JP4315529B2 - 系統連系システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池等の発電手段によって発電した電力をインバータによって系統電源に応じた電力に変換して出力する系統連系システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
系統連系システムでは、太陽光発電装置等の発電装置によって発電した直流電力をインバータによって系統電源に応じた交流電力に変換し、系統電源ヘ回生させる。このとき、系統連系システムに用いられるインバータでは、系統電源の停電による単独運転の防止と共に、系統電源の過電圧、不足電圧、周波数上昇、周波数低下に対する系統連系保護を行うようになっている。
【0003】
一方、インバータでは、定格電力の出力時に最も効率のよい運転が可能となっているが、太陽電池を用いた発電装置では、日射量等によって発電電力が変化するため、インバータでは、入力電力が定格電力に満たない時には、発電電力の変化に応じて出力効率が最も高くなるように最大電力追従制御(MPPT制御)を行うようになっている。
【0004】
また、出力電力の大きいインバータでは、定格電力に対して入力電力が低すぎると、出力効率が極端に低下してしまう。このため、系統連系システムでは、複数台のインバータを並列接続して、入力電力に応じてインバータの運転台数を設定することにより、発電電力が低いときでも効率よく運転できるようにする提案がなされている。
【0005】
さらに、複数台のインバータを系統電源の一つのバンク(同一構内)に設けた場合、系統連系システムから出力された電力は、そのバンク内で消費されるか、系統側に逆潮流して、系統電源の電圧上昇を引き起こしてしまう。このために、系統連系システムでは、インバータの出力を抑制して系統電源の電圧上昇を防止している。
【0006】
ところで、バンク内で多数の負荷が系統電源に接続されていると、それぞれの負荷の力率が高くても、バンク全体としては、力率が低くなることがある。また、系統電源に高調波が含まれるときには、この高調波の抑制も必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を鑑みてなされたものであり、バンク内に複数台のインバータを設置したときに、バンク内の力率改善及び高調波抑制を可能とする系統連系システムを提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、複数台のインバータを並列接続し、直流電源から出力される直流電力に応じて設定された台数のインバータによって、前記直流電源から出力する電力を系統電源に回生して系統電源に接続されている系統負荷へ供給する系統連系システムであって、系統電圧を検出する電圧検出手段と、前記系統負荷へ供給される負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、前記電圧検出手段及び負荷電流検出手段の検出結果から力率を判定する力率判定手段と、前記力率判定手段によって判定された力率が所定範囲を外れ、かつ前記複数台のインバータのうちの少なくとも1台の運転が停止しているときに、該運転の停止しているインバータを前記負荷電流に基づいて運転する運転運転制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、複数台のインバータを用いて直流電力を系統電源に回生させるときに、直流電源から出力される直流電力に応じた台数のインバータを運転し、余分なインバータを停止させておく。
【0010】
一方、力率判定手段は、負荷電流と系統電圧に基づいて系統負荷の力率を判定し、力率が低くなると運転制御手段が、運転を停止しているインバータを運転する。このとき、停止していたインバータを負荷電流に基づいて一定電圧制御によって運転し、負荷電流に含まれる無効電力や高調波成分に応じた無効電力を発生させて系統負荷へ供給する。
【0011】
これにより、負荷電流に含まれる無効電力及び高調波の抑制が可能となり、系統電源から見た系統負荷の力率改善と共に、系統電源への高調波の回り込みを防止することができる。
【0012】
また、本発明は、前記負荷電流の逆相成分を生成する反転手段を含み、前記運転制御手段が前記反転手段によって位相が反転された負荷電流に基づいて前記運転の停止しているインバータを運転することを特徴とする。
【0013】
