JP4314384B2 - 複合化導電性高分子およびその製造方法並びにそれを用いたガスセンサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な複合化導電性高分子およびその製造方法並びにそれを用いたガスセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガスの同定にはガスクロマトグラフィー(GC)が用いられてきた。GCは,分析精度では他のガスセンサーよりもはるかに優れているが、コストが高く、装置も大型なため、使い勝手に問題があった。そこで、より安価なガスセンサーとして無機および有機感応膜の利用が提案されてきている。無機膜としてはSnO2やTiO2など半導体的性質を有する遷移金属系列の感応膜が多用されている。このような無機感応膜は、小型化に適するため,汎用性は高いが,ppbオーダーの検出は困難であり,特定のガスへの応答性(選択性)が低いという問題がある。また、無機感応膜が、センサ特性を示す温度域は300〜400℃であるため、このための加熱装置が必要であり、またその他の部材を高温耐性とする必要があって、装置全体が複雑になり、加熱のためのエネルギーコスト(消費電力)も大きくなるという問題がある。一方、有機感応膜は、おおむね、特定のガスへの選択性を有し、また高温にする必要もないから、これらの点において、無機感応膜より有利である。
【0003】
有機感応膜としては、例えば、ポリピロール膜やポリアニリン等の導電性高分子膜がある。導電性高分子膜は、揮発性の化学物質に晒されたとき、その導電性が変化することが知られており、この性質をガスセンサーに応用しようとする試みがなされている。例えば、Penza等は、ポリピロールより作製したLB(ラングミュアー・ブロジェット)膜について、ガス応答性を評価している(非特許文献1参照)。この複合膜のNH3ガス応答限界は、100ppmであり、これが有機感応膜の検出限界と言われている。また、ガスセンサーに求められている性能は、一つのガスの定性・定量分析だけでなく、多成分混合ガスの定性・定量(半定量を含む)であり、このような多成分ガスの分析が可能となれば、例えば、呼気センサーとして展開できる。呼気センサーが実用化されれば、呼気成分を手軽にしかも低コストで分析でき、これを、例えば、健康診断や臨床検査等に役立てることが可能になる。
【0004】
【非特許文献1】
M.Penza et al.,Sensor and Actuators B,40,205-209(1997)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ガスセンサーに使用された場合、検出限界を100ppm以下にすることが可能であり、多成分ガスの分析も可能な複合化導電性高分子の提供を、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の複合化導電性高分子は、チオール基を有する分子(以下「チオール基含有分子」という)が自己集合して形成されたチオール自己集合膜が表面に形成された遷移金属粒子を含有する複合化導電性高分子である。
【0007】
本発明者等は、導電性高分子の特性を改良する方法について鋭意検討を行った。まず、導電性高分子を化学修飾する方法を検討したが、化学的に様々な官能基を導入することは困難であり、また電解重合で導電性高分子を作製する際に、重合過程を阻害する等の問題があった。そこで、化学修飾ではなく、導電性高分子に対し、官能基を容易に導入する方法を検討したところ、その過程で、チオール基含有分子に着目した。チオール基含有分子には、化学修飾し難い嵩高い官能基等であっても容易に導入することができ、しかもチオール基が遷移金属と配位結合して自己集合して膜を形成する。したがって、チオール基含有分子を遷移金属粒子表面で自己集合膜を形成させ、この粒子を導電性高分子にドーピングすれば、様々な種類の官能基を簡単に導入でき、導電性高分子の特性を自由に変化させられるのではないか、という着想を得た。この着想に従い、チオール基含有分子の自己集合膜が表面に形成された遷移金属粒子を導電性高分子に導入したところ、予想どおり、その特性を自由かつ簡単に変えることができ、しかも特定のチオール基含有分子を選択すれば、ガス検出限界を100ppm未満とすることができることを見出し、本発明に到達した。また、本発明の複合化導電性高分子は、その特性を自由に調整できるので、主成分分析を適用すれば、以下に示すように、多成分ガス(混合ガス)の分析も可能になる。
