JP4306881B2 - 乾式蛍光測定による標的核酸の検出/定量方法 - Google Patents

乾式蛍光測定による標的核酸の検出/定量方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の塩基配列を有する標的核酸の検出または定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より生物の特定遺伝子の検出のために特定塩基配列を有する標的核酸と該標的核酸に対する核酸プローブの二本鎖核酸ハイブリッド体の検出の際にエチジウムブロマイド(以下EBと呼ぶ)等の二本鎖核酸に作用して蛍光を増大する蛍光色素を用いて二本鎖核酸をゲル中、もしくは、溶液中で検出/定量する技術は広く用いられてきている。
【0003】
また、近年ではごく微量の核酸を検出するために核酸を酵素的に増幅するポリメレースチェインリアクション(PCR)が一般的となってきているが、このPCRの増副産物を検出するため溶液中で二本鎖核酸に作用してはじめて蛍光を発する蛍光色素2-メチル-4,6-ビス(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ピリリウム塩を用いる手法も用いられるようになってきている(Nucleic Acid Research,1995,Vol.23,No.8 1445-1446)。
【0004】
最近、これらの色素の他に溶液中で二本鎖核酸に作用して蛍光を発する蛍光色素として、Molecular Probe社からYOYO-1(商品名:1’−[1,3-プロパンジイルビス[(ジメチルイミニオ)−3,1−プロパンジイル]]ビス[4−[(3−メチル−2(3H)−ベンゾオキサゾルイリデン)メチル]]−,テトラアイオダイド));1’−[1,3−propanediylbis[(dimethyliminio)−3,1−propanediyl]]bis[4−[(3−methyl−2(3H)−benzoxazolylidene)methyl]]−, tetraiodide))(以下「YOYO1と表記する。)をはじめとするいくつかの色素が販売されている。
【0005】
これらの色素のうち、EBは一般的に二本鎖核酸の塩基対間に入り込むインターカレーターであるとされ、また、文献(Nucleic Acid Symposium Series No.29 1993 83-84)には2-メチル-4,6-ビス(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ピリリウム塩もインターカレーターとの記載がある。一方、YOYO1は一般的に二本鎖核酸のグルーブ内に入り込むグルーブパインデイングタイプの蛍光色素とされている。
【0006】
また、特定遺伝子検出のための特定塩基配列を有する標的核酸、もしくは、標的核酸の塩基配列の特定の部位に相補的な塩基配列を有するプローブ核酸を固相に固定し、それぞれに対応するプローブ核酸、もしくは、標的核酸とのハイブリッド体を形成させ、該ハイブリッド体を検出する、いわゆる固相ハイブリダイゼーション法は広く知られている。また、検出方法に関してもさまざまな手法が開発されてきている。
【0007】
最も代表的な手法はサザーンハイブリダイゼーション法で、これは、ゲル電気泳動で鎖長に応じて展開した核酸をナイロンフィルター等に移し取り、一本鎖にディネーチャーした後、例えば、ラジオアイソトープ標識したプローブ核酸を作用させ、形成したハイブリッド体をオートラジオグラフィーで検出するというものである。
【0008】
上記方法の、ラジオアイソトープを使用する問題点を解決するために、化学的な発色を検出手段とする改良法も実用化されている。
【0009】
近年では、さらに簡便に特定の遺伝子を検出する手段として、マイクロプレート表面にプローブ核酸を固定し、ここに例えば、mRNAの標的核酸を作用させ、形成したハイブリッド体を、二本鎖核酸に特異的に作用し蛍光が増大する色素、例えば、エチジウムブロマイド(以下EBと呼ぶ)によって検出するという手法も開発されている(特表平7−506482号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
これまで述べてきたように二本鎖核酸に溶液中で作用して、蛍光を増大する色素、もしくは、はじめて蛍光を発する色素は知れているが、いずれも溶液中での蛍光挙動が知られているのみであった。
【0011】
通常、蛍光色素の蛍光特性(強度、励起/蛍光スペクトル等)は色素が溶解した試料溶液約1〜4mLを測定用のガラスセルを用いて、一般的には蛍光光度計で測定する。また、200μL程度の微小セルも市販されている。また、最近では最多96穴のプラスチック製のマイクロプレート中の各々約100〜250μLの試料溶液を自動的に連続して測定する装置も数社から市販されている(例:Cyto Fluor、日本パーセプティブリミテッド)。
【0012】
これらの測定は上述のようにいずれも溶液中の試料溶液を測定するために測定容器に制限があり、また、マイクロプレートで測定する際には励起光を液面方向から照射すると表面で乱反射、散乱が起こるなどの問題があり通常はプレート裏面から照射せざるを得ない等の問題点もあった。
【0013】
