JP4305038B2 - マイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法 - Google Patents

マイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法に関し、特に、プラスチック容器に化学蒸着膜を形成するときに、プラズマを短時間で安定的に発生させることができるマイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学蒸着法(CVD)は、常温では反応の起こらない処理用ガスを用いて、高温雰囲気での気相成長により、処理対象物の表面に反応生成物を膜状に析出させる技術であり、半導体の製造、金属やセラミックの表面改質等に広く採用されている。最近では、CVDでも低圧プラズマCVDとしてプラスチック容器の表面改質、特に、ガスバリア性の向上にも応用されつつある。
【0003】
プラズマCVDは、プラズマを利用して薄膜成長を行うものであり、基本的には、減圧下において処理用ガスを含むガスを高電界の電気的エネルギーで放電させることにより、解離、結合して生成した物質を、気相中又は処理対象物上で化学反応させることによって、処理対象物上に堆積させる方法である。
プラズマ状態は、グロー放電、コロナ放電及びアーク放電によって実現されるものであり、このうち、グロー放電の方式としては、直流グロー放電を利用する方法、高周波グロー放電を利用する方法、マイクロ波放電を利用する方法等が知られている。
【0004】
これらの中で、マイクロ波放電を利用する方法は、装置の構成を極めて簡略化でき、また、装置内での減圧の程度も、プラスチック容器内のみにマイクロ波放電が発生するようにすればよいので、装置内全体を高真空に維持する必要がなく、操作の簡便さ、及び生産性の点で優れている。
【0005】
プラスチック容器を対象としたマイクロ波プラズマ処理としては、たとえば、ボトルを筒状のマイクロ波閉じ込め室に、マイクロ波閉じ込め室の中心軸と同軸に配置して、ボトルの内部とボトルの外部の空間を同時に排気し、かつ、所定の処理時間ボトルの内部に処理ガスを流入させるとともに、マイクロ波をマイクロ波閉じ込め室に導入し、ボトル内部にプラズマを点火維持させて、ボトルを処理する方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかしながら、上記の方法では、マイクロ波閉じ込め室のプラズマ状態が不安定となるため、処理される容器が局所的に熱変形したり、均一な薄膜が形成できないという問題があった。
また、この方法ではマイクロ波の導入とプラズマの発生との間にタイムラグがあるとともに、この時間も一定ではなく、処理毎にかなり変動するため、処理条件を制御することが困難であり、得られる薄膜層の性能が不安定であるという問題があった。
【0007】
プラズマの点火方法としては、電気スパークによる方法、紫外線照射による方法、磁場操作による方法などが知られているが、いずれの方法においても装置の構成が複雑になるという問題があった。
また、プラズマ処理室に導入するマイクロ波の出力を上げることにより、プラズマの点火を早めることができるが、マイクロ波の出力を上げると、基体の処理が、蒸着初期の段階から高エネルギー状態のプラズマによる処理となるため、処理基体と蒸着膜間に形成される中間層が十分に成長せず、処理基体と蒸着膜の密着性が低下する問題があった。
【0008】
この問題に対し、本発明者らは、プラズマ処理室内に金属製のアンテナを位置させることで、プラズマを短時間で安定に発生させることを可能にしたマイクロ波プラズマ処理方法を提案している(たとえば、特許文献2参照。)。
しかしながら、この方法では、金属製のアンテナにもプラズマ処理による蒸着膜が形成されるため、アンテナの効果が時間とともに減退し、プラズマ発光に至るまでの時間が不安定になるため、プラズマが発光するタイミングをより一定に制御するには、さらなる改善の余地があった。
【0009】
【特許文献1】
特表2001−518685号公報
【特許文献2】
特開2002−275635号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題に鑑み、プラズマ処理室へのマイクロ波の導入からプラズマ発光に至るまでの時間を短縮でき、また、プラズマ点火のタイミングを制御できるマイクロ波プラズマ処理装置及びこの装置を利用した処理方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、本発明者らは、鋭意研究した結果、マイクロ波封止部材を、基体固定手段の基体を把持する部分の所定位置に、間隙を設けて設置することにより、プラズマ発光を開始するために必要なマイクロ波出力を低下でき、しかも、プラズマ処理室へのマイクロ波の導入からプラズマ発光に至るまでの時間を短縮できることを見出し、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち、請求項1記載の発明は、プラズマ処理室内の中心軸上に処理対象である基体を固定する固定手段と、前記基体の内部及び外部を減圧する排気手段と、前記基体の内部にあって前記プラズマ処理室と半同軸円筒共振系をなす金属製の処理用ガス供給部材と、前記プラズマ処理室にマイクロ波を導入して処理を行うマイクロ波導入手段と、を有するマイクロ波プラズマ処理装置において、前記固定手段の前記基体を把持する部分の端面側に、プラズマ点火用間隙をあけてマイクロ波封止部材を設けたことを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置としてある。
