帯域を75〜800kHzに設定し、磁気ディスク上に潤滑剤を塗布した場合及び潤滑剤を塗布しない場合の磁気ディスクを磁気ディスク評価装置で評価した場合の試験結果を示した図である。
図10(A)に示すのは、潤滑剤を塗布しない磁気ディスク上を浮上量8nmで評価ヘッドを走査したときの信号出力のスペクトルである。このスペクトルは、評価ヘッドを磁気ディスクと摺動させていない時の、バックグラウンドノイズと同等である。すなわち、このスペクトルは空気膜による共振がない評価ヘッドの状態が示されている。
そして、上記磁気ディスクの回転数を変化させて試験を行った結果、ここで用いた評価ヘッドの場合、磁気ディスクとの相対速度が34m/s以上となったときに、評価ヘッドを浮上させている空気膜の共振に対応する共振が見られた。しかし、磁気ディスクとの相対速度が34m/s未満の場合には、磁気ディスク表面の突起との接触が発生しない限り、グライドハイト評価ヘッドには空気膜の共振による振動が発生しないことが確認された。
次に、同じ磁気ディスクに、平均膜厚が1.2nmであるように潤滑膜を塗布し、その上を浮上量8nmとして評価ヘッドを走査したときの信号出力のスペクトルを図10(B)に示した。この図10(B)では80〜180kHzの帯域の信号成分が図10(A)と比較して、大きくなっており、評価ヘッドが共振していることが示されている。この帯域の振動は、評価ヘッドを浮上させている空気膜の共振に相当するものである。
図10(A)に結果を示した試験と、図10(B)に結果を示した試験において、異なっているのは、磁気ディスク上での潤滑剤の塗布の有無だけであるので、図10(B)に表れた振動は評価ヘッドと潤滑剤との接触によって、評価ヘッドを浮上させている空気膜の共振が励起されたと推定できる。
なお、本願発明者等は、この図10に示した試験で、潤滑剤による評価ヘッドの振動はその振動数が200kHzを越えないことも、試験により確認した。
次に、潤滑剤を塗布しない磁気ディスク上で、軽微な接触が連続的に発生する状態になるまで、評価ヘッドの浮上量を減少させると、図10(C)に示すスペクトルが得られた。
図10(C)では、100〜190kHzの範囲に、空気膜の共振による評価ヘッドの振動が見られるほか、350kHzと760kHzを中心として、評価ヘッドの固有振動に対応する振動が確認できる。評価ヘッドと磁気ディスクとの固体同士の接触により、評価ヘッドの固有振動が励起されているためである。
以上の結果より、図10に例示した試験では、200kHz未満の周波数帯(第2の周波数帯)に振動が見られ、かつ200kHz以上の周波数帯(第1の周波数帯)に振動が見られない場合、評価ヘッドは磁気ディスク表面に突出した潤滑剤とのみ接触しており、磁気ディスク表面の突起とは接触していないものとの判断ができることが分かる。
さらに、少なくとも200kHz以上の周波数帯(第1の周波数帯)に振動が見られる場合には、評価ヘッドは磁気ヘッド表面の突起と接触しているとの判断を行うことができることも分かる。
本第5実施例の磁気ディスク評価装置100は上述した点に基づいて、磁気ディスク表面に突出した潤滑剤と評価ヘッドが接触したか、否かを判定するものである。なお、本実施例では200kHzを境界周波数とした例を示すがこれに限定するものではなく、設計した評価ヘッドに応じて境界周波数を適宜設定する必要があること前述した通りである。
(評価試験例)
次に、図9に示した第5実施例の磁気ディスク評価装置100を用い、平均膜厚1.2nmとなるように潤滑剤を塗布した磁気ディスク101上で、グライドハイト評価ヘッド104の浮上量を10nmとして磁気ディスク101の評価試験を行った。
潤滑剤の突出部との接触を想定した第2の周波数帯に対応した通過帯域75〜200kHzであるバンドパスフィルタ(以下、フィルタAと記す)と、磁気ディスク101の突起との接触を想定した第1の周波数帯に対応した通過帯域200〜800kHzであるバンドパスフィルタ(以下、フィルタBと記す)とから、の出力は信号解析装置109により、二乗平均処理を行った上で、磁気ディスクの各トラックにつき、一周分の平均値をそれぞれ求め、磁気ディスク101面当たり20トラックについて測定を行った。
また、信号解析装置109では、フィルタA、Bからの平均出力について、それぞれの閾値を50mVとし、これを越えたときに接触と判定するように設定した。そして、フィルタAからの出力に基づいての接触との判定、フィルタBからの出力に基づいて非接触との判定が出たトラックについて、潤滑剤のみとの接触ありとの判定を実行するように信号解析装置109を設計した。
本実施例の磁気ディスク評価装置100により磁気ディスク評価を行い、10以上のトラックにおいて潤滑剤のみの接触ありとの試験結果が出た磁気ディスク10枚(第1群)と、3〜9トラックにおいて潤滑剤のみとの接触ありとの試験結果が出た磁気ディスク10枚(第2群)、潤滑剤のみとの接触が見られたトラック数が2以下である磁気ディスク10枚(第3群)を準備した。
