JP4309523B2 - 三次元測定共焦点顕微鏡 - Google Patents

三次元測定共焦点顕微鏡 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物からの光を受光素子で受光し、その受光情報に基づいて前記測定対象物の高さ情報を含む三次元の面情報を取得し、前記面情報を表示装置に三次元表示する三次元測定共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
三次元測定装置の一例として、共焦点顕微鏡がある。共焦点顕微鏡では、光源からの光(通常はレーザ光)が測定対象物である試料に照射され、その透過光又は反射光が共焦点光学系を介して受光素子で受光され、その受光量に基づいて、試料の高さデータを含む三次元の表面形状の情報が取得される。その測定原理を以下に説明する。
【0003】
例えば、試料を載置したステージを光軸方向(Z方向)に移動させると、共焦点光学系を介して受光素子に入射する光の量、すなわち受光量が変化し、試料の表面にピントが合ったときに受光量が最大となる。したがって、最大受光量が得られるときのステージのZ方向位置から試料の表面の高さデータが得られる。そして、試料の表面を光軸方向に垂直なXY方向に光で走査することによって試料の表面の高さ分布、すなわち三次元の表面形状の情報が得られる。この高さ分布は、CG(コンピュータグラフィック)の手法によって画面上に三次元で(立体的に)表示される。
【0004】
例えば、XY平面を複数の小さな領域に分割し、各領域の高さをZ方向の柱で表したとき、高さ分布(表面形状)は種々の高さを有する複数の柱の集合として立体的に表示することができる。各領域の柱の高さは、その領域に含まれる画素の高さデータの平均値となる。あるいは、一般的な三次元表示のように、試料(測定対象物)の表面を小さなポリゴンの集合で表示することもできる。
【0005】
これらの三次元表示モデルには、ワイヤーフレームモデルとソリッドモデルがある。ワイヤーフレームモデルでは表面形状が線の集合として描かれ、ソリッドモデルでは、表面形状が面の集合として描かれる。そして、三次元表示を視覚的に分かりやすくするために、高さデータに応じた濃淡パターンやカラーグラデーションによって着色することも行われている。例えば、高さの低い部分は暗い色、高い部分は明るい色を用いて、表面形状の三次元表示を色分けすることが従来から行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来は、高さデータに応じて選択した色を用いて、表面形状の三次元表示に人工的な着色を施すことが行われていたが、このような着色では表面形状の三次元表示が必ずしも見やすいものとはならない。つまり、実際の測定対象物の部位と表示装置に表示された表面形状の三次元表示における部位との対応関係が分かり難い場合がある。
【0007】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、実際の測定対象物の部位と表示装置に表示された表面形状の部位との対応関係が分かりやすい三次元測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の三次元測定共焦点顕微鏡は、測定対象物からの光を受光素子で受光し、その受光情報に基づいて測定対象物の高さ情報を含む三次元の表面形状の情報を取得し、表面形状を表示装置に三次元表示する三次元測定共焦点顕微鏡であって、測定対象物のカラー画像を取得するカラー撮像手段と、カラー撮像手段から得られる画素ごとの色情報を用いて、表面形状のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによる三次元表示を着色する処理手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、表面形状の三次元表示が、カラー撮像手段から得られる色情報にしたがって着色されるので、測定対象物の実際の色に近い色で表面形状が表示される。したがって、実際の測定対象物の部位と表示装置に表示された表面形状の部位との対応関係が分かりやすくなる。
【0010】
好ましくは、画素ごとの最大受光量を求める手段を更に備え、画素ごとの色情報の輝度成分を画素ごとの最大受光量で置き換えた第2の色情報を用いて表面形状の三次元表示を着色する。この場合、各画素でピントが合っているときの受光量(最大受光量)が輝度情報として色情報に反映されるので、カラー撮像手段から得られる色情報のみを用いて着色する場合に比べてコントラストの強い三次元表示画像が得られる。
