JP4315377B2 - スペクトラム拡散信号受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、受信信号に対し拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散受信装置に関する。
衛星測位システムの衛星信号等を受信するスペクトラム拡散信号受信装置において、従来の受信信号のコード位相を探索する方式は、発生させた拡散コードを、各探索すべきコード位相の候補毎に、位相を遅延させた遅延拡散コードを生成する。そして、コード位相の各候補毎の遅延拡散コードと受信信号との相関を実施し、さらに積算することで、各コード位相の候補毎の積算相関値を得る。そして、候補毎の積算相関値から最大となる積算相関値のコード位相候補を、受信信号の捕捉コード位相として、測位計算処理へ出力する(特許文献1)。
衛星測位システムの衛星信号等を受信する場合に、街中などにおいては直接波とともに、建物などで反射してから受信される間接波が存在することが多い。この場合には、直接波と間接波とが合成されたマルチパス波が衛星信号としてスペクトラム拡散受信装置で受信されることになる。屋外でマルチパス波を受信する場合には、一般的に間接波による積算相関値よりも直接波による積算相関値が大きくなるため、最大となる積算相関値から検出したコード位相は、直接波のコード位相を捕捉したことと考えてよい。
また、受信信号のコード位相を捕捉できた後に、拡散コードの位相の発生タイミングを制御する追尾処理において、発生させた進み位相拡散コード及び遅れ位相拡散コードに成形手段を施して積算相関値の幅及び振幅を抑圧して、追尾位相の精度を高くすることが知られている(特許文献2)。
しかし、屋内などでマルチパス波を受信する場合には、壁などで信号が大きく減衰してしまうから事情が異なる。スペクトラム拡散受信装置が屋内にある環境では、例えば、壁側にある衛星からの衛星信号は、壁を通過してくる直接波よりも、周辺の建物などから反射して窓などから入射してきた間接波を捕捉した方が積算相関値が大きくなってしまうことがある。このような場合、特許文献1の従来のコード位相探索方式では、マルチパス波のうちの間接波のコード位相を捕捉してしまうこととなる。この捕捉された間接波の捕捉コード位相に追尾して得られた擬似距離は、直接波のコード位相よりも位相が遅延してしまっているから、正しい測位位置が得られないという問題があった。
また、特許文献2の進み及び遅れ位相拡散コードに成形手段を施すものでは、進み位相拡散コードによる積算相関値と遅れ位相拡散コードによる積算相関値との差により正位相拡散コードを追尾するものであり、受信信号のコード位相を捕捉(アクイジョン)するための探索処理には適用することができないから、やはり特許文献1と同様の問題がある。
そこで、本発明は、受信信号に対して拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、受信信号が大きく減衰してしまう屋内などでマルチパス波を受信する場合においても、コード位相を探索して直接波のコード位相を捕捉し、正しい測位位置を得ることができるスペクトラム拡散信号受信装置を提供することを目的とする。
請求項1のスペクトラム拡散信号受信装置は、受信信号に対し拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、
逆拡散のための基準拡散コードを発生させる拡散コード発生部と、
前記基準拡散コードに基づいて検出すべきコード位相の各候補毎に各候補拡散コードを発生し、これら各候補拡散コードと受信信号との相関値を検出し、検出された各相関値に対して積算処理を施し、各候補拡散コード毎の積算相関値を得るものであって、前記各候補拡散コード毎の積算相関値の最大値及び幅の両方を圧縮するために、前記拡散コード発生部から供給された拡散コードについて、波形成形を施す波形成形部を有する積算相関部と、
前記各候補拡散コード毎の積算相関値のうちの最大積算相関値となるコード位相を仮コード位相として検出する第一コード位相検出部と、
前記仮コード位相より、時間的に早い所定位相範囲内におけるコード位相までの前記各候補拡散コード毎の積算相関値において、所定のしきい値よりも大きくなる積算相関値のコード位相を検出し、前記検出したコード位相及び前記仮コード位相の中から、位相が最も早いコード位相を検出する第二コード位相検出部を備え、
前記波形成形部は、積算相関値の最大値及び幅の圧縮率を変更するために、成形処理の程度を決めるパラメータを変更するものであって、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索間隔を段階的に変更するコード位相探索間隔変更部を有する成形パラメータ変更部を備え、さらに、前記成形パラメータ変更部によって変更する毎に、前記捕捉のための処理を繰り返し行い、捕捉精度を高めるとともに、
前記第二コード位相検出部で検出したコード位相を、受信信号の捕捉コード位相とすることを特徴とする。
請求項2のスペクトラム拡散信号受信装置は、受信信号に対し拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、
逆拡散のための基準拡散コードを発生させる拡散コード発生部と、
前記基準拡散コードに基づいて検出すべきコード位相の各候補毎に各候補拡散コードを発生し、これら各候補拡散コードと受信信号との相関値を検出し、検出された各相関値に対して積算処理を施し、各候補拡散コード毎の積算相関値を得るものであって、前記各候補拡散コード毎の積算相関値の最大値及び幅の両方を圧縮するために、前記拡散コード発生部から供給された拡散コードについて、波形成形を施す波形成形部を有する積算相関部と、
前記各候補拡散コード毎の積算相関値のうちの最大積算相関値となるコード位相を仮コード位相として検出する第一コード位相検出部と、
前記仮コード位相より、時間的に早い所定位相範囲内におけるコード位相までの前記各候補拡散コード毎の積算相関値において、所定のしきい値よりも大きくなる積算相関値のコード位相を検出し、前記検出したコード位相及び前記仮コード位相の中から、位相が最も早いコード位相を検出する第二コード位相検出部を備え、
