JP4315590B2 - 画面操作装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両に搭載されるカーナビゲーション装置等のモニタ画面の切り換え等を行なう画面操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されるカーナビゲーション装置は、通常、車両に搭載したモニタテレビの画面に所定縮尺の地図を表示する構成となっている。また、このようなモニタテレビでの地図表示はモニタテレビの画面の大きさに表示範囲が限定されてしまうため、画面には部分的な地図しか表示せず、所定の操作で表示を切り換え、所望の地点を含んだ地図を表示させるようになっている。
【0003】
一方で、上述したようなカーナビゲーション装置では、操作性の向上を目的として装置本体とは別に用意されたコントローラを用いて操作を行なうようになっている。このようなコントローラの一例としては、略棒状の操作杆が基端部周りに所定範囲回動自在にコントローラの本体部分に取り付けられた所謂ジョイスティックタイプのコントローラがある。
【0004】
このようなジョイスティックタイプのコントローラで上記のような地図画面を切り換える際には、通常、表示されている地図から表示したい地点のへの方向に対応した方向へ操作杆を基端部周りに倒す(回動させる)ことにより行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ジョイスティックタイプのコントローラでの地図画面を切り換えは、表示したい地点が画面に表示されるまで操作杆を倒し続けておかなければならず、その間はカーナビゲーション装置以外の操作も含んだ他の操作が制限されてしまうため、操作性という点で未だ改良の余地があった。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、操作性が高い画面操作装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画面操作装置は、操作面上での操作体の位置を検出する検出手段と、出力手段の表示領域中の各所定位置にデータを表示させると共に、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記操作面上で移動する前記操作体の移動方向を算出して当該移動方向とは略反対方向へ前記データの全部若しくは一部を移動させて前記移動方向に対応した方向における前記表示領域の前記移動方向外側のデータを前記出力手段に表示させ、更に、前記操作面上での移動を終了した前記操作体を前記検出手段が検出しなくなった場合には前記データの移動の実行を開始し、且つ、継続して前記データの移動を実行し続ける制御手段と、を備えている。
【0008】
上記構成の画面操作装置によれば、出力手段の表示領域にデータが表示された状態で操作面上を操作体が移動すると、検出手段がこの操作体の移動を検出し、更に、この操作面上での操作体の移動方向が制御手段によって算出される。
【0009】
次いで、操作面上での操作体の移動方向を算出した制御手段は、データの全部若しくは一部を表示領域に対して算出した移動方向とは略反対方向へ移動させる。これにより、それまで出力手段の表示領域内に位置していたデータの全部若しくは一部は、算出した移動方向とは略反対方向側から連続的若しくは断続的に表示領域外へ移動し、また、それまで算出した移動方向とは反対側で表示領域外に位置していたデータが算出した移動方向とは略反対側から表示領域内へ移動して表示される。
【0010】
このように、本画面操作装置では、操作体の移動方向とは反対方向へデータを移動させることで、あたかも表示領域が操作体の移動方向へ移動したように見える。
【0011】
ここで、上述したように、本画面操作装置では、基本的に操作面上での操作体の移動を検出手段が検出することでデータの移動が行なわれ、また、このときの移動方向は操作面上での操作体の移動方向を算出することで行なわれる。これにより、操作面上で操作体を移動させてしまえば、その後はなんらかの操作を行なったり、或いは継続したりしなくても、データを移動させつづけることが可能となる。
一方、操作面上での移動を終了した操作体が検出手段により検出されなくなった場合には、制御手段によりデータの移動の実行が開始される。すなわち、このように設定することで、意図的に操作面上から操作体を離間させなければデータの移動が実行されないこととなる。これにより、不用意なデータの移動が防止若しくは抑制される。しかも、この場合には、制御手段によるデータの移動の実行が継続される。このため、所望の画面が表示されるまで、操作面上での操作体の操作等の何らかの操作を継続したり、特別な操作を行なったりしなくてもよい。これにより、所望の画面が表示されるまで操作者は操作から開放される。
【0012】
請求項2記載の画面操作装置は、請求項1記載の本発明において、前記制御手段は、前記検出手段からの信号に基づいて、前記操作面上での前記操作体の移動開始地点、1乃至複数の移動途中の中間点、及び移動終了地点の少なくとも1の地点における前記操作体の停滞時間若しくは少なくとも前記1の地点から他の1の地点までの移動時間を算出すると共に、算出した前記停滞時間若しくは移動時間が所定値未満の場合に前記データの移動を実行することを特徴としている。
【0013】
上記構成の画面操作装置では、操作面上で操作体が移動すると検出手段によって操作面上での操作体の移動が検出され、このときの検出信号が直接或いは間接的に制御手段に送られる。制御手段では、この検出手段からの検出信号に基づいて操作体の移動開始地点、1乃至複数の移動途中の中間点、及び移動終了地点の少なくとも1の地点における操作体の停滞時間或いは前記1の地点から他の1の地点までの移動時間を算出する。さらに、この算出した停滞時間若しくは移動時間が所定値未満であった場合に制御手段によりデータの移動が実行される。
【0014】
これにより、操作面上での不用意な操作体の移動等による不用意なデータの移動が防止若しくは抑制される。
【0015】
請求項3記載の画面操作装置は、請求項1又は請求項2記載の本発明において、前記制御手段は、前記操作面上での前記操作体の移動以外の所定の操作を検出して、前記操作体の移動検出時での前記データの移動速度とは異なる速度で前記データの全部若しくは一部を移動させることを特徴としている。
【0016】
上記構成の画面操作装置によれば、操作面上での操作体の移動以外の所定の操作が制御手段によって検出されると、制御手段は操作体の移動検出時でのデータの移動速度とは異なる速度でデータの全部若しくは一部を移動させる。したがって、この所定の操作と操作面上での操作体の移動とを使い分けることによりデータ移動速度の調節が可能となる。
【0017】
請求項4記載の画面操作装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の本発明において、前記制御手段は、前記検出手段からの信号に基づいて、前記操作面上での前記操作体の移動開始地点、1乃至複数の移動途中の中間点、及び移動終了地点の少なくとも1の地点における前記操作体の停滞時間若しくは少なくとも前記1の地点から他の1の地点までの移動時間を算出すると共に、算出した前記停滞時間若しくは移動時間に基づいて前記データの移動速度を設定することを特徴としている。
【0018】
上記構成の画面操作装置では、操作面上で操作体が移動すると検出手段によって操作面上での操作体の移動が検出され、このときの検出信号が直接或いは間接的に制御手段に送られる。制御手段では、この検出手段からの検出信号に基づいて操作体の移動開始地点、1乃至複数の移動途中の中間点、及び移動終了地点の少なくとも1の地点における操作体の停滞時間或いは前記1の地点から他の1の地点までの移動時間を算出する。さらに、この算出した停滞時間若しくは移動時間に基づいて制御手段によってデータの移動速度が設定される。すなわち、本画面操作装置では、例えば、操作面上での操作体の移動速度を速した場合と遅くした場合とでデータの移動速度が異なる。したがって、すばやいデータの移動やデータ表示位置の微調整等が容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係る画面操作装置としての(詳細に言えば、本発明の一実施の形態に係る画面操作装置をその機能の一部として有する)カーナビゲーション装置10の概略的な外観が示されており、図2には本カーナビゲーション装置10の構成がブロック図によって示されている。
【0022】
これらの図に示されるように、本カーナビゲーション装置10は装置本体12を備えている。この装置本体12は全体的に箱形状に形成されており、車両のインストルメントパネルに形成された収容部(図示省略)へ収容される。この収容部に収容された状態で車両室内側に露出する装置本体12の外壁部14には開口部16が形成されており、透明若しくは赤外光の透過が可能に着色された窓18が嵌め込まれている。この開口部16を介して装置本体12の内側には、図2に示される赤外線受光部20が設けられている。
【0023】
赤外線受光部20は、装置本体12の内部に設けられたCPU等の制御手段としての制御部22へ接続されており、受光した赤外線信号に応じた電気信号を制御部22へ送信している。一方、制御部22は装置本体12の内部若しくは装置本体12の外部に設けられた記憶媒体24へ接続されており、記憶媒体24へ記憶された様々なプログラムを読み込んで、それを処理、実行する。
【0024】
一方、本カーナビゲーション装置10はモニタ手段としてのモニタテレビ26を備えている。モニタテレビ26は車両のインストルメントパネル上を含めた所定の設置箇所で運転席等から見えるように設置される。このモニタテレビ26は、フラットケーブル等の接続手段を介して装置本体12の制御部22へ接続されており、制御部22における処理結果、実行結果を表示できる。