【0011】
また、測定対象物にレーザ光を照射し、その反射光又は透過光の受光情報に基づいて測定対象物の高さ情報を含む三次元の表面形状の情報を取得する構成が好ましい。さらに、本発明にかかる三次元測定装置は、前記受光素子が前記受光情報を得るための光を測定対象物に照射する光源と、前記測定対象物の高さ情報を得るために前記対物レンズの焦点に対する前記測定対象物の光軸方向での相対位置を変化させるZ方向変位機構と、前記測定対象物を戴置するための前記光軸方向に垂直な戴置面を有するステージとを備え、前記カラー撮像手段が、前記対物レンズを通して前記測定対象物のカラー画像を取得することを特徴とする。
【0012】
好ましい実施形態において、本発明の三次元測定装置は共焦点顕微鏡であり、測定対象物に光を照射する光源と、測定対象物からの光を対物レンズを含む共焦点光学系を通して受光する受光素子と、測定対象物の色情報を画素ごとに取得する色情報取得センサと、対物レンズの焦点に対する測定対象物の光軸方向での相対位置を変化させるZ方向変位機構と、測定対象物を光源からの光で光軸方向に垂直なXY方向に走査する走査機構と、受光素子の受光量が最大になるときの測定対象物の光軸方向での相対位置に相当する高さ情報と色情報を画素ごとに求めて記憶する処理装置と、画素ごとの高さ情報と画素ごとの色情報とを用いて、測定対象物のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによる表面形状のカラー三次元表示を行う表示装置とを備えている。
【0013】
更に好ましくは、表示装置は、画素ごとの色情報の輝度成分を画素ごとの最大受光量で置き換えた第2の色情報と画素ごとの高さ情報とを用いて、測定対象物の表面形状のカラー三次元表示を行う。また、本発明にかかる三次元測定装置は、さらに、前記表面形状の高さの分布を色の分布として前記表示装置に表示することができることを特徴とする。さらに、前記表示装置に前記表面形状のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによる着色された前記三次元表示のうち前記光軸方向の前記対物レンズ側から見えない陰となる部分を無彩色で表示することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に、本発明に係る三次元測定装置の一例である共焦点顕微鏡の概略構成を示す。この共焦点顕微鏡は、試料の高さ情報を含む三次元の表面形状の情報を取得するための共焦点光学系1と、試料のカラー画像を取得するための非共焦点光学系2とを備えている。
【0016】
まず、共焦点光学系1について説明する。共焦点光学系1は、試料wに単色光(好ましくはレーザ光)を照射するための光源10、第1コリメートレンズ11、偏光ビームスプリッタ12、1/4波長板13、水平偏向装置14a、垂直偏向装置14b、第1リレーレンズ15、第2リレーレンズ16、対物レンズ17、結像レンズ18、ピンホール板PH、第1受光素子19等を含んでいる。
【0017】
光源10には、例えば赤色レーザ光を発する半導体レーザが用いられる。レーザ駆動回路44によって駆動される光源10から出たレーザ光は、第1コリメートレンズ11を通り、偏光ビームスプリッタ12で光路を曲げられ、1/4波長板13を通過する。この後、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって水平(横)方向及び垂直(縦)方向に偏向された後、第1リレーレンズ15及び第2リレーレンズ16を通過し、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wの表面に集光される。
【0018】
水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bは、それぞれガルバノミラーで構成され、レーザ光を水平及び垂直方向に偏向させることにより、試料wの表面をレーザ光で走査する。説明の便宜上、水平方向をX方向、垂直方向をY方向ということにする。試料ステージ30は、ステージ制御回路40によりZ方向(光軸方向)に駆動される。これにより、対物レンズ17の焦点と試料wとの光軸方向での相対位置を変化させることができる。
【0019】
