JP4313588B2 - ゴムローラへのシャフト挿入装置および挿入方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャフトを貫通させているゴムローラのシャフト挿入装置及び挿入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シャフトを備えた発泡ゴム等からなる弾性体ローラは、まず、中空部を有する弾性体ローラを作製し、このローラの中空部内にシャフトを圧入し、その後、弾性体ローラの表面を研磨等することにより製造している。
【0003】
このシャフトの圧入は、例えば、図4(A)〜(C)に示すような、上方に固定治具25を設けたゴムローラを載置するローラ載置台24と、シャフト21の載置台26、及びシャフトの圧入手段としてのエアシリンダ23が水平に配置されている装置を使用して行っていた。
【0004】
上記装置を使用してシャフト圧入を行う場合、まず、発泡ゴム等からなるチューブ状のゴムローラ22をローラ載置台24に載置し、固定治具25で固定しながら、該ゴムローラ22の中空部内へシャフト21をエアシリンダ23によって押圧して圧入している。ゴムローラが前記のような発泡体からなる場合、挿入されたシャフト21に対する締付力を高めるためにゴムローラ22の中空部内径はシャフト21の外径よりもかなり小さく形成されているのが普通である。
このためシャフト21を圧入する際に強い圧力を加えて圧入する必要があり、シャフト圧入手段として前記のようにエアシリンダ等の大きな押圧力を有する手段を使用する必要があり、製造装置が複雑なものとなり、コストが高いものになるという問題があった。
【0005】
また、このシャフト圧入時、ゴムローラ22の内径はシャフトの外径よりもかなり小さくしているため、シャフト21を圧入した時にシャフト21の外周面とゴムローラ22の内周面との間に強い摩擦力が発生し、内周面に歪みが発生したり、ゴムローラ22の長さが縮む等の変形が生じやすい。
【0006】
上記ゴムローラをプリンタ、コピー等の画像形成装置に使用する帯電ローラや転写ローラ等の電気特性が必要な導電性ローラとして使用する場合、ローラが変形していると使用時に電気抵抗のムラ等が生じやすい場合という問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、従来から種々の提案がなされてきた。例えば、シャフト先端部にアルコールを塗布してゴムローラとの摩擦を軽減する方法や、シャフトとゴムローラを回転させながら挿入するなどの方法が提案されているが、アルコールを塗布する手段や、回転手段が必要であるため、製造装置が複雑且つ大きなものになりコストがかかるという問題があった。
【0008】
特開平7−2338923号公報(特許文献1)では、シャフト挿入時に挿入側と逆方向からゴムローラの中空部へ空気を送り込んで該中空部を膨らませながらシャフトを挿入する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−2338923号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、単にシャフト挿入時に挿入方向と逆方向からゴムローラ内に空気を送り込むと記載されているだけであり、具体的な装置の開示がなく、空気の吹き込みをどのようして実現するかについては記載がない。ゴムローラの中空部を拡径するには圧力空気を吹き込む必要があるが、ゴムローラの移動を阻止する手段がなければ、吹き込まれる圧力空気によりゴムローラ自体が移動することとなる。ゴムローラが空気によって移動すると、確実に中空部を拡張させることができず、シャフトをかなり強く押圧する駆動手段が必要となり、作業員が手動でシャフトを押し込むことは不可能となる。かつ、ゴムローラ中空部が拡張されない場合には、シャフトとゴムローラとの間の摩擦を効果的に低減することが困難であり、接触面に歪みが生じることを完全に除去することができない。
