JP4307790B2 - 多重伝送アンテナを備えた無線システムのためのチャネル推定法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線システムにおけるチャネル推定法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムが世界中で展開されるにつれて、クリアな、費用効果の高い通信サービスを提供する重要性が増大している。残念ながら、クリアな通信を提供するためには、符号間干渉(ISI)等の様々な障害を軽減する必要がある。ISIを縮減するために、直交周波数分割多重化(OFDM)として知られる技法が使用される。直交周波数分割多重化は、通信パラダイムであり、単一通信チャネルが、多数の狭帯域サブバンドに分割され、その後、パラレルに伝送される。このようにしてシンボルを伝送することにより、各シンボルの期間は、劇的に増大され、ISI問題を大きく縮減され、あるいは完全に消去される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
残念ながら、OFDM伝送内の個別サブバンドは、特に、移動通信システムに使用された時、レイリー・フェーディングを受ける。レイリー・フェーディングの効果は多重送信機および/または受信機アンテナを使用することにより緩和されるが、すべての送信機/受信機アンテナ対のチャネル特性の推定は、困難であり、計算集約的である。したがって、高チャネル推定を与える装置および技術が必要とされる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
様々な実施形態において、複数の送信アンテナを使用して、OFDMシステム等の様々な通信システムのチャネル特性を決定するための技術が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下の図に関して詳細に説明する。同じ番号は同じ要素を示す。
【0006】
無線システムに対して、チャネル推定は、困難であり、計算集約的である。多重サブバンドを使用する直交周波数分割多重化(OFDM)システム等の無線通信システムに対して、各サブバンドが推定されなければならないために、計算コストは増大する。さらに、実際のOFDMシステムは多重送信および/または受信アンテナを必要とするために、計算コストは、各送信/受信アンテナ対に対する各サブバンドが推定されなければならにために、膨大なレベルにまで上昇する。
【0007】
そのような計算コストにかかわらず、チャネル推定の困難さは、移動チャネルの特性が時間とともに絶えず変化するために、移動システムの文脈においてさらに複雑になる。こうして、送信/受信アンテナ対毎の各OFDMサブバンドが通信の開始、中途または終了時に正確にモデル化されるとしても、そのようなチャネル推定値は、通信の他の部分に対して全く不適切である。
【0008】
一般に、移動チャネルは、送信機におけるトレーニング・シンボルとして知られた所定シンボルのセットを埋め込み、初期チャネル推定値のセットを生成するために受信機においてトレーニング・シンボルを処理することにより推定される。移動チャネルのように絶えず変化するチャネルに対して、初期チャネル推定値は、後続のデータ・シンボルを適切に処理することにより、時間とともに反復更新され、あるいは適合される。
【外1】
Figure 0004307790
【0009】
残念ながら、多重アンテナを有する通信システムに対してチャネル推定値の様々なセットを決定することは、続いて反転されなければならない相互相関マトリックスQの定式化と使用を必要とする。相互相関マトリックスQのサイズは成長するために、Qを反転するという計算上の必要条件は、幾何学的に成長する。トレーニング・シンボルを賢明に選べば相互相関マトリックスQを反転する必要を除去するが、データ・シンボルは、トレーニング・シンボルと異なり、そのように選ぶことができない。
【0010】
しかし、データ・シンボルについて様々な仮定をすることにより、更新チャネル推定値のセットは、相互相関マトリックスQを反転することなく推定され、そして計算コストは、チャネル推定値の精度の小さな劣化のみで非常に縮小される。
【0011】
図1は、例示の伝送システム100のブロック図である。伝送システム100は、多数の関連OFDM送信機120−1、120−2、...、120−Nとそれぞれの送信アンテナ130−1、130−2、...、130−N、を有する符号器110を含みおよび多数の関連OFDM受信機150−1、150−2、...、150−Mとそれぞれの受信アンテナ140−1、140−2、...、140−Mを有する等化器160を含む。
