JP3351639B2 - ランダムマスク方式による紙葉類のニューロ識別/正損分離装置 - Google Patents

ランダムマスク方式による紙葉類のニューロ識別/正損分離装置

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JP3351639B2 JP27717094A JP27717094A JP3351639B2 JP 3351639 B2 JP3351639 B2 JP 3351639B2 JP 27717094 A JP27717094 A JP 27717094A JP 27717094 A JP27717094 A JP 27717094A JP 3351639 B2 JP3351639 B2 JP 3351639B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニューラルネットワー
クによって紙幣、ギフト券等の紙葉類のパターンを認識
すると共に、紙葉類の汚れ、破れなどによる正損レベル
を認識し得る装置に関し、特に紙葉類搬送方向に対して
縦長状のカラムマスクを用いて紙葉類のマスクをランダ
ムに被覆することにより、識別に使用するパターン画像
を縮小して小規模で効率良く分離演算すると共に、正損
レベルを判定演算するようにしたランダムマスク方式に
よる紙葉類のニューロ識別/正損分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、貨幣,文字等のパターンを認識す
るのにニューラルネットワークを用いたものとしては、
図27に示すようなものがある。図27の認識装置は、
被識別対象1の文字等をイメージセンサ2で読取って入
力画像3を得る。図27の入力画像3の場合、縦,横各
8分割なので、D(i.j)(但しi=1〜8、j=1
〜8)の64画素の入力情報として取得する。そして、
この64個の各画素データを分離演算部5に直接入力す
る。このとき、分離演算部5の入力層のニューロ素子
は、各画素に対応した64個が必要となる。そして、こ
の入力情報に基づきニューラルネットワークを用いてパ
ターンの認識を行なうようになっている。
【0003】一方、従来の紙葉類の正損分離は、破れ、
穴明き、汚れ等を別々にランク付けして分離する技術
で、最終的にはこれらの結果を統合して紙葉類の損傷レ
ベルを判定していた。特に、その分離技術の基本は、各
センサから得られる情報をもとに閾値を設定し、損傷レ
ベルの低い情報と損傷レベルの高い情報との間での分離
が主であり、そのレベルの選択はユーザに委ねられてい
た。又、ニューラルネットワークでは、簡易的な折れ線
グラフによるシグモイド関数の近似を行なっていた。こ
れは誤差が大きく、入力如何では正確なニューロ出力値
が得られないなどの問題点があった。そして、シグモイ
ド関数の値を離散的にとってテーブルとして認識時に参
照し、詳細なシグモイド出力値を必要とする場合には線
形補間計算を行なって使用していた。また、ニューラル
ネットワークの重みの学習は、製品と分離されていなか
ったのでセキュリティ面での問題点があった。すなわ
ち、学習方式や学習データが第三者に漏洩する危惧があ
った。このため、製品が使用される国の紙幣等を現地か
ら調達し実際に紙幣を流して学習させ、学習結果を製品
に格納していたが、これには多くの手間と経費を要して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の認識装置では、分離演算部5に入力する情報数が
入力画像3の画素数だけ必要であるため、入力層のニュ
ーロ素子も画素数と同じ数だけ必要となってくる。従っ
て、多数のニューロ素子を有する入力層を設けなければ
ならず、それに対応して隠れ層も多数のニューロ素子を
設ける必要があり、結局、非常に大がかりな分離演算部
5を用いなければパターン認識を行ない得なかった。
【0005】画像処理としてエッジ抽出、2値化が考え
られるが、紙幣の特徴を抽出する処理技術を行なうには
画素数を多くし、細かく紙幣画像を計測することが必要
であり、また処理速度の点からも難しいものであった。
また、近年生物の神経回路網の情報伝達をモデル化した
ニューラルネットワークは、情報の内挿、学習によるア
ルゴリズムの自己組織化、及び並列処理などの優れた特
徴を有し種々のパターン認識に適し、特に学習によるア
ルゴリズムの自己組織化は、従来の経験による紙幣の特
徴パラメータ探索業務を軽減することが可能であるとさ
れ、ニューラルネットワークを使った紙幣識別機も近年
開発されつつある。特に米国ドル紙幣の様に札幅、札長
及び色相が同じ複数金種を識別するに適切な規模のニュ
ーラルネットワークの構成が望まれていた。
【0006】ところで、紙葉類の正損分離には人の感性
が介在するものであり、その分離レベルは装置のユーザ
によって異なるので、紙葉類の損傷レベルを数段階設け
る必要がある。また、損傷レベルを上述の各項目に分離
して検出するので、これらを統合した最終判定が必ずし
も現物の見た目の損傷レベルと一致しない場合がある。
このような理由により、損傷レベルの設定をユーザ毎
に、しかも細かい要求に応えるように随時設定できる装
置が要望されていた。又、ニューロ演算装置では、シグ
モイド関数自体の計算を計算機にさせることは処理時間
の制約により無理があるので、上述のような近似値を使
用していたが、これには誤差が大ききい箇所があり、場
合によっては誤判定を起こす危惧があった。更にユーザ
の近くで、例えばユーザのメンテナンスを担当する営業
店等で、顧客の要望を満たす紙葉類の損傷レベルを簡易
に設定し直すことができる装置の出現が望まれていた。
【0007】本発明は上述の如き事情よりなされたもの
であり、本発明の目的は、分離演算部の入力層に入力す
る入力情報数(以下、スラブ数という)の数を減少させ
ても確実にパターンの認識を行ない得るようにして、分
離演算部の縮小化を実現すると共に、米ドル紙幣のよう
な金種間で同一サイズ、同一色相、酷似図柄の識別を生
物の神経回路網を模倣したニューラルネットワークと画
像の一部を被覆するランダムマスクで実現するランダム
マスク方式による紙葉類のニューロ識別装置を提供する
ことにある。更に本発明の目的は、紙葉類の損傷レベル
の設定をユーザ毎に細かい要求に応え得るようにし、セ
キュリティ面でも問題がなく、しかもメンテナンス担当
の営業店等で顧客の要望を満たす紙葉類の損傷レベルを
容易に設定し直すことができる紙葉類の正損分離装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はランダムマスク
方式による紙葉類のニューロ識別装置に関するもので、
本発明の上記目的は、短手方向に搬送される識別すべき
紙葉類の光学パターン画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段で読取られた画像データを記憶する記
憶手段と、前記記憶手段に記憶されている画像データか
ら前記紙葉類の光学パターン画像を抽出する画像抽出手
段と、前記画像抽出手段により抽出された前記光学パタ
ーン画像に対して前記紙葉類の搬送方向と平行な短手方
にランダムに複数種のカラムマスクを施し、前記各光
学パターン画像における非マスク画素の総和(スラブ
値)に変換する前処理部と、前記スラブ値を入力し、予
予定されている判定パターン分類カテゴリ毎に最適に
調整されたニューロ重みにより判定パターン分類カテゴ
リ内の前記予定されている光学パターン画像の判定パタ
ーン毎に分離演算値を算出するニューラルネットワーク
の分離演算部と、前記分離演算値の中で最大値を有する
判定パターンを前記紙葉類の光学パターン画像の判定値
として出力するニューラルネットワークの判定部とを具
備することによって達成される。
【0009】本発明はランダムマスク方式による紙葉類
