JP4312577B2 - 光ファイバ増幅器 - Google Patents

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本発明は、各種の光伝送システムに適用される光増幅器に関し、特に、希土類ドープファイバに励起光を供給することで信号光の増幅を行う光ファイバ増幅器に関する。
一般的な光伝送システムの1つの構成として、例えば図11に示すように、送信端局101および受信端局102の間を光伝送路103で接続すると共に、該光伝送路103上に所要の間隔で中継局104を配置して、送信端局101から光伝送路103に送出された信号光を各中継局104で多段中継して受信端局102まで伝送する長距離光伝送システムが知られている。このような長距離光伝送システムにおいて、各中継局104内に設けられる光増幅器104Aや、送信端局101内のポストアンプ101A、受信端局内のプリアンプ102Aには、例えば、エルビウム等の希土類元素をドープした光ファイバに励起光を供給して信号光の増幅を行う光ファイバ増幅器が広く利用されている。
上記のような光ファイバ増幅器に対して求められる主に利得などの特性は、適用されるシステムの伝送方式や各中継区間の伝送距離などの違いに応じて異なったものとなる。上記の図11に示したシステム構成の場合、長さL1の光伝送路103Aに信号光を送出する光増幅器101Aと、長さL2(≠L1)の光伝送路103Bに信号光を送出する光増幅器104Aと、受信部に信号光を出力する光増幅器102Aとでは、出力光の伝送距離やレベル設定に応じて要求される利得が相違したものとなる。
このように要求される特性が光ファイバ増幅器ごとに異なる場合、各々の特性に対応させて、使用する希土類ドープファイバや励起光源の出力設定などを変えることが必要になる。このため、1つの長距離光伝送システムを構築するのに品種の異なる光ファイバ増幅器を搭載したユニットを複数準備しなければならなくなる。これにより、光ファイバ増幅器ユニットの開発費が増大すると共に、製造後における光ファイバ増幅器ユニットの管理費も必要となるため、コスト的には非常に不利である。また、システム変更などを行う場合には、各々の光ファイバ増幅器ユニットについて設定の変更や交換などの作業がそれぞれ必要になり、その作業は光ファイバ増幅器ユニットの品種が多くなるほど煩雑なものになってしまうという欠点もある。
1台の光ファイバ増幅器の汎用性を向上させるための従来技術としては、例えば、光増幅状態を監視するモニタ信号に応じて、出力レベルや利得が一定となるように励起光源の駆動状態を帰還制御する構成について、モニタ信号の帰還アルゴリズムをソフトウェア的に定めることで、アルゴリズム変更時にハードウェアを変えなくて済むようにして、高い柔軟性と汎用性を実現させた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、波長に対する利得のばらつきを平坦化する機能を備えた光ファイバ増幅器について、希土類ドープファイバの増幅波長帯域内の波長を有する調整光を信号光に合波することによって、入力光パワー等の条件が変化しても調整光を変化させるだけで対応できるようにして、利得平坦化用光フィルタを各々の条件に合わせて作製することを不要にする技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−235458号公報 特開平10−209539号公報
しかしながら、上記のような従来技術については次のような問題点がある。すなわち、長距離光伝送システムに用いられる光ファイバ増幅器に対して要求される利得等の特性は、非常に広範囲に亘る場合が多い。そのような広範囲の特性に対して励起光源の駆動状態を制御するだけで対応することは励起光源の定格パワー値等の制約を受けるため難しく、現実的には、特性に応じて希土類ドープファイバの長さ等の設計パラメータを調整することが必要になる。通常、希土類ドープファイバは、スプライス等によって信号光の光路上に固定的に接続されるため、その長さ等を要求される特性に応じて変更することはアセンブリ後の段階においては容易なことではない。
希土類ドープファイバの長さ等の変更を容易にするための1つの手段としては、例えば、希土類ドープファイバをモジュール化して光ファイバ増幅器の本体部分に光コネクタ等を介して着脱自由に接続させる構成が考えられる。このようにすれば、長さ等の異なる希土類ドープファイバモジュールを複数用意しておき、要求される特性に応じて最適な希土類ドープファイバモジュールを取り付けるようにすることで、希土類ドープファイバ以外の部分は基本的に同一の構成にできるため、光ファイバ増幅器ユニットの品種を減らすのに有効である。
しかし、上記のように希土類ドープファイバをモジュール化した場合、光ファイバ増幅器ごとに最適化された個々の希土類ドープファイバには、増幅波長帯域内の利得のばらつきが最も小さくなるような望ましい励起光パワーというものが各々の長さ等に対応して存在する。上記の従来技術のように励起光源の駆動状態を帰還制御することによって、出力光レベルや利得を所望の値とすることはできるものの、そのような制御によって実際に希土類ドープファイバに供給される励起光パワーは、上記の利得のばらつきを最小にする望ましい励起光パワーとは大きく異なってしまう可能性があり、波長に対する利得のばらつきが大きくなり過ぎて、光フィルタ等により平坦化可能な範囲を超えてしまうといった状況が想定される。このような状況に対処するため、例えば、前述した従来技術のように調整光を与えることで平坦化しようとすれば、高出力の光源が励起光源以外にも必要になるため、光ファイバ増幅器の高コスト化および消費電力の増大を招いてしまう。したがって、希土類ドープファイバをモジュール化した場合には、使用する希土類ドープファイバの長さ等を認識して、望ましい励起光パワーがどの程度のものなのかを自動的に判断できることが重要になる。
また、希土類ドープファイバモジュール内での断線や希土類ドープファイバモジュールと本体側との接続不具合などが発生した場合、出力レベルを一定にする制御(ALC)が行われていると、所望の出力レベルが得られないために励起光源の出力パワーが上昇し続け、断線箇所や接続不具合箇所から外部に非常に大きなパワーの励起光が放射されてしまうおそれがある。さらに、希土類ドープファイバモジュールと本体の間における接続損失が大きい場合で、かつ、信号光が光ファイバ増幅器に入力されている状態においては、増幅後の信号光パワーが所望のレベルに達するように、過大なパワーの励起光が希土類ドープファイバに供給されることになる。このような状態のときに上記の接続損失が何等かのきっかけで正常な値に戻った場合には、希土類ドープファイバに対して大きなパワーの信号光が急に入力されることになり、高い反転分布率で励起された希土類ドープファイバから大きな利得で増幅された信号光が出力され、光サージの発生に近い状況になってしまうことも想定される。したがって、希土類ドープファイバをモジュール化する際には、上記のような事態の発生を未然に回避するための対策も必要になる。
