JP4309352B2 - 色域圧縮装置、色域圧縮方法及び色域圧縮プログラム等 - Google Patents

色域圧縮装置、色域圧縮方法及び色域圧縮プログラム等 Download PDF

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本発明は、カラーDTPシステムにおける色域圧縮装置等の技術分野に関し、特に第1のデバイスの色域が、目標とする第2のデバイスの色域よりも小さい場合に、各デバイスの色域の違いを考慮してより自然な色再現ができるようにした色域圧縮装置等に関する。
一般に、カラー画像を扱うプリンタやモニタ等のデバイスの色域すなわち色の再現範囲(Gamut) の形状は、それぞれのデバイス毎に異なる。例えば、プリンタはインクのシアン(C),マゼンダ(M),イエロー(Y),ブラック(K)で色再現を行なっているが、実際にプリンタによって印刷される色の再現範囲(Gamut)(以下、色域と言う。)は使用するインクの特性や画像の記録媒体となる印刷紙の種類等によっても異なる。
ところで、オフセット印刷装置等の大型の業務用印刷装置を販売する際など、当該業務用印刷装置の色再現性等を確認するために、業務用印刷装置でカラーチャートや印刷テスト用写真等を印刷して、その印刷物を顧客に示して販売促進活動や営業活動を行なうことが考えられる。このように顧客に印刷物を示すたびに、販売対象となる業務用印刷装置で印刷をする手間や、業務用印刷装置の稼動コスト等を考慮して、各営業所等に備えられたインクジェットプリンタ等の汎用小型印刷装置で、販売対象である業務用印刷装置の色再現性を有する印刷物を出力(印刷)することがある。
このような場合、販売対象となる業務用印刷装置での色再現を、インクジェットプリンタ等の汎用小型印刷装置で行うために、汎用小型印刷装置の色域を、業務用印刷装置の色域に調整する必要がある。このように、夫々のデバイス間において同じような色で再現しようというデバイスに依存しない色再現技術(Device Independent Color)の概念が要求されるようになってきている。このデバイスに依存しない色再現技術(Device Independent Color)を実現するためのシステムのことを一般的にカラーマネージメントシステム(CMS:Color Management System) と呼んでいる。
このカラーマネージメントシステムは、例えばカメラ、スキャナ、モニタ、プリンタなどの各種入出力デバイスを接続するに当たり、入力系の色信号から出力系の信号へ変換するときに、プロファイルと呼ばれる変換式若しくは変換テーブルによりデバイスに依存しない共通の色空間(国際照明委員会(CIE)が定めた1976CIELab空間等)に一度変換することによって実現される。
上記カラーマネージメントシステムにおいて、汎用小型印刷装置の色域が業務用印刷装置の色域よりも大きい場合には、汎用小型印刷装置にて業務用印刷装置の色再現性を有する印刷物を印刷できるので問題にならないが、逆に、業務用印刷装置の色域が汎用小型印刷装置の色域よりも大きい場合には、カラーチャートや印刷テスト用写真等によっては色情報をそのまま正確に再現することはできない。例えば、業務用印刷装置における色再現性を有する印刷物を汎用小型印刷装置にて印刷する場合に、業務用印刷装置よりも汎用小型印刷装置の色域の方が小さいので、汎用小型印刷装置の再現範囲外の色はそのままでは再現できない。従って、このような場合には、業務用印刷装置における色情報をなるべく保ちつつ、色域外の色を汎用小型印刷装置の再現範囲内にもってくるような色修正処理が必要になる。
このように物理的に再現不可能な色を何らかの処理により色域内に押し込む(圧縮する)ことを一般的に色域圧縮(Gamut Compression) と呼び、例えば以下の特許文献1乃至4には種々の圧縮手法に関する技術が開示されている。
特開2002−118764号公報 特開平11−341296号公報 特開平9−982998号公報 特開平7−236069号公報
従来より知られている圧縮法では、業務用印刷装置にて再現可能な色のうち、汎用小型印刷装置の色域内にある色は変換せずに、色域外の色のみを色域内にクリッピング(変換)する手法があるが、このような手法では、汎用小型印刷装置の色域境界付近等の高彩度部分の階調性が悪くなるという問題があった。
これを解決する手法として、業務用印刷装置にて再現可能な色が全て汎用小型印刷装置の色域内に収まるよう、全ての色を圧縮する手法が提案されているが、これでは全体的な色変換精度が低下し、更に演算時間がかかるため迅速な圧縮処理が行なえないという問題があった。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、カラーDTPシステムにおいて、各デバイスの色域の違いを考慮してより自然な色再現ができるようにした色域圧縮方法及び色域圧縮装置を提供することを目的する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1のデバイスの色域が、目標とする第2のデバイスの色域よりも小さい場合に、前記第2のデバイスの色域を圧縮する色域圧縮装置であって、前記第1のデバイスに係る色度信号を示す複数の第1の色度信号データと、前記第2のデバイスに係る色度信号を示す複数の第2の色度信号データと、を取得する色度信号データ取得手段と、前記第1の色度信号データに基づいて第1のデバイスの色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段と、前記第2の色度信号データのうち、前記第1の色域データによって示される前記第1のデバイスの色域内に存在する第2の色度信号データを含む高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを除く他の前記第2の色度信号データを除去する除去手段と、前記第1の色域データで示される色域外に存在する前記最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段と、前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データと、前記除去手段による除去後の残りの前記第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データとに基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段とを有することを特徴とする。
これによれば、第2のデバイスで再現可能な第2の色度信号データのうち、高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、最外郭色度信号データを以外の他の第2の色度信号データを取り除き、最外郭色度信号データを第1のデバイスの色域内に収まるよう変換し、変換後の最外郭色度信号データと、除去されずに残った第2の色度信号データと、取得した第1の色度信号データと、に基づいて、高彩度領域を補間するよう構成したので、色域の閾値付近(高彩度領域)では滑らかに変化し、そして、第1のデバイスの色域内部は、変化させることなく、かつ、迅速に全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項2に記載の発明は、第1の印刷装置の色域が、目標とする第2の印刷装置の色域よりも小さい場合に、前記第2の印刷装置の色域を圧縮する色域圧縮装置であって、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置によって印刷された色域圧縮用カラーチャートであって、前記第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データ以外の高彩度領域のカラーデータが存在しない前記色域圧縮用カラーチャートを測色して、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置に係る複数の色彩信号をそれぞれ取得し、当該それぞれの色彩信号に基づいて第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得する色度信号データ取得手段と、前記第1の色度信号データに基づいて第1の印刷装置の色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段と、前記取得された第2の色度信号データのうち、前記取得された第1の色域データで示される色域外に存在する前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段と、前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データ及び第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段と、を有することを特徴とする。