【0008】
つぎに、本発明の複合化導電性高分子の製造方法は、チオール基含有分子が自己集合した自己集合膜が表面に形成されている遷移金属粒子、電解重合用モノマーおよび電解質を含む溶媒中に、作用極および対極を挿入し、前記両電極に所定の電圧を印加して前記モノマーを電解重合する製造方法である。このように、電解重合の際に、チオール基含有分子が自己集合した自己集合膜が表面に形成されている遷移金属粒子を存在させれば、導電性高分子の中に取り込まれ、本発明の複合化導電性高分子が容易に製造できる。なお、本発明の複合化導電性高分子は、この他の製造方法によって製造してもよい。
【0009】
また、本発明のガスセンサーは、本発明の複合化導電性高分子を含む。このガスセンサーと、これに対し所定の電圧を印加する印加手段と、前記ガスセンサーの電気伝導度若しくは電気抵抗を測定する手段とを組み合わせれば、本発明のガス測定装置が構成される。
【0010】
また、別の本発明のガス測定装置は、複数のガス成分を有する混合ガスの成分分析を行うガス測定装置であって、ガスセンサーを複数有し、前記複数のガスセンサーの少なくとも一つは前記本発明のガスセンサーであり、各前記センサーにおいて、予め設定した複数の条件でガス応答を測定し、得られた測定値の行列を固有値問題として処理する主成分分析を行い、混合ガスから単一ガス成分を分析するガス測定装置である。
【0011】
本発明のガス測定方法は、複数のガス成分を有する混合ガスの成分分析を行う方法であって、ガスセンサーを複数使用し、前記複数のガスセンサーの少なくとも一つは前記本発明のガスセンサーを使用し、各前記センサーにおいて、予め設定した複数の条件でガス応答を測定し、得られた測定値の行列を固有値問題として処理する主成分分析を行い、混合ガスから単一ガス成分を分析する方法である。
【0012】
前記混合ガスとしては、例えば、呼気ガス、微生物の培養で発生するガス、工場排出ガス、自動車等のエンジンの排気ガス、ボイラーの排気ガスなどがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明について、例をあげて説明する。
【0014】
前記チオール基含有分子は、特に制限されないが、下記の式(I)で表されるものであることが好ましい。前記チオール基含有分子は、1種類を単独で用いても良いが、2種類以上を併用してもよい。
R1−R2−SH (1)
【0015】
前記式(1)において、
R1は、水素、ヒドロキシ基、Poly(propylene oxide)またはN-isopropylacrylamide
であり、
R2は、 メチレン基、フェニレン(phenylene)、アレーン(arene)またはcalix[6]arene
である。
【0016】
前記チオール基含有分子の具体例としては、例えば、
Mercaptoetanol、
Decanethiol、
Thioxyreol、
Calix[6]arenethiol、
4-Poly(propylene oxide)-Calix[6]arenethiol、
4-N-isopropylacrylamide-Calix[6]arenethiol
等があげられる。
【0017】
前記遷移金属粒子としては、例えば、銅粒子、鉄粒子、白金粒子、金粒子、モリブデン粒子、銀粒子等があげられる。このなかで、銅粒子、白金粒子、金粒子が好ましいが、コストと性能のバランスの面から、銅粒子がより好ましい。遷移金属粒子の大きさは、特に制限されないが、例えば、最大直径 0.5〜1μm、好ましくは、最大直径 0.1〜0.5μm、より好ましくは、最大直径 0.01〜0.1μmである。
【0018】
前記複合化導電性高分子のマトリックスポリマーとしては、例えば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、若しくはこれらのポリマーの誘導体等がある。このなかで、コストや性能の面から、ポリピロール、ポリアニリンが好ましく、より好ましくはポリピロールである。
【0019】
本発明の複合化導電性高分子において、チオール基含有分子の割合は、特に制限されず、チオール基含有分子の種類、複合化導電性高分子の用途および目的とする特性等により適宜決定されるが、前記複合化導電性高分子全体に対し、例えば、0.01〜15%、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜10%である。