本発明は上記の点に着目してなされたもので、広範囲に亘る利得等の特性に対応可能であって波長に対する利得のばらつきを抑えることのできる低コストで安全な光ファイバ増幅器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の光ファイバ増幅器は、希土類ドープファイバと、前記希土類ドープファイバに励起光を供給する励起光供給手段と、前記希土類ドープファイバに対して入出力される信号光のパワーを測定する信号光パワー測定手段と、前記信号光パワー測定手段の測定結果に基づいて、前記励起光供給手段から前記希土類ドープファイバに供給される励起光のパワーを制御する励起光制御手段と前記励起光供給手段、前記信号光パワー測定手段および前記励起光制御手段を有する本体部に対して、前記希土類ドープファイバを着脱自由に接続することが可能な希土類ドープファイバモジュールと、前記希土類ドープファイバの非励起状態における損失波長特性に応じて予め設定された波長帯域内の計測光を発生し、前記本体部に接続された希土類ドープファイバモジュールに対して前記計測光を与え、前記希土類ドープファイバモジュールを通過した計測光のパワーを検出し、前記検出結果を基に前記希土類ドープファイバモジュールで生じる損失を計測する損失計測手段と、を備え前記励起光制御手段は、前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失に基づき得られる最適励起光パワーを基準として前記励起光供給手段の動作を制御し、前記予め設定された前記計測光の前記波長帯域は、前記計測光が前記損失計測手段により前記パワーを検出可能であり、かつ、前記損失計測手段により計測される前記希土類ドープファイバモジュールで生じる前記損失に基づき、前記希土類ドープファイバの長さを認識可能である波長帯域である。
また、前記励起光制御手段は、前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失が予め設定した閾値よりも大きいとき、前記励起光供給手段をシャットダウン制御するようにしてもよい。
さらに、前記希土類ドープファイバモジュールは、前記本体部との接続を検出する複数の端子を有し、前記複数の端子の接触位置により判別される前記希土類ドープファイバ長により前記計測光の損失の閾値が求められるようにすることも可能である。
加えて、上記の光ファイバ増幅器については、信号光とは波長の異なる監視制御信号光を生成し、前記監視制御信号光を増幅後の信号光に合波して出力する監視制御信号光送信手段を備え、前記損失計測手段は、前記希土類ドープファイバモジュールの損失計測時に、前記監視制御信号光送信手段で生成される光を前記計測光として用いるようにしてもよい。
また、上記の光ファイバ増幅器の具体的な構成として、前記希土類ドープファイバはエルビウムドープファイバであり、前記予め設定された前記計測光の前記波長帯域は、1570nm乃至1590nmであってもよい。
本発明の光ファイバ増幅器によれば、本体部に対して着脱自由に接続可能な希土類ドープファイバモジュールにおける損失を、非励起状態における損失波長特性に応じて予め設定された波長帯域内の計測光を用いて計測し、その損失に応じて最適な励起光パワーが自動的に判断されるようにしたことで、希土類ドープファイバをモジュール化した場合においても、波長に対する利得のばらつきを最小に抑えることのできる最適励起光パワーを基準として励起光制御が行われるようになるため、広範囲に亘る特性に対して希土類ドープファイバモジュールの交換という簡易な方法により対応することが可能であり、かつ、平坦な利得波長特性を実現することができる。よって、多数の品種の光ファイバ増幅器を設計する必要がなくなり、光ファイバ増幅器の低コスト化を図ることが可能になる。
また、希土類ドープファイバモジュールの損失が予め設定した閾値よりも大きくなったときに励起光供給手段をシャットダウン制御するようにしたことで、希土類ドープファイバモジュールの接続不具合や希土類ドープファイバの断線等が発生した場合でも、大きなパワーの励起光が外部に放射されるようなことは回避されるため、光ファイバ増幅器の安全性を向上させることができる。
さらに、希土類ドープファイバモジュールに設けた複数の端子を利用して本体部で希土類ドープファイバの長さを判別し、その希土類ドープファイバ長により計測光の損失の閾値を求めるようにしたことで、希土類ドープファイバモジュールの接続が適切であるかの判断をより正確に行うことができる。
加えて、監視制御信号光を送信するための光源を損失計測用の光源として利用することにより、通常の運用時には使用されない損失計測用の光源を別途設ける必要がなくなるため、より低コストの光ファイバ増幅器を実現することが可能になる。
以下、本発明の光ファイバ増幅器を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
図1は、本発明の第1実施形態による光ファイバ増幅器の構成を示すブロック図である。
図1において、本光ファイバ増幅器は、例えば、本体部1およびその本体部1に着脱自由に接続することが可能なEDFモジュール5を備える。
本体部1は、例えば、励起光LpをEDFモジュール5に供給する励起光供給手段としての励起光源11、駆動制御回路12および光カプラ13と、EDFモジュール5に対して入出力される信号光Lsのパワーを測定する信号光パワー測定手段としての光カプラ21A,21B、モニタPD22A,22B、IV変換回路23A,23BおよびAD変換回路24A,24Bと、計測光LmをEDFモジュール5に与えてEDFモジュール5における損失を計測する損失計測手段としての計測用光源31、駆動制御回路32および光カプラ33と、計測光Lmの入出力パワーを基にEDFモジュール5における損失を演算し、その演算結果に応じてEDFモジュール5に対する励起光Lpの供給パワーを最適化すると共に、信号光Lsの入出力パワーのモニタ結果に基づいて出力一定制御(ALC)または利得一定制御(AGC)を行う励起光制御手段としての演算処理回路41および記憶回路(EEPROM)42と、を有する。計測光Lmの波長については後述する。また、EDFモジュール5は、例えば、エルビウムを光ファイバのコア部分にドープしたエルビウムドープファイバ(EDF)51と、そのEDF51の両端にそれぞれ設けられた光コネクタ52A,52Bとを有する。