ただし、対物レンズ17の焦点と試料wとの光軸方向での相対位置は、他の方法で変化させることもできる。例えば、試料ステージ30の位置は固定とし、対物レンズ17をZ軸方向に駆動することにより、その焦点を変化させてもよい。あるいは、対物レンズ17と試料wとの間に屈折率が変化するレンズを挿入することにより、対物レンズ17の焦点を変化させる構成も可能である。なお、試料ステージ30は、大まかな位置合わせのために、手動操作によってX方向及びY方向に変位可能である。
【0020】
試料wで反射されたレーザ光は、上記の光路を逆に辿る。すなわち、対物レンズ17、第2リレーレンズ16及び第1リレーレンズ15を通り、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bを介して1/4波長板13を再び通る。この結果、レーザ光は偏光ビームスプリッタ12を透過し、結像レンズ18によって集光される。集光されたレーザ光は、結像レンズ18の焦点位置に配置されたピンホール板PHのピンホールを通過して第1受光素子19に入射する。第1受光素子19は、例えばフォトマルチプライヤ又はフォトダイオードで構成され、受光量を電気信号に変換する。受光量に相当する電気信号は、出力アンプ及びゲイン制御回路(図示せず)を介して第1A/Dコンバータ41に与えられ、ディジタル値に変換される。
【0021】
上記のような構成の共焦点光学系1により、試料wの高さ情報を含む三次元の表面形状の情報を得ることができる。以下に、その原理を簡単に説明する。
【0022】
上述のように、試料ステージ30がステージ制御回路40によってZ方向(光軸方向)に駆動されると、対物レンズ17の焦点に対する試料wの光軸方向での相対位置が変化する。そして、対物レンズ17の焦点が試料wの表面(被測定面)に結ばれたときに、試料wの表面で反射されたレーザ光は上記の光路を経て結像レンズ18で集光され、ほとんどすべてのレーザ光がピンホール板PHのピンホールを通過する。したがって、このときに、第1受光素子19の受光量が最大になる。逆に、対物レンズ17の焦点が試料wの表面(被測定面)からずれている状態では、結像レンズ18によって集光されたレーザ光はピンホール板PHからずれた位置に焦点を結ぶので、一部のレーザ光しかピンホールを通過することができない。その結果、第1受光素子19の受光量は著しく低下する。
【0023】
したがって、試料wの表面の任意の点について、試料ステージ30をZ方向(光軸方向)に駆動しながら第1受光素子19の受光量を検出すれば、その受光量が最大になるときの試料ステージ30のZ方向位置(対物レンズ17の焦点に対する試料wの光軸方向での相対位置)を高さ情報として一義的に求めることができる。
【0024】
実際には、試料ステージ30を1ステップ移動するたびに水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって試料wの表面を走査して第1受光素子19の受光量を得る。試料ステージ30を測定範囲の下端から上端までZ方向に移動させたとき、走査範囲内の複数の点(画素)について、図2に示したようにZ方向位置に応じて変化する受光量データが得られる。この受光量データに基づいて、最大受光量とそのときのZ方向位置が各点(画素)ごとに得られる。したがって、試料wの表面高さのXY平面での分布が得られる。この処理は、マイクロコンピュータを用いた処理装置46によって実行される。
【0025】
得られた表面高さの分布(表面形状の情報)は、いくつかの方法で表示装置47のモニタ画面に表示することができる。例えば、高さデータを輝度データに変換することにより、表面高さの二次元分布を明るさの二次元分布として表示することができる。高さデータを色差データに変換することにより、表面高さの分布を色の分布として表示してもよい。更に、本実施形態の共焦点顕微鏡は、三次元表示によって試料の高さ分布(表面形状)を立体的に表示することができる。
【0026】
図3に簡単な立体モデルMの三次元表示の例を示す。この例のように、立体モデルMは、等角投影図法で描いた斜視図の如く、二次元の画面上に表示される。図中のX軸及びY軸はレーザ光によって走査されるXY平面に対応し、Z軸は試料の高さ方向(光軸方向)に相当する。このような三次元表示はコンピュータグラフィックスの分野ではよく知られており、各画素のX座標、Y軸及びZ座標(高さ)を入力すれば画面上に三次元表示を行う種々のソフトウエアが利用可能である。
【0027】
また、XY走査範囲内の各点(画素)について得られた受光量を輝度データとする輝度信号から、試料wの表面画像(白黒画像)が得られる。各画素における最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成すれば、表面高さの異なる各点でピントの合った被写界深度の非常に深い共焦点画像が得られる。
