JP4312524B2 - マンガの線画像成形方法、装置およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、紙媒体向けに制作されたマンガから、汎用性が高いベクトル形式の線画像データを生成する際に線画像を成形する方法、装置およびコンピュータプログラムに関する。特に、スクリーントーン等のドットによる表現が用いられたマンガから線画像を分離する際に用いる方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、マンガの電子配信が検討されている。紙媒体に向けて作成されたマンガを電子的に配信するためには、電子化したファイルを作成する必要がある。この電子ファイルとしては、例えばビットマップ形式(ラスター形式)の画像ファイルや、ベクター形式(ベクトル形式)の画像ファイルといった各種のフォーマットの画像ファイルが使用可能である。
【0003】
これらの電子ファイルを用いて電子配信を行なう際には、それをブラウズ(閲覧)する電子機器にとって都合の良い電子ファイルのフォーマットが選択されることが多い。電子機器は、通常、様々な画像形式(白黒、カラーの区別、階調数、解像度等)のうちから特定の形式の表示だけが可能であることが多い。例えば、白黒表示ができるがカラー表示ができない電子機器などがある。こういった電子機器のハードウエア上の仕様は、種々の要因で定められる。実際の電子配信を普及させる際には、このようなハードウエア上の仕様を考慮して配信するマンガのファイルフォーマットが定められることがある。このような場合、結果的に、電子配信のファイルのフォーマットの選択が、電子機器のハードウエア仕様によって左右されるものとなる。
【0004】
マンガの電子化を行なうにあたり、複数の種類のファイルフォーマットが存在すると、配信先に適合するように様々なファイルフォーマットでの電子化作業が必要となり、マンガの電子化のコストが多大となる。これらを背景として、マンガの特徴をできるだけ忠実に電子化し、しかも、電子化した後のデータには、今後の電子機器の発展や進化に十分に対応できるだけの汎用性を持たせるマンガ用途に適したファイルフォーマットが本願出願人により開発され、コミックスタジオ形式として知られている。
【0005】
コミックスタジオ(登録商標)とは、マンガを電子的に作成するための図形描画ツールとなるソフトウエアであり、「コミックスタジオ形式」とは、このコミックスタジオで作成したマンガが保存されるファイルフォーマットである。このフォーマットのファイルは、線画、中間階調部分、ベタ塗り部分(黒表示)、テキストに分けてデータを保有する。線画は、ベクター形式(座標、太さの情報を少なくとも有する線画の形式)でデータを保有する。それに加え、中間階調部分、ベタ塗り部分も、画素毎に画素値が与えられるようなラスター形式のデータではなく、一定の領域を塗りつぶす要素形状と、要素形状毎に与える属性(中間調の濃度、網点の大きさ等)によって表現される。ラスター形式ではないという意味で、「ベクター形式」との表現を用いると、中間階調部分、ベタ塗り部分もベクター形式によってデータを保持するものといえる。このため、コミックスタジオ形式で保存されたデータは、表現される媒体に直接は依存しない形式でデータを保持している。このコミックスタジオ形式のファイルを用いると、各表現媒体に適した印刷や表示が可能となる。例えば、紙に印刷するときには、そのとき用いる印刷工程の特性にあわせて中間調を網点階調やスクリーントーンの表示にあわせて印刷し、電子機器に表示するときには、各電子機器の表示特性に合わせて各画素の濃度(明度)を定めるというように、表示や印刷の特性に合わせるデータを生成することができる。このような各表現媒体に合わせ、その媒体における最小単位における各点の濃度(明度)を定める処理は、ラスタライズ処理と呼ばれ、周知の技術である。このように、コミックスタジオ形式のフォーマットで汎用性の高いデータを得ることができれば、ラスタライズ処理によって各表現媒体で最適な表示を行なうことが可能である。
【0006】
一方、紙媒体向けに制作されたマンガの著作物の資産は、膨大な量が現存している。現在制作されて続けているマンガも、紙媒体向けに制作されているものが大半である。これらにおいては、オフセット印刷等の紙媒体に合わせて、微視的には階調表現のない一色刷りを前提にした表現が多くの場合に用いられている。この場合、通常は中間階調を表現できず、ドットの面積で明度を表現する網点階調や、予め定められた明度のパターンであるスクリーントーンによる階調表現が用いられる。これらの階調表現を、以下「トーン」という。このような場合でも、線は良好に再現される。特にマンガにおいては、線画を正確に再現することが重要である。線画は、マンガの絵にある迫力、繊細さを左右するためである。
【0007】
