JP4313174B2 - ワイヤソー - Google Patents

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Description

この発明は、ワイヤを使用して、半導体材料、磁性材料、セラミック等の硬脆材料よりなるワークからウェーハを切断加工するワイヤソーに関するものである。
一般的な従来のワイヤソーにおいては、複数の加工用ローラを周回するようにワイヤが走行され、隣接する加工用ローラ間の位置でワイヤに対してスラリが供給されるようになっている。そして、この状態で走行中のワイヤに対してワークが押し付けられることにより、ワークからウェーハが切断加工されるようになっている。この場合、前記スラリとしては、シリコンオイル中に砥粒を分散させたものが循環使用され、ワイヤの外周に砥粒を付着させて切断効果を確保するとともに、ワイヤによるワークの切断加工部を冷却して、切断加工部の温度上昇に伴う加工精度の低下を抑制するようになっている。
また、ワイヤによるワークの切断加工時に、ワークまたはワイヤに対して、スラリとともにエアを吹き付けるようにしたワイヤソーとして、例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示されるような構成のものが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載の構成では、ワークの切断加工後に、低粘度油を圧縮エアとともにワークの切断溝に噴出し、ウェーハ間に付着しているスラリ中の砥粒を吹き飛ばして、後工程でのウェーハの洗浄を容易にするようになっている。また、特許文献2に記載の構成では、ワークの切断加工中に、ワークと加工用ローラとの間でワイヤに対して圧縮エアを噴出し、ワイヤに付着しているスラリを吹き飛ばして、スラリ中の砥粒による加工用ローラの摩耗を防止するようになっている。さらに、特許文献3に記載の構成では、スラリを噴出するノズルの外周に、圧縮エアを噴出するエアノズルを同心円状に設け、ワイヤに対してスラリと圧縮エアを同時に噴射して、スラリの利用率を向上させるようになっている。
特開平10−296719号公報 特開2002−66900号公報 特開2002−273648号公報
ところが、前記のような従来のワイヤソーにおいては、次のような問題があった。
すなわち、前述した一般的な構成のワイヤソーにおいては、ワークの切断加工部を冷却するために、ワイヤに対して大量のスラリを供給しているため、スラリの循環に用いられるポンプモータとして大パワーで、電力消費量の多いものが必要となった。また、スラリを循環経路の途中で、切断加工部の冷却に必要な所定温度に冷却する必要があるため、粘度の高いスラリ分散液を使用することができず、低粘度のスラリ分散液を使用していた。つまり、前記分散液として高粘度のものを用いると、冷却によって分散液の粘度がさらに増し、循環が困難になる。従って、砥粒をワイヤ上に保持する機能が充分ではなく、切断効率を向上させることができなかった。また、分散液として使用できる種類が低粘度のものに限られ、ワーク種類等の各種の切断条件に対応することが難しい。さらに、スラリを切断加工部の冷却として用いているため、冷却とは別に、ワークの軸線方向における切断加工位置の変化や、ワークの軸線と直交する方向への切断加工の進行状況等に応じて、スラリの供給量を自在に変更する制御を行うことができなかった。つまり、スラリは切断加工部の冷却にも用いられるために、その冷却が確実に行われるように、ある程度の量を確保する必要があり、砥粒をそれほど必要としない場合でも、スラリ量を減らすことができない。
また、前記特許文献1〜3に記載の構成においては、スラリとともに供給される圧縮エアがワークの切断加工部を冷却する作用をほとんど有していない。このため、前述した一般的な構成のワイヤソーと同様に、ワイヤに対して大量のスラリを供給して、ワークの切断加工部を冷却する必要があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その主たる目的は、加工部の冷却のために大量のスラリを使用する必要がないワイヤソーを提供することにある。
