JP4315861B2 - 連接車における車体間の衝撃吸収構造 - Google Patents

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Description

本発明は、連接車における車体間の衝撃吸収構造に関するもので、主として通勤車両に用いられる。
一般的に、連接車においては、車体(台枠)間の下方に連接台車が存在するために、車体間には、車両衝突時における衝突エネルギを吸収する衝撃吸収構造を設けることはスペース的に困難である。
二階建て車両について適用可能と推定される連接車における車体間の衝撃吸収構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1記載の衝撃吸収構造は、エネルギー吸収手段の前後方向軸の下にヒューズ機構を備えたスライドレールが配置されるものであり、装置全体として上下方向に大きな配置スペースが必要である。
また、各々の車体を2台の台車で支えるボギー車の編成については、緩衝装置を車体前後方向に移動可能に案内するホルダーと、上記緩衝装置の反連結器側端部と上記車体との間に設けられた、中間連結状態において作用する衝撃吸収部材を具備する構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載の衝撃吸収構造は、緩衝装置のホルダーと、車体台枠底面の中梁(断面コ字状のチャンネル)との間のボルト継手を、連結器または緩衝装置の使用限度を超える衝突衝撃力が発生した場合に、この衝撃力によりボルトが破断し(ヒューズ機構)、ホルダーが中梁に案内されつつ後方にスライドし、衝突衝撃力を衝撃吸収部材の変形により吸収するものである。
特開平7−267086号公報(段落0037〜0039,0045および図1,9参照) 特開2001−260881号公報(段落0024〜0033および図1参照)
特許文献1に記載の衝撃吸収構造は、エネルギー吸収手段の前後方向軸の下にヒューズ機構を備えたスライドレールが配置され、装置全体として上下方向に大きな配置スペースが必要であるので、連接車でも車体間のスペースに余裕のある2階建て車には適用可能であるが、一階建ての連接車ではスペース的に適用が難しい。
また、特許文献2に記載の衝撃吸収構造は、車体台枠底面の中梁(断面コ字状のチャンネル)の内側にホルダーの張出部を係合し、それらをボルトで連結してヒューズ機構(ボルト継手)としているので、ヒューズ機構が台枠内に組み込まれていることになり、メンテナンスなどを目的として車体から分離するのが困難である。また、車体台枠底面の中梁(断面コ字状のチャンネル)の内側にホルダーの張出部を係合させる構造のように嵌め合いを管理するような接合法は、困難であるとともにコストの上昇になる。
本発明は、連接車において無理なく配置することができ、メンテナンスなどを目的としてヒューズ機構を車体から分離するのが容易である連接車における車体間の衝撃吸収構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、2つの車体間に位置する台車でもってその2つの車体を支持する連接車における車体間の衝撃吸収構造であって、前記2つの車体のうち一方の車体に、左右一対の中間ブラケットを介して連結体が結合される一方、他方の車体に、前記台車からの前後力を伝達する被連結体が結合され、前記一方の車体が前記連結体を介して前記被連結体に連結され、前記連結体は、車体左右方向に延びる第1の鉛直板部材と、この第1の鉛直板部材の左右両端に結合され前記中間ブラケット側に延びる左右の第2の鉛直板部材と、前記第1および第2の鉛直板部材の下端を結合し前記中間ブラケット側に延びる水平板部材とを有し、前記中間ブラケットは、前記連結体の水平板部材の下側に沿って設けられる水平板状部と、この水平板状部の上側に設けられ前記第2の鉛直板部材とせん断接合される鉛直板状部とを有し、前記鉛直板状部および水平板状部は、前記第2の鉛直板部材および水平板部材より車体前後方向において長く形成されており、前記中間ブラケットと連結体との間に、車体前後方向に延びる鉛直面で前記第2の鉛直板部材と鉛直板状部とがせん断接合される継手によって構成され設定値以上の衝突荷重の作用によって破断するヒューズ機構が設けられ、前記中間ブラケットと一方の車体とは、ボルトによる摩擦接合もしくは引張接合またはそれらの組み合わせの接合によって結合され、前記左右の第2の鉛直板部材の間に、前記第1の鉛直板部材と前後に間隔を空けて角筒状のエネルギー吸収要素が車体前後方向に沿って左右対称に配置されていることを特徴とする。