このような膨大なマンガ著作物を、汎用性を有するコミックスタジオ形式のフォーマットへと電子化する作業においては、紙媒体上でマンガを一体的に表現している線図、トーン、ベタ塗り、テキスト等を適切に分離して、コミックスタジオの形式に変換する必要がある。この際、テキストは、テンプレートマッチング等の従来の手法によって容易に機械的に認識可能である。これに対し、トーンと線画とを従来の画像処理方法を用いて分離しようとすると、例えば、図4bに示すように、線画の周囲にトーンの網点の最小単位が残存してしまう。つまり、線画に多数の枝状の分岐(以下「枝」という)を生じさせる。このような線画をそのままベクターとし、中間調、ベタ塗り部分をベクターに変換しても、マンガの表示において線画が正確に再現されず、電子化前のマンガが有する迫力や繊細さは再現されない。例えば電子機器を用いて表示を行なう際に、中間階調部分をトーンではなく中間明度の画素で表示すると、本来存在しないはずの「枝」が中間明度の表示部分の輪郭に残存し、電子機器によるマンガの再現が不自然になる。また、このようにベクター化されたデータを用いて紙媒体に従来の面積階調を用いて表現する場合であっても、その表示媒体に合わせたスクリーン線数(1インチ=2.54cmあたりのドット数)で中間調をラスタライズすると、やはり、枝とその表示におけるトーンとが異なるピッチとなり、印刷結果が不自然になることがある。
【0008】
このような枝を適切に消去するには、画像処理ソフトウエアを用いて手作業で修正を行なって各枝を消去する必要がある。このため、オリジナルのマンガの持つ表現を生かしつつ、紙媒体に向けて制作されたマンガに基づいてコミックスタジオ形式等のベクター形式の線画を持つファイルを作成するには、多大なコストがかかる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紙媒体で制作されたマンガや、制作後紙媒体に印刷されたマンガを、ベクター形式で線画のデータを保持するファイル形式に電子化する際に、その線画像に生じる多数の枝を適切に除去する方法、装置およびプログラムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、枝を線画像から除去するための方法が提供される。即ち、トーン画像とベタ画像と線画像を含むマンガの画像をコンピュータが受け付け、トーン画像とベタ画像と線画像とに分離して記録手段に格納する画像分離ステップと、該コンピュータが、該線画像の線上の各位置における線幅を算出して該記録手段に格納し、該線画像を細線化して前記記録手段に格納する細線化ステップと、前記コンピュータが、該細線化された線画像をベクトル化処理して、該ベクトルデータに基づいて線画像の枝部分を抽出して前記記録手段に格納する枝抽出ステップと、前記コンピュータが、該細線化された線画像から前記枝部分を消去して枝部分のない線画像のベクトルデータを生成し、前記記録手段にある前記線幅を該ベクトルデータに関連付けることにより、線幅を保持し枝部分のない線画像をベクトルデータとして復元し、前記トーン画像と前記ベタ画像とに関連付けて記録手段に格納する線画像復元ステップとを含んでなるマンガの線画像成形方法が提供される。
【0011】
この方法によって、線画像に残る枝部分が適切に除去されるので、紙媒体上に一旦表現されたマンガからも、汎用性の高いベクトルデータとして、オリジナルのマンガに表現されている線画像のベクトルデータを良好に、しかも効率よく生成することが可能となる。
【0012】
前記枝抽出ステップは、前記コンピュータが、前記ベクトルデータから線画像の分岐点を取得するサブステップと、前記コンピュータが、該分岐点に接続するある線分の長さを前記ベクトルデータから取得するサブステップと、前記コンピュータが、該線分の長さが所定の長さより短く、前記分岐点と接続していない前記線分の端部が他の分岐点にも他の線分にも接続していない場合に、前記線分を枝部分と判定するサブステップとを含むものとすることができる。
【0013】
線画像のベクトルデータから分岐点を抽出し、その分岐点につながる線分の長さのデータを用いれば、線分が枝であるかどうかが容易に判定できる。
【0014】
前記画像分離ステップは、前記コンピュータが、各画素を走査しながら、該画素の周辺画素の明暗の空間変化に基づいて、該画素がトーン画像に含まれるものであるかどうかを判定するトーン判定サブステップと、前記コンピュータが、該画素がトーン画像に含まれる場合に、トーン画像と判定される連続した領域を抽出して前記記録手段に格納するシードフィルサブステップとを含む。
【0015】
この方法によって、トーン画像であるかどうかが適切に判定され、トーン画像の切り出しが容易になる。
【0016】
前記画像分離ステップは、前記コンピュータが、トーン画像が除去されたトーン除去画像にぼかし処理を施すサブステップと、前記コンピュータが、該ぼかし処理された該トーン除去画像の階調を二値化処理するサブステップと、前記コンピュータが、該二値化処理された画像と前記トーン除去画像とに基づいて演算を行なうことにより前記トーン除去画像の輪郭部分を抽出し、線画として記録手段に記録するサブステップと、前記コンピュータが、前記トーン除去画像から該線画を除いたベタ画像を記録手段に記録するサブステップとを含む。
【0017】
この方法によって、線画像を生成する際に、ベタ画像と線画が混在した状態から自然な線画像を生成することが可能となる。
【0018】
本発明においては、枝を線画像から除去するための方法が装置される。トーン画像とベタ画像と線画像を含むマンガの画像を、トーン画像とベタ画像と線画像とに分離して出力する画像分離手段と、出力されたトーン画像とベタ画像と線画像とを記録する記録手段と、該線画像の線上の各位置における線幅を算出して該記録手段に格納し、該線画像を細線化して該記録手段に格納する細線化手段と、該細線化された線画像をベクトル化処理して、該ベクトルデータに基づいて、線画像の枝部分を抽出して前記記録手段に格納する枝抽出手段と、該細線化された線画像から前記枝部分を消去して枝部分のない線画像のベクトルデータを生成し、前記記録手段にある前記線幅を該ベクトルデータに関連付けることにより、線幅を保持し枝部分のない線画像をベクトルデータとして復元し、前記トーン画像と前記ベタ画像とに関連付けて記録手段に格納する線画像復元手段とを備えてなるマンガの線画像成形装置。