また、この発明のその他の目的は、比較的高粘度のスラリを使用することができるとともに、エア冷却によりワークの切断加工部にかかるスラリを高粘度化して、スラリに含まれる砥粒をワイヤの外周に容易かつ確実に付着させることができ、多くの砥粒をワークに送ることができ、加工効率を向上させることができるワイヤソーを提供することにある。
さらに、この発明のその上の目的は、冷却とは別に、ワークの軸線方向における切断加工位置の変化や、ワークの軸線と直交する方向への切断加工の進行状況等に応じて、スラリの供給量を変更する等の微細な制御を行うことができ、加工精度を向上させることができるワイヤソーを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の加工用ローラを周回するようにワイヤを走行させ、隣接する加工用ローラ間の位置でスラリ供給パイプから前記ワイヤに対してスラリを供給しながら、走行中のワイヤにワークを相対的に押し付けて、ワークからウェーハを切断加工するようにしたワイヤソーにおいて、前記ワークと加工用ローラとの間の位置で、ワークの外周面とワイヤとの交点付近に向かってスラリの温度よりも低い温度の冷却エアを吹き付けるための冷却手段を設け、前記ワイヤは一定範囲内を往復しながら一方向に走行し、前記冷却手段はワークの両側において隣接する加工用ローラ間のワイヤとほぼ直交する方向に配設された一対のエア吹き付けパイプを備え、前記エア吹き付けパイプの周壁には複数の吹き付け孔が軸線方向に沿って形成されるとともに、エア吹き付けパイプの吹き付け孔のピッチがワイヤの走行方向に従って、その送り込み側から送り出し側に向かい次第に小さくなるように形成され、ワイヤの走行方向の切り替えタイミングに応じて一対のエア吹き付けパイプからの冷却エアの吹き付けを交互に切り替えて、ワークに対するワイヤの送り込み側に冷却エアが吹き付けられるとともに、ワイヤの送り出し側に対する冷却エアの吹き付けが停止されるようにしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記冷却エアの温度が0℃以下であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スラリ供給パイプは、ワークの両側において隣接する加工用ローラ間のワイヤとほぼ直交する方向に配設され、前記スラリ供給パイプの周壁には供給溝が軸線方向に沿って延びるように形成されるとともに、この供給溝の溝幅はワイヤの走行方向に従って、その送り込み側から送り出し側に向かい次第に広くなるように形成されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のワイヤソーにおいて、前記ワークの上方に配設された一対のスラリ供給補助パイプ及び一対のエア吹き付け補助パイプを備え、前記スラリ供給補助パイプからワークの外周にスラリを供給しながら、前記エア吹き付け補助パイプから冷却エアを吹き付けるようにしたことを特徴とするものである。
(作用)
この発明においては、ワイヤによるワークの切断加工時に、ワークの外周面とワイヤとの交点付近に向かってスラリの温度よりも低い温度の冷却エアが吹き付けられることにより、ワークの切断加工部が冷却される。さらに、切断加工部にかかるスラリも冷却されて粘度が高められる。よって、切断加工部の冷却のために大量のスラリを使用する必要がなく、ポンプモータを含むスラリの循環経路の構成部品を小型化することができる。また、スラリを循環経路の途中で冷却する必要がないため、比較的高粘度のスラリを使用することができる。よって、スラリに含まれる砥粒をワイヤの外周に容易かつ確実に付着させることができて多くの砥粒をワークに送ることができ、加工効率を向上させることができる。さらに、冷却エアとは別に、ワークの軸線方向における切断加工位置の変化や、ワークの軸線と直交する方向への切断加工の進行状況等に応じて、スラリの供給量を自在に変更する等の微細な制御を行うことができ、加工精度を向上させることができる。