前記波形成形部は、積算相関値の最大値及び幅の圧縮率を変更するために、成形処理の程度を決めるパラメータを変更するものであって、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索範囲を段階的に変更するコード位相探索範囲変更部を有する成形パラメータ変更部を備え、さらに、前記成形パラメータ変更部によって変更する毎に、前記捕捉のための処理を繰り返し行い、捕捉精度を高めるとともに、
前記第二コード位相検出部で検出したコード位相を、受信信号の捕捉コード位相とすることを特徴とする。
請求項3のスペクトラム拡散信号受信装置は、受信信号に対し拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、
逆拡散のための基準拡散コードを発生させる拡散コード発生部と、
前記基準拡散コードに基づいて検出すべきコード位相の各候補毎に各候補拡散コードを発生し、これら各候補拡散コードと受信信号との相関値を検出し、検出された各相関値に対して積算処理を施し、各候補拡散コード毎の積算相関値を得るものであって、前記各候補拡散コード毎の積算相関値の最大値及び幅の両方を圧縮するために、前記拡散コード発生部から供給された拡散コードについて、波形成形を施す波形成形部を有する積算相関部と、
前記各候補拡散コード毎の積算相関値のうちの最大積算相関値となるコード位相を仮コード位相として検出する第一コード位相検出部と、
前記仮コード位相より、時間的に早い所定位相範囲内におけるコード位相までの前記各候補拡散コード毎の積算相関値において、所定のしきい値よりも大きくなる積算相関値のコード位相を検出し、前記検出したコード位相及び前記仮コード位相の中から、位相が最も早いコード位相を検出する第二コード位相検出部を備え、
前記波形成形部は、積算相関値の最大値及び幅の圧縮率を変更するために、成形処理の程度を決めるパラメータを変更するものであって、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索間隔を段階的に変更するコード位相探索間隔変更部と探索範囲を段階的に変更するコード位相探索範囲変更部を有する成形パラメータ変更部を備え、さらに、前記成形パラメータ変更部によって変更する毎に、前記捕捉のための処理を繰り返し行い、捕捉精度を高めるとともに、
前記第二コード位相検出部で検出したコード位相を、受信信号の捕捉コード位相とすることを特徴とする。
また、本発明のスペクトラム拡散信号受信装置の前記成形パラメータ変更部は、前記成形パラメータの設定を、成形なしを示す設定から所定程度の成形処理を示す設定に亘って、段階的に変更する。
また、本発明のスペクトラム拡散信号受信装置の前記成形パラメータ変更部は、前記成形パラメータの設定を、成形なしを示す設定と、所定程度の成形処理を示す設定との2段階で、変更する。
また、本発明のスペクトラム拡散信号受信装置において、前記発生した拡散コードと受信信号との相関処理は、時間軸上での相関を行う。
また、本発明のスペクトラム拡散信号受信装置において、前記発生した拡散コードと受信信号との相関処理は、周波数軸上での相関を行う。
また、本発明のスペクトラム拡散信号受信装置において、前記周波数軸上での相関処理は、高速フーリエ変換方式を用いて行う。
また、本発明のスペクトラム拡散信号受信装置において、前記第二コード位相検出部は、前記検出した仮のコード位相から所定位相範囲を、探索する位相候補の個数で設定する。
本発明によれば、受信信号に対して拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、受信信号が大きく減衰してしまう屋内などで、直接波と、直接波よりも信号が強い間接波とが混在するマルチパス波を受信する場合でも、間接波のコード位相を誤って捕捉してしまうことがなく、正しく直接波のコード位相を捕捉することが可能である。このため、屋内環境など、直接波よりも、信号が強い間接波が複数存在してしまうときでも、正しい測位位置を得ることができる。
以下、本発明による実施例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例に係るスペクトラム拡散信号受信装置の構成を示す図であり、空中線1、周波数変換部2、A/D変換部3、ドップラー周波数補正部4、拡散コード発生部5、積算相関部6、第一コード位相検出部7、第二コード位相検出部8から構成されている。
GPSなどの衛星から送信されたスペクトラム拡散信号は、まず空中線1により受信される。そして、空中線1からの受信信号は、周波数変換部2に供給され、ここでGPS信号周波数を中心とした所定の帯域となるバンドパスフィルターを通過させ、所定の周波数変換及び信号増幅処理が施され、中間周波数信号に変換される。この中間周波数信号は、A/D変換部3において、所定のサンプリング周波数で量子化されてデジタル信号に変換され、このデジタル信号が、ドップラー周波数補正部4へ供給される。なお、所定サンプリングの間隔は、探索すべきコード位相のスキャン間隔T1(例えば、0.5チップ)よりも、十分に小さいものとなっている。
ドップラー周波数補正部4は、ローカル周波数信号をA/D変換部3から供給される中間周波数信号にミキシングする。位相が互いに90゜異なる直交関係を持った一対のローカル周波数信号を、中間周波数信号とミキシングすることで直交検波する。これによって、中間周波数信号の搬送波成分が除去され、ベースバンド信号の互いに直交する成分である一般的なI信号データ(in−phase)及びQ信号データ(quadrature−phase)を得る。そして、相関を積算するのに必要とする時間分に相当するI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)を、積算相関部6へ供給する。ここで、tiは時間軸上でサンプリングした波形のデータ列のi番目のコード位相(iは任意数)を示す。
拡散コード発生部5は、捕捉すべき衛星の拡散コードと同一符号のもので、I信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)と同一となるサンプリング周波数で、拡散コード1周期分のデータ列C(ti)を発生させ、積算相関部6へ供給する。