このようにすれば、ヒューズ機構を、角筒状のエネルギー吸収要素と同じ高さに配置していることになるので、車体(台枠)下面からの突出量を小さく、最小限とすることができる。このように、車体下面からの、ヒューズ機構の突出量を最小限とすることができるので、台車の機器の配置スペースを、余裕をもって確保することができる。よって、連接車において衝撃吸収構造を無理なく配置することができる。
また、左右一対の中間ブラケットが、一方の車体にボルトによる摩擦接合もしくは引張接合またはそれらの組み合わせの接合によって結合されることになるので、そのようなボルトによる接合を解除することで、メンテナンスなどを目的として車体からヒューズ機構を簡単に分離することができる。それに加えて、ヒューズ機構の施工を部品組付段階で行うことができ、施工が容易となるに加えて、精度の向上、工数削減が可能となる。
前記中間ブラケットは、前記連結体の水平板部材の下側に沿って設けられる水平板状部と、この水平板状部の上側に設けられ前記第2の鉛直板部材とせん断接合される鉛直板状部とを有し、前記鉛直板状部および水平板状部は、前記第2の鉛直板部材および水平板部材より車体前後方向において長く形成されているので、ヒューズ機構の破断後に、一方の車体に支持される左右一対の中間ブラケット(鉛直板状部および水平板状部)によって連結体(左右の第2の鉛直板部材および水平板部材)が案内されて、連結体が直線的に後退することになる。つまり鉛直板状部が連結体の左右方向の案内を行う一方、水平板状部が(台枠下面と共に)連結体の上下方向の案内を行う。
よって、車両の正面衝突時にヒューズ機構が働き、連結体がエネルギー吸収要素側に移動する際に、第1の鉛直板部材(鉛直面)がエネルギー吸収要素の先端に衝突して、エネルギー吸収要素を押しつぶそうとする。この連結体の移動が中間ブラケット(鉛直板状部および水平板状部)によって案内されることで、エネルギー吸収要素が振れることなく、第1の鉛直板部材によって真っ直ぐに押されるので、エネルギー吸収要素による確実なエネルギー吸収が可能となる。但し、ヒューズ機構としてのせん断接合が完全に破断するには若干の移動量が必要であるためエネルギー吸収要素は、その先端と第1の鉛直板部材の間に間隔を空けて配置される。
また、請求項1の発明は、前記中間ブラケットと連結体との間に設けられるヒューズ機構を、車体前後方向に延びる鉛直面でせん断接合される継手によって構成しているが、請求項2の発明のように、ヒューズ機構を、車体前後方向に延びる水平面でせん断接合される継手によって構成することも可能である。この場合、請求項2の発明は、2つの車体のうち一方の車体に、左右一対の中間ブラケットおよび台枠ブラケットを介して連結体が結合される一方、他方の車体に、前記台車からの前後力を伝達する被連結体が結合され、前記一方の車体が前記連結体を介して前記被連結体に連結され、前記連結体は、車体左右方向に延びる第1の鉛直板部材と、この第1の鉛直板部材の左右両端に結合され前記中間ブラケット側に延びる左右の第2の鉛直板部材と、前記第1および第2の鉛直板部材の下端を結合し前記中間ブラケット側に延びる水平板部材とを有し、
前記中間ブラケットは、前記連結体の水平板部材の下側に沿って設けられる水平板状部を有し、この水平板状部が前記連結体の水平板部材とせん断接合され、前記台枠ブラケットは、前記連結体の水平板部材の上側に設けられ第2の鉛直板部材の外側面に沿って設けられる縦板部を有し、前記台枠ブラケットの縦板部および前記中間ブラケットの水平板状部は、前記第2の鉛直板部材および水平板部材より車体前後方向において長く形成されており、前記中間ブラケットと連結体との間に、車体前後方向に延びる水平面で前記水平板状部と水平板部材とがせん断接合される継手によって構成され設定値以上の衝突荷重の作用によって破断するヒューズ機構が設けられ、前記中間ブラケットと一方の車体に固設された前記台枠ブラケットとは、ボルトによる摩擦接合もしくは引張接合またはそれらの組み合わせの接合によって結合され、
前記左右の第2の鉛直板部材の間に、前記第1の鉛直板部材と前後に間隔を空けて角筒状のエネルギー吸収要素が車体前後方向に沿って左右対称に配置されていることを特徴とすることになる。