このように、マイクロ波封止部材と把持する部材の端面との間に、プラズマ点火用間隙を設けることにより、プラズマの点火に必要なマイクロ波出力を低減することができるため、マイクロ波の導入を開始してから短時間にプラズマを発生することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記マイクロ波半同軸円筒共振系を形成するプラズマ処理装置に、前記マイクロ波封止部材と前記基体を把持する部分とを、相対的に移動させるための駆動手段を設け、この駆動手段によって、前記マイクロ波封止部材と前記基体を把持する部分を相対的に移動させ、前記マイクロ波封止部材と前記基体を把持する部分の端面との間のプラズマ点火用間隙を調整することを特徴としている。
このように、マイクロ波封止部材と基体を把持する部分とを相対的に移動させ、プラズマ点火用間隙の有無を任意のタイミングで行うことにより、プラズマ発光の開始時を調整できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、上記のマイクロ波プラズマ処理装置により、処理用ガスをプラズマ状態とし、処理対象である基体に薄膜層を形成することを特徴とするマイクロ波プラズマ処理方法としてある。
この処理方法によれば、プラズマ点火までの誘導時間を短縮でき、しかも、誘導時間をほぼ一定時間にすることができるため、ロットの異なる製品間の品質のバラツキを低減することができる。
また、導入したマイクロ波のエネルギーを効率よく利用でき、かつプラズマの発生を安定で均一にすることができるため、処理対象の基体上に均一な薄膜を形成することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、前記処理用ガスのプラズマを低出力のマイクロ波により点火し、この低出力状態のプラズマにより前記処理対象である基体の処理をし、その後、マイクロ波の出力を高めて前記基体を高出力状態のプラズマにより処理することを特徴としている。
このように、処理用ガスのプラズマを低出力のマイクロ波によって点火し、低出力状態のプラズマにより基体の処理を行うことで、有機成分を多く含んだ薄膜層が基体上に形成される。その後、高出力のプラズマ状態で基体を処理することで、有機成分の少ない硬質な薄膜層(バリア層)が形成される。有機成分を多く含んだ薄膜の初期層は、基体と硬質な薄膜層の密着性を向上させるので、本発明の処理方法で形成させた薄膜層は基体との密着性に優れたものとなる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記プラズマの点火時においては、前記プラズマ点火用間隙がある状態とし、前記プラズマの点火直後に、前記プラズマ点火用間隙がない状態にすることを特徴としている。
このように、プラズマの点火時にプラズマ点火用間隙のある状態にすることで、低出力のマイクロ波によるプラズマ点火が可能になる。また、プラズマの点火後は、プラズマ点火用間隙のない状態にすることで、プラズマ処理室に導入されたマイクロ波エネルギーの使用効率を向上でき、かつ、プラズマ処理室内に形成される電界強度分布が安定するので、基体の表面に均一な蒸着膜を形成できる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記処理用ガスが有機ケイ素化合物であることを特徴としている。
このように、処理用ガスに有機ケイ素化合物を用いることで、基体表面に密着性のよい硬質な薄膜層を形成することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、前記基体が、プラスチック又はプラスチックを主原料とする容器であることを特徴としている。
この処理方法は、プラズマの発生が安定で均一であり、局所的に高温状態になることがないため、プラスチック材料等、比較的耐熱性に劣る材料からなるボトル等の容器に、ガスバリア層等を形成する処理に適している。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置及びこの装置を使用したマイクロ波プラズマ処理方法の実施形態について説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0020】
[マイクロ波プラズマ処理装置]
以下、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置をボトルの内面処理に適用した一実施形態について説明する。この実施形態におけるボトルとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから形成された二軸延伸ブロー成形ボトルが挙げられる。