また、試料溶液量が0.5〜5μL程度のごく微量となると測定容器に制限があるばかりではなく、これを顕微鏡を用いて測光しようとすると上述の励起方向の問題点のほかに、試料が乾燥してしまい代表的な蛍光色素FITC(fluorescein isothiocyanate)であっても蛍光が消光する等の問題点もあった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの問題点に鑑み、特に二本鎖核酸をはじめとする多重鎖核酸を検出/定量するに当たり、鋭意検討した結果本発明を為すに至った。本発明の標的核酸の検出方法は以下の工程から構成され、蛍光色素(D)は2−メチル−4,6−ビス(4−N,N,−ジメチルアミノフェニル)ピリリウム塩、エチジウムブロマイド及びYOYO1から選択される。
【0015】
(1)観察用の清浄な固相基板上に、検出または定量対象である一定量の試料溶液由来の標的核酸(A)と、該標的核酸の塩基配列の特定の部位に相補的な塩基配列を有するプローブ核酸(B)とが相互に作用して標的核酸(A)とプローブ核酸(B)のハイブリッド体(C)が形成されており、
かつ、該ハイブリッド体(C)に作用し、作用した結果、蛍光を発するか、または、蛍光が増大し、かつ、該ハイブリッド体に作用した状態で、乾燥状態においても蛍光の発光が維持可能な蛍光色素(D)が該ハイブリッド体(C)に対して作用可能な状態で存在する状態
を実現する工程
(2)該基板上でハイブリッド体(C)および蛍光色素(D)を乾燥させる工程
(3)乾燥後に観測手段である蛍光色素(D)からの蛍光を測定する工程
【0016】
【発明の実施の形態】
前記工程(1)において、ハイブリッド体(C)の形成(1-1)と、蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1-2)は、
(a)前記試料溶液中に溶存した状態で行なっても、また、
(b)前記基板上に固定された状態で行なってもよい。
【0017】
後者(b)の場合には、標的核酸(B)、プローブ核酸(A)のいずれか一方をあらかじめ前記観察用の清浄な固相基板の表面に固定化する工程(1-0)、(1-0')を有しており、その後もう一方の溶液を作用させることでハイブリッド体(C)の形成(1-1)を行ない、続けて蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1-2)を行なう。
【0018】
この時、必要に応じ以下の洗浄工程を加えてもよい、
(1-1'):ハイブリッド体(C)形成(1-1)の後、蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1-2)の前に、ハイブリッド体(C)以外の溶液中の核酸を洗いの操作によって除去する工程
(1-3):蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1-2)の後に、ハイブリッド体(C)に作用しなかった蛍光色素(D)を洗いの操作によって除去する工程
(1-4):前記工程(1)と(2)の間において、
ハイブリッド体(C)と、ハイブリッド体(C)に作用した蛍光色素(D)を包括する溶媒をガス流により除去する工程
(b)ではプローブ核酸(B)を固相に固定化するか、あるいは、標的核酸(A)を固相に固定化するかの違いはあっても、最終的に固相の表面に形成された標的核酸とプローブ核酸のハイブリッド体(C)を検出する手段には基本的に差はない。本発明の方法によれば最終的に標的核酸とプローブ核酸のハイブリッド体(C)と該ハイブリッド体に作用した蛍光色素(D)が基板表面に一定の面積をもって薄膜状に乾燥した状態で存在するので、試料の取り扱いが容易であるばかりでなく、液体が存在しないので励起の方向に制限がない。また、乾燥した状態で蛍光を計測するので試料容器の制限が大幅に緩和される。
【0019】
もちろん、工程(2)に入る前までに用いる各種溶液の量が比較的多ければ、それに対応した凹部を有する容器が必要であるが、使用する各種溶液の量が十分に少量であれば平面状の基板でも差し支えない。
【0020】
ただし、(a)の場合、定量的な評価が必要な場合には滴下した液の面積を特定できる微小な凹部は必要となる。
【0021】
さらに、本発明によれば溶液中の標的核酸にプローブ核酸とのハイブリッド体(C)に作用した結果、蛍光を発する、または、蛍光が増大する色素(D)を該標的核酸に作用させるので原理的にはハイブリッド体に作用しなかった蛍光色素(D)を洗いの操作によって除く必要がない。
【0022】
ただし、(b)の方法では最終的に検出すべきハイブリッド体(C)が固相表面に固定化されるので、特に、ハイブリッド体に作用して蛍光が増大するタイプの蛍光色素を用いる場合には、バックグラウンドを低減するために、必要により洗いの操作によってハイブリッド体に作用しなかった色素を除去することも容易となり、さらに、同様にバックグラウンドの低減のために、固相上に形成されたハイブリッド以外の核酸を洗いの操作によって除去することも容易となる。
【0023】
また、本発明の方法によれば、二本鎖核酸やハイブリッド体に作用した状態で、乾燥状態においても蛍光の発光が維持可能な蛍光色素(D)を用いるので上述したような乾燥による蛍光の消光の問題点も原理的に回避可能である。
【0024】