【0019】
この画像成形装置によれば、線画像に残る枝部分が適切に除去されるので、紙媒体で一度表現されているマンガからも、汎用性の高いベクトルデータとして、オリジナルのマンガに表現されている線画像を良好に生成することが可能となる。
【0020】
本発明においては、コンピュータに、上記マンガの線画像成形方法の各ステップを実行させるためのコンピュータプログラムが提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、コンピュータを用いて実施される。コンピュータには、演算装置、記憶装置、入力装置、通信装置、表示装置などの通常の装置が装備されている。マンガの原稿を取り込むためのスキャナーが接続されていてもよい。コンピュータの演算装置には、各ステップや各機能に対応した機能ブロックが、ソフトウエアによって実現される。
【0022】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、本実施の形態で実現されるマンガの画像の処理の概要を、処理の各段階で得られる画像を用いることにより説明する。その後、本実施の形態の処理フローやシステムについての詳細を説明する。
【0023】
[処理の概要]
図1〜9は、本実施の形態の処理システムによって実現される各段階におけるマンガの画像の状態である。説明のために全てを図面により表現しているが、必ずしもこれらの図面の全てが表示可能な状態のデータとして処理されるものではない。
【0024】
図1のマンガの画像100は、例えば、線画102、ベタ(塗りつぶされた部分)104、トーン(網点ドットにより明暗が表現された部分や、図示しないスクリーントーンによって明暗が表現された部分)106を少なくとも含むマンガの画像100である。この他に、ストーリーの内容を表わすテキスト(文字)を含む吹き出しなどが描かれているマンガであっても良い。
【0025】
このマンガの画像100から、まず、トーン画像200が分離される。この分離は、例えば、周囲にドットが有るか無いかを判定しながら、画素をスキャンしてその画素がトーン画像にあるかトーン画像にないかを順次判定しながら行なわれる。このトーン画像は、マンガの画像100のうちのトーン部分106のみを選んで分離したものと概ね一致する。一致しない部分は、このトーン画像の分離の処理の際にトーン106が線画102やベタ画像104の境界から分離できない僅かな境界領域である。本発明においてはこの領域に関して後の処理で適切に処理される。トーン画像200が分離された後、さらにベタ画像104と線画102が互いに分離されて、それぞれ、図3のベタ画像300、図4aの線画像400が得られる。このベタ画像104と線画102は、分離する前は一体の画像であるトーン除去画像となっている。そのためそのトーン除去画像に見られる黒表示の周囲部分を線画102とし、その周囲部分を除いた黒表示の部分をベタ画像104とする。トーン除去画像の黒表示部分の周囲部分を選択するために、ぼかし処理と二値化処理と画素の演算処理を用いる。ぼかし処理は2値より多い画素レベルを有する多階調で行なわれる。そのぼかしによって生じた黒表示部分の周囲の明暗変化を、適当なしきい値を用いる二値化処理によって白黒(明暗)に変換する。そして、その画像と元のトーン除去画像から演算処理により黒表示の周囲部分のみを選択する。
【0026】
線画像400を拡大すると、トーン画像のドットが線に付着した線が得られる(図4b)。このような線は、本来はトーン画像の一部とされなければならないドットが線画像に接しているために、線画像の一部と判定されて凹凸を生じたものである。このパターンは、図4bの拡大部分402および402に示したように、人の目では容易にドットであることが識別できる。しかし、ドット自体が微細でありその数が膨大であるために、人の目で認識して個別に位置を選んで画像処理ソフトウエアなどで修正を行なう処理は膨大な手間を要する。
【0027】
この凹凸の生じた線画は、本実施の形態の処理により、細線化され、細線化された線画像500(図5a)として得られる。細線化は、線そのものを細い線に加工して凹凸の判定を容易にする処理である。細線化する処理は、その線を構成する黒表示の画素が、線の外の白表示の部分からどれだけの画素数分だけ隔たっているかという距離の算出と同時に行なわれる。その距離が1である画素は、その画素の近傍8画素の少なくとも一つが白画素であり、1を超える場合場合には、その画素の近傍8画素に白表示の画素があることはない。なお、ここで、距離は画素を単位として表現している。細線化処理は、画素毎に割り当てられた白表示画素からの距離の分布の峰となる画素位置を割出すことにより、行なう。この際、この細線化する前の距離情報は、その線分の部分における線幅の情報となるため、後に用いるために別途記録される。図5bはこの細線化された線画像500の一部分502を説明のために拡大して示す図である。図4においては線幅が太く、ドットによって線に凹凸が生じていたが、細線化されることにより、凹凸ではなく、枝状の線分となる。