励起光源11は、EDFモジュール5内のEDF51に対応した波長帯(例えば、980nm帯や1480nm帯等)の励起光Lpを発生する半導体レーザ等を用いた公知の光源である。駆動制御回路12は、励起光源11を駆動するための駆動電流を生成する。この駆動電流は、演算処理回路41から出力される制御信号に従って制御される。光カプラ13は、励起光源11から出力される励起光Lpを信号光Lsと合波する一般的なWDMカプラである。この光カプラ13で合波された励起光Lpは、アダプタ16Bに取り付けられた光コネクタ52Bを介してEDF51の後方側から供給される。なお、ここでは後方励起型の構成例を示したが、前方励起型若しくは双方向励起型の構成とすることも可能である。
光カプラ21Aは、光ファイバ増幅器の入力ポートINに与えられる信号光Lsの一部を分岐し、その分岐光を入力モニタ光Ls1としてモニタPD22Aに送る。モニタPD22Aは、光カプラ21Aで分岐された入力モニタ光Ls1を受光して電気信号に変換する一般的な受光素子である。IV変換回路23Aは、モニタPD22Aから出力されるフォトカレントを電圧信号に変換してAD変換回路24Aに出力する。AD変換回路24Aは、IV変換回路23Aから出力されるアナログの電圧信号をディジタル信号に変換して演算処理回路41に出力する。
光カプラ21Bは、EDFモジュール5および光カプラ13を通過して光ファイバ増幅器の出力ポートOUTに送られる信号光Lsの一部を分岐し、その分岐光を出力モニタ光Ls2としてモニタPD22Bに送る。また、この光カプラ21Bは、EDFモジュール5の損失計測時には、EDFモジュール5および光カプラ13を通過した計測光Lmの一部を分岐してモニタPD22Bに送る。モニタPD22Bは、光カプラ21Bで分岐された出力モニタ光Ls2または計測光Lmを受光して電気信号に変換する一般的な受光素子である。IV変換回路23Bは、モニタPD22Bから出力されるフォトカレントを電圧信号に変換してAD変換回路24Bに出力する。AD変換回路24Bは、IV変換回路23Bから出力されるアナログの電圧信号をディジタル信号に変換して演算処理回路41に出力する。
計測用光源31は、EDFモジュール5において発生する損失の計測を行うための計測光Lmを発生する。この計測光Lmの波長は、後で詳しく説明するようにEDF51の損失波長特性を考慮して損失の計測に適した波長帯域に予め設定されている。駆動制御回路32は、計測用光源31を駆動するための駆動電流を生成する。計測用光源31の出力パワーについては後述する。この駆動電流のオン/オフは、演算処理回路41から出力される信号に従って制御される。光カプラ33は、計測用光源31から出力される計測光Lmを信号光Lsと合波し、アダプタ16Aに取り付けられた光コネクタ52Aを介してEDF51に与える。なお、光カプラ33の前段には、光アイソレータ15が設けられている。この光アイソレータ15は、光カプラ21Aを通った信号光Lsを透過して光カプラ33に伝える一方、EDFモジュール5および光カプラ33を通過して信号光Lsとは逆方向に伝搬する励起光Lpの通過を阻止する。
演算処理回路41は、AD変換回路24A,24Bからそれぞれ出力されるディジタル信号が入力され、それらの入力信号および記憶回路42に記憶されたデータに基づいて、EDFモジュール5の損失に応じた最適励起光パワーを判断すると共に、その最適励起光パワーを基準としてALCまたはAGCを行う。なお、この演算処理回路41における具体的な演算処理の内容については後述する。
EDF51は、長さ等の設計パラメータが要求される利得に応じた値に設定されており、本体部1との着脱が容易となるように箱等に収納されている。光コネクタ52A,52Bは、例えば、バックワイヤードボード(BWB)光接続に使用されるMUプラグイン型光コネクタなどのように、本体部1への実装と同時に自律的に光接続が行われる公知の光コネクタが用いられる。ただし、光コネクタ52A,52Bの種類は上記の一例に限定されるものではない。
図2は、上記のような構成の光ファイバ増幅器の具体的な実装例を示す概略図である。図2の具体例では、本体部1の各構成要素が光回路部分と制御回路部分とに大別されて1つの制御基板上に実装されている。また、EDFモジュール5は、本体部1との着脱を容易に行うことができるように、例えば制御基板上に設けたレール等に沿って取り付けられている。
次に、本実施形態による光ファイバ増幅器の動作について説明する。
本光ファイバ増幅器では、要求される利得等の特性に応じて、その利得等を実現するのに最適な長さ等の設計パラメータを有するEDFモジュール5が本体部1に接続される。また、要求される利得等に変更が生じた場合には、EDFモジュール5だけを最適なものに交換し、本体部1の構成は要求される利得等にかかわらず共通のものとされる。本体部1に対して新規にEDFモジュール5が接続されるときや、EDFモジュール5の交換が行われるときには、接続後のEDFモジュール5の設計パラメータが自動的に認識され、その認識結果に基づいて、波長に対する利得のばらつきが最も小さくなるように、EDFモジュール5に対する励起光Lpの供給パワーが最適化される。具体的に、ここでは信号光Lsおよび励起光Lpとは異なる計測光Lmを利用してEDFモジュール5で生じる損失の計測を行うことによりEDF51の長さが間接的に認識され、その結果を基に本体部1に実際に接続されたEDF51に対する最適励起光パワーが判断される。
EDF51の長さを計測光Lmの損失計測により高い精度で計測するために、計測光Lmの波長は次のようにして最適化されている。すなわち、一般的なEDFは、1480nm付近の波長では光を最も吸収して励起状態(反転分布状態)に遷移するが、1550nm付近のいわゆるC−バンドと称される信号光の波長帯域でも大きな吸収を生じる。このため、1550nm帯の信号光が非励起状態のEDFを伝搬すると比較的大きな損失が発生する。
図3は、一般的なEDFについての1550nm付近における損失波長特性の一例を示した図である。このように、EDFの単位長さあたりの損失を表す損失率(dB/m)は、1530nm付近では比較的大きな値となり、波長が長くなるのに伴って徐々に減少してゆく。光ファイバ増幅器で使用されるEDFの長さは、通常、10m〜数10m程度であるので、1550nm付近の光を非励起状態のEDFに与えた場合、その光に対して発生する損失は30〜100dBと非常に大きくなる。このため、計測光Lmの波長を1550nm付近に設定してしまうと、EDFモジュール5を通過した後の計測光LmのパワーをモニタPD22Bで検出できなくなり、損失の計測が困難になる。