【0025】
具体的に言うと、例えば、制御部22が記憶媒体24から地図画面表示プログラムを読み込んだ場合には、制御部22は地図データを展開すると共に展開した地図データのうち、予め設定され且つモニタテレビ26の表示領域R(図9の一点鎖線R内)に表示可能なデータをモニタテレビ26の表示領域Rに表示する(図9参照)。なお、各図において、モニタテレビ26の画面中には一点鎖線で表示領域Rを示しているが、これは、本実施の形態を説明するうえで便宜上示したものであり、実際に画面にこのような一点鎖線の表示領域Rが示されるものではない。
【0026】
また、制御部22が記憶媒体24から登録マーク検索プログラムを読み込んだ場合には、図12に示されるようにモニタテレビ26の表示領域Rに複数の選択ボタン32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54をマトリックス状(本実施の形態では4行3列)に表示すると共に予め使用者等が登録した(すなわち、所定の登録作業により記憶媒体24へ記憶させた)登録マークデータを展開し、予め設定された順番で且つ表示領域Rへ表示可能な(すなわち、表示領域R内の)登録マークデータのラベル(地点名)を各選択ボタン32〜54中に表示する。
【0027】
また、登録マークデータが選択ボタン32〜54の数よりも多い場合、すなわち、表示領域R内にラベル表示不可能な登録マークデータが存在する場合には、後述する所定の操作で画面を切り換えることで、図14や図15に示されるように、各選択ボタン32〜54に他の登録マークデータのラベルを表示させることができる。
【0028】
さらに、制御部22が記憶媒体24からジャンル別目的地検索プログラムを読み込んだ場合には、図16に示されるようにモニタテレビ26の表示領域Rに複数の選択ボタン32〜54をマトリックス状(本実施の形態では4行3列)に表示すると共に、予め記憶媒体24に記憶させておいた目的地の大分類データ、中分類データ、及び小分類データが展開され、予め設定された順番で且つ表示領域Rへ表示可能な(すなわち、表示領域R内の)各分類データを各選択ボタン32〜54中に表示する。
【0029】
また、分類データ数が選択ボタン32〜54の数よりも多い場合、すなわち、表示領域R内に表示不可能な分類データが存在する場合には、後述する所定の操作で画面を切り換えることで、図19、図21、図23に示されるように、各選択ボタン32〜54に他の登録地点名を表示させることができる。
【0030】
さらに、図1及び図2に示されるように、本カーナビゲーション装置10は入力手段としてのコントローラ70を備えている。ここで、図3にはコントローラ70の平面図が示されており、図4にはコントローラ70の要部の構成が断面図によって示されている。
【0031】
図4に示されるように、コントローラ70は下ケース72と上ケース74とにより構成されたケース76を備えている。下ケース72は厚さ方向一方の側へ向けて開口した略箱形状に形成されている。これに対し、上ケース74は下ケース72とは反対側へ向けて開口した略箱形状で、下ケース72と上ケース74とは互いの開口端が向き合った状態で一体的に連結されている。
【0032】
また、図3及び図4に示されるように、上ケース74の上底部78には略矩形状の開口部80が形成されており、この開口部80に対応してケース76にはパネルスイッチ82を構成する操作面としてのパネル84が設けられている。パネル84は外周形状が開口部80に対応した略矩形平板状に形成されている。
【0033】
さらに、図4に示されるように、このパネル84の下方(下ケース72側)には基板86が略平行に配置されている。基板86には表面及び裏面の少なくとも何れか一方にプリント配線等の配線が施されていると共に、CPU88やバッテリー90、更には、抵抗やコンデンサ等の電気部品が上記の配線により電気的に接続されている。
【0034】
基板86は図示しない保持手段によって直接或いは間接的に上ケース74又は下ケース72に固定されている。また、基板86上には圧縮コイルスプリング92が配置されており、パネル84を開口部80側へ付勢した状態で基板86へ接離移動可能に支持している。さらに、上ケース74にはストッパ94が形成されている。ストッパ94はパネル84の外周部に係合しており、所定距離以上にパネル84が基板86から離間しないように保持している。
【0035】
また、パネル84と基板86との間にはパネル84と共にパネルスイッチ82を構成するプッシュスイッチ96が設けられている。プッシュスイッチ96は本体98を備えている。本体98は図示しない固定接点を備えている。この固定接点は基板86の配線へ電気的に接続されている。さらに、この本体98には可動部100が設けられている。可動部100は基板86に対するパネル84の接離方向と略同方向に本体98に対して移動可能とされており、基板86へ接近する方向へ移動することで少なくとも一部が本体98内へ移動する。また、可動部100には図示しない可動接点を備えており、可動部100が基板86へ接近する方向へ移動した際に本体98の固定接点へ接触して導通し、基板86から離間することで固定接点との導通が解除される。
【0036】
可動部100の本体98とは反対側はパネル84の裏面へ当接している。したがって、パネル84が圧縮コイルスプリング92の付勢力に抗して基板86へ接近する方向へ移動することで可動部100が基板86へ接近し、可動部100の可動接点が本体98の固定接点に接触する構成である。
【0037】
さらに、基板86の外周部近傍の裏面側には、赤外線発光素子102が配置されている。赤外線発光素子102は上記のCPU88やバッテリー90へ電気的に接続されており、CPU88からの信号に基づいて赤外線信号Lを発する。この赤外線発光素子102に対応して下ケース72の側壁104には開口部106が形成されている。この開口部106には透明若しくは赤外線の透過が可能な程度に着色された窓108が嵌め込まれており、赤外線発光素子102にて発せられた赤外線信号Lは窓108を透過してケース76の外部へ出て、上述した装置本体12の窓18を透過して赤外線受光部20に受光される。
【0038】
一方、図3に示されるように、パネル84の表面側には検出手段としてのシートスイッチ110が載置されている。ここで図5にはシートスイッチ110の展開状態での平面図が示されている。この図に示されるように、シートスイッチ110は一対の基部112、114を備えている。これらの基部112、114は、例えは、絶縁性の合成樹脂材により各々が平面視略矩形状のシート状に形成されており、少なくとも、基部114は所定の大きさ以上(例えば、人が指で軽く押圧した程度)の押圧力で弾性変形可能な程度の剛性に設定されている。また、基部112は、その幅方向一方(図5の右方)の端部で基部114の幅方向他方(図5の左方)の端部と連結されており、基部112と基部114との連結部116を軸線として基部112が基部114に対して相対的に回動可能とされている。
【0039】
さらに、基部112の表面上には複数本(本実施の形態では4本)のライン端子122、124、126、128が形成されている。これらのライン端子122〜128は各々が基部112の幅方向に沿って長手の線状若しくは棒状とされており、基部112の長手方向に沿って所定間隔毎に互いに平行に形成されている。
【0040】
一方、基部114の表面上には複数本(本実施の形態では3本)のライン端子132、134、136が形成されている。これらのライン端子132〜136は各々が基部114の長手方向に沿って長手の線状若しくは棒状とされており、基部114の幅方向に沿って所定間隔毎に互いに平行に形成されている。
【0041】
さらに、基部112の幅方向他方の端部にはコネクタ部140が形成されている。これらのコネクタ部140には上述したライン端子122〜128の各々に対応して複数本(本実施の形態では7本)の接続線142が形成されている。各接続線142の一方の端部は基部112、更には基部114の表面上を介して対応するライン端子122〜136の一端へ電気的に接続されている。
【0042】
これに対して、各接続線142はコネクタ部140に機械的に接続された他のコネクタ部のリード線(図示省略)を介して図4に示される基板86のプリント配線等へ電気的に接続されており、更に、この基板86のプリント配線等を介して上述したCPU88へ電気的に接続されている。
【0043】
基部112と基部114とは互いの表面が対向するように連結部116にて折り返されており、これにより、図5における基部112上で二点鎖線で示されるようにライン端子132〜136がライン端子122〜128と略直交し、全体体にライン端子122〜136が格子状に配置されることになる。この状態でライン端子122〜128の何れかとライン端子132〜136の何れかとが互いに接触して導通すると、この導通がCPU88に検出されるようになっている。
【0044】
また、図5に示されるよう、基部112の表面上には複数の突起144が形成されている。これらの突起144は、ライン端子122〜128の側方で且つライン端子132〜136が基部112の表面と対向した状態でライン端子132〜136の側方に位置するように形成されており、連結部116周りに折り返された状態では基部114の表面が基部112の表面に対して所定距離離間した状態で基部114を保持するようになっている。このため、通常状態ではライン端子122〜128とライン端子132〜136とは互いに離間している。
【0045】
<本実施の形態の作用、効果>
(コントローラ70の作動概略)
次に、本実施の形態の全体的な作用並びに効果の説明に先立ち、コントローラ70の作動について簡単に説明する。
【0046】