この積算相関部6の構成が図2に示されている。積算相関部6は、N+1個のコード位相遅延部61−0〜61−Nと相関部62−0〜62−Nと積算部63−0〜63−Nを有している。なお、これらのコード位相遅延部61−0〜61−N、相関部62−0〜62−N、及び積算部63−0〜63−Nは、探索すべきコード位相のスキャン間隔がT1のとき、最大コード位相探索範囲となるT1×Nが、拡散コード1周期と等しくなるようにN+1個を有している。以後、同一形態のものを複数有しているコード位相遅延部、相関部、積算部などについては、同一形態のものの中の任意のものを、k(k=0、1、2、..)として説明する。
コード位相遅延部61−kは、拡散コード発生部5から供給された拡散コードデータ列C(ti)のコード位相を任意スキャン数ki遅延させた、式(1)で示される遅延拡散コードRk(ti)を生成し、相関部62−kへ供給する。
k(ti)=C(ti+ki) (1)
相関部62−kは、ドップラ周波数補正部4から供給されたI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)と、コード位相遅延部61−kから供給された遅延拡散コードRk(ti)との相関処理を式(2)のように行い、相関値VkI(ti)、VkQ(ti)を得る。そして、それら相関値VkI(ti)、VkQ(ti)を積算部63−kへ供給する。 VkI(ti)=I(ti)×Rk(ti)、VkQ(ti)=Q(ti)×Rk(ti) (2)
積算部63−kは、相関部62−kより供給された相関値VkI(ti)、VkQ(ti)を式(3)のようにして一定期間(例えば、拡散コードの1周期の時間)積算し、VI(ki)、VQ(ki)を得る。
I(ki)= VI(t0)+ VI(t1)+... +VI(tN)、VQ(ki)= VQ(t0)+ VQ(t1)+... +VQ(tN) (3)
そして、搬送波位相の影響を除去するために、式(4)のようにI成分とQ成分とを合成した積算相関値P(ki)を第一コード位相検出部7及び第二コード位相検出部8へ供給する。
P(ki)={(VI(ki))2+ (VQ(ki))21/2 (4)
任意のkに相当する以上の処理が、N+1個有しているコード位相遅延部61−0〜61−Nと相関部62−0〜62−Nと積算部63−0〜63−Nについて、実施される。
第一コード位相検出部7は、積算相関部6から供給された積算相関値P(k0)、P(k1)、...、P(kN)のうちの最大値P(kmax)を検出し、所定の第1しきい値PT1よりも、この最大値P(kmax)が大きい場合、そのスキャン数kmaxが示すコード位相を受信信号の仮コード位相として検出する。そして、検出した仮コード位相kmaxを、第二コード位相検出部8へ供給する。
第二コード位相検出部8は、積算相関部6から供給された積算相関値P(k0)、P(k1)、...、P(kN)及び第一コード位相検出部7から供給された仮コード位相kmaxから所定コード位相範囲mi(但し0チップ<mi<kN)までにおける時間的に早いコード位相の積算相関値P(kmax−mi)、P(kmax−mi-1)、P(kmax−mi-2)、...、P(kmax)の中から、所定の第2しきい値PT2(但し、PT2<PT1)よりも大きい積算相関値を検出する。例えば、サンプリング間隔T1のとき、任意jのコード位相範囲mjにおいて、mj=mj-1+T1、となる。そして、その検出された積算相関値のコード位相の中から位相が最も早いものを選択し、これを受信信号の捕捉コード位相として、外部へ出力する。
例えば、所定の第2しきい値PT2よりも大きいものとして検出した積算相関値が、例えばP(kmax−mi-2)、P(kmax−mi-5)、P(kmax−mi-11)、P(kmax)の4つあったとき、これらの中から位相が最も早いコード位相kmax−mi-2が選択され、このコード位相kmax−mi-2が受信信号の捕捉コード位相として、決定される。
ここで取り上げた所定のコード位相範囲miは、直接波に対する間接波の最大コード位相遅延に関連させて適切な範囲として設定したものである。この所定のコード位相範囲miは、本実施例では、コード位相値を設定して説明しているが、これに代えて、所定のコード位相範囲miとして、探索するコード位相の所定の候補数を設定することもできる。
また、図2の積算相関部6は、時間軸上での相関処理を行った場合の例であるが、本実施例は、周波数軸上での相関処理を行うことでも実現は可能である。
図3は、積算相関部6−fは、図2の積算相関部6を周波数軸上での相関処理を行うために高速フーリエ変換(FFT)方式を用いた場合の例を示すものであり、FFT部61−f、62−fと相関部63−fとIFFT部64−fと積算部65−fを備える。
FFT部61−fは、ドップラー周波数補正部4から供給されたI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)の時間軸上のデータ列を、FFT処理して、周波数軸上のI信号データ列I(fi)及びQ信号データ列Q(fi)を得る。そして、I信号データ列I(fi)及びQ信号データ列Q(fi)を相関部63−fへ供給する。ここで、fiは任意のデータ列i番目の周波数を示す。
FFT部62−fは、拡散コード発生部5から供給された拡散コードデータ列C(ti)をFFT処理して、周波数軸上の拡散コードデータ列C(fi)を得る。そして、この拡散コードデータ列C(fi)を相関部63−fへ供給する。
相関部63−fは、供給されたI信号データ列I(fi)及びQ信号データ列Q(fi)と拡散コードデータ列C(fi)との相関処理を式(5)のように行い、相関値VI(fi)、VQ(fi)を得る。そして、これら相関値VI(fi)、VQ(fi)をIFFT部64−fへ供給する。
I(fi)=I(fi)×C(fi)、VQ(fi)=Q(fi)×C(fi) (5)
IFFT部64−fは、供給された相関値VI(fi)、VQ(fi)の周波数軸上のデータ列を、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理して、時間軸上のデータ列VI(ti)、VQ(ti)に戻す。そして、それら相関値データ列VI(ti)、VQ(ti)を、積算部65−fへ供給する。