しかも、エア吹き付けパイプの吹き付け孔のピッチがワイヤの走行方向に従って、その送り込み側から送り出し側に向かい次第に小さくなって、配列密度が高くなるように形成されている。このため、ワークの切断加工時に、ワイヤが送り込み側から送り出し側に走行されるのに伴って次第に温度上昇しても、その温度上昇に応じて吹き付け孔から多くの冷却エアが吹き付けられる。よって、ワークの切断加工部をワークの軸線方向の全長に亘って均一に冷却することができて、切断加工精度を一定に維持することができる。
ワークに対するワイヤの送り込み側に冷却エアを吹き付け、送り出し側の吹き付けを停止するようにすれば、送り出し側のワイヤへの不必要なスラリ付着を生じさせず、冷却エアの無駄な消費を抑制できる。
前記冷却エアとして0°C以下の冷却エアを吹き付けるようにすれば、ワークの切断加工部を効果的に冷却することができて、加工精度が低下するのを確実に抑制することができる。
以上のように、この発明によれば、大量のスラリを使用する必要がなくなって、スラリの循環経路の構成部品として小型のものを使用することができる。また、比較的高粘度のスラリを使用できるとともに、エア冷却によりワークの切断加工部にかかるスラリを高粘度化して、スラリ中の砥粒をワイヤの外周に確実に付着させることができ、多くの砥粒をワークへ送ることができ、加工効率を向上させることができる等の優れた効果を発揮する。
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、ワイヤソーのベース11上にはコラム12が立設されている。コラム12の近傍において、ベース11上には加工機構13がブラケット14を介して装設されている。この加工機構13においては、3本の加工用ローラ15,16,17が平行に、かつ回転可能に配設され、それらの外周には多数の環状溝15a,16a,17aが形成されている。加工用ローラ15,16,17の環状溝15a,16a,17aには、1本のワイヤ18が順に巻回されている。
前記ベース11上にはモータ19が配設され、プーリ及びベルト等を含む伝達機構20を介して1つの加工用ローラ17に作動連結されている。そして、このモータ19にて加工用ローラ17が回転されることにより、ワイヤ18を介して他の2つの加工用ローラ15,16が連動回転される。そして、モータ19の駆動により、ワイヤ18が一定範囲内を往復される。この場合、復ストロークよりも往ストロークのほうが長いため、ワイヤ18は、トータルとして一方向へ順次送られる。このため、加工用ローラ15〜17上において、ワイヤ18は図2の送り込み側18aから送り出し側18bに向かって一方向に走行されるようになっている。
前記加工機構13の上方において、コラム12の一側にはワーク支持機構21が昇降可能に配設され、その先端下部にはシリコンインゴット等のワーク22が着脱可能に取り付けられている。そして、図1〜図3に示すように、ワーク支持機構21が下方に送り移動されることにより、隣接する一対の加工用ローラ15,16間の位置で、ワーク22が走行中のワイヤ18に対して上方から相対的に押し付けられるようになっている。
図1、図2、図4及び図5に示すように、前記の隣接する一対の加工用ローラ15,16間における上方の位置において、ブラケット14上には一対のスラリ供給パイプ23が加工用ローラ15,16の軸線方向に沿って配設されている。これらのスラリ供給パイプ23は、内側パイプ24と、その外周に同心状に配置された外側パイプ25とから構成されている。内側パイプ24の周壁上面には、複数の供給孔24aが軸線方向へ所定間隔おきに形成されている。外側パイプ25の周壁下面には、供給溝25aが軸線方向に沿って、すなわち加工用ローラ15,16間のワイヤ18とほぼ直交する方向に延びるように形成されている。また、この供給溝25aの溝幅L1は、図2に示すワイヤ18の走行方向に従って、その送り込み側18aから送り出し側18bに向かい次第に広くなるように形成されている。
