JP4315244B2 - 紙幣記番号読取装置および紙幣記番号読取方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣に印刷された記番号を読取る紙幣記番号読取装置および紙幣記番号読取方法に関し、詳しくは、記番号の文字色、背景色が各紙幣毎に異なるような紙幣の記番号を正確に読取ることができるようにした紙幣記番号読取装置および紙幣記番号読取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、紙幣に印刷された記番号(アルファベット及び数字から成る所定桁の文字情報)を読取る場合、紙幣を搬送させてその記番号が印刷された部分に光を照射し、その反射光をイメージセンサで取り出して文字認識を行なっているが、照射光源の色、記番号の文字の色、文字背景色の色などの関係によって、記番号文字を明瞭に読取れるか、読取れないかの違いが生じる。
【0003】
例えば、ユーロ紙幣の場合には、記番号と背景が重なっており、しかも記番号の文字色や背景色が金種毎に異なるため、照射光源として1種類のLED光源を用いた場合、紙幣を読取走査して得た画像データに基づく2値化データにおいて、当該照射光源の色との関係から、金種毎に背景の残り方が異なり、該2値化データから記番号を明瞭に切り出すことが困難であった。
【0004】
図17は、20ユーロ紙幣と50ユーロ紙幣に関する光源発光色、グレイ画像、2値化画像と判定結果の関係を示す表図である。
【0005】
この場合、光源として緑色LEDを用いているため、上記各紙幣を読取走査して得た画像データ(グレイ画像)に基づく2値化データにおいて、20ユーロ紙幣では背景色が灰/青のために記番号(X001138509354)がくっきりと現れ、この2値化画像データを基に記番号を正確に認識できるが、50ユーロ紙幣では、背景色が茶色のために該背景色が残って記番号の2値化画像に重なるため、この2値化データを基に記番号(V02382003184)を正確に認識することができなかった。
【0006】
ところで、背景色が異なることによる文字認識の認識率低下を防止するための対策として、下記特許文献1(特開2002−185782号公報)には、抽選番号の下地の網目模様と同じ色の光を照射し、網目模様部の色を無効とするドロップアウトカラー手法を用いて文字部(抽選番号)のみを正確に読取ることを可能にした装置及び方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−185782号公報
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は、ドロップアウトカラー手法を用いて背景色をドロップアウトさせて抽選番号等の情報を読取る方法があったが、この公知技術を、記番号と背景が重なっており、記番号の文字色や背景色が金種毎に異なるユーロ紙幣等の紙幣の読取に適用する場合には、紙幣毎に異なる発光色を有する複数の光源を用意する必要があり、コストアップを招来するという問題点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決し、記番号と背景が重なっており、記番号の文字色や背景色が金種毎に異なるユーロ紙幣等の紙幣であっても、発光色の異なる多数の光源を用意することなく、金種毎に背景画像を適切にドロップアウトさせて記番号を正確に認識できる紙幣記番号読取装置および紙幣記番号読取方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、搬送通路を搬送される紙幣の記番号を読取る紙幣記番号読取装置において、イメージセンサと、発光色が異なる少なくとも2つの光源を各々有する2つの画像読取手段であって、一方が前記搬送通路の上側に設置され、他方が前記搬送通路の下側に設置される第1と第2の画像読取手段と、前記搬送通路を搬送中の紙幣の金種及び方向を識別する識別手段と、前記識別手段により識別された金種及び方向の情報に基づき、前記第1または第2の画像読取手段を選択的に切換えるとともに、該選択された画像読取手段における発光色が各々異なる少なくとも2つの光源のうちの1つを選択的に駆動し、かつ前記イメージセンサを駆動することによって、前記搬送通路を搬送中の紙幣の記番号が印刷された部分を読取走査させるように前記第1または第2の画像読取手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、搬送通路から搬入される複数の紙幣を順に取り込んで一時的に保留する一時保留手段と、前記紙幣を前記識別手段、前記第1及び第2の画像読取手段を経て前記一時保留手段まで搬送し、その後、該一時保留手段から前記第1及び第2の画像読取手段を通過するように前記紙幣を逆方向に搬送する紙幣搬送手段とを具備し、前記制御手段は、前記識別手段を通過した紙幣が前記一時保留手段まで搬送され、該一時保留手段から逆方向に搬送されて前記第1または第2の画像読取手段を通過する際に該紙幣の記番号を読取走査すべく前記第1または第2の画像読取手段を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記読取走査により前記第1または第2の画像読取手段から出力される画像データに基づき当該読取走査対象の紙幣の記番号を認識する記番号認識手段を具備することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、前記記番号認識手段は、1枚分の紙幣の画像データを取り込んで該紙幣の記番号を認識する複数の記番号認識部と、前記第1または第2の画像読取手段による1枚分の紙幣の画像データを前記各記番号認識部に順次割り振る切換え手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、前記記番号認識部は、前記第1または第2の画像読取手段から出力される画像データから、前記金種と方向の情報に基づき指定される記番号領域を切り出して2値化データに変換し、該2値化データから記番号を認識する画像処理手段を具備することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記紙幣はユーロ紙幣であり、前記第1及び第2の画像読取手段に各々設けられて選択的に駆動される前記光源は、赤色LEDを用いた赤色光源、及び緑色LEDを用いた緑色光源であることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、搬送通路を搬送される紙幣の記番号を読取る紙幣記番号読取装置の紙幣記番号読取方法において、イメージセンサと、発光色が異なる少なくとも2つの光源を各々有する2つの画像読取手段であって、一方が前記搬送通路の上側に設置され、他方が前記搬送通路の下側に設置される第1と第2の画像読取手段を備えると共に、前記搬送通路中に設けた識別手段により搬送中の紙幣の金種及び方向を識別し、前記識別手段により識別された金種及び方向の情報に基づき、前記第1または第2の画像読取手段を選択的に切換えるとともに、該選択された画像読取手段における発光色が各々異なる少なくとも2つの光源のうちの1つを選択的に駆動し、かつ前記イメージセンサを駆動することによって、前記搬送通路を搬送中の紙幣の記番号が印刷された部分を読取走査させるように前記第1または第2の画像読取手段を制御し、紙幣の金種及び方向に応じて画像読取手段及び光源の発光色を選択的に変えながら当該紙幣の記番号を読取ることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、上記請求項7記載の発明において、搬送通路から搬入される複数の紙幣を順に取り込んで一時的に保留する一時保留手段を備え、前記紙幣を前記識別手段、前記第1及び第2の画像読取手段を経て前記一時保留手段まで搬送し、その後、前記一時保留手段から前記紙幣を順次逆方向に搬送し、該紙幣が前記第1及び第2の画像読取手段を通過する際に当該紙幣の記番号を読取走査することを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、上記請求項7記載の発明において、前記紙幣はユーロ紙幣であり、前記第1及び第2の画像読取手段に各々設けられて選択的に駆動される前記光源は、赤色LEDを用いた赤色光源、及び緑色LEDを用いた緑色光源であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る紙幣入金機1の構成を示すブロック図である。