本実施の形態では、コントローラ70の平面視(すなわち、図3図示状態)でライン端子122〜128の何れかと、ライン端子132〜136の何れかとの交点近傍であるシートスイッチ110上のタッチ部150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172のうち、例えば、タッチ部160に触れてシートスイッチ110を押圧すると、タッチ部160でシートスイッチ110を構成する基部114が弾性変形する。これにより、タッチ部160近傍を交点とするライン端子124とライン端子136とは接触して導通するが、タッチ部160を除いたタッチ部150〜172近傍では基部114が突起144に支持されるためライン端子122〜136が互いに接触して導通することはない。
【0047】
このライン端子124とライン端子136との導通(導通信号)はCPU88により検出され、この導通を検出したCPU88は赤外線発光素子102に対して数種類の赤外線信号Lの中からライン端子124とライン端子136との導通に対応した赤外線信号Lを発信(発光)させるべく発光信号を発信する。この発光信号の受信に応じて赤外線発光素子102から発せられたライン端子124とライン端子136との導通の導通に対応する赤外線信号Lは、装置本体12の赤外線受光部20にて受光され、更に制御部22は赤外線受光部20が受けた赤外線信号Lに基づく電気信号を受ける。なお、以下、ライン端子122〜128の何れかとライン端子132〜136の何れかが導通した際の赤外線信号Lに基づいて制御部22が赤外線受光部20から受ける電気信号を便宜上「タッチ信号」と称する。
【0048】
一方、操作者がシートスイッチ110の基部114の裏面に指で触れた状態でシートスイッチ110を介して圧縮コイルスプリング92の付勢力を上回る押圧力をパネル84に付与すると、パネル84が基板86側へ移動し、これにより、プッシュスイッチ96の可動部100の可動接点とプッシュスイッチ96の本体98の固定接点とが接触して導通する。可動部100の可動接点と本体98の固定接点との導通は固定接点へ電気的に接続されているCPU88により検出され、可動部100の可動接点と本体98の固定接点との導通をCPU88が検出すると、CPU88は赤外線発光素子102から可動部100の可動接点と本体98の固定接点との導通信号に基づいた赤外線信号Lを発光させる。
【0049】
このようにして赤外線発光素子102から発せられた赤外線信号Lは装置本体12の赤外線受光部20にて受光され、更に制御部22は赤外線受光部20が受けた赤外線信号Lに対応した電気信号を受ける。なお、以下、プッシュスイッチ96における可動部100の可動接点と本体98の固定接点とが導通した際の赤外線信号Lに基づいて制御部22が赤外線受光部20から受ける電気信号を便宜上「クリック信号」と称する。
【0050】
(地図画面表示プログラム起動時における本実施の形態の作用、効果)
次に、本カーナビゲーション装置10における画面切換(すなわち、通常切換としての通常スクロール、高速切換としての高速スクロール、及び変速切換としての減速スクロール)に関する作用並びに効果について、図6及び図8のフローチャートに基づき、地図画面表示プログラムを起動した場合、登録マーク検索プログラムを起動した場合、及び地名検索プログラムを起動した場合の各々を例にして説明する。
【0051】
先ず、図6に示されるように、ステップ200で制御部22が記憶媒体24から地図画面表示プログラムを読み込んで地図画面表示プログラムが起動されると、ステップ202で初期設定処理が行なわれる。この初期設定処理ではフラグF1、F2、F3にそれぞれ0が代入されてリセットされると共に後述するタイマー(タイマープログラム)における経過時間Tに0が代入されてリセットされる。次いで、ステップ204では記憶媒体24から地図画面表示プログラム起動時における表示データであるところの地図データが読み込まれて展開される。
【0052】
その後、ステップ206でモニタテレビ26の画面の表示領域Rに所定の地図データが表示されているか否かが判定され、所定の地図データが表示されていなければステップ208にて画面表示処理がなされ、展開された地図データのうち、表示領域Rに対応した地図データを図9に示されるようにモニタテレビ26の画面に表示してステップ210へ進む。なお、ステップ206で既に表示領域Rに対応した地図データが表示されていると判定されればステップ208へ進まずにそのままステップ210へ進む。
【0053】
次いで、ステップ210では赤外線受光部20がコントローラ70の赤外線発光素子102から赤外線信号Lを受信したか否かの判定、すなわち、赤外線受光部20からの電気信号を制御部22が受信したか否かの判定が行なわれる。ここで、例えば、上述したシートスイッチ110に操作者の指が触れておらず、このため、ライン端子122〜136が何れも導通していなければ、赤外線受光部20がタッチ信号を発することはない。しかも、シートスイッチ110に操作者の指が触れていなければパネル84に押圧力が付与されることもないのでプッシュスイッチ96の本体98の固定接点と可動部100の可動接点とが導通することはなく、赤外線受光部20がクリック信号を発することはない。したがって、この状態では基本的に制御部22が赤外線信号Lに基づいた電気信号を制御部22が受信することはないため、ステップ212へ進み、フラグF1に1が代入されているか否かが判定される。さらにこの状態で本地図画面表示プログラムがステップ200から開始された直後であれば、F1はリセットされたままの状態であるため、再びステップ206へ戻る。
【0054】
これに対し、例えば、操作者の指が上述したタッチ部160に触れることでライン端子124とライン端子136とが導通し、この状態でのタッチ信号を制御部22が赤外線受光部20から受けると、ステップ210からステップ214へ進んでステップ214で赤外線受光部20からの電気信号が処理される。次いで、ステップ216ではステップ214で処理した電気信号がタッチ信号であるか否かが判定される。この場合、受信した信号はタッチ信号であるため、ステップ216からステップ218へと進み、このタッチ信号がその直前に受信した信号と同一の信号であるか否かが判定される。本地図画面表示プログラムがステップ200から開始された直後であれば、それ以前に受信した信号はないため、ステップ220へと進んでタイマー(タイマープログラム)の経過時間Tがリセットされ、ステップ222でタイマー(タイマープログラム)が起動する。
【0055】
次いで、ステップ224で経過時間Tが予め設定されていた設定時間TAを越えたか否かが判定される。この状態で、例えば、本地図画面表示プログラムがステップ200から開始された直後である場合等、先に同一の信号を制御部22が赤外線受光部20から受けていない場合であれば、この時点では経過時間Tが設定時間TAを越えていることはないため、ステップ226へ進む。ステップ226では、それまで受信したタッチ信号の信号数が2以上(本信号を含めて信号数が3以上)であるか否かが判定され、上記のように最初の信号であればステップ206へ戻る。
【0056】
操作者がシートスイッチ110の同一部位、例えば、タッチ部160に触れ続けた場合には、ステップ218から直接ステップ224へと進む。すなわち、操作者がシートスイッチ110の同一部位、例えば、タッチ部160に触れ続けた場合には、これまで説明した過程を巡り続けるわけであるが、その途中で経過時間Tが設定時間TAを越えると、ステップ224からステップ228へと進み、ステップ228にて通常スクロール処理が行なわれる。
【0057】
この通常スクロール処理では、シートスイッチ110上(パネル84上)での操作者の指位置に基づき(すなわち、タッチ信号に基づいて)所定の方向へ画面が移動する。
【0058】
すなわち、例えば、タッチ部160に指が触れている場合では、タッチ部160はパネル84の中央に対して概ね右方に位置するため、ステップ228では、展開した地図データを表示領域Rに対して全体的に左方へ移動させる。これにより、表示領域Rの左端部側に位置する地図データから表示領域Rの左外側へ移動し、これに伴い、それまで表示領域Rの右外側に位置して表示されていなかった地図データが表示領域R内に位置してモニタテレビ26の画面上に表示される。これにより、タッチ部160を指で触れ続けることで、相対的に表示領域Rが右方へ移動することになる。したがって、所望の地図データが表示領域R内に位置するまでパネル84(シートスイッチ110)に触れ続けることで所望の地図データをモニタテレビ26の画面に表示させることができる。
【0059】
なお、特にフローチャートを用いた説明はしないが、この通常スクロール処理は、同一のタッチ信号が途絶えること、すなわち、指がシートスイッチ110上から離れるか、或いは、シートスイッチ110上で指が移動するかにより終了する。この通常スクロール処理が終了するとステップ230へ進んでステップ200へ戻る。
【0060】
一方、例えば、指がシートスイッチ110に触れつつも、経過時間Tが設定時間TAを越えるよりも先にシートスイッチ110上でタッチ部160からタッチ部158を介してタッチ部156へスライドした場合(すなわち、図3の左側へ指が移動した場合)には、先ず、指がタッチ部158を通過する際にライン端子124とライン端子134とを導通させる。これにより、それ以前のタッチ信号とは異なるタッチ信号が赤外線受光部20から制御部22へ送られる。したがって、この場合には、ステップ218からステップ220へ進みタイマーの経過時間Tがリセットされ、ステップ222で再びタイマーが起動される。さらに、経過時間Tが設定時間TAを越えていなければステップ224からステップ226へ進む。この状態では、本信号以前のタッチ信号は未だ1つ(本信号を含めて2つ)であるため、そのままステップ206へ戻る。
