JP4305467B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、詳細にはNOX吸蔵還元触媒を備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気通路に、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸着、吸収またはその両方にて選択的に吸蔵保持し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となったときに、吸蔵したNOXを脱離、還元浄化するNOX吸蔵還元触媒を配置し、機関のリーン空燃比運転中に排気中のNOXをNOX吸蔵還元触媒に吸蔵させることによりNOXの大気放出を防止する内燃機関の排気浄化装置が一般に知られている。
NOX吸蔵還元触媒は吸蔵したNOX量が増大するにつれてNOXの吸蔵能力が低下し、吸蔵されずにNOX吸蔵還元触媒を通過してしまうNOXの割合が増大する。また、NOX吸蔵還元触媒は吸蔵できる最大量までNOXを吸蔵してしまうともはや排気中のNOXを吸蔵することはできず、排気中のNOXの全量がNOX吸蔵還元触媒を通過するようになる。
このため、NOX吸蔵還元触媒を用いた排気浄化装置ではNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量がある程度増大したときに機関をリッチ空燃比で短時間運転する再生操作(リッチスパイク操作)を行う。再生操作を行うことにより、NOX吸蔵還元触媒にはリッチ空燃比の排気が供給されるため、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXが触媒から脱離してリッチ空燃比排気中の未燃炭化水素やCO等の成分により還元浄化される。これにより、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量が低下してNOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力が回復する。
上記のように、再生操作(リッチスパイク操作)はNOX吸蔵還元触媒の吸蔵したNOX量に応じて適切に行う必要かある。例えば、NOX吸蔵量が少なくNOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力がまだ充分に余裕がある状態で再生操作を行うと、機関がリッチ空燃比で運転される頻度が増大してしまい、排気性状の悪化や燃料消費量の増大を生じる可能性がある。また、逆に再生操作の頻度が必要以上に低いと、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量が許容限度以上に増大してしまい、NOX吸蔵能力の低下のために排気性状が悪化する可能性がある。
従って、リッチスパイク操作を適切に行うためにはNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOX量を正確に知る必要がある。ところが、実際には機関運転中にNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOX量を直接計測することは困難である。このため、直接計測に代えてNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定する方法が種々考案されている。
NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を正確に推定する方法としては、例えばNOXカウンタを用いるものが知られている(特許文献1参照)。NOXカウンタは、機関運転中常に運転状態に応じてNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に対応するように増減操作されるカウンタ値である。
例えば特許文献1に開示された排気浄化装置では、機関がリーン空燃比運転されている時には機関の運転状態に応じて定まる量を一定時間毎にNOXカウンタに加算し、機関が理論空燃比またはリッチ空燃比で運転されているときには、機関の空燃比やNOX吸蔵還元触媒温度等に応じて定まる量を一定時間毎にNOXカウンタから減算することにより、NOXカウンタの値が常にNOX吸蔵還元触媒の現在のNOX吸蔵量に対応して変化するようにしている。
すなわち、機関運転中には機関から単位時間当たりに排出されるNOX量は、機関負荷、回転数等の機関運転条件に応じて定まる。機関のリーン空燃比運転中には、機関から排出されるNOXのうち一定の割合のNOXがNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されると考えられるため、リーン空燃比運転中はNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量は単位時間当たりに機関のNOX発生量に所定の割合を乗じた量だけ増大する。
また、機関の理論空燃比またはリッチ空燃比運転中、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたNOXは所定の速度でNOX吸蔵還元触媒から脱離して還元浄化される。このとき単位時間当たりにNOX吸蔵還元触媒から脱離するNOXの量、すなわちNOX吸蔵量の単位時間当たりの減少量は、NOX吸蔵還元触媒に流入する未燃燃料やCO等の流量に比例すると考えられる。
特許文献1の装置では、リーン空燃比運転時にはNOX吸蔵還元触媒の吸蔵NOX量の増大に応じた速度でNOXカウンタを増大させ、理論空燃比またはリッチ空燃比運転時には吸蔵NOX量の減少に応じた速度でNOXカウンタを減少させることにより、NOXカウンタの値が常にNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に正確に対応するようにしている。
特許文献1の装置では、上記により算出したNOXカウンタを用いてNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を正確に推定することにより、適切なリッチスパイク操作を行うことを可能にしている。
特開平7−139340号公報 特開平8−260948号公報 特開2001−152838号公報 特開2002−195080号公報 国際公開第01/00977号パンフレット
上記特許文献1のようにNOXカウンタを用いてNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定することにより、本来正確にリッチスパイク操作を行うことができるはずである。ところが、実際には特許文献1のようにNOXカウンタを用いて推定したNOX吸蔵量のみに基づいてリッチスパイク操作を実施していると、リッチスパイク操作後も充分にNOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力が回復しない問題が生じる場合がある。
NOX吸蔵還元触媒はリーン空燃比とリッチ空燃比との間の空燃比の変化により排気中のNOXの吸蔵と脱離とを行うが、実際にはNOXの吸蔵と脱離の速度はNOX吸蔵還元触媒全体にわたって一様ではなく、触媒の部分によって大きく異なっている。
例えば、リーン空燃比運転時のNOXの吸蔵の際にはNOXはまずNOX吸蔵還元触媒の上流側に近い側に主に吸蔵されるため下流側にはほとんど到達しない。このため、リーン空燃比運転開始後しばらくは触媒の下流側部分にはNOXが吸蔵されにくい。また、同様に再生操作時にも、NOXはまず上流側に近い側から脱離し、排気中の未燃炭化水素等が上流側に近い部分で消費されるため、下流側に近い側ではNOXの脱離は生じにくくなる。