のニューロ正損分離装置に関するもので、本発明の上記
目的は、識別すべき紙葉類の光学パターン画像を入力す
る画像入力手段と、前記画像入力手段で読取られた画像
データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像デー
タ記憶手段に記憶されている画像データから前記紙葉類
の光学パターン画像を抽出する画像抽出手段と、前記画
像抽出手段により抽出された前記光学パターン画像に対
して前記紙葉類の搬送方向と平行にランダムに且つ左右
対称に複数種のカラムマスクを施し、前記各光学パター
ン画像における非マスク画素のスラブ値に変換する前処
理部と、前記スラブ値を入力し、正損分離に最適に予め
調整されたニューロ重みにより前記光学パターン画像の
正損レベル毎に分離演算値を算出するニューラルネット
ワークの分離演算部と、前記分離演算値の中で最大値又
は最小値を有する正損レベルを前記紙葉類の判定正損レ
ベルとして出力するニューラルネットワークの判定部と
を具備することによって達成させる。
【0010】
【作用】本発明では、学習機能を有するニューラルネッ
トワークによって紙葉類(特に米ドル紙幣7金種)のパ
ターン認識及び正損分離を効率良く行なう為に、センサ
で光学的に入力されたパターン画像データを複数のカラ
ムマスクを用いて縮小し、複数の画像代表値(スラブ
値)を得る。画像データは多数の帯状小区画に分割し、
カラム領域の複数個がマスクされる。このようなカラム
マスクで縮小化された画像代表値は、パターン画像の僅
かな斜行に不変でありニューロ演算部(ニューラルネッ
トワーク)に入力され、予め判定パターン分類に最適に
調整されたニューロ重みにより、パターン画像の判定パ
ターン毎に分離演算値が算出される。分離演算値の最大
値に従って、パターン画像を判定するようになってい
る。これにより、ニューラルネットワークの構成が小規
模になると共に、制御装置が小規模となる。また、ニュ
ーラルネットワーク回路の規模を大きくしないで、小さ
なものをカスケードに接統することにより、または、同
一回路で重み関数を交換し同一スラブ値を入力し複数回
ニューラルネットワーク(カスケード処理)にて分離演
算することにより紙葉類の鑑別が行える。これにより、
ニューラルネットワークの構成が小規模になると共に、
制御装置自体も小規模となる。
【0011】本発明では、対象の紙葉類のイメージ画像
を入力し、記憶手段に格納された画像データからイメー
ジ画像を切出し、更にこの切出された光学パターン画像
に対して紙葉類の搬送方向と平行な方向にランダムに且
つ左右対称となるようにマスクを施し、マスクを介して
スラブ値を得、このスラブ値を基にニューラルネットワ
ークの分離演算を行なって正損度の分離判別を行なう。
このように左右対称のマスクパターンを使用することに
よって判別するパターンの種類を減らすことができ、正
損分離の処理を高速化できる。又、シグモイド関数のe
xp(−x)の部分を1次関数にて近似するようにする
ので、誤差を小さくでき、誤判定の危惧がなくなった。
又、外部のパソコン(ニューロエンジン)によるニュー
ロ学習演算部にて学習ができ、本体装置と外部パソコン
をインタフェース手段により接続し、画像データ又はス
ラブ値を外部パソコンに送り、結果として得られるニュ
ーロ重みを外部パソコンからダウンロードすることがで
き、その結果を本体装置に付随するニューロ演算部の書
換可能なROMに書込むようにしているので、容易にニ
ューロ重みを外部から更新することできると共に、両者
を分離することにより装置の安全性も確保できる。そし
て、装置から外部パソコンへ渡すデータが画像データで
ある場合は、マスクパターン自体のシミュレーションも
可能で応用範囲が広いニューロ演算をさせることができ
る。更に、装置から外部パソコンへ渡すデータがスラブ
値の場合には、実機が計算したスラブ値を用いるのでよ
り実機に近いデータで重み係数を算出することが可能で
ある。
【0012】
【実施例】ニューラルネットワークで紙幣(特に米ド
ル)のパターン認識及び正損分離を行なう場合、従来は
識別/分離装置のセンサから得られる情報を直接ニュー
ラルネットワークに入力していた。このため、ニューラ
ルネットワークでは、得られる入力情報の全てに対して
情報伝達の重みを持たなければならず、その規模も大き
くなっていた。このため、本発明では入力情報を縮小化
するための複数のカラムマスクを前処理部に設け、それ
ぞれのカラムマスクで被覆後の画像から画像代表値(ス
ラブ値)を得るようにする。カラムマスクは多数の矩形
状小区画を有し、紙幣の搬送方向に対して同方向の長方
形状の領域が複数個被覆された構造を有している。
【0013】以下、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1は本発明の外観構成を示しており、紙幣識
別/正損分離装置100の傾斜した前面右部にはパネル
部120が設けられており、上部には識別すべき紙幣
(米ドル紙幣)10を整列して収納するためのホッパ1
01が設けられている。ホッパ101に収納された紙幣
10は、羽根車102ないし103から1枚ずつ集積さ
れ、選択希望金種の紙幣は第1スタッカ104に保留さ
れ、金種の判定された紙幣は第2スタッカ105に保留
され、リジェクト紙幣はリジェクトスタッカ106に保
留される。また、第1スタッカ104の上方には開閉可
能なガイド板107が配置されており、第2スタッカ1
05の上方には開閉可能なガイド板108が配置されて
いる。この機構に関しては後述する。
【0014】パネル部120には電源スイッチ121が
設けられていると共に、識別/分離動作のスタートとス
トップをトグル式に指示するスタート/ストップボタン
122が設けられ、表示のクリアを指示するクリアボタ
ン123が設けられている。その下方には、計数した枚
数(金額)等を表示する表示部130が設けられてお
り、更に紙幣識別/分離装置100の故障部位及び内容
を表示するガイダンス表示部124が設けられている。
そして、識別モード、学習モード、テストモードを順次
選択して切換えるモードスイッチ125と、指定枚数に
なれば計数を停止するためのバッチモードを設定するバ
ッチスイッチ126と、押すたびに停止枚数を増加(例
えば10枚毎)して指定枚数を設定するための枚数指定
スイッチ127と、スタート/ストップボタン122が
押され、最初に識別した紙幣以外の金種が識別されたと
きに異金種としてリジェクトする異金種リジェクト設定
ボタン128とが縦列に設けられている。さらに、最下
部には、紙幣の汚れを検知して損券としてリジェクトす
るレベルを設定するための損券レベル設定スイッチ12
9Aと、テープが貼られた紙幣を検出する場合のテープ
長を設定するテープ長設定スイッチ129Bとが設けら
れている。
【0015】図2は紙幣識別/正損分離装置100の内
部機構を示しており、ホッパ101に収納された紙幣1
0は1枚ずつ繰り出しローラ110で繰り出され、搬送
路P1を経てローラ111で方向変換されて後に搬送路
P2を経てローラ112に搬送される。ローラ112の
搬送出口部には、搬送路P3又はP8への切換えを行な
う通路切換部材113が設けられており、搬送路P8へ
送られた紙幣は搬送路P9を経てリジェクトスタッカ1
06に保留される。また、通路切換部材113で搬送路
P3へ送られた紙幣は更にローラ114へ送られ、ロー
ラ114の搬送出口部に設けられた通路切換部材115
によって、搬送路P4又はP6へ切換えられて搬送され
る。搬送路P4へ送られた紙幣はローラ116を介して
搬送路P5に送られ、その後に羽根車102に周設され
ている羽根部材を介して第1スタッカ104に保留さ
れ、搬送路P6へ送られた紙幣はローラ117を介して
搬送路P7に送られ、その後に羽根車103に周設され