【0061】
次いで、経過時間Tが設定時間TAを越える前に指がタッチ部158からタッチ部156へ移動してライン端子124とライン端子132とを導通させると、それ以前のタッチ信号とは異なるタッチ信号が赤外線受光部20から制御部22へ送られる。したがって、この場合には、ステップ218からステップ220へ進みタイマーの経過時間Tがリセットされ、ステップ222で再びタイマーが起動される。
【0062】
さらに、経過時間Tが設定時間TAを越えていなければステップ224からステップ226へ進む。ここで、極短時間の間に指がタッチ部160からタッチ部158を経てタッチ部156へスライドした場合には、本信号以前にタッチ部160でのタッチ信号とタッチ部158でのタッチ信号との2つのタッチ信号(すなわち、タッチ部156でのタッチ信号を含めて3つのタッチ信号)を受信しているため、ステップ224からステップ226へ進んだ後にはステップ232へ進み、フラグF1に1が代入されているか否かが判定され、この状態でフラグF1に1が代入されていなければステップ234へ進んでフラグF1に1が代入される。
【0063】
次いで、タッチ部156へ指が到達した後、タイマーの経過時間Tが設定時間TAを越える前に、例えば、指がシートスイッチ110上から離間すると、ステップ210からステップ212へ進むが、この状態ではフラグF1に1が代入されているため、ステップ236へ進んで高速スクロール処理が実行される。
【0064】
図7のフローチャートに示されるように、ステップ300で高速スクロール処理が開始されると、ステップ302で制御部22が赤外線受光部20からタッチ信号を受信したか否かが判定される。但し、上述したように高速スクロール処理が行なわれる直前では指がシートスイッチ110上から離間するため、制御部22が赤外線受光部20からタッチ信号を受信することはなく、ステップ304へ進む。
【0065】
ステップ304ではフラグF3に1が代入されているか否かが判定されるが、高速スクロール処理が開始される直前にフラグF3に1が代入されていることはないため、ステップ306へ進む。ステップ306ではフラグF2に1が代入されているかが判定されるが、フラグF3と同様に高速スクロール処理が開始される直前にフラグF2に1が代入されていることはないため、ステップ308へ進む。
【0066】
ステップ308では高速スクロール処理が開始されるまでに受信した3以上のタッチ信号に基づいてスクロールの方向が算出される。このときのスクロール方向の計算方法としては、例えば、ライン端子124とライン端子132との導通した際の最後のタッチ信号に基づいてベクトル始端位置を求め、ライン端子124とライン端子134との導通した際の次のタッチ信号に基づいてベクトル中間位置を求め、更にライン端子124とライン端子136との導通した際の最初のタッチ信号に基づいてベクトル終端位置を求める方法や、ライン端子124とライン端子132との導通した際の最後のタッチ信号に基づいてベクトル始端位置を求め、ライン端子124とライン端子136との導通した際の最初のタッチ信号に基づいてベクトル終端位置を求める方法などがある。前者は中間位置を求めるのに対し後者は中間位置を求めないので、この時点では前者の方法で求めたベクトルの向きと後者の方法で求めたベクトルの向きとが同じになるとは限らない。但し、何れにしても、この時点で求めたベクトルの向きはシートスイッチ110上での指のスライド方向とは概ね反対の方向に対応するものとなる。
【0067】
次いで、ステップ310ではステップ308で求めたベクトルが迷走ベクトルであるか否かが判定される。迷走ベクトルとは、例えば、ベクトル始端位置とベクトル終端位置とを結んだ直線に対し、例えば、ライン端子124とライン端子134との導通した際の次(2番目)のタッチ信号に基づいた中間点を通るベクトルが大きく異なる場合(すなわち、ベクトル始端位置とベクトル終端位置とを結んだ直線に対して中間点が大きく乖離している場合)をいい、例えば、操作者が如何なる操作を行なうか迷い、指がシートスイッチ110で格別な方向性を持たずに移動しているような場合に上記のベクトルが迷走ベクトルとなる場合がある。
【0068】
ステップ310では、ステップ308で算出したベクトルが迷走ベクトルであるか否か、すなわち、中間位置をも含めてステップ308でベクトルを算出した場合には、算出したベクトルがベクトル始端位置とベクトル終端位置とを結んだ直線に対して大きく異なっているか否か、また、ステップ308でベクトルの始端位置と終端位置のみを算出した場合にはライン端子124とライン端子134との導通した際の次(2番目)のタッチ信号に基づいた中間点がステップ308で算出したベクトルに対して大きく乖離しているか否かが判定される。
【0069】
ステップ310で迷走ベクトルでないと判定された場合にはステップ312へ進む。ステップ312ではタッチ部160、158、156の各々に指が位置した状態での各経過時間Tに基づいてスクロールの速度が設定され、例えば、各経過時間Tの和が小さければスクロール速度を比較的早く設定し、各経過時間Tの和が大きければスクロール速度を比較的遅く設定する。
【0070】
次いで、ステップ314では、表示領域Rに対して地図データをステップ308で求めた方向へステップ312で設定した速度で高速移動(すなわち、上述した通常スクロールに比べて充分に早く移動)させると共に、ステップ308で求めた方向とは反対方向で且つステップ312で設定した速度に対応した長さの矢印マーク180をモニタテレビ26の画面に表示させる(図10参照)。すなわち、上述したように、ステップ308で算出したベクトルの向きは、言わば、シートスイッチ110上での指のスライド方向とは反対の方向に対応しているため、この方向に地図データを表示領域Rに対して高速移動させることで、あたかも、表示領域Rがシートスイッチ110上での指のスライド方向へ高速移動しているようにみえる。
【0071】
このように、本実施の形態では、シートスイッチ110上(すなわち、パネル84上)で指をスライドさせることで、そのスライド方向に対応した方向へ向け、しかも、そのスライド速度に対応し且つ通常スクロールよりも充分に速い速度で、見かけ上、表示領域Rを高速で移動させることができる。これにより、操作感覚とスクロールの向きや速度を適応させることができる。
【0072】
次いで、ステップ316でフラグF2に1が代入されると共にタイマーの経過時間Tに0が代入され(すなわち、リセットされ)、ステップ302へ戻る。この状態で特にタッチ信号を受していなければ(厳密に言えば、上述した最後のタッチ信号の後にタッチ信号を受信していなければ)、ステップ304へ進み、更に、ステップ306へ進む。ここで、この状態では、ステップ316でフラグF2に1が代入されているため、ステップ308へは進まずにステップ302へ戻る。なお、この状態では、高速スクロールが継続されている。すなわち、この状態にあっては、操作者は特別な操作を行なったり、或いは、なんらかの操作を継続したりしていなくても、高速スクロールが継続されていることになるため、所望の地図(すなわち、表示したい地図)が接近し、若しくは表示されるまでの間、操作者は操作から開放される。したがって、この状態では、操作者による本カーナビゲーション装置10以外の他の操作等を行なうことが可能となる等、操作性が向上する。
【0073】
また、上述したように、高速スクロールを行なう条件として設定時間TAとスライド終了後におけるシートスイッチ110からの指の離間があり、この設定時間TAを越えて同一のタッチ信号を制御部22が受信した場合には高速スクロールが行なわれない。したがって、高速スクロールを行なうには意図的に素早く指をスライドさせてシートスイッチ110から指を離さなければならず、これにより、意図しない(不用意な)地図データの高速スクロールを防止或いは抑制できる。
【0074】
次に、ステップ302、304、306、302と巡るループで処理を行なっている途中で、例えば、操作者の指がシートスイッチ110上のタッチ部154に触れ、これにより、ライン端子122とライン端子136とが導通し、これに伴うタッチ信号が赤外線受光部20から制御部22へ送られると、ステップ302からステップ318へ進み、タイマー(タイマープログラム)の経過時間Tが0であるか否かが判定される。
【0075】
ここで、この状態ではステップ316で経過時間Tがリセットされているため、ステップ320へ進みタイマー(タイマープログラム)が起動される。次いで、ステップ322でフラグF3に1が代入された後にステップ324へ進む。ステップ324では経過時間Tが予め設定された設定時間TBを越えたか否かが判定され、経過時間Tが設定時間TBを越えていなければステップ302へ戻る。
【0076】
例えば、タッチ部154に触れた後、瞬時にシートスイッチ110から指を離した場合等、設定時間TBを越える前にタッチ信号の受信が解除された場合には、ステップ302からステップ304へ進む。ここで、上述したように、ステップ322でフラグF3に1が代入されているため、ステップ304からステップ326へ進んで方向設定処理が行なわれる。このステップ326での方向設定処理は、ステップ308でのベクトル処理とは異なり、例えば、ライン端子122とライン端子136との導通信号に基づくタッチ信号からタッチ部154の位置を算出し、更に、表示領域Rの中央から表示領域Rにおけるタッチ部154に対応した向きを算出する。
【0077】
次いで、ステップ328ではそれまでのスクロール速度よりも予め設定された割合だけ(すなわち、1段階)遅い速度に設定される。さらに、ステップ330でフラグF3と経過時間Tのそれぞれに0が代入された後(すなわち、リセットされた後)に、ステップ332ではステップ326で算出した方向とは反対方向へ向けて、ステップ328で設定した速度で表示領域Rに対して地図データを移動させると共に、ステップ326で算出した向きで且つ1段階減速した速度に対応する長さの矢印マーク182をモニタテレビ26の画面に表示させて(図11参照)、ステップ302へ戻る。