【0011】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、シャフトの挿入が容易で且つシャフト挿入後に歪みのないゴムローラを得ることのできるゴムローラへのシャフト挿入装置を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、上端が開口しているゴムローラ挿入用の第1凹部と、該第1凹部の底面に段状に連続すると共に上記第1凹部に挿入するゴムローラの外径よりも小径としたシャフト挿入用の第2凹部と、該第2凹部の周面に開口するエアー導入路とを備えた本体と、
上記エアー導入路にエアーを供給するエアー供給手段を備え、
上記第1凹部にゴムローラを挿入し、挿入端面を第1凹部の底面に密着させて該ゴムローラの中空部を上記第2凹部に連通させ、上記エアー供給手段により上記ゴムローラの中空部にエアーを供給しながら、該ゴムローラの中空部の他端開口よりシャフトを挿入して貫通させる構成としていることを特徴とするゴムローラへのシャフト挿入装置を提供している。
【0013】
上記構成とすると、第1凹部内に挿入されたゴムローラの中空部と第2凹部が連通された状態で、エアー供給手段から第2凹部の周面に開口するエアー導入路を介してエアーを吹き込みながら、ゴムローラ中空部内にシャフトを挿入することができる。このエアー吹き込み時にゴムローラは第1凹部の底面に保持されエアーにより後退することが阻止され、吹き込まれるエアーの圧力でゴムローラ中空部内が押し広げられるため、小さな圧入力で簡単にシャフトをゴムローラ中空部内へ挿入することができる。よって、シャフトの圧入手段として駆動手段が不要となり、作業員が手動でもシャフトを挿入することが可能となる。
また、エアー圧力でゴムローラ中空部内が押し広げられた状態でシャフトを挿入するためゴムローラ中空部内面とシャフト外周面との間に摩擦が殆ど発生せず、また発生しても小さな摩擦であるため、ゴムローラに歪みが生じない。さらに、歪みが生じた場合にも、エアーがシャフト外周面とゴムローラ内周面の間に流れ込むため、ゴムローラをエアーの流れによって引き伸ばすことができ、歪みを除去できる。
【0014】
上記第2凹部内に底面側よりシャフト位置決め用のストッパーを突出させ、ゴムローラの中空部を貫通したシャフトの先端を上記ストッパーに当接させる構成とすることが好ましい。
上記構成とすると、ストッパーにシャフト先端部が当たるまでゴムローラ内に一気に力を入れて押し込んで貫通させればよく、シャフト挿入作業性を高めることができる。かつ、ストッパーの位置を予め調節して設定しておくと、シャフトの挿入位置決めを簡単に行うことができる。
【0015】
上記第1凹部は断面円形とし、その内径をゴムローラの外径よりも1.5〜3mm大きく設定することが好ましい。この寸法関係とすると、第1凹部内にゴムローラを容易に挿入することができると同時に、ゴムローラと第1凹部内周面との間隙が必要以上に大きくなることがなく、ゴムローラが第1凹部内でガタつかずゴムローラと第1凹部の中心が殆どずれない。従って、ゴムローラ挿入端面において中空部の開口部を第2凹部の開口部で確実に囲繞した状態でゴムローラの挿入端面を第1凹部底面に密着させることができ、第2凹部からゴムローラ中空部内へエアーを漏れなく供給することができる。
【0016】
第1凹部の内径とゴムローラの外径との差を1.5〜3mmの範囲としているのは、1.5mmよりも小さい場合には、ゴムローラを第1凹部内に挿入しにくくなる。3mmより大きいと、ゴムローラを第1凹部内に挿入した時に、ゴムローラが第1凹部内でがたついて径方向に位置がずれ、ゴムローラの中空部と第2凹部の開口部が位置ずれし、エアーが第1凹部内に漏れることがある。このような場合には、エアー圧が弱くなり、エアーによるゴムローラ中空部内部の拡張が効果的にできない。
【0017】
また、本発明は、第2に、ゴムローラへのシャフト挿入方法を提供している。
この挿入方法は、上端が開口しているゴムローラ挿入用の第1凹部と、該第1凹部の底面に段状に連続し上記第1凹部に挿入するゴムローラの外径よりも小径のシャフト挿入用の第2凹部を有すると共に該第2凹部の周面に開口するエアー導入路とを備えた本体と、該エアー導入路にエアーを供給するエアー供給手段を備えたシャフト挿入装置を用い、