【0020】
つぎに、本発明の複合化導電性高分子は、例えば、チオール基含有分子の自己集合膜が表面に形成されている遷移金属粒子、電解重合用モノマーおよび電解質を含む溶媒中に、作用極および対極を挿入し、前記両電極に所定の電圧を印加して前記モノマーを電解重合することにより製造できる。
【0021】
チオール基含有分子の自己集合膜は、例えば、チオール基含有分子を溶媒に溶解させた溶液に、遷移金属粒子を分散させて、一定時間インキュベートすれば得られる。前記溶媒としては、例えば、エタノール、ヘキサン等がある。また、前記溶液中のチオール基含有分子の濃度は、例えば、0.1〜1mMの範囲であり、遷移金属粒子の濃度は、例えば、0.17〜1mg/mlである。
【0022】
電解重合用モノマーは、例えば、ピロール、アニリン、チオフェン等がある。電解重合に使用する前記溶媒は、例えば、アセトニトリル、炭化プロピレン,水等があり、支持電解質は、例えば、Bu4NClO4、K4[Fe(CN)6],CH3COOH等がある。また、電解重合の手法も、通常の手法であり、作用極および対極に加え、参照電極を用いても良い。作用極は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の半導体が使用でき、対極は、例えば、Pt電極が使用でき、参照電極は、例えば、Ag/AgCl電極が使用できる。また、電解重合の条件も特に制限されず、例えば、印加電圧1.4〜2V、印加時間0.5〜5分である。重合して生成した導電性高分子は電極表面に堆積する。これを、真空乾燥等で乾燥して溶媒を除去することが望ましい。
【0023】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。下記の表1に示す8個のセンサー(S1〜S8)を下記のようにして作製し、これらのセンサーについて、ガス応答特性を調べた。
【0024】
(チオール基含有分子)
S3、S4およびS5のセンサーで使用したMercaptoetanol、DecanethiolおよびThioxyreolは市販品(和光純薬工業製)を使用した。また、S6、S7およびS8のセンサーで使用したCalix[6]arenethiol、4-Poly(propylene oxide)-Calix[6]arenethiolおよび4-N-isopropylacrylamide-Calix[6]arenethiolについては、下記の手順で合成した。
【0025】
4-tert-butylcalix[6]arenerhiol の合成
4-tert-butylcalix[6]areneに、diethyleneglycol dimethyl ether(diglim)で溶解したNaHを添加し、130℃で90分間還流した。さらに、N,N-dimethylthiocarbamylchlorideを添加し、130℃で18時間還流した。得られた中間体をフラッシュクロマト操作で分離した。この中間体をdi-p-tolyleter/メタノール混合溶液で溶解させ、130℃で72時間還流した。この操作で得られた新たな中間体をLiAlH4/THF溶液で溶解させ、常温で8時間還流した。未反応生成物を酢酸エチル/硫酸混合溶液で分離し,得られた目的生成物(4-tert-butylcalix[6]arenerhiol)をジクロロメタンで抽出し、フラッシュクロマト操作で分離した。
【0026】
4-tert-butylcalix[6]areenerhiol の脱ブチル化および Poly(propylene oxide) の導入
以下に使用したAlCl3は、N2雰囲気で真空乾燥したものである。フラスコにフェノールを加えた後、トルエンに溶解した4-tert-butyl Calix[6]arenethiolを加えた。室温で6時間攪拌後、脱ブチル化したCalix[6]arenethiolを得た。40℃、12時間、DMF中のPPOのPBr3の処理により、Poly(propylene oxide)bromide(PPO-Br)を得た。PPO-Brと脱ブチル化Calix[6]arenethiolを、AlCl3を含むDMFに加え、40℃で12時間攪拌して、4-Poly(propylene oxide)-Calix[6]arenethiolを得た(PPO-Calix[6]arenethiol)。
【0027】
4-N-isopropylacrylamide-Calix[6]arenethiol の合成
