JP4315103B2 - 棚板装置 - Google Patents

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Description

本発明は、壁面などの取付下地に棚板を固定してなる棚板装置に関するものである。
壁面などの取付下地に棚板を固定してなる棚板装置は、棚板に物を載置できる収納機能だけでなく、棚板上の載置物が部屋のアクセントとなる等の美観向上機能にも優れたものであるから、従来から室内の装飾に用いられている。近年ではインテリアに個性を求める傾向が強く、棚板装置としては、たとえば棚板を硝子板や透明樹脂板等の透明板から構成し、棚板の後端面から棚板の内部に照明光を入射させる照明装置を棚板の後縁の全長に亙って装着し、棚板自身を発光体として機能させて棚板上の載置物を照明光で浮き上がらせる視覚効果を狙ったものもある(たとえば、特許文献1参照)。
このような棚板装置は棚板に装着した照明措置の照明光が棚板上の載置物を部屋の大きなアクセントとすることができて部屋の美観向上に大きく資することができて好ましい。しかしながら、棚板はその後縁を壁面等の取付下地に固定して取付けるのであるから、棚板の後縁の全長に亙って照明装置を装着してしまうと棚板の後縁部分において棚板を取付下地に取付けるための箇所が確保できなくなり、また、載置物の荷重を支えて棚板を取付下地に取付けるための棚板支持具が過大になったり等、棚板の取付下地への取付構造の如何によっては棚板の取付下地への収まりが悪化することになり、載置物の部屋外観へのアクセントによる美観向上を図る以前に、棚板装置の外観が低下してしまうといった問題を有している。
特開2003−151337号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、照明装置を装着した棚板を取付下地に収まり良く取付けることができて良好な外観を確保できる棚板装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る棚板装置Aは、透光性を有する棚板1の後縁の略全長に亙って棚板1の後端面から棚板1の内部に照明光を入射させる照明装置2を装着し、棚板1の後縁における照明装置2の装着部位の残余部分を支持具取付部3とし、この支持具取付部3に照明装置2と略同断面形状に施した棚板支持具4を取付け、この棚板支持具4の後端面を壁面5a等の取付下地5に接地させて固定したことを特徴とする。
これによると、透光性を有する棚板1の後縁の略全長に亙って棚板1の後端面から棚板1の内部に照明光を入射させる照明装置2を装着し、棚板1の後縁における照明装置2の装着部位の残余部分を支持具取付部3として棚板1を取付下地5に取付ける棚板支持具4を取付けたので、棚板1の後縁部分において棚板1を取付下地5に取付けるための箇所を確保でき、しかもこの棚板支持具4は照明装置2と略同断面形状に施しているので、隣接させた照明装置2と棚板支持具4とに一体感のある外観を現出させることができるのであり、したがって、後縁に照明装置2を装着した棚板1を取付下地5に収まり良く取付けることができ、棚板装置Aの良好な外観を確保することができる。
本発明は、棚板上の載置物を照明光で浮き上がらせて美観効果を向上させるために棚板の後縁に照明装置を装着してなる棚板装置でありながら、棚板の後縁部分において棚板を取付下地に取付けるための箇所を確保でき、しかも棚板を壁面等の取付下地に固定させる棚板支持具と照明装置とを隣接させて一体感のある外観を現出できたので、棚板を収まり良く取付下地に取付けて棚板装置の良好な外観を確保できるという利点を有している。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
本発明は、棚板1上の載置物Bを照明光で浮き上がらせて美観効果を向上させるために棚板1の後縁に照明装置2を装着してなる棚板装置Aでありながら、棚板1を収まり良く取付下地5に取付けて棚板装置Aの良好な外観を確保したことに特徴を有したものである。以下、詳述する。