積算部65−fは、IFFT部より供給された相関値データ列VI(ti)、VQ(ti)のデータ長が、例えば拡散コードの1周期分であった場合、すなわち拡散コードの1周期に相当する積算である場合は、VI(ki)=VI(ti)及びVQ(ki)=VQ(ti)となる。以下、図2で示した積算部62−kと同じく、式(4)のように、搬送波位相の影響を除去するために、I成分とQ成分とを合成した積算相関値P(ki)を、第一コード位相検出部7及び第二コード位相検出部8へ供給する。−
このように、FFT方式では、サンプリング間隔であるti−ti-1が、探索コード位相のスキャン間隔となるため、サンプリング間隔のサンプリング数がN+1になっていることとなる。時間軸上の相関処理のようにN+1個の相関器を必要とすることなく、相関処理が高速に行える利点がある。
以後、測位までに関する処理は公知の手法によって行われる。この受信信号の捕捉コード位相として得られたコード位相を用いて、受信信号に発生させた拡散コードを追尾させるように制御し、受信信号と拡散コードとの相関値からメッセージデータを復調し、追尾しているコード位相及び復調したメッセージデータから受信装置とその衛星との擬似距離を求める。また、得られたメッセージデータにある衛星の軌道情報から衛星の位置が求まる。そして、複数の衛星の位置及び擬似距離を用いて受信装置の測位位置を算出するものである。
本発明の第1実施例は、直接波の信号が大きく減衰してしまい、直接波の積算相関値よりも間接波の積算相関値が大きくなってしまう屋内などの環境において、最大となる相関ピーク点の位相を仮検出する第一位相検出部7と、この第一位相検出部7の位相付近に存在する相関ピーク点をさらに複数検出し、それら検出した相関ピーク点の中から位相遅延が最も小さい相関ピーク点を選択する第二位相検出部8を備えている。これにより、受信信号の中に複数の間接波の相関ピークと直接波の相関ピークが混在していても、直接波を分別することを可能としている。即ち、屋内などの環境において、壁の方角に位置する衛星からの直接波は壁などを通過してくるため、その直接波の信号強度は大きく減衰してしまい、他の建物などで反射した反射波の信号強度が大きいような場合であっても、正しく直接波のコード位相を捕捉することができるものである。
図4は、本発明の第2実施例に係るスペクトラム拡散信号受信装置の構成を示す図であり、空中線1、周波数変換部2、A/D変換部3、ドップラー周波数補正部4、拡散コード発生部5、積算相関部6A、第一コード位相検出部7、第二コード位相検出部8から構成されている。
この図4の第2実施例は、図1の第1実施例に対応しており、図4の積算相関部6A以外の構成部は、図1のものと同一であり、ドップラー周波数補正部4は、I信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)を積算相関部6Aへ供給する。また、拡散コード発生部5は、拡散コード1周期分のデータ列C(ti)を、積算相関部6Aへ供給する。
図5は、積算相関部6Aの構成を示す図であり、M+1個のコード位相遅延部61−0〜61−Mと、成形α相関部62α−0〜62α−Mと成形β相関部62β−0〜62β−Mと積算部63A−0〜63A−Mを有している。更に、α波形成形部64α−0〜64α−M及びβ波形成形部64β−0〜64β−Mを有している。
α波形成形部64α−0〜64α−M及びβ波形成形部64β−0〜64β−Mは、単独の構成部として示しているが、成形α相関部62α−0〜62α−Mと成形β相関部62β−0〜62β−Mの内部に、それぞれ設けることでよい。また、α波形成形部64α−0〜64α−M及びβ波形成形部64β−0〜64β−Mは、コード位相遅延部61−0〜61−Mの内部に設けてもよく、さらには拡散コード発生部5から成形α相関部62α−0〜62α−M或いは成形β相関部62β−0〜62β−Mまでのいずれかに設けることでよい。
なお、α波形成形部64α−0〜64α−M及びβ波形成形部64β−0〜64β−Mをも含めて、成形α相関部62α−0〜62α−M及び成形β相関部62β−0〜62β−Mは、従来の成形手段として取り上げた特許第3338006号記載の成形手段を応用して用いることでよい。
また、以下の説明では、α波形成形部64α−0〜64α−M及びβ波形成形部64β−0〜64β−Mは、それぞれ対応する成形α相関部62α−0〜62α−M及び成形β相関部62β−0〜62β−Mに含まれているものとして、説明する。
ここで、図5の積算相関部6Aは、図2の積算相関部6に対応しているが、第2実施例での遅延部などの数Mは、第1実施例での数Nよりも、多く(M>N)なっている。
コード位相遅延部61−0〜61−Mは、探索すべきコード位相のスキャン間隔が時間T2のとき、最大コード位相探索範囲となるスキャン間隔T2×数Mが、拡散コード1周期と等しくなるように数M+1個を有している。スキャン間隔T2は、第一実施例のスキャン間隔T1よりも、コード位相の捕捉精度を高めるために小さく(T2<T1)設定されている。
成形α相関部62α−kは、ドップラ周波数補正部4から供給されたI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)と、コード位相遅延部61−kから供給された遅延拡散コードRk(ti)を所定のパラメータαに応じた圧縮度合で成形した波形との相関処理を行い、この相関値VαI(ti)、VαQ(ti)を積算部63A−kへ供給する。
また、成形β相関部62β−kは、成形α相関部62α−kと同様にして、所定のパラメータβに応じた圧縮度合(但しα<β≦1チップ)で成形した波形との相関処理を行い、この相関値VβI(ti)、VβQ(ti)を積算部63A−kへ供給する。
ここで、パラメータαは、受信回路におけるバンドパスフィルターの帯域制限の影響で相関ピークの頂点が丸められる度合いに合わせて適切に設定されるものである。また、パラメータβは、検出すべき複数の相関ピークの互いのコード位相に近接する度合いに合わせて適切に設定されるものである。例えば、制御部(図示していない)からパラメータβを変更するように制御することがよい。
このパラメータβによる成形作用による相関抑圧効果を十分に得るためには、第2実施例での数Mは、第1実施例での数Nよりも、1/β倍多く(M≧N/β)有することが理想的である。また、第1実施例のスキャン間隔T2は、第1実施例のスキャン間隔T1よりも、β倍小さく(T2≧T1×β)設定されていることが理想的である。