ている羽根部材を介して第2スタッカ105に保留され
る。第1スタッカ104に保留された紙幣は、ガイド板
107を開けることによって外部に取り出され、第2ス
タッカ105に保留された紙幣も同様に、ガイド板10
8を開けることによって外部に取り出される。そして、
搬送路P1には、搬送される紙幣の光学パターン画像を
読取るためのラインセンサ11が、発光部12と一体的
に配設されている。又、ローラ111等の搬送繰り出し
手段には、ラインセンサ11の出力データを取込むタイ
ミングを定めるサンプルパルスSPを出力するロータリ
エンコーダ13が接続されている。更に、図示はしてい
ないが、各搬送路P1〜P9には紙幣通過を検知するた
めのセンサが設けられており、第1スタッカ104、第
2スタッカ105及びリジェクトスタッカにも紙幣の保
留及び取出しを検知するためのセンサが設けられてい
る。
【0016】表示部130の詳細は図3に示すようであ
り、最上段は計数した枚数又は金額を表示する数量表示
欄131であり、中段にはバッチ処理の停止枚数を表示
するバッチ表示欄132が設けられており、最下段には
モードスイッチ125が選択しているモードを点灯表示
するためのモード表示灯133が設けられている。本発
明では、ホッパ101に収納する紙幣10の表裏や向き
には限定のないようにしているが、その搬送方向と表裏
に対応して図4の(A),(B)に示す如きA〜D方向
を定義している。即ち、本発明では米ドル紙幣の各金種
について、A〜D方向のいずれについても識別/分離で
きるようになっている。
【0017】図5は紙幣識別/正損分離装置100の内
部構成を示すブロック図であり、発光部12からの光は
搬送路P1上の紙幣10の表面で反射されてラインセン
サ11に入力され、ラインセンサ11の読取信号はセン
サ制御部14を経て画像フレームメモリ141に入力さ
れ、図6の141Aで示すようにフレーム画像として記
憶される。センサ制御部14はラインセンサ11からの
データを読出すためのクロック信号及び制御信号を発生
し、読出したアナログ信号をAD変換器により8ビット
ないし12ビットのディジタルデータに変換し、紙幣画
像とその周辺部のイメージデータを格納する画像フレー
ムメモリ141に書込む。ニューロ演算部150はDS
P(Digital Signal Processo
r)154,RAM155,ROM156,書換可能R
OM157で成り、装置100に別ユニットとして内蔵
されている。画像フレームメモリ141のデータは図6
の141Bで示すように紙幣部分のみが切出されその切
出し画像データが処理の対象となる。ニューロ演算部1
50の識別結果DRは、CPU,ROM,RAM等で成
る識別装置制御部160に入力される。ニューロ演算部
150は識別判定/正損判定演算処理ユニットとして機
能し、RAM155はDSP154が処理を実行すると
きの作業領域を提供しており、ROM156にはDSP
154が実行するニューロプログラムが格納されてい
る。書換可能ROM157には、外部パソコン(ニュー
ロ学習エンジン)170からダウンロードされたニュー
ロ重み係数及びマスク形状を規定するパラメータ等が格
納されており、通常の運用時にはこの書換可能ROM1
57の内容は更新されない。又、実際のDSP154の
動作時には、ROM156の内容と書換可能ROM15
7の内容は全てRAM155にコピーされて処理を実行
し、DSP154の処理速度を速めるためにアクセスタ
イムの遅いROM156からRAM155にデータを移
すようにしている。本紙幣識別/正損分離装置100に
は更に外部パソコン170がインタフェース(I/F)
を介して接続されており、シリアル通信I/F171
は、外部パソコン170と紙幣識別/正損分離装置10
0との間でコマンド及びそのレスポンスの交換を行な
い、パラレル通信I/F172は、紙幣識別/正損分離
装置100から外部パソコン170へ画像データ又は計
算したスラブ値を送るのに用い、大量のデータを転送す
るためにパラレル通信としている。識別装置制御部16
0は発光部12の照度を制御すると共に、通路切換部材
113及び115を制御し、表示部130及びガイダン
ス表示部124の表示を制御する。又、識別装置制御部
160にはスタート/ストップボタン122等の設定入
力手段が接続され、繰り出しローラ110等の搬送繰り
出し手段の駆動を制御するようになっており、更に各種
センサからの検知信号が入力されるようになっている。
【0018】図7は本発明のニューロ演算部150の詳
細構成例を示すブロック図であり、認識対象の紙幣10
はCCD等で成るイメージセンサ11で計測され、適宜
画像処理されて画像フレームメモリ141内にフレーム
画像141Aが得られる。フレーム画像141Aはニュ
ーロ演算部150で紙幣部分のみが切出されて141B
のように紙幣イメージが特定される。次に、前処理部1
51にてカラムマスク41〜4nを紙幣イメージデータ
141Bに適用してマスクの掛かっていない部分の画素
データの総和値(スラブ値)SB1〜SBnを得る。こ
のスラブ値SB1〜SBnはニューラルネットワークの
分離演算部152に入力され、予め判定用紙幣のパター
ン分類に最適に調整されたニューロ重みにより分離演算
値SPが算出される。分離演算値SPは判定部153に
入力され、分離演算値SPの中で最大値を有するパター
ンが対象物の紙幣10のパターン画像として出力され
る。前処理部151内のカラムマスク41〜4nは一様
乱数を用いてランダムに被覆された搬送方向と平行に細
長い帯状のカラムマスクであり、それぞれが異なる小区
画を被覆するものである。
【0019】ここで、カラムマスクを用いた前処理部1
51について説明する。本発明でカラムマスク41〜4
nを用いる理由は、次のことによる。図8に示すように
8×8のマトリクス上の“0”と“1”の2値画像にお
いて、画像の特徴量として画素値の総和であるスラブ値
(2値画像の“1”の数)を用いた場合、図8(A)で
は文字“E”を特徴づける値として“14”が得られ、
同図(B)では文字“H”を特徴づける値として“1
2”が得られる。従って、スラブ値を用いることによっ
て“E”と“H”が分離可能となる。しかしながら、異
なるパターンを有する画像でもスラブ値が等しくなる場
合が存在する。例えば、図9(A)では文字“F”のス
ラブ値は“10”であるが、同図(B)の文字“K”の
スラブ値も“10”であり、分離不可能となる。このよ
うな問題に対しては、図10(C)に示すような入力画
像の画素に対応する特定の棒状領域が被覆されたカラム
マスクを導入することにより解決できる。図10(C)
のマスクで図9(A)の画像を覆うと図10(A)に示
す画像となり、この場合のスラブ値は“8”となる。一
方、図10(C)のマスクで図9(B)の画像を覆うと
図10(B)に示す画像となり、スラブ値は“9”とな
る。このようにカラムマスクを導入することにより、
“F”と“K”も分離可能となる。そこで、このように
種々の画像を分離するために、図10(C)に示すよう
な予めマスク内の複数の長方形状の被覆される部分の位
置を選定しておく。この場合、ただ1つのこのようなマ
スクによって、種々の画像を分離できるスラブ値を生成
する確率は極めて小さい。しかしながら、前述のように
異なる種々のカラムマスクを使用することによって、同
じ画像でも異なるスラブ値列を得ることができる。この
スラブ値列のいずれかが画像間で異なることが多く、種
々のカラムマスクを利用することによって、画像間の分
離能力を確率的に高めることが可能である。なお、上述
の複数の異なるカラムマスクを使用することは、次のよ
うな物理的な意味を有している。つまり、3次元物体を
他方向から視点を変えて観測する場合、同一の対象でも
異なる情報を得ることができる。これと同様に、種々の
カラムマスクを用いることは2次元平面内で視点を変え