すなわち、NOX吸蔵還元触媒の上流側部分と下流側部分とではNOX吸蔵速度と脱離速度が大きく異なっている。また、一般にNOXの吸蔵も脱離もまず上流側部分で生じ、次いである遅れ時間が経過してからはじめて下流側でも生じるようになる。このように、NOX吸蔵還元触媒の上流側部分と下流側部分とでは、NOXの吸蔵、脱離の特性(速度、タイミング)が異なっている。また、触媒の上流側や下流側との相違だけでなく、例えば触媒のコート層の上層付近と下層付近でも触媒の上流側部分、下流側側部分の相違と同様なNOXの吸蔵、脱離の特性の相違を示す。
特許文献1の装置では、このようにNOXの吸蔵脱離特性の異なる部分を有するNOX吸蔵還元触媒に対してそれぞれ単一のNOXの吸蔵及び脱離速度を使用してNOX吸蔵量を推定しているため、吸蔵量に誤差を生じる場合がある。
例えば、NOXの吸蔵及び脱離速度として触媒上流側部分のものに近い値を使用していると、NOX吸蔵還元触媒のリッチスパイク操作の際に実際には触媒下流側ではNOXの脱離が開始していないか、或いは吸蔵NOXが残っているうちにNOXの脱離が完了したとしてリッチスパイク操作が終了してしまい、下流側部分では吸蔵NOXが残った状態で再度吸蔵を開始することとなる。このため、NOX吸蔵還元触媒の下流側部分では次第にNOX吸蔵量が増大し、NOXカウンタを用いて推定したNOX吸蔵量に基づいてリッチスパイク操作を行っているにもかかわらず、部分的にNOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力が大幅に低下するような問題が生じるのである。
また、上記ではNOXの場合を例にとって説明したが、排気中に硫黄酸化物(SOX)が含まれると、SOXはNOXと全く同様にリーン空燃比でNOX吸蔵還元触媒に吸蔵される。また、NOX吸蔵還元触媒にSOXが吸蔵されるとNOXの場合と同様にNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力が低下するため、前述したリッチスパイク操作と同様な再生操作を実行してNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力を回復させる必要がある。NOX吸蔵還元触媒からSOXを脱離させるための再生操作はリッチスパイク操作と同様に触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比に維持し、更に排気温度をNOX脱離のためのリッチスパイク操作より高い温度に上昇させる必要がある。
従って、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力を有効に活用するためには、NOXの場合と同様にNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されたSOX量を正確に推定しSOX離脱のための適切な再生操作を実行することが必要となる。
本発明は上記従来技術の問題に鑑み、NOX吸蔵還元触媒のNOXまたはSOX吸蔵量を推定する際に、誤差が生じることを防止して正確な推定を行うことにより、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力を有効に利用することを可能とする内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中の窒素酸化物(NOX)または硫黄酸化物(SOX)からなる特定成分を吸着、吸収またはその両方にて選択的に吸蔵保持し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となったときに、吸蔵した前記特定成分を脱離させるとともに還元浄化するNOX吸蔵還元触媒と、前記NOX吸蔵還元触媒の少なくとも異なる2つの部分に吸蔵された前記特定成分量を部分毎に推定することにより、前記NOX吸蔵還元触媒内に吸蔵された前記特定成分量を推定する推定手段と、前記推定手段により推定された特定成分吸蔵量に基づいて、前記NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給し、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵された前記特定成分を脱離、還元浄化する再生操作を実施する再生手段と、を備え、前記推定手段は、NOX吸蔵還元触媒の前記特定成分吸蔵時には、流入する排気からNOX吸蔵還元触媒に吸蔵される全特定成分量をNOX吸蔵還元触媒の前記各部分毎に所定の比率で分配することにより、NOX吸蔵還元触媒の前記各部分に吸蔵された前記特定成分量を推定する、内燃機関の排気浄化装置において、前記再生手段は、前記再生操作実行時にNOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比をリッチ空燃比に短時間維持した後更に、前記NOX吸蔵還元触媒の各部分毎に推定した前記特定成分吸蔵量のうち特定の部分の前記特定成分吸蔵量に基づいて定まる時間だけNOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比に維持する、内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項1の発明では推定手段は、NOX吸蔵還元触媒を少なくとも2つ以上の部分に分けて、各部分毎に特定成分(NOXまたはSOX)の吸蔵量を推定する。これにより、例えばNOX吸蔵還元触媒の上流側側部分と下流側側部分等のように互いにNOXまたはSOXの吸蔵、脱離特性が異なる部分についてもそれぞれの吸蔵脱離特性に基づいて吸蔵量を推定することが可能となるため、NOX吸蔵還元触媒の部分毎の吸蔵、脱離特性の相違によるNOXまたはSOXの吸蔵量推定値の誤差が生じることが防止される。
更に、本発明ではNOX吸蔵還元触媒の特定部分のNOXまたはSOXの吸蔵量に応じて、再生操作実行後に排気空燃比を理論空燃比に維持する時間を定める。例えば、再生操作実行時にNOX吸蔵還元触媒に流入する排気空燃比をリッチ空燃比に維持した後、各部分のNOXまたはSOXの吸蔵量が全てゼロになっている場合には排気空燃比を理論空燃比に維持する時間をゼロに設定して直ちにリーン空燃比運転を開始しても良いが、ある特定の部分に吸蔵NOXまたはSOXが残留している状態で直ちにリーン空燃比運転を開始すると、この特定部分のNOXまたはSOXの吸蔵量が増加してしまう問題が生じるため、この特定部分からNOXまたはSOXの全量が脱離するまで理論空燃比の排気を触媒に供給することが好ましい。従って、ある特定の部分(NOXまたはSOXが残留しやすい部分)のNOXまたはSOXの吸蔵量に応じて再生操作時に排気空燃比をリッチ空燃比に維持した後の理論空燃比に維持する時間を決定することにより、この部分へのNOXまたはSOXの蓄積が防止される。
請求項2に記載の発明によれば、前記特定の部分は、再生操作実行時に他の部分に較べて吸蔵された前記特定成分が脱離する速度が低い部分である、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置が提供される。
すなわち、請求項2の発明では請求項1のNOX吸蔵還元触媒の特定の部分として、NOXまたはSOXの脱離速度が他に較べて低い部分(例えば触媒下流側部分やコート層下層部分)とされる。これらの部分ではNOXまたはSOXの脱離速度が低いため、再生操作完了時にも吸蔵NOXまたはSOXが完全には脱離せず、NOXまたはSOXが残留しやすくなっている。このため、この部分のNOXまたはSOXの吸蔵量に応じて再生操作後に排気空燃比を理論空燃比に維持する時間を決定することにより、この部分へのNOXまたはSOXの蓄積が生じることが防止される。