これによれば、予め高彩度領域の存在しない色域圧縮用カラーチャートを第2の印刷装置及び第1の印刷装置にて印刷し、当該色域圧縮用カラーチャートを測色することにより、高彩度領域の存在しない第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得することが可能になるので、当該第2の色度信号データと第1の色度信号データと変換後の最外郭色度信号データと、に基づいて、高彩度領域を補間するよう構成することにより色域の閾値付近(高彩度領域)では滑らかに変化し、そして、第1の印刷装置の色域内部は、変化させることなく、かつ、迅速に全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の色域圧縮装置において、前記変換手段は、前記最外郭色度信号データの特定の色成分に重み付けをして、変換前と変換後の前記最外郭色度信号データの色差が最小となるよう変換することを特徴とする。
これによれば、例えば、人間の視覚に大きく影響を及ぼす色成分に重み付けをして変換することにより、人間の視覚への影響を最小限に抑えることが可能となる。
上記課題を解決するため、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の色域圧縮装置において、前記特定の色成分は、色相、又は明度、又は彩度の何れかであることを特徴とする。
これによれば、人間の視覚に大きく影響を及ぼす色相は維持しつつ、明度の変位と彩度の変位の比率を3対1とするなど、人間の視覚に比較的大きな影響を及ぼす明度をできるだけ維持するよう重み付けをして圧縮するよう構成することが可能になり、人間の視覚に対する影響を考慮した色域圧縮が可能になる。
上記課題を解決するため、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、前記補間手段は、線形補間若しくは非線形補間によるものであることを特徴とする。
これによれば、より確実かつ高い階調再現性を有する圧縮を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、前記高彩度領域は、前記第1の色域データに係る各明度において再現可能な最大彩度の80%以上の領域であることを特徴とする。
これによれば、色域の閾値付近では滑らかに変化し、そして、第1のデバイスとしての印刷装置の色域内部は、カラーチャートを印刷して測定した値等、第1のデバイスによって再現可能な値をそのまま使用して全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、前記色域データ取得手段は、前記色度信号データ取得手段によって取得した第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得し、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値との差が所定値以上であって、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値との差が所定値以上である場合には、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差が所定値以上の領域であることを特徴とする。
これによれば、色域の閾値付近では滑らかに変化し、そして、第1のデバイスとしての印刷装置の色域内部は、カラーチャートを印刷して測定した値等、第1のデバイスによって再現可能な値をそのまま使用して全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の色域圧縮装置において、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差ΔEが5以上となる領域であることを特徴とする。
これによれば、人間の視覚に対する影響を考慮した色域圧縮が可能になる。
上記課題を解決するため、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、前記補間手段による補間結果に基づいて、色域変換用ルックアップテーブルを作成するルックアップテーブル作成手段を有することを特徴とする。
これによれば、色域の異なる印刷装置等のデバイス間における色域を変換するためのルックアップテーブルを作成する際により高い色変換精度と高い階調再現性を有する色域変換用ルックアップテーブルを作成することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項10に記載の発明は、請求項2乃至請求項9の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、前記色彩信号は、CIELab空間における座標値であることを特徴とする。
これによれば、第1の印刷装置にて印刷したカラーチャートを、CIELab空間における座標値としての色彩信号に置き換えることにより、最適なデバイスに依存しない色空間に置き換えることが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項11に記載の発明は、第1のデバイスの色域が、目標とする第2のデバイスの色域よりも小さい場合に、前記第2のデバイスの色域を圧縮する色域圧縮装置に含まれるコンピュータを、前記第1のデバイスに係る色度信号を示す複数の第1の色度信号データと、前記第2のデバイスに係る色度信号を示す複数の第2の色度信号データと、を取得する色度信号データ取得手段、前記第1の色度信号データに基づいて第1のデバイスの色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段、前記第2の色度信号データのうち、前記第1の色域データによって示される前記第1のデバイスの色域内に存在する第2の色度信号データを含む高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを除く他の前記第2の色度信号データを除去する除去手段及び、前記第1の色域データで示される色域外に存在する前記最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段、前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データと、前記除去手段による除去後の残りの前記第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段として機能させることを特徴とする。
これによれば、第2のデバイスで再現可能な第2の色度信号データのうち、高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、最外郭色度信号データを以外の他の第2の色度信号データを取り除き、最外郭色度信号データを第1のデバイスの色域内に収まるよう変換し、変換後の最外郭色度信号データと、除去されずに残った第2の色度信号データと、取得した第1の色度信号データと、に基づいて、高彩度領域を補間するよう構成したので、色域の閾値付近(高彩度領域)では滑らかに変化し、そして、第1のデバイスの色域内部は、変化させることなく、かつ、迅速に全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項12に記載の発明は、第1の印刷装置の色域が、目標とする第2の印刷装置の色域よりも小さい場合に、前記第2の印刷装置の色域を圧縮する色域圧縮装置に含まれるコンピュータを、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置によって印刷された色域圧縮用カラーチャートであって、前記第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データ以外の高彩度領域のカラーデータが存在しない前記色域圧縮用カラーチャートを測色して、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置に係る複数の色彩信号をそれぞれ取得し、当該それぞれの色彩信号に基づいて第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得する色度信号データ取得手段、前記第1の色度信号データに基づいて第1の印刷装置の色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段と、前記取得された第2の色度信号データのうち、前記取得された第1の色域データで示される色域外に存在する前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段及び、前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データ及び第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段として機能させることを特徴とする。