棚板1は、図1のように、透光性を備えた平面視矩形状の板材で形成されており、たとえば硝子板や透明樹脂板で構成されている。この棚板1の内部は後端面から入射された照明装置2の照明光が通過可能にされており、棚板1の側端面及び下面には微細な複数の溝などが刻設されて反射面6が形成され、この反射面6で棚板1の内部を進む照明光を反射させて最終的に照明光を棚板1の上面から一様に放射し、この照明光で棚板1上の載置物Bを浮き上がらせる美観効果が得られるようにしている。
棚板1の後縁には、図2のように棚板1の長手方向の両端を残すようにして棚板1の略全長に亙るように照明装置2が装着されている。照明装置2は長尺の枠材で形成された断面略コ字状のハウジング7で形成されており、このハウジング7の前部には前方に突出する上突出部8と下突出部9とが形成され、上突出部8と下突出部9との間に前方及び両側方に開口せる棚板取付口10が形成されている。ハウジング7の中空内部には照明器具11が配設される。照明器具11は、照明装置2の略全長に亙って所定間隔毎に配置したLEDからなる複数の灯具12と、ハウジング7から後方に突設した給電プラグ13と、給電プラグ13から灯具12に給電制御する回路部14とを有して構成される。なお、灯具12にLEDを用いたことで照明器具11には高い耐久性や省スペース化や低消費電力化が図られている。この照明装置2を棚板1の後縁に装着するには、棚板取付口10に前方から棚板1を挿入し、棚板1を上突出部8と下突出部9とで挟持させることで行われるのであり、このときには、棚板1の後端面にはその長手方向の略全長に亙って複数の灯具12が沿うように配置され、棚板1の後端面から略一様に棚板1の内部に灯具12が発した照明光が入射可能にされている。
棚板1の後縁における照明装置2の装着部位の残余部位は支持具取付部3とされ、棚板1を壁面5a等の取付下地5に固定させる棚板支持具4が取り付けられる。本例の棚板支持具4は、図3のように、互いに着脱可能な本体ブロック15とスペーサブロック16とから構成されており、本体ブロック15とスペーサブロック16とを連結させたときには、縦断面における照明装置2の外形形状と略同形状を有するように形成されている。以下、詳述する。
本体ブロック15は、図4及び図5のように、その前部に棚板1を支持する棚板支持部17を有すると共に垂直面に形成された後端面15aを有してなるダイキャスト製のブロック体である。棚板支持部17は、上突出部18と下突出部19とを前方且つ水平に突設してこの上下の突出部18,19で前方に開口する水平溝20を形成し、下突出部19の上面に挟持板21を重ねて配置すると共に、下突出部19の下方から螺合した挟持用ネジ22で挟持板21を上下に移動可能にしたことで構成されており、水平溝20に前方から挿入した棚板1を挟持板21で上突出部18の下面に押し付けることで本体ブロック15に支持可能にしている。なお、本例の棚板支持具4は、上述の照明装置2を装着させるなど後縁形状に凹凸があって非直線状に施された変形棚板1aや照明装置2等を装着させずに後縁形状が直線状に施された一般の棚板1bの両方を壁面5a等の取付下地5に取付け可能にしたものであり、本体ブロック15の後端面15aは場合によってスペーサブロック16と接続させる接続面として機能したり下地取付面として機能する。
また、本体ブロック15は重量軽減のための肉抜きが適宜施されており、詳しくは、後端面15aでは後方に開口する肉抜き孔23が複数穿設され、下突出部19ではその下部に前方且つ下方に開口する空所24が穿設されている。ここで、複数の肉抜き孔23の任意の肉抜き孔23は後述するスペーサブロック16の位置決め突部40を嵌合させる位置決め用孔25を構成している。なお、本例の挟持用ネジ22は、棚板1の支持強度向上のために下突出部19の前後2ヵ所に設けた挟持用ネジ孔26にスプリングワッシャ27を介してそれぞれ空所24から上方に向けて螺合し、上記挟持用ネジ孔26を通って水平溝20内に突出した各挟持用ネジ22の先端面で下突出部19の上面に配置された挟持板21を突き上げるようにしており、つまり、挟持板21は挟持用ネジ22の挟持用ネジ孔26への螺進の程度にて上下移動が可能にされている。