【0078】
この状態でステップ302へ戻った後には、次にタッチ信号を受信するまでステップ302、304、306、302のループを巡回しており、この状態では、上述した減速スクロールが継続されている。
【0079】
その後、再び設定時間TBを越えないタッチ信号が受信されるたびに、そのタッチ信号に基づいた方向へ向けて更に1段階減速されてスクロールされる。これにより、最初の高速スクロールで表示領域Rに対して大まかな位置まで地図データを移動させ、その後に減速スクロールを繰り返すことで、例えば、目的の地図データを早急且つ確実に表示領域Rの略中央に表示させることができる。
【0080】
一方、設定時間TBを越えるまで連続して同一のタッチ信号を受信した場合には、ステップ324からステップ334へ進み、ステップ334でそれまでの高速スクロールや減速スクロールが停止される。次いで、ステップ336でフラグF1〜F3の全てに0が代入されてリセットされる。
【0081】
次いで、ステップ338では、それまでに受信したタッチ信号を記憶したメモリ等から最後に受信したタッチ信号を除いて消去する(換言すれば、このステップ314を経ることで、最後に受信したタッチ信号が最初に受信したタッチ信号になる)。さらに、このステップ338を経た後にステップ340を介して図6のステップ206へ戻る。なお、ステップ310においてステップ308で算出したベクトルが迷走ベクトルであると判定された場合にも、ステップ336へ進み、ステップ338、340を介して図6のステップ206へ戻る。
【0082】
次いで、ステップ206へ戻った後に、例えば、クリック信号を受信すると、ステップ216からステップ238へと進み、その直前に受信したタッチ信号と受信したクリック信号に基づいた各種の処理が行なわれる。
【0083】
以上説明したように、本実施の形態において地図画面プログラム起動時には、高速スクロール、減速スクロール、及び通常スクロールを用いることで、操作者の意図に対応した速さで確実に所望の地図データを表示領域Rに表示させることができる。
【0084】
(登録マーク検索プログラム起動時における本実施の形態の作用、効果)
次に、登録マーク検索プログラムを起動した際の画面切換(すなわち、通常切換としての通常スクロール、高速切換としての高速スクロール、及び変速切換としての減速スクロール)に関する作用並びに効果について説明する。
【0085】
なお、この登録マーク検索プログラム起動時及び次に説明する地名検索プログラム起動時に関しては図6のフローチャートに代えて図8のフローチャートに基づいて説明するが、基本的には上述した地図画面プログラム起動時と同じであり、基本的な作用並びに効果も同じであるため、以下、地図画面プログラム起動時と差異を中心に説明を行ない、基本的に同一の処理に関してはその詳細な説明を省略する。
【0086】
登録マーク検索プログラム起動時には、先ず図8に示されるように、ステップ200で制御部22が記憶媒体24から登録マーク検索プログラムを読み込んで登録マーク検索プログラムが起動されると、ステップ202で初期設定処理が行なわれ、更に、ステップ204では記憶媒体24から選択ボタン32〜54(図12参照)のデータが読み込まれると共に、登録マーク検索プログラム起動時における表示データであるところの登録マークデータが読み込まれてマトリクス状に展開される。但し、本実施の形態において登録マークデータはマトリックス状に展開されるが、展開された登録マークデータの行数は図12に示される選択ボタン32〜54の行数(すなわち、4行)に等しく、列数は登録マークのデータ数を行数で割った数に対応している。
【0087】
その後、ステップ206でモニタテレビ26の画面の表示領域Rに所定の登録マークデータが表示されているか否かが判定され、所定の登録マークデータが表示されていなければステップ208にて画面表示処理がなされ、展開された登録マークデータのうち、表示領域Rに対応した登録マークデータのラベルを図12に示すようにモニタテレビ26の画面に表示してステップ210へ進む。なお、以下、登録マーク検索プログラム起動時の説明に限り、モニタテレビ26の画面に表示可能(すなわち、表示領域Rへ移動可能)な行数及び列数の登録マークデータ(すなわち、本実施の形態においては、4行3列分の登録マークデータ)を1つの単位とし、この単位を便宜状「頁」と称する。すなわち、1頁分の登録マークデータとは4行3列の互いに隣接する登録マークデータのことをさす。
【0088】
例えば、操作者の指がタッチ部160に触れることでライン端子124とライン端子136とが導通し、この状態でのタッチ信号を制御部22が赤外線受光部20から受けると、ステップ210からステップ214、216を介してステップ218へ進み、それまでに同一のタッチ信号を連続して受信していなければ、ステップ402でタッチ信号処理が行なわれる。
【0089】
図12に示されるように、本実施の形態において登録マーク検索プログラムが起動された際にモニタテレビ26に表示される選択ボタン32〜54は、全体的にマトリックス状となり、その行数はライン端子122〜128の本数に等しく、列数はライン端子132〜136の本数に等しい。すなわち、ライン端子122〜136の交点(換言すれば、タッチ部150〜172)が選択ボタン32〜54に対応することになり、ステップ402では、受信したタッチ信号に該当する(すなわち、この場合にはライン端子124とライン端子136との交点に対応する)選択ボタン34並びにこの選択ボタン34内に表示された登録マークデータのラベルが反転表示される(図13参照)。
【0090】
仮に、シートスイッチ110並びにパネル84を介してプッシュスイッチ96の可動部100を押圧して本体98の固定接点と可動部100の可動接点とを導通させ、更にこのときの導通信号に基づいて赤外線発光素子102から発せられた赤外線信号Lを赤外線受光部20が受けると、赤外線受光部20から制御部22へクリック信号が送られる。このような場合には、図8のステップ216からステップ238へと進み、制御部22は、例えばクリック信号受信直前に受信したタッチ信号に該当する選択ボタン34に表示されている登録マークに対応した地点を中心として、そのタッチ部の地図データをモニタテレビ26に表示させる(表示例の一態様としては図9を参照)。
【0091】
一方、設定時間TAを越えて指がタッチ部160に触れていた場合には、図8のステップ224からステップ228へと進んで登録マーク検索プログラム起動時における通常スクロール処理が行なわれる。
【0092】
この通常スクロール処理では、シートスイッチ110上(パネル84上)での操作者の指位置に基づき(すなわち、タッチ信号に基づいて)所定の方向へ画面が移動する。
【0093】
すなわち、例えば、タッチ部160に指が触れている場合では、タッチ部160はパネル84の中央に対して概ね右方に位置するため、ステップ228では、展開した登録マークデータを一列分だけ表示領域Rに対して全体的に左方へ移動させる。これにより、選択ボタン48〜54にラベル表示されていた登録マークデータ(すなわち、表示領域Rの左端側に位置する)は表示領域Rの左外側へ移動する。同様にボタン32〜46にラベル表示されていた登録マークデータも移動して選択ボタン40〜54内でラベル表示される。さらに、それまで表示領域Rの右外側に位置してラベル表示されていなかった登録マークデータが一列分だけ表示領域R内に位置して選択ボタン32〜38でラベル表示される(図14参照)。
【0094】
このように、パネル84(シートスイッチ110)の右側を指で触れ続けることで、相対的に表示領域Rが右方へ移動することになる。したがって、所望の登録マークデータが表示領域R内に位置するまでパネル84(シートスイッチ110)に触れ続けることで所望の登録マークデータをモニタテレビ26の画面に表示させることができる。
【0095】
なお、上述したように、本実施の形態にあっては、展開された登録マークデータの行数は選択ボタン32〜54の行数と同じであるため、表示領域Rに対して選択ボタン32〜54の列方向(本実施の形態では図12〜14の上下方向)に沿った方向(厳密には選択ボタン32〜54の列方向に対応した方向に沿った方向)の外側には、表示領域Rに表示しきれない登録マークデータが存在するが、表示領域Rに対して選択ボタン32〜54の列方向に沿った方向の外側には登録マークデータが存在しない。
【0096】
このため、本登録マーク検索プログラム起動時では登録マークデータを表示領域Rに対して選択ボタン32〜54の列方向に沿った方向へ移動させる処理は行なわれない。また、特にフローチャートを用いた説明はしないが、この通常スクロール処理は、同一のタッチ信号が途絶えること、すなわち、指がシートスイッチ110上から離れるか、或いは、シートスイッチ110上で指が移動するかにより終了する。この通常スクロール処理が終了するとステップ230へ進んでステップ200へ戻る。
【0097】
これに対し、設定時間TAを越える前にタッチ部160からタッチ部158へ指がスライドした後に設定時間TAを越える前にタッチ部158からタッチ部156へ指がスライドし、更に、設定時間TAを越える前にシートスイッチ110から指を離すと、上述した地図画面表示プログラム起動時と同様に図8のステップ210、212を経てステップ236へ進んで高速スクロール処理が行なわれる。
【0098】