積算部63A−kは、成形α相関部62α−kから供給された相関値VkαI(ti)、VkαQ(ti)と成形β相関部62β−k から供給された相関値VkβI(ti)、VkβQ(ti)を得る。これら相関値VkαI(ti)、VkαQ(ti)、VkβI(ti)、VkβQ(ti)を式(6)、(7)のように一定期間、例えば拡散コードの1周期の期間積算し、VI(ki) 、VQ(ki)を得る。
I(ki)={VkαI(t0)−VkβI(t0)}+{VkαI(t1)−VkβI(t1)}+...+{VkαI(tM)−VkβI(tM)} (6)
Q(ki)={VkαQ(t0)−VkβQ(t0)}+{VkαQ(t1)−VkβQ(t1)}+...+{VkαQ(tM)−VkβQ(tM)} (7)
そして、キャリア位相の影響を除去するためにI成分とQ成分を合成した相関積算値P(ki)を、第一コード位相検出部7及び第二コード位相検出部8へ供給する。
P(ki)={(VI(ki))2+ (VQ(ki))21/2 (8)
ここで、成形α相関部62α−k及び成形β相関部62β−kを用いることで得られる拡散コードの成形作用について、さらに詳しく説明する。なお、簡略化のため、ここでは、キャリア位相が理想的に同期し、I信号が最大のときにQ信号が0となる場合について述べる。また、積算相関値は、拡散コード位相差=0の場合の最大値を1として、正規化して説明する。
成形を行わない拡散コードの積算相関特性P(ki)は、理想的には、底辺が拡散コードの位相ki=0±1チップの二等辺三角形となる。この第2実施例において、成形α相関部62α−kは、コード位相遅延部61−kから供給された遅延拡散コードRk(ti)とドップラ周波数補正部4から供給されたI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)との相関処理に対し、遅延拡散コードRk(ti)の変化点(コード位相0)±αチップ(但し0チップ≦α<1チップ)の区間の相関値を0とする処理を施し、相関値VkαI(ti)を得る。相関値VkαI(ti)を一定時間、例えば拡散コードの1周期の期間積分した場合に得られる積算相関値Pα(ki)は、成形α相関部62α−kの作用により、約αの積算相関特性が抑圧され、積算相関値の最大値は、1−αとなる。
一方、成形β相関部62β−kは、コード位相遅延部61−kから供給された遅延拡散コードRk(ti)とドップラ周波数補正部4から供給されたI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)との相関処理に対し、遅延拡散コードRk(ti)の変化点(コード位相0)±βチップ(但しα<β≦1チップ)の区間の相関値を0とする処理を施し相関値VkβI(ti)を得る。相関値VkβI(ti)を一定時間、例えば拡散コードの1周期の期間積分した場合に得られる積算相関値Pβ(ki)は、成形β相関部62β−kの作用により、約βの積算相関特性が抑圧され、積算相関値の最大値は、1−βとなる。
次に、積算部63Aで実施する下記の式(9)、(10)のように積算して得られた積算相関値P(ki)はαからβを減算した効果により、α、β単独で抑圧した積算相関値Pα(ki)、積算相関値Pβ(ki)よりも、抑圧効果が向上し、コード位相ki=±αチップの積算相関値の振幅は(β−α)に抑圧される。
I(ki)={VkαI(t0)−VkβI(t0)}+{VkαI(t1)−VkβI(t1)}+...+{VkαI(tM)−VkβI(tM)} (9)
P(ki)={(VI(ki))21/2 (10)
このようにして、積算相関部6Aから得られた積算相関値P(k0)、P(k1)、...、P(kM)が、第一コード位相検出部7及び第二コード位相検出部8へ供給される。以後、第一コード位相検出部7及び第二コード位相検出部8は、第1実施例と同様のため、説明は省略するが、このようにして捕捉コード位相を得ることができる。
図6及び図7は、図4及び図5の第2実施例による捕捉コード位相の取得動作を説明するための図である。壁などを通過して減衰した直接波と、建物などで反射し直接波よりも位相が少し遅延し且つ信号強度が強い間接波とが入射するマルチパス受信の場合において、図6は波形成形をしない場合(第1実施例に相当)を示し、図7は波形成形を行った第2実施例の場合を対比して示している。
図6において、通常拡散コードでの直接波の積算相関特性001と直接波よりも位相が少し遅延している間接波の積算相関特性002とが加算されて、積算相関特性003が得られる。
積算相関特性003は、第1実施例における検出した積算相関値P(ki)のものであり、特に直接波と間接波とが時間的に接近している場合の例である。この積算相関特性003は、直接波の積算相関値と間接波の積算相関値とが合成されてしまっている。このため、合成された積算相関特性003には、直接波の積算相関値のピーク点が失われているために、直接波のコード位相を捕捉することはできない。この場合には、合成された積算相関特性003のピーク点(頂点)のコード位相keを誤って捕捉してしまう。
これに対して、図7のように、パラメータα、βで波形成形を行った第2実施例の場合には、成形した拡散コードによって抑圧された直接波の積算相関特性001A、間接波の積算相関特性002Aは、図7のようにそれぞれ積算相関値の最大値及び幅の両方が圧縮されたものとなる。
したがって、パラメータα、βが適切に設定されることにより、直接波の積算相関特性001Aと間接波の積算相関特性002Aとを合成した積算相関特性003Aは、直接波の積算相関特性001Aと間接波の積算相関特性002Aとが分離されたものとなる。即ち、直接波の積算相関特性001Aのピーク点と、間接波の積算相関特性002Aのピーク点とが独立で検出できるため、この2つの積算相関特性のピーク点のコード位相のうち、位相が早い方のコード位相krである直接波のコード位相を正しく捕捉することができる。
図8は、図4及び図5の第2実施例による捕捉コード位相の取得動作におけるパラメータαの有効性について説明するための図である。
図8(a)は入力信号波形の理想的波形521を示しており、図8(b)は入力信号波形の実際波形522を示している。
入力信号波形は、理想的波形521のようにPNコード波形の切り替わり点が直角に切り替わることはなく、入力信号の伝搬に伴い例えば受信回路における帯域通過フィルタの帯域制限等によって、実際波形522のようにPNコード波形の切り替わり点の角が丸まったもの(鈍り)となる。