ゴムローラの中空部の上端にシャフトの下端を挿入した状態で、ゴムローラを上記装置の第1凹部に挿入し、該ゴムローラの下端面を第1凹部の底面に密着させ、この状態で上記エアー導入路にエアーを供給して、上記ゴムローラの中空部にエアーを供給し、
その後、上記シャフトを人力でゴムローラの中空部内に挿入し、該シャフトをゴムローラの下端より突出させて貫通させるという方法である。
【0018】
上記のように、本発明の挿入方法では、第1凹部内に挿入されたゴムローラの中空部に第2凹部が連通された状態で、第2凹部にエアーを吹き込み、該第2凹部から中空部に吹き込まれるエアーで中空部を拡径しながらシャフトを挿入しているため、シャフトを低挿入力でゴムローラ中空部内へ挿入することができる。よって、作業員が手動でシャフトをゴムローラ中空部に挿入することも可能となる。
シャフトの先端をゴムローラに挿入せずに第1凹部に挿入し、該ゴムローラの中空部にエアーを吹き込んだ状態でシャフトの挿入側先端を中空部に挿入すると、圧力エアーによる挿入抵抗が生じる。これに対して、本発明では、シャフトの挿入側先端をゴムローラの中空部に挿入した状態で、第1凹部内に挿入し、その後、中空部にエアーを供給して中空部を拡径しているため、予め先端を中空部に挿入しているシャフトを容易に中空部内に挿通させることができる。
【0019】
上記シャフトが挿入されたゴムローラは、画像形成装置に用いられる紙送りローラ、転写ローラ、帯電ローラ等として用いられるものであり、転写ローラ、帯電ローラ等として用いる場合には導電性ローラとしている。
この種の画像形成装置に用いられるゴムローラは、EPDM等のゴム成分を主成分とし、各種充填材を配合した組成物を混練りした後、押し出し成形し、加硫缶にて加硫成形したゴムローラからなり、所要の弾性を付与する場合には発泡剤を配合して発泡体からなるゴムローラとしている。また、導電性ローラとする場合にはゴム成分にカーボンブラック等の導電性充填剤を配合し、あるいは/およびイオン導電性ゴム成分を配合して成形している。
上記シャフトとしてはアルミニウム等の金属製のシャフトや樹脂製シャフトが用いられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、ゴムローラへのシャフト挿入装置について説明する。
【0021】
図1は本実施形態のゴムローラへのシャフト挿入装置1を示す。シャフト挿入装置1は本体2を台座3上に固定している。
本体2には軸芯に沿って上端開口の大径の第1凹部4と、該第1凹部4の底面4aに連通させた小径の第2凹部5を設けている。
【0022】
第1凹部4及び第2凹部5は共に断面円形の凹部で、第1凹部4の内径D1はシャフト11を挿入するゴムローラ12の外径dよりも1.5〜3mm大きく設定している。本実施形態では、本体2の外径を25mm、第1凹部4の内径D1を14.5mmとしている。
【0023】
第1凹部4の底面4aに開口させた第2凹部5の内径D2は、ゴムローラ12の外径よりも小さく設定し、且つ該ゴムローラ12の中空部12aの内径より若干大きく設定している。本実施形態では、第2凹部5の内径D2を8.0mmとしている。
【0024】
上記第2凹部5の周面に開口するエアー導入路6を本体2に穿設し、該エアー導入路6にパイプ14を介してエアポンプ8を連結し、パイプ14に開閉弁7を介設して、エアー供給手段を設けている。
【0025】
また、第2凹部5の底面5aから本体2の底面にかけて貫通穴2aを設け、該貫通穴2aを通して第2凹部5内に棒状のシャフト位置決め用のストッパー9を突出させている。第2凹部5内のストッパー9の上端には当接部9aを設けている一方、本体2の下方に突出するストッパー9の下端部は上記台座3に穿設された孔に通している。ストッパー9の下側部にはネジを設け、台座3の下部でナット10と締結し、上端の当接部9aが所定の位置になるように上下方向位置を調節して固定している。
【0026】