【0022】
この紙幣入金機1は、例えば、ユーロ紙幣の入金処理を行なうものであり、紙幣処理ユニット2、紙幣収容ユニット3、制御ユニット4から構成される。
【0023】
紙幣処理ユニット2は、紙幣投入口21、リジェクト保留部22、繰出し部23、金種識別部24、記番号読取部25、一次保留部26と、これら各部の間の搬送通路(P1,〜,P5)を通じて紙幣を搬送する紙幣搬送手段(図示せず)を具備して構成される。
【0024】
金種識別部24と記番号読取部25の間の搬送通路には、当該搬送通路を通過する紙幣を紙幣収容ユニット3の後述する収容カセット301,302,303のいずれかに分岐して搬入する分岐部27が設けられる。
【0025】
紙幣収容ユニット3は、記番号読取部25で記番号を読取られた後のユーロ紙幣を例えば各金種をグループに分けて収容する収容カセット301,302と、疑偽紙幣(以下、疑偽券という)を収容する収容カセット303から構成される。
【0026】
そして、この紙幣入金機1は、例えば、ATM等内に収納されており、上位制御部から通信によりコマンドを受けて紙幣の取り込み収納、返却等の処理を実行する。
【0027】
制御ユニット4には、当該紙幣入金機1の動作を制御するための各種要素を備えて当該紙幣入金機1全体の制御を行なう識別制御部50(図2参照)、紙幣入金機1の外部に配設されタッチパネル等による紙幣の入金にかかわる各種情報の入力操作(例えば、入金者の情報の入力)や各種情報の表示を行なう操作/表示部51(図2参照)が設けられている。
【0028】
この紙幣入金機1において、操作/表示部51での入金操作を経て紙幣投入口21から投入された束状の紙幣(この例では、ユーロ紙幣)はリジェクト保留部22を通過して束状態のまま繰出し部23まで搬送された後、該繰出し部23から更にその先に1枚ずつ繰出し搬送される。
【0029】
繰出し部23から繰出された紙幣は、金種識別部24を通過し、更に記番号読取部25を通過して一時保留部26に送られる。一時保留部26は、テープ巻取り型の紙幣保留機構を有するものであり、記番号読取部25から搬入される複数の紙幣を順にテープに挟まれた状態で一時的に保留する。
【0030】
この繰出し部23から一時保留部26への搬送過程で、金種識別部24は、紙幣が1枚ずつ通過する毎に当該紙幣の金種と搬送方向を認識し、当該金種と搬送方向の情報を紙幣の順番(ID)に対応付けて管理する。
【0031】
この時、金種の判定ができなかった紙幣及び斜行、重送等の搬送異常となった紙幣は、リジェクト保留部22へ送られる。
【0032】
この金種識別部24で認識された紙幣ID、金種及び搬送方向の情報に関して、今回入金された束状の紙幣の全てが繰出され、そのうち金種を判別できたものが一時保留部26に保留完了した後、一時保留された紙幣分のみの情報が記番号読取部25に転送され、後述する金種/方向管理テーブルに記憶される。
【0033】
ここで、入金者による入金の認証が行なわれた場合に、一時保留部26に一時保留された複数の紙幣は、その後、一時保留部26への搬入順(金種識別部24を通過した順番)とは全く逆の順番で1枚ずつ逆方向に搬送され、記番号読取部25まで送られる。
【0034】
一方、入金がキャンセルされた場合には、一時保留部26の紙幣は全てリジェクト保留部22へ送られ、集積され、紙幣投入口21へ束搬送される。
【0035】
入金認証時、紙幣入金機1全体の制御を行なう識別制御部50(図2参照)は、記番号読取部25の画像読取手段(後述するラインセンサ35a,35b)の手前に設けられたパスセンサの出力を監視している。そして、上記パスセンサの出力に基づき紙幣の到来を検知すると、記番号読取部25に対してその旨を通知する。
【0036】
記番号読取部25は、識別制御部50から紙幣到来を知らされると、当該到来した紙幣の読取走査を行なう。
【0037】
ここで、記番号読取部25は、後述するように、発光色が異なる少なくとも2つの光源及びイメージセンサから成る画像読取手段を2つ持ち、各画像読取手段を紙幣の搬送通路の上下に配置した構成を有している。
【0038】
そして、到来した紙幣の読取走査にあたっては、既に、金種識別部24から取得した紙幣ID、金種及び搬送方向の情報を記憶した金種/方向管理テーブルを紙幣IDの逆順番に検索し、該到来した紙幣の金種と方向に応じて画像読取手段の光源(当該記番号の背景画像のドロップアウトカラーに対応する発光色を有する光源)を発光させ、読取走査を行なう。
【0039】
なお、ここでは紙幣両面に対して画像読取手段の光源を点灯させているが、使用しない方(記番号が印刷された面が通らない方)の光源を消灯するようにしても良い。
【0040】
記番号読取部25では、上述した方法で、記番号認識部41−1〜41−4(図2参照)が紙幣全画像分(又は、所定ライン数)のイメージセンサの読取走査を行なった後、当該読取走査を末端を検出した時に終了し、次いで、この読取走査によりイメージセンサで読取られる画像データを基に記番号認識処理を行なう。
【0041】
一方、記番号読取部25で読取走査された紙幣は、その後、分岐部27で予め設定された金種のグループに応じて分岐され、収容カセット301,302中の該当する金種の収納エリアに収容される。この分岐部27の紙幣分岐制御も、識別制御部50により、金種識別部24で認識された金種情報に基づき行なわれる。
【0042】
このように、本発明に係わる紙幣入金機1では、紙幣が1枚ずつ金種識別部24を通過する際に当該各紙幣の金種と搬送方向を金種識別部24で認識すると共に、金種識別部24を通過した紙幣を一時保留部26まで搬送し、該一時保留部26から逆方向に搬送されて記番号読取部25を通過する際に、該記番号読取部25が、金種識別部24から渡される紙幣の金種及び方向の情報(金種・方向情報)に基づき発光色が異なる2つの光源を選択的に駆動し、搬送中の紙幣の記番号が印刷された部分をイメージセンサで読取走査することによって、紙幣の金種に応じて光源の発光色を選択的に変えながら当該紙幣の記番号を読取るようにしている。
【0043】
次に、記番号読取部25の構成及び動作について説明する。
【0044】
図2は、記番号読取部25の機能構成を示すブロック図である。
【0045】
記番号読取部25は、発光素子(LED)31aと受光素子(フォトトランジスタ)31bから成るタイミングセンサ31、受光素子31bの出力を波形整形する波形整形部32、波形整形部32の出力に基づき読出しタイミング制御を行なう読出タイミング制御部33、読取対象の紙幣の搬送量を示すパルスを発生するメカパルス発生部34、紙幣搬送通路の上下に配置されるラインセンサ(画像読取手段)35a,35b、ラインセンサ35aから画像データを読み出す読出部(U)36、ラインセンサ35bから画像データを読み出す読出部(L)37、読出部36または37から送出される1ライン分の画像データを蓄積する1ライン画像メモリ38、1ライン画像メモリ38から出力される1ライン分の画像データを後述する第1〜第4の記番号認識部41−1,41−2,41−3,41−4のいずれか1つに切り替えて出力する切替ゲート39、切替ゲート39を切替制御する記番号認識部選択制御部40、切替ゲート39から切替出力される画像データを取り込んで記番号を認識する第1〜第4の記番号認識部41−1,41−2,41−3,41−4、金種識別部24から識別制御部50を介して渡される金種・方向情報に基づくラインセンサ35a,35b及び該各ラインセンサ35a,35bの光源の選択駆動制御や、第1〜第4の記番号認識部41−1,41−2,41−3,41−4に金種・方向情報を転送する制御等、記番号認識に必要な制御を行なう記番号認識制御部42を具備して構成される。
【0046】
なお、記番号認識制御部42は、外部へのインターフェースを有し、例えば、当該記番号読取部25の外部に設けられる識別制御部50に接続されている。
【0047】