これにより、本発明では、運転制御手段によって運転されるインバータが、系統負荷で発生する、無効電力を系統負荷へ供給し、系統電源から見た系統負荷の力率を高くする。すなわち、系統電源から系統負荷に供給される無効電力を低く抑えることができる。
【0014】
また、本発明は、前記負荷電流の基本波を除去する除去手段を含み、前記反転手段が前記除去手段によって基本波が除去された負荷電流の逆相成分を生成することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、除去手段は、負荷電流から基本波を除去することにより、高調波成分を抽出する。この除去手段の出力に基づいてインバータを運転することにより、系統負荷で発生する高調波を相殺して、系統負荷で発生した高調波が系統電源に回り込むのを防止することができる。
【0016】
このような本発明では、複数台のインバータの中から1台の親機を設定し、この親機が子機の運転/停止と共に、停止している子機から負荷電流に基づいて運転する子機を設定する構成を用いることができる。
【0017】
また、本発明では、前記インバータのそれぞれに設けられているコントローラと、該コントローラを接続する通信手段によって形成することができる。
【0018】
これにより、特別に専用の運転制御手段を設ける必要がなくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に適用した電源システム10の概略構成を示している。
【0020】
この電源システム10では、太陽電池モジュールを直流電源12として用いており、この直流電源12に複数のインバータ14が並列接続されている。なお、本実施の形態では、一例として電源システム10をインバータ14A、14B、14C(総称するときは「インバータ14」と言う)の3台によって構成している。
【0021】
それぞれのインバータ14の入力側は、ラッチ式のマグネットスイッチ18(18A、18B、18C)を介して直流電源12に接続されており、出力側は、系統電源16に接続されている。これにより、電源システム10は、直流電源12から出力された直流電力をインバータ14によって交流電力に変換して、系統電源16へ出力する系統連系発電システムを形成している。なお、本実施の形態では、一例として最大出力電力が10kWの直流電源12に対して3.5kW出力の3台のインバータ14を用いた例を示している。
【0022】
図2に示されるように、それぞれのインバータ14は、インバータ回路20及びインバータ回路20を制御するマイコン22を備えており、マグネットスイッチ18を介してインバータ14に入力され直流電力は、ノイズフィルタ26を介してインバータ回路20へ供給される。
【0023】
インバータ回路20には、図示しないスイッチング素子がブリッジ状に接続されており、インバータ回路20は、直流電力をPWM理論に基づいてこのスイッチング素子をスイッチングして系統電源16とほぼ同じ周波数の擬似正弦波を出力する。このとき、インバータ回路20に入力される直流電力は、インバータ回路20で系統電源16とほぼ同じ周波数の交流電力に変換されて出力される。
【0024】
インバータ回路20から出力される交流電力は、フィルタ回路28、ノイズフィルタ29及び解列コンタクタ30を介してトランスレス方式で系統電源16のラインへ供給される。
【0025】
マイコン22には、インバータ回路20に入力される直流電圧を検出するアイソレーションアンプからなる入力電圧検出部32、直流電流を検出する変流器(CT)からなる入力電流検出部34、インバータ回路20から出力される交流電流を検出する変流器(CT)からなる出力電流検出部38、変圧器(PT)によって系統電源16の系統電圧と電圧波形を検出する電圧波形検出部40が接続されている。
【0026】
通常、マイコン22は、入力電圧検出部32及び入力電流検出部34によって検出する直流電力と、電圧波形検出部40によって検出した電圧に基づいて、インバータ回路20の図示しないスイッチング素子を駆動するスイッチング信号のデューティ比を制御する。
【0027】
これにより、インバータ14は、位相及び周波数が系統電源16と一致した交流電力を出力する。なお、インバータ回路20から出力される交流電力はノコギリ波状となっており、フィルタ回路28が、このインバータ回路20の出力電力から高調波成分を除去することにより、インバータ14所定の電圧波形の交流電力が出力される。
【0028】