【0021】
図1は、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置の概略配置図である。
プラズマ処理室1には、処理室1内の排気を行い減圧状態に保持するための真空ポンプ2が排気管3を介して接続されている。また、マイクロ波発振器4がマイクロ波導入手段である導波管5を介して接続されている。マイクロ波の導入経路には、処理室からのマイクロ波反射量を最少に調節するために三本チューナ6を設けてもよい。
但し、チューナ6では、強制的に反射量を少なくできるだけであり、プラズマ処理室1内を優れた共振系にすることはできない。プラズマ処理装置を以下に記した寸法関係にすることによって、プラズマ処理室1内を優れた共振系とすることができ、この場合にはチューナ6などの調節手段を用いなくとも効率のよい処理が可能となる。
【0022】
マイクロ波発振器4としては、処理用ガスに作用してグロー放電を生じさせることができるマイクロ波を発振できるものであれば特に制限されず、一般に市販されているものを使用できる。
導波管5は、マイクロ波発振器4から発振されたマイクロ波を効率よく処理室1に伝達するものであり、使用するマイクロ波の波長に適したものを使用する。なお、導波管の代わりに同軸ケーブルを使用してもよい。
【0023】
図2は、プラズマ処理室の概略断面図であり、図3は、ボトル固定手段の部分拡大断面図である。
プラズマ処理室1は、基台10に載設された中空のチャンバ11と、チャンバ11の上部に位置し、着脱可能な天蓋12、及び処理対象であるボトル13を固定するボトル固定手段14により構成されている。チャンバ11の側面には、マイクロ波発振器4から発振されたマイクロ波をプラズマ処理室1に伝導するための導波管5が接続されている。
プラズマ処理室1は、いわゆるマイクロ波半同軸円筒共振系を形成している。すなわち、円筒形のチャンバ11によりプラズマ処理室1を形成するとともに、この軸上に導電性の処理用ガス供給部材15を、その端部が天蓋12まで達しない状態で設けた構成としてある。
【0024】
ボトル13は、ボトル固定手段14により口部131を把持され、チャンバ11の中心軸上に固定されている。ボトル13の内部には、処理用ガス供給部材15を挿入してある。
処理室1の内部を減圧するため、チャンバ11とボトル固定手段14の間には排気用間隙16が設けられ、基台10を通して排気管3に接続されている。同様に、ボトル13の内部を減圧するため、ボトル固定手段14に設けられた排気口142も排気管3に接続されている。
処理用ガス供給部材15は、チャンバ11の中心軸と同軸上であってボトル固定手段14を貫通し、ボトル13の内部に位置するように挿入され、所定の速度でガスを供給できるように処理ガス供給装置(図示せず)に、処理用ガス供給管152を介して接続されている。
【0025】
ボトル固定手段14は、チャンバ11の下側に位置しており、ボトルの口部131を把持するボトル把持部141と、ボトル13内を減圧するための排気口142と、ボトル把持部141の端面141−1の下部に位置し、排気口142を覆うように設けられ、処理室1の外にマイクロ波が漏洩することを防止するマイクロ波封止部材143を有している。
【0026】
ボトル固定手段14は、昇降可能なロッド(図示せず)に接続されている。ボトル固定手段14にボトル13を着脱するときには、天蓋12を開き、ロッドを上昇させて、ボトル13(固定手段14)をチャンバ11の外側まで移動させる。
【0027】
封止部材固定枠145は、ボトル固定手段14の下部に、軸方向に挿入されており、ボトル固定手段14の内部を長手方向に独立して移動することができる。この封止部材固定枠145の移動は、図示しないシリンダ等を用いて行う。このように封止部材固定枠145を移動させることにより、マイクロ波封止部材143とボトル把持部の端面141−1との間に、任意のプラズマ点火用間隙146を設け、かつこの間隙の大きさを調整する。
なお、本実施形態では、封止部材固定枠145を移動させることにより、プラズマ点火用間隙146の調整をしているが、これに限らず、ボトル固定手段14を移動させてもよく、また、封止部材固定枠145及びボトル固定手段14の両方を移動させてプラズマ点火用間隙146を調整してもよい。
【0028】
[プラズマ点火用間隙の効果]
続いて、本実施形態におけるプラズマ点火用間隙146の効果について説明する。
図4は、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置における、点火用間隙146の大きさGとマイクロ波の導入からプラズマ発光に至るまでの時間との関係、及び同じく間隙146の大きさGとプラズマ発光中にプラズマに有効利用されずプラズマ処理室1から戻ってきたマイクロ波の強度(反射波)との関係を示したグラフである。
マイクロ波封止部材143とボトル把持部141の端面141−1との間に、点火用間隙146がない状態(0mm)においては、反射波は小さくプラズマのエネルギー効率的には良い条件ではあるが、マイクロ波の導入を開始してからプラズマ発光するまでに平均で約9秒を要したとともに、1回毎にその時間がばらついた。これに対し、点火用間隙146を設けた場合には、マイクロ波の導入を開始してからプラズマ発光するまでが約1秒となり、大幅に短縮されるとともに、1回毎のばらつきもほとんど無くなった。