最初に、4-carboxylmethylCalix[6]arenethiolと酢酸臭素とを、AlCl3を含むTHFに加え、40℃で12時間攪拌した。混合物をカラムクロマトグラフィーで分離し、4-carboxylmethylCalix[6]arenethiolを得た。次に、4-carboxylmethylCalix[6]arenethiol、amino-Poly(N-isopropylacrylamide)、HoBtおよびDCCをTHFに加え、室温で12時間、インキュベートした。混合物をカラムクロマトグラフィーで分離して、4-N-isopropylacrylamide-Calix[6]arenethiolを得た(NIPAM- Calix[6]arenethiol)。
【0028】
(自己集合膜形成銅微粒子の調製)
前記の各種のチオール(Mercaptoetanol、Decanethiol、Thioxyreol、Calix[6]arenethiol、4-Poly(propylene oxide)-Calix[6]arenethiol、4-N-isopropylacrylamide-Calix[6]arenethiol)を、それぞれ別個にエタノールに1mMの濃度で溶解した。この各種溶液に、表面が清浄な銅微粒子(直径0.05μm)を加え、24時間放置することにより、前記各種のチオール基含有分子の自己集合膜が表面に形成された銅微粒子を得た。
【0029】
(電解重合膜の合成)
電解重合膜の合成およびその電気化学的測定は、北斗電光社製のHA−151potensiostat/galvanostatを用いて行った。参照電極は、Ag/AgCl電極を使用し、作用極にはITO電極を使用し、対極には、Pt電極を使用した。また、溶媒は、アセトニトリルを使用し、電解質として、Bu4NClO4を使用した。前記装置の電解槽に、試料溶液(ピロール(濃度0.05M)、前記銅微粒子(濃度5〜20%)、アセトニトリル(溶媒)、Bu4NClO4(濃度0.15M))を入れ、1.6Vの定電圧を5分間電極に印加した。その結果、作用極の表面に、前記銅微粒子がドーピングされたポリピロールの薄膜(センサーS1〜S8)が形成された。これらの薄膜の特性を下記の表1に示す。なお、S1のセンサーは、銅微粒子を使用しないで電解重合を行ったものであり、S2のセンサーは、自己集合膜が形成されていない銅微粒子を使用して電解重合を行ったものであり、これら両センサーは、ガスセンサーとしては、比較例となるが、以下のように、本発明のガス分析装置もしくはガス分析方法に使用される場合もある。また、前記各種センサーのベース抵抗も、前記装置で測定した。その結果も下記の表1に併せて示す。
【0030】
【表1】
【0031】
(組成分析)
前記S1〜S8のセンサーについて、X線分散スペクトロスコピーにより、組成分析を行った。その結果を、下記の表2に示す。S3〜S8のセンサーにおいてチオール由来のS原子が検出されたことから、銅微粒子にチオール自己集合膜が固定化されていることが確認できた。特にドーピングされやすいのがチオキシレノールであった。
【0032】
【表2】
【0033】
(センサーの微細構造観察)
S1,S2、S5およびS7のセンサーについて、走査電子顕微鏡(SEM)により、その微細構造を観察した。この結果を、図1に示す。同図において、(a)はS1、(b)はS2、(c)はS7および(d)はS5である。図示のように、自己集合膜を導入することにより、膜構造の変化が見られた。最もチオール自己集合膜の固定化が上手くいったチオキシレノールの場合(S5),膜表面の微細構造は、他の膜に比べてかなり緻密であった。
【0034】
(ガス応答試験)
ガス応答実験は、図2に示すような装置を用いて行なった.センサー1をガスボックス2内に設置する。通常は,空気ボンベ3から空気をガスボックス2に通気する.対象ガスボンベ4から、ガス濃度(0.2〜500ppm)になるように,混合器5を用いて対象ガスと空気とを混合した。ここで、対象ガスとしてNH3用いた。測定温度は25℃である。湿度を60%に保つため,空気ボンベ3および混合器5と水槽6を連結した。センサー1はマルチメーター7と接続し,ガス暴露後の抵抗値変化をモニタリングした.空気に暴露した後,5分間平衡化させ,その後,対象ガスを導入した.対象ガス導入から5分後,再度空気に暴露し,センサー1を清浄化した.得られた抵抗値の時系列データは,パーソナルコンピューター8でデータ処理した。
【0035】
(NH3に対する各種センサーのガス応答性)