て画像を観測することになり、前述のように同一の画像
でも異なる情報を生成することが可能となる。この場
合、前処理で入力画像が種々の異なるカラムマスクで覆
われ、被覆されない画素の総和がスラブ値SB1〜SB
nとなり、入力層のニューロ素子と一対一に対応してい
る。さらに、出力層のユニット値は判定パターン(又は
正損レベル)に対応している。
【0020】図11は、マスク41〜4nの如き垂直方
向のカラムマスクの効果を示しており、同図(A)の下
移動入力画像と同図(B)の上移動入力画像に対して同
一なスラブ値“5”を得ることができ、入力画像が上下
の垂直方向ずれを生じても不変なスラブ値を得ることが
できる。なお、紙幣は短手方向に搬送され、搬送時に
は、紙幣が搬送通路に対して直角に保持されて搬送され
る場合は極めて稀で、普通は左乃至右側に少なからず先
行して搬送されるという、いわゆる斜行搬送が起きる。
斜行に対してもカラムマスクはロウマスク(横手方向棒
状マスク)と比べその長辺長さが短いので、変化する画
素領域が少なくその影響を受けにくい。実施例の場合に
は、斜行角±8°までを許容するようにしている。
【0021】次に、認識の際には予め選定してある上記
カラムマスクの種類数、内容についての適性及びその選
定上の留意点を説明する。外部パソコン170のニュー
ロ演算部における前処理部151ではカラムマスクの種
類41〜4nとそのマスク41〜4n内の被覆領域がパ
ラメータとして考えられる。ただし、外部パソコン17
0のニューロ演算部が使用する学習アルゴリズムは、次
の数1で与えられるバックプロパゲーション法を用い
る。
【数1】 また、重みの修正は、各パターンの提示毎に行なう。収
束判定は、各パターン毎に得られる出力層の値と教師値
との差の2乗の総和が収束判定誤差以下になった場合、
または提示回数が最大提示回数に達した場合としてい
る。ここで、提示回数とは、米ドル1$から100$ま
での7金種分(正損レベルに関してはレベル1からレベ
ル3までの3レベル分)の全てのパターンに教師を提示
した場合を1回として定義する。学習データは、米ドル
1$から100$までの7金種分までをニューラルネッ
トワークに逐次的に提示する。さらに、認識能力の評価
規範として次式で与えられる鑑別率ESを用いる。
【数2】ES=正しく認識された事象の個数/全事象の
評価個数×100
【0022】マスクの種類、つまりスラブ数により学習
状況と認識能力を検討する。まず、本発明で使用するカ
ラムマスクを次のように作成する。つまり、入力画像の
マトリクスの列数と同じ8の一様乱数を[−1,1]の
区間で発生し、その中で負の乱数値に対応する番号の列
領域を被覆する。このような方法で一様乱数の初期値を
変えることにより、種々のカラムマスクを作成する。こ
こで検討するスラブ数は、2,3,4,5,6,7の6
通りとする。図12は、これら6通りのスラブ数に対す
る提示回数が30,000回に到るまでのニューラルネ
ットワークの学習状況を示している。横軸は教師データ
の提示回数を示し、縦軸は2乗誤差を示している。図1
2より、スラブ数が“2”の場合は明らかに学習が収束
せず、パターン分離が不可能である。スラブ数が“3”
の場合は、ニューラルネットワークの学習がある程度収
束傾向を示しているが、誤差曲線は振動的となってい
る。この場合、学習をさらに継続し、60,000回ま
で行なったが、2乗誤差は1.0以下にはならなかっ
た。スラブ数が“4”以上の場合は、図12より学習が
収束することが示された。従って、分離演算部152の
入力層にはスラブ数として4以上とすれば足りる。従来
の入力画素64(=8×8)を入力層に入力するのと比
較すれば、極端にニューロ素子数を減少させることがで
き、それに伴い、結果として分離演算部152を簡略化
できる。
【0023】次に、カラムマスクの被覆領域に基づいて
学習状況と認識能力を説明する。まず、被覆領域の変更
は乱数の変動幅により行なう。つまり、乱数の幅[−
1,1]を基準にし、被覆領域の増加方向にそれぞれ、
乱数の幅を[−2,1],[−3,1],[−4,1]
とし、被覆領域の減少方向に乱数の幅を[−1,1],
[−1,3],[−1,4]として乱数を発生させる。
ただし、スラブ数は“4”とする。図13は乱数の幅を
変化させた場合、提示回数が30,000回に到るまで
の学習状況を示している。横軸及び縦軸は図12と同様
である。図13から学習はマスクの被覆領域にあまり依
存しないことが明らかとなった。また、認識能力もマス
クの被覆領域にあまり依存しないことが明らかとなっ
た。従って、各カラムマスクの被覆領域についてはあま
り注意を払わずにある程度無作為に被覆領域を選定し、
マスクの種類を考慮すれば良い。
【0024】上述のようなカラムマスクを用いてのスラ
ブ数の削減は、紙幣のような濃淡模様のパターンについ
ても可能である。従って、紙幣の識別においてはマスク
の種類が16あれば確実に識別が可能であり、分離演算
部152の入力層には、スラブ数として16以上を入力
すれば足りる。具体的なカラムマスクについて種々のシ
ミュレーション実験を行った。即ち、1画素は横方向が
1mm、縦方向が4mmで構成で構成されているので、
カラムマスクの幅を1mmから1mmずつ10mmまで
増加させ、そのようなカラムマスクをランダムに取って
効率の最も良いカラム幅とその位置を実験により求め
た。実施例ではこれらの最適値として横6mm×縦66
mmのカラムマスクを16個用意するように決定した。
図14はカラムマスクのマスク情報の一例であり、マス
クパターンの1、2、…9、0、…5、6は紙幣を横手
方向に16分割したときのマスク位置を示すものであ
り、0はマスクが掛かっていないことを示し、1はマス
クが掛かっていることを示す。ユニット番号NO.1で
はマスクが全く掛かっていないスラブ値が入力され、ユ
ニット番号NO.2−NO.16ではマスクがランダム
に掛かっているスラブ値が入力される。
【0025】従来の場合では図27の構成で、入力画素
6480(=216×30)を入力層に入力していたの
と比較すれば、極端にニューロ素子数を減少させること
ができ、それに伴って分離演算部を簡略化できる。な
お、上述のスラブ数16の場合に限らずに、スラブ数を
多少減らしても学習速度が低下するが識別は可能であ
り、スラブ数を増やせばより確実な識別が可能である。
【0026】次に、上述の外部パソコン170のニュー
ロ演算部の前処理部で前処理された情報を入力して分離
演算を行なう分離演算部について説明する。階層構造の
分離演算部152は、大別すると入力層,隠れ層,出力
層の3層から成っている。図15に示すように入力層
は、前処理部からの各マスクの種類に一対一に対応する
ようにニューロ素子が設けられており、各マスク種類に
より前処理されたスラブ値(マスク処理された後の画素
数の総和)を対応するニューロ素子に入力する。隠れ層
は少なくとも1つのニューロ素子の層から成り、入力層
の情報を分離演算して出力層に伝達する役割を果たして
いる。この隠れ層が多くなればそれだけ、入力層の各ニ
ューロ素子の情報の変動に対しても不変に各パターンの
各々に分離して演算することが可能となる。出力層に
は、識別すべきカテゴリーに一対一に対応するようにニ
ューロ素子が設けられている。そして、学習により完成
したニューロ素子間の重み係数による出力ユニット値を
出力ユニット数個分算出する。この複数個の出力ユニッ
ト値(0〜1の間の値を採る)の最大値(通常検査紙幣
の金種の出力ユニットで0.99ぐらい)と、準最大値
(2番目の金種の候補で0.2以下)とを抽出する。次
に、最大値が閾値1(通常0.6)よりも大きいかどう
かを判断し、小さいときには、学習データから除く。そ
して、(最大値−準最大値)が閾値2(通常0.4)よ
り大きいかどうかを判断し、(最大値−準最大値)が小
さい場合には排除し、大きい場合には最大値を有するユ