これらを、実際の磁気ディスク装置に搭載して、2000回連続して磁気ヘッドをシーク動作する試験を行った。その直後に、磁気ディスク全面に対して読出し試験を行った。用いた磁気ヘッドの平均浮上量は18nmであった。
その結果、上記第1群の磁気ディスクを用いた場合には10枚中6枚で磁気ヘッド振動による読取りエラーが発生した。また、第2群の磁気ディスクを用いた場合では10枚中3枚で磁気ヘッド振動による読取りエラーが発生した。しかし、第3群では、読取りエラーは発生しなかった。
第1群及び第2群の磁気ディスクを用いて読取りエラーが発生した磁気ヘッドには多量の潤滑剤が付着していた。よって、潤滑剤との接触が多く発生した磁気ヘッドでは振動が発生して、読取りエラーの原因となることが確認できる。
よって、本第5実施例の磁気ディスク評価装置により、これまで得ることができなかった磁気ディスク表面に塗布された潤滑剤の突出高さに関する情報を得ることができ、また、その程度が磁気ディスク装置の動作に悪影響を及ぼすものであるかどうか判断することも可能となる。
この評価試験例では、磁気ディスク評価装置100で磁気ディスク上に突出した潤滑剤と評価ヘッドとの接触を検出する例を示したが、磁気ディスク評価装置100が従来の磁気ディスク評価装置と同様に磁気ディスク上の固体突起との接触を検出機能も備えていることは既述したとおりである。
なお、上記第2の発明に係る第5実施例の磁気ディスク評価装置の評価ヘッドとして、前述した第1の発明に係る第1〜4実施例で示した評価ヘッドを適用すればより好ましい磁気ディスク評価装置として提供できることになる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 回転する磁気ディスクの表面上を移動可能とされ、前記磁気ディスクとの接触高さを検出するためのグライドハイト評価ヘッドと、前記グライドハイト評価ヘッドを支持するヘッド支持体とを含み、前記磁気ディスクの浮上保証量を評価する磁気ディスク評価装置であって、
前記グライドハイト評価ヘッドの空気流方向での全長をLとしたとき、前記ヘッド支持体によるヘッド支持点が、空気流入端位置から空気流出端側に向かって0.78L以上となる位置に設定され、
前記グライドハイト評価ヘッドの浮上面と前記磁気ディスク表面とが成す角である浮上ピッチ角が95マイクロラジアン以上とされている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記2) 付記1に記載の磁気ディスク評価装置において、
前記グライドハイト評価ヘッドは、前記ヘッド支持体により前記磁気ディスク側へ向け3.5gf以上の負荷が供給されている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記3) 回転する磁気ディスクの表面上を移動可能とされ、前記磁気ディスクとの接触高さを検出するためのグライドハイト評価ヘッドと、前記グライドハイト評価ヘッドを支持するヘッド支持体とを含み、前記磁気ディスクの浮上保証量を評価する磁気ディスク評価装置であって、
前記グライドハイト評価ヘッドの浮上面に、前記磁気ディスクの回転による空気流を利用して該グライドハイト評価ヘッドを前記磁気ディスク側に引く負圧を生じさせる負圧誘導形状が形成され、
前記浮上面と前記磁気ディスク表面とが成す角である浮上ピッチ角が95マイクロラジアン以上とされている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記4) 付記1から3のいずれかに記載の磁気ディスク評価装置において、
前記グライドハイト評価ヘッドと前記磁気ディスクとの間に生じる空気膜剛性値が、0.33gf/nm以上である、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記5) 潤滑剤が塗布された磁気ディスクを回転させながら、該記磁気ディスクとの接触を検出する接触検出手段を備えたグライドハイト評価ヘッドを浮上させながら走査して、該磁気ディスクの評価を行う磁気ディスク評価装置であって、
前記接触検出手段の検出信号を、前記磁気ディスクの突起に前記グライドハイト評価ヘッドが接触したことに基づいて生じる第1の周波数帯と、前記潤滑剤の突出部に前記グライドハイト評価ヘッドが接触したことに基づいて生じる第2の周波数帯とに、分割する検出信号分割手段と、
前記検出信号分割手段に接続され、前記検出信号に前記第2の周波数帯のみに所定閾値を越える信号成分が含まれていることに基づいて、前記グライドハイト評価ヘッドが前記潤滑剤の突出部に接触したとの判定を実行する接触判定部とを含む、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記6) 付記1〜4のいずれかに記載の磁気ディスク評価装置において、