更に、この図8(b)の実際波形522にノイズが重畳されたものが、現実にサンプリングされる入力信号になる。サンプリング間隔は離散的であるから、そのサンプリング時点によっては、PNコード波形の切り替わり点が誤って判定されてしまうことになる。この場合には、2等辺三角形となるべき積算相関特性のピーク点が丸まった、台形に近い形になってしまう。
この第2実施例では、実際波形522の波形の切り替わり点の角が丸まった部分の適切な範囲を相関処理に用いないように、パラメータαの値を設定している。このようにパラメータαを適切に設定することによって、実際波形522のようにPNコード波形の切り替わり点の角が丸まっている場合には、ピーク点検出精度を高くすることができる。
本発明の第2実施例は、パラメータα、βを用いた成形作用により、第1実施例よりも、直接波と間接波との互いのコード位相の遅延差が小さく、近接していた場合でも、積算相関値の最大値及び幅が抑圧されることにより、複数の相関ピーク点を分別する効果が高く、また、直接波のコード位相を捕捉する精度を向上することができる。
図9は、本発明の第3実施例に係るスペクトラム拡散信号受信装置の構成を示す図であり、空中線1、周波数変換部2、A/D変換部3、ドップラー周波数補正部4、拡散コード発生部5、データ保存部10、積算相関部6B、第一コード位相検出部7、第二コード位相検出部8、再捕捉判定部9から構成されている。
この図7の第3実施例は、図4の第2実施例に対して、積算相関部6Bの前処理にデータ保存部10及び、第二コード位相検出部8の後処理に再捕捉判定部9を追加した構成である。
先の第2実施例では、十分な抑圧効果を得るために、積算相関部6Aの中のコード位相遅延部などの構成部の個数Mが、第1実施例の構成部の個数Nに対して、M≧N/βと多く必要となる。このために、第2実施例では、第1実施例よりもハードウェア規模が大きくなり、消費電力が多く必要としてしまう。
この第3実施例は、第1実施例及び第2実施例の双方の利点を活かして、第1実施例と第2実施例を適切に組み合わせたものである。
第3実施例は、捕捉判定部9とデータ保存部10を有することにより、コード位相の捕捉処理をくり返し実施できることが特徴である。ここで、繰り返し実施する捕捉処理の任意の回数をxとする。
ドップラー周波数補正部4は、I信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)をデータ保存部10へ供給する。また、拡散コード発生部5は、拡散コード1周期分のデータ列C(ti)を、データ保存部10へ供給する。
データ保存部10は、供給されたI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)及び拡散コード1周期分のデータ列C(ti)を、積算相関部6Bに供給する。また、初回の捕捉処理であった場合(x=1)は、I信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)及び拡散コード1周期分のデータ列C(ti)を、データ保存部10に内蔵されているメモリに保存する。
図10は、積算相関部6Bの構成を示す図であり、基本的には、第2実施例のものに対応したものであるが、コード位相遅延部61−0〜61−Nと相関部62−0〜62−Nと積算部63−0〜63−Nの数はそれぞれN+1個で第1実施例と同じ個数である。第2実施例での個数M+1個よりも、ハードウェアの規模は小さくなっている。
また、第3実施例では、データ保存部10とコード位相遅延部61−0〜61−Nとの間を接続するか否かを切り替える切替スイッチ641−0〜641−Nと、積算部63A−0〜63A−Nと第1コード位相検出部7及び第2コード位相検出部8との間を接続するか否かを切り替える切替スイッチ642−0〜642−Nと、切替スイッチ641−0〜641−Nへの起動/休止の切替制御や、パラメータの一部(例えば、パラメータβ)を捕捉処理の回数x毎に変化させる指令制御や、コード位相遅延部61−0〜61−Nへのコード位相の遅延間隔Txを捕捉処理の回数x毎に変化させる指令制御などを行う制御部64を有している。この制御部64には、再捕捉判定部9から、捕捉処理の回数やコード位相探索範囲などの信号が供給される。なお、図10では、α波形成形部及びβ波形成形部は、それぞれ成形α相関部62α−0〜62α−N及び成形β相関部62β−0〜62β−Nの内部に設けられている。
例えば、成形β相関部62β−0〜62β−Nで用いられるパラメータβは、捕捉処理の回数x毎に可変となるように、制御部64から回数xが供給され、その回数x毎に適切なパラメータβの設定値βxを記憶している。また、制御部64から、回数xに代えてパラメータβの設定値βxを供給するようにしてもよい。
成形β相関部62β−0〜62β−Nに記憶された設定値βxは、初回(即ち、x=1)では、例えばβ1=1チップとして、以後、回数を重ねる(x=1、2、3、...)毎に徐々に小さくしていく(β1>β2>β3>...)。
さらに、コード位相遅延部61−0〜61−Nは、コード位相の遅延間隔Txをパラメータβの設定値βxの大きさに合わせて調整する機能を有する。つまり、捕捉処理の回数x毎に探索するコード位相のスキャン間隔Txを変更する機能を有している。捕捉処理の最終回をzとした場合、最終回の設定値βzは、各設定値β1、β2、β3、...、βzの中で最小となる。そして、初回の捕捉処理(x=1)でのコード位相のスキャン間隔Txは、第1実施例と同じ間隔T1とし、以降の捕捉処理の回数xによるコード位相スキャン間隔Txは、Tx=T1×βx、のように設定する。
そして、前回(x−1)の捕捉処理により、捕捉した仮コード位相をkr(x-1)した場合、前記コード位相遅延部61−0〜61−Nのコード位相遅延kiを、式(11)のように設定する。
i={Tx×(N/2−i)}+kr(x-1)(但しi=0,1,...,N,kr(-1)=0 (11)
つまり、コード位相遅延部61−0〜61−Nの真ん中に相当するコード位相遅延部61−N/2の遅延コード位相kN/2が、前回捕捉した仮コード位相kr(x-1)になるように設定する。