ニットのパターンを評価紙幣の判定パターンであると決
定する。ここで、最大値と準最大値をチェックするの
は、金種間の誤鑑を防ぐためである。
【0027】ニューラルネットワークを用いたパターン
認識において、これまではその性能評価が統計的確率で
ある鑑別率ESよって行なわれて来ていて、ニューラル
ネットワークの出力ユニットの出力値に対してその最大
値のみが評価の対象となっている。しかし、このような
評価指標では最大値以外の出力値で最大値にかなり近い
値であっても、評価結果には直接的な影響が反映されて
いない。例えば2種のデータが識別した場合、ニューラ
ルネットワークの鑑別率の結果は100%であるが、こ
の場合にはニューラルネットワークにおけるある出力層
の出力値の最大値とその他出力層の出力値の差が非常に
大きい場合と、あまり差がない場合とが存在する。分離
度の検知からみれば上記差が大きい方が、より識別判定
においては優れていることは容易に理解できる。一般に
ニューラルネットワークを応用した市場の製品において
は、出力ユニットの最大値のみならず、最大値以外の出
力値が最大値から十分離れていることが要求されてい
る。というのは、市場においては外部の影響で入力デー
タに雑音が混入した場合でも、その出力結果が正常なデ
ータによる出力結果に可能な限り近いことが要請されて
いるからである。つまり、出力ユニットの最大出力値と
それ以外の出力値が互いに近い状態の製品よりも、十分
に離れた距離の出力を与える製品の方が望まれているか
らである。従って、ニューロ判定の十分、不十分をチェ
ックするために出力ユニットの出力値の最大値と、最大
値及び他のユニットの出力値の差とに閾値を設定してい
る。
【0028】例えば1$〜100$の米ドル紙幣を識別
する時には、出力層のニューロ素子が上から順に1$〜
100$の金種に対応し、識別する時には、該当するニ
ューロ素子が1に最も近い値、即ち最大値を出力し、他
のニューロ素子は0に近い値を出力する。1$紙幣を識
別する時には、出力層の最上位のニューロ素子が最大値
を出力し、判定パターンと決定する。
【0029】同様に、上述の紙幣識別の際には出力層の
ニューロ素子が上から順に1$、2$、5$、10$、
20$…100$と言うように7金種×4方向の28個
のニューロ素子が一対一に対応している。そして、この
入力層から出力層までのニューロ素子同士を接続し、信
号を受け渡す機構をシナプスという。シナプスは、ニュ
ーロ素子同士の結合の強さを重み付け関数で記憶してい
る。1つのニューロ素子は、シナプスを通じ前段の層の
複数のニューロ素子から信号を受取り、経由してきたシ
ナプスが持つ重みを乗算して入力値とする。ニューロ素
子は、それが結合している全てのニューロ素子からの信
号を受取ると、入力値の総和をとる。総和の値が予めニ
ューロ素子に設定した閾値を越えるとニューロ素子が
“発火”し、次の後段の層のニューロ素子に出力信号を
送り、この処理を繰返して出力層から情報を出力する。
これら各シナプスの重みは識別対象に対応して、予めバ
ックプロバゲーション法による学習により決定されてい
る。その方法は既に述べた数1によって行なわれる。
【0030】次に、判定部について説明する。判定部
は、分離演算部の出力層から出力される情報を入力し、
その中から最大値を判別し、その最大値のニューロ素子
に対応するカデゴリーと判別する。例えば、出力層のニ
ューロ素子が上から1$紙幣のA方向、1$紙幣B方
向、1$紙幣C方向のカデゴリーに対応している場合
に、最上位のニューロ素子から最大値の出力が出ていれ
ば“1$A方向”であると判別する。外部パソコン17
0のニューロ演算部の構成は、学習する機能を除くと紙
幣識別/正損分離装置100のニューロ演算部150の
構成に等しく、前者の学習にはシグモイド関数の微分値
が必要なために近似式は使用できないが、後者では演算
速度を確保するためにexp(−x)の関数を1次関数
y=ax+bで近似した値を用いるようにしている点が
異なる。つまり、内蔵ニューロ演算部150は学習機能
を有していない。
【0031】このような構成において、紙幣識別の動作
例を図16のフローチャートにより説明する。ホッパ1
01に紙幣10を載置して後にスタート/ストップボタ
ン122を押すと、識別装置制御部160は搬送繰り出
し手段を駆動し、繰り出しローラ110によって紙幣1
0を1枚ずつ搬送路P1に繰り出す。繰り出された紙幣
10は発光部12からの光で照射され、その反射光がC
CD等で成るラインセンサ11に入力され、その読取信
号がセンサ制御部14に入力される。センサ制御部14
にはロータリエンコーダ13からのサンプルパルスSP
が入力され、メカクロックの所定クロック毎に掃引を開
始し、搬送方向に4mm間隔で、横方向に1mmピッチ
にある1ライン分の画素出力をAD変換し、変換された
デジタル数値を画像フレームメモリ141に書込むこと
により、紙幣10の光学イメージを記憶手段に入力する
ことができる(ステップS1−S5)。本例の画像フレ
ームメモリ141は、紙幣1枚に付き横方向256mm
×縦方向128mmの大きさ分用意している。紙幣の大
きさは、米ドル紙幣の場合には156mm×66mmで
あるので、次ステップでマスクをする場合に、非紙幣部
分にマスクを設定することを避けるために、紙幣切出部
は画像フレームメモリ141に展開された画像フレーム
内の紙幣エッジを抽出し(ステップS6)、紙幣部分の
データを特定して切出し(ステップS7)、紙幣の部分
が画像処理されて入力画像を得る。光学系は反射型セン
サなので、媒体の無い部分の最暗部のAD値の所定倍し
た閾値を用い、紙幣媒体の有り無しを判断して、明るい
部分を取出す。透過型センサを用いる場合には、逆に設
定した閾値よりも暗い場所が紙幣の部分である。
【0032】紙幣切出部で切出された画像データはニュ
ーロ演算部150で処理され、前処理部151はマスク
情報を読み込み(ステップS8)、そのマスク情報に基
づくスラブ値を作成する(ステップS9)。スラブ値の
数が入力ユニット数に到達するまでステップS8,S9
の処理を繰り返し(ステップS10)、到達したら分離
演算部152は学習により完成したニューロ素子間の重
み係数による出力ユニット値を算出する(ステップS1
1)。そして、出力ユニット値(0〜1の間の値をと
る)の最大値(通常検査紙幣の金種の出力ユニットで
0.99ぐらい)と、準最大値(2番目の金種の候補で
0.2以下)とを抽出する(ステップS12)。次に、
最大値が閾値1(通常0.6)よりも大きいかどうかを
判断し(ステップS13)、小さいときには学習データ
から除く(ステップS15)。そして、(最大値−準最
大値)が閾値2(通常0.4)より大きいかどうかを判
断し(ステップS14)、(最大値−準最大値)が小さ
い場合には排除し(ステップS15)、大きい場合には
最大値を有するユニットのパターンを評価紙幣の判定パ
ターンと決定する(ステップS16)。判定部153
は、分離演算部152の出力層から出力される情報を入
力し、その中から最大値(最小値とするようにしても良
い)を判別し、その最大値のニューロ素子に対応するカ
テゴリーと判別する。そして、その識別結果DRが識別
装置制御部160に入力される。上記識別動作中に紙幣
は搬送路P1,P2を搬送され、ローラ112に達する
までには、識別装置制御部160が入力した識別結果D
Rに基づいて通路切換部材113,115を駆動する。
すなわち、希望金種の紙幣と識別した場合は通路切換部
材113をローラ112側に回転させて搬送路P3から
退避させ、、通路切換部材115を搬送路P6上に突き
出させるので、紙幣は搬送路P3,P4,P5を搬送さ
れ、羽根車102により繰り出されて第1スタッカ10
4に保留される。また、希望しない金種の紙幣と識別し
た場合は通路切換部材113をローラ112側に回転さ