一方、解列コンタクタ30は、マイコン22に接続されており、マイコン22は、この解列コンタクタ30によってインバータ14と系統電源16の接続及び切り離しを行なう。これにより、例えば、マイコン22は、太陽電池モジュール(直流電源12)による発電電力が少ないか発電していないために、直流電源12からの出力電力が少ないために、インバータ14の作動が停止しているときには、インバータ14と系統電源16とを切り離し、また、インバータ14が作動を開始する直前に、インバータ14と系統電源16を接続する。
【0029】
また、マイコン22は、電圧波形検出部40の検出する電圧波形から系統電源16が停電状態と判断されるときには、解列コンタクタ30によって速やかにインバータ14を系統電源16から切り離して、インバータ14の単独運転等を防止するようにしている。さらに、マイコン22は、過電圧(OVR)、不足電圧(UVR)、周波数上昇(OFR)、周波数低下(UFR)及び単独運転に対するインバータ14の保護を行う。なお、インバータ14は、従来公知の構成及び制御方法を適用でき、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0030】
一方、図1に示されるように、電源システム10では、インバータ14の夫々にリモートコントローラ50(50A、50B、50C)が接続されている。
【0031】
図3に示されるように、リモートコントローラ50は、マイクロコンピュータを備えたコントロール部52及びLCD等を用いた表示部54と共に電源回路56が設けられており、表示部54及び電源回路56がコントロール部52に接続されている。また、リモートコントローラ50には、設定スイッチ部58及び通信コネクタ60が設けられており、これらがコントロール部52に接続されている。
【0032】
電源回路56は、図示しないバックアップ用のバッテリーが設けられていると共に、系統電源16に接続されており、系統電源16から供給される電力によってリモートコントローラ50が動作するようになっている。すなわち、リモートコントローラ50は、直流電源12から直流電力が入力されずに、インバータ14が停止状態であっても、動作可能となっている。
【0033】
このリモートコントローラ50の通信コネクタ60には、インバータ14のマイコン22が接続される。これにより、リモートコントローラ50では、インバータ14が出力する出力電力量の積算等の、インバータ14の運転管理が可能となっている。また、インバータ14が単独運転停止のために動作を停止すると、この情報がマイコン22からリモートコントローラ50に入力されるようになっている。
【0034】
また、図1に示されるように、リモートコントローラ50の夫々は、マグネットスイッチ18をオン/オフ駆動する駆動回路62に接続されている。
【0035】
インバータ14は、マグネットスイッチ18がオフされて直流電力が入力されなくなると運転を停止し、マグネットスイッチ18がオンされて直流電力が供給されることにより運転を開始する。
【0036】
夫々のリモートコントローラ50は、インバータ14のマイコン22に運転停止を指示する制御信号を出力するときにマグネットスイッチ18をオフし、運転開始を指示する信号を出力するときにマグネットスイッチ18をオンする。なお、リモートコントローラ50からマイコン22に入力される運転/停止の指示に基づいて、マイコン22がマグネットスイッチ18をオン/オフするものであってもよい。
【0037】
夫々のリモートコントローラ50の通信コネクタ60には、他のリモートコントローラ50が通信ケーブル64を介して接続される。このとき、リモートコントローラ50は、例えばループを形成するように専用の通信ケーブル64によって接続される。
【0038】
これにより、リモートコントローラ50A、50B、50Cの間で、夫々が接続されているインバータ14A,14B、14Cの運転情報の交換が可能となっている。
【0039】
このように構成されている電源システム10では、何れか1台のリモートコントローラ50が親機となって、親機が接続されているインバータ14と共に、子機となる他のリモートコントローラ50が接続されているインバータ14の運転/停止を制御するようになっている。なお、親機、子機の設定は、リモートコントローラ50の設定スイッチ部58に設けられている図示しないディップスイッチによって設定が可能となっているが、本実施の形態では、このディップスイッチによってリモートコントローラ50を特定するアドレスを設定するようにしている。