また、N+1個のコード位相遅延部61−0〜61−Nと成形α相関部62α−0〜62α−Nと成形β相関部62β−0〜62β−Nと積算部63A−0〜63A−Nのうち、指定されたコード位相の探索範囲に応じて、各々0〜Nの中で、コード位相の探索範囲に相当するものだけを起動させ、それ以外は省電力化のため、休止させるように、切替スイッチ641−0〜641−Nと切替スイッチ642−0〜642−Nを制御する。なお、切替スイッチ642−kは、常に切替スイッチ641−kと連動してオン/オフに切り替えられることになる。
制御部64からの起動/休止切替制御は、例えば、指定されたコード位相の探索範囲が、k10〜k20のコード位相区間以内であった場合は、コード位相遅延部61−10〜61−20と成形α相関部62α−10〜62α−20と成形β相関部62β−10〜62β−20と積算部63A−10〜63A−20のみを起動させ、それ以外は休止させるように、切替スイッチ641−10〜641−20及び切替スイッチ642−10〜642−20をONとし、それ以外の切替スイッチをOFFとなるように制御する。なお、初回(x=1)のコード位相探索範囲は、0〜Nまでを全て使用し、拡散コード位相1周期の探索範囲を設定するものとし、2回目(x=2)以降のコード位相探索範囲は、再捕捉判定部9から供給されるものである。
再捕捉判定部9は、コード位相の捕捉処理の回数xが、最終回zであるかを確認し、最終回zであれば、第二コード位相検出部8から得られた捕捉コード位相krzを外部へ出力して終了とする。しかし、もし最終回zに満たない場合は、捕捉したコード位相krxは仮のものとして、新たに仮の捕捉コード位相krxを中心とした所定の範囲例えば±βxとなる、コード位相の探索範囲krx±βx を、積算相関部6Bに指示する。初回(x=1)の処理において、ここまでの捕捉処理回数をx=1回分としてカウントし、例えば、x=1であったとき、以後の処理では、捕捉処理の回数x=2とカウントアップする。
以後、捕捉処理の回数x=2において、積算相関部6Bは、データ保存部10のメモリにアクセスし、捕捉処理の回数x=1のときに保存されていたI信号データ列I(ti)及びQ信号データ列Q(ti)及び拡散コードデータ列C(ti)をロードする。また、制御部64において、N+1個のコード位相遅延部61−0〜61−Nと成形α相関部62α−0〜62α−Nと成形β相関部62β−0〜62β−Nと積算部63A−0〜63A−Nのうち、再捕捉判定部9から供給された指定コード位相の探索範囲krx±βx-1に応じて、各々0〜Nの中で、そのコード位相の探索範囲krx±βx-1に相当するものだけを起動させ、それ以外は休止させるように切替スイッチ641−0〜641−N及び切替スイッチ642−0〜642−Nを制御する。ここで、切替スイッチ641−0〜641−N等の0〜Nの中で起動させるものに相当するものをa〜b(但し0≦a≦b≦N)とした場合、コード位相遅延部61−a〜61bのコード位相遅延ka、kbは、下記条件を満たしていることとなる。
a≦krx−βx-1を満たすもので、かつ0〜Nの中の最大であるものa。
b≦krx+βx-1を満たすもので、かつ0〜Nの中の最小であるものb。
以後は、捕捉処理x=1回目で説明したものと同じであるため、省略するが、このような捕捉処理を最終回zに至るまで、繰り返し実施し、捕捉コード位相が得られる。
また、初回(x=1)の捕捉処理では、成形パラメータα1=0チップ、β1=1チップとすることで、成形なしとする状態になり得るため、次回以降の捕捉処理では、成形パラメータβxを可変とする機能を有するのと同じく、成形パラメータαxも可変とする機能を有することにより、成形なしを示す設定から所定程度の成形処理を示す設定に亘って、段階的に変更する成形を施すことも可能である。
以上のように、積算相関値の最大値及び幅の圧縮率を変更するために、成形処理の程度を決めるパラメータを変更する成形パラメータ変更部を波形成形部、特にβ波形成形部に設けて、さらに、その成形パラメータ変更部によって成形パラメータを変更する毎に、捕捉のための処理を繰り返し行い、捕捉精度を高める。
また、その成形パラメータ変更部は、成形パラメータの設定を、成形なしを示す設定から所定程度の成形処理を示す設定に亘って、段階的に変更する。
また、成形パラメータ変更部は、その成形パラメータの設定を、成形なしを示す設定と、所定程度の成形処理を示す設定との2段階で、変更するようにしても良い。
また、前記成形パラメータ変更部は、コード位相探索間隔変更部を備えて、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索間隔を段階的に変更する。
また、前記成形パラメータ変更部は、コード位相探索範囲変更部を備えて、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索範囲を段階的に変更する。
また、成形パラメータ変更部は、コード位相探索範囲変更部を備えて、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索間隔を段階的に変更するコード位相探索間隔変更部と探索範囲を段階的に変更する。
第3実施例は、このようにして、初回の捕捉処理では、コード位相のスキャン間隔を大きして、広いコード位相範囲で探索する。次回の捕捉処理では、以降、捕捉処理を繰り返す毎に、コード位相のスキャン間隔を狭く、また前回捕捉した仮コード位相を中心にさらに狭い範囲に絞って探索することができる。したがって、捕捉コード位相の精度を高めるためにコード位相のスキャン間隔を狭くする必要があるとき、第3実施例では、段階的に適切に、コード位相のスキャン間隔及び探索範囲を絞っていくため、第2実施例のようにハードウェアの規模を大きくしてしまう必要がなく、効率的に探索することが可能である。
本発明の第1実施例のスペクトラム拡散信号受信装置の構成を示す図 図1における積算相関部の構成を示す図 図1における積算相関部の他の構成を示す図 本発明の第2実施例のスペクトラム拡散信号受信装置の構成を示す図 図4における積算相関部の構成を示す図 第1実施例における積算相関特性を示す図 第2実施例における積算相関特性を示す図 入力信号波形の例を示す図 本発明の第3実施例のスペクトラム拡散信号受信装置の構成を示す図 図9における積算相関部の構成を示す図
符号の説明
1 空中線
2 周波数変換部