【0012】
動作において、符号器110は、様々なOFDM送信機120−1、120−2、...、120−Nへ供給されるシンボルのブロックを形成する。様々なOFDM送信機120−1、120−2、...、120−Nは、シンボルのブロックを無線周波数波のように電磁搬送波へ変調し、それぞれの送信アンテナ130−1、130−2、...、130−Nを使用して送信する。様々な無線周波数信号135は、受信アンテナ140−1、140−2、...、140−Mによって受信され、それぞれのOFDM受信機150−1、150−2、...、150−Mへ送られる。OFDM受信機150−1、150−2、...、150−Mは、受信無線周波数信号135をベースバンド信号へ変換し、ベースバンド信号をデジタル化し、デジタル・ベースバンド信号を等化器160へ供給する。等化器160は、デジタル・ベースバンド信号からシンボルを抽出し、シンボルに様々な演算を施す。
【0013】
図1に示されたように、各送信アンテナ130−1、130−2、...、130−Nによって送信された無線周波数信号135は、その後、受信アンテナ140−1、140−2、...、140−Mの各々によって受信される。図1は様々な通信チャネルを、各送信/受信アンテナ対の間の単一直接路として描くが、各無線周波数信号135は、各送信アンテナ130−1、130−2、...、130−Nから各受信アンテナ140−1、140−2、...、140−Mに直接路を通って伝搬するだけでなく、各送信アンテナ130−1、130−2、...、130−Nから各受信アンテナ140−1、140−2、...、140−Mに様々な間接路(図示せず)を通って伝搬することが認められる。
【0014】
特定の送信/受信アンテナ対の様々な無線周波数信号路は、複合通信チャネルを生成し、別の送信/受信アンテナ対によって規定された他の通信チャネルとは区別される。一般に、個別移動無線チャネルのチャネル特性、すなわち、インパルス応答は、式(1)によって記述される。
【数8】
Figure 0004307790
ここで、τはk番目のパスの遅延であり、γ(t)は、k番目のパスの対応する複合振幅であり、そしてc(t)は、k番目のパスの波形整形パルスであり、この周波数応答は、通常、平方根二乗余弦ナイキスト・フィルターである。通信チャネルが移動無線チャネルである時、車両の動作は、複合振幅γ(t)’に影響を与え、各複合振幅γ(t)を、ワイドセンス定常(WSS)狭帯域複合ガウス過程にし、種々の信号パスに対して独立である。
【0015】
式(1)から、時間tにおける通信チャネルの周波数応答H(t,f)は、式(2)によって記述される。
【数9】
Figure 0004307790
ここで、
【数10】
Figure 0004307790
【0016】
適正なサイクル拡張およびタイミングを備えたOFDMシステムに対して、チャネル周波数応答は、式(5)によって表される。
【数11】
Figure 0004307790
ここで、
【数12】
Figure 0004307790
Kは、OFDMブロックにおけるサブバンド(トーン)数であり、kは特定のサブバンドを指定するインデックスであり、lは時間領域インデックスであり、Tはブロック長であり、Δfはサブバンド(トーン)間隔である。
【0017】
式(5)に続いて、i番目の送信アンテナに対応するOFDMシンボルのn番目のブロックのk番目のトーンにおける周波数応答は、式(6)によって表される。
【数13】
Figure 0004307790
【0018】
式(6)は、H[n,k]がh[n,k]を推定し、あるいは取得することにより獲得されることを示す。したがって、各受信アンテナ140−1、140−2、...、140−Mにおける受信信号r[n,k]は、式(7)によって表される。
【数14】
Figure 0004307790
ここで、Mは、送信アンテナの数であり、kは特定のOFDMサブバンドを表記し、すべてのnブロックに対してk=0,1,..,K−1である。各送信アンテナから送信された信号t[n,k]がトレーニング信号のように既知の信号を含むならば、様々な通信チャネルh[n,l]の仮推定は、式(8)を使用して導出される。
【数15】
Figure 0004307790
または
【数16】
Figure 0004307790