ここで、挟持板21は、図6のように、矩形板状の本体板部21aを有すると共に本体板部21aの両側縁から下方に折り曲げた一対のガイド片部21bを有して形成されている。挟持板21を下突出部19の上に載置したときには、下突出部19の上面から下方に穿設したスリット状のガイド孔28にガイド片部21bが挿入された状態にされるのであり、これにより、挟持用ネジ孔26に螺進する挟持用ネジ22の先端面が挟持板21の本体板部21aの下面に回動しながら当接した際にも、挟持板21が供廻りをしないで所定姿勢を保って上下に移動可能にされる。なお、棚板1を上下に挟持する挟持板21の上面及び上突出部18の下面には、それぞれ棚板1の上下面に圧接させるための弾性パッキン29が貼着されている。棚板支持部17で棚板1を支持したときこの弾性パッキン29は棚板1に対するすべり抵抗を増大させて水平溝20からの棚板1の抜けを有効に防止する。
また、本体ブロック15では、前方に面する水平溝20の後面及び空所24の後面にそれぞれ本体ブロック15を前後に貫通する挿通孔30が穿設されている。なお、便宜上、水平溝20の挿通孔30は本体側上挿通孔30aと、空所24の挿通孔30は本体側下挿通孔30bと称する。詳しくは、本体側上挿通孔30aは水平溝20の後面への開口縁に取付下地5に固定させるネジ等の固定具31の頭部や後述の連結具33の頭部を収納するザグリ30a1が形成され、また本体側下挿通孔30bは縦長孔状に形成されると共にその前方開口は空所24の後面に凹設した肉盗み用凹段部32内に形成されており、各挿通孔30の後方開口は本体ブロック15の後端面15aに開口している。この挿通孔30は、本体ブロック15をスペーサブロック16に連結させるネジ等の連結具33を挿通させる孔として機能すると共に、本体ブロック15を取付下地5に固定させるネジ等の固定具31を挿通する孔として機能する。
また、本体ブロック15には空所24を覆い隠すためのカバー体34が被着される。このカバー体34は、図7のように、空所24を覆い隠すために下突出部19に対して前方且つ下方から被着されるものであり、下突出部19の外形を一回り大きく形成したダイキャスト製の外殻体である。カバー体34の下端面に穿設された貫通孔35に下方からカバー用ネジ36を挿通すると共にこのカバー用ネジ36を下突出部19の下端面に穿設されたカバー用ネジ孔37に螺合させることでカバー体34は下突出部19を覆うように本体ブロック15に装着される。なお、本体ブロック15に被着したカバー体34の外面は、図10や図13のように、本体ブロック15やこれに連結したスペーサブロック16の外面と略面一になり、またカバー体34の貫通孔35の孔縁にはカバー用ネジ36の頭部を収容するザグリ35aが形成されており、一体感のある外観が現出できるようにされている。ここで、カバー体34の上端にある前端部には、挟持板21と下突出部19の上面との間に挿入して挟持板21を下支えする支持片部38が設けられている。
スペーサブロック16は、図8及び図9のように、垂直面に形成した前端面16aと後端面16bとを有してなるダイキャスト製の矩形ブロック体である。前端面16aは本体ブロック15と接続させる接続面として機能し、後端面16bは下地取付面として機能する。スペーサブロック16の上下部位には前縁にザグリ39cを有した挿通孔39が前後に貫通するように穿設されており、便宜上、上部の挿通孔39はスペーサ側上挿通孔39aと、下部の挿通孔39はスペーサ側下挿通孔39bと称すると、スペーサ側上挿通孔39aは固定具31が横方向に遊挿可能になる横長孔状に形成されている。この挿通孔39はスペーサブロック16を取付下地5に固定させるネジ等の固定具31を挿通する孔として機能する。また、スペーサブロック16の前端面16aには前方に向けて突設される位置決め突部40や後方に向けて穿設された連結用ネジ孔41が形成されている。ここで、連結用ネジ孔41は本体ブロック15の挿通孔30を通った連結具33を螺合させ、スペーサブロック16と本体ブロック15とを連結させる部位である。位置決め突部40は本例では複数設けられており、その外縁形状は対応する本体ブロック15の位置決め用孔25の内縁に沿うような形状に施され、本体ブロック15の後端面15aとスペーサブロック16の前端面16aとを当接させたときに対応する位置決め用孔25にそれぞれ嵌り込み、連結する本体ブロック15とスペーサブロック16との位置決めを図る部位である。なお、このスペーサブロック16も本体ブロック15同様に後端面16bに開口する肉抜き孔42が複数穿設されており、重量軽減が図られている。