図7に示すように、前記両スラリ供給パイプ23にはスラリ循環経路26が接続されている。このスラリ循環経路26には、タンク27、ポンプ28、冷却器44、流量調節バルブ29及びスラリ受け30が設けられている。そして、シリコンオイル中に砥粒を分散させてなるスラリ31が、ポンプ28の回転によりタンク27内から給出され、冷却器44で冷却されて、所定温度に調整される。そして、スラリ31は、流量調節バルブ29を介して流量を調整されながら両スラリ供給パイプ23内に導入され、外側パイプ25の供給溝25aから走行中のワイヤ18に対して供給される。また、ワイヤ18上から落下したスラリ31がスラリ受け30により回収されて、タンク27に戻されるようになっている。
図1、図2及び図6に示すように、前記の隣接する一対の加工用ローラ15,16とワーク22の両側との間の上方位置において、ブラケット14上には冷却手段としての冷却装置32を構成する一対のエア吹き付け口としてのエア吹き付けパイプ33A,33Bが、加工用ローラ15,16の軸線方向に沿って配設されている。これらのエア吹き付けパイプ33A,33Bの周壁下面には、複数の吹き付け孔33aが軸線方向に沿って形成されている。また、この吹き付け孔33aのピッチL2は、図2に示すワイヤ18の走行方向に従って、その送り込み側18aから送り出し側18bに向かい次第に小さくなるように形成されている。従って、ワイヤ18の送り出し側18bに向かって吹き付け孔33aの配列密度が高くなる。
図8に示すように、前記両エア吹き付けパイプ33A,33Bにはエア供給経路34が接続されている。このエア供給経路34には、フィルタ35、エアポンプ36、乾燥器37、冷却器38及び切り替えバルブ39が設けられている。そして、エアポンプ36の回転により、エアがフィルタ35を介して外気から取り込まれ、そのエアは乾燥器37で乾燥されるとともに、冷却器38でスラリ31の温度よりも低い0℃以下、例えば0°C〜−10°Cの範囲内の一定温度に冷却される。その後、冷却エアが切り替えバルブ39を介して両エア吹き付けパイプ33A,33Bに切り替え供給され、ワーク22に対するワイヤ18の送り込み側の吹き付け孔33aからワーク22の外周面とワイヤ18との交点付近におけるワイヤ18に対して吹き付けられるようになっている。
この場合、一定範囲内を往復しながら一方向に走行されるワイヤ18の走行方向の切り替えタイミングに応じて、切り替えバルブ39が切り替え作動される。これにより、一対のエア吹き付けパイプ33A,33Bからの冷却エアの吹き付けが交互に切り替えられ、ワーク22に対するワイヤ18の送り込み側に対して冷却エアが吹き付けられるようになっている。
図9に示すように、この実施形態において前記エア供給経路34の冷却器38としては、ボルテックス・チューブが使用されている。すなわち、この冷却器38においては、一端を開口するとともに他端に底板部を設けたチューブ本体40が装備されている。チューブ本体40の開口側端部付近の周面には、エア供給経路34に接続された圧縮エア供給口40aが形成されている。チューブ本体40の前記底板部には暖気吐出口40bが形成されるとともに、チューブ本体40の開口側端部がエア供給経路34に接続された冷気吐出口40cとなっている。
そして、圧縮エア供給口40aからチューブ本体40内に圧縮エアが供給されると、そのエアがチューブ本体40の内周面に沿って、暖気吐出口40b側に向かい螺旋状に進行する。このとき、エアに遠心力が作用してそのエアが圧縮されるとともに、エアとチューブ本体40の内周面との接触により熱を発生し、その暖気が暖気吐出口40bからチューブ本体40の外部に吐出される。一方、暖気の螺旋流の中心には、暖気吐出口40bと反対側の冷気吐出口40c側に向かって反転流が発生する。この場合、前記の暖気螺旋流により反転流の熱量が奪われているため、反転流は冷気となって冷気吐出口40cからチューブ本体40の外部に吐出される。このようにして、圧縮エアが所定温度に冷却されるようになっている。
次に、前記のように構成されたワイヤソーの動作を説明する。