ここで
【数17】
Figure 0004307790
かつ
【数18】
Figure 0004307790
ここで、
【数19】
Figure 0004307790
は、i番目の送信アンテナと特定の受信アンテナの間のチャネルに対する推定チャネル・インパルス応答であり、Qij[n]はi番目の送信アンテナのトレーニング・シンボルt[n,k]のセットとj番目の送信アンテナのトレーニング・シンボルt[n,k]のセットの間の相関エネルギーであり、そしてp[n]は、i番目の送信アンテナのトレーニング・シンボルt[n,k]のセットと特定の受信アンテナにおける受信信号r[n,k]の間の相互相関ベクトルである。ここで、
【数20】
Figure 0004307790
または代替的に、
【数21】
Figure 0004307790
かつ
【数22】
Figure 0004307790
または代替的に
【数23】
Figure 0004307790
【0019】
式(8)と式(9)から、マトリックス反転が、各チャネル・インパルス応答h[n,k]の仮推定を得るために必要とされることがわかる。すなわち、
【数24】
Figure 0004307790
【0020】
図2は、時間軸210に沿い、周波数軸200に対して表示された例示のOFDM信号200を描く。図2に示されたように、OFDM信号200は、多数の個別サブバンド(トーン)230−1、230−2、...、230−Kを含み、各サブバンドは、密接な周波数f、f、...、fの1つに中心がある。図3は、図2の様々なサブバンドに埋め込むことができる例示の通信信号300を描く。図3に示されたように、通信信号300は、多数の同期シンボル310、多数のトレーニング・シンボル320、多数のデータ・シンボル330および多数の保護シンボル340を含む。
【0021】
ペイロード・シンボルとして知られるデータ・シンボルは、送信される情報を含む。保護シンボルは、バースト送信の開始および終了のいずれか、もしくは双方を埋めるシンボルであり、緩衝、タイミングおよび同期化の提供を含む様々な目的のために使用される。同期シンボルは、データのブロック内の様々な戦略位置に置かれる所定のシンボルであり、受信機を同期化し、そうでなければ送信された信号からタイミング情報を抽出する。
【0022】
トレーニング・シンボルは、同期シンボルと同様、既知の位置に置かれる所定のシンボルである。しかし、同期シンボルと異なり、トレーニング・シンボルは、通常、等化器が所与の通信チャネルを推定することができるように構成される。様々な例示の実施形態において、トレーニング・シンボル320は、等化器を養成するために適切なシンボルのセットであることが認められる。たとえば、例示のトレーニング・シンボル320は、クロック回復の適切性、周波数シフト推定、信号強度のピーク対平均比率、あるいは好都合または適度なトレーニング・シーケンスを生成するために有益な他の知られたまたは後に認識される因子等の様々な因子を考慮に入れて形成される。
【0023】
上記のように、トレーニング・シンボルは、式(8)の相互相関マトリックスQの反転が簡易化されるように選択される。たとえば、トレーニング・シンボルの様々なセットは、トレーニング・シンボルの2つの異なるセットの間の相関がゼロであるように選択され、こうして、上記の式(9)を下記の式(17)の形式に還元される。
【数25】
Figure 0004307790
【0024】
Qマトリックスのすべてのオフ軸要素はゼロであるために、反転マトリックスQ−1の決定は、非常に簡易化される。さらに、様々な送信信号が、直交振幅変調(QAM)のように一定モジュラス技法を使用して送信される時、送信シンボルの絶対値は、1に等しく、すなわち、(|t[n,k]=1)であり、相互相関マトリックスQは、すべてのi=1,2,...,Nに対してQ=K×Iに還元され、そして式(17)は、式(18)の形式にさらに還元される。
【数26】
Figure 0004307790
または
【数27】
Figure 0004307790
【0025】
したがって、チャネル特性を決定する問題は、式(20)を解くことに還元される。
【数28】
Figure 0004307790
または代替的に、
【数29】
Figure 0004307790
【外2】
Figure 0004307790