一方、図3において損失率の小さい1600nm付近に計測光Lmの波長を設定した場合には、EDFモジュール5通過後の計測光パワーをモニタPD22Bで検出することは可能にはなるが、発生する損失自体が2〜10dB程度と小さくなってしまう。このため、EDF長の違いによる損失差が小さくなると共に、EDFモジュール5で発生する全損失に占める光コネクタ52A,52Bの接続損失(通常、最大値で0.5dB×2=1dB程度)の割合が大きくなるため、EDF51の長さを正しく認識することが難しくなる。
したがって、計測光Lmの最適な波長設定としては、上記のようなEDF51で発生する損失のバランスを考慮すると、図3の破線で囲んだ領域に示すように1570nm〜1590nmの波長帯域内に設定するのが望ましい。
計測光源31より出力される計測光Lmのパワーは、モニタPD22Bによりモジュール通過後の計測光Lmが検出され、EDFモジュール5の利得特性に影響を与えない強度に定められる。
ここで、例えばEDFモジュール5の交換を行う際に実行される一連の処理について、図4のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
本光ファイバ増幅器に対して要求される利得等に変更が生じた場合、まず、図4のステップ101(図中S101で示し、以下同様とする)において、それまで本体部1に接続されていたEDFモジュール5の取り外しが行われる。ステップ102では、EDFモジュール5が外れたか否かが検出される。なお、このステップ102における検出動作は、後述する第2実施形態で具体例を示して説明するが、EDFモジュール5に設けたGND端子を利用して、EDFモジュール5の接続状態が判断されるものとする。EDFモジュール5の外れが検出されると、ステップ103で励起光源11による励起光Lpの供給をシャットダウンさせる制御信号が演算処理回路41から駆動制御回路12に出力され、駆動制御回路12では、演算処理回路41からの制御信号がDA変換されて励起光源11に対する駆動電流の供給が停止される。
そして、ステップ104では、本体部1に対する新しいEDFモジュール5の接続が行われる。ステップ105では、EDFモジュール5が接続された否かの検出が、前述したステップ102の場合と同様にして行われる。EDFモジュール5の接続が検出されると、ステップ106で計測用光源31を点灯させるための制御信号が演算処理回路41から駆動制御回路32に出力され、駆動制御回路32では、演算処理回路41からの制御信号がDA変換されて計測用光源31に対する駆動電流の供給が開始される。なお、この際、励起光源11は消灯したままとする。
ステップ107では、計測用光源31から出力され、光カプラ33、EDFモジュール5および光カプラ13を順に通過した計測光Lmのパワーが、光カプラ21BおよびモニタPD22Bによって検出され、その検出結果を示す信号がIV変換回路23BおよびAD変換回路24Bを介して演算処理回路41に送られる。ステップ108では、演算処理回路41において、計測用光源31から送出された計測光Lmのパワーと、モニタPD22Bによって検出された計測光Lmのパワーとを基に、EDFモジュール5の通過によって生じた損失が計算される。なお、各光カプラ33,13,21Bの損失、並びに、アダプタ16A,16Bおよび光コネクタ52A,52B間の接続損失については、予め設定した所定値またはアダプタ16A,16B間を直接接続した状態にして事前に測定した値を用いて補正を行うようにするのがよい。
ステップ109では、ステップ107で計算された損失が妥当な値であるか否かの判定が行われる。具体的には、計測時の損失値が予め設定した閾値以上の場合、または、モニタPD22Bで計測光Lmを検出できない場合には、光コネクタ52A,52Bの接続不具合、若しくは、EDFモジュール5内でのEDF51の断線等が想定される。このような場合には、以降、励起光Lpの供給が開始されないようにすると共に、例えば「EDFモジュール異常アラーム」を発出するようにする。一方、計測時の損失値が閾値よりも小さく妥当な値となっていれば、ステップ110に進んで、計測用光源31をシャットダウンさせる制御信号が演算処理回路41から駆動制御回路32に出力される。
ステップ111では、記憶回路42に予め記憶された、EDFモジュール5の損失値に対応する励起光パワーの最適値を示すデータが演算処理回路41に読み出される。そして、ステップ112では、前述のステップ108で計算された損失値に対応するデータの選択が行われる。なお、計測時の損失値に一致するデータが存在しないときには、その損失値に最も近いデータを選択するか、若しくは、損失値の前後のデータを用いて損失値に対応するデータの補完を行うようにする。
ステップ113では、ステップ112で選択されたデータに従って、励起光源11を最適パワーで駆動させるための制御信号が演算処理回路41から駆動制御回路12に出力される。これにより、本体部1に接続されたEDFモジュール5内のEDF51が、波長に対する利得ばらつきを抑えることのできる望ましいパワーの励起光Lpによって励起されるようになる。なお、ステップ109において、ステップ108で計算される損失に基づく上記の望ましい励起光パワーの値が、本体部1に実装された励起光源11の定格パワー値を超えてしまうような場合には、励起光源11の駆動制御を中断して、例えば「EDFモジュール不適合アラーム」を発出するようにし、再度計測光Lmによる計測を行う。
そして、ステップ114では、信号光Lsが入力ポートINに入力され、励起状態のEDF51において信号光Lsの増幅が行われる。このとき、信号光Lsの入力パワーおよび出力パワーが各モニタPD22A,22Bで検出され、各々の検出結果を示す信号がIV変換回路23A,23BおよびAD変換回路24A,24Bを介して演算処理回路41に送られる。演算処理回路41では、信号光Lsの入出力パワーのモニタ値に基づいて、光ファイバ増幅器の出力レベルが一定となるように、または、光ファイバ増幅器の利得が一定となるように励起光源11の駆動状態をフィードバック制御する信号が生成されて駆動制御回路12に出力される。これにより、光ファイバ増幅器のALCまたはAGCがステップ113で設定された望ましい励起光パワーを基準として実行されるようになる。