【0028】
つぎに、非共焦点光学系2について説明する。非共焦点光学系2は、試料wに白色光(カラー画像撮影用の照明光)を照射するための白色光源20、第2コリメートレンズ21、第1ハーフミラー22、第2ハーフミラー23、色情報取得センサとしてのカラーCCD24等を含んでいる。カラーCCD24に代えて、RGB各色毎の受光素子を用いてもよい。また、非共焦点光学系2は共焦点光学系1の対物レンズ17を共用し、両光学系1,2の光軸は一致している。
【0029】
白色光源20には例えば白色ランプが用いられるが、特に専用の光源を設けず、自然光又は室内光を利用してもよい。白色光源20から出た白色光は、第2コリメートレンズ21を通り、第1ハーフミラー22で光路を曲げられ、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wの表面に集光される。
【0030】
試料wで反射された白色光は、対物レンズ17、第1ハーフミラー22、第2リレーレンズ16を通過し、第2ハーフミラー23で反射されてカラーCCD24に入射して結像する。カラーCCD24は、共焦点光学系1のピンホール板PHのピンホールと共役又は共役に近い位置に設けられている。カラーCCD24で撮像されたカラー画像は、CCD駆動回路43によって読み出され、そのアナログ出力信号は第2A/Dコンバータ42に与えられ、ディジタル値に変換される。このようにして得られたカラー画像は、試料wの観察用の拡大カラー画像として表示装置47のモニタ画面に表示される他に、下記のように使用される。
【0031】
前述の共焦点光学系1で得られた試料の表面形状の三次元表示に、非共焦点光学系2で得られたカラー画像を組み合わせて、カラー三次元表示を行う。これにより、例えば図3の表示モデルにおいて、Z軸方向上側から見えるハッチングが施された部分がカラー画像の色で着色される。ハッチングが施された部分の画素は、XY平面に投影されており、カラー画像の画素と対応付けられている。
【0032】
斜線が施されていない側壁部は、Z軸方向上側から見えない部分であり、着色されない。この部分は陰の部分として、例えば黒色のような無彩色で表示されるが、三次元表示の手法(ソフトウェア)によってその表現方法を変えることが可能である。また、図3の例はソリッドモデルの三次元表示であるが、ワイヤーフレームモデルのように輪郭線によって三次元表示を行う場合は、その線の色をカラー画像の色で着色すればよい。
【0033】
このように、試料の表面形状の三次元表示を試料の二次元カラー画像にしたがって着色することにより、試料の部位と三次元表示における部位との対応関係が分かりやすくなる。このようなカラー三次元表示を行うための処理は、処理装置46に含まれるマイクロプロセッサがソフトウェアにしたがって実行する。
【0034】
図4は、上記のようなカラー三次元表示を行うための処理装置46を中心とする構成のブロック図である。第1A/Dコンバータ41から処理装置46に入力される受光量データは受光量メモリ51に記憶される。但し、受光量メモリ51はピークホールドメモリである。入力された新たな受光量データと記憶されている旧受光量データとが比較器50で比較され、新たな受光量データが旧受光量データより大きい場合だけ、SW1が閉じて受光量メモリ51の記憶データが更新される。
【0035】
このとき、対応する画素の色データ及び高さデータもSW2及びSW3を介して色メモリ52及び高さメモリ53に記憶される。つまり、これらの記憶データも、新たな受光量データが旧受光量データより大きい場合だけ更新される。なお、色データはカラーCCD24からCCD駆動回路43及び第2A/Dコンバータ42を経て処理装置46に入力されるデータであり、高さデータは処理装置46からステージ制御回路40に与えられるデータに相当する。
【0036】
所定のZ方向測定範囲にわってXY方向の走査が完了した時点で、受光量メモリ51、色メモリ52及び高さメモリ53には、最大受光量データと、そのときの色データ及び高さデータがそれぞれ記憶されていることになる。マイクロプロセッサ54は、これらのデータを用いて、試料の表面形状のカラー三次元表示データを生成し、表示メモリ55に与える。このカラー三次元表示データは、D/Aコンバータ56を経て表示装置47に与えられる。
【0037】