【0029】
図5は、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置における、点火用間隙146の有無による、マイクロ波の出力(W)を設定するための制御電圧E(V)とマイクロ波の導入からプラズマ発光に至るまでの時間の関係を示したグラフである。
マイクロ波封止部材143とボトル把持部141の端面141−1間に点火用間隙146を設けない場合、プラズマ発光を生じるためには、マイクロ波の出力制御電圧が0.4V以上必要となるが、点火用間隙146を設けた場合では、0.15Vでもプラズマ発光を開始できる。
【0030】
なお、図4,図5に示す測定値は、図1のマイクロ波プラズマ処理装置であって、チャンバ径φ90mm、処理用ガス供給部材の長さを180mm、ボトル内の真空度を20Paとし、処理用ガスとして酸素とヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)の混合ガスを供給したときの測定結果である。
また、図4に示すプラズマ発光に至るまでの時間の測定では、マイクロ波の出力制御電圧を0.35Vとし、反射波の測定では1.6Vとした。
【0031】
このように、点火用間隙146を設けると、プラズマ点火に必要なマイクロ波出力を大幅に低減でき、また、マイクロ波導入からプラズマ発光に至るまでの時間も大幅に短縮できる。
点火用間隙146を設けることにより、発光下限出力を低下できる理由については定かではないが、プラズマ処理室1に導入されたマイクロ波が点火用間隙146に集中するため、この部分の電界強度が局所的に高くなり、この強い電界が処理用ガスに作用してプラズマ化させるものと推察できる。
【0032】
本実施形態において、マイクロ波封止部材143とボトル把持部141の端面141−1との間の点火用間隙146は、0.05mm〜10mmが好ましい。0.05mmより小さいと、機械寸法精度によっては確実な点火用間隙146を確保できず、マイクロ波導入からプラズマ発光開始に至るまでの時間(誘導時間)が短縮出来ない場合がある。10mmより大きいと、点火用間隙146にマイクロ波の集中が発生しにくくなり、場合によっては処理室1の外にマイクロ波が漏洩するおそれがある。特に0.2mm〜5mmが好ましい。
【0033】
[装置各部の好適な条件範囲]
本実施形態においては、ボトル固定手段14の上面144からマイクロ波封止部材143までの距離(D)を、0mm〜55mmとすることが好ましく、特に、20mm〜50mmとすることが好ましい。距離(D)が55mmより大きくなると、プラズマ処理室が共鳴系を形成しなくなるため、プラズマ処理室内の電界強度が低下し、プラズマの発生が困難になる。
マイクロ波封止部材143としては、ボトル13内部の減圧工程を妨げないように気体を透過でき、かつマイクロ波を遮断できるもの、たとえば、SUS,Al,Ti等よりなる金網等が使用できる。
【0034】
また、本実施形態においては、マイクロ波封止部材と、マイクロ波導入手段(導波管5)の接続位置との距離(H)が、下記の式の関係を満たすことが好ましい。
H=L−(nλ/2+λ/8−3)+β(mm)
[nは、n≦n−1を満たす整数、λはマイクロ波の波長、βは基体の寸法等による変動幅で±10mmであり、Lはマイクロ波封止部材と処理用ガス供給部材先端部との距離であって以下の関係を満たす。
A.0≦D<20の場合
L=(nλ/2+λ/8)−3+α
B.20≦D≦35の場合
L=(nλ/2+λ/8)−(−0.060D+4.2D−57)+αC.35<D≦55の場合
L=(nλ/2+λ/8)−(−0.030D+2.1D−21)+α「nは1以上の整数、λはマイクロ波の波長であり、αは基体が電界に及ぼす影響他を考慮した変動幅で±10mmである。」]
【0035】
上記の式は、実験の結果及びコンピュータプログラムによる解析の結果、得られた式である。この式により得られるHは、マイクロ波を導入することにより処理用ガスの供給部材15上に形成される電界強度分布の節の部分、すなわち、電界密度の低い部分を示している。この部分と同じ高さに導波管5を接続することにより、処理室1内で消費されずに導波管5を逆行する反射波を最少にすることができる。すなわち、導入したマイクロ波を効率よく処理用ガスのプラズマ化に利用することができる。
【0036】
また、距離(L)が上記の関係式を満たすことで、導入されたマイクロ波によって処理室1内に形成される電界強度を全体的に向上することができ、また、電界強度分布を安定化することができる。したがって、導入したマイクロ波のエネルギーを効率よくプラズマの発生に使用でき、また、プラズマの状態が安定で均一なため、ボトル内部表面を均一に処理できる。
【0037】
たとえば、周波数が2.45GHzであるマイクロ波を使用した場合、このマイクロ波の波長は約120mmである。ボトル固定手段14の上面144からマイクロ波封止部材143までの距離(D)を30mmとした場合、上記の式を満たし、安定したプラズマ発光が得られる距離(L)の値は、60±10mm,120±10mm,180±10mm等である。