ここで望ましい励起光パワーを供給しても光増幅器から所望の出力パワーが得られない場合もあり得る。そこでステップ115では、出力パワーが妥当であるかの判断を行い、妥当でない場合には、EDFモジュール5と励起光源11との接続不良により励起光パワーがEDF51に充分に供給できていない可能性があるため「接続不良アラーム」を発出するとともに、励起光源11をシャットダウンさせる。
上記のように第1実施形態の光ファイバ増幅器によれば、本体部1に着脱自由に接続されるEDFモジュール5における損失をEDF51の損失波長特性に応じて定められる波長の計測光Lmを用いて計測し、その損失に応じて励起光Lpの供給パワーを自動的に最適化するようにしたことで、波長に対する利得のばらつきを抑えることのできる望ましいパワーの励起光LpによってEDF51を励起することが可能になる。また、光コネクタ52A,52Bの接続不具合やEDF51の断線等が発生した場合には、励起光LpがEDFモジュール5に供給されることなく、「EDFモジュール異常アラーム」が発出されるようになるため、大きなパワーの励起光Lpが外部に放射されたり、光コネクタ52A,52Bの接続不具合が何等かのきっかけで正常な接続状態に戻った場合に光サージが発生したりするような不都合な事態を未然に回避することもできる。よって、広範囲に亘って要求される利得等の特性に対して、最適なEDFモジュール5を本体部1に接続するだけで対応可能になるため、多数の品種の光ファイバ増幅器を設計する必要がなくなり開発費を大幅に削減することができると共に、製造後の光ファイバ増幅器の管理費も抑えることが可能になる。また、要求される特性に変更が生じた場合には、EDFモジュール5の交換を行うだけで自動的に対処することが可能になるため、設計変更の手間が極端に小さくなるほか、EDFモジュール5の交換作業自体も非常に簡単に行うことができ、加えて、交換後の保守作業も殆ど不要となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、第2実施形態の光ファイバ増幅器の要部構成を示す図である。
図5において、本光ファイバ増幅器に適用されるEDFモジュール5は、上述した第1実施形態の構成について、本体部1への接続状態およびその種別を自動的に検出可能にする複数(ここでは、例えば最大で5本とする)のGND端子53を設けたものである。また、このGND端子53に対応させて、本体部1には電気コネクタ17が設けられる。なお、EDFモジュール5のGND端子53以外の構成および本体部1の電気コネクタ17以外の構成は、第1実施形態の場合と同様であるため、ここでの説明を省略する。
各GND端子53は、各々の一端がEDFモジュール5の内部で接地されており、他端が本体部1への接続時に電気コネクタ17に挿入される。ここでは、EDFモジュール5の光コネクタ52A,52Bの間に1列に並べられた5本のGND端子53のうちの両端に位置するGND端子53(図中でハッチングを施した端子)が、本体部1に対してEDFモジュール5が正常に接続された否かを検出するために用いられ、その両端のGND端子53の間に位置する3本のGND端子が、各々の位置や組み合わせによってEDFモジュール5の種別(例えば、EDF51の長さ等を表す)を検出するために用いられる。
図6は、5本のGND端子53の具体的な配置例を示す図である。
図6の(A−1)〜(A−3)は、種別の検出に用いられる3本のGND端子53のうちの1箇所だけにGND端子53を配置し、そのGND端子53の位置によってEDFモジュール5の種別を検出できるようにした一例である。また、図6の(B−1)〜(B−3)は、種別の検出に用いられる3本のGND端子53のうちのすべて若しくは2箇所にGND端子53を配置し、それらGND端子53の組み合わせの配置によってEDFモジュール5の種別を検出できるようにした一例である。
なお、ここでは5本のGND端子53を利用してEDFモジュール5の接続状態と種別の検出を行うようにしたが、GND端子53の本数は上記の一例に限定されるものではなく、EDFモジュールの品種に応じて任意に設定することが可能である。また、複数のGND端子53の配置は1列(1次元配列)だけでなく2次元配列としても構わない。
上記のような構成の光ファイバ増幅器では、例えば、前述の図4に示したEDFモジュール5の交換時のシーケンスにおいて、ステップ102やステップ105で実行される処理として、両端の2本のGND端子53が電気コネクタ17に接続されたことを本体部1側で確認することによって、EDFモジュール5が正常に実装されたことが検出される。なお、両端の2本のGND端子53の接続が確認できない場合には、異常状態として励起光Lpの供給が開始されないようにする。また、EDFモジュール5の接続状態の検出と同時に、両端の2本のGND端子の間に設けられたGND端子53の配置に応じて、本体部1に接続されたEDFモジュール5の種別が検出される。この種別の検出によってEDFモジュール5内に設けられたEDF51の長さ等の設計の基準値が演算処理回路41で認識される。このEDFモジュール5の種別検出に応じて前述の損失計測時に損失値が妥当であるかの閾値を変化させることにより、EDFモジュール5の接続が適切であるかの判断をより正確にすることができる。さらに、第1実施形態の場合と同様にして計測光Lmを用いた損失の検出によって、製造誤差等による設計基準値からのずれの補正が行われるようになる。
このように第2実施形態の光ファイバ増幅器によれば、EDFモジュール5に設けた複数のGND端子53を利用して、本体部1に対する接続状態だけでなくEDFモジュール5の種別までを検出できるようにしたことで、使用されるEDFモジュール5の特性に対応した励起光パワーの制御をより確実に行うことが可能になる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
上述した第1および第2実施形態に用いられる計測用光源31および駆動制御回路32は、EDFモジュール5の新規装着および交換時にのみ使用され、通常の運用時には使用されないものであるため、従来の光ファイバ増幅器と比べて光源およびその駆動制御回路を1組余分に搭載する必要が生じる。そこで、第3実施形態では、長距離光伝送システム等への適用を考えた場合に光ファイバ増幅器に必ず搭載されることになる監視制御信号光(OSC)用の光源およびその駆動制御回路を計測光用としても兼用するようにした応用例を説明する。
図7は、第3実施形態による光ファイバ増幅器の構成を示すブロック図である。