カラー三次元表示データは、前述のように、XY平面の画素ごとの高さデータと色データとから生成することができるが、更に最大受光量データを組み合わせてもよい。すなわち、画素ごとのRGB色データの輝度成分を最大受光量データで置き換えることにより、各画素でピントが合っているときの最大受光量が輝度情報として色データに反映されるので、非共焦点光学系2から得られる色データのみを用いる場合に比べてコントラストの強いカラー三次元表示画像が得られる。
【0038】
図5は、上述のような処理装置46を中心に実行されるカラー三次元表示のための処理を示すフローチャートである。まず、ステップ#101において、測定領域の指定を行う。つまり、図1の操作パネル48を用いて、光軸方向に試料ステージ30を移動させる範囲(Z方向走査範囲)と試料wの表面をレーザ光で走査する範囲(XY走査範囲)を指定する。
【0039】
測定領域が指定され、試料ステージ30の位置が上端に初期化された後、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって、試料wの表面の指定されたXY走査範囲を走査するように、レーザ光がXY方向に偏向される(ステップ#102)。そして、XY走査範囲内の各画素の受光量データ、色データ及び高さデータ(Z方向位置)が受光量メモリ51、色メモリ52及び高さメモリ53にそれぞれ記憶される(ステップ#103)。
【0040】
つぎに、試料ステージ30を1ピッチ(1ステップ)下降させ(ステップ#104)、再び試料wのXY走査範囲をレーザ光で走査する(ステップ#105)。このときに得られる新たな受光量データが、受光量メモリ51に記憶されている旧受光量データと画素ごとに比較される(ステップ#106)。新たな受光量が旧受光量(記憶光量)より大きければ、受光量データ、色データ及び高さデータの記憶データが更新される(ステップ#107)。新たな受光量が記憶光量より小さい場合は何もせずにステップ#108に進む。
【0041】
ステップ#108において、処理装置46は、試料ステージ30のZ方向位置を測定範囲の下端位置と比較する。下端位置より低ければステップ#104に戻る。こうして、試料ステージ30のZ方向位置がステップ#101で設定したZ方向走査範囲の下端位置に達するまで、ステップ#104〜#108の処理が繰り返される。
【0042】
試料ステージ30のZ方向位置がZ方向走査範囲の下端位置に達した時点で、受光量メモリ51、色メモリ52及び高さメモリ53には、XY走査範囲内の各画素について、最大受光量データと、そのときの色データ及び高さデータがそれぞれ記憶されている。ステップ#109でこれらの記憶データを読み出し、ステップ#110で、前述のようにして、試料の表面形状のカラー三次元表示データが生成され、ステップ#111で表示装置47にカラー三次元表示画像が表示される。
【0043】
なお、上記の実施形態の説明において、考えられる変形例についても適宜説明したが、本発明は、その他にも、種々の変形例又は形態による実施が可能である例えば、光による試料の走査は、水平偏向及び垂直偏向による二次元走査に限らず、種々の走査方法が提案されている。例えば、シリンドリカルレンズを用いてX方向に細長い光(スリット光)を生成し、これをY方向に偏向すれば、二次元走査が可能である。
【0044】
また、上記の実施形態の共焦点顕微鏡は反射型の顕微鏡であるが、透過型の共焦点顕微鏡にも本発明を適用することができる。透過型の顕微鏡の場合は、試料の裏面から共焦点光学系のレーザ光及び非共焦点光学系の白色光が照射される。共焦点光学系の光源はレーザ光源を含む単色光源はもちろんのこと、複数波長を含むものであってもよい。非共焦点光学系の光源は自然光又は室内光で代用することもできる。
【0045】
また、本発明の三次元測定装置は、上記のような共焦点顕微鏡に限らず、比較的離れた場所に置かれた物体をレーザ光線で走査し、その反射光を受光して得られる情報からその物体の表面形状の三次元情報を取得し、画面に三次元表示するものにも適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の三次元測定装置によれば、測定対象物の実際の色に近い色でその表面形状の三次元表示が着色されるので、実際の測定対象物の部位と表示装置に表示された表面形状の三次元表示における部位との対応関係が分かりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る共焦点顕微鏡(三次元測定装置)の概略構成を示すブロック図である。