【0040】
設定スイッチ部58のディップスイッチを用いずに最初の親機となるリモートコントローラ50の設定する場合は、マグネットスイッチ18A、18B、18Cを閉じて、直流電源12から供給される電力によって何れのインバータ14も動作可能な状態で設置する。この後、直流電源12である太陽電池モジュールが発電を開始したときに、最初に動作を開始したインバータ14のリモートコントローラ50を親機として設定する。
【0041】
このようにして親機として設定されたリモートコントローラ50は、先ず、他のインバータ14が動作を開始しないように、残りのリモートコントローラ50を子機として設定する。この後に、親機として設定されたリモートコントローラ50は、接続されているインバータ14を常に運転状態とすると共に、直流電源12の出力電力の増加、減少に合わせて、子機としているリモートコントローラ50が接続されているインバータ14を運転/停止させる。
【0042】
一方、電源システム10では、例えば1日の稼動停止時に、インバータ14A〜14Cの出力電力の積算値(出力電力量)や、運転時間の積算値等の運転情報に基づいて、次に親機とするリモートコントローラ50を設定する。これにより、インバータ14A〜14Cの間で、出力電力量ないし運転時間の積算値が平均化するようにしている。
【0043】
すなわち、次に親機となるリモートコントローラ50は、出力電力量ないし運転時間が最も少なくなっているインバータ14に接続されているものを用いる。
【0044】
このために、子機となっているリモートコントローラ50は、接続されているインバータ14が停止すると、このインバータ14の出力電力の積算値(出力電力量)を、親機となっているリモートコントローラ50へ出力する。
【0045】
親機となっているリモートコントローラ50は、直流電源12からの直流電力が停止すると、接続されているインバータ14を停止すると共に、このインバータ14の出力電力量を算出する。この後、各インバータ14の出力電力量を比較して、最も少ないインバータ14のリモートコントローラ50を次の親機として設定する。これにより、次に電源システム10が立ち上がるときには、新たに親機として設定されたリモートコントローラ50が各インバータ14の作動を制御する。
【0046】
一方、親機に設定されたリモートコントローラ50に接続されているインバータ14では、入力される直流電力の変化に追従して、最大出力を取り出す最大電力追従制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking)を行う。また、子機として設定されているリモートコントローラ50に接続されているインバータ14は、常に最大出力となる定電力制御を行う。親機として設定されているリモートコントローラ50は、子機のインバータ14が定電力制御を行えるように直流電源12の出力の変化に基づいて運転/停止と共にマグネットスイッチ18の開閉を行う。
【0047】
また、電源システム10では、親機として設定されたリモートコントローラ50が、単独運転防止と共に過電圧(OVR)、不足電圧(UVR)、周波数低下(UFR)、周波数上昇(OFR)に対する連系保護を一括して行い、夫々のインバータ14が個々に連系保護を行うことによる干渉や誤動作を防止するようにしている。
【0048】
ところで、図1に示されるように、電源システム10には、電源調整装置70が設けられている。この電源調整装置70は、力率判定回路72と、電流抽出部74によって構成されている。
【0049】
力率判定回路72には、構内負荷66に流れる負荷電流を検出するCT76を備えた負荷電流検出部78と、系統電源16の電圧を検出するPT80を備えた系統電圧検出部82とが接続されている。なお、系統電圧検出部82に換えて、インバータ14に設けられている電圧波形検出部40の出力を用いても良い。
【0050】
力率判定回路72は、負荷電流検出部78及び系統電圧検出部82によって構内負荷66の力率を検出する。
【0051】
電流抽出部74には、位相反転回路84が設けられており、この位相判定回路84に負荷電流検出部78によって検出する負荷電流がアッテネータ86及びバンドエルミネーションフィルタ(Band Elimination filter:以下「BEF88」と言う)を介して入力される。
【0052】