前記グライドハイト評価ヘッドの浮上面の少なくとも一部が、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、水素添加ダイヤモンドライクカーボン及び窒素添加ダイヤモンドライクカーボンよりなる群から選択された保護材料により被覆されている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記7) 付記6に記載の磁気ディスク評価装置において、
前記保護材料による被膜の少なくとも一部がフッ素化処理されている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記8) 付記6又は7に記載の磁気ディスク評価装置において、
前記保護材料による被膜の一部に磁気ディスク側に突出している突起が形成されている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記9) 付記5に記載の磁気ディスク評価装置において、
前記接触判定部は、少なくとも前記第1の周波数帯に所定閾値を越える成分が含まれていることに基づいて前記グライドハイト評価ヘッドが前記磁気ディスクの突起に接触したとの判定も実行する、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
(付記10) 付記5又は9に記載の磁気ディスク評価装置において、
前記第1の周波数帯と前記第2の周波数帯とは、前記グライドハイト評価ヘッドの形状に応じて、100〜500kHzから選択され特定された境界周波数の前後に設定されている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
第1実施例の磁気ディスク評価装置の評価ヘッドと磁気ディスクの周辺を示した図である。 (A)は評価ヘッドを磁気ディスク側から見た浮上面を示した図、図(B)は評価ヘッド2を磁気ディスクを下にして側面から見た図である。 評価ヘッドが不安定浮上する問題を発生させた率と、浮上ピッチ角αとの関係について示した図である。 評価ヘッドが不安定浮上の問題を発生させた率とサスペンションのバネ圧(gf)との関係について示した図である。 第2実施例の評価ヘッドの浮上面を示した図である。 (A)は第3実施例の評価ヘッドの浮上面を示した図である。(B)同評価ヘッドのDLC膜の状態を示した図である。 第4実施例の評価ヘッドの浮上面を示した図である。 (A)〜(D)は、第4実施例の評価ヘッドの製造工程を示した図である。 第5実施例の磁気ディスク評価装置について示した図である。 磁気ディスク上に潤滑剤を塗布した場合及びしない場合で、磁気ディスク評価装置試験を行った結果について示した図である。
符号の説明
10 磁気ディスク評価装置
11 磁気ディスク
12 サスペンション(支持部材)
13 舌片
13A 支持点
20 評価ヘッド(グライドハイト評価ヘッド)
21、22 レール
24 支持点
α 浮上ピッチ角
100 磁気ディスク評価装置
101 磁気ディスク
104 評価ヘッド(グライドハイト評価ヘッド)
108 バンドパスフィルタ(検出信号分割手段)
109 信号解析装置(接触判定部)
114 圧電素子(接触検出手段)

Claims (2)

  1. 潤滑剤が塗布された磁気ディスクを回転させながら、該記磁気ディスクとの接触を検出する接触検出手段を備えたグライドハイト評価ヘッドを浮上させながら走査して、該磁気ディスクの評価を行う磁気ディスク評価装置であって、
    前記接触検出手段の検出信号を、前記磁気ディスクの突起に前記グライドハイト評価ヘッドが接触したことに基づいて生じる第1の周波数帯に入る信号成分と、前記潤滑剤の突出部に前記グライドハイト評価ヘッドが接触したことに基づいて生じる第2の周波数帯に入る信号成分とに、分割する検出信号分割手段と、
    前記検出信号分割手段に接続され、前記検出信号に前記第2の周波数帯のみに所定閾値を越える前記信号成分が含まれていることに基づいて、前記グライドハイト評価ヘッドが前記潤滑剤の突出部に接触したとの判定を実行する接触判定部とを含むものであって、
    前記グライドハイト評価ヘッドの浮上面の少なくとも一部が、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、水素添加ダイヤモンドライクカーボン及び窒素添加ダイヤモンドライクカーボンよりなる群から選択された保護材料により被覆されており、
    前記保護材料による被膜の少なくとも一部がフッ素化処理されている、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
  2. 請求項1に記載の磁気ディスク評価装置において、
    前記接触判定部は、少なくとも前記第1の周波数帯に所定閾値を越える成分が含まれていることに基づいて前記グライドハイト評価ヘッドが前記磁気ディスクの突起に接触したとの判定も実行する、ことを特徴とする磁気ディスク評価装置。
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