【0038】
このときのマイクロ波封止部材143と、導波管5との距離(H)は、48mm,108mm,168mm等である。
これらのH及びLの値のうちから、処理対象であるボトル13の形状、大きさ等に合わせて、可及的にボトル底部132に近い位置に、処理用ガスの供給部材の先端部151が位置する長さを選択することが、ボトル13全面に均一な厚みの蒸着膜を形成できるため好ましい。
たとえば、一般的な、容量500mmのボトル容器の処理には、距離(L)は、170〜190mmが好ましく、容量350mmのボトル容器の処理には、110〜130mmとすることが好ましい。
なお、本実施形態において、導波管5の接続は一箇所としているが、上記の式を満たすHの位置に複数接続してもよい。
【0039】
処理用ガスの供給部材15を形成する材料には、SUS,Al,Ti等の金属が使用できる。たとえば、ボトル13内面に化学蒸着膜を形成する場合は、多孔質の金属を用いると、得られる薄膜層の均一性がよく柔軟性及び可撓性も向上でき、生産性も向上できるため好ましい。
また、処理用ガス供給部材先端部151には、一又はそれ以上のガス放出用の穴が形成されているが、この穴の位置、大きさ、数は任意に設定できる。
処理用ガスの供給部材15の表面には、プラズマ処理によりボトル13内面に形成される膜と同種の膜が形成されていることが好ましい。
【0040】
ボトル底部132から天蓋下面121までの距離(S)は、5mm〜150mmであることが好ましい。この範囲にすることで、チャンバ11とマイクロ波の整合性を向上することができるため、処理室1内の電界強度分布をより安定化できる。特に、30mm〜100mmであることが好ましい。
また、処理室1の内径(φ)は40mm〜150mmであることが好ましい。処理室1の内径をこの範囲にすることにより、処理室1の中心への電界集中効果が発揮され、より効果的である。特に、65mm〜120mmが好ましい。
【0041】
[マイクロ波プラズマ処理方法]
次に、上記のマイクロ波処理装置を使用したボトルの処理方法を具体的に説明する。
まず、ボトル13をボトル固定手段14に固定する。このとき、天蓋12はチャンバ11から外されており、ボトル固定手段14は、ロッド(図示せず)によりチャンバ11内を上昇してチャンバ11の上部に位置している。
この状態において、ボトル13の口部を、ボトル把持部141に把持させ、ロッドを下降させてボトル固定手段14を所定位置に配置する。その後、天蓋12を閉じてチャンバ11内を密封し、封止部材固定枠145を長手方向下方に移動し、マイクロ波封止部材143とボトル把持部141間のプラズマ点火用間隙146を設け、図2に示す状態とする。
【0042】
続いて、真空ポンプ2を駆動して、ボトル13の内部を減圧状態にする。この際、ボトル13が外圧によって変形することを防止するため、ボトル外部のプラズマ処理室1を真空ポンプ2によって減圧状態にすることも可能である。
ボトル13内の減圧の程度は、処理用ガスが導入され、マイクロ波が導入されたときにグロー放電が発生する程度であればよい。具体的には、1〜500Pa、特に、5〜200Paの範囲に減圧することがプラズマ処理の効率化を図る点で好ましい。
一方、ボトル13外部のプラズマ処理室1内の減圧は、マイクロ波が導入されてもグロー放電が発生しないような減圧の程度、たとえば、1000〜10000Paとする。
【0043】
この減圧状態に達した後、処理用ガス供給部材15よりボトル13内に処理用ガスを供給する。
処理用ガスの供給量は、処理対象であるボトル13の表面積や、処理用ガスの種類によっても相違するが、一例として、容器1個当たり、標準状態で1〜500cc/min、特に2〜200cc/minの流量で供給するのが好ましい。
複数の処理用ガスの反応で薄膜形成を行う場合、一方の処理用ガスを過剰に供給することができる。たとえば、ケイ素酸化物膜の形成の場合、ケイ素源ガスに比して酸素ガスを過剰に供給することが好ましく、また、窒化物形成の場合、金属源ガスに比して窒素あるいはアンモニアを過剰に供給することができる。
【0044】
続いて、導波管5を通してプラズマ処理室1内にマイクロ波を導入する。
図6は、本実施形態のプラズマ処理方法におけるマイクロ波出力と点火用間隙の制御例を説明するための図である。
図2に示す点火用間隙146を設けた状態において、マイクロ波の導入を開始する(t1)。このときのマイクロ波の導入は低出力(Mw1)で行う。
一般的に、マイクロ波は導入を開始してから、すぐには設定値の出力が発振されず、図6に示すように緩やかに立ち上がり設定出力に到達する。プラズマ発光を開始するには、一定出力以上のマイクロ波を導入する必要がある(図5参照)。プラズマ処理室1にマイクロ波が導入されると、誘導時間を経てプラズマ発光が生じる(t2)。
【0045】
本実施形態においては、プラズマ点火時に点火用間隙146を設けてあるので、プラズマ点火に必要なマイクロ波の出力を低くすることができるとともに、誘導時間を安定かつ必要最小限の時間にすることが可能となる(図5参照)。