例示のトレーニング・シンボルについてのさらに詳細は、本明細書に引用したすべての参考文献を含む全文が参照により本明細書に組み込まれる“Optimum training Sequences for Wireless Systems”、by Ye LI(同時出願および同一出願人による米国特許出願第 号(弁理士整理番号1999−0759、105493)に見つけることができる。
【0026】
図3を参照すると、例示の通信信号300は特定の形式を有するバースト信号であるが、バースト信号の形式は、本発明の精神および範囲に反することなく変更されることが認められる。たとえば、トレーニング・シンボル320は、ペイロード・シンボル330内に間欠的に分散されることが認められる。さらに、例示の通信信号300はバースト信号であるが、通信信号300は、様々なトレーニング・シンボルが周期的に埋め込まれる連続信号のように様々な他の形式を取ることが認められる。
【0027】
図4は、図1の例示の等化器160のブロック図である。例示の等化器160は、ダイバーシティ利得プロセッサ610とチャネル推定器620を含む。
【0028】
動作において、ダイバーシティ利得プロセッサ610とチャネル推定器620は、各々、シンボルのブロックのように様々な受信信号r[n,k]、r[n,k]、...、r[n,k]を、OFDM送信機からリンク152−1、152−2、...、152−Mを介して受信する。チャネル推定器620は、送信/受信アンテナ対の間の各通信チャネルに対して初期チャネル推定値のセットを決定する。
【0029】
上記のように、受信信号r[n,k]の各々は、複数の送信アンテナによって送信された上記の式(7)に従った多重の送信信号t[n,k]を含み、各送信信号t[n,k]は、同期シンボル、トレーニング・シンボル、データ・シンボルおよび保護シンボルの種別、ならびに他のシンボル・タイプを有する。また、上記のように、送信信号t[n,k]の各々に対する通信信号に埋め込まれたトレーニング・シンボルは、既知のシンボル・パターンであり、トレーニング・シンボルの各セットの間に相互相関エネルギーが本質的にない、すなわち、すべてのi≠jに対してqij[n,l]=0、初期チャネル推定値のセットは上記の式(18)を使用して決定されるように形成される。さらに、QAMまたは他の一定モジュラス接近方法が使用される時、初期チャネル推定値のセットは、上記の式(20)または(21)を使用して決定される。しかし、トレーニング・シンボルの特定の形式およびそれぞれの計算効率は可変であり、本発明の精神および範囲に反することなく、通信チャネルの特性推定値を決定するために使用されるシンボルの組み合わせまたはシーケンスを含む。
【0030】
例示の推定器620は初期チャネル推定値のセットを決定するためにトレーニング・シンボルのセットを使用するが、推定器620は、初期チャネル推定値のセットを決定するために、データ・シンボルを含む、他のシンボル・タイプを代替的に使用することが認められる。さらに、例示の推定器160は、本発明の精神および範囲に反することなく、初期チャネル推定値を生成するために適する、他の公知または後に開発された技術を使用することが認められる。
【0031】
通信チャネルが、初期的に特性付けられた後、チャネル推定器620は、初期チャネル推定値のセットをダイバーシティ利得プロセッサ610を輸出し、チャネル推定値のセットを使用し、受信信号における空間および時間等化を行い、リンク162を介して外部装置(図示せず)に輸出されるか、かつ/またはリンク612−1、612−2、...、612−Mを介してチャネル推定器620へ輸出されるシンボル決定t’[n,k]のストリームを生成する。
【0032】
上記のように、チャネル特性は、とくに移動通信システムにおいて、時間とともに変化するために、初期チャネル推定値のセットを周期的に更新または適合することは好都合である。更新されたチャネル推定値を決定するために、まず、式(8)または(9)を下記の式(22)の形式に還元される。
【数30】
Figure 0004307790
【0033】
それから、通信システムは、QAMのように、一定モジュラス信号を使用する時、相関項Q11[n]=Q22[n]=...=QNN[n]=Kおよび式(22)は、さらに、下記の式(23)に還元される。
【数31】
Figure 0004307790
【0034】
【外3】
Figure 0004307790
【数32】
Figure 0004307790
【0035】
【外4】
Figure 0004307790
【0036】