各請求項に記載の発明によれば、NOX吸蔵還元触媒のNOXまたはSOXの吸蔵量を正確に推定し、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力を有効に利用することを可能とする共通の効果を奏する。
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を自動車用ガソリン機関に適用した実施形態の装置全体の基本構成概略を示す図である。
図1において、1は機関本体、5は排気通路をそれぞれ示している。
本実施形態では、機関1は負荷条件に応じて運転空燃比が変更されるが、その運転領域の大部分で理論空燃比よりリーンな空燃比で運転される、いわゆるリーンバーンエンジンとされている。
本実施形態では、排気通路5にはNOX吸蔵還元触媒20が配置されている。
また、図に符号30で示すのは機関1の電子制御ユニット(ECU)である。ECU30は、RAM、ROM、CPU、入出力ポートを備えた公知のマイクロコンピュータとして構成され、本実施形態では機関1の燃料噴射制御や点火時期制御などの基本制御を行う他、後述するNOX吸蔵還元触媒20の再生操作(リッチスパイク操作)や、触媒20のNOX吸蔵量(またはSOX吸蔵量)の推定計算等の操作を行う。
これらの各種操作のため、ECU30には機関1の回転数、アクセル開度(アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量)等がそれぞれ対応するセンサから入力されている他、NOX吸蔵還元触媒20の下流側の排気通路に配置されたO2センサ35からNOX吸蔵還元触媒20出口排気中の酸素濃度に対応する信号が入力されている。
本実施形態のNOX吸蔵還元触媒20は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムLi 、セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa 、カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa 、セリウムCe、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つの成分と、白金Ptのような貴金属とを担持したものである。NOX吸蔵還元触媒20は機関1の排気空燃比がリーンのときに、排気中のNOX(NO、NO2)を吸着、吸収またはその両方にて選択的に吸蔵保持し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となったときに、吸蔵したNOXを脱離させるとともに排気中の未燃炭化水素やCO、CO2等により還元浄化するものである。
すなわち、リーン空燃比運転中の機関の排気に含まれるNOXは一旦NOX吸蔵還元触媒20に吸蔵され、機関1の排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になったときに、NOX吸蔵還元触媒20から脱離して排気中に含まれる炭化水素や、COなどの成分によりNOX吸蔵還元触媒上で還元、浄化される。これにより、機関排気中のNOXが大気に排出されることが防止される。
ところが、リーン空燃比運転が続きNOX吸蔵還元触媒20のNOXの吸蔵が続くとNOX吸蔵還元触媒20に吸蔵されたNOX量が増大する。
NOX吸蔵還元触媒は、NOX吸蔵量が増大するにつれてNOX吸蔵能力(ここでは、流入する排気中のNOXのうちNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOXの割合をNOX吸蔵能力またはNOX浄化率と呼ぶ)は低下する。そして、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵可能な最大量のNOXを吸蔵した状態(飽和状態)では、NOX吸蔵還元触媒20は排気中のNOXを全く吸蔵することができなくなりNOX吸蔵還元触媒20のNOX浄化率はゼロになる。
従って、本実施形態では、NOX吸蔵還元触媒のNOX浄化率の低下を防止してNOXの大気放出を防止するために、NOX吸蔵還元触媒20のNOX吸蔵量がある程度まで増大したときにリーン空燃比運転中の機関1を短時間リッチ空燃比で運転するリッチスパイク操作を行う。
リッチスパイク操作を行うことにより、一時的に機関1の排気空燃比はリッチ空燃比になり、酸素濃度が低下するとともに排気中の未燃炭化水素やCO2、還元成分であるCO等の量が増大する。これにより、NOX吸蔵還元触媒からは吸蔵されたNOXが脱離し、触媒上で排気中の未燃炭化水素やCO2、還元成分であるCO等と反応し、N2に還元浄化される。
すなわち、リッチスパイク操作を行うことにより、NOX吸蔵還元触媒20からは吸蔵したNOXが脱離し、触媒20のNOX吸蔵量は低下するため触媒20のNOX吸蔵能力が回復する。本明細書では、上記リッチスパイク操作のようにNOX吸蔵還元触媒からNOXを脱離させてNOX吸蔵能力を回復させる操作を再生操作と称する場合がある。
ところが、再生操作ではNOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給するために機関を短時間リッチ空燃比で運転する必要が生じる。このため、例えばNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量がまだ増大しておらず充分にNOX吸蔵能力が残っている状態であるにもかかわらず再生操作を実行すると、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力を有効に活用できないだけでなく再生操作実行頻度が増大し、機関の燃料消費量が増大する問題がある。
また、NOX吸蔵量が過度に増大するまで再生操作を実行しないと、機関がNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力が低下した状態で運転される時間が長くなりNOXの大気への放出量が増大する問題がある。
このため、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力を有効に活用して排気浄化を行い、燃料消費量の増大や排気性状の悪化を防止するためには、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を正確に把握して適切なタイミングで再生操作を実行する必要がある。
なお、前述したようにNOX吸蔵還元触媒は、NOXとまったく同様にSOXの吸蔵と脱離とを行い、SOX吸蔵量の増大とともにNOXとSOXの吸蔵能力が低下する。このため、NOX吸蔵能力回復のためにはNOXの場合と同様な再生操作が必要となる。この再生操作にはリッチ空燃比排気をNOX吸蔵還元触媒に供給する時間が長く、触媒温度を上昇させる必要がある点を除けばNOX脱離のための再生操作と全く同様である。
従って、SOXの吸蔵についてもNOXの吸蔵と同様に吸蔵量を正確に把握して適切なタイミングで再生操作を実行する必要がある。
以下の実施形態では、NOX吸蔵還元触媒のNOXの吸蔵と脱離とに例をとって説明するが、SOXの場合についても以下の実施形態が成立する。
従って、本明細書では重複を避けるためSOXの場合についての実施形態を別途記載することはしないが、以下の各実施形態で適宜「NOX」を「SOX」と読み替えることによりSOXの場合についても全く同じ実施形態が成立することに留意されたい。