上記棚板支持具4を使用して上述した後縁に照明器具11を装着した棚板1を壁面5a等の取付下地5に固定するには、まず、スペーサブロック16の後端面16bを裏打ち材5bが配設された箇所の壁面5aに接地させて配置し、スペーサブロック16の挿通孔39に前方から固定具31を挿通して壁面5a及び裏打ち材5bに打入する。本例では、棚板1の後縁の長手方向の両端に位置する対の支持具取付部3に対応するように水平方向に所定間隔をあけて一対のスペーサブロック16を壁面5aに固定している。次に、スペーサブロック16に本体ブロック15を連結する。具体的には、図10及び図11のように、本体ブロック15の後端面15aにスペーサブロック16の前端面16aを合わせるように近接し、このとき本体ブロック15の位置決め用孔25にスペーサブロック16の位置決め突部40を嵌合させて本体ブロック15とスペーサブロック16との位置合わせをし、その後、前方から本体ブロック15の挿通孔30を挿通させた連結具33を連結用ネジ孔41に螺合させることで行われる。
次に、棚板1の支持具取付部3を取付下地5に固定された本体ブロック15の棚板支持部17に支持させ、最後に、本体ブロック15にカバー体34を取付ける。棚板支持部17に棚板1を支持させるには、図10及び図11のように、壁面5aに埋設された電気配線を照明装置2の給電プラグ13に接続し、給電プラグ13を壁面5aに穿孔された給電プラグ埋設孔(図示せず)に挿入しつつ、本体ブロック15の水平溝20に前方から棚板1の後縁を挿入し、挟持用ネジ22を螺進させて挟持板21を上方移動させ、挟持板21の上面と上突出部18の下面とで棚板1を弾性パッキン29を介して挟持することで基本的には行われる。本体ブロック15にカバー体34を取付けるには、上述のように本体ブロック15の空所24を覆うようにカバー体34を前方から本体ブロック15に被せるのであるが、このときカバー体34の支持片部38を挟持板21と下突出部19の上面との間に挿入して少なくとも支持片部38上に挟持板21を載せるようにし、その上で、カバー体34の貫通孔35に下方からカバー用ネジ36を挿通させて本体ブロック15のカバー用ネジ孔37に螺合して締結させることで、カバー体34を本体ブロック15に取付けるのである。このようにカバー体34はその支持片部38が挟持板21を下支えするように本体ブロック15に被着されるから、棚板1を本体ブロック15で支持するのに挟持板21とカバー体34の支持片部38とで分散してその荷重を支えることが可能になって、本体ブロック15による棚板1の支持強度を向上させ、ひいては棚板1の積載荷重性能の向上を図り得るようにされている。詳しくは、支持片部38は棚板1の水平溝20内にある前端位置で棚板1を支持できるから、比較的小さなモーメントで棚板1の支持強度の向上に資することができるのである。なお、本例では、上突出部18の下面と下突出部19の上面との間である水平溝20の上下寸法が、棚板1、挟持板21及び支持片部38の各厚み寸法の加算寸法と同寸法に設定されているから、挟持板21と下突出部19の上面との間に挿入した支持片部38は下突出部19の上面に載置されており、支持片部38で受けた棚板1の荷重は下突出部19で受けることができてより安定的に棚板1の支持強度の向上が図られている。