図5に示されるように、BEF88は、系統電源16の周波数f0を含む所定の領域を減衰させ、系統電源16に含まれる高調波成分のみが通過する周波数特性を有している。なお、BEF88に換えてハイパスフィルタ(high-pass filter:HPF)を用いても良い。
【0053】
また、位相反転回路84は、BEF88から入力される負荷電流を反転させて出力する。すなわち、反転させた負荷電流の高調波成分(以下「電流信号Irω」と言う)を出力する。
【0054】
一方、図1、図2及び図4に示されるように、位相反転回路84の出力は、インバータ14に接続されており、位相反転回路84から出力される電流信号Irωがインバータ14のそれぞれに入力されるようになっている。また、図1乃至図3に示されるように、力率判定回路72は、インバータ14のそれぞれに対して設けられているリモートコントローラ50に接続されており、系統負荷66の力率が低下すると、力率の低下を示す信号をリモートコントローラ50に出力する。
【0055】
電源システム10では、前記した如く、発電電力に応じて運転するインバータ14の台数を設定し、設定した台数のみのインバータ14を運転し、他のインバータ14は運転を停止する。このとき、親機に設定されているリモートコントローラ50に、力率判定回路72から力率低下を示す信号が入力されると、親機は、停止しているインバータ14を運転する。
【0056】
図2及び図4に示されるように、インバータ14のそれぞれには、切替えスイッチ90が設けられており、力率判定回路72の判定結果に基づいて運転されるインバータ14は、マイコン22がこの切替えスイッチ90を操作して、入力を切替える。これにより、電圧波形検出部40の出力に換えて、位相反転回路84の出力がインバータ14に入力される。このとき、インバータ14は、定電圧制御を行う。すなわち、力率判定回路72の判定結果に基づいて運転されるインバータ14は、反転された負荷電流の高調波成分に基づいて定電圧制御を行う。
【0057】
例えば、図4に示されるように、通常、インバータ14では、信号生成部92で発電電圧VDCと系統電圧VACに基づいて、系統電圧VAC及び系統電源16の周波数f0に応じた電圧波形を得るためのスイッチング信号を生成する。この信号生成部92の出力は、出力電流の波形と合成されて、スイッチング信号の周期(例えば20Hz)を決定するオシレータ94の出力と共に比較器96に入力される。これにより、比較器96から直流電源12の直流電力を系統電源16の電圧VAC及び周波数f0に変換するためのスイッチング信号STが出力される。
【0058】
これに対して、力率判定回路72の判定結果に基づいて運転を開始するインバータ14では、切替えスイッチ90が操作されることにより、系統電圧VACに換えて、反転された負荷電流の高調波成分に基づいてスイッチング信号STが生成される。これにより、このインバータ14は、一定電圧で負荷電力に応じた無効電力を出力する。
【0059】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0060】
この電源システム10では、最初にリモートコントローラ50の親機の設定を行う。この親機の設定は、夫々のリモートコントローラ50に設けている設定スイッチ部58のディップスイッチによってアドレスと共に、初期値として1台の親機と子機を設定すればよい。
【0061】
また、自動的に親機/子機を設定する場合は、直流電源12の出力が停止している状態で、マグネットスイッチ18A〜18Cをオンして、インバータ14が動作可能な状態とする。この状態で例えば、日の出と共に直流電源12が直流電力の出力を開始すると、わずかながらの時間差を持ってインバータ14A〜14Cが運転を開始することになる。このとき、何れかのインバータ14が運転を開始すると、運転を開始したことを示す信号がリモートコントローラ50へ出力される。
【0062】
最初に運転を開始したインバータ14が接続されているリモートコントローラ50は、他のインバータバー14が作動を開始しないように、夫々のリモートコントローラ50へ制御信号を出力する。これにより、最初に運転したインバータ14のリモートコントローラ50が親機となり、他のリモートコントローラ50が子機として設定される。
【0063】
このように、リモートコントローラ50A〜50Cの間で親機/子機の設定がなされると、直流電源12から出力される直流電力に応じインバータ14A〜14Cの作動を制御する。
【0064】