【図2】共焦点顕微鏡におけるZ方向(光軸方向)位置に関する受光量の分布を示すグラフである。
【図3】簡単な立体モデルの三次元表示の例を示す図である。
【図4】カラー三次元表示を行うための処理装置を中心とする構成のブロック図である。
【図5】処理装置を中心に実行されるカラー三次元表示のための処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 光源
14a,14b 走査機構
19 受光素子
24 色情報取得センサ
30,40 Z方向変位機構
47 表示装置
46 処理装置
w 測定対象物

Claims (7)

  1. 測定対象物からの光を対物レンズを通して受光素子で受光し、その受光情報に基づいて前記測定対象物の高さ情報を含む三次元の表面形状の情報を取得し、前記表面形状を表示装置に三次元表示する三次元測定共焦点顕微鏡であって、
    前記受光素子が前記受光情報を得るための光を測定対象物に照射する光源と、
    前記測定対象物の高さ情報を得るために前記対物レンズの焦点に対する前記測定対象物の光軸方向での相対位置を変化させるZ方向変位機構と、
    前記測定対象物を戴置するための前記光軸方向に垂直な戴置面を有するステージと、
    複数の前記相対位置で前記測定対象物のカラー画像を取得するカラー撮像手段と、
    前記カラー撮像手段から得られる画素ごとの色情報であって、前記測定対象物の高さ情報に基づき特定される前記相対位置で取得した色情報を用いて、前記表面形状のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによる三次元表示を着色する処理手段とを備え
    前記カラー撮像手段が、前記対物レンズを通して照射された照明光により前記対物レンズを通して前記測定対象物のカラー画像を取得することを特徴とする三次元測定共焦点顕微鏡
  2. 画素ごとの最大受光量を求める手段を更に備え、前記処理手段が、前記画素ごとの色情報の輝度成分を前記画素ごとの最大受光量で置き換えた第2の色情報を用いて前記表面形状のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによる三次元表示を着色する請求項1記載の三次元測定共焦点顕微鏡
  3. 前記測定対象物にレーザ光を照射し、その反射光又は透過光の受光情報に基づいて前記測定対象物の高さ情報を含む三次元の表面形状の情報を取得する請求項1又は2記載の三次元測定共焦点顕微鏡
  4. 測定対象物に光を照射する光源と、
    前記測定対象物からの光を対物レンズを含む共焦点光学系を通して受光する受光素子と、
    前記対物レンズを通して照射された照明光により前記対物レンズを通して前記測定対象物の色情報を画素ごとに取得する色情報取得センサと、
    前記対物レンズの焦点に対する前記測定対象物の光軸方向での相対位置を変化させるZ方向変位機構と、
    前記測定対象物を前記光源からの光で前記光軸方向に垂直なXY方向に走査する走査機構と、
    前記受光素子の受光量が最大になるときの前記測定対象物の光軸方向での相対位置に相当する高さ情報と前記色情報を画素ごとに求めて記憶する処理装置と、
    前記画素ごとの高さ情報と前記画素ごとの色情報とを用いて、前記測定対象物の表面形状のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによるカラー三次元表示を行う表示装置とを備えている三次元測定共焦点顕微鏡
  5. 前記表示装置が、前記画素ごとの色情報の輝度成分を前記画素ごとの最大受光量で置き換えた第2の色情報と前記画素ごとの高さ情報とを用いて、前記測定対象物の表面形状のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによるカラー三次元表示を行う請求項記載の三次元測定共焦点顕微鏡
  6. 前記三次元測定共焦点顕微鏡は、さらに、前記表面形状の高さの分布を色の分布として前記表示装置に表示することができることを特徴とする請求項1〜のいずれか一に記載の三次元測定共焦点顕微鏡
  7. 前記三次元測定共焦点顕微鏡は、さらに、前記表示装置に前記表面形状のソリッドモデルまたはワイヤフレームモデルによる着色された前記三次元表示のうち前記光軸方向の前記対物レンズ側から見えない陰となる部分を無彩色で表示することを特徴とする請求項1〜のいずれか一に記載の三次元測定共焦点顕微鏡
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