次に、上記シャフト挿入装置1を使用して、ゴムローラ12へのシャフト11の挿入方法について説明する。
【0027】
ゴムローラ12はEPDMを主成分とし、必要に応じて配合する各種配合剤を配合した組成物を混練りした後、加硫缶等の加硫装置で加硫成形したアスカーC硬度が55〜70の弾性体からなるものである。また、ゴムローラ12の外径dは、上記シャフト挿入装置の本体2の第1凹部4の内径D1よりも1.5〜3mm小さく、第2凹部5の内径D2よりも大きく形成されている。本実施形態のゴムローラ12の外径は12.5mmである。
【0028】
シャフト11の外径は、ゴムローラ2の中空部12aの内径よりも大きく且つ第2凹部5の内径D2より小さく設定され、本実施形態では、シャフト11の外径は7mm、ゴムローラ12の中空部の内径は6.5mmである。
シャフト11の外周面には、ゴムローラ12との固着性を高めるために、接着剤を予め塗布していてもよい。
【0029】
図2(A)に示すように、ゴムローラ12の中空部12aに、シャフト11の先端部を少しだけ、具体的には、2mm程度挿入した状態で、シャフト11の挿入側を上方とし、ゴムローラ12を下端より本体2の第1凹部4内に挿入する。
このシャフト11の先端をゴムローラ12の中空部12a内に入れる作業については、先端部をわずかに圧入するだけでよいため、作業員が手動で行うことができる。
【0030】
第1凹部4の内径D1はゴムローラ12の外径dよりも大きいためゴムローラ12を容易に第1凹部4に挿入することができる。さらに、第2凹部5の内径D2はゴムローラ12の外径よりも小さく形成されているため、ゴムローラ12の下端面は図3に示すように第1凹部4の底面4aによって密着係止される。
さらに、第1凹部4の内径D1とゴムローラ12の外径dとの差はわずか2mmであるため、第1凹部4内でゴムローラ12が径方向にずれることはない。図3に示すように、第1凹部4の底面4aに開口している中空部12aの開口は、第2凹部5の開口より若干小さくしているため、中空部12aの内周面は第2凹部5の内周面より内方に突出し、中空部開口が第2凹部5で完全に囲繞される。
【0031】
次に、エアー導入路6に連結したパイプ14の開閉弁7を開き、エアポンプ8から0.1〜0.5kg/m2のエアー圧で第2凹部5内部へエアーを導入する。この空気圧は、ゴムローラ12の中空部12aの内径とシャフト11の外径との寸法関係やゴムローラ12の硬度により調節している。シャフト11へのゴムローラ12の締付力が大きい場合やゴムローラ12の硬度が高い場合には空気圧を大として、ゴムローラ12の中空部12a内を強い力で確実に拡張させている。
【0032】
エアーは第2凹部5内部を上方へ流れ、第1凹部4に挿入されたゴムローラ12の中空部12a内部へ吹き込まれ、ゴムローラ12の中空部12aの内径はエアーの圧力によって拡張する。この時、ゴムローラ中空部12aの上端側にはシャフト11の先端が挿入され、中空部12aの上端開口がシャフトにより略ふさがれ、ゴムローラ中空部12a内部に吹き込まれたエアーはシャフト11の先端外周とゴムローラ中空部の内周面の隙間からしか外部に流出しないため、エアー圧が低下せず、ゴムローラの中空部12aを拡径することができる。
【0033】
この状態で、シャフト11を手動で下方へ押し込み、ゴムローラ12の中空部12a内に圧入していく。その際、中空部12aの内径はエアーの圧力によって拡張しているため、手動操作でもスムーズにシャフト11を圧入することができる。従って、シャフト圧入用の駆動手段が不要となる。
【0034】
ゴムローラ12の中空部内径よりシャフト11の外径が大に形成されているため無理入れ状態となる。また、シャフト11とゴムローラ12の固着性を高めるためにシャフト11の表面に接着剤を塗布している場合には、シャフト11とゴムローラ12の間に大きな摩擦力が生じることより、従来はシャフト11を圧入するのに強い押圧力が必要であったが、本発明の装置を使用すれば、低挿入力で容易にシャフト11をゴムローラ12の中空部12aに通すことができる。
【0035】