本発明に用いる蛍光色素は溶液中のハイブリッド体に作用した結果、蛍光を発する、または、蛍光が増大し、かつ、ハイブリッド体に作用した状態で、乾燥状態においても蛍光の発光が維持可能な蛍光色素であればいかようなものでもかまわない。
【0025】
本発明に用いる蛍光色素が核酸ハイブリッド体と作用し、その乾燥状態においても蛍光の発光を維持する機構は定かではないが、蛍光強度強く(別の見方をすれば蛍光の量子収率が高い)、かつ、溶液中では比較的安定なFITCやローダミンのそれぞれ単独の溶液が乾燥状態に置くと速やかに消光すること考えると、本発明の蛍光色素が核酸ハイブリッド体に作用した結果、色素の周囲の微小環境が変化し、蛍光の発光の維持に適したものとなったのではないかと推察される。そのような観点からすると本発明の蛍光色素の核酸ハイブリッド体に作用するモードとしては色素分子が核酸ハイブリッド体に包括されるタイプが望ましい。そのような作用モードとしては色素が二本鎖核酸である核酸ハイブリッド体の塩基対間に入り込むインターカレーション、あるいは、二本鎖核酸のグルーブに入り込むグルーブバインディングがある。
【0026】
本発明者らはこれらのモードで核酸ハイブリッド体に作用する色素として、蛍光強度、安定性等を種々検討した結果、インターカレーターとしてはEB、2-メチル-4,6-ビス(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ピリリウム塩、グルーブバインデイングタイプの色素としてはYOYO1が望ましいことを見出した。
【0027】
本発明によって検出/定量可能となる標的核酸としてはプローブ核酸とハイブリッドを形成するものであればどのようなものでも構わない。DNA、RNAともに本発明の標的核酸となりうる。
【0028】
ただし、(a)の場合は、溶液中に標的核酸とプローブ核酸のハイブリッド体以外の二本鎖核酸が存在すると、原理的に該二本鎖核酸も検出してしまうので、該二本鎖核酸を弁別、除去する必要がある。こうした操作を排除するためにはあらかじめ一本鎖に分離した標的核酸を用いるか、あるいは、はじめから一本鎖であるRNAを標的核酸とするのが望ましい。
【0029】
さらに、RNAのなかではtRNA、rRNAに比較して部分的な二本鎖部分が少ないmRNAを標的核酸とするのがさらに望ましい。
【0030】
一方、(b)の方法によれば、先述のように、ハイブリッド体以外の核酸の洗浄による除去が容易であるので、ハイブリダイゼーションの条件をコントロールすることにより、一本鎖核酸、二本鎖核酸、双方ともそのまま検出対象となりうる。より簡便な検出を可能とする意味では一本鎖核酸のほうが望ましいといえるが、基本的には差はない。一本鎖核酸の場合には(a)の場合と同様に部分的な二本鎖部分が少なく、アミノ酸配列を直接コードするmRNAがなかでも望ましい。本発明の(b)の方法において用いる最終的に標的核酸とプローブ核酸のハイブリッド体が固定化される基板は該ハイブリッド体が結合可能なものであればいかようなものでも構わないが、例えば、合成石英、溶融石英等のガラス基板、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン等の樹脂基板を用いることが可能である。
【0031】
その際、本発明の方法によれば蛍光検出時の励起光の照射方向に関する制限が緩和されるが、仮に、検出すべき物質の基板に対して裏面から照射する蛍光顕微鏡等を用いる場合には励起光と、放出され蛍光の波長に対して光学的に透明であることが要求される。
【0032】
一方、検出すべき物質側から励起光を照射する場合においても励起光の散乱を考慮すれば、上記のように光学的に透明であるか、あるいは、黒色鏡面体、黒色艶消面体のように反射をある程度制御可能な基板が望ましい。半透明な基板は特に励起光の散乱を考慮すると望ましい基板とはいえない。
【0033】
また、本発明に用いる標的核酸、あるいは、プローブ核酸の基板への結合方法は、標的核酸、あるいは、プローブ核酸が基板に結合可能で、その状態でそれぞれプローブ核酸、あるいは、標的核酸とハイブリッドの形成が可能で、かつ、本発明の方法に基づいて該ハイブリッド体が検出/定量可能な方法であればいかようなものであっても構わない。
【0034】
その際、前記サザーンハイブリダイゼーションに用いられているナイロンフィルター等も原理的には使用可能ではあるがハイブリダイゼーションの効率、あるいは、先述の蛍光検出方法を考慮すれば光学的検出に有利な基板上に標的核酸、あるいは、プローブ核酸を共有結合させる方法が望ましい。
【0035】
そのような方法のために近年、住友ベークライト株式会社から表面にアミノ基を結合したポリスチレン製のマイクロプレート(商品名:スミロンN)、あるいは、カルボキシル基を結合した同じくポリスチレン製のマイクロプレート(商品名:スミロンC)が市販されている。
【0036】
上記アミノ基と核酸の5'末端の水酸基をカルボニルジイミダゾールで活性化してペプチド結合させる方法、あるいは、上記カルボキシル基を前記特表平7−506482号公報に記載の方法により1級アミノ基を結合した核酸と結合する方法により核酸を結合することができる。あるいは、上記カルボキシル基をマレイミド化した後、スルフィドリル基を結合した核酸を結合する方法も用いることができる。
【0037】