図3は、図2における第1記番号認識部41−1(記番号認識部41−2,41−3,41−4も同様の構成)の機能構成を示すブロック図である。
【0048】
この記番号認識部41−1は、読出部36から切替ゲート39を介して入力される画像データ(紙幣の片面かつ1面相当の画像データ)を格納するフレームバッファ(U)411、読出部37から切替ゲート39を介して入力される画像データ(紙幣の片面かつ1面相当の画像データ)を格納するフレームバッファ(L)412、フレームバッファ411または412のいずれかに格納された画像データから切り出した画像データ(記番号領域の画像データ)を格納する切り出しデータ格納部413、記番号領域の画像データを切り出すために用いる画像メモリアドレスを紙幣の金種・方向情報毎に格納した切り出しアドレス情報格納部414、切り出した画像データを認識するための各金種毎のフォント情報を格納するフォント情報格納部415、記番号認識制御部42から与えられる金種・方向情報を格納する金種・方向情報バッファ416、CPU,プログラム,ワーク用メモリから成り、記番号の認識処理を行なう認識部417を具備して構成される。
【0049】
ここで、この記番号読取部25全体の動作を制御する前に、ラインセンサ35a,35bの構成並びに該ラインセンサ35a,35b間の搬送通路における紙幣搬送形態について説明する。
【0050】
図4は、記番号読取部25におけるラインセンサ35a,35bの配置態様を示す図である。ここで、図4(a)はラインセンサ35a,35b配置位置近傍の概念側面図であり、図4(b)は同図(a)の概念上面図である。
【0051】
図4に示すように、記番号読取部25では、紙幣搬送通路の上方と下方とにそれぞれ1つずつのラインセンサ35aと35とを備えている。
【0052】
より詳しくは、ラインセンサ35aは、搬送通路の上側部分に読取面が臨み、記番号読取時に点線矢示方向に搬送される紙幣の上側の面を読取るものであり、ラインセンサ35bは、搬送通路の下側部分に読取面が臨み、記番号読取時に点線矢示方向に搬送される紙幣の下側の面を読取るものである。
【0053】
ラインセンサ35aと35bは、図4(b)に示すように、互いにオフセットされた配置関係にあり、同図に点線矢示する方向に搬送される紙幣に対して、それぞれ、読取有効範囲が設定されている。
【0054】
図5は、図4における上側のラインセンサ35aの構成を示す概念側面図である。
【0055】
ラインセンサ35aは、紙幣の読取走査に用いる光源として、赤色の発光色(例えば、波長λ=655nm)を有する赤色LED351と、緑色の発光色(例えば、波長λ=525nm)を有する緑色LEDE352を有する。
【0056】
この他、ラインセンサ35aには、上記LED光源からの照射光(点線で示す)を紙幣の読取面(記番号領域を含む)に集光させるロッドレンズアレー353と、紙幣読取面からの反射光を受光するフォトダイオード(ラインセンサ)354を備える。
【0057】
この上側のラインセンサ35aは、上述したように、フォトダイオード354の読取面が搬送通路を搬送される紙幣の上側に臨むように配置される。
【0058】
下側のラインセンサ35bも、そのフォトダイオード354の読取面が紙幣搬送路を搬送される紙幣の下側に臨む以外は上側のラインセンサ35aと同様の構成である。
【0059】
ラインセンサ35a,35bにおける上記構造及び配置態様を念頭において、これらラインセンサ35a,35bにより読取ることのできる紙幣の読取領域と当該読取対象の紙幣の方向との関係について図6を参照して説明する。
【0060】
図6(a)は、図4(b)において、例えば、10ユーロ紙幣の記番号が印刷されている裏面側を上にかつ金額を示す数字が正立した状態で当該記番号読取部25内の搬送通路を通過する時の様子を示す図である。
【0061】
この図6(a)に示す状態で紙幣を見た時、当該紙幣の左下部分と右上部分に記番号が印刷された記番号領域が存在している。以下、この図6(a)に示す状態を基準に紙幣の左下、右上と規定するものとする。
【0062】
この図6(a)に示す紙幣搬送方向(一時保留部26方向への)をA1とすると、当該搬送方向A1の紙幣は記番号読取時には逆の方向(点線矢印で示す)に搬送されて当該読取位置を通過する。従って、この時には、上側ラインセンサ35aにより当該紙幣の左下の記番号を含む領域を読取ることができる。
【0063】
また、図6(b)は、図4(b)において、10ユーロ紙幣の記番号が印刷されている裏面側を上にかつ金額を示す数字が図6(a)とは上下逆転した状態(倒立状態)で当該記番号読取部25内の搬送通路を通過する時の様子を示す図である。
【0064】
この図6(b)に示す紙幣搬送方向(一時保留部26方向への)をB1とすると、当該搬送方向B1の紙幣は記番号読取時には逆の方向(点線矢印で示す)に搬送されて当該読取位置を通過する。従って、この時には、上側ラインセンサ35aにより当該紙幣の右上の記番号を含む領域を読取ることができる。
【0065】
また、図6(c)は、図4(b)において、10ユーロ紙幣が図6(a)に示す状態に対する裏返しの状態で当該記番号読取部25内の搬送通路を通過する時の様子を示す図である。
【0066】
この図6(c)に示す紙幣搬送方向(一時保留部26方向への)をA2とすると、当該搬送方向A2の紙幣は記番号読取時には逆の方向(点線矢印で示す)に搬送されて当該読取位置を通過する。従って、この時には、下側ラインセンサ35bにより当該紙幣の左下の記番号を含む領域を読取ることができる。
【0067】
また、図6(d)は、図4(b)において、10ユーロ紙幣が図6(b)に示す状態に対する裏返しの状態で当該記番号読取部25内の搬送通路を通過する時の様子を示す図である。
【0068】
この図6(d)に示す紙幣搬送方向(一時保留部26方向への)をB2とすると、当該搬送方向B2の紙幣は記番号読取時には逆の方向(点線矢印で示す)に搬送されて当該読取位置を通過する。従って、この時には、下側ラインセンサ35bにより当該紙幣の右上の記番号を含む領域を読取ることができる。
【0069】
同様にして、10ユーロ紙幣以外のユーロ紙幣についても、図6で説明したような紙幣搬送方向A1,B1,A2,B2に応じてそれぞれ上側ラインセンサ35aと下側ラインセンサ35bにより該当領域を読取ることができる。
【0070】
但し、ユーロ紙幣は、紙幣の左下の記番号と右上の記番号の色、それぞれの記番号の背景画像の色は各紙幣毎に異なるという特徴を持つ。
【0071】
こうした特徴を持つユーロ紙幣の記番号の読取精度を上げるべく、本発明の紙幣入金機1における記番号読取部25では、ラインセンサ35a、35bに図5に示すように2つのLED光源(赤色LED351、緑色LED352)を設け、ラインセンサ35a,35bのLED光源の発光色を記番号の色や背景画像の色に応じて選択的に切換えて読取走査を行なうようにしている。
【0072】
なお、この記番号読取走査に際して発光駆動されるLED光源は、上記赤色LED351、緑色LED352のうち、記番号の背景画像をドロップアウトさせ得る発光色を持った側である。
【0073】
図7は、ユーロ紙幣における金種と記番号印刷位置(記番号位置)、背景画像の色(背景色)並びに背景画像をドロップアウトし得る発光色(光源)の対応関係を示す表図である。
【0074】
図7に示す表図によれば、例えば、図6に例示した10ユーロ紙幣の場合は、左下には濃い赤色の記番号が灰/赤色の背景の上に印刷される一方、右上に黒色の記番号が赤色の背景の上に印刷されており、左下の記番号を読取る場合には緑色の発光色(緑色LED352)を用いて読取走査し、右上の記番号を読取る場合には赤色の発光色(赤色LED351)を用いて読取走査することより、背景画像をドロップアウトさせることができることが理解できる。
【0075】
他の紙幣についても、図7の表図から、左下の記番号を読取る場合と右上の記番号を読取る場合に好適な発光色(ドロップアウトカラー)を決めることができる。
【0076】
また、記番号読取部25における実際の読取走査において、各紙幣の左下の記番号を読取るのか、右上の記番号を読取るのかは、図6を参照して説明したように、この時の読取対象の紙幣の搬送方向A1,B1,A2,B2によって一義的に定まる。