さて、このワイヤソーの運転時には、ワイヤ18が複数の加工用ローラ15,16,17を周回するように、一定範囲内を往復しながら一方向に走行され、隣接する加工用ローラ15,16間の位置で、スラリ供給パイプ23からワイヤ18上にスラリ31が供給される。この状態で、ワーク支持機構21が下方に送り移動されて、ワーク22が走行中のワイヤ18に押し付けられ、ワーク22からウェーハが切断加工される。
このとき、ワーク22と加工用ローラ15,16との間の位置で、冷却装置32のエア吹き付けパイプ33A,33Bからワイヤ18とワーク22の外周面との交点付近に、スラリ31の温度よりも低い0℃以下の温度の冷却エアが吹き付けられる。この場合、往復しながら走行されるワイヤ18の走行方向の切り替えタイミングに応じて、エア供給経路34中の切り替えバルブ39の切り替え制御により、一対のエア吹き付けパイプ33A,33Bからの冷却エアの吹き付けが交互に切り替えられる。つまり、常にワーク22に対するワイヤ18の送り込み側に対して冷却エアが吹き付けられる。なお、前記各加工用ローラ15〜16は、それらの内部に供給される冷媒により温度調節されているため、前記冷却エアが加工用ローラ15〜16に当たらないようにするのが望ましい。
また、このワイヤソーでは、図2及び図5に示すように、スラリ供給パイプ23における外側パイプ25の供給溝25aの溝幅L1がワイヤ18の走行方向に従って、その送り込み側18aから送り出し側18bに向かい次第に広くなるように形成されている。このため、ワーク22の切断加工時に、ワイヤ18が送り込み側18aから送り出し側18bに走行されるのに伴い摩滅して、その外径が次第に小さくなっても、その外径の減少に応じて供給溝25aから多くのスラリ31が供給される。よって、ワーク22を軸線方向の全長に亘って高精度で均一に切断加工することができる。すなわち、ワイヤ18の外径が減少しても、スラリ31の供給量が増加するため、ワイヤ18上に供給される砥粒の量も増加することになって、切断能力がアップし、結果としてワイヤ18の送り込み側18aから送り出し側18bにわたって、均一な切断能力を得ることができる。
さらに、このワイヤソーでは、図3に示すように、ワイヤ18によるワーク22の切断加工の進行状況に応じて、スラリ循環経路26中の流量調節バルブ29の調節制御により、スラリ供給パイプ23からのスラリ31の供給量が変更される。すなわち、ワーク22の切断開始時には、ワイヤ18によるワーク22の切断部がワーク22の外周部で、切断長が小さいため、スラリ31の供給量が少なくなっている。その後、ワーク22の切断開始時から中間切断時(ワーク中心部付近の切断)までの間は、切断長の増加に応じてスラリ31の供給量が増加されるとともに、ワーク22の中間切断時から切断終了時までの間は、切断長の減少に応じてスラリ31の供給量が減少される。従って、ワイヤ18には常にワーク22の切断状況に応じて適量のスラリ31が供給されて、ワーク22を高精度に切断加工することができる。
しかも、このワイヤソーにおいては、図2及び図6に示すように、エア吹き付けパイプ33A,33Bの吹き付け孔33aのピッチL2がワイヤ18の走行方向に従って、その送り込み側18aから送り出し側18bに向かい次第に小さくなって、配列密度が高くなるように形成されている。このため、ワーク22の切断加工時に、ワイヤ18が送り込み側18aから送り出し側18bに走行されるのに伴って次第に温度上昇しても、その温度上昇に応じて吹き付け孔33aから多くの冷却エアが吹き付けられる。よって、ワーク22の切断加工部をワーク22の軸線方向の全長に亘って均一に冷却することができて、切断加工精度を一定に維持することができる。
さらに、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、このワイヤソーにおいては、ワイヤ18によるワーク22の切断加工時に、ワーク22と加工用ローラ15,16との間の位置で、冷却装置32のエア吹き付けパイプ33A,33Bから切断加工部のワイヤ18に対して、スラリ31の温度よりも低い温度の冷却エアが吹き付けられて、ワーク22の切断加工部が冷却されるようになっている。このため、ワーク22の切断加工部を効果的に冷却することができて、切断加工部の温度上昇に伴う加工精度の低下を確実に抑制することができる。しかも、スラリ31による冷却作用に依存することを抑制でき、従って、切断加工部の冷却のために大量のスラリ31を使用する必要がない。このため、スラリ31の循環量を少なくでき、スラリ循環経路26の構成部品、例えばポンプ28として小型で、消費電力の少ないものを使用できる。