また、ガラス基板上にアミノシランカップリング剤を塗布した後、上記方法と同様にアミノ基と核酸を結合する方法、あるいは、グリシジルシランカップリング剤を塗布した後、エポキシ基と核酸に結合したアミノ基、あるいは、核酸塩基のアミノ基と、ハイブリダイゼーションに支障のない形態で結合する方法も使用可能である。
【0038】
基板の状態は、流動性を有している水の存在による蛍光測定への障害、あるいは水分を含むことによる蛍光測定への障害を排除する乾燥状態であればよい。例えば実際の測定に用いるサンプルと同じものを作成し、実際と同じ乾燥方法で予備乾燥実験を行ない、該乾燥したサンプルについてNMRを測定し、その結果に基づいて水が測定に障害とならない程度に十分除去される乾燥条件を決定すればよい。
【0039】
具体的乾燥方法としては下記実施例で用いられる真空ポンプでのドライアップが挙げられるが、同様の効果を奏するものなら特に制限はない。
【0040】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
【0041】
[実施例1]
EB、2-メチル-4,6-ビス(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ピリリウムアイオダイド(以下P2と呼ぶ)、YOYO1によるオリゴデオキシヌクレオチドの検出
(1)モデル標的核酸として一本鎖DNAであるM13mp18の塩基配列の特定の一部分と全く同一の塩基配列を有する20量体のオリゴデオキシヌクレオチドを入手した(関東化学株式会社)。塩基配列を以下に示す。
5'ACTGGCCGTCGTTTTACAAC3'
(配列番号1)
このオリゴヌクレオチドの水溶液と水とを適宜混合することにより塩基として100μMのモデル標的核酸のストック溶液とした。
【0042】
(2)プローブ核酸として上記モデル標的核酸の塩基配列と相補的な塩基配列を有する20量体のオリゴデオキシヌクレオチドを同じく入手し、(1)と同様に塩基として100μMのプローブ核酸のストック溶液とした。塩基配列を以下に示す。
3'TGACCGGCAGCAAAATGTTG5'
(配列番号2)
(3)EB(シグマアルドリッチジャパン)4mgをDMSO 1mLに溶解し、ここに水9mLを加えた。この溶液をさらに水で100倍に希釈し、10μMのストック溶液とした。
【0043】
(4)P2(本発明者らが合成)5mgをアセトニトリル1mLに溶解し、ここに水9mLを加えた。この溶液をさらに水で100倍に希釈することにより10μMストック溶液とした。
【0044】
(5)YOYO1(Molecular Probe社 1mM/DMSO)を水で100倍希釈して10μMのストック溶液とした。
【0045】
(6)モデル標的核酸溶液0、2、5、10μL(色素溶液を加えた段階での最終濃度0、2.0、5.0、10.0μM)、プローブ核酸溶液15μL(最終濃度15μM)、5μLの100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)を混合し、水を加えて90μLとした後アニールし最終4℃まで冷却した。
【0046】
(7)上記DNA溶液に各色素溶液10μL(最終濃度1μM)を加えた。
【0047】
(8)適宜洗浄、乾燥した厚さ1mmの透明アクリル基板(旭化成 デラグラスA)に(5)の溶液を0.5μL載せた。この状態のものと、別に、同様の操作をし真空ポンプでドライアップしたものとの蛍光を観察、蛍光強度を測定した。
【0048】
蛍光の観察にはオリンパス倒立型蛍光顕微鏡IMT2(対物レンズ10倍)を使用した。蛍光観察用のフィルターキューブはEBの場合にはG励起フィルターを、YOYO1の場合にはB励起フィルターを、また、P2の場合には特別に製作(朝日分光株式会社 励起:580nm、蛍光540nm、ダイクロイックミラー610nm)したものを使用した。
【0049】
蛍光強度の測定には上記蛍光顕微鏡と中継レンズ(NFK 2.5×LD)を介して、イメージインテンシファイヤー付きCCD(浜松ホトニクス ICCD C2400-87)と画像処理装置(浜松ホトニクス Argus50)を使用した。
【0050】
蛍光強度の測定領域は平均的な明るさで、ある程度均一と判断される200×200μmの領域で、値は領域中の画素(2×2μm)の平均値を採用した。
【0051】
また、イメージインテンシファイヤーの増幅度は表示値0.2である。なお、各々の色素の蛍光強度値はフィルターの分光特性がそれぞれ異なり、また、励起光源(高圧水銀ランプ)が輝線から構成されること、さらにはICCDカメラの感度に波長依存性があるので直接比較することはできない。
【0052】
得られた蛍光強度値を図1(溶液)、図2(乾式)に示す。図1、図2よりEB、P2、YOYO1を用いて、蛍光強度の差、直線性に差が見られるもののドライアップ状態でのモデル標的核酸の検出/定量が可能であることがわかる。また、使用した三種の色素を比較するとEB、YOYO1ではドライアップした際の消光の度合いが強く、特に、EBではその傾向が強い。それに比べるとP2では相対的に乾燥時のクエンチングの度合いが弱く、本発明の測定方式に適合しているといえる。
【0053】
[実施例2]
EB、P2、YOYO1による標的DNAの検出