前述の特開平7−139340号公報の装置では、NOXカウンタを用いてNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定しているものの、NOX吸蔵還元触媒の各部分でのNOXの吸蔵、脱離の状態を触媒全体にわたって均一と仮定し、単一のNOXカウンタを用いてNOX吸蔵量を算出しているためNOX吸蔵量の推定に誤差が生じる場合があることは前述した。
本実施形態では、NOX吸蔵還元触媒を複数の部分に分けて、それぞれの部分に互いに独立して操作可能なNOXカウンタを設け、これらのNOXカウンタをそれぞれの部分のNOXの吸蔵、脱離特性に応じて増減することにより上記問題を解決している。
すなわち、NOX吸蔵還元触媒の各部分のNOXの吸蔵、脱離特性はそれぞれ異なっている。例えば、NOX吸蔵還元触媒にはNOXを吸蔵しやすい部分(NOXの吸蔵速度が大きい部分)と吸蔵しにくい部分(吸蔵速度が小さい部分)とがあり、触媒に流入する排気中のNOXはまず吸蔵しやすい部分に優先的に吸蔵され、ある程度吸蔵しやすい部分のNOX吸蔵量が増大してから吸蔵しにくい部分でのNOX吸蔵がはじまる傾向がある。また、NOX吸蔵還元触媒の再生操作時にもNOXはまず上記吸蔵しやすい部分から脱離し、この部分である程度脱離が進んでから吸蔵しにくい部分で脱離が始まる傾向がある。
上記NOXを吸蔵しやすい部分としては、例えばNOX吸蔵還元触媒の上流側部分(入口部分)があり、吸蔵しにくい部分としては、例えばNOX吸蔵還元触媒の下流側部分(出口部分)がある。すなわち、NOX吸蔵還元触媒に流入する排気はまず入口部分で触媒と接触するため、入口部分の触媒のNOX吸蔵能力が高いうちは排気中のNOXの大部分がこの部分に吸蔵され出口部分まで到達するNOX量は少なくなる。このため、吸蔵時には排気中のNOXはまずNOX吸蔵還元触媒の上流側部分(入口部分)に吸蔵され、この部分の吸蔵能力がある程度低下してから初めて下流側部分(出口部分)に吸蔵されるようになる。従って、NOX吸蔵還元触媒の上流側部分ではNOXが吸蔵されやすく短時間でNOXの吸蔵量が増大するが、下流側部分ではNOXが吸蔵されにくく、NOXの吸蔵量の増大速度は小さくなる。
また、再生操作時にも同様な現象が生じる。例えば、リッチ空燃比の排気がNOX吸蔵還元触媒に流入すると、この排気はまず入口部分の触媒と接触し、この部分からNOXを脱離させ還元する。これにより、排気中の未燃炭化水素やCO等の成分の多くがNOX吸蔵還元触媒の入口部分で脱離したNOXの還元に消費されてしまい、触媒出口部分に到達する排気中に含まれる未燃炭化水素やCO等の成分量は少なくなる。また、後述するように出口部分に至るまでにNOXの還元のために排気空燃比は理論空燃比近傍まで上昇しているため、出口部分ではNOXの脱離が生じにくくなる。このため、NOX吸蔵還元触媒の再生操作時にも、NOX吸蔵還元触媒の上流側部分ではNOXが脱離しやすく短時間でNOXの吸蔵量が減少するが、下流側部分ではNOX吸蔵量の減少速度が小さくなるのである。
また、上記のようにNOXを吸蔵しやすい部分と吸蔵しにくい部分としては、上流側部分や下流側部分だけでなく、例えば触媒のコート層の上層部分も排気と最初に接触するためNOXを吸蔵、脱離しやすく、コート層下層部分は上層部分と接触した後の排気と接触するためNOXを吸蔵、脱離しにくい特性を有する。
本実施形態では、NOX吸蔵還元触媒のNOXを吸蔵しやすい部分の吸蔵、脱離特性に適合した増減特性を設定した第1のNOXカウンタと、吸蔵しにくい部分の吸蔵、脱離特性に適合した増減特性を設定した第2のNOXカウンタとを用いることにより、それぞれの部分に吸蔵されたNOX量を推定する。
図2は、本実施形態のNOXカウンタ増減の基本操作を説明するフローチャートである。本操作はECU30により一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。
図2のフローチャートでは、ステップ203から209がリーン空燃比運転時におけるNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵に対応してNOXカウンタNC1、NC2を増大させる操作、ステップ211から223が再生操作(リッチスパイク操作)や運転条件の変化による負荷の増大などによる理論空燃比運転またはリッチ空燃比運転が行われた場合のNOX吸蔵還元触媒からのNOXの脱離に対応してNOXカウンタNC1、NC2を減少させる操作である。
NOX吸蔵還元触媒20は、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸蔵し、流入する排気の空燃比がリッチまたは理論空燃比になったときに吸蔵したNOXを脱離させ還元浄化する。そこで、図2の操作では、まずステップ201で現在リーン空燃比運転が行われているか否かが判定され、リーン空燃比運転が行われている場合にはステップ203から239のNOXカウンタ増大操作が、リーン空燃比運転が行われていない場合(すなわち、理論空燃比またはリッチ空燃比運転(リッチスパイク操作を含む)が行われている場合)にはステップ211から223のNOXカウンタ減少操作が、それぞれ行われる。
ステップ203から209の増大操作では、まずステップ203で機関の単位時間(図2の操作の実行間隔)当たりのNOX発生量NAが算出される。
機関の単位時間当たりのNOX発生量は、機関の回転数、負荷(燃料噴射量またはアクセルペダル踏み込み量)等の運転条件により定まる。また、リーン空燃比運転中には、NOX吸蔵還元触媒20のNOX吸蔵能力が高い間は、機関で発生したNOX(すなわちNOX吸蔵還元触媒に流入するNOX)の全量がNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されると考えられる。
そこで、本実施形態では、予め実際の機関を用いて機関の回転数、負荷を変化させて機関の単位時間当たりのNOX排出量を測定し、それぞれの運転条件におけるNOX排出量を回転数と負荷とをパラメータとした数値テーブルの形でECU30のROMに格納してある。ステップ203では、機関の現在の回転数と負荷とに基づいて、上記数値テーブルから現在の運転状態における機関の単位時間当たりのNOX発生量をNAを読み出す。
なお、実際には機関で発生したNOXの全量がNOX吸蔵還元触媒に吸蔵される訳ではなく、NOX吸蔵還元触媒の吸蔵能力が高い場合でも触媒に吸蔵されずに通過するNOXがわずかに存在する。そこで、本実施形態では、NAの値は機関の単位時間NOX発生量に所定の比率(流入する排気中のNOXのうちNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOXの比率であり、本実施形態では略1.0に近い値とされる)を乗じたものとしている。
次に、ステップ205では上記により算出したNOX量NAを第1と第2のNOXカウンタNC1とNC2とに振り分けるための分配係数rが算出される。
すなわち、本実施形態では、NOX吸蔵還元触媒20内にNOXを吸蔵しやすい部分と吸蔵しにくい部分とがあることを考慮して、NOX吸蔵還元触媒20に流入するNOXの量NAを各部分のNOX吸蔵特性(吸蔵しやすさ)に応じて各部分に分配しているのである。
すなわち、ステップ207と209とではステップ205で算出した分配係数rを用いて、カウンタNC1とNC2とが、それぞれ(1−r)×NA及びr×NAだけ増大される。
本実施形態では、カウンタNC1は比較的NOXを吸蔵しやすい部分(第1の部分、例えば触媒上流側部分やコート層上層部等)に吸蔵されたNOXの量を表し、カウンタNC2は比較的NOXを吸蔵しにくい部分(第2の部分、例えば触媒下流側部分やコート層下層部等)に吸蔵されたNOXの量を表している。分配係数rは、これらの部分のNOXの吸蔵速度(吸蔵しやすさの程度)に応じて定められる係数(0≦r≦1)である。このように、NOX吸蔵還元触媒20の各部分のNOX吸蔵特性に応じて各部分に吸蔵されるNOX量を分配することにより、NOX吸蔵還元触媒が吸蔵するNOXの量を正確に推定することが可能となる。