また、冷却エアによりワーク22の加工部やワイヤ18を冷却できるため、従来のワイヤソーに比較してスラリ31の温度を高くすることが可能になる。このため、スラリ31の分散液(シリコンオイル)として低粘度のものを使用する必要がなく、高粘度のものを使用することができる。よって、スラリ31中の砥粒をワイヤ18に対して有効に付着させることができて、多くの砥粒をワークに送ることができ、切断効率を向上できる。
また、加工部に供給されたスラリ31は、0°Cを下まわる冷却エアによりその粘性が増加する。このため、スラリ31に含まれる砥粒をワイヤ18の外周に有効に付着させることができて、低粘度のスラリ31を用いても加工効率を向上させることができる。従って、スラリ31の分散液としての低粘度から高粘度のものまで使用可能な粘度の範囲が広がるため、使用可能な分散液の種類が増え、ワーク22の材質、ワイヤ18の径等の各種条件に応じて適するものを使用するための選択範囲が広くなる。さらに、エア冷却とは別に、スラリ供給量の微細な調整が可能になる。例えば、ワーク22の軸線方向におけるワイヤ18の摩滅による径の変化や、ワーク22に対する切り込み量の進行状況等に応じて、従来のワイヤソーとは異なり、スラリ31の供給量を自在に変更することが可能になり、切断能力を自在にコントロールできて、加工精度を向上させることができる。
さらに、このワイヤソーにおいては、ワイヤ18が一定範囲内を往復しながら一方向に走行される際に、そのワイヤ18の走行方向の切り替えタイミングに応じて、ワーク22の両側に配設された一対のエア吹き付けパイプ33A,33Bからの冷却エアの吹き付けが、ワーク22に対するワイヤ18の送り込み側で行われ、反対側では吹き付け停止するように、交互に切り替えられるようになっている。このため、冷却エアを必要な部分のみに供給することができて、冷却エアの無駄な消費を防止できるとともに、ワーク22に対するワイヤ18の送り込み側に冷却エアを効率よく吹き付けることができて、ワーク22の切断加工部を一層効果的に冷却することができる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心にして説明する。
さて、この第2実施形態においては、図10に示すように、前記第1実施形態と同様なスラリ供給パイプ23の他に、ワーク支持機構21の近傍、すなわちワーク22の上方に一対のスラリ供給補助パイプ42が配設されている。そして、ワーク22の切断加工時に、スラリ供給パイプ23からワイヤ18上にスラリ31が供給されると同時に、スラリ供給補助パイプ42からワーク22の外周両側にスラリ31が供給されるようになっている。
また、前記第1実施形態と同様のエア吹き付けパイプ33A,33Bの他に、前記各スラリ供給補助パイプ42の近傍に一対のエア吹き付け補助パイプ43が配設されている。そして、ワーク22の切断加工時に、エア吹き付けパイプ33A,33Bからワイヤ18とワーク22の外周との交点付近に冷却エアが吹き付けられると同時に、スラリ供給補助パイプ42よりワーク22の外周に供給されたスラリ31に向けて、エア吹き付け補助パイプ43から冷却エアが吹き付けられるようになっている。
従って、この第2実施形態によれば、エア吹き付けパイプ33A,33Bからの冷却エアと、エア吹き付け補助パイプ43からの冷却エアとにより、ワーク22及びワーク22の切断加工部を上下から冷却することができて、冷却効果を向上させることができる。このため、特にワーク22の切断加工部が温度上昇を嫌う場合に適している。また、ワーク22の表面に付着した砥粒が低温化されるので、ワーク22の未加工部分を冷却状態に保つことができ、加工によるワーク22の温度上昇を抑制して高精度な加工が可能となる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記各実施形態において、エア供給経路34中の冷却器38として、例えば冷媒を用いた通常の冷却回路のエバポレータ等、他の構成を用いること。このように、エバポレータによりエアを冷却する場合には、エア通路をエバポレータの周囲を通るように設ける必要がある。