(1)標的核酸として一本鎖DNAであるM13mp18を入手した(宝酒造株式会社)。標的とする塩基配列は以下に示したように実施例1と同一である。
5'ACTGGCCGTCGTTTTACAAC3'
(配列番号1)
このDNAの水溶液と水とを適宜混合することにより標的部分の塩基として10μMの標的核酸のストック溶液とした。なお、実施例1と比較して標的部分の塩基としての濃度を希薄なものとしたのはM13mp18が7249塩基からなっているため、核酸としての濃度を適当に保つためである。
【0054】
(2)プローブ核酸のストック溶液として実施例1と同様に以下の塩基配列を有するオリゴデオキシヌクレオチドの10μMの水溶液を調製した。
3'TGACCGGCAGCAAAATGTTG5'
(配列番号2)
(3)実施例1と同様に、EB、P2、YOYO1の10μMのストック溶液を調製した。
【0055】
(4)標的核酸溶液0、2、5、10μL(色素溶液を加えた段階での最終濃度0、0.2、0.5、1.0μM)、プローブ核酸溶液15μL(最終濃度1.5μM)、5μLの100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)を混合し、水を加えて99μLとした後アニールし最終4℃まで冷却した。
【0056】
(5)上記DNA溶液に各色素溶液1.0μL(最終濃度0.1μM)を加えた。
【0057】
(6)実施例1と同様に試料をドライアップした状態での蛍光強度を測定した。ただし、標的DNA濃度が低いのでイメージインテンシファイヤーの増幅度を表示値で1.0とした。
【0058】
測定結果を図3に示す。図3から本発明の方法により標的一本鎖DNAの検出/定量が可能であることがわかる。
【0059】
[実施例3]
P2による標的mRNAの検出
(1)常法によりヒトβ2アドレナリン作用受容体cDNAからT7RNAポリメレースを用いてヒトβ2アドレナリン作用受容体mRNAを合成し、DNase処理後精製した。mRNAの水溶液と水とを適宜混合することにより標的部分の塩基として10μMの標的核酸のストック溶液とした。
【0060】
該mRNAの標的塩基配列部分を以下に示した。
5'TGCTGTGCGTCACGGCCAGCAT3'
(配列番号3)
(2)プローブ核酸のストック溶液として以下の塩基配列を有するオリゴデオキシヌクレオチド(関東化学株式会社から入手)の10μMの水溶液を調製した。
3'ACGACACGCAGTGCCGGTCGTA5'
(配列番号4)
(3)実施例1と同様にP2の10μMのストック溶液を調製した。
【0061】
(4)標的核酸溶液0、2、5、10μL(色素溶液を加えた段階での最終濃度0、0.2、0.5、1.0μM)、プローブ核酸溶液15μL(最終濃度1.5μM)、5μLの100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)を混合し、水を加えて90μLとした後アニールし最終4℃まで冷却した。
【0062】
(5)上記DNA溶液にP2溶液1.0μL(最終濃度0.1μM)を加えた。
【0063】
(6)実施例2と同様に試料をドライアップした状態での蛍光強度を測定した。測定結果を図4に示す。図4から本発明の方法により標的mRNAの検出/定量が可能であることがわかる。
【0064】
[実施例4]
EB、2-メチル-4,6-ビス(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)ピリリウムアイオダイド(以下P2と呼ぶ)、YOYO1によるオリゴデオキシヌクレオチドの検出(プローブ核酸固定)
(1)モデル標的核酸として実施例1で用いたものと同じ20量体のオリゴデオキシヌクレオチドを用いた(関東化学株式会社)。塩基配列を以下に示す。
5'ACTGGCCGTCGTTTTACAAC3'
(配列番号1)
このオリゴヌクレオチドの水溶液と水とを適宜混合することにより塩基として100μMのモデル標的核酸のストック溶液とした。
【0065】
(2)プローブ核酸として上記モデル標的核酸の塩基配列と相補的な塩基配列を有する20量体のオリゴデオキシヌクレオチドを同じく入手し、(1)と同様に塩基として100μMのプローブ核酸のストック溶液とした。なお、固相に共有結合で固定化するために5’末端にヘキサメチレンをリンカーとするアミノ基を結合したものを入手し使用した。塩基配列を以下に示す。
3'TGACCGGCAGCAAAATGTTG-NH25'
(配列番号2)
(3)実施例1と同様に、EB、P2、YOYO1の10μMのストック溶液を調製した。
【0066】
(4)公表特許公報の方法に準じ、カルボキシ基を表面に結合した96ウェルマイクロプレート(住友ベークライト、スミロンC)に1-hydroxy-2,5-dioxo-3-pyrrolidinesulfonic acid,monosodium salt(シグマアルドリッチジャパン、以下、スルホNHSと呼ぶ)と1-ethyl-3-(3dimethylaminopropyl)carbodiimide,hydrochloride(シグマアルドリッチジャパン、以下、EDCと呼ぶ)を用いて(2)のプローブ核酸を固定した。
【0067】