登録マーク検索プログラム起動時においても上述した地図画面表示プログラム起動時と同様に図7に示されるようにステップ300〜340の処理が行なわれる。但し、上記の地図画面表示プログラム起動時においてステップ312の速度設定処理は地図データの移動速度の設定であったが、本登録マーク検索プログラム起動時においてはステップ312の速度設定処理は表示領域R内での登録マークデータの表示時間をいう。また、通常スクロール時と同様に、高速スクロール処理においても本登録マーク検索プログラム起動時には登録マークデータを表示領域Rに対して選択ボタン32〜54の列方向(本実施の形態では図12〜14の上下方向)に沿った方向へ移動させる処理が行なわれることはない。
【0099】
ステップ314で高速スクロールが開始されると、表示領域Rに対してステップ308で算出したベクトルの方向、すなわち、シートスイッチ110上でタッチ部156を始端位置としタッチ部160を終端位置とするベクトルの向きに対応した方向の外側へ表示領域Rでラベル表示されている登録マークデータ(すなわち、選択ボタン32〜54内でラベル表示されている登録マークデータ)の全てが一度に移動する。さらに、ステップ308で算出したベクトルの向きとは反対方向で表示領域Rの外側で隣接する1頁分の登録マークデータが一度に表示領域R内に移動して対応する選択ボタン32〜54内でラベル表示される(図15参照)。
【0100】
次いで、ステップ312で設定された時間だけ表示領域R内(すなわち、選択ボタン32〜54内)で登録マークデータのラベルを表示した後に、この状態で表示領域Rにラベル表示されている登録マークデータの全てが上記と同じベクトルの方向の表示領域R外へ一度に移動する。さらに、この状態でステップ308で算出したベクトルの向きとは反対方向で表示領域Rの外側で隣接する1頁分の登録マークデータが一度に表示領域R内に移動して対応する選択ボタン32〜54内でラベル表示される。
【0101】
上記の高速スクロール開始後は、図7のステップ302、304、306、302のループを巡回し、高速スクロール(すなわち、登録マークデータの移動)が繰り返され続ける。
【0102】
次いで、この状態で、例えば、操作者の指がシートスイッチ110上の設定時間TBよりも短い時間でタッチ部156に触れ、これに伴うタッチ信号が赤外線受光部20から制御部22へ送られると、ステップ326で方向設定処理がなされる。次いで、ステップ328で速度変更処理が行なわれて表示領域R内での表示時間が1段階遅く設定される。ステップ330を経た後、ステップ332で減速スクロールが開始されると、シートスイッチ110の略中央からタッチ部156への方向とは反対方向へ登録マークデータの全てが一度に移動すると共に、シートスイッチ110の略中央からタッチ部156への方向で表示領域Rの外側で隣接する1頁分の登録マークデータが一度に表示領域R内に移動する。
【0103】
上記の減速スクロール開始後は、図7のステップ302、304、306、302のループを巡回し、その間、表示領域R内に移動した登録マークデータはステップ326で設定された時間、すなわち、それ以前の表示時間よりも1段階遅い時間だけ表示領域R内で表示された後に移動する。
【0104】
このように、本登録マーク検索プログラム起動時においては、表示領域Rに表示されている登録マークデータに対して所望の(すなわち、表示したい)登録マークデータが離れているような場合であっても、上記の高速スクロールを行なうことで、通常スクロールを行なうよりも早急に所望の登録マークデータを表示させることができる。
【0105】
しかも、高速スクロール開始後に所望の登録マークデータが近づいてきた場合、或いは、表示領域Rに所望の登録マークデータを表示させたものの、登録マークデータの移動の停止が間に合わなかった場合等においては、減速スクロールを行なうことで落ちついて確実に所望の登録マークデータを表示領域Rに表示させることができる。
【0106】
また、以上のように高速スクロール及び減速スクロールを行なうことで、別途、高速スクロールモードボタンや減速スクロールモードボタンを表示領域R内に表示させなくてもよいため、選択ボタン32〜54の大型化や数量増加等、表示領域Rの有効活用が可能となる。
【0107】
なお、上述したように、本実施の形態では、登録マーク検索プログラムを起動させた際の登録マークデータの移動方向(すなわち、スクロール方向)を選択ボタン32〜54の行方向(本実施の形態では図12〜14の左右方向)にのみに限定した構成であった。しかしながら、展開された登録マークデータの並び方次第で登録マークデータの移動方向は選択ボタン32〜54の行方向でない場合がよいことは言うまでもない。
【0108】
すなわち、登録マークデータの列数を選択ボタン32〜54の列数に等しくし、登録マークのデータ数を列数で割った数の行数を有するような態様に登録マークデータを並べたような場合には、当然のことながら、登録マークデータの移動方向は列方向(本実施の形態では図12〜14の上下方向)に対応した方向となる。
【0109】
また、選択ボタン32〜54の行数及び列数よりも多く行方向並びに列方向へ展開時の登録マークデータが並ぶ場合には、行方向、列方向の双方へ登録マークデータを移動させる必要があり、更に、行方向、列方向のみならず行方向に対して列方向へ傾斜した方向へ登録マークデータを移動可能とすることでより一層利便性が向上する。
【0110】
また、本実施の形態では、登録マーク検索プログラムを起動させた場合に高速スクロール及び減速スクロールの何れもが1頁分の登録マークデータを移動させ、高速スクロールと減速スクロールとで表示時間を異ならせる構成であったが、高速スクロールと減速スクロールはこのような処理に限定されるものではない。
【0111】
例えば、高速スクロールでは1度に数頁分の登録マークデータを移動させ、減速スクロールでは1度に移動する登録マークデータの頁数を減らす構成であってもよいし、更には、高速スクロール及び減速スクロールも通常スクロールと同様に1列分の登録マークデータしか移動させないが、高速スクロール、減速スクロール、及び通常スクロールで表示時間を変える構成としてもよい。
【0112】
さらに言えば、上述した地図画面表示プログラム起動時においてもこのような登録マーク検索プログラム起動時と同様の処理を行なう構成としてもよい。
【0113】
(ジャンル別検索プログラム起動時における本実施の形態の作用、効果)
次に、ジャンル別検索プログラムを起動した際の画面切換(すなわち、通常切換としての通常スクロール、高速切換としての高速スクロール、及び変速切換としての減速スクロール)に関する作用並びに効果について説明する。
【0114】
なお、このジャンル別検索プログラム起動時における作用並びに効果は、基本的に上述した地図画面プログラム起動時と同じであため、以下、登録マーク検索プログラム起動時と差異並びにジャンル別検索プログラム起動時での特徴部分の説明を中心に行ない、基本的に同一の処理に関してはその詳細な説明を省略する。
【0115】
ジャンル別検索プログラム起動時においても、ステップ204では記憶媒体24から選択ボタン32〜54を含む画像若しくはその他のデータが読み込まれると共に、ジャンル別検索プログラム起動時における表示データであるところの分類データが読み込まれて階層的に展開される。本実施の形態において分類データは更に大分類データ、中分類データ、小分類データに分けられる。全ての中分類データは複数の大分類データのうちの何れか1乃至複数に属しており、全ての小分類データは複数の中分類データのうちの何れか1乃至複数に属している。すなわち、大分類データを頂点にして中分類データ、小分類データが階層的に並ぶ構成である。
【0116】
さらに、ステップ206でモニタテレビ26の画面の表示領域Rに所定の分類データが表示されているか否かが判定され、所定の分類データが表示されていなければステップ208にて画面表示処理がなされる。
【0117】
図16に示されるように、ジャンル別検索プログラム起動時における画面表示処理では、表示領域R内に選択ボタン32〜54がマトリックス状(本実施の形態では、4行3列)に表示される。また、この状態では、最も左側の列にある選択ボタン48〜54の各々に、1列に並んだ大分類データのうち表示領域R内に位置する大分類データのラベルが表示される。さらにこの状態では、表示された大分類データに属する中分類データのラベルが第1番目から順番に選択ボタン40〜46に表示されると共に、表示された中分類データに属する小分類データのラベルが第1番目から順番に選択ボタン32〜38に表示される。
【0118】
但し、選択ボタン32〜38に表示された小分類データのうち、何れか2以上が同一の中分類データに属する場合には、同一の中分類データに属する小分類データのラベルを表示した選択ボタン32〜38のうち、上方に位置する小分類データのラベルの左側(すなわち、同一行)の中分類データのラベルだけが選択ボタン40〜46に表示され、同一の中分類に属する小分類データのラベルのうち、下方に位置する小分類データのラベルの左側の選択ボタン40〜46は空欄となる。
【0119】
同様に、選択ボタン40〜46に表示される中分類データのうち、何れか2以上が同一の大分類データに属する場合には、同一の大分類データに属する中分類データのラベルを表示した選択ボタン40〜46のうち、上方に位置する中分類データのラベルの左側(すなわち、同一行)の大分類データのラベルだけが選択ボタン48〜54に表示され、同一の中分類に属する中分類データのラベルのうち、下方に位置する中分類データのラベルの左側の選択ボタン48〜54は空欄となる。
【0120】
このように各分類データのラベルが表示された状態で、操作者の指がタッチ部160に触れることによりライン端子124とライン端子136とが導通し、この状態でのタッチ信号を制御部22が赤外線受光部20から受けると、ステップ210からステップ214、216を介してステップ218へ進み、それまでに連続して同一のタッチ信号を受信していなければ、ステップ402でタッチ信号処理が行なわれ、登録マーク検索プログラム起動時と同様に該当する選択ボタン34並びにこの選択ボタン34内で表示されている分類データ(小分類データ)のラベルが反転表示される(図17参照)。