【0077】
図8は、図6で説明した搬送方向A1,B1,A2,B2と読取可能なラインセンサ35a,35bの関係、並びに図7の表図に示した左下の記番号を読取る場合と右上の記番号を読取る場合に好適な発光色(ドロップアウトカラー)との関係に基づき例えば記番号読取部25の記番号認識制御部42(図2参照)に用意された光源選択テーブルの一例を示す図である。
【0078】
この光源選択テーブル251は、例えば、記番号読取部25の記番号認識制御部42(図2参照)の記憶部内に予め用意されている。
【0079】
一方、記番号読取部25では、上述したように、紙幣が一時保留部26まで搬送されて一時保留された後、1枚ずつ記番号読取部25方向に向けて逆搬送開始されるのに合わせて、前もって記番号認識制御部42が金種識別部24から各紙幣の金種・方向情報を受け取って金種/方向管理テーブルに記憶する。
【0080】
図9は、記番号認識制御部42における金種/方向管理テーブル422の一例を示す図である。
【0081】
この金種/方向管理テーブル422において、ID番号(ID1,ID2,ID3,…)は紙幣の繰出し搬送順番であり、金種はその繰出し番号に対応する紙幣が何ユーロ紙幣であるかの金種を示す情報であり、搬送方向は図6で説明したA1,B1,A2,B2のうちのいずれかを指す情報である。
【0082】
記番号読取部25において、記番号認識制御部42は、一時保留部26から繰出し時とは逆方向に搬送される各紙幣が読取位置に到来する毎に、予め用意された光源選択テーブル421と、金種識別部24から転送される金種・方向情報を基に構築した金種/方向管理テーブル422に基づき、紙幣の金種と搬送方向に応じてラインセンサ35a,35bの赤色LED351または緑色LED352のいずれかを選択的に駆動して紙幣の読取走査を行ない、該読取走査により得られた情報から記番号を認識するように制御する。
【0083】
ここで、図2に戻って、記番号読取部25全体の動作について説明する。
【0084】
記番号読取部25において、タイミングセンサ31は、一時保留部26から1枚ずつ逆搬送されてくる紙幣が発光素子31aと受光素子31b間を通過する際、発光素子31aから照射される光が紙幣によってさえぎられ、受光素子31bの受光出力が消失することを監視して紙幣の到来を検知する。
【0085】
このタイミングセンサ31の検知出力は、波形整形部32により波形整形されて読出タイミング制御部33に送られる。
【0086】
なお、タイミングセンサ31の検知出力は、記番号読取部25のユニット外に設けられる識別制御部50が管理し、記番号読取部25に対して外部から割り込み処理としてトリガを与えるようにしても良い。
【0087】
一方、メカパルス生成部34は、ロータリーエンコーダを用いて、紙幣搬送用の搬送ベルトの移動に伴なってパルスを発生させ、該パルスを読出タイミング制御部33に入力する。なお、このメカパルス生成部34の出力パルスを検出する部分も、記番号読取部25のユニット外に設けても良い。
【0088】
読出タイミング制御部33は、メカパルス生成部34から入力するパルスに基づき紙幣の移動量を監視、計測し、タイミングセンサ31の検知出力に基づき紙幣の到来を認識した後、紙幣が所定量の距離分搬送されたところで読出動作を開始させる。
【0089】
また、記番号認識部41は紙幣の所定の長さ(札長分)のデータが読み終わった時点で終了の信号を、記番号認識制御部42に送り、読出タイミング制御部33、読出部(U)(L)36,37にも送る。この制御は、各紙幣が到来する毎に繰り返し実施される。
【0090】
記番号認識制御部42には、上述した如く、光源選択テーブル421(図8参照)が予め用意されると共に、今回の読取対象の一連の紙幣が到来する前に、金種識別部24から渡された金種・方向情報を基に金種/方向管理テーブル422(図9参照)が構築されている。
【0091】
そして、読出タイミング制御部33から読出動作を開始する信号を受信すると、上記各テーブル421、422に基づきラインセンサ35a,35bのいずれか一方を当該紙幣を読取る側として選択し、該選択されたラインセンサ35aまたは35bにおける赤色LED351または緑色LED352のいずれかを選択的に駆動して紙幣の読取走査を行なわせる制御(LED色指定点灯制御)を実施する。
【0092】
ここで、LEDは、スポット光源、個々のLEDをライン状にしたLEDアレイ、導光体を用いて光源にLEDを用いた光源を指す。
【0093】
読出部36、読出部37は、読出タイミング制御部33から読出動作を開始する信号を受信した後、上記LED色指定点灯制御に伴なって、それぞれ、上側ラインセンサ35a、下側ラインセンサ35bから出力される紙幣1枚分の画像を1ラインずつ読取走査して読み出し、1ライン画像メモリ38に記憶する。
【0094】
1ライン画像メモリ38に記憶された1ライン分の画像データは、順次、切替ゲート39を介して第1〜第4の記番号認識部41−1,41−2,41−3,41−4のいずれかに転送され、紙幣の1枚分の1面の画像データとして格納される。
【0095】
記番号認識部選択制御部40は、1ライン毎に読取られ、その都度、1ライン画像メモリ38に記憶される画像データを第1〜第4の記番号認識部41−1,41−2,41−3,41−4に転送するにあたり、どの記番号認識部に送るかを切替ゲート39に指示する。なお、どの記番号認識部を使用するかは、例えば、記番号認識制御部42が管理している。
【0096】
切替ゲート39は、記番号認識部選択制御部40からの上記指示に基づき指定された記番号認識部を選択し、1ライン画像メモリ38からの1ライン分の画像データを当該記番号認識部に転送する。
【0097】
本発明の記番号読取部25において、記番号認識部選択制御部40は、1枚の紙幣毎に、第1記番号認識部41−1から第4記番号認識部41−4の中で(待機中)の記番号認識部に対し第1記番号認識部41−1から優先的に割り当てる。なお、第1記番号認識部41−1、第2記番号認識部41−2、第3記番号認識部41−3、第4記番号認識部41−4を順番に切換えていくようにしても良い。
【0098】
記番号認識制御部42は、上述したLED色指定点灯制御の他、金種識別部24から、当該紙幣入金機1全体を制御する識別制御部50を介して送られてくる紙幣の金種・方向の情報を紙幣の搬送が始まる前に予め全紙幣の枚数分受信し、記番号認識部41−1〜41−4のメモリに記憶させる。つまり、1枚の紙幣が搬送されてくる毎に記番号認識部41(41−1,41−2,41−3,41−4)に対してID、金種、方向の情報を転送する制御も行なう。
【0099】
記番号認識部41(41−1,41−2,41−3,41−4)では、読出部36または読取部37から1ライン画像メモリ38、切替ゲート39を介して紙幣1枚分の画像データを取り込んで格納し、該画像データの中から、記番号認識制御部42から送られて来ている金種・方向情報に基づき記番号領域の画像データを切り出して記番号の認識処理を行なう。
【0100】
この記番号認識処理について、図3に示す記番号認識部41−1の構成を参照して説明する。なお、他の記番号認識部41−2,41−3,41−4においても、記番号認識部41−1と同様の記番号認識処理を行なう。
【0101】
図3において、記番号認識部41−1のフレームバッファ411、412には、それぞれ、読取部36、読取部37で読取られた紙幣の片面でかつ1面に相当する画像データが切替ゲート39から入力され、格納される。
【0102】
また、金種・方向情報バッファ416には、記番号認識制御部42から送られてくる金種・方向情報が格納される。
【0103】
認識部417は、まず、金種・方向情報バッファ416に格納された金種・方向情報に基づき、フレームバッファ411または412に格納されているいずれか一方の画像データを、現在の認識対象の紙幣に対応する画像データとして特定する。
【0104】
次に、認識部417は、金種・方向情報バッファ416に格納された金種・方向情報に基づき、切り出しアドレス情報格納部414から、当該金種・方向情報に対応する記番号の画像メモリアドレスを読み出す。
【0105】