例えば、再生操作実施直後で第1の部分の吸蔵能力が充分に高いような場合には、触媒に流入するNOXのほぼ全量が第1の部分に吸蔵され、第2の部分にはほとんどNOXが到達しないためNOXは吸蔵されない。この場合には、分配係数rは0に近い値に設定され、第1のNOXカウンタが比較的大きな速度で増大し、第2のカウンタの増大速度は非常に小さくなる。
また、第1の部分にかなりの量のNOXが吸蔵された状態になると、第1の部分ではNOXの吸蔵能力が低下し、第2の部分にもNOXが到達するようになり第2の部分に吸蔵されるNOX量が増大する。従ってこのような場合には、分配係数は比較的大きな値に設定され、第1のNOXカウンタNC1の増大速度は小さく、第2のNOXカウンタNC2の増大速度は大きくなる。
なお、分配係数rの設定方法については後に詳述する。
ステップ203から209の操作により、リーン空燃比運転中にNOX吸蔵還元触媒20に流入する排気中のNOXはNOX吸蔵還元触媒の各部分に、それぞれの部分の吸蔵特性に応じた量だけ吸蔵されるようになる。
次にステップ211から223のNOXカウンタ減少操作について説明する。
NOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比以下になると、NOX吸蔵還元触媒20に吸蔵されたNOXが触媒から脱離するが、この場合の脱離量(速度)は排気空燃比により異なり排気空燃比がリッチになるほど大きくなる。また、NOXの脱離の場合にも例えば触媒の前述の第1の部分では脱離速度が大きく、第2の部分では小さい。また、例えば触媒上流側部分やコート層上層部分等の第1の部分でNOXが脱離している間は、第1の部分から脱離したNOXの還元のために排気中の未燃炭化水素や還元成分などが消費されるため、触媒下流側部分やコート層下層部分等の第2の部分ではNOXの脱離はほとんど生じない。
従って、本実施形態では例えば触媒に流入する排気空燃比のリッチの程度と、触媒の第1の部分でのNOX吸蔵量等に応じて第1のNOXカウンタと第2のNOXカウンタとの減少速度を設定する。
すなわち、図2のステップ201で理論空燃比またはリッチ空燃比運転が行われている場合には、ステップ211に進み第1と第2のNOXカウンタの減少速度NR1とNR2とが算出される。ここで、NR1とNR2とは、排気空燃比が低い(リッチな)ほど大きな値に設定され、更にリッチ空燃比運転開始後の経過時間に応じて変更される。なお、減少速度NR1とNR2との設定については後に詳述する。
次いでステップ213では、第1のNOXカウンタNC1がステップ211で算出した減少速度NR1だけ減量され、ステップ215と217とでは、低減した後のNC1の値が0より小さく(負に)ならないようにガードされる。また、ステップ219から221では、同様に第2のNOXカウンタNC2の値がNR2だけ減量され、負にならないようにガードさされる。
このように、NOX脱離時にNOX吸蔵還元触媒の各部分から脱離するNOX量を個別に定めることにより、正確にNOX吸蔵還元触媒中のNOX吸蔵量を推定することが可能となる。
次に、図2のステップ205で設定される分配係数rの設定例について説明する。
分配係数rの設定方法としては、例えば以下のような方法がある。
(1)rを固定値とする方法。
(2)NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に応じてrを設定する方法。
(3)NOX吸蔵還元触媒の劣化程度に応じてrを設定する方法。
(4)NOX吸蔵還元触媒の温度に応じてrを設定する方法。
(5)排気流量に応じてrを設定する方法。
(6)流入する排気中のNOX濃度に応じてrを設定する方法。
以下、それぞれについて説明する。
(1)rを固定値とする方法。
前述のように、触媒の第1の部分ではNOXが吸蔵されやすく、第2の部分では吸蔵され難い。このため、第1のNOXカウンタの増大速度は第2のNOXカウンタの増大速度より大きくなる。従って、近似的にrの値を(1−r)>rとなるように固定して第1と第2のNOXカウンタを増大させるようにすることもできる。
この場合、rの値(固定値)は実際のNOX吸蔵還元触媒を用いた実験により使用する触媒に最適な値を設定する。
(2)NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に応じてrを設定する方法。
前述したように、NOX吸蔵還元触媒の第1の部分のNOX吸蔵能力が大きい状態では、流入する排気中のNOXのほとんどは第1の部分に吸収されてしまい、第2の部分にはNOXがほとんど到達しない。しかし、第1の部分に吸蔵されたNOX量が増大するにつれて第1の部分のNOX吸蔵能力は低下するため、次第に第1の部分に吸蔵されるNOX量が低下する。これにより、第2の部分に到達して吸蔵されるNOX量が増大するようになる。
このため、例えば分配係数rの値を第1の部分に吸蔵されたNOX量、すなわち第1のNOXカウンタの値に応じて変化させるようにすれば、各部分のNOX吸蔵量をより正確に推定することができる。
図3は、本実施形態における第1のNOXカウンタNC1と分配係数rとの関係を示す図である。図3に示すように、NC1の値が小さく第1の部分にほとんどNOXが吸蔵されていない状態ではrの値は略0に近い値にセットされ、NC1の増大速度はNAに近い値になる(図2ステップ207)。すなわち、流入するNOXの略全量がNOX吸蔵還元触媒20の第1の部分に吸蔵される。
また、NC1の値が増大するにつれて、すなわち第1の部分に吸蔵されるNOXの量が増大するにつれてrの値は増大し、次第に第2の部分に吸蔵されるNOXの比率が増大するようになる。
なお、上記のように吸蔵量に応じて分配係数rの値を設定する場合に、近似的に再生操作完了後のリーン空燃比運転開始からの経過時間に応じてrを設定するようにすることもできる。図4は、リーン空燃比開始後の経過時間に応じてrを設定する場合の設定カーブを示し、縦軸はrを、横軸は再生操作終了後のリーン空燃比運転開始からの経過時間を示している。図4のようにrを経過時間に応じて変化させることによっても各部分のNOX吸蔵量を正確に推定することができる。
また、例えば、リーン空燃比運転開始後一定時間まではr=0(すなわち、NOXの全量が第1の部分のみに吸蔵される)として、一定時間経過後rを一定値(例えばr=0.5)または、時間とともに増大する値として設定するようにしても良い。この場合、リーン空燃比運転開始後、一定時間が経過するまでは第2のNOXカウンタの値は一定値のままでであり、上記一定時間が経過すると増大を開始するようになる。
(3)NOX吸蔵還元触媒の劣化程度に応じてrを設定する方法。
NOX吸蔵還元触媒20の第1の部分(例えば触媒上流側部分やコート層の上層部分)はNOXが吸蔵されやすい部分であるが、このことは逆に言えば触媒の劣化の進行が速い部分であるとも言える。例えば、触媒上流側部分やコート層上層部分では接触する排気の温度が高いために熱劣化が生じやすい。また、排気中に硫黄分が含まれると、硫黄はNOXと同様にNOX吸蔵還元触媒に吸蔵され、硫黄分の蓄積により再生操作によってもNOX吸蔵能力が回復しない、いわゆる硫黄被毒が生じる。この硫黄被毒も当然にNOXが吸蔵されやすい第1の部分に生じやすい。
従って、触媒の劣化が進むと第1の部分では第2の部分より劣化の進行が速くNOX吸蔵能力の低下が大きくなる。