これによれば、予め高彩度領域の存在しない色域圧縮用カラーチャートを第2の印刷装置及び第1の印刷装置にて印刷し、当該色域圧縮用カラーチャートを測色することにより、高彩度領域の存在しない第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得することが可能になるので、当該第2の色度信号データと第1の色度信号データと変換後の最外郭色度信号データと、に基づいて、高彩度領域を補間するよう構成することにより色域の閾値付近(高彩度領域)では滑らかに変化し、そして、第1の印刷装置の色域内部は、変化させることなく、かつ、迅速に全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項13に記載の発明は、請求項11又は請求項12に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記変換手段を、前記最外郭色度信号データの特定の色成分に重み付けをして、変換前と変換後の前記最外郭色度信号データの色差が最小となるように変換するよう機能させることを特徴とする。
これによれば、例えば、人間の視覚に大きく影響を及ぼす色成分に重み付けをして変換することにより、人間の視覚への影響を最小限に抑えることが可能となる。
上記課題を解決するため、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記特定の色成分は、色相、又は明度、又は彩度の何れかであることを特徴とする。
これによれば、人間の視覚に大きく影響を及ぼす色相は維持しつつ、明度の変位と彩度の変位の比率を3対1とするなど、人間の視覚に比較的大きな影響を及ぼす明度をできるだけ維持するよう重み付けをして圧縮するよう構成することが可能になり、人間の視覚に対する影響を考慮した色域圧縮が可能になる。
上記課題を解決するため、請求項15に記載の発明は、請求項11乃至請求項14の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記補間手段は、線形補間若しくは非線形補間によるものであることを特徴とする。
これによれば、より確実かつ高い階調再現性を有する圧縮を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項16に記載の発明は、請求項11乃至請求項15の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記高彩度領域は、前記第1の色域データに係る各明度において再現可能な最大彩度の80%以上の領域であることを特徴とする。
これによれば、色域の閾値付近では滑らかに変化し、そして、第1のデバイスとしての印刷装置の色域内部は、カラーチャートを印刷して測定した値等、第1のデバイスによって再現可能な値をそのまま使用して全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項17に記載の発明は、請求項11乃至請求項16の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値との差が所定値以上であって、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値との差が所定値以上である場合には、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差が所定値以上の領域であることを特徴とする。
これによれば、色域の閾値付近では滑らかに変化し、そして、第1のデバイスとしての印刷装置の色域内部は、カラーチャートを印刷して測定した値等、第1のデバイスによって再現可能な値をそのまま使用して全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差ΔEが5以上となる領域であることを特徴とする。
これによれば、人間の視覚に対する影響を考慮した色域圧縮が可能になる。
上記課題を解決するため、請求項19に記載の発明は、請求項11乃至請求項18の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記コンピュータを、前記補間手段による補間結果に基づいて、色域変換用ルックアップテーブルを作成するルックアップテーブル作成手段として更に機能させることを特徴とする。
これによれば、色域の異なる印刷装置等のデバイス間における色域を変換するためのルックアップテーブルを作成する際により高い色変換精度と高い階調再現性を有する色域変換用ルックアップテーブルを作成することが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項20に記載の発明は、請求項12乃至請求項19に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記色彩信号は、CIELab空間における座標値であることを特徴とする。
これによれば、第1の印刷装置にて印刷したカラーチャートを、CIELab空間における座標値としての色彩信号に置き換えることにより、最適なデバイスに依存しない色空間に置き換えることが可能になる。
上記課題を解決するため、請求項21に記載の発明は、請求項11乃至請求項20のいずれか一項に記載の色変換プログラムが、コンピュータで読み取り可能に記憶されていることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項22に記載の発明は、第1のデバイスの色域が、目標とする第2のデバイスの色域よりも小さい場合に、前記第2のデバイスの色域を圧縮する色域圧縮方法であって、前記第1のデバイスに係る色度信号を示す複数の第1の色度信号データと、前記第2のデバイスに係る色度信号を示す複数の第2の色度信号データと、を取得する工程と、前記第1の色度信号データに基づいて第1のデバイスの色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得する工程と、前記第2の色度信号データのうち、前記第1の色域データによって示される前記第1のデバイスの色域内に存在する第2の色度信号データを含む高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを除く他の前記第2の色度信号データを除去する工程と、前記第1の色域データで示される色域外に存在する前記最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換工程と、前記取得された第1の色度信号データと、前記除去後の残りの前記第2の色度信号データと、前記変換後の前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間工程と、を有することを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項23に記載の発明は、第1の印刷装置の色域が、目標とする第2の印刷装置の色域よりも小さい場合に、前記第2の印刷装置の色域を圧縮する色域圧縮方法であって、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置によって印刷された色域圧縮用カラーチャートであって、前記第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データ以外の高彩度領域のカラーデータが存在しない前記色域圧縮用カラーチャートを測色して、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置に係る複数の色彩信号をそれぞれ取得し、当該それぞれの色彩信号に基づいて第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得する工程と、前記第1の色度信号データに基づいて第1の印刷装置の色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データを取得する工程と、前記取得された第2の色度信号データのうち、前記取得された第1の色域データで示される色域外に存在する前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換工程と、前記取得された第1の色度信号データ及び第2の色度信号データと、前記変換後の前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間工程とを有することを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項24に記載の発明は、請求項22又は請求項23に記載の色域圧縮方法において、前記変換工程は、前記最外郭色度信号データの特定の色成分に重み付けをして、変換前と変換後の前記最外郭色度信号データの色差が最小となるよう変換することを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の色域圧縮方法において、前記特定の色成分は、色相、又は明度、又は彩度の何れかであることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項26に記載の発明は、請求項22乃至請