せ搬送路P3から退避させ、通路切換部材115をロー
ラ114側に回転させ搬送路P6から退避させるので、
紙幣は搬送路P3,P6,P7を搬送され紙幣繰り出し
部103により繰り出されて第2スタッカ105に保留
される。そして、金種の識別ができない場合には通路切
換部材113を搬送通路P3に突き出させ、紙幣は搬送
路P8,P9を搬送されてリジェクトスタッカ106に
保留される。識別装置制御部160は、センサから紙幣
の保留検知信号を受けると、その枚数や金額等を表示部
130に表示する。そして、金種の決定が全て終了して
いなければステップS11に戻って上述した処理を繰り
返す(ステップS17)。
【0033】次に、ニューラルネットワークをカスケー
ドに結合する場合の実施例について説明する。図17
は、ニューラルネットワークをカスケードに結合する場
合の概念を示す図である。先ず第1段階として、入力層
16ユニット、隠れ層16ユニット、出力層8ユニット
を設定する。出力層の8個のユニットには、各々1$〜
100$紙幣のA方向(表裏前後を含めABCDの4方
向を定義する。)に7個を割り当て、残り1ユニットで
ある8番目の出力ユニットにその他を割り当てる。これ
により、28パターン(7金種×4方向)の内7金種の
A方向を分離し、残りは21パターンとなる。次に第1
段階のニューラルネットワークの8番目の出力が有った
場合には、第1段階のニューラルネットワークの入力部
に入力したのと同一のスラブ値を第2段階のニューラル
ネットワークに入力する。この第2段階の出力の8個の
出力層には、各々1$〜100$紙幣のB方向が1〜7
番目の出力が割り当てられている。ここでは、21パタ
ーンの内、7金種のB方向が分離される。この段階で残
りは14パターンである。
【0034】次に第2段階のニューラルネットワークの
8番目の出力が有った場合には、第1段階のニューラル
ネットワークの入力部に入力したのと同一のスラブ値を
第3段階のニューラルネットワークに入力する。この第
3段階の出力の8個の出力層には、各々1$〜100$
紙幣のC方向が1〜7番目の出力が割り当てられてい
る。ここでは、14パターンの内、7金種のC方向が分
離される。この段階で残りは7パターンである。次に第
3段階のニューラルネットワークの8番目の出力が有っ
た場合には、第1段階のニューラルネットワークの入力
部に入力したのと同一のスラブ値を第4段階のニューラ
ルネットワークに入力する。この第4段階の出力の8個
の出力層には、各々1$〜100$紙幣のD方向が1〜
7番目の出力が割り当てられている。ここでは、21パ
ターンの内、7金種のD方向が分離される。この段階で
8番目の出力が有った場合には、ドル紙幣でないという
ことになる。
【0035】以上は、ニューラルネットワークを物理的
にカスケード接統したが、図18に示すように同一のニ
ューラルネットワークを用いて、重み係数が記憶されて
いるROMをハード的にスイッチングして入れ替え、識
別装置制御部160から上記の各段階毎に順次ロードし
直して処理をカスケードに行うこともできる。即ち、ニ
ューラルネットワークの重み係数値は、その部分を分離
演算させる直前に目的とする分離演算用の重み係数値に
外部から強制的に書換えてしまうのである。これにより
物理的なハードウエアの個数を増やすことなく、カスケ
ードに同一スラブ値を用いて分離演算を行なうことがで
きる。
【0036】ニューロ演算部150の判定部153から
の出力は識別装置制御部160のCPUによって読み込
まれて判定され、設定入力手段で設定された金種であれ
ばスタッカ104へ、その他であれば通路切換え部材1
13を制御して紙幣をリジェクトスタッカ105へ搬送
させる。そして、表示部130の更新を行なう。また、
識別装置制御部160は、繰出し部110の直後に設け
た紙幣通過センサ(図示せず)によって繰り出しローラ
110からの紙幣の繰出し枚数を計数し、設定入力手段
で計数枚数の指定があった場合には、指定枚数の指定金
種の紙幣の計数を終えたとき搬送手段を停止させる。な
お、上述の実施例では、米ドル紙幣のパターン認識につ
いて説明したが、他の国の紙幣識別やOCRを使って読
込む伝票文字読込機や、小切手等の有価証券読取機も同
様にパターン認識可能であり、その他のパターン読取装
置についても可能なことは勿論である。又、上述ではラ
インセンサを用いて光学パターン画像を取得している
が、エリアセンサを用いることも可能である。
【0037】ところで、紙葉類の正損分離では紙葉類の
搬送方向を限定しない。そのため、紙葉類の金種識別に
おいては金種、その表裏及び正立倒立を識別パターンと
してニューロ演算部150の出力層のニューロ素子もこ
れに対応させる必要がある。しかしながら、正損分離は
正立倒立に無関係に行なわれる必要があり、更に出力層
のニューロ素子数を少なくする必要があることから、正
立倒立に無関係なマスク処理を実現している。
【0038】即ち、本発明における紙葉類の正損分離で
は図19に示すように、紙葉類1の中心軸を対称軸とし
て左右対称にマスクM1,M2を設定し、マスクされな
い画素数を加算する。これにより、加算値は画像パター
ンに無関係に且つ正立倒立に不変な量となる。図20及
び図21は正立倒立に無関係なスラブ値の作成方法を説
明するための図であり、正立搬送と倒立搬送で、中心軸
を対称としたスラブ値は一致していることが分る。ニュ
ーラルネットワークの出力ニューロ素子数を少なくする
ため、判定パターン数と出力ニューロ素子数を一致させ
る必要があり、従って画像データ中の紙葉類のイメージ
の中心軸を算出し、この中心軸に左右対称にマスクしな
い部分が現れるようにマスクを設定する。これにより、
図20及び図21に示すように、紙葉類の正立倒立に無
関係なスラブ値が得られる。従って、例えば正立搬送方
向の画像のみをデータとして学習することにより、正立
倒立に無関係な情報を外部よりダウンロードによりニュ
ーロ演算部150に与えることができる。又、ニューロ
演算部150の出力層におけるニューロ素子数は正損レ
ベルに対応している。つまり、出力層には、判定すべき
正損レベルに一対一に対応するようにニューロ素子が設
けられている。そして、外部パソコン170による学習
により完成したニューロ素子間の重み係数はダウンロー
ドにより書換可能ROM157に格納され、その重み係
数によって出力ユニット値を出力ユニット数個分算出す
る。
【0039】正損分離においては、ニューロ金種識別を
前提として金種判定後に特定された金種内で、紙葉類の
正損度を判定する。図22は、金種識別ニューロの後で
正損分離ニューロで正損分離する様子を示しており、図
23は画像イメージデータを入力してマスク処理部15
8でマスクを設定して後、入力層、隠れ層及び出力層で
成るニューロ判定部159で正券と損券(損券1〜損券
3)とを分離する様子を示している。即ち、種々のマス
クにより正損分離に有効な画素を紙葉類から抽出し、抽
出した画素群の平滑化情報(総和)をニューロ判定部1
59の入力層に入力する。ニューロ判定部159は階層
型の構造を有し、例えば1つの入力層と複数の隠れ層、
更に1つの出力層を有している。上記出力層の各ニュー
ロ素子は紙葉類の損傷レベルに対応し、例えば最も単純
な場合においては、ニューロ素子は2個であり、1つは
正券を示すニューロ素子であり、もう1つは損券を示す
ニューロ素子である。この他に、損券をその損傷度に応
じてレベル分けし、例えば正券、損券レベル小、損券レ
ベル中、損券レベル大の様にレベルを設定し、4個のニ
ューロ素子を出力層に設定することもできる。損券レベ
ルとは汚れ、穴、破れの程度を総合して表している。損
券分離を可能にするニューロ学習については、教師デー
タとして正券として判定したい紙葉類データを数種類、
また、損券として、判定したい紙葉類データを数種類準