これは、導入されたマイクロ波が、マイクロ波封止部材143とボトル把持部端面141−1との間の点火用間隙146周辺に集中するため、この部分のエネルギー密度が高くなり、処理用ガスを効率良く高エネルギー状態にし、プラズマ状態を形成させるためと推測できる。
【0046】
プラズマ発光後は、封止部材固定枠145を長手方向上方に移動してマイクロ波封止部材143とボトル把持部の端面141−1間の点火用間隙146がない状態にすることが好ましい。点火用間隙146がない状態は、反射波が最も少ないので(図4参照)、マイクロ波の使用効率が高く、マイクロ波処理室1内に形成される電界強度分布も最適化される。したがって、ボトル13内面に形成される膜が均一となる。
【0047】
なお、マイクロ波の出力は、プラズマ点火後も所定の時間(保持時間)中は低出力状態(Mw1)に維持する。低出力状態のプラズマ処理を行うことで、有機成分を多く含んだ層をボトル13上に形成できる。
たとえば、処理用ガスに有機ケイ素化合物を用いた場合、次の反応経路を経てケイ素酸化膜を形成すると考えられている。
(a)水素の引き抜き:SiCH→SiCH
(b)酸化:SiCH・→SiOH
(c)縮合:SiOH→SiO
従来、プラズマ発光には比較的高出力のマイクロ波を導入しなければならなかったため、プラズマ発光開始時からプラズマの状態が高出力状態となっていた。そのため、上記反応式(c)の段階まで一挙に反応し、ボトル13の表面上に、直接、可撓性に乏しいケイ素酸化膜層が形成されるため、ボトル13とケイ素酸化膜層との密着性は低いものであった。
【0048】
これに対し、本実施形態においては、低出力のマイクロ波でプラズマを点火することが可能で、かつ、その後も低出力でプラズマ発光をエネルギー効率良く維持できるため、上記反応式(a)の段階で生じたSiCH・ラジカルが互いに反応し、有機ケイ素化合物重合体からなる薄膜がボトル13上に形成される。
この薄膜は可撓性があり、ボトル13と、この後の工程で形成されるケイ素酸化膜のバインダーとして優れた効果を発揮するため、ボトル13上に密着性の優れた薄膜層を形成することができる。
【0049】
低出力時におけるマイクロ波の出力(Mw1)は、ボトル13の表面積や、処理用ガスの種類によっても相違するが、一例として、ボトル1個当たり、30〜100Wとなるように導入するのが好ましい。また、保持時間は、0.1秒〜5秒が好ましい。
【0050】
保持時間経過後は、高出力のマイクロ波を導入し(Mw2)、高出力状態のプラズマによる処理を行う。これにより、たとえば、上記において例として示した有機ケイ素化合物の場合、上記反応式(c)により形成される、硬質でガスバリア性に優れたケイ素酸化膜が形成される。
【0051】
高出力時におけるマイクロ波の出力(Mw2)は、ボトル13の表面積や、処理用ガスの種類によっても相違するが、一例として、ボトル1個当たり、100W〜1000Wとなるように導入するのが好ましい。
処理時間は、プラズマ処理の安定性を図る上からは、一例として、ボトル1個当たり1秒以上の時間が必要であるが、コスト面から短時間であることが好ましい。
【0052】
なお、導入するマイクロ波としては、処理用ガスに作用してグロー放電を生じさせることができれば、特に制限されないが、工業的に使用が許可されている周波数である、2.45GHz、5.8GHz、22.125GHzのものを用いることが好ましい。
【0053】
プラズマ処理を行った後、処理用ガスの供給及びマイクロ波の導入を停止するとともに、排気管3を通して空気を徐々に導入して、ボトル13の内外を常圧に復帰させる。その後、天蓋12を外し、ボトル固定手段14を上昇させ、プラズマ処理されたボトルをプラズマ処理室1外に取り出す。
【0054】
本実施形態において、処理できるボトルとしては、プラスチックを原料とするボトルを挙げることができる。
プラスチックとしては、公知の熱可塑性樹脂、たとえば、低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ1−ブテン又はポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン;エチレン,プロピレン,1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンからなるランダム共重合体又はブロック共重合体等;エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・ビニルアルコール共重合体又はエチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体;ポリスチレン,アクリロニトリル・スチレン共重合体,ABS又はα−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体,ポリアクリル酸メチル又はポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物;ナイロン6,ナイロン6−6,ナイロン6−10,ナイロン11又はナイロン12等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル;ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリ乳酸等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、また、二種以上を混合や多層化して使用してもよい。さらに、中間層として酸素吸収材や各種の水分や酸素バリア材を配した多層プラスチック容器であってもよい。