そして、この画像メモリアドレスを基に、先に特定したフレームバッファ411または412のいずれか一方の画像データ中から当該アドレスに対応したエリアの画像データ(記番号領域)を切り出し、該画像データを2値化データに変換して切り出しデータ格納部413に格納する。
【0106】
次に、認識部417は、切り出しデータ格納部413に格納した画像データ(2値化データ)中の記番号領域の各桁に対応する画像データを順次切り出し、特徴量を抽出したうえで、フォント情報格納部415に格納されているフォント情報と順次パターンマッチングを行なう。
【0107】
そして、パターンが一致したフォント情報(文字情報)を記番号の各桁順に保持していき、全ての桁のパターンマッチングが完了した時に保持されている文字列を記番号の認識結果として記番号認識制御部42に出力する。
【0108】
図10は、上述した記番号認識部41での記番号認識処理を含む記番号読取部25の記番号読取動作全体の流れを示すフローチャートである。
【0109】
図10に示すように、記番号読取部25では、紙幣入金機1における紙幣入金動作中、記番号認識制御部42がストップコマンドを受信したか否かを監視し(ステップS101)、ストップコマンドが受信されない間(ステップS101NO)、パスセンサ31からの検知出力(読取タイミング制御部33からの読取動作開始を指示する信号)が受信されたか否かを監視する(ステップS102)。
【0110】
なお、上記ストップコマンドは、今回の1束の紙幣の入金処理に際して、上位の識別制御部50が金種識別部24から受信した紙幣ID、金種及び方向情報を基に記番号読取動作の進行を監視し、当該1束の紙幣の記番号読取りが終了した際に当該識別制御部50から記番号認識制御部42に対して送出される。
【0111】
ステップS102において、パスセンサ31からの検知出力が受信された場合、つまり、一時保留部26から繰出し時とは逆方向に搬送される各紙幣が読取位置に到来した場合(ステップS102YES)、記番号認識制御部42は、それ以前の紙幣繰出し搬送動作中に、金種識別部24から識別制御部50を介して転送を受けて記憶している金種・方向情報を基に構築した金種/方向管理テーブル422から今回到来した紙幣のIDに対応する金種・方向情報を読出す(ステップS103)。
【0112】
次いで、記番号認識制御部42は、当該金種と方向の情報をキーに予め用意された光源選択テーブル421を検索することにより、必要な光源(赤色LED351または緑色LED352)のみをオン(ON)のままにし(ステップS105)、今回到来した1枚の紙幣の札長分の読取り走査を行なう(ステップS106)。
【0113】
この読取り走査により、ラインセンサ35a及び35bから出力される画像データは対応する読取部36または読取部37から、切替ゲート39により選択された第1〜第4の記番号認識部41−1,41−2,41−3,41−4のいずれかに転送されて格納される。
【0114】
ここで、1枚分の画像データが格納される例えば記番号認識部41−1では、図3を参照して説明したように、該画像データからの記番号領域の切り出し処理、切り出した記番号領域の画像データの2値化処理、該2値化データからの各桁相当の文字の切り出し処理、特徴量抽出処理、パターンマッチング処理を経て記番号認識処理を行ない(ステップS107)、該認識結果(記番号に対応する文字列)を出力する(ステップS108)。
【0115】
上記ステップS101からステップS108までの処理を、1枚の紙幣が到来する毎に実施していき、識別制御部50からストップコマンドが受信された場合に(ステップS101YES)、一連の記番号読取動作を終了する。
【0116】
図10のフローチャートに沿ってなされる記番号読取部25でのLED色指定点灯制御(ステップS102〜S106)によれば、例えば、図6に示した10ユーロ紙幣に関しては、搬送方向A1の場合〔図6(a)参照〕には、該紙幣が一時保留部26から逆方向に搬送されて読取位置を通過する際に、光源選択テーブル421(図8参照)に基づき、上側ラインセンサ35aにより緑色LED352を発光させて紙幣を照射してその反射光をフォトダイオード354で読取走査することにより、当該紙幣の左下の記番号を含む領域が読取られる。
【0117】
同様に、搬送方向A2の場合〔図6(c)参照〕には、光源選択テーブル421(図8参照)に基づき、下側ラインセンサ35bにより緑色LED352のみを発光させて該紙幣を照射してその反射光をフォトダイオード354で読取走査することにより、当該紙幣の左下の記番号を含む領域が読取られる。
【0118】
以上のケースでは、当該10ユーロ紙幣の左下の記番号の色は濃い赤色で、背景色は灰/赤色であるため(図7参照)、発光色を緑色とすることにより背景画像をドロップアウトさせることができ、その後の画像処理(図10、ステップS107)で記番号を正確に認識できるようになる。
【0119】
また、搬送方向B1の場合〔図6(b)参照〕には、光源選択テーブル421(図8参照)に基づき、上側ラインセンサ35aにより赤LED351のみを発光させて紙幣を照射してその反射光をフォトダイオード354で読取走査することにより、当該紙幣の右上の記番号を含む領域が読取られる。
【0120】
また、搬送方向B2の場合〔図6(d)参照〕には、光源選択テーブル421(図8参照)に基づき、下側ラインセンサ35bにより赤色LED351のみを発光させて紙幣を照射してその反射光をフォトダイオード354で読取走査することにより、当該紙幣の右上の記番号を含む領域が読取られる。
【0121】
以上のケースでは、当該10ユーロ紙幣の右上の記番号の色は黒色で、背景色は赤色であるため(図7参照)、発光色を赤とすることにより背景画像をドロップアウトさせることができ、その後の画像処理(図10、ステップS107)で記番号を正確に認識できるようになる。
【0122】
同様に、他の紙幣についても、紙幣の金種と方向の情報に応じて照射光源の発光色を選択的に変えながら読取走査していくことで、当該紙幣の左下若しくは右上の記番号(アルファベットと数字から成る12桁の文字)をその背景画像をドロップアウトさせることができ、その後の画像処理で記番号を正確に認識できるようになる。
【0123】
一例として、図11には、20ユーロ紙幣と50ユーロ紙幣を対象にして、本発明の紙幣記番号読取方法に基づき記番号を読取る時の光源発光色、グレイ画像、2値化画像とその判定結果の関係を示す表図を開示している。
【0124】
この場合、黒色の記番号に対してその背景色が灰/青色(左下)若しくは薄い青(右上)である20ユーロ紙幣(図7参照)に対しては、光源として緑のみ(緑色LED352点灯制御)を用いているため、該紙幣を読取走査して得た画像データ(グレイ画像)に基づく2値化データにおいて、背景色がドロップアウトされて記番号がくっきりと現れ、この2値化画像データを基に記番号を正確に認識できる。
【0125】
一方、濃い茶(左下)若しくは黒(右上)の記番号に対する背景色がそれぞれ灰/黄若しくは茶である50ユーロ紙幣については(図7参照)、光源として赤色のみ(赤色LED351点灯制御)を用いているため、該紙幣を読取走査して得た画像データ(グレイ画像)に基づく2値化データにおいて、背景色がドロップアウトされて記番号がくっきりと現れ、この2値化画像データを基に記番号を正確に認識できる。
【0126】
なお、文中のLED光源は、個々のLEDを直線状に並べたLEDアレイ、均一な光を照射できるようにした導光体を用いた光源及びスポット型の単一LED光源であっても良い。
【0127】
つまり、本発明で用いるLED光源(この例では、赤色LEDを用いた赤色光源及び緑色LEDを用いた緑色光源)は、該当する発光色を有するLEDを用いて構成されるものであれば、LEDアレイ、導光体を利用したLED光源、単一スポット型LED光源等、形態を問わない。
【0128】
また、光源の駆動方法は、通常2色共消灯しており必要な時に1灯点灯、あるいは、通常2色共点灯しておき必要な時に1灯消灯するようにしても良い。
【0129】
また、フォトダイオードも同様に、フォトダイオードアレイ及びスポット型の単一のフォトダイオードによる受光器であっても良い。