図4に戻ると、式(24)は、推定器620が前決定されたチャネル推定値と既知の送信信号にアクセスするならば、推定器620は更新チャネル推定値を生成することを示唆する。推定器620は、過去のチャネル推定値を明らかに保持するが、推定器620は、なお、既知の送信信号に対するソースを検出しなければならない。
【0037】
幸いにも、上記のように、ダイバーシティ利得プロセッサ610は、シンボル決定t’[n,k]のストリームを推定器620へ供給する。適正に等化されたならば、ダイバーシティ利得プロセッサ610によって生成されたシンボル決定t’[n,k]は、多分、送信シンボルt[n,k]と同一である。したがって、推定器620は、上記の式(13)〜(16)においてt[n,k]に対する代用としてシンボル決定t’[n,k]のストリームを使用し、上記の式(24)を使用して、更新チャネル推定値のセットを決定する。
【0038】
更新チャネル推定値のセットが生成されるために、推定器620は、ダイバーシティ利得プロセッサ610へ更新チャネル推定値のセットを供給する。ダイバーシティ利得プロセッサ610は、更新チャネル推定値のセットを使用し、続いて処理されたデータ・シンボルをより良く等化し、シンボル決定のストリームを生成する。チャネル推定値を更新し、受信信号を適応的に等化し、シンボル決定を推定器620へフィードバックするサイクルが、必要に応じて、継続される。
【0039】
図5は、図4の推定器620のブロック図である。推定器620は、コントローラ710、様々なトレーニング・シンボル722を含むメモリ720、相関装置730、近似装置740、時間平均装置750、変換装置760、入力インターフェース780、および出力インターフェース790を含む。様々な構成要素710〜790は、制御/データ・バス702によって結合される。例示の推定器620はバス・アーキテクチャを使用するが、技術における当業者には公知のように、アーキテクチャも使用されることが認められる。
【0040】
第1動作モードにおいて、コントローラ710の制御下で、入力インターフェース780は、リンク152を介して様々な既知シンボルを受信し、受信シンボルをメモリ720において記憶する。次に、コントローラ710は、受信シンボルならびにトレーニング・シンボル722を、相関装置730へ転送する。それから、相関装置730は、上記の式(15)または(16)により、受信およびトレーニング・シンボルを相互相関させ、さらに、上記の式(13)または(14)により、様々なトレーニング・シンボルを相関させ、第1相関生成物p[n,l]と第2相関生成物qij[n,l]をそれぞれ生成する。
【0041】
それから、第1および第2相関生成物は、近似装置740へ転送され、ここで、近似装置740は、上記の式(17)〜(21)により初期チャネル推定値のセットを生成する。それから、チャネル推定値の初期セットは、出力インターフェース790とリンク622を使用して、外部装置(図示せず)に輸送される。
【0042】
第1動作モードは、上記の式(13)〜(21)を使用してチャネル推定値の初期セットを生成するが、チャネル推定値の初期セットは、代替的に、本発明の精神および範囲に反することなく、チャネル推定値の初期セットを決定し、あるいはそうでなければ供給する他の公知または後に開発された技術によって生成される。
【0043】
第2動作モードにおいて、コントローラ710の制御下で、入力インターフェース780は、リンク152を介して他の受信シンボルr[n,k]を受け取り、そしてまた、リンク612を介してそれぞれの決定シンボルt’[n,k]を受け取り、メモリ720において記憶される。
【0044】
次に、コントローラ710は、様々な受信シンボルおよび決定シンボルを相関装置730へ転送し、ここで、相関装置730は、上記の式(13)〜(16)により様々な第1および第2相関生成物を再び形成する。それから、相関装置730は、第1および第2相関生成物を近似装置740へ輸送する。
【0045】
近似装置740は、第1および第2相関生成物を受信し、下記の式(25)または(26)により第1前推定プロセスを行い、前推定値
【数33】
Figure 0004307790
のセットを生成する。
【数34】
Figure 0004307790
【0046】