センサーを空気にさらし、抵抗値が一定になった後、5分後にNH3を導入した。15分後、空気を再度導入し、センサーの清浄化を図った。このときのセンサーの抵抗値の経時変化を図3に示す。チオールの固定化率の高いS5センサーなどでの抵抗値変化が最も大きく、逆にカリックスチオール修飾センサー(S6〜S8)の場合、抵抗値変化は減少した。このように、センサーによってガスに対する抵抗値変化が異なる事から、種々のチオール自己集合膜のドーピングは、ガス応答の制御に極めて有効であることがわかった。また、センサーの種類によって種々のガス応答特性を示すことから、主成分分析により、呼気等の多成分混合ガスの分析に適用できると考えられる。なお、図3のグラフのδR/Rbaseは下記式の値であり、その他の図においても同様である。
δR/Rbase=(R−R0)/R0
R:測定された抵抗値(Ω)
R0:基準抵抗値(Ω)
【0036】
(各種センサーのガス応答性に及ぼすNH3濃度依存性)
次に,NH3の濃度依存性を検討した。この結果を図4に示す。従来のポリピロール膜の検出限界は100ppm程度であったが(Penza et al., 1997)、本実施例のセンサーの場合、サブppmオーダーでのガス応答が再現性良く検出できた。カリックスチオール系のセンサーの場合、ガス応答感度は若干低いが、数ppmまで検出可能であった。
【0037】
(S1センサーにおける各種ガスの応答性)
つぎに、ガスの種類による応答挙動の差異を検討するため、各種ガス(NH3,CH4,H2S,iso−C4H10,CH3SH)での抵抗値(ΔR/Rbase[-])の経時変化を、前述の方法により検討した。その結果を、図5のグラフに示す。図示のように、NH3ガスの場合、抵抗値の増加が大きく、酸性ガスの場合、減少した.また、炭化水素ガス系の場合、大きな変化は見られなかった。
【0038】
(センサーの種類によるガス応答の差異)
つぎに、センサー(S1〜S8)の種類によるガス応答の差異を検討するために、HS(CH2)2OHガスと、NH3ガスとに対する各種センサーのガス応答を、前述の方法により調べた。その結果を、図6のレーダーチャートに示す。図6において、(a)がHS(CH2)2OHガスに対する応答であり、(b)がNH3ガスに対する応答である。図示のように、HS(CH2)2OHガスとH3ガスでは,全くセンサ応答が異なることがわかった.このことから,センサーを複数用い、これらの中の少なくとも一つに本発明のガスセンサーを用いれば、主成分分析による各種ガスのパターン解析が可能である事がわかった.
【0039】
(主成分分析による混合ガスの分析)
主成分分析の解析手順の概略を図7に示す。図示のように、主成分分析は、各種ガスセンサで条件別にガス応答(ΔR/Rbase)を測定し,得られる実測値の行列を固有値問題として処理すればよい。具体的には、図8に示すように、Appendix主成分分析によった。条件として,濃度を選定した。したがって,得られるであろうパタンには既に濃度の情報も入っているので,パタン分離は,ガスの種類の選別と同義になる。なお、パタン分離から濃度の情報は得るためには,条件として測定温度をとるなど,濃度以外の条件を採用することが好ましい。
【0040】
混合ガス(H2S,NH3、CH3SH)について、主成分分析によるパタン分離を行なうため、S1,S2,S3の各センサーを用いて濃度別に抵抗値変化のデータを採取した。その後,図8に示すの手順に従って主成分得点(PC1,PC2)を算出した。各種ガスのパタン分離の結果を、図9のグラフに示す。同図において、PC1とPC2は,それぞれ主成分分析から得られる第一,第二主成分得点である。図示のように、各種単一成分ガスを、精度良くパタン分離することができた。
【0041】
(呼気成分の分析)
呼気(Breath)ガス、H2Sガス、CH3SHガスおよびH2S/CH3SHガスの各ガスにNH3ガスを混合して、前述と同様にして、主成分分析による混合ガスの分析を行った。その結果を、図10に示す。図示のように、混合ガス同士であっても、複数のセンサーを用い、そのなかの少なくとも一つを本発明のセンサーとし、主成分分析を適用すれば、混合ガスどうしを識別することが可能であった。なお、前記呼気ガスのガスクロマトグラフィーによる分析結果を、図11に示す。図10と図11を比べると、両ガス成分の混合をパタンがよく反映していた。すなわち、前記呼気は、H2Sガスが多く、これは歯磨きがされていないことを示し、CH3SHガスが多いことは、歯周病の可能性を示す。