図7において、本光ファイバ増幅器の構成が上述の図1に示した第1実施形態の場合と異なる部分は、監視制御信号光Loscを生成して増幅後の信号光Lsに合波して出力するOSC用光源61、駆動制御回路62および光カプラ63を追加すると共に、そのOSC用光源61および駆動制御回路62を第1実施形態における測定光用光源31および駆動制御回路32として利用するために光スイッチ64を設けた部分である。上記以外の他の部分の構成は、第1実施形態の場合と同様であるため、ここでの説明を省略する。
OSC用光源61は、信号光Lsおよび励起光Lpとは波長の異なる光を発生する半導体レーザ等の一般的な光源であって、その波長は上述の図3を参照して説明したように、1570nm〜1590nmの波長帯域内に設定されているものとする。駆動制御回路62は、演算処理回路41から出力される制御信号に応じて、監視制御信号光Loscを出力する場合には監視制御情報に従って変調された駆動電流をOSC用光源61に与え、一方、EDFモジュール5の損失を計測するための計測光Lmを出力する場合には、一定の値の駆動電流をOSC用光源61に与える。光カプラ63は、OSC用光源61から光スイッチ64を介して送られてきた監視制御光Loscを、EDFモジュール5で増幅され光カプラ13,21Bを通過した信号光Lsに合波して出力ポートOUTに出力するものである。
光スイッチ64は、演算処理回路41から出力される切り替え制御信号に従って、OSC用光源61から監視制御信号光Loscが出力されるときには、その監視制御信号光Loscを光カプラ63側(以下、0側とする)に伝達し、OSC用光源61から計測光Lmが出力されるときには、その計測Lmを光カプラ33側(以下、1側とする)に伝達する。なお、光スイッチ64で1側に伝達された計測光Lmは光カプラ33を介してEDFモジュール5の光コネクタ52Aに与えられる。
次に、上記のような構成の光ファイバ増幅器においてEDFモジュール5の交換を行う際に実行される一連の処理について、図8のフローチャートを参照しながら詳しく説明する。
本光ファイバ増幅器では、EDFモジュール5の交換を行う直前まで、図8のステップ201に示すように、OSC用光源61において監視制御信号光Loscが生成され、その監視制御信号光Loscが、光スイッチ64を介して光カプラ63に送られ、光カプラ63で増幅後の信号光Lsと合波されて、出力ポートOUTから下流の装置に向けて送出される。そして、EDFモジュール5の交換を行う際には、まず、ステップ202において、それまで本体部1に接続されていたEDFモジュール5の取り外しが行われる。ステップ203では、EDFモジュール5が外れたか否かが検出される。EDFモジュール5の外れが検出されると、ステップ204で励起光源11による励起光Lpの供給がシャットダウンされる。この際、OSC用光源61はそのままの駆動状態に維持される。
そして、ステップ205では、本体部1に対する新しいEDFモジュール5の接続が行われる。ステップ206では、EDFモジュール5が接続された否かの検出が行われる。EDFモジュール5の接続が検出されると、ステップ207で光スイッチ64の接点を0側から1側に切り替えるための信号が演算処理回路41から光スイッチ64に出力される。光スイッチ64の接点の切り替えが完了すると、ステップ208でOSC用光源61の駆動状態を連続発振モードに切り替えるための制御信号が演算処理回路41から駆動制御回路62に出力される。これにより、モジュール通過後にモニタPD22Bによって検出可能かつEDF51の利得特性に影響を与えない一定レベルに制御された計測光LmがOSC用光源61から出力されるようになり、その計測光Lmが光スイッチ64を介して光カプラ33に送られる。
ステップ209では、光カプラ33、EDFモジュール5および光カプラ13を順に通過した計測光Lmのパワーが、光カプラ21BおよびモニタPD22Bによって検出され、その検出結果を示す信号がIV変換回路23BおよびAD変換回路24Bを介して演算処理回路41に送られる。ステップ210では、光スイッチ64の接点を1側から0側に切り替えるための信号が演算処理回路41から光スイッチ64に出力される。光スイッチ64の接点の切り替えが完了すると、ステップ211でOSC用光源61の駆動状態を変調モードに切り替えるための制御信号が演算処理回路41から駆動制御回路62に出力される。これにより、OSC用光源61から再び監視制御信号光Loscが出力されるようになり、その監視制御信号光Loscが光スイッチ64を介して光カプラ63に送られる。
次に、ステップ212では、演算処理回路41において、OSC用光源61から送出された計測光Lmのパワーと、モニタPD22Bによって検出された計測光Lmのパワーとを基に、EDFモジュール5の通過によって生じた損失が計算される。そして、ステップ213では、ステップ212で計算された損失が妥当な値であるか否かの判定が行われ、る。具体的には、計測時の損失値が予め設定した閾値以上の場合には、以降、励起光Lpの供給が開始されないように、例えば「EDFモジュール異常アラーム」が発出される。一方、計測時の損失値が閾値よりも小さく妥当な値となっていれば、ステップ214に進んで、記憶回路42に予め記憶された、EDFモジュール5の損失値に対応する励起光パワーの最適値を示すデータが演算処理回路41に読み出される。そして、ステップ215では、前述のステップ212で計算された損失値に対応するデータの選択が行われる。
ステップ216では、ステップ215で選択されたデータに従って、励起光源11が最適パワーで駆動される。そして、ステップ217では、信号光Lsが入力ポートINに入力され、励起状態のEDF51において信号光Lsの増幅が行われる。このとき、信号光Lsの入力パワーおよび出力パワーが各モニタPD22A,22Bで検出され、各々の検出結果を示す信号がIV変換回路23A,23BおよびAD変換回路24,24Bを介して演算処理回路41に送られる。演算処理回路41では、信号光Lsの入出力パワーのモニタ値に基づいて、光ファイバ増幅器の出力レベルが一定となるように、または、光ファイバ増幅器の利得が一定となるように励起光源11の駆動状態をフィードバック制御する信号が生成されて駆動制御回路12に出力される。これにより、光ファイバ増幅器のALCまたはAGCがステップ216で設定された最適励起光パワーを基準として実行されるようになる。
また、第1実施形態の場合と同様に、望ましい励起光パワーを供給しても光増幅器から所望の出力パワーが得られない場合もあり得る。そこで、ステップ218では出力パワーが妥当であるかの判断を行い、妥当でない場合には接続不良により励起光源11からの励起光がEDFモジュール5に充分に供給できていない可能性があるため「接続不良アラーム」を発出するとともに、励起光源11をシャットダウンさせる。