式(25)に示されたように、第1ブロックnが処理されているならば、すなわち、推定器620がトレーニング・シンボルなしに初期チャネル推定値のセットを推定しているならば、初期チャネル前推定値のセットは、第1相関生成物p[n]={Σp[n,l]、ここで、l=1,2,...,M}に比例する。しかし、後続のデータのブロックに対して、あるいはチャネル推定値の初期セットが供給された時、近似装置740は、式(26)により、様々な前推定値のセットを生成する。一旦、近似装置740が前推定値の適切なセットを決定したならば、近似装置740は、前推定値のセットを時間平均装置750へ輸出する。
【0047】
時間平均装置750は、前推定値のセットを受信し、前推定値に時間平均演算を行い、下記の式(27)により時間平均推定値のセットを生成する。
【数35】
Figure 0004307790
ここで、fは時間平均係数である。時間平均係数についての詳細は少なくとも、“Channel Estimation for OFDM Systems with Transmitter Diversity”、Li,Y. and Ariyavisitakul,S.(米国特許出願第09/215,074号)において見いだされ、ここで完全に参照として組み入れられた。
【0048】
例示の時間平均装置750は、式(27)により概略された接近方法を使用するが、様々な実施形態において、時間平均装置750は、本発明の精神および範囲に反することなく、公知または後に開発された技術によって、時間平均推定値を決定し、あるいはそうでなければ近似することが認められる。
【0049】
時間平均装置750が、時間平均推定値のセットを生成した後、時間平均推定値のセットは、変換装置760へ供給され、ここで、変換装置760は、下記の式(28)により更新チャネル推定値のセットを決定する。
【数36】
Figure 0004307790
【0050】
例示の変換装置760は高速フーリエ変換(FFT)を使用して、更新チャネル推定値のセットを生成するが、時間平均推定値を使用してチャネル推定値を決定し、あるいは近似する他の公知または後に開発された技術または接近方法も、本発明の精神および範囲に反することなく、直接フーリエ変換、畳み込みプロセス等使用されることが認められる。
【0051】
変換装置が様々な更新チャネル推定値を生成した後、変換装置760は、出力インターフェース790とリンク622を介して外部装置へ更新チャネル推定値のセットを輸出する。それから、推定値620は、様々な受信シンボルおよび決定シンボルを輸入し、処理するプロセスを繰り返し、更新推定値を使用する等化器は、様々な通信チャネルの変化特性を適応的に追跡し、様々な受信信号から情報を抽出するように、更新チャネル推定値のセットを生成する。
【0052】
図6は、本発明による様々なチャネル推定値を生成するための例示の技術の概略を示すフローチャートである。動作は、ステップ810において開始し、ここで、初期シンボルのセットが受信される。次に、ステップ820において、初期チャネル推定値のセットが、上記の式(13)〜(16)により、受信シンボルならびに様々な公知なトレーニング・シンボルを使用して生成される。例示の技術は、上記のように、トレーニング・シンボルのように公知のトレーニング・シンボルを使用するチャネル推定値の初期セットを生成するが、初期チャネル推定値のセットは、代替的に、上記の式(25)〜(26)を使用して、トレーニング・シンボルなしに導出される。さらに他の実施形態において、初期チャネル推定値のセットは、本発明の精神および範囲に反することなく、他の公知または後に開発された技術によって導出または提供されることが認められる。動作はステップ830へ継続する。
【0053】
ステップ830において、初期チャネル推定値のセットを更新するか、または適合させるかの判定が行われる。初期チャネル推定値のセットが適合されるならば、制御はステップ840へ継続する。そうでなければ、制御はステップ890へジャンプし、ここでプロセスは停止する。
【0054】
ステップ840において、さらに受信されたシンボルが受け入れられる。次に、ステップ845において、様々なシンボル決定が同様に受け入れられる。それから、ステップ850において、受信シンボルおよびシンボル決定が、上記の式(13)〜(16)により相関され、第1および第2相関生成物を生成する。制御はステップ860へ継続する。
【0055】
ステップ860において、近似技術が、第1および第2相関生成物において実施され、チャネル推定値の初期セットが利用可能であるか否かにより、上記の式(25)または(26)により前推定値のセットを生成する。次に、ステップ870において、時間平均演算が、前推定値のセットをおいて行われ、時間平均推定値のセットを生成する。制御はステップ880へ継続する。