図5は、本実施形態における分配係数rの設定例を説明する図である。図5の例では、毎回のNOX吸蔵時には図4と同様にリーン空燃比運転開始後の経過時間に応じてrを設定するが、触媒の劣化程度が進むにつれてrの値が短時間で増大するようにrの設定カーブ自体を変更するようにしている。
図5において、カーブ1は触媒の劣化が生じていない場合のr設定カーブ、カーブ2は触媒の劣化が進行した状態でのrの設定カーブを、それぞれ示している。図5に示すように、本実施形態では触媒が劣化した場合(カーブ2)には劣化していない場合(カーブ1)に較べて、リーン空燃比運転開始後短時間でrの値が増大するように設定されている。
なお、触媒の劣化程度の検出は公知のいずれの方法を用いても良いが、簡易に触媒の累積使用時間を劣化程度を表すパラメータとして使用し、累積使用時間が増大するほど触媒が劣化したと仮定するようにしてもよい。
このように、劣化程度に応じてrの値を変化させることにより、触媒の劣化状態にかかわらず触媒のNOX吸蔵量を正確に推定することが可能となる。
(4)NOX吸蔵還元触媒の温度に応じてrを設定する方法。
NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力は触媒温度に応じて変化する。例えば、通常のNOX吸蔵還元触媒は比較的狭い温度範囲で高いNOX吸蔵能力を示すが、この温度範囲から外れるとNOX吸蔵能力が低下する。
一方、NOX吸蔵還元触媒の第1の部分は第2の部分に較べて排気温度の影響を受けやすく、排気温度とともに触媒温度が変化する。このため、排気温度が高くなると第1の部分では少ないNOX吸蔵量でも大きくNOX吸蔵能力が低下するようになり、リーン空燃比運転開始後短時間でNOX吸蔵能力が低下する。
また、排気温度が低くなった場合にも同様にリーン空燃比運転開始後短時間でNOX吸蔵能力が低下する。
そこで、本実施形態では触媒温度(排気温度)に応じてrの設定を変化させるようにしている。
図6は、図4のように毎回のNOX吸蔵時に時間とともにrの値を変化させる際に上記触媒温度の変化を考慮する場合を示している。
図6においてカーブ1は、触媒の吸蔵能力が最も高くなる温度(例えば670°K程度)の場合のr設定カーブを示し、カーブ2及びカーブ3は触媒のNOX吸蔵能力が許容限度付近まで低下する高温側の温度(例えば720°K程度)と低温側の温度(例えば570°K程度)におけるr設定カーブをそれぞれ示している。
カーブ2及びカーブ3では、いずれも触媒の第1の部分が比較的少量のNOXを吸蔵しただけでNOX吸蔵能力が大きく低下するため、カーブ1に較べてリーン空燃比運転開始後短時間でrの値が増大するように設定されている。
図6のように触媒温度(排気温度)に応じてrの値を設定することにより、触媒温度(排気温度)の変化にかかわらず正確にNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定することが可能となる。
(5)排気流量に応じてrを設定する方法。
排気流量が大きい場合には、触媒における空間速度が大きくなり触媒にNOXが吸蔵されやすくなる。このため、特に触媒の第1の部分ではNOXの吸蔵量の増大速度が速くなり、リーン空燃比運転開始後比較的短時間でNOX吸蔵能力が低下する。このため、排気流量が大きい場合には、排気流量が小さい場合にくらべで分配係数rがリーン空燃比運転開始後短時間で増大するように設定することにより、排気流量によるNOX吸蔵量推定の誤差を排除することができる。
図7は、図4のように毎回のNOX吸蔵時に時間とともに分配係数rの値を変化させる際に上記の排気流量の変化を考慮したrの設定を示している。
図7においてカーブ1は排気流量が比較的少ない場合のrの設定カーブを、カーブ2はカーブ1より流量が増大した場合、カーブ3はカーブ2より更に流量が増大した場合のrの設定カーブを、それぞれ示している。図7に示すように、Rの値は排気流量が増大するにつれて、リーン空燃比運転開始後短い時間で増大するように設定されている。
(6)流入する排気中のNOX濃度に応じてrを設定する方法。
排気NOX濃度が高い場合には、触媒にNOXが吸蔵されやすくなり特に触媒の第1の部分ではNOX吸蔵量が速く増大する。この場合も、リーン空燃比運転開始後短時間で第1の部分ではNOX吸蔵量の増大のためにNOX吸蔵能力が低下する。従って、排気のNOX濃度が高い場合には分配係数rの値もリーン空燃比運転開始後短時間で増大するように設定する必要がある。
図8は、図4と同様に毎回のNOX吸蔵時に時間とともに分配係数rの値を変化させる際に上記の排気流量の変化を考慮したrの設定を示している。
図8においてカーブ1、カーブ2、カーブ3は排気NOX濃度が低い場合(カーブ1)からNOX濃度が増大した場合(カーブ2、3)のrの設定を示している。図8に示すように、rの値は排気NOX濃度が増大するにつれて、リーン空燃比運転開始後短時間で増大するように設定されている。
図8のように、排気NOX濃度に応じて分配係数rを設定することにより排気NOX濃度の変化にかかわらず正確にNOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量を推定することが可能となる。
なお、上記(5)、(6)では排気流量と排気NOX濃度とに応じて別個に分配係数rを設定する方法を説明したが、触媒に単位時間当たりに流入するNOX量が大きいほど触媒の第1の部分に吸蔵されるNOX量は増大する。従って、排気流量と排気NOX濃度とを別個に考慮するのではなく、排気流量と排気NOX濃度との積、或いは機関の単位時間当たりのNOX発生量NAに応じて(例えばNAが大きいほど短時間でrが増大するように)rの値を設定することも可能である。
上記のように、種々の条件を考慮することにより、リーン空燃比運転時に排気からNOX吸蔵還元触媒の各部分に吸蔵されるNOX量を正確に推定することが可能となる。しかし、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵保持されているNOXの量を正確に推定するためには、排気から触媒に吸蔵されるNOX量を正確に推定するだけでは足りず、リッチ空燃比運転時にNOX吸蔵還元触媒の各部分から脱離するNOX量をも正確に推定する必要がある。
前述したように、NOX吸蔵還元触媒の第2の部分では第1の部分に較べて吸蔵されたNOXが脱離しにく再生操作時にもNOX吸蔵量の減少速度は小さくなる。このため、例えば図2のようにNOXカウンタを用いて吸蔵量を推定する際には第2の部分におけるNOX吸蔵量の減少速度を第1の部分と同一としていると第2の部分のNOX吸蔵量の推定が不正確になる。
そこで、本実施形態では図2ステップ211のように、リッチ空燃比運転時のNOXカウンタの減少速度の値を第1の部分と第2の部分とで異なる値(NR1、NR2)に設定している。
すなわち、本実施形態では第2の部分における減少速度NR2は上記脱離速度の相違を考慮して、第1の部分における減少速度NR1より小さな値に設定されている。これにより、再生操作などのリッチ空燃比運転時にNOX吸蔵還元触媒の各部分から脱離するNOX量をより正確に推定することができるため、リーン空燃比運転時にNOX吸蔵還元触媒に吸蔵されるNOX量とともに各部分から脱離するNOX量を用いることにより、NOX吸蔵還元触媒に現在吸蔵保持されているNOX量を正確に推定することが可能となる。
なお、NOX吸蔵還元触媒からのNOXの脱離速度は他の条件が一定であれば触媒に流入する排気の空燃比が低いほど(リッチなほど)大きくなる。また、各部分からの脱離速度は触媒の種類、サイズによっても変化する。このため、本実施形態では予め実際のNOX吸蔵還元触媒を用いて流入する排気空燃比を変化させて各部分におけるNOXの脱離速度を実験により求めてあり、ECU30のROMに空燃比と各部分のNOXカウンタ減少速度NR1、NR2との関係を格納してある。図2のステップ211では、機関の空燃比からこの関係を用いてリッチ空燃比運転時の触媒の各部分におけるNOXカウンタの減少速度を算出している。