求項25の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、前記補間工程は、線形補間若しくは非線形補間によるものであることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項27に記載の発明は、請求項22乃至請求項26の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、前記高彩度領域は、前記第1の色域データに係る各明度において再現可能な最大彩度の80%以上の領域であることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項28に記載の発明は、請求項22乃至請求項27の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値との差が所定値以上であって、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値との差が所定値以上である場合には、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差が所定値以上の領域であることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項29に記載の発明は、請求項28に記載の色域圧縮方法において、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差ΔEが5以上となる領域であることを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項30に記載の発明は、請求項22乃至請求項29の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、前記補間工程による補間結果に基づいて、色域変換用ルックアップテーブルを作成する工程を有することを特徴とする。
上記課題を解決するため、請求項31に記載の発明は、請求項23乃至請求項29の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、前記色彩信号は、CIELab空間における座標値であることを特徴とする。
本発明によれば、第2のデバイスで再現可能な第2の色度信号データのうち、高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、最外郭色度信号データを以外の他の第2の色度信号データを取り除き、最外郭色度信号データを第1のデバイスの色域内に収まるよう変換し、変換後の最外郭色度信号データと、除去されずに残った第2の色度信号データと、取得した第1の色度信号データと、に基づいて、高彩度領域を補間するよう構成したので、色域の閾値付近(高彩度領域)では滑らかに変化し、そして、第1のデバイスの色域内部は、変化させることなく、かつ、迅速に全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。本実施形態は、オフセット印刷装置等の大型の業務用印刷装置の一例としての印刷本機によるカラー印刷の色再現を、色域の異なる他の印刷装置、例えば印刷本機よりも色域の小さい汎用小型印刷装置としてのインクジェットプリンタによって再現することを可能にする色域圧縮装置について本発明を適用した例を示す。
[色域圧縮装置の構成及び機能]
先ず、図1乃至図5を参照して、本実施形態にかかる色域圧縮装置の構成及び機能を説明する。
図1は、本実施形態にかかる色域圧縮装置の概要構成例を示すブロック図であり、図2は、本実施形態に係る色域圧縮処理の説明図である。
図1に示すように、色域圧縮装置1は、各種データ、テーブル及びプログラム等を記憶(格納)するHDD(Hard Disc Drive)等から構成された記憶部11、液晶表示モニタ等により構成された表示部12、色再現の目標となる印刷本機Po(第2のデバイス)、インクジェットプリンタPi(第1のデバイス)及び分光測色器Xと接続するための外部機器接続部13、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random-Access Memory)、各種データ及びプログラムを記憶するROM(Read-Only Memory)等から構成されたコンピュータとしての演算制御部14、を備えて構成され、これらの各構成要素はバス15を介して相互に接続されている。
記憶部11は、各デバイスのデバイス信号Dd(デバイス固有のCMYK色空間における座標値)と、当該デバイス信号Ddを再現可能な色彩信号Dc(デバイスに依存しない色空間における座標値)とを夫々対応付けて色変換テーブルとして記憶している。本実施の形態においては、図2に示す如く、デバイスとしての印刷本機Po及びインクジェットプリンタPiにて、それぞれISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)12642で規格化されているIT8.7/3などのCMYKで構成されるカラーチャートを印刷(出力)し(図2(A)参照。)、そのカラーチャートを分光測色器Xにて測定して(図2(B)参照。)、カラーチャートを構成するそれぞれのデバイス信号Ddに対応する色彩信号Dcを取得して印刷本機Poの色変換テーブルToと、インクジェットプリンタPiの色変換テーブルTiと、をそれぞれ作成し記憶部11に記憶する(図2(C)参照。)。
すなわち、色変換テーブルTo及び色変換テーブルTiは、図3に示す如く印刷本機Po及びインクジェットプリンタPiのデバイス固有の色情報(デバイス信号Dd)を、デバイスに依存しない共通の色空間(国際照明委員会(CIE)が定めた1976CIELab空間等)(色彩信号Dc)に置き換えるものである。このように、デバイス固有の色情報を、一旦デバイスに依存しない共通の色空間に置き換えることによって、インクジェットプリンタPiの色域が、印刷本機Poの色域よりも小さい場合であっても、印刷本機Poにおける色情報をできるだけ保ちつつ、色域外の色をインクジェットプリンタPiの色域にクリッピングする色域圧縮(Gamut Compression)処理を行うことが可能になる。なお、色域圧縮処理は、後に詳述する色域変換用ルックアップテーブル作成処理の説明の中で併せて説明する。
また、印刷本機Po及びインクジェットプリンタPiによって印刷されるカラーチャートは、各デバイス固有のCMYK色空間における座標値、C(シアン:0≦C≦255)、M(マゼンタ:0≦M≦255)、Y(イエロー:0≦Y≦255)、K(ブラック:0≦K≦255)の各色の組み合わせにより構成されるが、例えばこのカラーチャートをあらかじめ記憶部11内に記憶させておき、ユーザが図示しない操作入力部等を操作することにより当該カラーチャートを外部機器接続部13を介して印刷本機Po及びインクジェットプリンタPiから印刷し、分光測色器Xにて測定して、測定した結果、作成された色変換テーブルTo及び色変換テーブルTiを作成し、図2(C)に示す如く記憶部11に記憶するようになっている。
なお、C、M、Y、Kは、上述したようにそれぞれ0から255までのいずれかの値を有するため、これらの全ての組み合わせを分光測色器等にて測定することは困難かつ煩雑であるため、実際には、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色6ステップ(0%、20%、40%、60%、80%、100%)の組み合わせ合計3125個のデバイス信号Ddについて、これに対応する(すなわち、これらデバイス信号Ddを再現可能な)色彩信号Dcを取得して色変換テーブルTo及び色変換テーブルTiを取得する。この場合には、取得されている各CMYKの値を補間演算して、所望の数だけデバイス信号Ddと、当該デバイス信号Ddに対応する色彩信号Dcを取得すればよい。デバイス信号Ddと色彩信号Dcとの組み合わせの数が多いほど、後に詳述する色域変換用ルックアップテーブル作成処理において作成される色域変換用ルックアップテーブルの精度が向上する。
表示部12は、上記色変換テーブルTo及び色変換テーブルTiが有する色彩信号Dcのうち、ユーザが図示しないマウス等で構成された操作入力部等を操作することにより、表示を所望する色彩信号Dcを選択すると、選択された色彩信号Dcに基づく色彩を表示するようになっている。また、演算制御部14からの各種処理信号に基づいて、処理信号によって指示された表示を行なう。
外部機器接続部13は、分光測色器X、印刷本機Po及びインクジェットプリンタPiと接続するためのものである。