上記のような第3実施形態の光ファイバ増幅器によれば、監視制御信号光Loscを送信するための光源61および駆動制御回路62を利用して計測光Lmを発生させるようにしたことで、EDFモジュール5の損失を計測するための光源および駆動制御回路を別途用意する必要がなくなるため、より低コストの光ファイバ増幅器を実現することが可能になる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
上述した第1〜第3実施形態では、本体部1に接続されるEDFモジュール5の種別に対応させて励起光Lpの供給パワーを最適化することにより、波長に対する利得のばらつきが抑えられるようにして、利得のばらつきを平坦化するための利得等化器等を特に設けない構成例を示した。第4実施形態では、上記利得のばらつきをより平坦化させるために利得等化器を設けるようにした場合の応用例について説明する。
図9は、第4実施形態の光ファイバ増幅器に用いられるEDFモジュールの構成を示す図である。
図9に示すEDFモジュール5は、例えば、入力側の光コネクタ52Aが一端に接続されたEDF51の他端と、出力側の光コネクタ52Bとの間に、光アイソレータ54および利得等化器(GEQ)55を順に接続して構成される。光アイソレータ54は、EDF51の他端から利得等化器55の方向に伝搬する光を通過させ、それとは逆方向に伝搬する光の通過を阻止する。この光アイソレータ54は、利得等化器55において反射された信号光Ls等が前段側に伝達されないようにするためのものである。なお、上記の光アイソレータ54を設けたことにより、ここでは図示しないが本体部1の構成が前方励起型に変更されているものとする。
利得等化器55は、EDF51の利得波長特性とは逆の損失波長特性を有する光フィルタ等を用いた公知の利得等化器である。具体的に、EDF51の長さ等に対応させた最適励起光パワーにより励起されたEDF51の利得波長特性が、例えば図10(A)に示すような特性であったとすると、利得等化器55の損失波長特性は、図10(B)に示すような逆特性となるように設計される。このような損失波長特性を有する利得等化器55を使用することにより、EDFモジュール5全体としての利得波長特性は図10(C)に示すような平坦な特性が得られるようになる。
上記のような構成の光ファイバ増幅器では、EDFモジュール5の内部に利得等化器55を設けるようにしたことで、モジュール5内のEDF51と、そのEDF51の長さ等に応じて損失波長特性が最適設計された利得等化器55とが必ずペアで使用されるようになる。利得等化器55の使用が必要となるような波長帯域の広い光ファイバ増幅器において、交換可能なEDFモジュール5の外部に利得等化器が設けられていると、EDFモジュール5の交換を行ってその前後で利得波長特性が変化した場合には、利得等化器も含めた光ファイバ増幅器全体での利得波長特性に偏差が生じてしまう可能性が高い。しかし、本光ファイバ増幅器では、EDFモジュール5内にEDF51および利得等化器55が内蔵されおり、EDFモジュール5の交換の際に特性上のペアは崩されないため、より平坦な波長特性の増幅光を得ることが可能になる。
また、本光ファイバ増幅器では、上述した第1〜第3実施形態の場合と同様にしてEDFモジュール5の交換を行った直後に損失の計測が行われるが、利得等化器55の損失波長特性は比較的自由に設計することが可能であるため、測定光Lmの波長付近で損失が極端に大きくならないように予め設計しておくことにより、EDFモジュール5内に利得等化器55を設けたことによる影響を最小限に抑えることができる。
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
(付記1)希土類ドープファイバと、該希土類ドープファイバに励起光を供給する励起光供給手段と、前記希土類ドープファイバに対して入出力される信号光のパワーを測定するする信号光パワー測定手段と、該信号光パワー測定手段の測定結果に基づいて、前記励起光供給手段から前記希土類ドープファイバに供給される励起光のパワーを制御する励起光制御手段と、を備えた光ファイバ増幅器において、
前記励起光供給手段、前記信号光パワー測定手段および前記励起光制御手段を有する本体部に対して、前記希土類ドープファイバを着脱自由に接続することが可能な希土類ドープファイバモジュールと、
前記希土類ドープファイバの損失波長特性に応じて予め設定した波長帯域内の計測光を発生し、前記本体部に接続された希土類ドープファイバモジュールに対して前記計測光を与え、前記希土類ドープファイバモジュールを通過した計測光のパワーを検出し、該検出結果を基に前記希土類ドープファイバモジュールで生じる損失を計測する損失計測手段と、を備えて構成され、
前記励起光制御手段は、前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失に従って、前記希土類ドープファイバにおける増幅波長帯域内の利得のばらつきが最も小さくなる最適励起光パワーを判断し、該最適励起光パワーを基準として前記励起光供給手段の動作を制御することを特徴とする光ファイバ増幅器。
(付記2)前記希土類ドープファイバがエルビウムドープファイバであるとき、
前記計測光の波長は、1570nm〜1590nmの波長帯域内に設定されることを特徴とする付記1に記載の光ファイバ増幅器。
(付記3)前記希土類ドープファイバモジュールは、前記希土類ドープファイバの両端にそれぞれ設けた光コネクタを有し、
前記本体部は、前記希土類ドープファイバモジュールの各光コネクタに対応したアダプタを有することを特徴とする付記1または2に記載の光ファイバ増幅器。
(付記4)前記励起光制御手段は、前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失が予め設定した閾値よりも大きいとき、前記励起光供給手段をシャットダウン制御することを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載の光ファイバ増幅器。
(付記5)前記励起光制御手段は、前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失が前記閾値よりも大きいとき、異常アラームを発出することを特徴とする付記4に記載の光ファイバ増幅器。
(付記6)前記励起光制御手段は、前記希土類ドープファイバモジュールの損失に対する前記最適励起光パワーの関係を示すデータを予め記憶させた記憶回路を有し、該記憶回路の記憶データのうちから前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失に対応したデータを選択して、前記最適励起光パワーを判断することを特徴とする付記1〜5のいずれか1つに記載の光ファイバ増幅器。
