JP4306994B2 - ロック保護シースを備えた使い捨て皮下注射器 - Google Patents

ロック保護シースを備えた使い捨て皮下注射器 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、入れ子式ヘッドを備えた注射器用の安全装置に関するものである。
【0002】
(背景技術)
確実に注入可能な薬剤が、予め充填された注射器に投与分だけ分配されており、注射器にはピストンプランジャーと針を、それらを使用できるように、取り付けることが単に必要である。
【0003】
また使用済みの注射器は、一旦使用されているので、特に医療職員にとって危険であり、注射器の針は汚され、潜在的に針に接触したか、または針をアクシデントで刺した人々を汚染する。
【0004】
本発明の目的は、既に物質を注入するため使用された注射器の針で、傷を負ったり刺したりする、いかなる危険性も回避した安全装置を提供することである。
【0005】
(発明の開示)
本発明は、本体と、本体の一方の端部に装着された針キャリアと、本体の内部で可動なピストンと、針キャリアと逆側の端部の本体から突出し且つ、ピストンを針キャリアに向かって本体に押し入れるのに適したピストンプランジャーとにより、構成された注射器用の安全装置を備えており、その装置は、前端部及び後端部を有したシースと、シースの内部を、注射器の針キャリアがシースの前端部と同一平面である際に、注射器本体がシースの内部に完全に収容される注入位置と、針キャリアがシースの前端部から後方へ戻る際に、注射器本体の一部分がシースの後端部から突出する安全位置との間を、軸線方向に摺動可能な注射器本体とを備え、また装置が注射器本体を安全位置へ直ぐに動かすリターン部材も備え、ピストンプランジャーが注射器本体に押し入れられた時、リターン部材が自動的に起動され、更にシースの後端部は、注入位置にある時、注射器本体に作用しない収納位置になり、安全位置にある時、シースの後端部から突出する注射器本体の一部分を囲む伸長位置を取ることができる入れ子式ヘッドを有し、更に装置は、入れ子式ヘッドを伸長位置にロックするロック手段を備え、前記ロック手段が、シースにおける二つの向かい合った軸線方向当接面に対して当接する、入れ子式ヘッドの二つの向かい合った軸線方向当接面と、シースにおける二つの向かい合った横方向当接面に対して当接する、入れ子式ヘッドの二つの向かい合った横方向当接面とを組み合わせることによって構成される。
【0006】
本発明による装置によって、物質が注入されると、リターン部材が注射器本体をシースの中すなわち安全位置に上げ、それによって注射針をシースの中に収納する。
【0007】
いかなるアクシデントでも針との接触が、不可能になる。
【0008】
シースの入れ子式ヘッドは、伸長位置にある時、シースの後端部の越えて突出する注射器本体の一部分をカバーするので、注射器がシースに保持され、それから後端部を介して逃げ出ることはできない。
【0009】
本発明において、入れ子式ヘッドが伸長位置にある時、ヘッドは、ヘッドの二つの向かい合った軸線方向当接面上における、シースの二つの向かい合った軸線方向当接面の間の相互のスラスト力と、ヘッドの二つの向かい合った横方向当接面上における、シースの二つの向かい合った横方向当接面の間の相互のスラスト力とを組み合わせることによって、シースに確実に固定される。
【0010】
軸線方向当接面は、入れ子式ヘッドがシースに関して軸線方向に移動するのを防止する。
【0011】
横方向当接面の作用は、シースのヘッドが放射方向に多少変形した場合でも、互いに軸線方向当接面を保持して、シースに関してヘッドの軸線方向のロックが、ヘッドまたはシースに圧力を加えることによって、中断することがないように確実に行うことである。
【0012】
言い換えると、本発明による安全装置において、入れ子式ヘッドまたはシースが、装置の軸線に対して垂直に応力を受けても、入れ子式ヘッドまたはシースに生じる放射方向の変形により、シースに関して軸線方向にヘッドを解放することはない。
【0013】
この実施形態では、注射器本体が本発明よると、上記で説明したようにシースに関して、確実に固定された入れ子式ヘッドに関する安全位置に保持される。
【0014】
本発明による別の実施形態では、注射器本体がシースの当接面に対して直接当接する注射器本体によって、シースに関する案内位置に保持される。
【0015】
本発明による特別な実施形態において、ピストンプランジャーが注射器本体に押し入れられる時、シースのヘッドがリターン部材を起動させるために作用する。
【0016】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明を明確に理解するため、以下で本発明を限定しない例として、実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0017】
注射器本体は、その後端部にカラー3を有している。
【0018】
ピストン4は、注射器本体の内部を移動可能であり、注射器本体に収容された物質を、ピストンプランジャー5からの推進力により、注入する。ピストンプランジャーは、注射器本体の後端部を介して突出し、且つ押圧部6で終端しており、物質を注入するため、注射器のユーザーが押圧部を押す。
【0019】
注射器が、前端部8を有する円筒部分7及び、前端部8と逆側のヘッド9によって構成されたシースを備える、安全装置に配置されている。