演算制御部14は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory)、本発明の色変換プログラム等を含む各種制御プログラムやデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)及び発振回路等を備えて構成されており、図示しない操作入力部等からの操作信号に基づいて、当該操作信号に含まれている操作情報に対応する動作を実現すべく上記各構成部材を制御するための制御情報を生成し、バス15を介して当該制御情報を該当する構成部材に出力して当該各構成部材の動作を統轄制御する。また、演算制御部14は、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより、本発明の色度信号データ取得手段、色域データ取得手段、除去手段、変換手段、補間手段及びルックアップテーブル作成手段として機能するようになっている。
まず、演算制御部14は、色度信号データ取得手段として機能し、インクジェットプリンタPiで再現可能な色彩信号Dc及び印刷本機Poで再現可能な色彩信号Dcを記憶部11に記憶した色変換テーブルTi及びToを参照して夫々取得し、当該各色彩信号Dcに基づいて、色度信号を示す第1の色度信号データ及び第2の色度信号データとを取得する。
また、演算制御部14は、色域データ取得手段として機能し、インクジェットプリンタPiの色度信号データに基づいてインクジェットプリンタPiの色域を示す色域データを取得し、印刷本機Poの色度信号データに基づいて印刷本機Poの色域を示す色域データを取得する。なお、色域データについては色域変換用ルックアップテーブル作成処理の説明において詳述する。
さらに、演算制御部14は、除去手段として機能し、印刷本機Poの色度信号データのうち、インクジェットプリンタPiの色域内に存在する色度信号データを含む高彩度領域に属する色度信号データであって、印刷本機Poの色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを除く他の色度信号データを除去する。なお、最外郭色度信号データの除去の手法についても、色域変換用ルックアップテーブル作成処理の説明において詳述する。
さらに、演算制御部14は、変換手段として機能し、インクジェットプリンタPiの色域外に存在する最外郭色度信号データを、インクジェットプリンタPiの色域内に収まるよう変換する。
また、演算制御部14は、補間手段として機能し、インクジェットプリンタPiの色度信号データと、除去後の残りの印刷本機Poの色度信号データと、変換された後の最外郭色度信号データと、に基づいて、高彩度領域を補間する。
また、演算制御部14は、ルックアップテーブル作成手段として機能し、高彩度領域を補間した補間結果に基づいて、印刷本機PoとインクジェットプリンタPi間の色域変換用ルックアップテーブルを作成する。
なお、演算制御部14における更なる具体的処理は次の色域変換用テーブル作成処理の説明において詳細に述べる。
[色域変換用ルックアップテーブル作成処理]
続いて、図1乃至図9を参照して色域変換用ルックアップテーブル作成処理の具体的手法について説明する。なお、当該色域変換用ルックアップテーブル作成処理の中で、CIE/L* * h色空間における印刷本機Poの色域をインクジェットプリンタPiの色域に圧縮する色域圧縮(Gamut Compression)の手法について詳細に説明する。ここで、CIE/L* * h色空間とは、人間の色に対する知覚である色の明るさを表す明度(lightness:L* )、色の鮮やかさを表す彩度(chroma:C* )、色の系統を表す色相(hue:h)の3属性に基づいた色空間を示し、この3属性を独立した色成分(パラメータ)として取り扱うことができる。そして、以下に説明する如く、CIE/L* * h色空間において色域圧縮(Gamut Compression) を行うのが知覚的に分かり易く、一般的に色相(h)を一定にして、明度(L* )と彩度(C* )の2次元平面上で行うことが好ましい。
図4は、演算制御部14における色域変換用ルックアップテーブル作成処理を示すフローチャートであり、当該フローチャートにより示される処理は、演算制御部14内の図示しないROM等に予め記憶されているプログラム(色域圧縮プログラムを含む。)に基づいて当該演算制御部14の制御に基づいて実行されるものである。
図4に示す処理は、色域圧縮装置1のユーザが図示しない操作入力部等を操作して、印刷本機Poの色域をインクジェットプリンタPiの色域に圧縮する色域変換用ルックアップテーブルLUTの作成が指示されることにより開始される。
まず、記憶部11に記憶した色変換テーブルToを参照して色彩信号Dcを取得する(ステップS1)。
次に、取得したそれぞれの色彩信号Dcに基づいて、色度信号としての明度(L*)及び彩度(C*)を示す第2の色度信号データとしての色度信号データDfを算出する(ステップS2)。図2(C)に示す例によれば、m個の色彩信号Dcからm個の色度信号データDfを算出して取得することとなる。
次に、記憶部11に記憶した色変換テーブルTiを参照して、当該色変換テーブルTiに記憶された各色彩信号Dcに基づいて、色度信号としての明度(L*)及び彩度(C*)の2次元平面(以下、L*−C*平面と言う。)上におけるインクジェットプリンタPiにて再現することが可能な色の範囲(色域)を示す第1の色域データとしての色域データRiを算出(取得)する(ステップS3)。
図5にステップS2にて取得したm個の印刷本機Poの色度信号データDfと、ステップS3で取得したインクジェットプリンタPiの色域データRiとを、明度(L*)及び彩度(C*)のL*−C*平面上にプロットしたL*−C*座標を示す。
図5において、黒丸が印刷本機Poにかかる色度信号データDfを示し、実線曲線がインクジェットプリンタPiの色域を示す色域データRiを示す。なお、インクジェットプリンタPiの色域は、それぞれの明度(L*)において、彩度(C*)が0(ゼロ)から当該色域データRiを示す実線曲線上の値まで、すなわち色域データRiを示す実線曲線とL*軸とで囲まれた領域となる。なお、この色域データRiは、色変換テーブルTiを参照して取得した色彩信号Dcに基づいて色度信号データをそれぞれ取得し、当該色度信号データを色域の外郭が明示される程度に補間演算を行うことにより、最終的に、当該L*−C*平面上に明示された色域の外郭をインクジェットプリンタPiの色域を示す色域データRiとして使用する。
そして、ステップS2で取得したm個の色度信号データDfのうち、色域の閾値付近の彩度(C*)を有する色度信号データDf、すなわち実線曲線で示す色域データRiの各明度(L*)において再現可能な最大彩度(C*)の80%以上の値を有する高彩度領域に属する色度信号データDfを選別する(ステップS4)。
続いて、ステップS4にて選別された色度信号データDfのうち、印刷本機Poにて再現することが可能な色の範囲(色域)を示す第2の色域データとしての色域データRoに基づいて最外郭色度信号データDf′を除く他の色度信号データDfを取り除く(除去)する(ステップS5)。なお、各明度(L*)における最も高い彩度(C*)を有する色度信号データDfが、色域データRoで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データDf′となる。
図6に示す例に拠れば、破線で示す曲線が、各明度(L*)において再現可能な最大彩度(実線曲線で示す色域データRi)の80%閾値ラインであり、白丸で示す色度信号データDfが、ステップS5にて取り除かれる高彩度領域に属する色度信号データDfを示す。一例として、同図に示すように、色度信号データDfaと色度信号データDfbとを比較すると、明度L1*において最も高い彩度(C*)を含む色度信号データは、色度信号データDfbであるため、当該色度信号データDfbが最外郭色度信号データDf′となる。同様にして、色度信号データDfcと色度信号データDfdとを比較すると、明度L2*において最も高い彩度(C*)を含む色度信号データは、色度信号データDfdであるため、当該色度信号データDfdが、最外郭色度信号データDf′となる。
以上のように、ステップS5では、高彩度領域に属する色度信号データDfのうち、各明度(L*)における最も高い彩度(C*)を有する最外郭色度信号データDf′を除く、色度信号データDfが全て取り除かれる。
続いて、インクジェットプリンタPiの色域外に存在する最外郭色度信号データDf′を色域データRiで示すインクジェットプリンタPiの色域内にクリッピング(変換)する(ステップS6)(図7参照。)。この際、変換前と変換後の最外郭色度信号データDf′の色差が最小となるよう変換することが望ましい。
また、図7に示す如く、クリッピング前は、高彩度領域に属する色度信号データはステップS5の処理にて除去されてほとんど存在しないため、最外郭色度信号データDf′のインクジェットプリンタPiの色域外から色域内への変換(クリッピング)は、データ間隔を縮めるのみとなる。すなわち、図8に示す如く、ステップS5の処理にて印刷本機Poで再現可能な高彩度領域に属す色度信号データDfであって、最外郭色度信号データDf′を除く、他の色度信号データDf(同図において白丸で示す。)を取り除くと、残りの色度信号データDf(同図において黒丸で示す。)の彩度(C*)は、図中破線で示す如くインクジェットプリンタPiの色域の閾値付近(高彩度領域)で滑らかな変化を示すようになる。そして、色域の閾値付近(高彩度領域)でないインクジェットプリンタPiの色域内部は変化させることなく全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