このようにすれば、中間ブラケットは、前記連結体の水平板部材の下側に沿って設けられる水平板状部を有し、この水平板状部が前記連結体の水平板部材とせん断接合され、前記台枠ブラケットは、前記連結体の水平板部材の上側に設けられ第2の鉛直板部材の外側面に沿って設けられる縦板部を有し、前記台枠ブラケットの縦板部および前記中間ブラケットの水平板状部は、前記第2の鉛直板部材および水平板部材より車体前後方向において長く形成されているので、ヒューズ機構の破断後に、一方の車体に支持される左右一対の中間ブラケット(水平板状部)によって連結体が上下方向に案内され、台枠ブラケットの鉛直面によって連結体が左右方向に案内され、連結体が直線的に後退することになる。
ところで、前記ヒューズ機構としてはリベット継手またはリーマボルト継手を用いるのが望ましい。それらはせん断接合による継手であり、このようなせん断接合による継手を用いるのは、通常時の強度を確保しつつ衝突時の破断荷重をできるだけ小さくすることが、衝突時の加速度を小さくする上で望ましいと考えられるからである。
一般的に、継手としては、摩擦接合(接合面の摩擦力で荷重を伝達する接合)による継手と、せん断接合(リーマボルトのようにボルトの軸自体のせん断で荷重を伝達する接合)による継手と、引張接合(ボルトの軸方向に荷重を伝える接合)による継手がある。
(i)ヒューズ機構として、摩擦接合による継手(ボルト継手)を用いる場合
通常使用時の最大荷重F1で、ボルト継手にすべりが生じないような、摩擦力を発生させる初期締付力でボルト締結しなければならない。締結面の摩擦係数、ボルトの断面積、ボルトの降伏応力がそれぞれμ、As、σyとすると、F1は次のように表される(初期締付力を降伏応力の80%にとった場合)。
Figure 0004315861
一方、ボルト継手がせん断破壊するときの荷重F2は、ボルトの断面積As、ボルトの引張強さσbとすると(ミゼースの降伏条件を仮定)、
Figure 0004315861
と表される(せん断破壊する直前はボルトが伸びて初期締付力がなくなると仮定)。
通常の鉄鋼材料であれば、引張強さに対する降伏応力の比(耐力比)は、0.8程度であることから、σy=0.8σbとすると、
Figure 0004315861
となる。そして、μ=0.1〜0.2であるので、F2=(9.0〜4.5)F1となる。
通常の通勤車両の場合、通常使用時の最大荷重は490kNであることから、F1=490kNとすると、衝突時にボルトが破断する荷重F2=4410kN〜2205kNとなる。
この値は、一車両の質量が25tonとすると、10G以上の加速度を生じる可能性が高いことを意味しており、前述した理由から、通勤車両の衝撃吸収構造としては、過大な値である、と考えられる。
(ii)ヒューズ機構として、せん断接合による継手(ボルト継手)、または引張接合による継手(ボルト継手)を用いる場合
通常使用時の最大荷重F1、およびボルトの破断荷重F2は次のようになる。
Figure 0004315861
よって、F1=490kNとすると,F2=612.5kNとなる。
衝突時にF2によって生じる最大加速度は、
Figure 0004315861
となり、衝突としては低い加速度に抑制することができ、前述した理由から、適切な荷重である、と考えられる。ただし、引張接合を用いた場合、その締結面は連結体の前後方向の案内として利用することができない。
本発明は、設定値以上の衝突荷重の作用によって破断して連結体を移動可能とし、衝撃加速度を低減するヒューズ機構と移動可能となった前記連結体(第2の鉛直板部材および水平板部材)を車体前後方向にガイドする中間ブラケットを、エネルギー吸収要素の左右外側で同じ高さに配置し、車体(台枠)下面からの突出量を小さくすることができるので、台車の機器の配置スペースを確保し、連接車において衝撃吸収構造を無理なく配置することができる。中間ブラケットと一方の車体とを、ボルトによる摩擦接合もしくは引張接合またはそれらの組み合わせの接合によって結合しているので、メンテナンスなどの際に、前記ボルトによる摩擦接合もしくは引張接合を解除することで、連接車であっても、車体からヒューズ機構を簡単に分離することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に沿って説明する。
図1は本発明の一実施の形態を示す連接車における車体間の衝撃吸収構造の概略側面図、図2は同概略平面図、図3は連結体を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。