シャフト11がゴムローラ12の中空部12aを貫通し、ゴムローラ12の下端より突出すると、シャフト11の外径は第2凹部5の内径D2よりも小さいため、図2(C)に示すように、第2凹部5内へ挿入される。シャフト11の先端が第2凹部5内へ突出したシャフト位置決め用のストッパー9の上端当接部9aに当接した位置でシャフト11の挿入は停止され、シャフトの挿入が完了する。
【0036】
シャフト11がゴムローラ12の中空部を貫通してゴムローラ下端より突出し、シャフト11がストッパー9の当接部9aに当接して停止した時点で、開閉弁7を閉じ、本体2へのエアーの導入を停止する。
なお、シャフト11が停止した後も、エアーの導入を所要時間継続させ、その後、エアーの導入を停止してもよい。このように、シャフト11を中空部12aに貫通させた後もエアーを供給すると、エアーはシャフト11の外周面と中空部12aの内周面の隙間に流入し、ゴムローラ12を上方へと引き伸ばして、ゴムローラ12に歪みや変形が発生していた場合、これを除去することができる。
【0037】
上記ストッパー9の先端当接部9aの位置は、ゴムローラ12から突出するシャフト長さに応じて予め調節している。すなわち、ストッパー9の先端部からゴムローラ12の端部が係止される第1凹部4の底面4aまでの距離L1が、シャフト11がゴムローラ12の端部から突出する長さL2と等しくなるように調節してナット10でストッパー9を固定している。
このようにストッパー9をあらかじめ所定の位置に固定しておくことで、シャフトの挿入作業と同時に、ゴムローラ12に対するシャフト11の位置決めを正確に行うことができる。
【0038】
また、シャフト11をゴムローラ12の中空部12a内へ圧入する際にゴムローラ12の中空部内径よりシャフト11の外径が大に形成され無理入れ状態となるため、シャフト11の外周面とゴムローラ12の中空部12aの内面との間に摩擦が生じ、ゴムローラ12がシャフト11の挿入方向に押されて縮みが生じると共に、中空部12aを囲む内周面に歪みが生じる場合がある。しかし、本発明ではエアーをゴムローラ12の中空部12a内に吹き込みながらシャフト11を圧入し、中空部12aの内周面とシャフト11の外周面の間にエアーが流れた状態でシャフトを挿入していくため、シャフト11の外周面と中空部12aの内周面との間に殆ど摩擦が生じず、よって、シャフト11が挿入されたゴムローラ12に歪みがない。
【0039】
特に、本実施形態のように、シャフト11とゴムローラ12の固着性を高めるためにシャフト11の表面に接着剤を塗布している場合には、さらに歪みが生じやすいが、本発明を採用することで歪みのないゴムローラを得られる。
【0040】
なお、上記実施形態では、あらかじめシャフト11の先端部をゴムローラ12に少し挿入した状態で、本体2の第1凹部4へゴムローラ12を挿入し、その後エアーを吹き込みながらシャフトを挿入しているが、ゴムローラのみを第1凹部4へ挿入した後に、エアーを第2凹部5を通してゴムローラ中空部に吹き込んだ状態で、シャフトをゴムローラの上端から圧入してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、エアー供給手段からのエアーをゴムローラ中空部内に吹き込み、該エアーの圧力でゴムローラ中空部内を押し広げながらシャフトを挿入することができるため、低挿入力で簡単にシャフトをゴムローラ中空部内へ貫通させて取り付けることができる。
上記のように、シャフトの低挿入力での挿入が可能となるため、従来必要とされたシャフト圧入手段は不要となり、例えば、作業員が手動でシャフトをゴムローラ中空部へ挿入することもでき、シャフト挿入装置が大型化せず、設備費が低コストとなる。
【0042】
また、シャフト挿入時にエアーをゴムローラ中空部内に吹き込み、該エアーの圧力でゴムローラ中空部内を押し広げながらシャフトを挿入することによって、ゴムローラ中空部内周面とシャフトの外周面間の摩擦を無くし或いは低減することができ、別途特別な歪み除去手段を必要とせずに、ゴムローラの歪みをなくすことができる。このように、ゴムローラを歪みのないものとすると、該ゴムローラを導電性ローラとする場合には、電気抵抗値のばらつきが少ない高品質の弾性体ローラを得ることができる。