このとき、親機となるインバータ14は、発電電力に応じて出力電力を変化させるMPPT制御を行い、発電電力が親機となっているインバータ14の定格出力を超えると、子機のインバータ14が定電力制御で運転を開始する。これにより、電源システム10では、発電電力を効率的に系統電源16を回生させることができるようにしている。また、電源システム10では、直流電源12の発電電力が比較的低い状態では、複数の子機のうちの少なくとも1台が運転を停止している。
【0065】
ところで、電源システム10には、電流調整装置70が設けられている。この電流調整装置70は、力率判定回路72で、負荷電流検出部82で検出する負荷電流と、系統電圧検出部82で検出する系統電圧から構内負荷66の力率を判定する。これにより、構内負荷66の力率が下がり、無効電力が増加していると、力率が低下したことをリモートコントローラ50に出力する。
【0066】
親機となっているリモートコントローラ50は、力率判定回路72から力率が低下したことを示す信号が入力されると、運転を停止させているインバータ14の有無を確認し、運転を停止させているインバータ14があるときには、このインバータ14を、アクティブ運転させるように該当するリモートコントローラ50へ出力する。
【0067】
運転を停止しているインバータ14のリモートコントローラ50は、親機からアクティブ運転が指示されると、マグネットスイッチ18を操作すると共に切替えスイッチ90を操作してインバータ14への入力を切替え、このインバータ14をアクティブ運転時に設定されている定電圧制御による運転を指示する。
【0068】
これにより、運転が停止しているインバータ14の運転が定電圧制御による運転を開始する。例えば、リモートコントローラ50A及びインバータ14Aを親機とし、インバータ14Aと、子機の一つであるインバータ14Bが、直流電源12の電力を系統電源16に回生させる通常運転を行っている状態で、インバータ14Cを停止させていれば、リモートコントローラ50Cがインバータ14Cのアクティブ運転を開始させる。
【0069】
一方、電流調整装置70には、電流抽出部74が設けられている。この電流抽出部74は、負荷電流検出部78で検出した負荷電流からBEF88によって高調波成分を抽出し、抽出した負荷電流の高調波成分を位相反転回路84で位相反転させた電流信号Irωを出力する。
【0070】
アクティブ運転を開始するインバータ14は、切替えスイッチ90を操作(図2及び図4の二点鎖線で示す操作位置)することにより、電流抽出部74から出力される電流信号Irωが、電圧波形検出部40から入力される系統電圧(波形)に換えて入力され、この電流信号Irωに基づいて生成したスイッチング信号に基づいてスイッチング素子をスイッチングする。
【0071】
これにより、アクティブ運転を開始したインバータ14は、構内負荷66の力率に応じた無効電力を出力することになる。
【0072】
すなわち、図1に示されるように、アクティブ運転しているインバータ14Cから出力される電流i2、負荷電流をi、力率をcosθとしたとき、電流調整装置70の電流抽出部74は、位相反転回路84によって負荷電流iの位相を反転させた電流信号Irωを出力する。
【0073】
この電流信号Irωは、負荷電流iの無効成分に応じた信号となる。また、負荷電流Irωは、BEF66を負荷電流iの高調波成分が通過するため、系統電源16の高調波成分の位相を反転させた信号となっている。
【0074】
インバータ14が、通常、系統電源16の電圧波形に基づいてスイッチングするのに対して、アクティブ運転を行うインバータ14は、電流信号Irωに基づいてスイッチングする。また、直流電源12から出力する電力は、通常運転を行っている他のインバータ14(インバータ14A、14B)によって系統電源16へ回生されるので、アクティブ運転するインバータ(インバータ14C)は、負荷電流iに応じた無効電力を出力することになる。
【0075】
すなわち、図6に示されるように、アクティブ運転するインバータ14が出力する電流i2は、負荷電流iの無効成分に応じた電流となる。このアクティブ運転するインバータ14の出力は、系統負荷66へ供給される。したがって、アクティブ運転するインバータ14は、系統負荷66の無効電力を供給する。
【0076】
これにより、電源システム10が接続されている構内負荷66を系統電源16側から見ると、無効電力が低く抑えられ、高力率の系統負荷66が接続されている状態となっている。
【0077】