図1および図2に示すように、11は連接台車で、連接される前後側車体12,13の間に位置し、それらを下側から支持し、連接車を構成している。台車11は、車輪11Aが駆動モータ11Bで直接に回転駆動されるものであり、後述のエネルギー吸収要素15およびヒューズ機構であるリベット継手S1,S2は、駆動モータ11Bのケーシングを前後側車体12,13の台枠12a,13aに連結し前記ケーシングの回転を規制するアーム部材11Cの上方に配置されている。
後側車体13(一方の車体)の台枠13a端部の下面に沿って1対の角筒状のエネルギー吸収要素15,15が左右対称に平行に配置されている。エネルギー吸収要素15の後端部は、取付ブラケット16に連結され、この取付ブラケット16が台枠13aに支持されている。このエネルギー吸収要素15は、先端に切り欠き15a(壁面座屈による蛇腹変形の切っ掛けとなるもの)を有する。エネルギー吸収要素15の吸収特性は、配置するエネルギー吸収要素15の本数を変えたりエネルギー吸収要素15の板厚を変えたりすることで調整される。
前側車体12(他方の車体)における台枠12aの後端部には、鉛直方向に延びる取付板部材18が設けられ、この取付板部材18に、台車11からの前後力を伝達する被連結体19が後方に突出するように設けられている。また、後側車体13の台枠13aの前端部に、被連結体19に連結される連結体21が設けられている。
連結体21は、被連結体19とリベット継手S1,S2との間の車体間の荷重伝達に用いられる構造体で、図3(a)〜(c)に示すように、後方および上方が開放された箱形状の受け部21Aと、この受け部21Aより前方に突出し被連結体19の凹部19a内に嵌め込み可能である突出部21Bとを有する。突出部21Bには、緩衝ゴム22が中央部に外嵌された車体左右方向のシャフト23(軸線方向の貫通孔を有する)が設けられている。
そして、突出部21Bが凹部19aに嵌め込まれた状態で、被連結体19の両側部の上側にシャフト23の両端部が載置され、上側から取付プレート24が適用され、ボルト25にて締結されることで連結される。この取付プレート24をシャフト23を挟んで被連結体19に締結するボルト25の間に、シャフト23に取付プレート24および被連結体19を締結するボルト26が配置されている。
受け部21Aは、車体長手方向に直交する方向に延びる前側板部21Aa(第1の鉛直板部材)と、その前側板部21Aaの左右端部より後方(中間ブラケット28A,28B側)に延びる左右の側板部21Ab,21Ac(第2の鉛直板部材)と、前側板部21Aaおよび側板部21Ab,21Acの下端を結合し後方に延びる底板部21Ad(水平板部材)とが結合されて構成される。前側板部21Aaおよび側板部21Ab,21Acが鉛直方向に延び、底板部21Adが水平方向に延びる。この受け部21A内に、図4に示すように、前側板部21Aaの後側に間隔を空けてエネルギー吸収要素15が車体前後方向に沿って平行に配置されている。前側板部21Aaが、衝突時にエネルギー吸収要素15の先端に衝突してそれを押しつぶすための鉛直面として機能する。
受け部21Aの左右の側板部21Ab,21Acは、台枠13aに支持される台枠ブラケット27A,27Bに中間ブラケット28A,28Bを介して取り付けられている。具体的には、中間ブラケット28A,28Bは、左右の側板部21Ab,21Acの外側に位置する左右の鉛直板状部28Aa,28Baと、この左右の鉛直板状部28Aa,28Baの下端に接合される左右の水平板状部28Ab,28Bbとを有する。鉛直板状部28Aa,28Baは側板部21Ab,21Acの外側で側板部21Ab,21Acに沿って鉛直方向に延び、水平板状部28Ab,28Bbは底板部21Adの下側で底板部21Adに沿って水平方向に延びる。そして、鉛直板状部28Aa,28Baおよび水平板状部28Ab,28Bbはそれぞれ側板部21Ab,21Acおよび底板部21Adよりも車体前後方向において長くなっている。これにより左右の中間ブラケット28A,28B(鉛直板状部28Aa,28Baおよび水平板状部28Ab,28Bb)は、左右の側板部21Ab,21Acおよび底板部21Adよりも車体前後方向の長さが長く、連結体21(側板部21Ab,21Acおよび底板部21Ad)を直線的に後退させるためのガイドとして機能する。特に、左右の鉛直板状部28Aa,28Baは、それらの車体左右方向の間隔を狭くすることで、連結体21(側板部21Ab,21Ac)が後退する際に傾かないようにしている。