【0121】
仮に、この状態でシートスイッチ110並びにパネル84を介してプッシュスイッチ96の可動部100を押圧して本体98の固定接点と可動部100の可動接点とを導通させ、更にこのときの導通信号に基づいて赤外線発光素子102から発せられた赤外線信号Lを赤外線受光部20が受けると、赤外線受光部20から制御部22へクリック信号が送られる。
【0122】
このようなクリック信号、すなわち、タッチ部160に対応したタッチ信号を受信した直後にクリック信号を制御部22が受信した場合には、ステップ402でタッチ部160に対応する選択ボタン34にラベル表示された小分類データに含まれる個別のデータ、例えば、登録マーク検索プログラム起動時において説明した登録マークデータのうち、この小分類データに含まれる登録マークデータを選択ボタン32〜54に表示させたり、或いは、この小分類データに含まれる登録マークデータのみを抽出した上で展開し、上述した登録マーク検索プログラムを起動させる。
【0123】
また、仮にタッチ部152に対応したタッチ信号を受信した直後にクリック信号を制御部22が受信した場合には、ステップ402でタッチ部152に対応する選択ボタン40にラベル表示された中分類データに含まれる小分類データを一列に展開して、表示領域R内の小分類データのラベルを選択ボタン32〜38にラベル表示させる(一例として図22参照)。但し、該当する中分類データに属する小分類データの数が選択ボタン32〜38よりも少ない場合には、該当する中分類データの前若しくは後の中分類データに関して小分類データを同様にラベル表示させる。
【0124】
さらに、仮にタッチ部150に対応したタッチ信号を受信した直後に制御部22がクリック信号を受信した場合には、ステップ402でタッチ部150に対応する選択ボタン48に表示された大分類データに含まれる中分類データを一列に展開して、表示領域R内の中分類データのラベルを選択ボタン40〜46に表示させる。さらに、選択ボタン40〜46にラベルが表示された各中分類データに属する第1番目の小分類データのラベルを対応する中分類データのラベルが表示された選択ボタン40〜46の右側に位置する選択ボタン32〜38にそれぞれ表示させる(一例として図20参照)。但し、該当する大分類データに属する中小分類データの数が選択ボタン40〜46よりも少ない場合には、該当する大分類データの前若しくは後の大分類データに関して中分類データと分類データとを同様にラベル表示させる。
【0125】
これに対し、例えば、タッチ部156からタッチ部162へ指がスライドした後に設定時間TAを越える前にタッチ部162からタッチ部168へ指がスライドした場合のようにシートスイッチ110上で列方向に指がスライドし、且つ、設定時間TAを越える前にシートスイッチ110から指を離すと、上述した登録マーク検索プログラム起動時と同様に図8のステップ210、212を経てステップ236へ進んで高速スクロール処理が行なわれる。
【0126】
但し、本実施の形態では、選択ボタン32〜54の行方向に沿って大分類データ、中分類データ、小分類データの3つの分類データに分けて並び、基本的にそれ以外の分類データがないため、選択ボタン32〜54の行方向に沿った方向で表示領域Rの外側に位置するデータは存在しない。したがって、本実施の形態では、ジャンル別検索プログラム起動時において選択ボタン32〜54の行方向に沿った高速スクロール並びに減速スクロールが行なわれることはなく、また、通常スクロール時でも選択ボタン32〜54の行方向スクロールされることはない。
【0127】
また、本実施の形態においては、マトリックス状のタッチ部150〜172のどの列で指がスライドしたかにより高速スクロール及び減速スクロールの態様が異なる。以下、各列毎に分けて説明する。
【0128】
タッチ部156からタッチ部168へ向けて指がスライドすることによってステップ314で高速スクロール処理が開始されると、先ず、全ての大分類データが一列に並べられる。
【0129】
次いで、一列に並んだ大分類データのうち、図8のステップ236へ進む直前までに受信したタッチ信号に基づいてステップ402で反転表示された選択ボタン54並びに大分類データのラベルの位置から表示領域R内で表示可能な大分類データのラベルが選択ボタン48〜52に表示される。
【0130】
さらに、選択ボタン48〜54に表示された各大分類データに属する第1番目の中分類データのラベルが対応する選択ボタン48〜54の右方で選択ボタン40〜46に表示されると共に、選択ボタン40〜46の各々に表示されたラベルの中分類データに属する第1番目の小分類データのラベルが対応する選択ボタン40〜46の右方で選択ボタン32〜38に表示される(図18参照)。
【0131】
次いで、この状態から大分類データの全てが表示領域Rに対してステップ308で算出したベクトルの方向へ移動する。なお、このときの大分類データの移動は、登録マーク検索プログラム起動時のように表示領域R内の大分類データ(すなわち、4つの大分類データ)を一度に移動させると共に、ステップ308で算出したベクトルとは反対方向側で表示領域Rに隣接する大分類データを含めて表示領域R内で表示可能な大分類データ(すなわち、4つの大分類データ)を一度に表示領域R内に移動させて、該当する大分類データのラベルを選択ボタン48〜54に表示させてもよい。また、大分類データをステップ308で算出したベクトルの方向へ移動させ、移動させた後に対応する大分類データのラベルを選択ボタン48〜54に表示させてもよい。
【0132】
さらに、この大分類データが移動して新たに選択ボタン48〜54内でラベルが表示されると、表示された各大分類データに属する第1番目の中分類データのラベルが対応する大分類データのラベルの右側で選択ボタン40〜46の各々に新たに表示されると共に、表示された中分類データに属する第1番目の小分類データのラベルが対応する中分類データのラベルの右側で選択ボタン32〜38の各々に新たに表示される(図19参照)。
【0133】
一方、タッチ部158からタッチ部170へ向けて指がスライドすることによってステップ314で高速スクロール処理が開始されると、先ず、中分類データの全て、若しくは、先に所望の大分類データが決定していればその所望の大分類データに属する中分類データが一列に展開される。
【0134】
次いで、この一列に並んだ中分類データのうち、図8のステップ236へ進む直前までに受信したタッチ信号に基づいてステップ402で反転表示された選択ボタン46並びに中分類データのラベルの位置から表示領域R内で表示可能な中分類データのラベルが選択ボタン40〜44に表示される。
【0135】
さらに、選択ボタン40〜46の各々に表示されたラベルの中分類データに属する第1番目の小分類データのラベルが対応する選択ボタン40〜46の右方で選択ボタン32〜38に表示される(図20参照)。
【0136】
この状態で、表示領域Rに対してステップ308で算出したベクトルの方向へ中分類データが移動する。なお、大分類データ移動時と同様に、表示領域R内の中分類データ(すなわち、4つの中分類データ)を一度に移動させると共に、ステップ308で算出したベクトルとは反対方向側で表示領域Rに隣接する中分類データを含めて表示領域R内で表示可能な中分類データ(すなわち、4つの中分類データ)を一度に表示領域R内に移動させて、該当する中分類データのラベルを選択ボタン48〜54に表示させてもよい。また、中分類データをステップ308で算出したベクトルの方向へ移動させ、移動させた後に対応する中分類データのラベルを選択ボタン40〜46に表示させてもよい。
【0137】
中分類データが移動して新たに選択ボタン40〜46内でラベルが表示されると、表示された各中分類データに属する第1番目の小分類データのラベルが対応する中分類データのラベルの右側で選択ボタン32〜38の各々に新たに表示される(図21参照)。
【0138】
これに対し、タッチ部160からタッチ部172へ向けて指がスライドすることによってステップ314で高速スクロール処理が開始されると、先ず、小分類データの全て、若しくは、先に所望の大分類データ或いは中分類データが決定していればその所望の大分類データ或いは中分類データに属する小分類データが一列に展開される。
【0139】
次いで、一列に並んだ小分類データのうち、図8のステップ236へ進む直前までに受信したタッチ信号に基づいてステップ402で反転表示された選択ボタン38並びに小分類データのラベルの位置から表示領域R内で表示可能な小分類データのラベルが選択ボタン32〜36に表示される(図22参照)。
【0140】
この状態で、図23に示されるように、表示領域Rに対してステップ308で算出したベクトルの方向へ小分類データが移動する。なお、大分類データ移動時及び中分類データ移動時と同様に、表示領域R内の小分類データ(すなわち、4つの小分類データ)を一度に移動させると共に、ステップ308で算出したベクトルとは反対方向側で表示領域Rに隣接する小分類データを含めて表示領域R内で表示可能な小分類データ(すなわち、4つの小分類データ)を一度に表示領域R内に移動させて、該当する小分類データのラベルを選択ボタン32〜38に表示させてもよい。また、小分類データをステップ308で算出したベクトルの方向へ移動させ、移動させた後に対応する小分類データのラベルを選択ボタン32〜38に表示させてもよい。
【0141】
上記の高速スクロール開始後は、図7のステップ302、304、306、302のループを巡回し、高速スクロール(すなわち、分類データの移動)が繰り返され続ける。
【0142】