備し、バックプロパゲーション法を用いて学習を行な
う。マスクのかけ方は、切出した紙幣画像イメージの対
称中心線の座標を検索し、その座標を基に図23に示す
マスクを何種類か施し、マスクがかかっていない画像の
画素値の合計、即ちスラブ値を求める。左右対称にマス
クを構成しているので、正立と倒立画像のスラブ値は図
20及び図21に示す様に同一となり、表裏の画像にお
いても、別々のスラブ値が得られる。
【0040】また、図24の(A)はシグモイド関数y
=1/{1+exp(−x)}を示しており、同図
(A)の一部の区間内における関数exp(−x)を、
(B)に示す1次関数y=ax+bで近似することによ
り、処理のスピードアップを図ることができる。図に示
すxの値、1次関数のa及びbの値がROM156にテ
ーブル化されて記憶されている。DSP154は前述の
ようにRAM155に複写されたこのテーブルを使い、
exp(−X)をy=ax+bで近似計算する。次の表
1は、a,bとxの関数を示している。
【表1】 ニューロ演算部150においてはシグモイド関数の微分
値を学習に用いるため、近似式を用いることが出来な
い。センサからのデータを画像フレームメモリ141に
展開した状態でニューロ演算部150にメモリの記憶デ
ータを転送し、センサからのデータを画像フレームメモ
リ141に展開した後、DSP154を動作させてスラ
グ値を得るまでを識別/正損分離装置100で処理し、
スラブ値をニューロ演算部150に送る。
【0041】次に、図25及び図26のフローチャート
を参照して、正損分離の動作を説明する。先ずニューラ
ルネットワーク構成を決定するパラメータをRAM15
5上にダウンロードし(ステップS20)、次にニュー
ラルネットワーク構成に合ったニューロ重みをRAM1
55上にダウンロードする(ステップS21)。そし
て、紙幣データをセンサ制御部14から読込み(ステッ
プS22)、紙葉類識別の場合と同様に紙幣のエッジを
検出し(ステップS23)、画像フレームから紙幣イメ
ージを抽出する(ステップS24)。その後、紙幣イメ
ージ上に種々のマスクを設定し(ステップS25)、種
々のマスクによるスラブ値を作成し(ステップS2
6)、入力層の各ユニットにスラブ値を入力する(ステ
ップS27)。
【0042】隠れ層の各ユニットに入力層の出力値と重
みを乗算して総和を求め(ステップS30)、ユニット
の総和を図24で説明した近似シグモイド関数(1次関
数)入力し、隠れ層のユニットの出力値を求める(ス
テップS31)。そして、出力層の各ユニット毎に隠れ
層の出力値と重みを乗算して総和Xiを求め(ステップ
S32)、ユニットの総和を近似シグモイド関数(1次
関数)に入力し、ユニットの出力層の出力値Oiとす
る。その後、出力値の最大値をチェックし(ステップS
34)、NGの場合はリジェクトし(ステップS3
7)、OKの場合は更に出力値の最大値と準最大値のチ
ェックを行ない(ステップS35)、NGの場合はリジ
ェクトし、OKの場合は、最大値を有するユニットのパ
ターンを判定パターンとする(ステップS36)。かか
る判定パターンを用いて紙葉類の正損度を正損レベルで
判定するが、判定結果DRはニューロ演算部150より
識別装置制御部160に入力され、ここでは分離装置制
御部として動作する。上述では紙幣について説明した
が、ビール券、ギフト券などの仕分装置に使用する分離
部に左右対称のランダムマスク方式は使用可能で、この
際には、裏面には絵柄がないので表面のみの画像データ
に対してのみ処理を行なう。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明のランダムマスク方
式によるニューロ紙幣識別/正損分離装置によれば、紙
葉類の短手方向に平行なカラムマスクを用いて画像代表
値(スラブ値)を求めているので、ニューラルネットワ
ークの構成が小規模となり、制御装置も小規模となる。
また、紙葉類の位置ずれが生じた場合でも画素値に影響
が出ないので、紙葉類の識別を確実に行なうことができ
る。また、ニューラルネットワークをカスケードに接続
することにより、多数のカテゴリー分類の場合において
も効率良くカテゴリー(7金種ドル紙幣の金種、表裏、
搬送方向)を判定することができる。
【0044】左右対称なランダムマスク方式による正損
分離装置によれば、紙葉類の短手方向に平行なカラムマ
スクを左右対称に施して画像代表値(スラブ値)を求め
ているので、紙葉類の位置ずれにも影響を受けにくく、
また正立・倒立の区別をすることも無くニューラルネッ
トワークの構成が小規模となり制御装置も小規模とな
る。表面と裏面のマスクは独立したものを用意するが、
A方向搬送紙幣及びB方向搬送紙幣とは共通の左右対称
マスクパターンが使え、同様にC方向とD方向の共通の
マスクパターンを使うことができる。複雑な演算を要す
るシグモイド関数の自然対数の部分の計算を、y=ax
+bの1次直線にてシグモイド関数のうちの自然対数の
近似演算を行なっているので認識演算処理が早くなる。
このことにより正確な近似値が得ることができ、ニュー
ロによる判定結果の信頼性を上げることができる。ま
た、処理する紙葉類の時間当たりの枚数を増加させるこ
とができ、大量の処理が可能となる。
【0045】外部のニューロ演算部と接続するインタフ
ェースを持つことにより、識別媒体の変更や正損レベル
の変更をさせたい場合に容易に、ニューラルネットワー
クの学習をさせることができ、結果のニューロ重みをダ
ウンロードさせて識別装置の書換可能記憶手段の内容を
更新させることができ、追加学習が容易にできる。従っ
て、ユーザの所在する営業所等において、現物を用いて
損傷レベルの細かい調整を行なうこと、或いは新規登録
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるランダムマスク方式による紙葉類
のニューロ識別/正損分離装置の外観構成例を示す斜視
図である。
【図2】本発明によるランダムマスク方式による紙葉類
のニューロ識別/正損分離装置の内部機構を示す図であ
る。
【図3】本発明によるランダムマスク方式による紙葉類
のニューロ識別/正損分離装置装置の表示部の詳細を示
す図である。
【図4】紙幣データと採取方向を説明するための図であ
る。
【図5】本発明によるランダムマスク方式による紙葉類
のニューロ識別/正損分離装置の内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】紙幣データとスラブ値作成方法を説明するため
の図である。
【図7】本発明によるランダムマスク方式によるニュー
ロ紙幣識別装置の主要部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に用いる異なるパターンに対する異なる
スラブ値を説明するための図である。
【図9】本発明に用いる異なるパターンに対する異なる
スラブ値生成を説明するための図である。
【図10】本発明に用いるカラムマスクを説明するため
の図である。
【図11】垂直方向の画像の移動に対するカラムマスク
効果を説明するための図である。
【図12】種々のスラブ数に対する学習状況を示す図で
ある。
【図13】マスクの種々の被覆領域に対する学習状況を
示す図である。
【図14】本発明に用いる符号化されたマスク情報の一
例を示す図である。
【図15】本発明によるランダムマスク方式による紙葉
類のニューロ識別/正損分離装置の主要部構成の詳細を
示すブロック図である。
【図16】本発明によるランダムマスク方式による紙葉
類のニューロ識別/正損分離装置の動作例を示すフロー
チャートである。
【図17】本発明によるランダムマスク方式による紙葉
類のニューロ識別/正損分離装置のニューラルネットワ
ークをカスケードに結合する場合の説明図である。
【図18】本発明によるランダムマスク方式による紙葉