左右の鉛直板状部28Aa,28Baの内側に左右の側板部21Ab,21Acが4つのリベット31を用いて接合され、ヒューズ機構として機能するリベット継手S1,S2が構成される。つまり、リベット継手S1,S2が、中間ブラケット28A,28Bと連結体21との間に設定値以上の衝突荷重の作用によって破断するヒューズ機構を構成している。
水平板状部28Ab,28Bbの内端部は左右の側板部21Ab,21Acの下側まで延びている。水平板状部28Ab,28Bbの外端部は、台枠ブラケット27A,27Bの下側まで延び、台枠ブラケット27A,27Bにボルト32を用いて締結されている。このようにして、連結体21およびリベット継手S1,S2が、ボルトによる摩擦接合を利用したボルト継手T1,T2を介して台枠13aに支持される。なお、このボルト継手は、摩擦接合による継手であるが、それに代えて引張接合によるボルト継手としてもよいし、摩擦接合によるボルト継手と引張接合によるボルト継手とを組み合わせた継手とすることも可能である。摩擦接合および引張接合は、ボルトの軸と穴のはめあいを管理しなくてよい。すなわちボルトの軸径に対して十分大きなボルト穴とすることができるので組立てや取り外しを容易に行うことができる。
左右の鉛直板状部28Aa,28Baが左右の側板部21Ab,21Acの外側に4つのリベット31にて接合するリベット継手は、台枠13a下面からの突出量を小さく最小限とするために、エネルギー吸収要素15とほぼ同じ高さ位置に配置される。なお、リベット31を用いるリベット継手に代えて、リーマボルトを用いるリーマボルト継手によるヒューズ機構を採用することもできる。
ここで、リベット継手S1,S2は、設定値以上の衝突荷重の作用時に破断し、過大な反力が生じることを防ぐとともに連結体21を移動可能とし、エネルギー吸収要素15によるエネルギー吸収(壁面座屈による蛇腹変形)を生じさせる機能を有する。なお、連結体21およびリベット継手S1,S2を支持するボルト継手T1,T2は、衝突荷重の作用時に破断しない構成とされているので、リベット31が破断した段階では、ボルト継手T1,T2による接合は維持されており、連結体21は、左右の中間ブラケット28A,28B(鉛直板状部28Aa,28Baおよび水平板状部28Ab,28Bb)によって案内される。
ところで、このようなボルト継手は、メンテナンスなどを目的として車体13からの分離させる機能を有することだけを目的とするのであれば、例えば図7に示すように、エネルギー吸収要素15の前側にボルト継手T1’,T2’を位置させる構成とすることもできる。しかし、この場合には、ボルト継手T1’,T2’を避けるために左右のエネルギー吸収要素15の間隔が車体左右方向において広くなり、それに伴い連結体21’の幅も車体左右方向において広くなり左右のリベット継手S1’,S2’の間隔も広くなる。そして、図7に示すように、左右のリベット継手S1’,S2’の間隔が大きく空いていると、一方のリベット継手だけが破断して、残った方のリベット継手には面外の大きな曲げモーメントが生じるという事態(左右のリベット継手が同時に破断しない事態)が発生する場合がある。その場合には、連結体21’が、左右の縦板部28Aa’,28Ba’によって真っ直ぐに車体前後方向に案内されず、エネルギー吸収要素15を、壁面座屈により蛇腹形状にうまく圧壊させることができない。よって、本実施の形態のように、左右のエネルギー吸収要素の車体左右方向の間隔が狭くなるように、台枠13aに支持させるためのボルト継手T1,T2を左右に配置してリベット継手S1,S2の間隔を狭くすることで、メンテナンスなどを目的として車体13からリベット継手S1,S2を分離させることができるだけでなく、連結体21(側板部21Ab,21Acおよび底板部21Ad)を、左右の中間ブラケット28A,28B(鉛直板状部28Aa,28Baおよび水平板状部28Ab,28Bb)によって案内しつつ直線的に後退させるのに有利なレイアウトとなる。