【0130】
次に、図10のステップS107における記番号認識処理について、図12及び図13を参照して更に詳しく説明する。
【0131】
ここで、図12は記番号認識処理の流れを示すフローチャートであり、図13はこの記番号認識処理(切出し処理成功時)の流れに対応する信号の遷移を示す図である。
【0132】
図12に示す記番号認識処理において、記番号認識部41(41−1,41−2,41−3,41−4)は、まず、フレームバッファ411または412のいずれかに格納された画像データ中から、金種・方向情報バッファ416に格納された金種・方向情報に基づき記番号領域〔図13(a)参照〕を切り出すと共に、該領域内より2値化閾値〔図13(b)参照〕を算出し、該2値化閾値により当該記番号領域画像データを2値化する(ステップS121)。
【0133】
次に、この記番号領域内の2値化データ〔図13(c)参照〕より横方向に横ヒストグラムを算出し(ステップS122)、該横ヒストグラムより記番号領域の高さ領域を算出する(ステップS123)と共に、この算出された高さ領域において、縦方向に縦ヒストグラムを算出する(ステップS124)。
【0134】
次に、この縦ヒストグラム〔図13(d)参照〕をフレームの左端より走査開始し、黒画素が存在するブロックの座標を算出する(ステップS125)。
【0135】
次いで、例えば、フォント情報格納部415に予め記憶している文字幅、文字間隔情報より、上記ブロック幅が何文字に相当するかを算出する。ここで、ブロック幅が2文字以上に相当する場合は、落書きや汚れ等の影響と判断し、結果を予め決めておいたエラー認識であることを示す特定の文字(エラー文字)、例えば“?”として該当文字数分格納しておく(ステップS126)。
【0136】
次いで、フレーム終端まで走査が完了したかどうかをチェックし(ステップS127)、走査が完了していない場合(ステップS127NO)は上記ステップS125の走査と、ステップS126の文字算出処理を続け、フレーム終端まで走査が完了した場合(ステップS127YES)、フレーム内の文字数を算出する(ステップS128)。
【0137】
次に、当該金種の紙幣について記憶している記番号の正規文字数と上記算出した文字数が一致しているか否かをチェックし(ステップS129)、文字数が一致している場合(ステップS129YES)には、先に述べた方法で各文字の特徴量を抽出し(ステップS130)、更にパターンマッチングを行なって(ステップS131)当該各文字を認識し、該認識結果を出力する。
【0138】
以上は、記番号に落書きや汚れ等がなく、切出し処理が成功した場合における文字認識処理の流れである。
【0139】
この場合は、図13に示すように、縦ヒストグラム〔図13(d)参照〕の走査完了後、フレーム内の文字数と識別した紙幣金種に対応して記憶している文字数が一致すると判定され、正規文字数(例えば、12桁:米ドル紙幣の記番号は、アルファベットと数字を合わせて10桁であるが、ここでは、ユーロ紙幣を対象として12桁とする)の記番号〔図13(e)参照〕が認識され、これが認識結果として出力される。
【0140】
次に、切出し処理が成功しているが記番号に落書きや汚れ等がある場合における文字認識処理の流れについて説明する。
【0141】
図14は、記番号に落書きがある場合の記番号認識処理時の記番号原画像と縦ヒストグラムの関係〔同図(a)〕並びにその認識結果〔同図(b)〕を示す図である。
【0142】
この例では、図14(a)に示すように、“X03265591277”という記番号の“3”と“2”の間にまたがる落書きがあり、この2文字以上に相当する黒画素ブロック▲3▼と他の各文字毎の黒画素ブロック(文字ブロック)▲1▼,▲2▼,▲4▼〜11(丸数字)から成る縦ヒストグラムが生成されている。
【0143】
このような縦ヒストグラムを持つ画像データの場合、図12に示すフローチャート上では、ステップS125〜S127において、当該縦ヒストグラムが図13(a)に図示する方向に走査される。
【0144】
この間、ステップS126では、黒画素が存在するブロック▲1▼〜11(丸数字)のうち、ブロック▲3▼が2文字以上に相当するものと認識され、当該2文字分の認識結果が予め定めたエラー文字“?”に置き換えて格納される。
【0145】
その後、ステップS128ではフレーム内の文字数が“12”として算出され、更に、ステップS129では記憶している文字数“12”と一致する(ステップS129YES)と判定されることにより、特徴量抽出処理ステップ(S130)、パターンマッチング処理ステップ(S131)を経て認識結果を出力する(ステップS108)。
【0146】
その際、記番号認識部41は、エラー文字“?”に置き換えられた文字ブロックを除く各文字ブロックからそれぞれ上述の如く文字を認識し、該認識された文字とエラー文字“?”とを各桁に合わせて合成して上記認識結果を生成する。
【0147】
図14に示す縦ヒストグラムを持つ画像データの場合、上述した文字間隔チェック処理(ステップS144)において、ブロック▲3▼の幅が「2文字+1文字間」に相当することから、2文字存在するものと認識され、この2文字分のブロックの結果がエラー文字“??”として置き換えられ、その後ステップS108では、他の1ブロック単位の認識結果と合わせて、図14(b)に示すような認識結果“X0??65591277”が出力される。
【0148】
次に、記番号に落書きや汚れがあり、切出し処理が失敗した場合における文字認識処理の流れについて説明する。
【0149】
図16は、記番号上以外に落書きがある場合の記番号認識時の記番号原画像と縦ヒストグラムの関係〔同図(a)〕並びにその認識結果〔同図(b)〕を示す図である。
【0150】
この例では、図16(a)に示すように、“X03265591277”という記番号の右側に汚れがあり、黒画素ブロック(文字ブロック)▲1▼〜13(丸数字)から成る縦ヒストグラムが生成されている。
【0151】
このような縦ヒストグラムを持つ画像データの場合、図12に示すフローチャート上では、ステップS125〜S127において、当該縦ヒストグラムが図16(a)に図示する方向に走査される。
【0152】
その後、ステップS128ではフレーム内の文字数が“13”として算出され、更に、ステップS129では記憶している文字数“12”と不一致(ステップS129NO)であると判定されることにより、その後の処理はステップS141に遷移する。
【0153】
ステップ141において、記番号認識部41は、ブロック全体の長さが記番号全体の正規の長さ(記番号の正規文字数分の長さ)より短いかどうかを判定する。
【0154】
ここで、ブロック全体の長さが記番号全体の正規の長さよりも短い場合(ステップS141YES)にはステップS142以降のフレームエラー処理に進み、ブロック全体の長さが記番号全体の正規の長さよりも短くない場合(ステップS141NO)にはステップS144の文字間隔チェック処理に進む。
【0155】
図16に示す縦ヒストグラムを持つ画像データの場合、ステップS141において、ブロック全体の長さが記番号全体の正規の長さよりも短くない(ステップS141NO)と判定され、文字間隔チェック処理(ステップS144)に進む。
【0156】
ステップS144において、記番号認識部41は、左右端それぞれの文字ブロックより文字間隔をチェックし、背景やノイズと思われるブロック〔この例では、ブロック13(丸数字)〕については、文字間隔がオーバーしている文字数(同、1文字)分を削除する。
【0157】
その後、記番号認識部41は、上述した特徴量抽出処理ステップ(S130)、パターンマッチング処理ステップ(S131)を経て認識結果“X03265591277”を出力する(ステップS108)。
【0158】
次に、フレームエラーが発生した場合における文字認識処理の流れについて説明する。
【0159】
図15は、読取用フレーム(フレームバッファ411,412)より記番号の一部がはみ出すフレームエラーが発生した場合の記番号認識処理時の記番号原画像と縦ヒストグラムの関係〔同図(a)〕並びにその認識結果〔同図(b)〕を示す図である。
【0160】