【0028】
この細線化の処理を行なうことにより、次いで、枝部分を含んだままの線画像をベクトル化することができる。ベクトル化されたデータは、線画を構成する線分ごとに求められ、開始点と種類、終了点と種類、方向ベクトル、方向ベクトルの数を少なくとも含むデータである。ここで、開始点とは、線分の始まる画素位置を示す画像の座標であり、終了点とは線分の終わる画素位置を表わす座標である。また、開始点や終了点の種類とは、その開始点または終了点が端点であるか分岐点であるかの種類であり、方向ベクトルとは、細線化された線分を開始点(開始画素)から画素を順次辿って終了点(終了画素)に向うまでの各画素における移動方向のデータ(例えば、ある画素の近傍8画素を、右画素を0として反時計回りに7までのコードで表現したデータ)である。この方向ベクトルは、開始点から終了点に線分を辿ることができる数である「方向ベクトルの数」だけ保持される。したがって、方向ベクトルの数は線分の長さに関連したものとなる。
【0029】
この線分の開始点あるいは終了点の種類のデータにより、分岐点が求まる。このようにして求められる分岐点602〜614を図6にそれぞれを四角形で囲んで示す。図6では各分岐点には3つの線分が接続されている。
【0030】
さらに予め定められた枝として判定するしきい値となる線分の長さ(枝距離)とそれぞれのベクトルデータが保持する線分の長さ(方向ベクトルの数)を比較し、枝距離以下の場合は枝の可能性があるので、引き続き、その線分の他の端部が他の分岐点や線分に接続しているかを判定する。例えば、開始点か終了点かいずれかが分岐点で、他方が端点である場合には、その線分は枝であると判定される。この判定によって、例えば、図7の線分702〜710は枝であると判定され、線分722〜736は枝ではないと判定される。
【0031】
枝であると判定された線分702〜710が消去されると、線分722〜736によって構成され、枝を除いた線画が得られる(図8a)。記録しておいた線幅の情報をこの線画に用いて線幅を再現すれば、枝を適切に除去した線画が復元される(図8b)。このようにして復元された、ドットの影響による枝を除去した画像900の例を図9に示す。
【0032】
[システム構成]
図10に本実施の形態に係るマンガの線画像成形システム1を示す。マンガの画像2はマンガの線画像成形システム1に入力される。マンガの画像2は、典型的には、紙に描かれたマンガの原稿や、既に印刷されたマンガの印刷物などである。マンガの画像2は、スキャナーなどの適当な手段によって光学的に読み取られ、デジタルデータとしてマンガの線画像成形システム1に入力される。なお、この際のマンガの画像は、高い解像度、例えば、数百dpi(dot/inch=2.54cmあたりのドット数)より高い解像度で読み取られ、データ化されている。マンガの線画像成形システム1は、そのデータを直接処理しても良いし、適当な記録装置に一旦蓄積して処理を行なっても良い。マンガの線画像成形システム1には、演算手段10が備えられ、また、記録手段20が備えられている。演算手段10には機能ブロックとして各種手段が実現されている。画像分離手段12は、マンガの画像を、トーン画像22とベタ画像24と線画像26aとに分離して出力する。細線化手段14は、線画像26aの線上の各位置における線幅28を算出して格納し、線画像26aを細線化された線画像30として格納する。枝抽出手段16は、細線化された線画像30をベクトル化処理して、ベクトルデータに基づいて枝部分を抽出し、線画像の枝部分32を格納する。線画像復元手段18は、細線化された線画像30から枝部分32を消去して枝部分のない線画像のベクトルデータを生成し、線幅28を線画像のベクトルデータに関連付けて、線幅を保持し枝部分のない線画像をベクトルデータ26bとして復元し、トーン画像22とベタ画像24とに関連付けて記録する。線幅を保持し枝部分のない線画像をベクトルデータ26bは、適当なラスタライズ手段(図示しない)によって表示可能な画像に変更されて、表示手段(図示しない)を通じてユーザーに提示されてもよい。その場合には、ユーザーは、その画像を確認して、枝部分が適切に除去されているかどうかを確認することができる。
【0033】
枝抽出手段16には、ベクトルデータから線画像の分岐点を取得する機能162と、分岐点に接続するある線分の長さをベクトルデータから取得する機能164と、線分の長さが所定の長さより短く、分岐点と接続していない線分の端部が他の分岐点にも他の線分にも接続していない場合に、線分を枝部分と判定する機能166とが実現される。
【0034】
画像分離手段12には、各画素を走査しながら、画素の近傍の画素の明暗の空間変化に基づいて、画素がトーン画像に含まれるものであるかどうかを判定するトーン判定機能122と、画素がトーン画像に含まれる場合に、トーン画像と判定される連続した領域を抽出して記録手段に格納するシードフィル機能124が実現される。
【0035】
画像分離手段には、トーン画像が除去されたトーン除去画像にぼかし処理を施す機能126と、ぼかし処理されたトーン除去画像の階調を二値化処理する機能128と、二値化処理された画像とトーン除去画像とに基づいて演算を行なうことによりトーン除去画像の輪郭部分を抽出し、線画として記録手段に記録する機能130と、トーン除去画像から線画を除去してベタ画像として記録手段に記録する機能132とが実現される。