【0042】
(微生物培養モニタリング)
放線菌(Streptomyces griceus HUT 6037(IFO 3237))を培養し、その培養プロセスにおいて放出されるガスを、本発明のガスセンサーでモニターした。前記放線菌は、有用タンパク質であるキトサナーゼを産生する。前記培養条件は、以下のとおりである。
【0043】
(前培養)
培養温度:37℃
培地組成:1% manitol、0.2% peptone,0.2% meat extract,0.1% yeast extract
培地pH7
【0044】
(本培養)
培養温度:37℃
培地組成:0.05% KCl、0.1%KH2PO4、0.05% MgSO4・7H2O,0.001% FeSO4、0.5%Chitosan
培地pH7
【0045】
培養プロセスにおけるガス分析は、本培養中の培地上のガスを経時的に収集し、以下の3つのセンサーで行った。また、培養プロセスのある時間で熱ストレスを与えた場合も、同様にガス分析した。熱ストレスを与えた場合の結果を、図12に示す。同図において、縦軸のSensitivity(S)は、センサーの電気抵抗値であり、横軸は時間である。図示のように、熱ストレスを与えたときに、ガス発生に顕著な変化が見られた。
【0046】
(ガスセンサー)
(1)Thioxylenol/PPyセンサー
前記S5センサーと同じ
(2)ポリチオフェン(pTh)センサー(参考例)
チオフェンを前記S1センサーと同様に電解重合して作製した。
(3)ポリドデシルチオフェン(pD)センサー(参考例)
ドデシルチオフェンを前記S1センサーと同様に電解重合して作製した。
【0047】
このようにして得られたストレスシグナルを、前述と同様にして主成分分析で解析し、第一、第二主成分得点(PC1, PC2)をプロットしたものを図13に示す。同図において、(a)は、熱ストレスを与えなかった場合であり、(b)は熱ストレスを与えた場合である。図示のように、培養過程で熱ストレスを与えなかった系(図13(a))では、典型的な3つのパタンに分離され、各々が、(i)誘導期(lag phase)、(ii)増殖期(exponential phase)、(iii)定常期(stationary phase)に帰属できた。このことから、本発明により、通常の培養プロセスのモニタリングと状態識別が可能であるといえる。一方、熱ストレス(45℃)を与えた場合では(図13(b))、細胞培養が定常期になったと考えられる25hr後に45℃の熱ストレスを与えており、図示のように、ストレスシグナルの性質が、定常期から増殖期に変化したことがわかった。このことから、本発明により、微生物の培養プロセスにおける熱ストレス等を、検知できるといえる。
【0048】
つぎに、ガス分析により、微生物培養プロセスにおける、コンタミネーション(異物混入)を検知した例を示す。すなわち、前記の本培養開始20時間後に大腸菌を培地に混入させたところ、図14に示すように、pDセンサーにおいて、異常シグナル(同図囲み部分)を検知した。このように、複数のセンサーにおいて、少なくとも一つ(本例ではS5)を使用することにより、微生物培養プロセスの異常シグナルを高精度で検出できる。
【0049】
これらの例のように、本発明によれば、例えば、微生物の培養プロセスをモニターしたり、微生物の状態を識別したりすることが可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明の複合化導電性高分子をガスセンサーとして用いれば、検出限界を100ppm以下の高感度のガスセンサーを得ることができる。また、本発明の複合化導電性高分子は、様々なガス応答性を示すように調整できるから、主成分分析と組み合わせて、呼気ガスや微生物培養等の多成分ガスの分析にも適用可能である。さらに、本発明の複合化導電性高分子は、種々の特性を示すから、ガスセンサー以外の他の用途にも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)および(b)は、比較例のSEMの写真であり、図1(c)および(d)は、本発明の実施例のSEMの写真である。
【図2】図2は、本発明の実施例において、ガス応答試験に用いた装置の一例を示す構成図である。
【図3】図3は、本発明の実施例のNH3に対するガス応答性を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の実施例のガス応答性に及ぼすNH3濃度依存性を示すグラフである。
