JP4307752B2 - 界面活性剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた洗浄性能、乳化性能を有する界面活性剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シャンプー、リンス、固形石鹸、ボディシャンプー、台所用洗剤、衣料用洗剤、住居用洗剤等の洗浄剤には、最も重要な基本性能である「高い洗浄性能」に加えて、使用時の豊かな「泡立ち」が要求される。従来、こうした洗浄剤製品における主基剤として広く使用されているのは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤であるが、これらはいずれも多量の油分やシリコンが存在する系では泡立ちの低下だけに留まらず、著しい洗浄力や乳化力の低下が起こり、洗浄剤としての満足のいく性能を発現できない。
【0003】
こうした、陰イオン界面活性剤の欠点である油分に対する弱さを克服するために、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル又はアルケニルグリコシド等の非イオン性界面活性剤を使用するのが常套手段である。
【0004】
しかし、これらの非イオン性界面活性剤をもってしても、その乳化力、洗浄力は十分とは言えず、特に油の存在下においてはその傾向が著しい。このことから、汎用性の非イオン性界面活性剤の洗浄性能、乳化性能の一層の向上を簡便に実現できる補助界面活性剤を含有する界面活性剤組成物が望まれてきた。
【0005】
本発明の課題は、優れた洗浄性能、乳化性能を実現できる非イオン性界面活性剤を含有する界面活性剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)成分及び(b)成分を含有する界面活性剤組成物を提供する。
(a)一般式(I)で表される化合物。
【0007】
【化2】
Figure 0004307752
【0008】
(式中、R1CO-は炭素数6〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基あるいは炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニレン基を示す。)
(b)アミド基を有さない非イオン性界面活性剤
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の(a)成分において、R1CO-は上記のようなアシル基を示すが、炭素数8〜18の飽和又は不飽和アシル基が好ましい。具体的にはオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、リノール酸、2−エチルヘキサン酸、2−オクチルウンデカン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ脂肪酸、パーム核油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸等から誘導されるアシル基である。これらのアシル基の中でも、炭素数12〜14の脂肪酸から誘導されるアシル基が50重量%以上含まれたものが好ましく、また、炭素数12の脂肪酸から誘導されるアシル基が40重量%以上100重量%未満のものがより好ましい。
【0010】
また、R2は、起泡性を低下させないために、炭素数1〜3のアルキル基(直鎖又は分岐鎖)であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基である。さらにR3は、界面活性能を低下させないために、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基あるいは炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニレン基であり、好ましくは炭素数2もしくは3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。
【0011】
(a)成分の具体例として、例えば、N−エタノール−N−メチルオクタン酸アミド、N−エタノール−N−メチルデカン酸アミド、N−エタノール−N−メチルドデカン酸アミド、N−エタノール−N−メチルテトラデカン酸アミド、N−エタノール−N−メチルヘキサデカン酸アミド、N−エタノール−N−メチルオクタデカン酸アミド、N−エタノール−N−メチルヤシ脂肪酸アミド、N−エタノール−N−メチルパーム核油脂肪酸アミド、N−イソプロパノール−N−エチルドデカン酸アミド、N−エチル−N−イソプロパノールオレイン酸アミド、N−エチル−N−イソプロパノールイソステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0012】
(a)成分の製造法は特に限定されず、例えば、脂肪酸又は脂肪酸低級アルコールエステルとアルカノールアミンとの脱水又は脱アルコール反応、脂肪酸ハロゲン化物とアルカノールアミンのアルカリ触媒下での反応、あるいは油脂とアルカノールアミンとのエステル−アミド交換反応等を用いて製造することができる。これらの方法で得られた製造物中に、脂肪酸、無機塩、グリセリン等が少量含まれることがある。
【0013】
本発明の(b)成分はアミド基を有さない非イオン性界面活性剤であり、好ましくは、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル又はアルケニルグリコシド等が挙げられ、これらは1種でも、複数種が混在していても構わない。
【0014】
ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルとしては、一般式(II) R4O(AO)nH (II)
(式中、R4は炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、Aは炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、nは平均値で1〜25の数である。)
で表される化合物が好ましいものとして挙げられる。より具体的には、1級又は2級アルコールに酸化エチレン又は酸化プロピレン、或いはそれらの両方を付加して得られるものであり、R4は好ましくは炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。Aは炭素数2或いは3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、これらが混在していても差し支えない。nはオキシアルキレン基(AO)の平均付加モル数を示しており、例えば付加モル数が0のものや、30のものが存在していても構わず、平均値で1〜25である。好ましいnは1〜20であり、特に好ましくは1〜10である。
【0015】
アルキル又はアルケニルグリコシドとしては、一般式(III)
R5O(AO)m(G)p (III)
(R5は水酸基で置換されていても良い炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、Aは上記と同じ意味を示し、mは平均値で0〜10の数、pは1〜10の数、Gは糖から1個の水酸基を除いた残基を示す。)
で表される化合物が好ましいものとして挙げられる。中でも好ましくは、R5の炭素数が8〜18で、Gがグルコース残基であるアルキルグルコシドであり、mは0、pは1.0〜3.0が好ましい。