【0043】
また、上記構成に加え、第2凹部内に底面側より突出するシャフト位置決め用のストッパーを設けた場合には、ゴムローラに貫通したシャフトを上記ストッパーに当接させることで、シャフト挿入と同時にシャフトの位置決めも簡単に行え、作業効率のよいシャフト挿入装置となる。
【0044】
さらに、第1凹部は断面円形とし、その内径をゴムローラの外径よりも1.5〜3mm大きく設定した場合には、ゴムローラを第1凹部内に挿入する作業がスムーズに行えると共に、ゴムローラの中空部開口端を第2凹部開口で確実に囲繞することができ、第2凹部から中空部へエアー漏れなくエアーを吹き込むことができ、いっそう作業効率のよいシャフト挿入装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシャフト挿入装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態のシャフト挿入方法を示し、(A)はゴムローラを第1凹部に挿入する前の状態の断面図、(B)はゴムローラを第1凹部に挿入した状態の断面図、(C)はシャフトを挿入した状態の断面図である。
【図3】本発明の実施形態の要部拡大断面図である。
【図4】(A)(B)(C)は従来のシャフト挿入方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 シャフト挿入装置
2 本体
4 第1凹部
4a 第1凹部の底面
5 第2凹部
6 エアー導入路
8 エアポンプ
12 ゴムローラ
12a 中空部
D1 第1凹部の径
D2 第2凹部の径
d ゴムローラの外径
Claims (5)
- 上端が開口しているゴムローラ挿入用の第1凹部と、該第1凹部の底面に段状に連続すると共に上記第1凹部に挿入するゴムローラの外径よりも小径としたシャフト挿入用の第2凹部と、該第2凹部の周面に開口するエアー導入路とを備えた本体と、
上記エアー導入路にエアーを供給するエアー供給手段を備え、
上記第1凹部にゴムローラを挿入し、挿入端面を第1凹部の底面に密着させて該ゴムローラの中空部を上記第2凹部に連通させ、上記エアー供給手段により上記ゴムローラの中空部にエアーを供給しながら、該ゴムローラの中空部の他端開口よりシャフトを挿入して貫通させる構成としていることを特徴とするゴムローラへのシャフト挿入装置。 - 上記第2凹部内に底面側よりシャフト位置決め用のストッパーを突出させ、ゴムローラの中空部を貫通したシャフトの先端を上記ストッパーに当接させる構成としている請求項1に記載のゴムローラへのシャフト挿入装置。
- 上記第1凹部は断面円形で、その内径は上記ゴムローラの外径よりも1.5〜3mm大きく設定している請求項1または請求項2に記載のゴムローラへのシャフト挿入装置。
- 上記第2凹部は断面円形で、その内径は上記ゴムローラの外径よりも小さく、ゴムローラの中空部の内径よりも大きく設定している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のゴムローラへのシャフト挿入装置。
- 上端が開口しているゴムローラ挿入用の第1凹部と、該第1凹部の底面に段状に連続し上記第1凹部に挿入するゴムローラの外径よりも小径のシャフト挿入用の第2凹部を有すると共に該第2凹部の周面に開口するエアー導入路とを備えた本体と、該エアー導入路にエアーを供給するエアー供給手段を備えたシャフト挿入装置を用い、
ゴムローラの中空部の上端にシャフトの下端を挿入した状態で、ゴムローラを上記装置の第1凹部に挿入し、該ゴムローラの下端面を第1凹部の底面に密着させ、この状態で上記エアー導入路にエアーを供給して、上記ゴムローラの中空部にエアーを供給し、
その後、上記シャフトを人力でゴムローラの中空部内に挿入し、該シャフトをゴムローラの下端より突出させて貫通しているゴムローラへのシャフト挿入方法。
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