【0020】
ヘッド9は二つの部分で作られており、その一方は軸線方向に移動可能で、ヘッド9が“入れ子式”として利用することができる。
【0021】
ヘッド9の固定部分は、シースの円筒部分7よりも内寸法が大きな管状部分10を備え、シースのキャビティの内部で延びる円筒状内容量を画定する、らせん状バネ11を収容しており、そのような方法で、シースの内部に組み合わさった注射器本体1が、容易にらせんバネ11を介して軸線方向に動く。
【0022】
カラー3は、バネを圧縮状態に保持する。
【0023】
またヘッド9の固定部分は、管状部分10の周囲で環状チャンバ13を画定する外壁12も備えている。
【0024】
壁12は、リング14で終端しており、リングが製造を簡単にするため別々に作られ且つ、シースに取り付けられているが、またそれと一体型に作られ得る。
【0025】
リング14は、ネックを形成し、注射器本体1のカラー3に対する軸線方向アバットメントとして、作用する弾性タブ16を支持する中心管路15を有し、それによって本体をシースに内部で注入位置に保持し、バネ11がハウジング内で圧縮される。
【0026】
この注入位置において、注射器本体1がシース内部に完全に収容されている間、針キャリア2はシースの底端部8と同一平面上に配置する。
【0027】
ヘッド9の移動部分は、一般的な円筒状のキャップ17によって構成されている。
【0028】
キャップ17は、中心ボア18を有し、それを介してプランジャー5が通過でき、長手方向ノッチ19がその底縁部20から延び、キャップ17を弾性タブ16のいずれかの側に、環状チャンバ13においてはめ込むことができる。
【0029】
ノッチ19と逆側に、キャップ21がその底端部20にリム21を有し、そのリムは図3で詳細に明らかに見ることができる。
【0030】
リム21は、カラーのように放射方向外向きに延びる第一壁部分22と、軸線方向上向き、すなわちキャップの壁24と平行、その底端部20とは逆方向に延びる、第二壁部分23によって構成されている。
【0031】
放射状壁22は、キャップの底端部20から距離をあけて、角度が放射状壁22の底面と側壁24の外面との間に形成されるようになっている。
【0032】
キャップ17の外径は、リング14の閉鎖壁25の下に下方へ延びるネック15の内径に、実質的に側壁23の高さに等しい高さhの部分15aによって、合わさっている。
【0033】
弾性タブ16と逆側に、ヘッド9がネック15の部分15aの底端部に面するように、ヘッドの内部に向かって延び、実質的に放射状壁22の厚さに対応する一定間隔をあけて配置する、弾性タブ26を有している。
【0034】
安全装置は、以下のように動作する。
【0035】
図1に示すような注入位置にある注射器に関して、ユーザーが押圧部6を押すことによって、ピストンプランジャー5を押すことができる。
【0036】
そのストロークの最後に達すると、ピストン4が針キャリア2の近くにあって、押圧部6がキャップ17と接触する。
【0037】
ピストンストロークの最後の部分は、キャップ17を下方へ運び、それによってキャップをヘッドの中に押し入れる。
【0038】
ノッチ19は、キャップの全部の高さにわたって延びてなく、その側壁が弾性タブ16を外し、それによってらせん状バネ11からの推進力により上がることができる、注射器本体を解放する。
【0039】
にもかかわらず、この上方への動きは、ユーザーが充分な押しを押圧部6に維持する限り、行われない。
【0040】
最初に、カラー3がキャップを上方へ押し、内側を向いた弾性タブ27に対して当接する。
【0041】
注射器本体が、上方へ移動しつづけると、キャップが上がって、側壁23がヘッドの弾性タブ26と接触する。
【0042】
バネからの推進力により、弾性タブ26が収縮し、側壁23及び放射状壁22をネック15の部分15aに接触させる。
【0043】
従ってキャップが、そのストロークの端部に達して、その伸長位置になる。
【0044】
カラー3が弾性タブ27を外れて、キャップの頂部壁28に対して当接する時、注射器本体は、その上方ストロークを終える。
【0045】
そして弾性タブ27が、位置に戻って、カラー3の下で受けられて、注射器本体1をキャップに関連して移動させないようにする。
【0046】
上記で詳細に説明したように、注射器がシースに関して移動しないようにすることで、注射器本体がシース内の安全位置に固定され、針キャリアがシースの中に収納され、針がシースの底端部8を越えて突出しない。
【0047】
針はこの方法で収納されることによって、ユーザーが針と接触するか、または針に刺されるいかなる危険性も避けられる。
【0048】
弾性タブ26及び27の堅さに関係なく、上記の記載と反対に、カラー3に関して、最初に弾性タブ27の上を通ることが可能で、結果的に側壁23及び放射状壁22に関して、弾性タブ26の上を通ることが可能である。
【0049】
キャップとシースとの間の軸線方向ロックは、以下で説明する。
【0050】
図3で見られるように、ネック15の底端部と弾性タブ26の端部との間の間隔は、実質的に放射状壁22の厚さに対応している。
【0051】
結果的に、壁22はネック15と弾性タブ26との間に押し込まれ、弾性タブは壁22の下で形成されている角度で受けられる。
【0052】
言い換えると、放射状壁22の頂部面及び底面が、シースの二つの軸線方向アバットメントに対して当接する、二つの向かい合った軸線方向アバットメントを構成し、シースの二つの軸線方向アバットメントは個々に、ネック15の底端部及び、弾性タブ26の端部によって構成されている。