(付記7)前記励起光制御手段は、前記記憶回路の記憶データを参照して判断した最適励起光パワーの値が、前記励起光供給手段に含まれる励起光源の定格パワー値を超えたとき、不適合アラームを発出することを特徴とする付記6に記載の光ファイバ増幅器。
(付記8)前記希土類ドープファイバモジュールは、前記本体部との接続時に、前記本体部の所定の位置に接触する少なくとも1つの端子を有し、
前記励起光制御手段は、前記端子の接触状態に基づいて前記希土類ドープファイバモジュールが接続されているか否かを検出することを特徴とする付記1〜7のいずれか1つに記載の光ファイバ増幅器。
(付記9)前記希土類ドープファイバモジュールは、前記本体部との接続を検出する複数の端子を有し、前記複数の端子の接触位置により判別される前記希土類ドープファイバ長により前記計測光の損失の閾値が求められることを特徴とする付記4に記載の光ファイバ増幅器。
(付記10)運用時に信号光とは波長の異なる監視制御信号光を生成し、該監視制御信号光を増幅後の信号光に合波して出力する監視制御信号光送信手段を備え、
前記損失計測手段は、前記希土類ドープファイバモジュールの損失計測時に、前記監視制御信号光送信手段で生成される光を前記計測光として用いることを特徴とする付記1〜9のいずれか1つに記載の光ファイバ増幅器。
(付記11)前記希土類ドープファイバモジュールは、希土類ドープファイバが前記最適励起光パワーで励起されたときの利得波長特性とは逆の損失波長特性を有する利得等化器を備えたことを特徴とする付記1〜10のいずれか1つに記載の光ファイバ増幅器。
本発明の第1実施形態による光ファイバ増幅器の構成を示すブロック図である。 上記第1実施形態の具体的な実装例を示す概略図である。 一般的なEDFについての1550nm付近における損失波長特性の一例を示す図である。 上記第1実施形態におけるEDFモジュールの交換時の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態による光ファイバ増幅器の要部構成を示す図である。 上記第2実施形態におけるGND端子の具体的な配置例を示す図である。 本発明の第3実施形態による光ファイバ増幅器の構成を示すブロック図である。 上記第3実施形態におけるEDFモジュールの交換時の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第4実施形態による光ファイバ増幅器に用いられるEDFモジュールの構成を示す図である。 上記第4実施形態における利得等化器の損失波長特性を説明するための図である。 一般的な長距離光伝送システムの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1…本体部
5…EDFモジュール
11…励起光源
12,32,62…駆動制御回路
13,21A,21B,33,63…光カプラ
15,54…光アイソレータ
16A,16B…アダプタ
22A,22B…モニタPD
23A,23B…IV変換回路
24A,24B…AD変換回路
31…計測用光源
41…演算処理回路
42…記憶回路
51…エルビウムドープファイバ(EDF)
52A,52B…光コネクタ
53…GND端子
55…利得等化器(GEQ)
61…OSC用光源
64…光カプラ

Claims (5)

  1. 希土類ドープファイバと、
    前記希土類ドープファイバに励起光を供給する励起光供給手段と、
    前記希土類ドープファイバに対して入出力される信号光のパワーを測定する信号光パワー測定手段と、
    前記信号光パワー測定手段の測定結果に基づいて、前記励起光供給手段から前記希土類ドープファイバに供給される励起光のパワーを制御する励起光制御手段と
    前記励起光供給手段、前記信号光パワー測定手段および前記励起光制御手段を有する本体部に対して、前記希土類ドープファイバを着脱自由に接続することが可能な希土類ドープファイバモジュールと、
    前記希土類ドープファイバの非励起状態における損失波長特性に応じて予め設定された波長帯域内の計測光を発生し、前記本体部に接続された希土類ドープファイバモジュールに対して前記計測光を与え、前記希土類ドープファイバモジュールを通過した計測光のパワーを検出し、前記検出結果を基に前記希土類ドープファイバモジュールで生じる損失を計測する損失計測手段と、を備え
    前記励起光制御手段は、前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失に基づき得られる最適励起光パワーを基準として前記励起光供給手段の動作を制御し、
    前記予め設定された前記計測光の前記波長帯域は、前記計測光が前記損失計測手段により前記パワーを検出可能であり、かつ、前記損失計測手段により計測される前記希土類ドープファイバモジュールで生じる前記損失に基づき、前記希土類ドープファイバの長さを認識可能である波長帯域であることを特徴とする光ファイバ増幅器。
  2. 前記励起光制御手段は、前記損失計測手段で計測される希土類ドープファイバモジュールの損失が予め設定した閾値よりも大きいとき、前記励起光供給手段をシャットダウン制御することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ増幅器。
  3. 前記希土類ドープファイバモジュールは、前記本体部との接続を検出する複数の端子を有し、前記複数の端子の接触位置により判別される前記希土類ドープファイバ長により前記計測光の損失の閾値が求められることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ増幅器。
  4. 信号光とは波長の異なる監視制御信号光を生成し、前記監視制御信号光を増幅後の信号光に合波して出力する監視制御信号光送信手段を備え、
    前記損失計測手段は、前記希土類ドープファイバモジュールの損失計測時に、前記監視制御信号光送信手段で生成される光を前記計測光として用いることを特徴とする請求項1乃至3に記載の光ファイバ増幅器。
  5. 前記希土類ドープファイバはエルビウムドープファイバであり、前記予め設定された前記計測光の前記波長帯域は、1570nm乃至1590nmであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ増幅器。
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