一方、BEF88は、負荷電流iから高調波成分を抽出しており、これにより、アクティブ運転するインバータ14が出力する電流i2は、系統負荷66で発生する高調波成分に応じた電流となっており、この電流i2が系統負荷66へ供給されることにより、系統負荷66で発生される高調波電流がこの電流i2によって相殺される。
【0078】
したがって、系統負荷66で発生する高調波が系統電源16に回り込むのを抑えることができる。系統負荷66で発生された高調波を含んだ電流が系統電源16に回り込むのを防止することができる。
【0079】
このように、系統負荷66に接続される電源システム10は、電流調整装置70を設け、複数台のインバータ14を直流電源12の出力する直流電力に応じた台数でインバータ14を運転するときに、電流調整装置70によって検出する負荷電流iに基づいて、運転を停止しているインバータ14をアクティブ運転させる。これにより、系統負荷66の力率を電源システム10によって改善することができる。また、系統負荷66で発生する高調波電流を電源システム10によって抑制することができる。
【0080】
このとき、アクティブ運転を開始したインバータ14は、無効電力を出力するので、直流電源12の電力を系統電源16へ回生させる他のインバータ14の運転や出力に影響を及ぼすことがない。
【0081】
なお、本実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。本発明は、複数台のインバータを並列接続して用いる種々の構成の系統連系システムに適用することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、直流電源から出力される直流電力によって設定した台数のインバータを運転するときに、運転の停止しているインバータを系統負荷の電流に基づいて定電圧制御によって運転することにより、系統負荷の力率を改善することができると共に、系統負荷の発生する高調波を抑制することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に系統連系システムとして適用した電源システムのブロック図である。
【図2】電源システムに用いるインバータの概略構成を示すブロック図である。
【図3】電源システムに適用したリモートコントローラを示すブロック図である。
【図4】インバータでのスイッチング信号の発生の概略を示すブロック図である。
【図5】電源調整装置に設けたBEFの周波数特性の概略を示す線図である。
【図6】負荷電流とアクティブ運転するインバータの出力する電流の概略を示す線図である。
【符号の説明】
10 電源システム(系統連系システム)
12 直流電源
14(14A〜14C) インバータ
16 系統電源
22 マイコン
66 系統負荷
70 電源調整装置
72 力率判定回路(力率判定手段)
74 電流抽出部
78 負荷電流検出部(負荷電流検出手段)
82 系統電圧検出部(電圧検出手段)
84 位相反転回路(反転手段)
88 BEF(除去手段)
Claims (3)
- 複数台のインバータを並列接続し、直流電源から出力される直流電力に応じて設定された台数のインバータによって、前記直流電源から出力する電力を系統電源に回生して系統電源に接続されている系統負荷へ供給する系統連系システムであって、
系統電圧を検出する電圧検出手段と、
前記系統負荷へ供給される負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、
前記電圧検出手段及び負荷電流検出手段の検出結果から力率を判定する力率判定手段と、
前記力率判定手段によって判定された力率が所定範囲を外れ、かつ前記複数台のインバータのうちの少なくとも1台の運転が停止しているときに、該運転の停止しているインバータを前記負荷電流に基づいて運転する運転制御手段と、
を含むことを特徴とする系統連系システム。 - 前記負荷電流の逆相成分を生成する反転手段を含み、
前記運転制御手段が前記反転手段によって位相が反転された負荷電流に基づいて前記運転の停止しているインバータを運転することを特徴とする請求項1に記載の系統連系システム。 - 前記負荷電流の基本波を除去する除去手段を含み、前記反転手段が前記除去手段によって基本波が除去された負荷電流の逆相成分を生成することを特徴とする請求項2に記載の系統連系システム。
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