JP4311956B2 - クリーンルーム用物品受け渡し装置の物品受け渡し方法 - Google Patents

クリーンルーム用物品受け渡し装置の物品受け渡し方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーンルームの作業エリアに物品を消毒して搬入するためクリー
ンルーム用物品受け渡し装置(所謂パスボックス)の物品受け渡し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療施設等で清浄な環境で調剤作業を行う場合に、クルーンルームが利用される。作業者は、このクリーンルーム内で調剤作業等を行う。このクリーンルームへの作業者の出入りは、エアシャワー室を介して行い、物品の出入りはパスボックスを介して行うのが一般的である(例えば特許文献1〜4参照)。
【0003】
このエアシャワー室及びパスボックスは、クリーンルーム内に雑菌及び汚染物が浸入するのを抑えるために設けられている。
【0004】
エアシャワー室は、人間の出入りのために設けられており、作業者がクリーンルーム内に入るときにエアシャワーで人体に付着したゴミやホコリを吹き飛ばし、クリーンルーム内への汚染物の侵入を抑える。
【0005】
パスボックス(物品受け渡し装置)は、クリーンルーム内で使用する物品等を搬入する時に雑菌等が一緒に浸入するのを抑えるものであり、消毒液で洗浄するタイプ、消毒液を噴霧するタイプ、紫外線で殺菌するタイプ、オゾンガスで殺菌するタイプ等が提案されている。このうち、消毒液による処理が一般的である。消毒液を噴霧する消毒方法であれば、パスボックスを通過した物品にから臭う消毒液臭もあまり強いものではなく、問題の無いレベルであると考えられていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2000-254212号公報
【特許文献2】
特開平11-63605号公報
【特許文献3】
特開平10-132346号公報
【特許文献4】
特開2002-291850号公報
【特許文献5】
特開2001-315721号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、クリーンルーム内で作業する作業者にとって、クリーンルーム内はストレスのかかる職場である。つまり、入るのに時間がかかり、一度入ると決まった時刻以外には出にくく、また、常に汚染物を持ち込まないように気を配り、作業中に発生した汚染物はその汚染が広がるのを防止するように気をつけなくてはならない。
【0008】
このような精神的に拘束された職場においては、消毒液の噴霧により消毒されてパスボックスを通過した物品から臭う消毒液臭であっても、クリーンルーム内の作業者にとっては、極めて不快な臭いであり、作業者に強いストレスをあたえてしまう。
【0009】
本発明は、消毒液の量を少なくしても十分に消毒できるクリーンルーム用物品受け渡し装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、パスボックスを通過した物品から臭う消毒液臭を抑えることができるクリーンルーム用物品受け渡し装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、消毒液の量を少なくし、且つ、パスボックスを通過した物品から臭う消毒液臭を抑えることができるクリーンルーム用物品受け渡し装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明は、作業者が作業するクリーンルーム内の作業エリアに前記作業者が取り扱う物品を消毒して搬入するためのクリーンルーム用物品受け渡し装置の物品受け渡し方法において、エアシャワー後に消毒液を噴霧して、前記物品を消毒した後に、このクリーンルーム用物品受け渡し装置内の空気を外部に排気して、このクリーンルーム用物品受け渡し装置内に前記クリーンルーム内の空気が流入することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のクリーンルーム用物品受け渡し装置を第1実施形態に基づいてに説明する。
【0016】
図1〜図6は、第1実施形態を説明するための図であり、図1は、クリーンルームの間取り図、図2は本願のパスボックスの上面図、図3は一部を透過した正面からの図、図4は図3のAの位置からパスボックス内部を見た図である。
図5は外部側の操作盤の図であり、図6はクリーンルーム側操作盤の図である。
【0017】
図1はクリーンルームの間取り図である。図において、Bは作業エリア(無菌エリア、クリーンエリア)であり、外部に比べて、気圧を高く設定されている。これにより、外部から汚染された空気がクリーンルーム内に浸入するのを防止している。
【0018】
Cは、作業者が着替えるための前室である。
【0019】
Dは、作業者がクリーンルームの作業エリアB内に入る前に人体に付着したゴミやホコリを吹き飛ばし、クリーンルーム内への汚染物の侵入を防ぐエアシャワー室である。
【0020】
E、E、Fは、パスボックスである。E、Eは3段パスボックスであり、UV殺菌の搬入専用段、搬出専用段、ゴミだし専用段等からなる。
【0021】
Fは、本願のパスボックスである。このパスボックスFは、カート搬入搬出可能なパスボックスである。1は外側に開くフレンチドアである。2はクリーンルーム側に開くフレンチドアである。
【0022】
図2は、このパスボックスFの上面からの図である。1は外側に開くフレンチドアである。2はクリーンルーム側に開くフレンチドアである。
【0023】