この例では、図15(a)に示すように、“X03265591277”という記番号の左から2文字が読取用フレームからはみ出し、残り10文字に相当する黒画素ブロック▲1▼〜10(丸数字)とその右側の背景に相当するブロックから成る縦ヒストグラムが生成されている。
【0161】
このような縦ヒストグラムを持つ画像データの場合、図12に示すフローチャート上では、ステップS125〜S127において、当該縦ヒストグラムが図15(a)に図示する方向に走査され、この間、ステップS126で黒画素ブロック▲1▼〜10(丸数字)がそれぞれ1文字に相当するものと認識される。
【0162】
次いで、ステップS128ではフレーム内の文字数が“10”として算出され、更に、ステップS129では記憶している文字数“12”と不一致(ステップS129NO)であると判定されることにより、その後の処理はステップS141に遷移する。
【0163】
図15に示す縦ヒストグラムを持つ画像データの場合、ステップS141において、ブロック全体の長さが記番号全体の正規の長さよりも短い(ステップS141YES)と判定され、フレームエラー処理(ステップS142)に進む。
【0164】
ステップS142において、記番号認識部41は、まず、フレームの端から最初の文字ブロックまでの距離を左右それぞれ算出する。
【0165】
次いで、記番号認識部41は、上記算出した左右の距離を比較して短い方(この例では、左端)にフレームエラーが発生したと認識し、足りない文字数(同、2文字)分だけエラー文字“?”を付加する(ステップS143)。
【0166】
その後、記番号認識部41は、上述した特徴量抽出処理ステップ(S130)、パターンマッチング処理ステップ(S131)を経て認識結果を出力する(ステップS108)。
【0167】
その際、記番号認識部41は、エラー文字“?”は付加された文字ブロックを除く各文字ブロックからそれぞれ上述の如く文字を認識し、該認識された文字とエラー文字“?”を各桁を合わせて合成して上記認識結果を生成する。
【0168】
図15に示す縦ヒストグラムを持つ画像データの場合、上述したフレームエラー処理(ステップS142,S143)において、外側の桁からフレームまでの距離〔A〕,〔B〕が測定され〔図15(a)参照〕、短い距離〔A〕の側がフレームエラーとして認識され、桁落ちしている文字数(2文字)をエラー文字“??”として文字列の左側に付加する。
【0169】
これにより、その後、ステップS108では、上記文字列左端の2文字分のエラー文字“??”と、他の1ブロック単位の認識結果と合わせて、図15(b)に示すような認識結果“??3265591277”が出力される。
【0170】
上述した記番号認識部41の認識結果は、記番号認識制御部42に送られ、該記番号認識制御部42から更に識別制御部50(図2参照)に送られる。
【0171】
識別制御部50は、記番号識別制御部42から送られてくる認識結果を、この時の入金者の情報(例えば、上位制御部から送られてくる入金者の口座番号若しくは取引通番等)と対応付けて記番号/登録者情報として記憶する。
【0172】
これを実現するために、当該紙幣入金機1では、先に説明した入金開始時、当該紙幣入金機1の機外に設けられたタッチパネル等から成る操作/表示部51から入金者の情報を入力させる機能を有している。
【0173】
入金された紙幣から認識した記番号を入金者の情報に対応して記憶するのは、当該紙幣入金機1を所有する金融機関に盗難等にあった紙幣(事故紙幣)の記番号が通知された場合に、又は、後に偽札と判明した場合に、当該事故紙幣の記番号を基に入金者を特定できるようにするための措置である。
【0174】
すなわち、上述した事故紙幣の記番号を知った時点で、識別制御部50に記憶されている記番号/登録者情報を、例えば、外部情報処理端末等を用いて当該事故紙幣の記番号をキーに検索することで、該記番号に対応する入金者(該事故紙幣に関与していると思われる疑偽者)を特定することができる。この検索機能は、紙幣入金機1自体に持たせることもできる。
【0175】
なお、この紙幣入金機1の記番号認識部41では、記番号の各文字のうち、落書きや汚れあるいはフレームエラーによって認識できなかった文字(図14参照)、あるいはフレームエラーによって認識できなかった文字(図15参照)についても、エラー文字“?”に置き換えて認識され、該認識結果がこの時の入金者の情報と対応付けられて識別制御部50に記憶される。
【0176】
このため、上述した検索時には、事故紙幣の記番号と、エラー文字“?”を除く他の番号が一致する認識結果も検索にヒットすることになり、該認識結果に対応した入金者も特定することができる。
【0177】
例えば、事故紙幣の記番号が“X03265591277”の場合は、図14(b)に示す“X0??65591277”という認識結果の検索にヒットし、該認識結果に対応する入金者の情報を検索することができる。
【0178】
この検索結果を基に、金融機関では、“X0??65591277”という識別結果の“?”を除く他の番号を目安に該当する紙幣(現物)を見付け出し、この紙幣の記番号が事故紙幣の記番号“X03265591277”に一致する場合にはこの時の入金者を事故紙幣の入金者として特定することが可能になる。
【0179】
なお、本発明に係わる紙幣入金機1では、予め事故紙幣の記番号が分かっている場合に、該記番号を記憶しておくことにより、入金処理中に当該記番号に一致する記番号が認識された場合に該当する紙幣を回収するような運用も可能である。
【0180】
この場合には、例えば、識別制御部50の記憶部(図示せず)に事故紙幣の記番号を予め記憶しておく。そして、ある入金者により上述した操作/表示部51での入金操作を経て当該紙幣入金機1に対する入金が行なわれると、識別制御部50は、この時に入金された紙幣の記番号の認識結果を記番号認識部41から受け取り、この時の入金者の情報に対応付けて記憶する。これらの情報の記憶場所は、上位制御装置、例えばATMであっても良いし、センターコンピュータであっても良い。
【0181】
その際、識別制御部50は、記番号認識部41から受け取った認識結果を予め記憶している事故紙幣の記番号と照合し、認識した記番号がこの事故紙幣の記番号と一致する場合、分岐部27を切替制御することにより、記番号読取部25での記番号読取完了後の当該紙幣を疑偽券用の収容カセット302に回収するように制御する。
【0182】
なお、この紙幣入金機1では、図14や図15に示すように、認識できなかった文字をエラー文字“?”に置き換えた認識結果も得られるようになっている。このエラー文字“?”に置き換えられた桁を含む認識結果に対しては、その文字列を事故紙幣の記番号の文字列と各桁毎に照合し、“?”以外の文字が一致していれば、分岐部27を切替制御することにより、記番号読取部25での記番号読取完了後の当該紙幣を事故紙幣の候補として疑偽券用の収容カセット302に回収するように制御する。
【0183】
これにより、当該紙幣入金機1での入金処理中、疑偽券用の収容ボックス32には、予め登録されている事故紙幣の記番号に一致する記番号を有する紙幣と、事故紙幣の記番号と一部の桁が一致し、残りの桁が“?”と認識された紙幣が回収されることになる。
【0184】
従って、金融機関では、その後、この収容ボックス32内に回収された紙幣(現物)と事故紙幣の記番号とを付き合わせることで、回収された紙幣が事故紙幣であるかどうかを見極めることができ、回収された紙幣が事故紙幣である場合には、当該紙幣に対応して記憶されている入金者の情報から入金者を特定することができる。
【0185】
なお、この紙幣入金機1では、上述した疑偽券の入金があった場合、事故紙幣の候補が入金された旨をこの疑偽券から認識した記番号と対応する入金者の情報と共に通信により担当部署に報知する構成としても良い。
【0186】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0187】
例えば、本発明に係わる紙幣記番号読取装置は、上述したユーロ紙幣を扱う紙幣入金機1に限らず、US(米国)ドル紙幣等、他の紙幣の入金機にも適用できる。
【0188】