【0053】
更に側壁23と24との間の間隔が、実質的にネック15の部分15aの厚さに対応しており、側壁23の内面及び側壁24の外面が、シースの向かい合った横方向アバットメントに対して当接する、向かい合った横方向アバットメントを構成し、シースの向かい合った横方向アバットメントが、個々にネック15の部分15aにおける内面及び外面によって、構成されている。
【0054】
従って上記の放射方向アバットメントと軸線方向アバットメントは明らかに、互いに組み合わされ、キャップ17がシース上のヘッドに確実に固定される。
【0055】
結果的に本発明による装置は、シースに関してキャップをロックすることを妨げないで、且つその結果、注射器本体が安全位置にある時、装置によってもたらされる保護を損傷させないで、様々な放射方向及び軸線方向の圧力を受けることができる。
【0056】
本発明による装置が、注射器の形状を変形する必要なく、従来型の注射器を使用することができるように配置されることは明らかであろう。
【0057】
勿論、上記実施形態はどのみち限定するものではなく、本発明の概念の範囲内で任意に変形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 注射器を収容する本発明による安全装置の軸線方向断面図。
【図2】 安全位置にある注射器を示した図1に類似の図。
【図3】 図2の詳細部分IIIを示した拡大図。

Claims (6)

  1. 本体(1)と、
    本体の一方の端部に装着された針キャリア(2)と、
    本体の内部で可動なピストン(4)と、
    針キャリアと逆側の端部本体から突出し且つ、ピストンを針キャリアに向かって本体に押し入れるのに適したピストンプランジャー(5)と
    により構成された注射器用の安全装置において、
    前記安全装置が、前端部(8)及び後端部を有したシース(7)を備え、
    前記注射器の本体(1)が、前記シース(7)内で、
    注射器の本体(1)がシース(7)の内部に完全に収容され、かつ、注射器の針キャリア(2)がシース(7)の前端部と同一平面に位置する注入位置と、
    注射器の本体(1)の一部分がシース(7)の後端部から突出し、かつ、針キャリアがシースの前端部から後方へ戻される安全位置と
    の間で軸線方向に摺動可能であり、
    前記安全装置が、注射器の本体(1)を前記安全位置に向けて付勢するリターン部材(11)を有し、
    前記リターン部材(11)が、ピストンプランジャーが注射器の本体に押し入れられた時に、自動的に起動され、
    シースの後端部が入れ子式ヘッド(9)を有し、
    前記入れ子式ヘッド(9)が、
    収納位置と、
    注射器の本体が安全位置にある時に、注射器の本体のシースの後端部から突出する部分を囲む伸長位置と
    を採ることができ、
    さらに、前記安全装置が、シースの入れ子式ヘッドを、その伸長位置でロックするロック手段を備え、
    前記ロック手段が、
    シースに形成された二つの向かい合った軸線方向当接面(15a、26)に対して当接する、入れ子式ヘッドの二つの向かい合った軸線方向当接面(22)と、
    シースに形成された二つの向かい合った横方向当接面(15a)に対して当接する、入れ子式ヘッドの二つの向かい合った横方向当接面(23、24)と
    を組み合わせることによって構成される
    ことを特徴とする安全装置。
  2. 入れ子式ヘッド(9)が、注射器本体をシースに関して軸線方向に移動させない
    ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 注射器の本体が安全位置にある時に注射器の本体を移動させないようにするための当接面をシースが有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. ピストンプランジャーが注射器本体に押し入れられる時、シースの入れ子式ヘッド(9)がリターン部材(11)を起動させるために作用する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 入れ子式ヘッドの二つの向かい合った軸線方向当接面が、入れ子式ヘッド(9)の移動部分を構成するキャップ(17)の側壁(24)上にカラーを形成するように、外向きに延びる放射状壁の頂面及び底面によって構成され、
    入れ子式ヘッドの二つの向かい合った横方向当接面が、放射状壁(22)から延びる側壁(23)の内面と、キャップの側壁(24)の外面によって構成される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. シースにおける向かい合った横方向当接面が、内部でキャップ(17)が摺動するシースのネック(15)の底端部(15a)の内面と外面とによって構成され、
    シースにおける向かい合った軸線方向当接面が、前記ネック(15)の底端部と、シースのネックの前記底端部に面して配置された弾性タブ(26)の端部とによって構成される
    ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
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