(5)上記マイクロプレートのウェル中にモデル標的核酸溶液0、2、5、10μL(最終濃度0、2.0、5.0、10.0μM)、5μLの100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)を混合し、水を加えて100μLとした後アニールし最終4℃まで冷却した。蛍光を観察する前までの以下の各工程は4℃で行った。
【0068】
(6)マイクロプレートのウェル表面に結合しているプローブ核酸量に対して標的核酸量が過剰と考えられるので、ウェル中の溶液をすて、上記緩衝液100μLで3回洗浄し、ついで、該緩衝溶液を90μL加えた。
【0069】
(7)上記DNA溶液に各色素溶液10μL(最終濃度1μM)を加えたのち約10分放置し、色素溶液を吸引により除去した。
【0070】
(8)上記緩衝溶液100μLで1回ウェル内を洗浄し、この溶液を吸引により除去した。
【0071】
(9)真空ポンプでマイクロプレートをドライアップし実施例1と同様の方法で蛍光を観察、蛍光強度を測定した。これとは別に、(10)の工程の後、10mMTris-HCl緩衝液(pH7.5)100μLを加えた溶液系での蛍光も測定した。
ただし、イメージインテンシファイヤーの増幅度は表示値4.0である。
【0072】
得られた蛍光強度値を図5(溶液)、図6(乾式)に示す。図5、図6よりEB、P2、YOYO1を用いて、蛍光強度の差、直線性に差が見られるもののドライアップ状態でのモデル標的核酸の検出/定量が可能であることがわかる。また、使用した三種の色素を比較するとEB、YOYO1ではドライアップした際の消光の度合いが強く、特に、EBではその傾向が強い。それに比べるとP2では相対的に乾燥時のクエンチングの度合いが弱く、本発明の測定方式に適合しているといえる。
【0073】
[実施例5]
P2による標的DNAの検出(プローブ核酸固定)
(1)標的核酸として実施例2で用いたものと同じ一本鎖DNAであるM13mp18を用いた(宝酒造株式会社)。標的とする塩基配列は以下に示したように実施例1及び4と同一である。
5'ACTGGCCGTCGTTTTACAAC3'
(配列番号1)
実施例2と同様に、このDNAの水溶液と水とを適宜混合することにより標的部分の塩基として10μMの標的核酸のストック溶液とした。なお、実施例5と比較して標的部分の塩基としての濃度を希薄なものとしたのはM13mp18が7249塩基からなっているため、核酸としての濃度を適当に保つためである。
(2)実施例4と同様にプローブ核酸として上記モデル標的核酸の塩基配列と相補的な塩基配列を有する20量体のオリゴデオキシヌクレオチドを同じく入手し、(1)と同様に塩基として100μMのプローブ核酸のストック溶液とした。塩基配列を以下に示した。
3'TGACCGGCAGCAAAATGTTG-NH25'
(配列番号2)
(3)実施例4と同様にマイクロプレートに(2)のプローブ核酸を固定した。
【0074】
(4)上記マイクロプレートのウェル中に(1)の標的核酸溶液0、2、5、10μL(最終濃度0、0.2、0.5、1.0μM)、5μLの100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)を混合し、水を加えて100μLとした後アニールし最終4℃まで冷却した。蛍光を観察する前までの以下の各工程は4℃で行った。
【0075】
(5)ウェル中の溶液をすて、上記緩衝液100μLで3回洗浄し、ついで、該緩衝溶液を90μL加えた。
【0076】
(6)上記溶液に実施例4と同様に調製したP2溶液10μL(最終濃度1μM)を加えたのち約10分放置し、色素溶液を吸引により除去した。
【0077】
(7)上記緩衝溶液100μLで1回ウェル内を洗浄し、この溶液を吸引により除去した。
【0078】
(8)実施例4と同様に試料をドライアップした状態での蛍光強度を測定した。測定結果を図7に示す。図7から本発明の方法により標的一本鎖DNAの検出/定量が可能であることがわかる。
【0079】
[実施例6]
P2による標的mRNAの検出(プローブ核酸固定)
(1)常法によりヒトβ2アドレナリン作用受容体cDNAからT7RNAポリメレースを用いてヒトβ2アドレナリン作用受容体mRNAを合成し、DNase処理後精製した。mRNAの水溶液と水とを適宜混合することにより標的部分の塩基として10μMの標的核酸のストック溶液とした。
該mRNAの標的塩基配列部分を以下に示した。
5'TGCTGTGCGTCACGGCCAGCAT3'
(配列番号3)
(2)プローブ核酸のストック溶液として以下の塩基配列を有するオリゴデオキシヌクレオチド(関東化学株式会社から入手)の10μMの水溶液を調製した。このオリゴヌクレオチドの5'末端には実施例4、5と同様にアミノ基が結合されている。
3'ACGACACGCAGTGCCGGTCGTA-NH25'
(配列番号4)
(3)実施例4と同様にマイクロプレートに(2)のプローブ核酸を固定した。
(4)上記マイクロプレートのウェル中に(1)の標的mRNA溶液0、2、5、10μL(最終濃度0、0.2、0.5、1.0μM)、5μLの100mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)を混合し、水を加えて100μLとした後アニールし最終4℃まで冷却した。蛍光を観察する前までの以下の各工程は4℃で行った。
(5)ウェル中の溶液をすて、上記緩衝液100μLで3回洗浄し、ついで、該緩衝溶液を90μL加えた。