次に、ステップS5の処理で、高彩度領域に属す色度信号データDfを除去してしまっているため、図8にて破線で示す高彩度領域のデータを補間にて取得すべく、クリッピング後の最外郭色度信号データDf′と、ステップS5で除去されずに残った色度信号データDfと、色変換テーブルTiに記憶された色度信号データDfと、に基づいて重回帰補間による演算を行い、例えばkステップの順方向ルックアップテーブル(CMYK→L***)を作成する(ステップS7)。このようにして作成した順方向ルックアップテーブル(CMYK→L***)は、演算制御部14の図示しないRAM等に一時的に記憶させる。なお、ステップS7における補間方法は、ニューラルネットワーク等を利用した非線形補間演算によるものでもよく、また線形補間によってもよい。
次に、ステップS7で作成した順方向ルックアップテーブルのそれぞれの色彩信号Dc(L***)に基づいて、重回帰補間演算と、墨発生演算とを組み合わせることにより、デバイス信号Dd(CMYK)を算出し、印刷本機PoとインクジェットプリンタPi間の色域変換用ルックアップテーブルLUT(CMYK→CMYK)を作成する(ステップS8)。
図9にステップS8にて作成された色域変換用ルックアップテーブルLUTの一例を示す。なお、通常、デバイス信号Ddは、上述の如くISO12642で規格化されているIT8.7/3などのCMYKで現される四次元の色信号であるため、三次元の色彩信号から、この色信号CMYKを求めようとすると、三次元の色彩信号Dcに対応する複数の色信号CMYKが存在することになる。本実施形態におけるステップS8では、色彩信号Dcに対応する複数の色信号CMYKのうち、当該インクジェットプリンタPiで再現可能な1つの色信号をデバイス信号Ddとして取得するよう構成する。
以上説明したように、本実施形態における色域圧縮装置1によれば、印刷本機Poで再現可能な色度信号データDfのうち、高彩度領域に属する色度信号データDfであって、最外郭色度信号データDf′以外の他の色度信号データDfを取り除き、最外郭色度信号データDf′をインクジェットプリンタPiの色域内に収まるようクリッピング(変換)し、クリッピング(変換)後の最外郭色度信号データと、除去されずに残った色度信号データDfと、インクジェットプリンタPiでカラーテーブルを印刷(出力)して取得した色度信号データDfと、に基づいて、色域変換用ルックアップテーブルLUTを作成したので、色域の閾値付近(高彩度領域)では滑らかに変化し、そして、インクジェットプリンタPiの色域内部は、カラーチャートを印刷して測定した値をそのまま使用して全体の色域を圧縮させることができるため、色域圧縮前と色域圧縮後で高い色変換精度と高い階調再現性を実現することが可能になる。
なお、ステップS6における最外郭色度信号データDf′のインクジェットプリンタPiの色域内へのクリッピングの際に、明度(L*)や彩度(C*)、或いは色相(H)等の特定の色成分を維持しつつ、若しくは特定の色成分について重み付けをして、移動前の最外郭色度信号データDf′と移動後の最外郭色度信号データDf′の色差ΔEが最小となるようにクリッピングして、色域を圧縮してもよい。例えば、人間の視覚に大きく影響を及ぼす色相(H)は維持しつつ、明度(L*)の変位と彩度(C*)の変位の比率を3対1とするなど、人間の視覚に比較的大きな影響を及ぼす明度(L*)をできるだけ維持するよう重み付けをして圧縮するよう構成する。図10に明度(L*)に重み付けをして最外郭色度信号データDf′をクリッピングした場合の一例を示す。このように構成することにより、人間の視覚への影響を最小限に抑えることが可能となる。
また、ステップS4において、高彩度領域をインクジェットプリンタPiの色域データRiの彩度(C*)の80%以上としたが、これに限らず、例えば図11に示す如く、インクジェットプリンタPiの色域の最小明度であるL* (low_i)と、印刷本機Poの色域の最小明度であるL* (low_o)との差ΔL*、及び/又はインクジェットプリンタPiの色域の最大明度であるL* (Hi_i)と、印刷本機Poの色域の最大明度であるL* (Hi_o)との差ΔL*が、所定の値以上である場合には、インクジェットプリンタPiの色域データRiとの色差ΔEaが所定値以上となる彩度(C*)を有する範囲を高彩度領域として用いることが望ましい。
より具体的には、インクジェットプリンタPiの色域データRiとの色差ΔEaが所定値以上(例えば、ΔEaが5以上)となる彩度(C*)を有する範囲、すなわち図11において鎖線曲線で示す色差限界ラインからインクジェットプリンタPiの色域データRiまでを高彩度領域として構成する。なお、所定値の一例として色差ΔEaが5としたのは、色差に5程度の違いが発生すると、人間の視覚に確実に影響するためである。なお、印刷本機Poの色域は、それぞれの明度(L*)において、彩度(C*)が0(ゼロ)から色域データRoを示す一点鎖線曲線上の値まで、すなわち色域データRoを示す一点鎖線曲線とL*軸とで囲まれた領域となる。なお、この色域データRoは、インクジェットプリンタPiの色域データRiと同様に、色変換テーブルToを参照して取得したm個の色度信号データDfを色域の外郭が明示される程度に補間演算を行うことにより、最終的に、当該L*−C*平面上に明示された色域の外郭を色域データRoとして使用する。
さらに、上述した実施の形態においては、記憶部11に記憶させた規定のカラーチャートを出力して行なうことにより、インクジェットプリンタPiにて再現可能な色彩信号Dc(図2(C)に示す色変換テーブルTi)に基づいてインクジェットプリンタPiに係る色度信号データDfを取得し、印刷本機Poにて再現可能な色彩信号Dc(図2(C)に示す色変換テーブルTo)に基づいて印刷本機Poに係る色度信号データDfを取得したが、色変換テーブルTo及び色変換テーブルTiが、予め高彩度領域の色度信号データDfが取得できない色彩信号Dcを有する色変換テーブルTo及び色変換テーブルTiであってもよい。
すなわち、図12に示す如く、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色4ステップ(0%、20%、40%、60%、100%)と、K(ブラック)の5ステップ(0%、25%、50%、75%、100%)の組み合わせとなる色域圧縮用カラーチャートを第2の印刷装置としての印刷本機Po及び第1の印刷装置としてのインクジェットプリンタPiにて出力する。このように、予め高彩度領域であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の「80%」のステップを有しないカラーチャートを使用することにより、上述した色域変換用ルックアップテーブル作成処理におけるステップS4及びステップS5の処理が不要になる。なお、この場合、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の「100%」のステップを測色して取得した色彩信号Dcに基づいて得た色度信号データDfが最外郭色度信号データDf′となる。
また、上記実施形態においては、色彩信号として、国際照明委員会(CIE)が定めた1976CIELab空間における座標値を用いたが、これに限らず、他の色空間における座標値、例えばCIEXYZ空間における座標値や、RGB空間における座標値であってもよい。
本実施形態にかかる色域圧縮装置の概要構成例を示すブロック図である。 本実施形態にかかる色域圧縮処理の説明図である。 色域変換の概念的説明図である。 演算制御部14における色域変換用ルックアップテーブル作成処理を示すフローチャートである。 印刷本機Poの色度信号データDfとインクジェットプリンタPiの色域データRiをプロットしたL*−C*座標である。 印刷本機Poの色度信号データDfとインクジェットプリンタPiの色域データRiをプロットしたL*−C*座標中における高彩度領域及び最外郭色度信号データDf′の説明図である。 インクジェットプリンタPiの色域内への最外郭色度信号データDf′のクリッピングの説明図である。 補間前と補間後の高彩度領域に属す色度信号データDfの説明図である。 作成された色域変換用ルックアップテーブルLUTの一例である。 重み付けをした場合のインクジェットプリンタPiの色域内への最外郭色度信号データDf′のクリッピングの一例である。 高彩度領域についての他の決定手法を示す説明図である。 色域圧縮用カラーチャートの説明図である。
符号の説明
1 色域圧縮装置
11 記憶部
12 表示部
13 外部機器接続部
14 演算制御部
15 バス
Po 印刷本機
Pi インクジェットプリンタ
X 分光測色器
Ti、To 色変換テーブル
* 明度
* 彩度
H 色相
C シアン
M マゼンタ
Y イエロー
K ブラック
Dd デバイス信号
Dc 色彩信号
Df 色度信号データ
Df′最外郭色度信号データ
Ri インクジェットプリンタPiの色域データ
Ro 印刷本機Poの色域データ
ΔEa 色差

Claims (31)