【0055】
また、プラスチック以外の各種ガラス、陶器又は磁器;アルミナ,シリカ,チタニア又はジルコニア等の酸化物系セラミックス;窒化アルミニウム,窒化ホウ素,窒化チタン,窒化ケイ素又は窒化ジルコニウム等の窒化物系セラミック;炭化珪素,炭化ホウ素,炭化タングステン,又は炭化チタン等の炭化物系セラミック;ホウ化ケイ素,ホウ化チタン又はホウ化ジルコニウム等のホウ化物系セラミック;ルチル,チタン酸マグネシウム,チタン酸亜鉛又はルチル−酸化ランタン等の高誘電セラミック;チタン酸鉛等の圧電セラミック;各種フェライト等にも適用することができる。
【0056】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、ボトル以外のカップ等の一般的な容器、チューブ等の形状を有する基体の処理にも適用することができる。
【0057】
処理用ガスとしては、プラズマ処理の目的に応じて種々のガスを使用できる。
たとえば、プラスチック容器のガスバリア性向上などの目的には、薄膜を構成する原子、分子又はイオンを含む化合物を気相状態にして、適当なキャリアーガスとともに使用される。薄膜の原料となる化合物としては、揮発性の高いものである必要がある。
具体例として、炭素膜や炭化物膜を形成するには、メタン,エタン,エチレン又はアセチレン等の炭化水素類が使用される。
シリコン膜の形成には、四塩化ケイ素,シラン,有機シラン化合物又は有機シロキサン化合物等が使用される。
酸化物膜の形成には酸素ガス、窒化物膜の形成には窒素ガスやアンモニアガスが使用される。
【0058】
また、プラスチックの表面改質の目的には、炭酸ガスを用いてプラスチックの表面に架橋構造を導入したり、フッ素ガスを用いてプラスチック表面にポリテトラフルオロエチレンと同様の特性、たとえば、非粘着性、低摩擦係数、耐熱性、耐薬品性を付与したりすることができる。
【0059】
その他、チタン,ジルコニウム,錫,アルミニウム,イットリウム,モリブデン,タングステン,ガリウム,タンタル,ニオブ,鉄,ニッケル,クロム又はホウ素等のハロゲン化物(塩化物)や有機金属化合物が使用できる。
これらの処理用ガスは、形成させる薄膜の化学的組成に応じて、二種以上のものを適宜組み合わせて用いることができる。
一方、キャリアーガスとしては、アルゴン、ネオン、ヘリウム、キセノン又は水素等が適している。
【0060】
[マイクロ波プラズマ処理方法に関する他の制御例]
上記の実施形態は、処理室1にマイクロ波を導入する前に予め点火用間隙146を設け、マイクロ波の導入を起点(トリガ)としてプラズマの点火を行っている。しかし、これに限らず、たとえば以下に説明するように点火用間隙146を制御することによっても、プラズマの点火時を制御することができる。
【0061】
図7は、本実施形態のプラズマ処理方法におけるマイクロ波出力と点火用間隙の制御に関する、他の制御例を説明するための図である。
この実施形態において、プラズマを導入するまでの工程は、点火用間隙146がないほかは、上記の処理工程と同様である。
【0062】
この処理工程では、プラズマ処理室1にマイクロ波の導入を開始する前において、点火用間隙146がないため、プラズマ処理室1内のプラズマ発光が可能な下限出力(Mw4)は高くなっている。
この状態でマイクロ波の導入を開始する(t1)。低出力で導入するマイクロ波の出力(Mw1)は、点火用間隙146を設けたときの発光下限出力(Mw3)より高く、点火用間隙146を設けないときの発光下限出力(Mw4)より低い値とする。このようにすると、マイクロ波がプラズマ処理室1に導入されても、プラズマ点火が起こらず、プラズマによるボトル13の処理は開始されない。
この方法によれば、マイクロ波発振器4の立ち上がりに必要な時間と、十分なガス置換に必要な時間をオーバーラップさせるなど、工程全体の時間短縮を図ることも可能となる。
【0063】
次に、マイクロ波の出力が設定値(Mw1)となり安定した後に、封止部材固定枠145を長手方向下方に移動することにより点火用間隙146のある状態とする。
これにより、図7に示すように、プラズマ処理室1内のプラズマ発光下限出力がMw4からMw3に低下し、低出力状態のマイクロ波出力(Mw1)でもプラズマの点火が可能となる。したがって、点火用間隙146を設けた時点を起点(t2)としてプラズマ点火を行うことができる。
点火用間隙146のある状態とした後、誘導時間を経てプラズマ発光が開始する(t3)。
【0064】
この方法では、マイクロ波出力の安定した状態において、プラズマの点火動作を行うため、誘導時間をより一定時間で、かつ最短の時間にすることができる。したがって、たとえば、複数のボトル処理を行う場合などに、各ボトルのプラズマ処理時間をより一定にすることができるため、各ボトル間の品質をより均一にできる。