【図5】図5は、ガスセンサーの各種ガスの応答を示すグラフである。
【図6】図6(a)および(b)は、各種センサーのレーダーチャートである。
【図7】図7は、主成分分析の一例を示す図である。
【図8】図8は、主成分分析の一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施例における主成分分析の一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施例における主成分分析のその他の例を示す図である。
【図11】図11は、呼気ガスのガスクロマトグラフィーの一例を示すチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施例における微生物培養プロセスのガス分析の一例を示すグラフである。
【図13】図13の(a)と(b)は、本発明の実施例における微生物培養プロセスにおける主成分分析の一例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施例における微生物培養プロセスのガス分析のその他の例のグラフである。
【符号の説明】
1:センサー
2:ガスボックス
3:空気ボンベ
4:対象ガスボンベ
5:混合器
6:水
7マルチメータ
8:パーソナルコンピュータ(PC)
Claims (11)
- チオール基を有する分子が自己集合して形成されたチオール自己集合膜が表面に形成された遷移金属粒子を含有する複合化導電性高分子であって、
チオール基を有する分子が、
Thioxylenol、
Decanethiol、および、
4-Poly(propylene oxide)-calix[6]arenethiol
からなる群から選択される少なくとも一つである複合化導電性高分子。 - 遷移金属粒子が、銅粒子、鉄粒子、白金粒子、金粒子、モリブデン粒子および銀微粒子からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1記載の複合化導電性高分子。
- 複合化導電性高分子膜のマトリックスポリマーが、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンおよびそれらの誘導体のポリマーからなる群から選択された少なくとも一つである請求項1または2に記載の複合化導電性高分子。
- 請求項1から3のいずれかに記載の複合化導電性高分子の製造方法であって、チオール基を有する分子が自己集合した自己集合膜が表面に形成されている遷移金属粒子、電解重合用モノマーおよび電解質を含む溶媒中に、作用極および対極を挿入し、前記両電極に所定の電圧を印加して前記モノマーを重合することを含み、
チオール基を有する分子が、
Thioxylenol、
Decanethiol、および、
4-Poly(propylene oxide)-calix[6]arenethiol
からなる群から選択される少なくとも一つである製造方法。 - 遷移金属粒子が、銅粒子、鉄粒子、白金粒子、金粒子、モリブデン粒子および銀微粒子からなる群から選択される少なくとも一つである請求項4に記載の製造方法。
- 電解重合用モノマーが、ピロール、アニリン、チオフェンおよびそれらの誘導体のポリマーからなる群から選択された少なくとも一つである請求項4または5に記載の製造方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載の複合化導電性高分子を含むガスセンサー。
- 請求項7記載のガスセンサーと、これに対し所定の電圧を印加する印加手段と、前記ガスセンサーの電気伝導度若しくは電気抵抗を測定する手段とを含むガス測定装置。
- 複数のガス成分を含む混合ガスの成分分析を行うガス測定装置であって、ガスセンサーを複数有し、前記複数のガスセンサーの少なくとも一つは、請求項8記載のガスセンサーであり、各前記センサーにおいて、予め設定した複数の濃度又は測定温度でガス応答を測定し、得られた測定値の行列を固有値問題として処理する主成分分析を行い、前記混合ガスから単一ガス成分を分析するガス測定装置。
- 混合ガスが、呼気ガスである請求項9記載のガス測定装置。
- 混合ガスが、微生物の培養により発生するガスである請求項9記載のガス測定装置。
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