・ 前記各実施形態において、スラリ供給パイプ23の外側パイプ25の供給溝25aを一定の溝幅となるように形成するとともに、内側パイプ24の供給孔24aを、ワイヤ18の送り込み側18aから送り出し側18bに向かって、そのピッチが次第に小さくなるように、または同一ピッチで孔径が次第に大きくなるように形成すること。
・ 前記各実施形態において、エア吹き付けパイプ33A,33Bの吹き付け孔33aを、ワイヤ18の送り込み側18aから送り出し側18bに向かって、同一ピッチで孔径が次第に大きくなるように形成すること。
第1実施形態のワイヤソーを示す要部断面図。 図1のワイヤソーの要部拡大平面図。 ワイヤによるワークの切断加工状態を示す部分拡大断面図。 スラリ供給パイプを拡大して示す断面図。 スラリ供給パイプを拡大して示す分解斜視図。 エア吹き付けパイプを拡大して示す斜視図。 スラリの循環経路を示す構成図。 冷却エアの供給経路を示す構成図。 冷却装置の構成を示す断面図。 第2実施形態のワイヤソーを示す要部断面図。
符号の説明
13…加工機構、15,16,17…加工用ローラ、18…ワイヤ、18a…送り込み側、18b…送り出し側、21…ワーク支持機構、22…ワーク、23…スラリ供給パイプ、26…スラリ循環経路、31…スラリ、32…冷却手段としての冷却装置、33A,33B…エア吹き付け口としてのエア吹き付けパイプ、34…エア供給経路、39…切り替えバルブ。

Claims (4)

  1. 複数の加工用ローラを周回するようにワイヤを走行させ、隣接する加工用ローラ間の位置でスラリ供給パイプから前記ワイヤに対してスラリを供給しながら、走行中のワイヤにワークを相対的に押し付けて、ワークからウェーハを切断加工するようにしたワイヤソーにおいて、
    前記ワークと加工用ローラとの間の位置で、ワークの外周面とワイヤとの交点付近に向かってスラリの温度よりも低い温度の冷却エアを吹き付けるための冷却手段を設け
    前記ワイヤは一定範囲内を往復しながら一方向に走行し、前記冷却手段はワークの両側において隣接する加工用ローラ間のワイヤとほぼ直交する方向に配設された一対のエア吹き付けパイプを備え、前記エア吹き付けパイプの周壁には複数の吹き付け孔が軸線方向に沿って形成されるとともに、エア吹き付けパイプの吹き付け孔のピッチがワイヤの走行方向に従って、その送り込み側から送り出し側に向かい次第に小さくなるように形成され、ワイヤの走行方向の切り替えタイミングに応じて一対のエア吹き付けパイプからの冷却エアの吹き付けを交互に切り替えて、ワークに対するワイヤの送り込み側に冷却エアが吹き付けられるとともに、ワイヤの送り出し側に対する冷却エアの吹き付けが停止されるようにしたワイヤソー。
  2. 前記冷却エアの温度が0°C以下である請求項1に記載のワイヤソー。
  3. 前記スラリ供給パイプは、ワークの両側において隣接する加工用ローラ間のワイヤとほぼ直交する方向に配設され、前記スラリ供給パイプの周壁には供給溝が軸線方向に沿って延びるように形成されるとともに、この供給溝の溝幅はワイヤの走行方向に従って、その送り込み側から送り出し側に向かい次第に広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー。
  4. 前記ワークの上方に配設された一対のスラリ供給補助パイプ及び一対のエア吹き付け補助パイプを備え、前記スラリ供給補助パイプからワークの外周にスラリを供給しながら、前記エア吹き付け補助パイプから冷却エアを吹き付けるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のワイヤソー。
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