【0056】
ステップ880において、時間平均推定値において変換が行われ、更新チャネル推定値のセットを生成する。例示の変換は、上記のように、高速フーリエ変換であるが、時間平均推定値を使用してチャネル推定値を導出または近似するために有益な公知または後に開発された変換も、本発明の精神または範囲に反することなく使用される。それから、制御は、ステップ830へジャンプして戻り、ここで、別の決定が、様々なチャネル推定値を更新するために取られる。様々なチャネル推定値は、チャネル適合を停止することが望ましいまたは必要となるまで、上記のステップ830〜880により絶えず更新される。
【0057】
図1〜図5に示されたように、この発明のシステムおよび方法は、好ましくは、デジタル信号プロセッサ(DSP)または他の集積回路において実現される。しかし、システムおよび方法はまた、1つまたは複数の汎用コンピュータ、特殊用コンピュータ、プログラム・マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、および周辺集積回路要素、アプリケーション特定集積回路(ASIC)のようにハードウェア電子または論理回路、離散要素回路、POD、POA、FPGA、PAL等のプログラマブル論理装置の任意の組み合わせを使用して実現される。一般に、図1〜図5の様々な要素と図6のフローチャートを実現することができる有限状態機械が存在する装置が、推定機能を実現するために使用される。
【0058】
この発明が特定の実施形態に関連して記載されたが、多数の代替物、修正および変更が、技術における当業者には明らかになるであろう。したがって、ここで開示された発明の好ましい実施形態は、限定的ではなく、例示であることが意図される。本発明の精神および範囲に反することなく、変更が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示の通信システムのブロック図である。
【図2】多重サブバンドを有するOFDM信号を描く図である。
【図3】OFDMサブバンドの例示の通信信号を描く図である。
【図4】例示のチャネル推定噐を有する等化器のブロック図である。
【図5】図4の例示のチャネル推定器のブロック図である。
【図6】通信チャネルを推定するための例示の技術の概要を示すフローチャートである。

Claims (15)

  1. 1つまたは複数の通信チャネルを特性付ける方法であって、
    第1の通信チャネルと関連する第1のシンボルのセットを受信するステップと、
    第2の通信チャネルと関連する第2のシンボルのセットを受信するステップと、
    少なくとも第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットとに基づいて少なくとも第1の通信チャネルを特性付けて、第1のチャネル特性のセットを生成するステップとを含み、
    少なくとも第1の通信チャネルが、一定モジュラス技法に基づいており、
    該第1の通信チャネルを特性付けて第1のチャネル特性のセットを生成するステップが、
    第1の相関を行って第1の相関のセットを生成するステップと、
    少なくとも第1の相関のセットに基づいて第1チャネル特性のセットを決定するステップと、
    第1の前推定値のセットを決定するステップと、
    該第1の前推定値のうちの少なくとも1つの時間平均をとり、時間平均推定値のセットを生成するステップとを含み、
    該第1の通信チャネルを特性付けて第1のチャネル特性のセットを生成するステップは、該第1の通信チャネルと関連する第1のシンボルのセットと該第2の通信チャネルと関連する第2のシンボルのセットとの間の相互相関エネルギーを実質的に0にし、相関行列を恒等行列に置換することにより実行される方法。
  2. 第1のシンボルのセットは、該第1の通信チャネルを介して第1の送信装置から送信されたものであり、そして第2のシンボルのセットは、該第2の通信チャネルを介して第2の送信装置から送信されたものである請求項1に記載の方法。
  3. 第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットが、共通受信装置を使用して受信される請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも第1の通信チャネルが、さらに、直交周波数分割多重化技法に基づく請求項3に記載の方法。