プラズマ発光が開始した後は、上記で説明した処理工程と同様に処理をする。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、マイクロ波封止部材を、基体固定手段の基体を把持する部分の所定位置に、プラズマ点火用間隙を設けて設置することにより、プラズマ処理室へのマイクロ波の導入からプラズマ発光に至るまでの時間を短縮できるマイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法の提供することができる。
さらに、プラズマ点火用間隙の有無を制御することにより、プラズマ点火の開始タイミングを制御できるマイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法の提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロ波プラズマ処理装置の概略配置図である。
【図2】プラズマ処理室の概略断面図である。
【図3】ボトル固定手段の部分拡大断面図である。
【図4】点火用間隙の大きさGとマイクロ波の導入からプラズマ発光に至るまでの時間との関係、及び同じく間隙の大きさGとプラズマ発光中にプラズマに有効利用されずプラズマ処理室から戻ってきたマイクロ波の強度(反射波)との関係を示したグラフである。
【図5】点火用間隙の有無による、マイクロ波の出力を設定するための制御電圧Eとマイクロ波の導入からプラズマ発光に至るまでの時間の関係を示したグラフである。
【図6】プラズマ処理方法におけるマイクロ波出力と点火用間隙の制御例を説明するための図である。
【図7】プラズマ処理方法におけるマイクロ波出力と点火用間隙の他の制御例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 プラズマ処理室
2 真空ポンプ
3 排気管
4 マイクロ波発振器
5 導波管
6 三本チューナ
10 基台
11 チャンバ
12 天蓋
121 天蓋下面
13 ボトル(基体)
131 ボトル口部(基体の口部)
132 ボトル底部(基体の端部)
14 ボトル固定手段(基体固定手段)
141 ボトル把持部(基体を把持する部分)
141−1 端面
142 排気口
143 マイクロ波封止部材
144 ボトル固定手段上面
145 封止部材固定枠
146 プラズマ点火用間隙
15 処理用ガス供給部材
151 処理用ガス供給部材先端部
152 処理用ガス供給管
16 排気用間隙

Claims (7)

  1. プラズマ処理室内の中心軸上に処理対象である基体を固定する固定手段と、前記基体の内部及び外部を減圧する排気手段と、前記基体の内部にあって前記プラズマ処理室と半同軸円筒共振系をなす金属製の処理用ガス供給部材と、前記プラズマ処理室にマイクロ波を導入して処理を行うマイクロ波導入手段と、を有するマイクロ波プラズマ処理装置において、
    前記固定手段の前記基体を把持する部分の端面側に、プラズマ点火用間隙をあけてマイクロ波封止部材を設けたことを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
  2. 前記マイクロ波半同軸円筒共振系を形成するプラズマ処理装置に、前記マイクロ波封止部材と前記基体を把持する部分とを、相対的に移動させるための駆動手段を設け、
    この駆動手段によって、前記マイクロ波封止部材と前記基体を把持する部分を相対的に移動させ、前記マイクロ波封止部材と前記基体を把持する部分の端面との間のプラズマ点火用間隙を調整することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のマイクロ波プラズマ処理装置により、処理用ガスをプラズマ状態とし、処理対象である基体に薄膜層を形成することを特徴とするマイクロ波プラズマ処理方法。
  4. 前記処理用ガスのプラズマを低出力のマイクロ波により点火し、この低出力状態のプラズマにより前記処理対象である基体の処理をし、
    その後、マイクロ波の出力を高めて前記基体を高出力状態のプラズマにより処理することを特徴とする請求項3に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  5. 前記プラズマの点火時においては、前記プラズマ点火用間隙がある状態とし、
    前記プラズマの点火直後に、前記プラズマ点火用間隙がない状態にすることを特徴とする請求項3又は4に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  6. 前記処理用ガスが有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  7. 前記基体が、プラスチック又はプラスチックを主材とする容器であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
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