これを確認するために、図7に示す構造および本実施の形態(図1〜図6に示す構造)についてシミレーション解析を行った。図7に示す構造で、左右のリベット継手に強度差をつけた場合のシミレーション結果を示す図8により、図7に示す構造では、後退の際に連結体21’が傾くことが確認される。また、本実施の形態で左右のリベット継手に強度差をつけた場合のシミレーション結果を図9に示すが、この図9より、連結体21は、間隔が狭い左右の鉛直板状部28Aa,28Ba、および水平板状部28Ab,28Bbによって真っ直ぐに後方に案内されることがわかる。なお、図8、図9は、それぞれ、変位量(後退量)が0mm、50mm、100mmの場合を示す。
このように、本実施の形態(図1〜図6参照)であれば、被連結体の左右のリベット継手の間隔を小さく最小限にすることができるので、リベット継手の面外曲げモーメントが小さく、連結体21(側板部21Ab,21Acおよび底板部21Ad)を左右の中間ブラケット28A,28Bによって車体前後方向に確実に案内されつつ、後退することができる。このことから、左右のリベット継手の間隔が短い方が、左右のリベット継手に強度差があっても、後退する際には連結体は傾きにくいといえる。
続いて、左右のリベット継手は同じ強度として、図1〜図6の構造を用いた場合のシミレーション結果を図10に示すが、この場合も、連結体21は左右の中間ブラケット28A,28Bによって車体前後方向に案内され、直線的に後退する。
また、図1〜図6に示す構造で、エネルギー吸収量が不足する場合には、図11に示すように、連結体21(前側板部21Aa)の前側に、エネルギー吸収要素19’を追加してもよい。この構造(左右のリベット継手は同じ強度)についての、シミレーション結果を図12に示す。この場合も、連結体21は、左右の中間ブラケット28A,28Bの案内によって、直線的に後退する。
なお、参考に、衝撃吸収構造(エネルギー吸収要素15)を備えない構造(左右のリベット継手は同じ強度)の場合のシミレーション結果を図13に示す。図11、図12は、それぞれ、変位量が0mm、100mm、200mm、300mm、400mmの場合を示し、図13は、変位量が0mm、100mm、200mmの場合を示す。
前述した実施の形態では、リベット継手S1,S2は車体前後方向に延びる鉛直面でせん断接合され、ボルト継手T1,T2は車体前後方向に延びる水平面で摩擦接合されるように構成しているが、ボルト継手だけでなく、リベット継手も車体前後方向に延びる水平面で接合されるように構成することも可能である。例えば図14に示すように、縦板部27Aa’’,27Ba’’と下板部27Ab’’,27Bb’’とを有する台枠ブラケット27A'',27B''に連結される中間ブラケット28A'',28B''を、連結体21''の底板部21Ad''(水平板部材)の下側に沿って設けられる水平板状部とし、この底板部21Ad''を中間ブラケット28A'',28B''に重ね合わせた状態で、鉛直方向の軸線を有するリベット31''を用いてせん断接合することにより、リベット継手(あるいはリーマボルト継手)を構成することも可能である。この場合、台枠ブラケット27A'',27B''の縦板部27Aa'',27Ba''および前記中間ブラケット28A'',28B''の水平板状部28Ab'',28Bb''は、第2の鉛直板部材21Ab'',21Ac''および底板部21Ad''より長く形成されている。これにより、連結体21''の底板部21Ad''は、中間ブラケット28A'',28B''の水平板状部28Ab'',28Bb''によって案内されるが、連結体21''の左右の側板部21Ab'',21Ac''は、台枠ブラケット27A'',27B''の縦板部27Aa’’,27Ba’’によって案内される。
本発明の一実施の形態を示す連接車における車体間の衝撃吸収構造の概略側面図である。 同概略平面図である。 連結体を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図である。 図2のA-A線における断面図である。 図2のB-B線における断面図である。 図2のC-C線における断面図である。 比較例についての図2と同様の図である。 図7に示す構造で、左右のリベット継手に強度差をつけた場合のシミレーション結果を示す図である。 図1〜図6に示す構造で左右のリベット継手に強度差をつけた場合のシミレーション結果を示す図である。 図1〜図6に示す構造で左右のリベット継手に強度差をつけない場合のシミレーション結果を示す図である。 変形例についての図2と同様の図である。 図11に示す構造で、左右のリベット継手に強度差をつけた場合のシミレーション結果を示す図である。 衝撃吸収構造でない従来例についてのシミレーション結果を示す図である。 変形例についての図2と同様の図である。