  1. 第1のデバイスの色域が、目標とする第2のデバイスの色域よりも小さい場合に、前記第2のデバイスの色域を圧縮する色域圧縮装置であって、
    前記第1のデバイスに係る色度信号を示す複数の第1の色度信号データと、前記第2のデバイスに係る色度信号を示す複数の第2の色度信号データと、を取得する色度信号データ取得手段と、
    前記第1の色度信号データに基づいて第1のデバイスの色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段と、
    前記第2の色度信号データのうち、前記第1の色域データによって示される前記第1のデバイスの色域内に存在する第2の色度信号データを含む高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを除く他の前記第2の色度信号データを除去する除去手段と、
    前記第1の色域データで示される色域外に存在する前記最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段と、
    前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データと、前記除去手段による除去後の残りの前記第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段と、
    を有することを特徴とする色域圧縮装置。
  2. 第1の印刷装置の色域が、目標とする第2の印刷装置の色域よりも小さい場合に、前記第2の印刷装置の色域を圧縮する色域圧縮装置であって、
    前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置によって印刷された色域圧縮用カラーチャートであって、前記第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データ以外の高彩度領域のカラーデータが存在しない前記色域圧縮用カラーチャートを測色して、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置に係る複数の色彩信号をそれぞれ取得し、当該それぞれの色彩信号に基づいて第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得する色度信号データ取得手段と、
    前記第1の色度信号データに基づいて第1の印刷装置の色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段と、
    前記取得された第2の色度信号データのうち、前記取得された第1の色域データで示される色域外に存在する前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段と、
    前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データ及び第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段と、
    を有することを特徴とする色域圧縮装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の色域圧縮装置において、
    前記変換手段は、前記最外郭色度信号データの特定の色成分に重み付けをして、変換前と変換後の前記最外郭色度信号データの色差が最小となるよう変換することを特徴とする色域圧縮装置。
  4. 請求項3に記載の色域圧縮装置において、
    前記特定の色成分は、色相、又は明度、又は彩度の何れかであることを特徴とする色域圧縮装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、
    前記補間手段は、線形補間若しくは非線形補間によるものであることを特徴とする色域圧縮装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、
    前記高彩度領域は、前記第1の色域データに係る各明度において再現可能な最大彩度の80%以上の領域であることを特徴とする色域圧縮装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、
    前記色域データ取得手段は、前記色度信号データ取得手段によって取得した第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得し、
    前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値との差が所定値以上であって、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値との差が所定値以上である場合には、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差が所定値以上の領域であることを特徴とする色域圧縮装置。
  8. 請求項7に記載の色域圧縮装置において、
    前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差ΔEが5以上となる領域であることを特徴とする色域圧縮装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、
    前記補間手段による補間結果に基づいて、色域変換用ルックアップテーブルを作成するルックアップテーブル作成手段を有することを特徴とする色域圧縮装置。
  10. 請求項2乃至請求項9の何れか一項に記載の色域圧縮装置において、
    前記色彩信号は、CIELab空間における座標値であることを特徴とする色域圧縮装置。
  11. 第1のデバイスの色域が、目標とする第2のデバイスの色域よりも小さい場合に、前記第2のデバイスの色域を圧縮する色域圧縮装置に含まれるコンピュータを、
    前記第1のデバイスに係る色度信号を示す複数の第1の色度信号データと、前記第2のデバイスに係る色度信号を示す複数の第2の色度信号データと、を取得する色度信号データ取得手段、
    前記第1の色度信号データに基づいて第1のデバイスの色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段、
    前記第2の色度信号データのうち、前記第1の色域データによって示される前記第1のデバイスの色域内に存在する第2の色度信号データを含む高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを除く他の前記第2の色度信号データを除去する除去手段及び、
    前記第1の色域データで示される色域外に存在する前記最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段、
    前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データと、前記除去手段による除去後の残りの前記第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段として機能させることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  12. 第1の印刷装置の色域が、目標とする第2の印刷装置の色域よりも小さい場合に、前記第2の印刷装置の色域を圧縮する色域圧縮装置に含まれるコンピュータを、
    前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置によって印刷された色域圧縮用カラーチャートであって、前記第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データ以外の高彩度領域のカラーデータが存在しない前記色域圧縮用カラーチャートを測色して、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置に係る複数の色彩信号をそれぞれ取得し、当該それぞれの色彩信号に基づいて第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得する色度信号データ取得手段、
    前記第1の色度信号データに基づいて第1の印刷装置の色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データを取得する色域データ取得手段と、
    前記取得された第2の色度信号データのうち、前記取得された第1の色域データで示される色域外に存在する前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換手段及び、
    前記色度信号データ取得手段によって取得された第1の色度信号データ及び第2の色度信号データと、前記変換手段によって変換された前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間手段として機能させることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の色域圧縮プログラムにおいて、