なお、一対のスペーサブロック16を壁面5aに固定する際には、一旦、各スペーサブロック16の横長孔状のスペーサ側上挿通孔39aにのみ固定具31を挿通させて壁面5aに打入し、スペーサブロック16を横方向に移動可能な状態で壁面5aに仮止めしておき、棚板1を仮当てして一対のスペーサブロック16間に照明装置2が収容されることを確認した後に、スペーサブロック16のスペーサ側下挿通孔39bにも固定具31を挿通させて壁面5aに打入し、スペーサブロック16を壁面5aに本固定するのが好ましい。このようにすると、スペーサブロック16を取付下地5に固定した後に棚板1を棚板支持具4に支持させた際に、棚板1に装着された照明装置2が固定状態にある一対のスペーサブロック16の間に収まりきらなかったり収まっても照明装置2とスペーサブロック16との間に余分な隙間が生じるという事態を回避して、棚板1に装着された照明装置2を一対のスペーサブロック16間に隙間無く良好に収めることができるのであり、照明装置2を装着した棚板1を取付下地5にスムーズに取付けることができて取付け施工性を高めることができるのである。
上述のようにして図1に示すような、照明装置2を装着した棚板1を棚板支持具4を介して取付下地5に取付けてなる棚板装置Aが形成されるのである。このときには、棚板1の後縁における照明装置2の装着部位の残余部分を支持具取付部3とし、この支持具取付部3に棚板支持具4を取り付けたので、棚板1の後縁部分において棚板1を取付下地5に取付けるための箇所が確保されているのである。また、棚板1に取付けた棚板支持具4の後端面(スペーサブロック16の後端面16b)が棚板1に装着した照明装置2の後端面と面一か微少に後方に位置され、この棚板支持具4をその後端面が壁面5a等の取付下地5に接地されて固定させているから、取付下地5と照明装置2との間に大きな隙間が形成されるのが回避されているのであり、加えて、縦断面において棚板支持具4が照明装置2の外形形状と略同じ外形形状に施されていると共に、支持具取付部3における照明装置2の長手方向の両端に隣接して棚板支持具4が配置されているから、隣接させた照明装置2と棚板支持具4とに連続的な一体感のある外観が現出されているのである。特に、本例では、棚板1の後縁における照明装置2の長手方向の両端に設けた支持具取付部3に棚板支持具4が取付けられているから、棚板支持具4が照明装置2の両端に取付けたエンドキャップのような外観を呈し、機能の異なる棚板支持具4と照明装置2とがあたかも一体の部材のような外観に現出されているのである。つまり、後縁に照明装置2を装着した棚板1が取付下地5に収まり良く取付けられていて、棚板装置Aに良好な外観が確保されているのである。更には、本例の棚板装置Aは、上述のように照明装置2の照明光が棚板1の後端面から棚板1の内部に一様に入射されて最終的に棚板1の上面から一様に放射できるようにされているので、照明装置2の灯具12を発光させた際には上記棚板1の上面から一様に放射された照明光にて棚板1上の載置物Bを浮き上がらせる視覚効果を得ることができ、高い美観を得ることができたものである。
なお、本例の棚板支持具4にあっては、上述のように照明装置2を装着させるなど後縁形状に凹凸があって非直線状に施された変形棚板1aの他にも、後縁形状が直線状に施された一般の棚板1bを壁面5a等の取付下地5に取付けできるものである。本例の棚板支持具4を用いて一般の棚板1bを取付下地5に取付けるには、図12乃至図14のように上記構成の棚板支持具4における本体ブロック15のみを使用して行う。詳しくは、本体ブロック15の後端面15aを取付下地5である壁面5aに接地させ、挿通孔30に前方から固定具31を挿入して取付下地5の裏打ち材5bに打入させることで、本体ブロック15を取付下地5に固定し、その後、本体ブロック15の棚板支持部17に棚板1を支持させるようにして行われる。本体ブロック15を直接取付下地5に固定したことで、棚板支持部17に支持させた棚板1の後縁と取付下地5との距離を近接させることができ、取付下地5に棚板1を取付けた状態では取付下地5と棚板1との間に大きな隙間が発生することが回避され、棚板1上の載置物Bが隙間から落下する恐れを回避すると共に、棚板装置Aに良好な外観を確保することができたものである。