3はパスボックスFの通過エリアである。4は噴霧・排気ユニットエリアである。5はエアシャワーユニットエリアである。6はクリーンルーム側操作盤であり、7は外側操作盤である。8,8は消毒液噴霧用ノズルである。9は排気フランジである。
【0024】
図3において、1は外側に開くフレンチドアである。4は排気ユニットエリアである。5はエアシャワーユニットエリアである。8,8は消毒液噴霧用ノズルである。9は排気フランジである。
【0025】
エアシャワーユニットエリア5において、10はエアシャワー用HEPAフィルタである。11は、ジェットエアファンである。12はプレフィルタである。このファン11を駆動することにより、パスボックス内にジェットエアが噴出され、このエアはプレフィルタ12及びHEPAフイルタ3により浄化され再びパスボックス内に噴出される。これにより、パスボックス内の物品の清浄をある程度行える。20はエアジェットノズルである。
【0026】
噴霧・排気ユニットエリア4において、13は台、14はアルコール液タンクであり、このアルコール液が図示省略したポンプによりミスト状になりパスボックス内にノズル8,8から噴霧される。15は排気用HEPAフィルタである。16は排気ファンである。ファン16を駆動することにより、パスボックス内の空気はHEPAフイルタ15を介して外部に排出される。これにより、パスボックス内にはクリーンルーム側から空気が流れ込み換気を行うことが出来る。
【0027】
17はドア1のロック機構であり、ドア1をロックして、エアシャワー中、噴霧中、排気中にドア1及びドア2の開放を禁止するためのものである。
【0028】
図4は、このパスボックスFの内側の図である。1は外側に開くフレンチドアである。2はクリーンルーム側に開くフレンチドアである。6はクリーンルーム側操作盤であり、7は外側操作盤である。12はプレフィルタである。17、17はドア1、2のロック機構であり、ドア1、2をロックして、エアシャワー中、噴霧中、排気中にドア1及びドア2の開放を禁止するためのものである。18は蛍光灯である。20はエアジェットノズルである。21は緊急停止・扉ロック解除ボタンである。
【0029】
図5は外側操作盤7の図であり、図6はクリーンルーム側の操作盤6の図である。
【0030】
図を参照しつつ、このパスボックスの利用方法を説明する。
【0031】
まず、外部作業者は、クリーンルーム内で作業者が使用する物品をカートに載せ、パスボックスF前まで押して行く。
【0032】
次に、外部作業者は、ドア1を開けて、カートをパスボックス内に移動せしめる。ドア1を閉める。操作盤7の起動スイッチを押す。これにより、ロック機構17,17がドア1,2をロックする。そして、ファン11を駆動してエアシャワーをカートに浴びせる。これにより、カート及びカートに載せられた物品のホコリ等が除去できる。この実施形態では40秒ほど行い終了する。
【0033】
次に、図示しないポンプにより、アルコール液の噴霧を行う。これにより、300ccほどの消毒液(アルコール液)を3分間ほどパスボックス内に噴霧して消毒を行う。
【0034】
その後、消毒液による消毒がすすむように3分間ほど放置する。
【0035】
そして、ファン16を駆動して、このパスボックス内のアルコールを外部に強制排気する。10秒ほどで、パスボックス内の霧状物は外部に排気され、クリーンルーム側から清浄な空気が流入する。
【0036】
物品に付着した霧状のアルコールの蒸発・排気のために、この排気は1分間ほど行われる。ファン16の停止後に、操作盤6において、完了ブザーが短く鳴ると共に、完了ランプが点灯しこの点灯は継続される。
【0037】
クリーンルーム内の作業者は、消毒が完了したことを知り、操作盤6のリセットスイッチを押す。これにより、ドアのロックが外れる。そして、ドア2を開けて、カートをクリーンルーム内の作業エリアにいれる。
【0038】
クリーンルーム内からカート等を出す場合は、ドア2を開けて、カートをパスボックス内に入れ、操作盤の出庫スイッチを押すと、外側の操作盤7において、完了ブザーが短く鳴ると共に、完了ランプが点灯しこの点灯は継続される。
【0039】
外部の作業者は、消毒が完了したことを知り、操作盤7のリセットスイッチを押す。そして、ドア1を開けて、カートを搬出する。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、消毒液噴霧の前にエアシャワーを行うので、ホコリ等を除去でき少ない消毒液でも十分な消毒ができる。
【0041】
本発明では、パスボックスにおいても強制排気をしているので、物品からの消毒液臭による作業者のストレスを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のクリーンルームの間取り図である。
【図2】このパスボックスの上面図である。
【図3】このパスボックスの一部を透過した正面からの図である。
【図4】図3のAの位置からパスボックス内部を見た図である。
【図5】外部側の操作盤の図である。
【図6】クリーンルーム側操作盤の図である。
【符号の説明】
F パスボックス。

Claims (1)

  1. 作業者が作業するクリーンルーム内の作業エリアに前記作業者が取り扱う物品を消毒して搬入するためのクリーンルーム用物品受け渡し装置の物品受け渡し方法において、
    エアシャワー後に消毒液を噴霧して、前記物品を消毒した後に、このクリーンルーム用物品受け渡し装置内の空気を外部に排気して、このクリーンルーム用物品受け渡し装置内に前記クリーンルーム内の空気が流入することを特徴とするクリーンルーム用物品受け渡し装置の物品受け渡し方法
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