    前記変換手段を、前記最外郭色度信号データの特定の色成分に重み付けをして、変換前と変換後の前記最外郭色度信号データの色差が最小となるように変換するよう機能させることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  14. 請求項13に記載の色域圧縮プログラムにおいて、
    前記特定の色成分は、色相、又は明度、又は彩度の何れかであることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  15. 請求項11乃至請求項14の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、
    前記補間手段は、線形補間若しくは非線形補間によるものであることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  16. 請求項11乃至請求項15の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、
    前記高彩度領域は、前記第1の色域データに係る各明度において再現可能な最大彩度の80%以上の領域であることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  17. 請求項11乃至請求項16の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、
    前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値との差が所定値以上であって、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値との差が所定値以上である場合には、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差が所定値以上の領域であることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  18. 請求項17に記載の色域圧縮プログラムにおいて、
    前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差ΔEが5以上となる領域であることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  19. 請求項11乃至請求項18の何れか一項に記載の色域圧縮プログラムにおいて、前記コンピュータを、
    前記補間手段による補間結果に基づいて、色域変換用ルックアップテーブルを作成するルックアップテーブル作成手段として更に機能させることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  20. 請求項12乃至請求項19に記載の色域圧縮プログラムにおいて、
    前記色彩信号は、CIELab空間における座標値であることを特徴とする色域圧縮プログラム。
  21. 請求項11乃至請求項20のいずれか一項に記載の色変換プログラムが、コンピュータで読み取り可能に記憶されていることを特徴とする記録媒体。
  22. 第1のデバイスの色域が、目標とする第2のデバイスの色域よりも小さい場合に、前記第2のデバイスの色域を圧縮する色域圧縮方法であって、
    前記第1のデバイスに係る色度信号を示す複数の第1の色度信号データと、前記第2のデバイスに係る色度信号を示す複数の第2の色度信号データと、を取得する工程と、
    前記第1の色度信号データに基づいて第1のデバイスの色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2のデバイスの色域を示す第2の色域データを取得する工程と、
    前記第2の色度信号データのうち、前記第1の色域データによって示される前記第1のデバイスの色域内に存在する第2の色度信号データを含む高彩度領域に属する第2の色度信号データであって、前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを除く他の前記第2の色度信号データを除去する工程と、
    前記第1の色域データで示される色域外に存在する前記最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換工程と、
    前記取得された第1の色度信号データと、前記除去後の残りの前記第2の色度信号データと、前記変換後の前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間工程と、
    を有することを特徴とする色域圧縮方法。
  23. 第1の印刷装置の色域が、目標とする第2の印刷装置の色域よりも小さい場合に、前記第2の印刷装置の色域を圧縮する色域圧縮方法であって、
    前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置によって印刷された色域圧縮用カラーチャートであって、前記第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データ以外の高彩度領域のカラーデータが存在しない前記色域圧縮用カラーチャートを測色して、前記第1の印刷装置及び前記第2の印刷装置に係る複数の色彩信号をそれぞれ取得し、当該それぞれの色彩信号に基づいて第2の色度信号データ及び第1の色度信号データを取得する工程と、
    前記第1の色度信号データに基づいて第1の印刷装置の色域を示す第1の色域データを取得し、前記第2の色度信号データに基づいて第2の印刷装置の色域を示す第2の色域データを取得する工程と、
    前記取得された第2の色度信号データのうち、前記取得された第1の色域データで示される色域外に存在する前記第2の色域データで示される色域の最外郭に属する最外郭色度信号データを、当該第1の色域データで示される色域内に収まるよう変換する変換工程と、
    前記取得された第1の色度信号データ及び第2の色度信号データと、前記変換後の前記最外郭色度信号データと、に基づいて、前記高彩度領域を補間する補間工程と、
    を有することを特徴とする色域圧縮方法。
  24. 請求項22又は請求項23に記載の色域圧縮方法において、
    前記変換工程は、前記最外郭色度信号データの特定の色成分に重み付けをして、変換前と変換後の前記最外郭色度信号データの色差が最小となるよう変換することを特徴とする色域圧縮方法。
  25. 請求項24に記載の色域圧縮方法において、
    前記特定の色成分は、色相、又は明度、又は彩度の何れかであることを特徴とする色域圧縮方法。
  26. 請求項22乃至請求項25の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、
    前記補間工程は、線形補間若しくは非線形補間によるものであることを特徴とする色域圧縮方法。
  27. 請求項22乃至請求項26の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、
    前記高彩度領域は、前記第1の色域データに係る各明度において再現可能な最大彩度の80%以上の領域であることを特徴とする色域圧縮方法。
  28. 請求項22乃至請求項27の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、
    前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最小値との差が所定値以上であって、前記第2の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値と、前記第1の色域データの彩度が0(ゼロ)の場合の明度の最大値との差が所定値以上である場合には、前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差が所定値以上の領域であることを特徴とする色域圧縮方法。
  29. 請求項28に記載の色域圧縮方法において、
    前記高彩度領域は、前記第1の色域データとの色差ΔEが5以上となる領域であることを特徴とする色域圧縮方法。
  30. 請求項22乃至請求項29の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、
    前記補間工程による補間結果に基づいて、色域変換用ルックアップテーブルを作成する工程を有することを特徴とする色域圧縮方法。
  31. 請求項23乃至請求項29の何れか一項に記載の色域圧縮方法において、
    前記色彩信号は、CIELab空間における座標値であることを特徴とする色域圧縮方法。
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