また、本発明に係わる紙幣記番号読取装置では、発光色の異なる光源の数については、記番号読取対象の上述した種々の紙幣の記番号の色や背景色等に応じて3つ以上(コスト的に許される範囲内で)設けるようにしても良い。
【0189】
また、本発明に係わる紙幣記番号読取装置は、上述した紙幣入金機1に限らず、入金時に入金者の情報と記番号を記憶し、後で、記番号より入金者を特定するシステム全般に適用できる。
【0190】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、紙幣の金種と方向の情報に基づき、搬送通路の上下に設けられた第1及び第2の画像読取手段を選択的に切換え、かつ、該選択された画像読取手段の発光色が各々異なる各光源を選択的に点灯させて紙幣の読取走査を行うため、金種毎に紙幣の方向に合わせて記番号印刷部分の背景画像を適切にドロップアウトさせて読取るので記番号の2値化画像を明瞭に切り出すことができる。よって、該2値化画像データを用いて各金種毎に記番号を正確に認識できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙幣入金機の構成を示すブロック図である
【図2】図1における記番号読取部の機能構成を示すブロック図。
【図3】図2における第1記番号認識部の機能構成を示すブロック図。
【図4】記番号読取部におけるラインセンサの配置態様を示す図。
【図5】図4におけるラインセンサの構成を示す概念側面図。
【図6】上側と下側のラインセンサにより読取ることのできる紙幣の読取領域と当該読取対象の紙幣の方向との関係を示す図。
【図7】ユーロ紙幣における金種と記番号位置、背景色並びに背景画像をドロップアウトし得る発光色の対応関係を示す表図。
【図8】記番号認識制御部における光源選択テーブルの一例を示す図。
【図9】記番号認識制御部における金種/方向管理テーブルの一例を示す図。
【図10】記番号読取部の記番号読取動作全体の流れを示すフローチャート。
【図11】20ユーロ紙幣と50ユーロ紙幣の記番号を読取る時の光源発光色、グレイ画像、2値化画像とその判定結果の関係を示す表図。
【図12】記番号認識処理の流れを示すフローチャート。
【図13】図12の記番号認識処理(切出し処理成功時)の流れに対応する信号の遷移図。
【図14】記番号に落書きがある場合の記番号認識処理時の記番号原画像と縦ヒストグラムの関係並びにその認識結果を示す図。
【図15】フレームエラーが発生した場合の記番号認識処理時の記番号原画像と縦ヒストグラムの関係並びにその認識結果を示す図。
【図16】文字間規定値オーバーが発生した場合の記番号認識処理の記番号原画像と縦ヒストグラムの関係並びにその認識結果を示す図。
【図17】20ユーロ紙幣と50ユーロ紙幣に関する光源発光色、グレイ画像、2値化画像と判定結果の関係を示す表図。
【符号の説明】
1 紙幣入金機
2 紙幣処理ユニット
21 紙幣投入口
22 リジェクト保留部
23 繰出し部
24 金種識別部
25 記番号読取部
31 タイミングセンサ
32 波形整形部
33 読出タイミング制御部
34 メカパルス生成部
35a,35b ラインセンサ
36,37 読出部
38 1ライン画像メモリ
39 切替ゲート
40 記番号認識部選択制御部
41,41−1,41−2,41−3,41−4 記番号認識部
42 記番号認識制御部
421 光源選択テーブル
422 金種/方向管理テーブル
26 一時保留部
27 分岐部
3 紙幣収容ユニット
301,302 金種別紙幣収容カセット
303 疑偽紙幣収容カセット
4 制御ユニット
50 認識制御部
51 操作/表示部
Claims (9)
- 搬送通路を搬送される紙幣の記番号を読取る紙幣記番号読取装置において、
イメージセンサと、発光色が異なる少なくとも2つの光源を各々有する2つの画像読取手段であって、一方が前記搬送通路の上側に設置され、他方が前記搬送通路の下側に設置される第1と第2の画像読取手段と、
前記搬送通路を搬送中の紙幣の金種及び方向を識別する識別手段と、
前記識別手段により識別された金種及び方向の情報に基づき、前記第1または第2の画像読取手段を選択的に切換えるとともに、該選択された画像読取手段における発光色が各々異なる少なくとも2つの光源のうちの1つを選択的に駆動し、かつ前記イメージセンサを駆動することによって、前記搬送通路を搬送中の紙幣の記番号が印刷された部分を読取走査させるように前記第1または第2の画像読取手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする紙幣記番号読取装置。 - 搬送通路から搬入される複数の紙幣を順に取り込んで一時的に保留する一時保留手段と、
前記紙幣を前記識別手段、前記第1及び第2の画像読取手段を経て前記一時保留手段まで搬送し、その後、該一時保留手段から前記第1及び第2の画像読取手段を通過するように前記紙幣を逆方向に搬送する紙幣搬送手段と
を具備し、
前記制御手段は、前記識別手段を通過した紙幣が前記一時保留手段まで搬送され、該一時保留手段から逆方向に搬送されて前記第1または第2の画像読取手段を通過する際に該紙幣の記番号を読取走査すべく前記第1または第2の画像読取手段を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の紙幣記番号読取装置。 - 前記読取走査により前記第1または第2の画像読取手段から出力される画像データに基づき当該読取走査対象の紙幣の記番号を認識する記番号認識手段
を具備することを特徴とする請求項1記載の紙幣記番号読取装置。 - 前記記番号認識手段は、1枚分の紙幣の画像データを取り込んで該紙幣の記番号を認識する複数の記番号認識部と、
前記第1または第2の画像読取手段による1枚分の紙幣の画像データを前記各記番号認識部に順次割り振る切換え手段と
を具備することを特徴とする請求項3記載の紙幣記番号読取装置。 - 前記記番号認識部は、前記第1または第2の画像読取手段から出力される画像データから、前記金種と方向の情報に基づき指定される記番号領域を切り出して2値化データに変換し、該2値化データから記番号を認識する画像処理手段
を具備することを特徴とする請求項4記載の紙幣記番号読取装置。 - 前記紙幣はユーロ紙幣であり、前記第1及び第2の画像読取手段に各々設けられて選択的に駆動される前記光源は、赤色LEDを用いた赤色光源、及び緑色LEDを用いた緑色光源である
ことを特徴とする請求項1記載の紙幣記番号読取装置。 - 搬送通路を搬送される紙幣の記番号を読取る紙幣記番号読取装置の紙幣記番号読取方法において、
イメージセンサと、発光色が異なる少なくとも2つの光源を各々有する2つの画像読取手段であって、一方が前記搬送通路の上側に設置され、他方が前記搬送通路の下側に設置される第1と第2の画像読取手段
を備えると共に、
前記搬送通路中に設けた識別手段により搬送中の紙幣の金種及び方向を識別し、
前記識別手段により識別された金種及び方向の情報に基づき、前記第1または第2の画像読取手段を選択的に切換えるとともに、該選択された画像読取手段における発光色が各々異なる少なくとも2つの光源のうちの1つを選択的に駆動し、かつ前記イメージセンサを駆動することによって、前記搬送通路を搬送中の紙幣の記番号が印刷された部分を読取走査させるように前記第1または第2の画像読取手段を制御し、
紙幣の金種及び方向に応じて画像読取手段及び光源の発光色を選択的に変えながら当該紙幣の記番号を読取る
ことを特徴とする紙幣記番号読取方法。 - 搬送通路から搬入される複数の紙幣を順に取り込んで一時的に保留する一時保留手段
を備え、
前記紙幣を前記識別手段、前記第1及び第2の画像読取手段を経て前記一時保留手段まで搬送し、
その後、前記一時保留手段から前記紙幣を順次逆方向に搬送し、該紙幣が前記第1及び第2の画像読取手段を通過する際に当該紙幣の記番号を読取走査する
ことを特徴とする請求項7記載の紙幣記番号読取方法。 - 前記紙幣はユーロ紙幣であり、前記第1及び第2の画像読取手段に各々設けられて選択的に駆動される前記光源は、赤色LEDを用いた赤色光源、及び緑色LEDを用いた緑色光源である
ことを特徴とする請求項7記載の紙幣記番号読取方法。
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