【0016】
本発明の組成物中の(a)及び(b)成分の配合割合は、洗浄性能、乳化性能の観点から、重量比で(a)/(b)=1/99〜99/1が好ましく、1/99〜80/20が更に好ましく、1/99〜50/50が特に好ましい。
【0017】
また、本発明の組成物中の(a)成分及び(b)成分の合計含有量は、良好な界面活性能を得る観点から、5〜100重量%が好ましく、10〜100重量%が更に好ましい。
【0018】
本発明においては、必要に応じて、一般式(IV)で表され、かつ(a)成分とは異なる脂肪酸アルカノールアミド又はエステル(以下、化合物(IV)という)を添加することができる。
【0019】
【化3】
Figure 0004307752
【0020】
[式中、R6CO-は炭素数6〜24の飽和又は不飽和のアシル基、Xは−O−又は−NR8−(R8は水素原子、又は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基)、R7は少なくとも1つの水酸基で置換されている炭素数2〜9のアルキル鎖を示し、アルキル鎖の途中が酸素原子で中断していてもよい。]
化合物(IV)は、広く増粘剤として使用されているものである。即ち、本発明における(a)成分および(b)成分を含有する界面活性剤組成物に、それ以上の粘度が必要な時は、必要に応じて、化合物(IV)の1種以上を使用することで、さらなる粘度のコントロールが可能である。化合物(IV)の添加によって、界面活性剤組成物の洗浄性能、起泡性能を損なうことはない。
【0021】
一般式(IV)において、R6COで示されるアシル基は、具体的には、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸、リノール酸、2−エチルヘキサン酸、2−オクチルウンデカン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ脂肪酸、パーム核油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸から誘導されるアシル基が好ましく、炭素数8〜18のアシル基が更に好ましい。R7としては、ヒドロキシエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル基等が好ましい。R8としては、水素原子、メチル基、ヒドロキシエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル基等が好ましい。
【0022】
化合物(IV)として、より具体的には、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸グリセロールアミド、脂肪酸ジグリセロールアミド、脂肪酸N−メチルグルカミド、脂肪酸モノグリセライド等が挙げられる。
【0023】
化合物(IV)の配合量は、(a)および(b)成分の合計量に対して、0.1〜100重量%が好ましく、40〜90重量%が更に好ましい。
【0024】
本発明の組成物には、上記以外の成分として、その他の陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびそれらの混合物を適宜加えてもよい。
【0025】
また、本発明の界面活性剤組成物は、pHの領域に左右されることなく、その特性を発揮することができるが、特にpH領域3.0〜11.0で好ましい洗浄性能、起泡性能が得られる。
【0026】
【実施例】
例中の%は、特記しない限り重量%である。
【0027】
実施例1
下記に示す成分を用い、表1に示す組成の各種界面活性剤組成物を調製し、その洗浄性を下記方法により評価した。結果を表1に示す。
【0028】
<成分>
(a)成分
化合物a-1:N−エタノール−N−メチルパーム核油脂肪酸アミド
化合物a-2:N−エタノール−N−メチルドデカン酸アミド
(b)成分
化合物b-1:ポリオキシエチレン(6)ラウリルエーテル
化合物b-2:ドデシルモノグルコシド
<洗浄性評価法>
・人工汚染布の調製
下記組成の人工汚染液を布に付着して人工汚染布を調製した。人工汚染液の布への付着は、グラビアロールコーターを用いて行った。人工汚染液を布に付着させ人工汚染布を作成する工程は、グラビアロールのセル容量58cm3/m2、塗布速度1.0m/min、乾燥速度100℃、乾燥時間1分間で行った。布は木綿金巾2003布(谷頭商店製)を使用した。
【0029】
人工汚染液の組成
ラウリン酸 0.44%
ミリスチン酸 3.09%
ペンタデカン酸 2.31%
パルミチン酸 6.18%
ヘプタデカン酸 0.44%
ステアリン酸 1.57%
オレイン酸 7.75%
トリオレイン 13.06%
パルミチン酸n−ヘキサデシル 2.18%
スクアレン 6.53%
卵白レシチン液晶物 1.94%
鹿沼赤土 8.11%
カーボンブラック 0.01%
水道水 バランス
・洗浄条件及び評価方法
評価用界面活性剤組成物を濃度0.05%となるように水に溶解した水溶液1リットルに、上記で作成した10cm×10cmの人工汚染布を5枚入れ、ターゴトメーターにて100rpmで洗浄した。洗浄条件は次の通りである。
【0030】
洗浄条件
洗浄時間 10分
界面活性剤組成物濃度 0.05%
炭酸ソーダ濃度 0.008%
水の硬度 2°DH
水温 20℃
すすぎ 水道水にて5分間
洗浄力は汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の550nmにおける反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定し、次式によって洗浄率(%)を求め、5枚の測定平均値を洗浄力として示した。
【0031】
【数1】
Figure 0004307752
【0032】
【表1】
Figure 0004307752
【0033】
実施例2
実施例1と同様の(a)及び(b)成分を用い、表2に示す組成の各種界面活性剤組成物を調製し、その乳化能を下記方法により評価した。結果を表2に示す。
<乳化能評価法>
界面活性剤組成物をイオン交換水で希釈し、0.5%の水溶液を調製し、これらの水溶液を内径3cmの300ml活栓付きメスシリンダーに50ml入れ、さらに静かに菜種油を50ml入れた後、25℃、10秒間、振幅15cmで20回振とうした。30分静置した後の、乳化相の体積(ml)を測定した。
【0034】
【表2】
Figure 0004307752

Claims (1)

  1. 下記(a)成分及び(b)成分を含有し、(a)成分と(b)成分の重量比が、(a)/(b)=1/99〜50/50であり、陰イオン界面活性剤を含有しない洗浄剤組成物。
    (a)一般式(I)で表される化合物。
    Figure 0004307752
    (式中、R1CO-は炭素数6〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基あるいは炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルケニレン基を示す。)
    (b)ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、及びアルキル又はアルケニルグリコシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
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