類のニューロ識別/正損分離装置のニューラルネットワ
ークの重み係数を書き換える場合の説明図である。
【図19】対称マスクの様子を示す図である。
【図20】正立搬送時のスラブ値の例を示す図である。
【図21】倒立搬送時のスラブ値の例を示す図である。
【図22】金種識別ニューロと正損分離ニューロの関係
を示す図である。
【図23】正損分離におけるニューロ演算部を示す図で
ある。
【図24】シグモイド関数の近似を説明するための図で
ある。
【図25】正損分離の動作例を示すフローチャートの一
部である。
【図26】正損分離の動作例を示すフローチャートの一
部である。
【図27】従来のパターン認識装置の構成例を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 紙幣(被識別対象) 2 イメージセンサ 3 入力画像 4 前処理部 5 分離演算部 10 紙幣(米ドル紙幣) 11 ラインセンサ 12 発光部 14 センサ制御部 141 画像フレームメモリ 150 ニューロ演算部 151 前処理部 152 分離演算部 153 判定部 158 マスク処理部 159 ニューロ判定部 160 識別装置制御部 170 外部パソコン(ニューロ学習エンジン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G07D 7/20 G07D 7/20 (72)発明者 寺田 兼吾 兵庫県姫路市下手野一丁目3番1号 グ ローリー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−111977(JP,A) 特開 昭62−231384(JP,A) 特開 昭63−244294(JP,A) 特開 平4−118796(JP,A) 特開 平4−80890(JP,A) 特開 平3−94365(JP,A) 特開 昭60−221890(JP,A) 特開 平5−324837(JP,A) 特開 平5−324838(JP,A) 特開 平5−324839(JP,A) 特開 平4−311254(JP,A) 特開 平3−33968(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 1/00 310 G06N 3/00 560 G06T 7/00 350 G07D 7/12 G07D 7/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】短手方向に搬送される識別すべき紙葉類の
    光学パターン画像を入力する画像入力手段と、前記画像
    入力手段で読取られた画像データを記憶する記憶手段
    と、前記記憶手段に記憶されている画像データから前記
    紙葉類の光学パターン画像を抽出する画像抽出手段と、
    前記画像抽出手段により抽出された前記光学パターン画
    像に対して前記紙葉類の搬送方向と平行な短手方向にラ
    ンダムに複数種のカラムマスクを施し、前記各光学パタ
    ーン画像における非マスク画素の総和(スラブ値)に変
    換する前処理部と、前記スラブ値を入力し、予め予定さ
    れている判定パターン分類カテゴリ毎に最適に調整され
    たニューロ重みにより判定パターン分類カテゴリ内の
    予定されている判定パターン毎に分離演算値を算出す
    るニューラルネットワークの分離演算部と、前記分離演
    算値の中で最大値又は最小値を有する判定パターンを前
    記紙葉類の光学パターン画像として判定出力するニュー
    ラルネットワークの判定部と、を具備したことを特徴と
    するランダムマスク方式による紙葉類のニューロ識別装
    置。
  2. 【請求項2】第1の分類カテゴリー用のニューラルネッ
    トワークでの判定が第1の分類カテゴリーに属さない場
    合に次の分類カテゴリー用のニューラルネットワークで
    の判定を行い、順次同様にカスケード的に異なる分類カ
    テゴリー用のニューラルネットワークでの判定を行う様
    に、前記紙葉類の分類すべき分類カテゴリーに応じて前
    記ニューラルネットワークの分離演算及び判定を順次行
    うとともに、分離演算及び判定に際して前記紙葉類の分
    類すべきカテゴリーに応じて前記分離演算部におけるニ
    ューロ重みを順次書き換えるようにして、前記分離演算
    部及び判定部を同一のニューラルネットワークで構成し
    且つ同一のスラブ値を用いて分離演算するようにした
    求項1に記載のランダムマスク方式による紙葉類のニュ
    ーロ識別装置。
  3. 【請求項3】 識別すべき紙葉類の光学パターン画像を入
    力する画像入力手段と、前記画像入力手段で読取られた
    画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像
    データ記憶手段に記憶されている画像データから前記紙
    葉類の光学パターン画像を抽出する画像抽出手段と、前
    記画像抽出手段により抽出された前記光学パターン画像
    に対して前記紙葉類の搬送方向と平行にランダムに且つ
    左右対称に複数種のカラムマスクを施し、前記各光学パ
    ターン画像における非マスク画素のスラブ値に変換する
    前処理部と、前記スラブ値を入力し、正損分離に最適に
    予め調整されたニューロ重みにより前記光学パターン画
    像の正損レベル毎に分離演算値を算出するニューラルネ
    ットワークの分離演算部と、前記分離演算値の中で最大
    値又は最小値を有する正損レベルを前記紙葉類の判定正
    損レベルとして出力するニューラルネットワークの判定
    部とを具備したことを特徴とするランダムマスク方式に
    よる紙葉類のニューロ正損分離装置。
  4. 【請求項4】 前記ニューラルネットワークの非線形特性
    のシグモイド関数f(x)=1/{1+exp(−
    x)}のexp(−x)項を、1次関数y=ax+bで
    線形近似するようにした請求項3に記載のランダムマス
    ク方式による紙葉類のニューロ正損分離装置。
  5. 【請求項5】 装置内部に位置して前記前処理部、分離
    演算部及び判定部で形成される内蔵ニューロ演算部と、
    前記ニューロ重みを記憶する電気的に書込制御が可能な
    不揮発性記憶手段と、前記マスクパターンの変更設定が
    可能な前処理部と、分離演算部及び判定部で成るニュー
    ラルネットワークの学習により前記ニューロ重みを算出
    する外部に設けられた装置外ニューロ演算部との間でデ
    ータの交換を行うインタフェース手段と、前記インタフ
    ェース手段によって前記画像データ記憶手段に記憶され
    た前記紙葉類の光学パターン画像のデータ又は前記内蔵
    ニューロ演算部で演算された前記スラブ値を前記ニュー
    ロ演算部にアップロードすると共に、前記装置外ニュー
    ロ演算部からの前記ニューロ重みを前記インタフェース
    手段によってダウンロードして前記不揮発性記憶手段を
    更新する制御手段とを備えた請求項3に記載のランダム
    マスク方式による紙葉類のニューロ正損分離装置。
  6. 【請求項6】 前記インタフェース手段を通じて前記装置
    外ニューロ演算部に送るデータが画像データである請求
    項5に記載のランダムマスク方式による紙葉類のニュー
    ロ正損分離装置。
  7. 【請求項7】 前記インタフェース手段を通じて前記装置
    外ニューロ演算部に送るデータがスラブ値である請求項
    に記載のランダムマスク方式による紙葉類のニューロ
    正損分離装置。
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