  5. 該少なくとも第1の前推定値のセットは、
    Figure 0004307790
    で表される請求項1に記載の方法。
  6. 少なくとも第1の前推定値
    Figure 0004307790
    のセットが、式
    Figure 0004307790
    に基づいて決定され、ここで、p[n]は、第1の相関のセットであり、Kは、定数である請求項5に記載の方法。
  7. 第1の通信チャネルの特性付けが、さらに、チャネル特性のセットを生成するために、時間平均推定値のセットにおいて変換を行うステップを含む請求項1に記載の方法。
  8. 1つまたは複数の通信チャネルを特性付ける方法であって、
    第1の通信チャネルと関連する第1のシンボルのセットを受信するステップと、
    第2の通信チャネルと関連する第2のシンボルのセットを受信するステップと、
    少なくとも第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットとに基づいて少なくとも第1の通信チャネルを特性付けて、第1のチャネル特性のセットを生成するステップとを含み、
    該第1の通信チャネルを特性付けるステップは、
    第1相関を行って第1の相関のセットを生成するステップと、
    第2相関を行って第2の相関のセットを生成するステップと、
    少なくとも該第1の相関のセットと該第2の相関のセットとに基づいてチャネル前推定値のセットを決定するステップと、
    該チャネル前推定値のうちの少なくとも1つの時間平均をとり、時間平均推定値のセットを生成するステップとを含み、
    該第1の通信チャネルを特性付けて第1のチャネル特性のセットを生成するステップは、該第1の通信チャネルと関連する第1のシンボルのセットと該第2の通信チャネルと関連する第2のシンボルのセットとの間の相互相関エネルギーを実質的に0にし、相関行列を恒等行列に置換することにより実行される方法。
  9. 該チャネル前推定値のセットは、
    Figure 0004307790
    で表される請求項8に記載の方法。
  10. チャネル前推定値のセット
    Figure 0004307790
    が、式
    Figure 0004307790
    に基づいて決定され、ここで、p[n]は第1の相関のセットに関連し、Qgi[n]は、第2の相関のセットに関連し、Kは定数であり、
    Figure 0004307790
    は前決定チャネル特性のセットに関連する請求項9に記載の方法。
  11. 第1の通信チャネルの特性付けが、さらに、チャネル特性のセットを生成するために、時間平均推定値のセットにおいて変換を行うステップを含む請求項9に記載の方法。
  12. 2つ以上の通信チャネルの特性付けが、マトリックス反転を使用しない請求項7に記載の方法。
  13. 第1のトレーニング信号のセットが、第1の送信装置を使用して送信され、第2のトレーニング信号の1つまたは複数のセットの1つが、第2の送信装置を使用して送信される請求項7に記載の方法。
  14. 少なくとも第1の送信装置が送信した第1のトレーニング信号のセットと第2の送信装置が送信した第2のトレーニング信号のセットとを受信する受信装置と、
    少なくとも第1のトレーニング信号のセットに基づいて少なくとも第1の送信装置と関連する第1のチャネルを推定する推定器とを含み、
    該第1のチャネルを推定する推定器は、
    第1の相関を行って第1の相関生成物を生成する第1の相関装置と、
    第2の相関を行って第2の相関生成物を生成する第2の相関装置と、
    少なくとも第1の相関生成物と第2の相関生成物とに基づいてチャネル前推定値のセットを決定し、該チャネル前推定値のうちの少なくとも1つの時間平均をとり、時間平均推定値のセットを生成する近似装置とを含み、該推定器は、該第1の送信装置が送信した第1のトレーニング信号のセットと該第2の送信装置が送信した第2のトレーニング信号のセットとの間の相互相関エネルギーを実質的に0にし、相関行列を恒等行列に置換することにより該少なくとも第1のチャネルを推定する通信装置。
  15. 推定器が、さらに、少なくとも第2のトレーニング・シンボルのセットに基づいて第1のチャネルを推定する請求項14に記載の装置。
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