次に、本実施形態の再生操作について説明する。
前述したように、本実施形態ではNOX吸蔵還元触媒からNOXを脱離させるべきときに再生操作を行い、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵力を回復させる。
また、本実施形態では、再生操作として機関1を短時間リッチ空燃比で運転し、NOX吸蔵還元触媒20にリッチ空燃比の排気を供給するリッチスパイク操作を実施し、NOX吸蔵還元触媒からNOXを脱離させるべきときか否かの判断、すなわちリッチスパイク操作を実行すべきか否かの判断は各部分のNOXカウンタNC1、NC2の値に基づいて行う。
以下、リッチスパイク操作を実行すべきか否かの判断について説明する。
本実施形態では、第1のNOXカウンタNC1と第2のNOXカウンタNC2との和(NC1+NC2)の値が予め定めた判定値に到達したときにリッチスパイク操作を実行するようにしている。
前述したように、触媒の第1の部分ではNOXが吸蔵されやすく、かつ脱離しやすい。このため、リッチスパイク操作を行うと触媒の第1の部分では吸蔵NOXのほとんどが脱離してNOX吸蔵量は略ゼロになる。一方、触媒の第2の部分ではNOXが吸蔵されにくく、しかも脱離しにくい。このため、リッチスパイク操作を行っても、触媒の第2の部分では吸蔵したNOXの一部が脱離せずに残留する場合がある。この場合にはNOXの吸蔵、脱離を繰り返す毎に触媒の第2の部分にはNOXが蓄積されるようになる。
また、前述したようにリーン空燃比運転開始直後はNOX吸蔵還元触媒の第1の部分のNOX吸蔵能力が高いため、流入するNOXのほとんどが第1の部分に吸蔵されるが、リーン空燃比運転開始後時間が経過するにつれて触媒の第1の部分ではNOX吸蔵量の増大のために吸蔵能力が低下し、流入したNOXのうち触媒の第2の部分に吸蔵されるものの割合が増大する。
この場合、触媒の第2の部分のNOX吸蔵量が増大しておりNOX吸蔵能力が低下していると、触媒の第1の部分を通過して第2の部分に到達したNOXが第2の部分に吸蔵されずに触媒を通過してしまう可能性がある。
また、逆にNOX吸蔵還元触媒の第1の部分で多少NOX吸蔵量が増大した場合でも、触媒の第2の部分のNOX吸蔵量が少なく、充分なNOX吸蔵能力が残っている場合には、第1の部分を通過したNOXはその全量が第2の部分に吸蔵される。
このため、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵能力を回復させる操作を実行すべきか否かは、第1の部分と第2の部分との両方のNOX吸蔵量を考慮して判断する必要がある。
そこで、本実施形態では第1の部分と第2の部分とのNOX吸蔵量の和が所定値を越えないように、すなわちNOXカウンタNC1とNC2との和が所定の判定値に到達する毎にリッチスパイク操作を行うようにしている。
これにより、例えば触媒の第2の部分に残留したNOX量が少なく、第2の部分の吸蔵能力が高い間は、触媒の第1の部分のNOX吸蔵量が比較的大きな値に到達するまで再生操作は実行されず、逆に触媒の第2の部分に残留したNOX量が増大している場合には、第1の部分のNOX吸蔵量が比較的少ない状態でもリッチスパイク操作が実行されるようになり、触媒の各部分のNOX吸蔵還能力を効果的に利用することが可能となる。
具体的には、本実施形態ではECU30は別途実行される図示しないルーチンにより、第1と第2のNOXカウンタの合計(NC1+NC2)の値を一定時間毎に監視し、この合計値が予め定めた所定値に到達する毎に、リッチスパイク操作を実行することにより、各部分のNOX吸蔵量が所定値を越えないようにしている。
次に、本実施形態におけるリッチスパイク操作の終了タイミングについて説明する。リッチスパイク操作を継続する時間は一定値としても良いが、本実施形態ではNOX吸蔵還元触媒20の下流側排気通路に配置したO2センサ35の出力に基づいてリッチスパイク操作の終了タイミングを判定している。
すなわち、リッチスパイク操作が開始されるとNOX吸蔵還元触媒20に流入する排気の空燃比はリッチになり、触媒からは吸蔵されたNOXが脱離して触媒上で排気中の未燃炭化水素やCO等の成分と反応してN2に還元される。従って、触媒からNOXが脱離して還元されている間は排気中の未燃炭化水素やCO等の成分がNOXの還元により消費されるため、NOX吸蔵還元触媒出口では排気中の未燃炭化水素やCO等の量が減少し、相対的に排気中の酸素濃度が増大するため空燃比は理論空燃比近傍になる。すなわち、リッチスパイク操作中、NOX吸蔵還元触媒からNOXが脱離している間は、NOX吸蔵還元触媒20下流側のO2センサ35で検出した排気酸素濃度は、理論空燃比に相当する値に維持される。また、NOX吸蔵還元触媒からのNOXの脱離が完了して触媒から脱離するNOXがなくなると、排気中の未燃炭化水素やCO等が触媒下流側にも到達するようになるため、O2センサ35で検出した排気酸素濃度は上流側と同じリッチ空燃比に対応した値になる。
本実施形態では、上記を利用してリッチスパイク操作開始後NOX吸蔵還元触媒20下流側のO2センサ35で検出した排気酸素濃度が理論空燃比相当値からリッチ空燃比相当値に変化したときにリッチスパイク操作を終了するようにしている。
ところが、このようにO2センサ35で検出した排気酸素濃度のみに基づいてリッチスパイク操作を実行していると、触媒の第2の部分ではNOXの脱離が不十分になる問題がある。
前述したように、NOX吸蔵還元触媒の第1の部分ではNOXの脱離速度が大きいため、流入した排気中の未燃炭化水素やCO等のNOX浄化に寄与する成分はそのほとんどが第1の部分で消費されてしまい、第2の部分には到達しない。第1の部分からのNOXの脱離が完了すると、流入した排気中の未燃炭化水素やCO等の成分が触媒の第2の部分に到達して、第2の部分からNOXが放出されるようになるが、第2の部分ではNOXの脱離速度が第1の部分より小さいため排気中の未燃炭化水素やCO等の一部しか消費されず、残りは触媒を通過するようになる。
このため、NOX吸蔵還元触媒20下流側のO2センサ35の出力は、実際には第1の部分でNOXの脱離が完了すると理論空燃比相当値からリッチ空燃比相当値に変化してしまう。従って、O2センサ35の出力に基づいてリッチスパイク操作を終了していると、触媒の第2の部分ではNOXが脱離しないうちにリッチスパイク操作が終了してリーン空燃比運転が開始されてしまうため、第2の部分ではNOX吸蔵量が増大する問題がある。
このため、本実施形態では、リッチスパイク操作時にO2センサ35出力が理論空燃比からリッチ空燃比に変化したときに直ちにリッチスパイクを終了するのではなく、その後もリッチ空燃比運転をつづけ、センサ35出力がリッチ空燃比相当値に変化したときに第2の部分におけるNOX吸蔵量の減少が開始したと考える。すなわち、本実施形態では、リッチスパイク操作が開始されると第1のNOXカウンタNC1の値は直ちに減少を始めるが、O2センサ35の出力が理論空燃比相当値の間は第2のNOXカウンタNC2の値は減少させずそのままに維持し、O2センサ35の出力が理論空燃比からリッチ空燃比に変化してから減少を開始させる。
また、例えば運転上の要求などでO2センサ35出力がリッチ空燃比に変化した後に充分な時間空燃比をリッチに維持することができずにリーン空燃比運転を再開する場合には、O2センサ35出力がリッチからリーンに変化したときから第2のNOXカウンタNC2の値の増大を開始するようにしてもよい。