次いで、この状態で、例えば、操作者の指がシートスイッチ110上の設定時間TBよりも短い時間でタッチ部170等に触れ、これに伴うタッチ信号が赤外線受光部20から制御部22へ送られると、ステップ326で方向設定処理がなされる。さらに、ステップ328で速度変更処理が行なわれて表示領域R内での表示時間が1段階遅く設定される。
【0143】
ステップ330を経た後、ステップ332で減速スクロールが開始されると、高速スクロール時と同様の移動形態でシートスイッチ110の略中央からタッチ部170等への方向とは反対方向へ高速スクロールしていた分類データ(すなわち、大分類データ、中分類データ、小分類データの何れか)移動すると共に、これに伴い該当する分類データ以外の分類データも移動する、表示領域R内に位置した分類データのラベルが対応する選択ボタン32〜54に表示される。
【0144】
上記の減速スクロール開始後は、図8のステップ302、304、306、302のループを巡回し、その間、表示領域R内に移動した分類データはステップ326で設定された時間、すなわち、それ以前の表示時間よりも1段階遅い時間だけ表示領域R内で表示された後に移動する。
【0145】
このように、本ジャンル別検索プログラム起動時においては、表示領域Rに表示されている分類データに対して所望の(すなわち、表示したい)分類データが離れているような場合であっても、上記の高速スクロールを行なうことで、通常スクロールを行なうよりも早急に所望の分類データを表示させることができる。しかも、高速スクロール開始後に所望の分類データが近づいてきた場合、或いは、表示領域Rに所望の分類データを表示させたものの、分類データの移動停止が間に合わなかった場合等においては、減速スクロールを行なうことで落ちついて確実に所望の分類データを表示領域Rに表示させることができる。
【0146】
また、大分類データ、中分類データ、及び小分類データ毎に高速スクロール、減速スクロール、及び通常スクロールを行なうことで、例えば、小分類データが膨大であったり、各小分類データに含まれる個別データ(例えば、登録マーク検索プログラム起動時における登録マークデータ)の和が膨大である場合でも、所望の小分類データや個別データを早急に検索でき、操作性が向上する。
【0147】
さらに、以上のように高速スクロール及び減速スクロールを行なうことで、別途、高速スクロールモードボタンや減速スクロールモードボタンを表示領域R内に表示させなくてもよいため、選択ボタン32〜54の大型化や数量増加等、表示領域Rの有効活用が可能となる。
【0148】
なお、本実施の形態では、大分類データ、中分類データ、及び小分類データの3種類を選択ボタン32〜54の行方向に並べる構成としたが、これらの3種類の分類データを選択ボタン32〜54の列方向に並べる構成としてもよい。この場合には、3種類の分類データを選択ボタン32〜54の行方向に並べた構成で各分類データの移動方向(スクロール方向)が列方向であったのに対し、各分類データの移動方向(スクロール方向)が行方向となることは言うまでもない。
【0149】
また、本実施の形態では、分類データを大分類データ、中分類データ、及び小分類データの3種類とした構成であったが、分類データを4種類以上とすることも可能である。もちろん、分類データを4種類以上とした場合には、ライン端子122〜136並びに選択ボタン32〜54の列数を増やして対応してもよいが、選択ボタン32〜54の行方向に沿ったスクロールを可能とし、選択ボタン32〜54の行方向で表示領域R外に位置する分類データを選択ボタン32〜54の行方向に沿ったスクロールで表示領域R内に移動させて表示させる構成とすることで、ライン端子122〜136や選択ボタン32〜54の列数を増やさずとも対応できる。
【0150】
さらに、これまでに説明した本実施の形態では、上述した地図画面表示プログラム、登録マーク検索プログラム、及びジャンル別検索プログラムの全てが起動可能な構成であったが、これらの3つのプログラムのうち、何れか1又は2を有する(起動可能な)構成としてもよいし、また、他のプログラムに上述したような高速スクロール処理や減速スクロール処理を適用してもよい。
【0151】
また、本実施の形態では、高速スクロール処理と減速スクロール処理の双方を有する構成であったが、減速スクロール処理を有しない構成としてもよい。
【0152】
さらに、上記各実施の形態では、コントローラ70からはタッチ信号及びクリック信号に基づいた赤外線信号Lを装置本体12へ送り、装置本体12の制御部22にて赤外線信号Lを処理し、判定する構成であったが、コントローラ70内のCPU88にてタッチ信号及びクリック信号を処理、判定し、その結果のみを赤外線信号Lとして送る構成としてもよい(換言すれば、制御手段を制御部22とCPU88とに分割してもよい)。
【0153】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、データを移動させるにあたり、操作体を操作面上で移動させた後に特定の操作や操作の継続を行なわなくてもよいため、操作性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画面操作装置の概略的な外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る画面操作装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る画面操作装置の検出手段を備えたコントローラの平面図である。
【図4】図3の4−4線に沿ったコントローラの要部を示す断面図である。
【図5】検出手段の展開状態における平面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る画面操作装置の制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】データ移動(高速スクロール)処理時のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態に係る画面操作装置の制御の流れ変形例を示すフローチャートである。
【図9】地図表示プログラム起動時の画面例である。
【図10】地図表示プログラム起動時におけるのデータ移動(高速スクロール)時での画面例である。
【図11】地図表示プログラム起動時におけるの減速スクロール時での画面例である。
【図12】登録マーク検索プログラム起動時の画面例である。
【図13】選択ボタンの反転処理がなされた状態を示す図12に対応した画面例である。
【図14】登録マーク検索プログラム起動時における通常スクロールが行なわれた場合での画面例である。
【図15】登録マーク検索プログラム起動時におけるデータ移動(高速スクロール)時での画面例である。
【図16】ジャンル別検索プログラム起動時の画面例である。
【図17】選択ボタンの反転処理がなされた状態を示す図16に対応した画面例である。
【図18】大分類データのデータ移動(高速スクロール)開始直前での画面例である。
【図19】大分類データのデータ移動(高速スクロール)開始後での画面例である。
【図20】中分類データのデータ移動(高速スクロール)開始直前での画面例である。
【図21】中分類データのデータ移動(高速スクロール)開始後での画面例である。
【図22】小分類データのデータ移動(高速スクロール)開始直前での画面例である。
【図23】小分類データのデータ移動(高速スクロール)開始後での画面例である。
【符号の説明】
10 カーナビゲーション装置(画面操作装置)
22 制御部(制御手段)
26 モニタテレビ(出力手段)
110 シートスイッチ(検出手段)
R 表示領域

Claims (4)

  1. 操作面上での操作体の位置を検出する検出手段と、
    出力手段の表示領域中の各所定位置にデータを表示させると共に、前記検出手段からの検出信号に基づいて前記操作面上で移動する前記操作体の移動方向を算出して当該移動方向とは略反対方向へ前記データの全部若しくは一部を移動させて前記移動方向に対応した方向における前記表示領域の前記移動方向外側のデータを前記出力手段に表示させ、更に、前記操作面上での移動を終了した前記操作体を前記検出手段が検出しなくなった場合には前記データの移動の実行を開始し、且つ、継続して前記データの移動を実行し続ける制御手段と、
    を備える画面操作装置。
  2. 前記制御手段は、前記検出手段からの信号に基づいて、前記操作面上での前記操作体の移動開始地点、1乃至複数の移動途中の中間点、及び移動終了地点の少なくとも1の地点における前記操作体の停滞時間若しくは少なくとも前記1の地点から他の1の地点までの移動時間を算出すると共に、算出した前記停滞時間若しくは移動時間が所定値未満の場合に前記データの移動を実行することを特徴とする請求項1記載の画面操作装置。
  3. 前記制御手段は、前記操作面上での前記操作体の移動以外の所定の操作を検出して、前記操作体の移動検出時での前記データの移動速度とは異なる速度で前記データの全部若しくは一部を移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画面操作装置。
  4. 前記制御手段は、前記検出手段からの信号に基づいて、前記操作面上での前記操作体の移動開始地点、1乃至複数の移動途中の中間点、及び移動終了地点の少なくとも1の地点における前記操作体の停滞時間若しくは少なくとも前記1の地点から他の1の地点までの移動時間を算出すると共に、算出した前記停滞時間若しくは移動時間に基づいて前記データの移動速度を設定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画面操作装置。
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