【0036】
[処理手順]
図11〜13、15、17に本実施の形態に係るマンガの線画像成形システム1の処理手順の詳細を示す。また、図14、16にその処理を説明する説明図を示す。
【0037】
図11は、マンガの線画像成形システム1の処理の一連の処理フローを示すフローチャートである。処理を開始すると、マンガの画像を受け付ける(S2)。このマンガの画像は、トーン画像とベタ画像と線画像を含んでおり、これらを分離する(S4およびS6)。この分離する処理は、まず、トーン画像を分離する(S4)。この具体的方法を図12および図13により説明する。トーン画像を分離するには、まず、マンガの画像を構成するいずれかの画素、例えば左上の画素を選び注目画素とする(S22)。次に、注目画素の周辺部分の画素の値を取得する(S24)。これにより、注目画素部分が、周辺も含めて、トーン画像であるかどうかが判定可能となる。これは下記で図13を参照して説明するようにして行なうことができる。これを判定した結果(S26)、トーン画像である場合には、シードフィル(seed fill)処理が実行される(S28)。シードフィル処理の内容については、図12を用いて後述する。その後、マンガの画像に注目すべき画素があるかないかを判定し(S30)、終了するか、あるいは、再度注目画素を移動して(S32)処理を繰り返す。
【0038】
シードフィル処理とは、一般に、注目画素が処理の対象とすべきと判定された場合に、その注目画素を種(シード)として、さらにその注目画素に隣接した画素が処理対象となるかどうかを判定し、注目画素を処理対象となる範囲で順次移動して対象にすべきと判定される連続領域を選択する手法である。本発明では、注目画素は、マンガの画像を高解像度で電子化した一つの画素であり、マンガが印刷用原稿や印刷物である場合、典型的には白または黒のデータを有する。従って、注目画素の周囲の画素値も用いて初めてその注目画素がトーン画像の一部でドットを有しているかどうかが判定される。その周囲も含めた画像の明暗の空間変化に基づいて処理がされ、単に一つの注目画素の画素値のみを用いるのではない。これは、注目画素がトーン画像に含まれるかどうかを判定する他の処理においても成り立ち得る(例えば、ステップS26)。
【0039】
シードフィル処理では、まず、注目画素と周辺画素にあるドットの大きさやドット数を取得する(図13、S282)。そして、しきい値となるある大きさより小さなドットが存在し(S284)、しきい値となるある数より多くドットが存在する場合(S286)には、その注目画素および周辺画素がトーン画像であると判定される(S288)。いずれかの条件が満たされない場合、注目画素の移動方向に判定していない方向が残されていなければ、トーン画像と判定された連続領域を記録し(S296)、終了する。トーン画像であると判定されたり、注目画素の移動方向にまだ判定していない方向があれば、その周辺画素の外に新たな注目画素を選び(S290)、その周囲の画素値を取得して(S292)、処理を繰り返す。この処理によって、注目画素を、画素単位ではなく、周辺まで含めた画素の集合によって判定することができるので、トーン画像として判定された連続した領域を効率よく定めることができる。このようにトーン画像を分離すると、例えば、図2のようなトーンのみの画像の領域が定められる。
【0040】
次に、トーン画像を分離した残りの画像から、線画像を分離する(図11、S6)。この処理を図14および図15によって説明する。図14は、縦方向に画素値(ここでは、黒を1、白を0と表示しており、中間値も取り得るものとする)、横を画像上のある直線上の位置と取った画素値の空間変化の模式図である。図14aは、ある黒い領域をまたぐような線状での画素値の空間変化を示している。この黒い領域は、マンガの画像からトーン画像のみを除去し、ベタ画像と線画像が混じった状態の画像に相当する。この画像にぼかし処理をすると、画素値は図14bのような空間変化を示す。そして、階調数を削減するポスタリゼーション処理(ここでは、4階調にしている)をして、図14cのような階段状の空間変化とする。適当なしきい値を用いて、再度この画像を二値化すると、図14dのように、元の空間変化に類似し、しかし、周辺部分の黒い部分が白に変化した画像が得られる。これは、ベタ画像と線画像が混じった画像の輪郭部を白に変化させたことに相当する。従って、元の空間変化である図14aの画像データと、図14dの画像データを演算すると、ベタ画像と線画像が混じった画像の輪郭部を取り出すことができる(図14e)。ここでは、図14aのデータと図14dのデータから排他的論理和(XOR)演算を行なうことで、輪郭部を取り出せる。この輪郭部を線画像とすれば図14eは線画像となり、図14dはベタ画像となる。ポスタリゼーション処理はしきい値で階調を削減する処理なので、図14cのしきい値を、その値を適宜調整して図14bに適用すれば、ポスタリゼーション処理は必ずしも必要ではない。また、上述の説明では、排他的論理和を用いているが、例えば図14aの画像を用いて反転画像を生成し、これを用いて適当な演算処理を行なっても同様に線画像を分離し、ベタ画像を得ることができる。
【0041】