符号の説明
11 連接台車
11A 車輪
11B 駆動モータ
11C アーム部材
12,13 車体
12a,13a 台枠
15 エネルギー吸収要素
16 取付ブラケット
19 被連結体
21 連結体
21A 受け部
21Aa 前側板部(第1の鉛直板部材)
21Ab,21Ac 側板部(第2の鉛直板部材)
21Ad 底板部(水平板部材)
27A,27B 台枠ブラケット
27Aa,27Ba 縦板部
27Ab,27Bb 下板部
28A,28B 中間ブラケット
28Aa,28Ba 鉛直板状部
28Ab,28Bb 水平板状部
31 リベット
32 ボルト
S1,S2 リベット継手
T1,T2 ボルト継手

Claims (2)

  1. 2つの車体間に位置する台車でもってその2つの車体を支持する連接車における車体間の衝撃吸収構造であって、
    前記2つの車体のうち一方の車体に、左右一対の中間ブラケットを介して連結体が結合される一方、他方の車体に、前記台車からの前後力を伝達する被連結体が結合され、前記一方の車体が前記連結体を介して前記被連結体に連結され、
    前記連結体は、車体左右方向に延びる第1の鉛直板部材と、この第1の鉛直板部材の左右両端に結合され前記中間ブラケット側に延びる左右の第2の鉛直板部材と、前記第1および第2の鉛直板部材の下端を結合し前記中間ブラケット側に延びる水平板部材とを有し、
    前記中間ブラケットは、前記連結体の水平板部材の下側に沿って設けられる水平板状部と、この水平板状部の上側に設けられ前記第2の鉛直板部材とせん断接合される鉛直板状部とを有し、前記鉛直板状部および水平板状部は、前記第2の鉛直板部材および水平板部材より車体前後方向において長く形成されており、
    前記中間ブラケットと連結体との間に、車体前後方向に延びる鉛直面で前記第2の鉛直板部材と鉛直板状部とがせん断接合される継手によって構成され設定値以上の衝突荷重の作用によって破断するヒューズ機構が設けられ、
    前記中間ブラケットと一方の車体とは、ボルトによる摩擦接合もしくは引張接合またはそれらの組み合わせの接合によって結合され、
    前記左右の第2の鉛直板部材の間に、前記第1の鉛直板部材と前後に間隔を空けて角筒状のエネルギー吸収要素が車体前後方向に沿って左右対称に配置されていることを特徴とする連接車における車体間の衝撃吸収構造。
  2. 2つの車体間に位置する台車でもってその2つの車体を支持する連接車における車体間の衝撃吸収構造であって、
    前記2つの車体のうち一方の車体に、左右一対の中間ブラケットおよび台枠ブラケットを介して連結体が結合される一方、他方の車体に、前記台車からの前後力を伝達する被連結体が結合され、前記一方の車体が前記連結体を介して前記被連結体に連結され、
    前記連結体は、車体左右方向に延びる第1の鉛直板部材と、この第1の鉛直板部材の左右両端に結合され前記中間ブラケット側に延びる左右の第2の鉛直板部材と、前記第1および第2の鉛直板部材の下端を結合し前記中間ブラケット側に延びる水平板部材とを有し、
    前記中間ブラケットは、前記連結体の水平板部材の下側に沿って設けられる水平板状部を有し、この水平板状部が前記連結体の水平板部材とせん断接合され、
    前記台枠ブラケットは、前記連結体の水平板部材の上側に設けられ第2の鉛直板部材の外側面に沿って設けられる縦板部を有し、
    前記台枠ブラケットの縦板部および前記中間ブラケットの水平板状部は、前記第2の鉛直板部材および水平板部材より車体前後方向において長く形成されており、
    前記中間ブラケットと連結体との間に、車体前後方向に延びる水平面で前記水平板状部と水平板部材とがせん断接合される継手によって構成され設定値以上の衝突荷重の作用によって破断するヒューズ機構が設けられ、
    前記中間ブラケットと一方の車体に固設された前記台枠ブラケットとは、ボルトによる摩擦接合もしくは引張接合またはそれらの組み合わせの接合によって結合され、
    前記左右の第2の鉛直板部材の間に、前記第1の鉛直板部材と前後に間隔を空けて角筒状のエネルギー吸収要素が車体前後方向に沿って左右対称に配置されていることを特徴とする連接車における車体間の衝撃吸収構造。
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