3 A/D変換部
4 ドップラー周波数補正部
5 拡散コード発生部
6、6−f、6A、6B 積算相関部
7 第一コード位相検出部
8 第二コード位相検出部
9 再捕捉判定部
10 データ保存部
61−0〜61−N コード位相遅延部
62−0〜62−N 相関部
63−1〜63−N 積算部
61−f、62−f FFT部
63−f 相関部
64−f IFFT部
65−f 積算部
62α−0〜62α−N 成形α相関部
62β−0〜62β−N 成形β相関部
63A−0〜63A−N 積算部
64 制御部
641−0〜641−N、642−0〜642−N 切替スイッチ

Claims (3)

  1. 受信信号に対し拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、
    逆拡散のための基準拡散コードを発生させる拡散コード発生部と、
    前記基準拡散コードに基づいて検出すべきコード位相の各候補毎に各候補拡散コードを発生し、これら各候補拡散コードと受信信号との相関値を検出し、検出された各相関値に対して積算処理を施し、各候補拡散コード毎の積算相関値を得るものであって、前記各候補拡散コード毎の積算相関値の最大値及び幅の両方を圧縮するために、前記拡散コード発生部から供給された拡散コードについて、波形成形を施す波形成形部を有する積算相関部と、
    前記各候補拡散コード毎の積算相関値のうちの最大積算相関値となるコード位相を仮コード位相として検出する第一コード位相検出部と、
    前記仮コード位相より、時間的に早い所定位相範囲内におけるコード位相までの前記各候補拡散コード毎の積算相関値において、所定のしきい値よりも大きくなる積算相関値のコード位相を検出し、前記検出したコード位相及び前記仮コード位相の中から、位相が最も早いコード位相を検出する第二コード位相検出部を備え、
    前記波形成形部は、積算相関値の最大値及び幅の圧縮率を変更するために、成形処理の程度を決めるパラメータを変更するものであって、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索間隔を段階的に変更するコード位相探索間隔変更部を有する成形パラメータ変更部を備え、さらに、前記成形パラメータ変更部によって変更する毎に、前記捕捉のための処理を繰り返し行い、捕捉精度を高めるとともに、
    前記第二コード位相検出部で検出したコード位相を、受信信号の捕捉コード位相とすることを特徴とする、スペクトラム拡散信号受信装置。
  2. 受信信号に対し拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、
    逆拡散のための基準拡散コードを発生させる拡散コード発生部と、
    前記基準拡散コードに基づいて検出すべきコード位相の各候補毎に各候補拡散コードを発生し、これら各候補拡散コードと受信信号との相関値を検出し、検出された各相関値に対して積算処理を施し、各候補拡散コード毎の積算相関値を得るものであって、前記各候補拡散コード毎の積算相関値の最大値及び幅の両方を圧縮するために、前記拡散コード発生部から供給された拡散コードについて、波形成形を施す波形成形部を有する積算相関部と、
    前記各候補拡散コード毎の積算相関値のうちの最大積算相関値となるコード位相を仮コード位相として検出する第一コード位相検出部と、
    前記仮コード位相より、時間的に早い所定位相範囲内におけるコード位相までの前記各候補拡散コード毎の積算相関値において、所定のしきい値よりも大きくなる積算相関値のコード位相を検出し、前記検出したコード位相及び前記仮コード位相の中から、位相が最も早いコード位相を検出する第二コード位相検出部を備え、
    前記波形成形部は、積算相関値の最大値及び幅の圧縮率を変更するために、成形処理の程度を決めるパラメータを変更するものであって、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索範囲を段階的に変更するコード位相探索範囲変更部を有する成形パラメータ変更部を備え、さらに、前記成形パラメータ変更部によって変更する毎に、前記捕捉のための処理を繰り返し行い、捕捉精度を高めるとともに、
    前記第二コード位相検出部で検出したコード位相を、受信信号の捕捉コード位相とすることを特徴とする、スペクトラム拡散信号受信装置。
  3. 受信信号に対し拡散コードを用いて逆拡散を行うスペクトラム拡散信号受信装置において、
    逆拡散のための基準拡散コードを発生させる拡散コード発生部と、
    前記基準拡散コードに基づいて検出すべきコード位相の各候補毎に各候補拡散コードを発生し、これら各候補拡散コードと受信信号との相関値を検出し、検出された各相関値に対して積算処理を施し、各候補拡散コード毎の積算相関値を得るものであって、前記各候補拡散コード毎の積算相関値の最大値及び幅の両方を圧縮するために、前記拡散コード発生部から供給された拡散コードについて、波形成形を施す波形成形部を有する積算相関部と、
    前記各候補拡散コード毎の積算相関値のうちの最大積算相関値となるコード位相を仮コード位相として検出する第一コード位相検出部と、
    前記仮コード位相より、時間的に早い所定位相範囲内におけるコード位相までの前記各候補拡散コード毎の積算相関値において、所定のしきい値よりも大きくなる積算相関値のコード位相を検出し、前記検出したコード位相及び前記仮コード位相の中から、位相が最も早いコード位相を検出する第二コード位相検出部を備え、
    前記波形成形部は、積算相関値の最大値及び幅の圧縮率を変更するために、成形処理の程度を決めるパラメータを変更するものであって、成形処理の程度に合わせて、捕捉するためのコード位相の探索間隔を段階的に変更するコード位相探索間隔変更部と探索範囲を段階的に変更するコード位相探索範囲変更部を有する成形パラメータ変更部を備え、さらに、前記成形パラメータ変更部によって変更する毎に、前記捕捉のための処理を繰り返し行い、捕捉精度を高めるとともに、
    前記第二コード位相検出部で検出したコード位相を、受信信号の捕捉コード位相とすることを特徴とする、スペクトラム拡散信号受信装置。
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