この処理を図15のフローチャートに示す。トーンを分離した後のベタ画像と線画像が一体化した画像から、まず、階調を反転させた画像を生成する(S62)そして、ぼかし処理を行なう(S64)。このぼかし処理は、ガウスぼかし処理など周知の処理を用いることができる。そして、ポスタリゼーション処理(S66)を行なうことができる。そして適当なしきい値で二値化して(S68)、反転させた画像と演算を行なう(S70)。これにより、図14eに相当する画像が、実際のマンガの画像で生成される。その後、その線画像の領域を記録し(S72)、残りの部分として、または、図14dのように演算の中間画像としてベタ画像(S74)を得てその領域を記録する(S74)。これによって線画像となる領域、ベタ画像となる領域が分離される(図11、S6)。
【0042】
次に、線画像の線上の各位置において線幅を算出する(S8)。このために、まず、下準備として黒を1に白を0とする。次に、上から下へラスタ走査しながら注目画素をP ( i, j )としたとき
P0 = min [ P ( i ? 1, j ? 1 ), P ( i ? 1, j ) ]
P1 = min [ P ( i, j ? 1 ), P ( i + 1, j ) ]
P2 = min [ P0, P1 ]
P ( i, j ) = min [ P ( i, j ), P2 + 1]
という処理を実行する。次いで、下から上へラスタ走査しながら、注目画素をP ( i, j )として
P0 = min [ P ( i + 1, j ), P ( i + 1, j - 1) ]
P1 = min [ P ( i - 1, j ? 1 ), P ( i, j ? 1 ) ]
P2 = min [ P0, P1 ]
P ( i, j ) = min [ P ( i, j ), P2 + 1]
という処理を実行する。
【0043】
この処理により、例えば、図16aに示すような画像の黒の画素のそれぞれに、図16bのように、白い画素からの距離に対応した数値が算出される。マンガの画像から分離した線画像にこの処理を行なえば、線画像の各位置でその部分の線幅が算出されるので、その線幅を記録する(S8)。
【0044】
次に、線画像を細線化する(S10)。これは、一般的な8近傍細線化を行なう。これにより、図5のような細線化された線画像が得られる。この線画像に基づいて、ベクトル化処理を行なう(S12)。ベクトル化処理の際には、線幅が含まれない状態でベクトル化される。
【0045】
ベクトル化処理(S12)においては、まず、枝部分を含んだままの線画像から端点および分岐点を検出する。この処理は、画像全体を画素ごとに走査して、注目画素の近傍8画素において、黒表示の画素が0または1の場合を端点と判定し、3以上の場合を分岐点と判定することにより行なう。これらの判定結果はその注目画素の座標と関連してマークとして記憶される。
【0046】
次に、その端点または分岐点を開始点(開始画素)として、その画素の近傍8画素を検索して、黒表示の画素を検索して、黒表示となっている画素の方向を記憶する。この方向は、例えば、ある画素の近傍8画素を、右画素を0として反時計回りに7までのコードで表現したデータのような方向ベクトルとして記憶される。そしてその黒表示の画素は、開始点からつながっている線分の画素であると判定されるので、その黒表示の画素に注目画素を移して、同様の処理を繰り返し行なう。注目画素がマークとして記憶された端点または分岐点に到達すると、その点を終了点として一つの線分についての線分のベクトル化を終了する。この処理の際、後に別の線分のベクトル化処理に影響しないよう、注目画素として辿った画素のデータは消去する(白表示の画素にする)処理が行なわれる。この消去においては、分岐点であるとマークされた画素は、別の線分によっても共有されているために、ベクトル化処理するべき画素が周囲に残っている場合には消去されない。これに対し、端点にマークされた画素や端点にも分岐点にもマークされない画素(線分の途中の画素)は、消去される。なお、全ての端点および分岐点のマークについてベクトル化処理を行なってもなお消去されない黒表示の画素がある場合には、線分がループ状に閉じた線となっていることを意味している。その場合には、その線上の任意の画素を開始点と定め、上記と同様の処理に従って方向ベクトルを定めながら、その開始点に到達するまでベクトル化を行なう。以上のように、処理対象の枝部分を含んだ線画像のマークに関連する線分の全てについてベクトル化処理を行い、その後に消去されない線分についてもベクトル化処理を行なう。これによって、枝部分を含む線画の全ての線分についてのベクトル化処理(S12)が完了し、線画を構成する線分ごとに、開始点と種類、終了点と種類、方向ベクトル、方向ベクトルの数を少なくとも含むデータが求められる。
【0047】
ベクトル化処理(S12)の後、トーン画像のドットが線画像に残って枝となった部分を抽出する(S14)。この枝部分の抽出の処理を、図17により説明する。
【0048】
まず、線画像から、分岐点を抽出する(S142)。分岐点は、ベクトル化された線画から、開始点または終了点の種類として求められる。その分岐点に注目し、そこに接続している線分を選んで(S144)、ベクトルデータから線分の長さを求める(S146)。この線分の長さは、線分のベクトルデータに含まれる方向ベクトルの数を用いることができる。線分の長さがあるしきい値以下であり(S148)、その線分の他の端部が独立した端部になっていて別の分岐点や別の線に接続されていない場合(S150)には、線分を枝と判定し(S152)、それを記録する(S154)。いずれかの条件が充足されない場合には、線分が枝でないものと判定する(S156)。分岐点につながる他の線分についても同様に処理を行い(S158)、画像内で他の分岐点についてこれを繰り返せば(S160)、画像内の枝が全て抽出される(図11、S14)。