(6)上記溶液に実施例4と同様に調製したP2溶液10μL(最終濃度1μM)を加えたのち約10分放置し、色素溶液を吸引により除去した。
(7)上記緩衝溶液100μLで1回ウェル内を洗浄し、この溶液を吸引により除去した。
(8)実施例4と同様に試料をドライアップした状態での蛍光強度を測定した。
【0080】
測定結果を図8に示す。図8から本発明の方法により標的mRNAの検出/定量が可能であることがわかる。
【0081】
[実施例7]
P2による標的DNAの検出(標的核酸固定)
(1)標的核酸として二本鎖DNAであるpUC18を入手した(宝酒造株式会社)。標的とする塩基配列はマルチプルクローニングサイトの制限酵素(Hind III)切断部位の外側の実施例5、6と同一のものである。塩基配列を以下に示した。
5'ACTGGCCGTCGTTTTACAAC3'
(配列番号1)
(2)上記DNAを所定の方法により制限酵素EcoR I(宝酒造株式会社)で完全消化しエタノール沈殿により回収した。
【0082】
(3)回収したDNAをさらに制限酵素Pvu II(宝酒造株式会社)により完全消化しエタノール沈殿により回収した。回収された制限酵素消化後のDNAには以下の3種のDNAが含まれることになる。
【0083】
▲1▼約2000塩基対の両端に平滑末端を有する二本鎖DNA
▲2▼約100塩基対の一方の末端に平滑末端を有し、他方の末端に対合末端3'TTAA(AAが末端側)を有する二本鎖DNA
▲3▼約200塩基対の一方の末端に平滑末端を有し、他方の末端に対合末端3'TTAA(AAが末端側)を有する二本鎖DNA
なお、(1)の標的塩基配列は▲3▼の対合末端を有するセンス鎖側に存在する。
【0084】
(4)適宜洗浄した石英ガラス基板(飯山特殊ガラス 25.4×25.4mm 厚さ0.5mm)にエポキシ基を有するシランカップリング剤(信越化学工業株式会社 KBM403 γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の2%溶液(水:エタノール=1:1)をスピンコートし100℃で一時間乾燥した。これにより基板上にエポキシ基が結合する。
【0085】
(5)(4)のガラス基板を標的塩基配列の塩基対として1μMの(3)のDNA溶液(10mMリン酸緩衝溶液pH7.0 2mL)に室温下24時間反応させた。これにより(3)の▲2▼、▲3▼の二本鎖DNAが対合末端のアデニンのアミノ基と基板上のエポキシ基が反応して結合する。
【0086】
(6)上記ガラス基板を水で洗浄後、2mLの水中で95℃で10分間加熱し、95℃の熱水で洗浄した。これにより(3)の▲2▼、▲3▼の二本鎖DNAは対合末端で基板に結合した一方の鎖のみとなる。
【0087】
(7)実施例4、5と同様の塩基配列のプローブ核酸(関東化学株式会社から入手。アミノ基は結合していない。)の塩基として1μM溶液(100mM Tris-HCl pH7.5)2mL中に上記基板を浸漬しハイブリダイゼーション条件に置き最終4℃まで冷却した。これによりプローブ核酸は基板に結合した▲3▼のDNAとハイブリッドを形成する。以下、検出までの操作は4℃で行った。
【0088】
(8)上記ガラス基板を(7)の緩衝溶液2mLで3回洗浄した後、実施例4と同様に調製したP2溶液(1μM)2mLに10分間浸漬した。
【0089】
(9)上記緩衝溶液2mLで基板を洗浄し、アルゴン気流で基板上の液を除去した。
【0090】
(10)実施例4と同様に試料をドライアップした状態での蛍光強度を測定した。対照として(6)の結合の操作を行わなかったガラス基板を測定した。測定結果を表1に示す。
【0091】
【表1】
Figure 0004306881
表1より本発明の方法により基板上に結合した標的核酸の検出が可能であることがわかる。
【0092】
[比較例1]
FITCの乾式蛍光観察。
【0093】
水への溶解性を考慮してアミノ化されたFITC(Molecular Probe社)を用い、これを1μMの水溶液とし、適量をスライドガラスとカバーガラスの間に浸透させた。上記実施例の蛍光顕微鏡(G励起フィルター)+ICCD+Argus50のシステムで蛍光を観察した。
【0094】
その結果、ガラス間に水が存在している間は比較的強い蛍光が観察されたが、水が蒸発した領域からは全く蛍光は観察されなかった。
【0095】
【発明の効果】
本発明の方法により標的核酸をドライな条件で蛍光観察することが可能となった。これにより検出/定量に使用する容器の制限が緩和される、少量の試料も乾燥を気にすることなく使用できる、ドライな条件なので操作が相対的に簡便となる、蛍光の励起光照射の方向に制限がなくなる等の効果をみることができた。
【0096】
また、最終的に標的核酸とプローブ核酸のハイブリッド体が基板に固定される態様においては、必要に応じて、該ハイブリッド体以外の核酸、あるいは、蛍光色素を洗いの操作によって除去することも可能となった。これによりバックグラウンドが低減し、結果として検出/定量の感度が期待できる。
【0097】
【配列表】
Figure 0004306881
Figure 0004306881

【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリッド核酸溶液法におけるEB、P2、YOYO1によるモデル標的核酸の検出/定量(溶液系)