このように、再生操作時、及びその後にNOX吸蔵還元触媒20下流側のO2センサ35出力に基づいて第2のNOXカウンタを増減することにより、第2の部分に吸蔵保持されたNOXの量を正確に推測することが可能となる。
次に、リッチスパイク操作の別の実施形態について説明する。
上記の実施形態ではリッチスパイク操作時に、NOX吸蔵還元触媒20下流側のO2センサ35出力が理論空燃比相当値からリッチ空燃比相当値に変化した後もリッチ空燃比運転を継続している。しかし、この場合には第2の部分では排気中の未燃炭化水素などの全量が消費されないため、残りの炭化水素が触媒を通過して大気に放出されるおそれがある。
また、リッチスパイク実行毎にリッチスパイク保持時間を延長していたのでは機関燃料消費量も増大する問題がある。
そこで、本実施形態ではリッチスパイク実行時に、下流側O2センサ35出力が理論空燃比からリッチ空燃比に変化すると同時に機関を理論空燃比で運転するようにする。理論空燃比においても、触媒の第2の部分では吸蔵NOXが脱離して第2の部分のNOX吸蔵量が低下する。触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比に維持して第1の部分に続いて第2の部分からのNOXの脱離を行わせることにより、未燃炭化水素等の大気放出が防止される。
また、この場合にリッチスパイク毎にその後理論空燃比運転を行っていたのでは、機関の燃料消費量が増大するおそれがある。そこで、本実施形態ではリッチスパイク操作時に理論空燃比運転を行うのは、第2のNOXカウンタが予め定めた判定値まで増大したときのみとし、機関の燃料消費量増大を防止している。
すなわち、本実施形態におけるリッチスパイク操作時には第1と第2のNOXカウンタの値に応じて以下の操作が行われる。
1)リッチスパイク操作は第1と第2のNOXカウンタの合計値(NC1+NC2)が予め定めた判定値に到達したときに開始する。
2)このとき、NOX吸蔵還元触媒20下流側のO2センサ35出力が理論空燃比相当値である場合には、第2のNOXカウンタNC2の値はリッチスパイク操作開始前の値に保持し減少させない。
3)第2のNOXカウンタNC2の値が予め定めた所定値以下の場合には、リッチスパイク操作はO2センサ35出力が理論空燃比相当値からリッチ空燃比相当値に変化したときに終了し、機関のリーン空燃比運転を再開する。
4)第2のNOXカウンタNC2の値が上記所定値より大きい値になっている場合には、リッチスパイク操作時にO2センサ35出力が理論空燃比相当値からリッチ空燃比相当値に変化したときに機関のリッチ空燃比運転を終了し、機関を理論空燃比で運転する。
5)上記理論空燃比運転では、第2のNOXカウンタNC2の値を減少させ、NC2の値が予め定めた下限値まで減少したときに理論空燃比運転を終了して機関のリーン空燃比運転を再開する。
上記のようにリッチスパイク操作を行うことにより、排気性状の悪化や燃料消費量の増大を生じることなくNOX吸蔵還元触媒の各部分の吸蔵能力を効率的に使用することが可能となる。
なお、上記の実施形態では触媒の第2の部分に吸蔵されたNOX量、すなわち第2のNOXカウンタNC2の値に応じて、リッチスパイク操作時の理論空燃比運転時間を決定しているが、リッチスパイク操作時にリッチ空燃比運転の後に理論空燃比を行う代わりに第2のNOXカウンタNC2の値に応じてリッチスパイク時の運転空燃比を変化させるようにしても良い。
すなわち、触媒に流入する排気空燃比がリッチであるほど第2の部分に到達する排気中の未燃炭化水素やCOの量が増大し、リッチスパイク操作時に触媒の第2の部分から脱離するNOX量が増大する。このため、リッチスパイク操作開始時の第2のNOXカウンタNC2の値が大きいほどリッチスパイク操作時の機関空燃比を低く(リッチに)することによりリッチスパイク操作時に、リッチ空燃比運転後に理論空燃比運転を行うことなく第2の部分からもNOXを脱離させるようにすることも可能である。
なお、上述の各実施形態では、NOX吸蔵還元触媒を2つの部分に分けて、それぞれの部分のNOX吸収脱離特性に合致する増減を行うNOXカウンタを使用する構成を例にとって説明しているが、NOX吸蔵還元触媒を3つまたはそれ以上に分割して、それぞれの部分に対応する同数のNOXカウンタを設けることも可能であることは言うまでもない。
また、前述したように上述の各実施形態はSOXについても全く同様に適用可能である。このため、NOX吸蔵還元触媒の各部毎にそれぞれの部分のSOX吸蔵脱離特性に合致して増減を行うSOXカウンタを上記NOXカウンタに替えて、または上記NOXカウンタに加えて設ければ、NOX吸蔵還元触媒のNOX吸蔵量に替えて、またはNOX吸蔵量に加えてSOX吸蔵量をも、正確に把握することが可能となる。
本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を示す図である。 本実施形態のNOXカウンタ増減の基本操作を説明するフローチャートである。 分配係数の設定方法の一例を説明する図である。 分配係数の設定方法の別の例を説明する図である。 分配係数の設定方法の別の例を説明する図である。 分配係数の設定方法の別の例を説明する図である。 分配係数の設定方法の別の例を説明する図である。 分配係数の設定方法の別の例を説明する図である。
符号の説明
1 内燃機関本体
5 排気通路
20 NOX吸蔵還元触媒
30 電子制御ユニット(ECU)
35 O2センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中の窒素酸化物(NOX)または硫黄酸化物(SOX)からなる特定成分を吸着、吸収またはその両方にて選択的に吸蔵保持し、流入する排気の空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比となったときに、吸蔵した前記特定成分を脱離させるとともに還元浄化するNOX吸蔵還元触媒と、
    前記NOX吸蔵還元触媒の少なくとも異なる2つの部分に吸蔵された前記特定成分量を部分毎に推定することにより、前記NOX吸蔵還元触媒内に吸蔵された前記特定成分量を推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された特定成分吸蔵量に基づいて、前記NOX吸蔵還元触媒にリッチ空燃比の排気を供給し、NOX吸蔵還元触媒に吸蔵された前記特定成分を脱離、還元浄化する再生操作を実施する再生手段と、を備え、
    前記推定手段は、NOX吸蔵還元触媒の前記特定成分吸蔵時には、流入する排気からNOX吸蔵還元触媒に吸蔵される全特定成分量をNOX吸蔵還元触媒の前記各部分毎に所定の比率で分配することにより、NOX吸蔵還元触媒の前記各部分に吸蔵された前記特定成分量を推定する、内燃機関の排気浄化装置において、
    前記再生手段は、前記再生操作実行時にNOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比をリッチ空燃比に短時間維持した後更に、前記NOX吸蔵還元触媒の各部分毎に推定した前記特定成分吸蔵量のうち特定の部分の前記特定成分吸蔵量に基づいて定まる時間だけNOX吸蔵還元触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比に維持する、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記特定の部分は、再生操作実行時に他の部分に較べて吸蔵された前記特定成分が脱離する速度が低い部分である、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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