【0049】
その後、枝を消去して(S16)、線幅を補足して線画像のベクトルデータとして復元する(S18)。これによって、図9のような枝部分が消去された線画像が、ベクトルデータとして得られる。このデータは、例えば、コミックスタジオなどのファイルに、表示装置に依存しないデータとして保持され得る。
【0050】
図示してはいないが、さらに、消去した枝部分がトーン画像に由来するものである点に鑑み、消去した枝部分に対応したドットをトーン画像に付加するような処理を行なうことができる。これにより、トーン画像のより正確なデータが得られる。
【0051】
なお、枝抽出ステップ(S14)においては、ベクトルデータから線画像の分岐点を取得し、分岐点に接続するある線分の長さを前記ベクトルデータから取得し、それによって、線分の長さが所定の長さと、前記線分の端部が他の分岐点や他の線分に接続しているかどうかとに基づいて判定を行なう種々の変更が可能である。
【0052】
上記のような実施の形態を実際のソフトウエアとして実装する場合、ユーザーは、調整項目として種々のしきい値を調整することができる。シードフィル処理においてドットの大きさや数を判別するためのしきい値、線画像を分離する際のぼかしを施した画像を二値化する際のしきい値、ベクトル化した線画像から分岐点に接続した線分を枝と判定するための長さのしきい値などである。これらの値を設定して、本実施の形態の装置や方法を実行すれば、処理された線画像を得ることができる。ユーザーは、その線画像を観察して、線画像のドットによる凹凸が適切に除去され、線画像の線の表現が自然となるように、自らしきい値を調整して本発明を実装するソフトウエアによって処理することにより、個々のドットを修正するような作業をしなくとも、目的とする線画像を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の方法やシステムによって、線画像に残る枝部分が適切に除去される。これにより、紙媒体で一度表現されているマンガからも、汎用性の高いベクトルデータとして、オリジナルのマンガに表現されている線画像を良好に生成することが可能となる。この際、線画像のベクトルデータから分岐点を抽出し、その分岐点につながる線分の長さのデータを用いれば、線分が枝であるかどうかが容易に判定できる。また、線画像を生成する際に、ベタ画像と線画が混在した状態から自然な線画像を生成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るマンガの画像である。
【図2】本発明の実施の形態に係るマンガのトーン画像である。
【図3】本発明の実施の形態に係るマンガのベタ画像である。
【図4】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像である。図4aは線画像の全体であり、図4bはその拡大図(さらに拡大する図を含む)である。
【図5】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像を細線化したものの図である。図5aは全体であり、図5bはその拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像を細線化したものにおける分岐点を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像を細線化したものにおける線分を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像から枝を消去したものである。図8aは線幅が無い場合、図8bは線幅を用いた場合である。
【図9】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像において、枝を消去したものである。
【図10】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形システムの構成図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形方法のフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形方法におけるトーン画像を分離する方法のフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形方法におけるトーン画像を分離する方法のシードフィル処理のフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形方法における線画像を分離する方法によって線画像が分離される処理を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形方法における線画像を分離する方法のフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形方法における線幅を算出する処理を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係るマンガの線画像成形方法における枝部分を抽出する方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 マンガの線画像成形システム