【図2】ハイブリッド核酸溶液法におけるEB、P2、YOYO1によるモデル標的核酸の検出/定量(乾式)
【図3】ハイブリッド核酸溶液法におけるEB、P2、YOYO1によるM13mp18の検出/定量
【図4】ハイブリッド核酸溶液法におけるP2によるmRNAの検出/定量
【図5】プローブ核酸固定法におけるEB、P2、YOYO1によるモデル標的核酸の検出/定量(溶液系)
【図6】プローブ核酸固定法におけるEB、P2、YOYO1によるモデル標的核酸の検出/定量(乾式)
【図7】プローブ核酸固定法におけるEB、P2、YOYO1によるM13mp18の検出/定量
【図8】プローブ核酸固定法におけるP2によるmRNAの検出/定量

Claims (14)

  1. 観察用の清浄な固相基板上に、検出または定量対象である一定量の試料溶液由来の標的核酸(A)と、該標的核酸の塩基配列の特定の部位に相補的な塩基配列を有するプローブ核酸(B)とが相互に作用して標的核酸(A)とプローブ核酸(B)のハイブリッド体(C)が形成されており、
    かつ、該ハイブリッド体(C)に作用し、作用した結果、蛍光を発するか、または、蛍光が増大し、かつ、該ハイブリッド体に作用した状態で、乾燥状態においても蛍光の発光が維持可能な蛍光色素(D)が該ハイブリッド体(C)に対して作用可能な状態で存在する状態
    を実現する工程(1)と、
    該基板上でハイブリッド体(C)および蛍光色素(D)を乾燥させる工程(2)と、
    乾燥後に観測手段である蛍光色素(D)からの蛍光を測定する工程(3)と、
    有し、
    前記蛍光色素(D)は、2−メチル−4,6−ビス(4−N,N,−ジメチルアミノフェニル)ピリリウム塩、エチジウムブロマイド及びYOYO-1(商品名:1’−[1,3-プロパンジイルビス[(ジメチルイミニオ)−3,1−プロパンジイル]]ビス[4−[(3−メチル−2(3H)−ベンゾオキサゾルイリデン)メチル]]−,テトラアイオダイド))から選択される
    ことを特徴とする標的核酸の乾式検出または定量方法。
  2. 前記工程(1)において、ハイブリッド体(C)の形成(1−1)と、蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1−2)のいずれもが前記試料溶液中に溶存した状態で行なわれる請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(1)において、ハイブリッド体(C)の形成(1−1)と、蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1−2)のいずれもが前記基板上に固定された状態で行なわれる請求項1に記載の方法。
  4. 前記プローブ核酸(B)を、前記標的核酸(A)に作用させる前にあらかじめ前記基板の表面に固定化する工程(1−0)を有する請求項3に記載の方法。
  5. 前記標的核酸(A)を、前記プローブ核酸(B)に作用させる前にあらかじめ前記基板の表面に固定化する工程(1−0’)を有する請求項3に記載の方法。
  6. 前記工程(1)において、ハイブリッド体(C)形成(1−1)の後、蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1−2)の前に、
    ハイブリッド体(C)以外の溶液中の核酸を洗いの操作によって除去する工程(1−1’)を有する請求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記工程(1)において、蛍光色素(D)のハイブリッド体(C)への作用(1−2)の後に、
    ハイブリッド体(C)に作用しなかった蛍光色素(D)を洗いの操作によって除去する工程(1−3)を有する請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記工程(1)と(2)の間において、
    ハイブリッド体(C)と、ハイブリッド体(C)に作用した蛍光色素(D)を包括する溶媒をガス流により除去する工程(1−4)
    を有する請求項3〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記固相基板がガラス基板である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記固相基板が樹脂基板である請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  11. 前記標的核酸(A)が一本鎖の核酸である請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記標的核酸(A)がDNAである請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記標的核酸(A)がRNAである請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  14. 標的核酸(A)がmRNAである請求項13に記載の方法。
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