なお、一対の本体ブロック15を壁面5aに固定する際には、一旦、各本体ブロック15の縦長孔状の本体側下挿通孔30bにのみ固定具31を挿通させて壁面5aに打入し、本体ブロック15を上下に移動可能な状態で壁面5aに仮固定し、一対の本体ブロック15間の水平度を合わせるべく壁面5aに仮止めした本体ブロック15を上下に移動させて位置決めし、その後、本体ブロック15の本体側上挿通孔30aにも固定具31を挿通させて壁面5aに打入して本体ブロック15を壁面5aに本固定するのが好ましく、これによると、一対の本体ブロック15間の水平度の調整が容易にできて壁面5aへの取付け施工の施工性を高めることができるのである。また、取付下地5に打入する固定具8を挿通させる本体ブロック15の挿通孔30及びスペーサブロック16の挿通孔39はいずれも上下に一対設けられているが、いずれの上下一対の挿通孔30a,30b(39a,39b)も縦方向に一直線状に並ばずに横方向にずれた位置に穿孔されている。これによると、上下一対の挿通孔30a,30b(39a,39b)を通った一対の固定具8,8は比較的近傍位置の取付下地5の箇所に打入されるのであるが、取付下地5を構成せる裏打ち材5b等の木材における同じ木目位置を外すようにして打入させることができるのであり、取付下地5に割れ等の不具合を生じさせる恐れを低減できるのである。これはインテリア性を高めるために棚板支持具4を小型化した場合や、取付下地5が間柱であった場合などに特に有用である。
このように、本例の棚板支持具4にあっては、後縁が直線形状を有する一般の棚板1bに対しては本体ブロック15のみを用い、また照明装置2を装着するなど後縁が非直線形状の変形棚板1aに対しては本体ブロック15及びスペーサブロック16を用いて、それぞれ棚板1を取付下地5に取付けることができたものであり、一般の棚板1b及び変形棚板1aの取付けにかかる汎用性が備えられている。したがって、従来棚板1の種類に応じて増加していた棚板支持具4の種類を抑制することができるのであって、棚板支持具4の種類の増加に伴う製造サイドへの負担を軽減できるといった利点を有しているのである。
本発明の実施の形態の例の棚板装置の斜視図である。 同上の照明装置を装着した棚板であり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は後面図である。 同上の棚板支持具の分解斜視図である 同上の棚板支持具の本体ブロックであり、(a)は側面図であり、(b)は上面図であり、(c)は下面図であり、(d)は前面図であり、(e)は後面図である。 (a)は図4(d)のC−C線断面図であり、(b)は図4(a)のD−D線断面図である。 同上の挟持板であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図であり、(d)は(a)のE−E線断面図である。 同上のカバー体であり、(a)は側面図であり、(b)は上面図であり、(c)は下面図であり、(d)は前面図であり、(e)は後面図であり、(f)は(b)のF−F線断面図である。 同上のスペーサブロックであり、(a)は側面図であり、(b)は上面図であり、(c)は前面図であり、(d)は後面図である。 (a)は図8(c)のG−G線断面図であり、(b)は図8(c)のH−H線断面図である。 同上の照明装置を装着した棚板の取付下地への取付けに用いる棚板支持具であり、(a)は側面図であり、(b)は上面図であり、(c)は下面図であり、(d)は前面図であり、(e)は後面図である。 図1の棚板装置の側断面図である。 同上の棚板支持具の他の使用形態における棚板装置の斜視図である。 同上の使用形態における棚板支持具であり、(a)は側面図であり、(b)は前面図であり、(c)は後面図である。 図12の棚板装置の側断面図である。
符号の説明
1 棚板
2 照明装置
3 支持具取付部
4 棚板支持具
5 取付下地
5a 壁面
A 棚板装置

Claims (1)

  1. 透光性を有する棚板の後縁の略全長に亙って棚板の後端面から棚板の内部に照明光を入射させる照明装置を装着し、棚板の後縁における照明装置の装着部位の残余部分を支持具取付部とし、この支持具取付部に照明装置と略同断面形状に施した棚板支持具を取付け、この棚板支持具の後端面を壁面等の取付下地に接地させて固定したことを特徴とする棚板装置。
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