2 マンガの画像
10 演算手段
20 記録手段
Claims (9)
- トーン画像とベタ画像と線画像を含むマンガの画像をコンピュータが受け付け、トーン画像とベタ画像と線画像とに分離して記録手段に格納する画像分離ステップと、
該コンピュータが、該線画像の線上の各位置における線幅を算出して該記録手段に格納し、該線画像を細線化して前記記録手段に格納する細線化ステップと、
前記コンピュータが、該細線化された線画像をベクトル化処理して、該ベクトルデータに基づいて線画像の枝部分を抽出して前記記録手段に格納する枝抽出ステップと、
前記コンピュータが、該細線化された線画像から前記枝部分を消去して枝部分のない線画像のベクトルデータを生成し、前記記録手段にある前記線幅を該ベクトルデータに関連付けることにより、線幅を保持し枝部分のない線画像をベクトルデータとして復元し、前記トーン画像と前記ベタ画像とに関連付けて記録手段に格納する線画像復元ステップと
を含んでなるマンガの線画像成形方法。 - 前記枝抽出ステップは、
前記コンピュータが、前記ベクトルデータから線画像の分岐点を取得するサブステップと、
前記コンピュータが、該分岐点に接続するある線分の長さを前記ベクトルデータから取得するサブステップと、
前記コンピュータが、該線分の長さが所定の長さより短く、前記分岐点と接続していない前記線分の端部が他の分岐点にも他の線分にも接続していない場合に、前記線分を枝部分と判定するサブステップと
を含む、請求項1に記載のマンガの線画像成形方法。 - 前記画像分離ステップは、
前記コンピュータが、各画素を走査しながら、該画素の周辺画素の明暗の空間変化に基づいて、該画素がトーン画像に含まれるものであるかどうかを判定するトーン判定サブステップと、
前記コンピュータが、該画素がトーン画像に含まれる場合に、トーン画像と判定される連続した領域を抽出して前記記録手段に格納するシードフィルサブステップと
を含む、請求項1に記載のマンガの線画像成形方法。 - 前記画像分離ステップは、
前記コンピュータが、トーン画像が除去されたトーン除去画像にぼかし処理を施すサブステップと、
前記コンピュータが、該ぼかし処理された該トーン除去画像の階調を二値化処理するサブステップと、
前記コンピュータが、該二値化処理された画像と前記トーン除去画像とに基づいて演算を行なうことにより前記トーン除去画像の輪郭部分を抽出し、線画として記録手段に記録するサブステップと、
前記コンピュータが、前記トーン除去画像から該線画を除いたベタ画像を記録手段に記録するサブステップと
を含む、請求項1に記載のマンガの線画像成形方法。 - トーン画像とベタ画像と線画像を含むマンガの画像を、トーン画像とベタ画像と線画像とに分離して出力する画像分離手段と、
出力されたトーン画像とベタ画像と線画像とを記録する記録手段と、
該線画像の線上の各位置における線幅を算出して該記録手段に格納し、該線画像を細線化して該記録手段に格納する細線化手段と、
該細線化された線画像をベクトル化処理して、該ベクトルデータに基づいて、線画像の枝部分を抽出して前記記録手段に格納する枝抽出手段と、
該細線化された線画像から前記枝部分を消去して枝部分のない線画像のベクトルデータを生成し、前記記録手段にある前記線幅を該ベクトルデータに関連付けることにより、線幅を保持し枝部分のない線画像をベクトルデータとして復元し、前記トーン画像と前記ベタ画像とに関連付けて記録手段に格納する線画像復元手段と
を備えてなるマンガの線画像成形装置。 - 前記枝抽出手段は、
前記ベクトルデータから線画像の分岐点を取得する機能と、
該分岐点に接続するある線分の長さを前記ベクトルデータから取得する機能と、
該線分の長さが所定の長さより短く、前記分岐点と接続していない前記線分の端部が他の分岐点にも他の線分にも接続していない場合に、前記線分を枝部分と判定する機能と
を備える、請求項5に記載のマンガの線画像成形装置。 - 前記画像分離手段は、
各画素を走査しながら、該画素の近傍の画素の明暗の空間変化に基づいて、該画素がトーン画像に含まれるものであるかどうかを判定するトーン判定機能と、
該画素がトーン画像に含まれる場合に、トーン画像と判定される連続した領域を抽出して前記記録手段に格納するシードフィル機能と、
を備える、請求項5に記載のマンガの線画像成形装置。 - 前記画像分離手段は、
トーン画像が除去されたトーン除去画像にぼかし処理を施す機能と、
該ぼかし処理された該トーン除去画像の階調を二値化処理する機能と、
該二値化処理された画像と前記トーン除去画像とに基づいて演算を行なうことにより前記トーン除去画像の輪郭部分を抽出し、線画として記録手段に記録する機能と、
前記トーン除去画像から該線画を除去いたベタ画像を記録手段に記録する機能と
を備える、請求項5に記載のマンガの線画像成形装置。 - コンピュータに、請求項1〜4に記載のマンガの線画像成形方法の各ステップを実行させるためのコンピュータプログラム。
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