JP4303831B2 - 耐熱性回転フィーダにおける軸部冷却装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はごみ焼却灰の処理設備などにおける高温粉粒体（焼却灰等）の耐熱性回転フィーダの回転軸部冷却装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の軸部冷却方法は、駆動部を熱媒から遠ざけて自然冷却させる方法や軸の外部に冷却ジャケットを取付けて冷却ジャケット内に冷却媒体（水や空気など）を注入、循環させていた（図４）。
【０００３】
▲１▼従来の軸部冷却方法では、軸を長くする必要があり、軸ぶれを防止するためのベアリングが必要となる。またそのベアリングの冷却も同時に行う必要があり構造が複雑になっていた。
【０００４】
▲２▼ごみ焼却灰などの処理設備では、耐熱温度が１０００℃を要求される場合があるが１０００℃に耐えるグランドパッキングが無いため、軸部のシールができなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡単な構造で効率良く軸部を冷却するとともに１０００℃のような高温でも高いシール性を有する耐熱性回転フィーダの軸部冷却装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、
円形底板と中心線を共有する回転軸の上端部を上記底板上に突出し、突出部に複数の回転羽根を上記底板に沿って設けてなる耐熱性回転フィーダにおいて、上記底板の下部に回転軸に接するグランドパッキング及びそのケーシングを設け、該回転軸に縦向中空部を形成し、該中空部に冷媒供給管を挿入し、該供給管の上端開口部から該中空部を経て冷媒を流通させる流通路を形成してなる耐熱性回転フィーダにおける軸部冷却装置、
円形底板の下面に底板冷却ジャケットを設けた上記第１発明記載の耐熱性回転フィーダにおける軸部冷却装置、
回転羽根を中空となし、これを上記回転軸の縦向中空部に連通させ、冷媒供給管の上端開口部から回転羽根の中空部を流通させる案内ガイドを設けた上記第１又は第２発明記載の耐熱性回転フィーダにおける軸部冷却装置、
によって構成される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
ごみ焼却炉のレイアウトにごみ焼却灰の処理設備が設けられる。この処理設備中の耐熱性回転フィーダ１は１０００℃に耐え得るもので、円形底板３の外周に直立外筒１２を設け、その内側に直立内筒１３を設け、直立内筒１３の下端と円形底板３との間に粉粒体排出間隙が設けられ、上記内外筒１２，１３間に粉粒体通路１４及び排出口１５が設けられ、底板３上の複数の回転羽根４の外端に設けた回転輪に複数の内向爪を設け、該内向爪によって上記通路１４上に搬出された粉粒体を上記通路を経て排出口１５から定量排出するものである。
【０００８】
上記底板３は水平に設けられ、該底板３と中心線ｃを共有する回転軸２の錐形上端部を該底板３上に突出し、突出部２’に上記回転羽根４を水平方向に複数設け耐熱性回転フィーダ１が形成される。
【０００９】
上記回転軸２は上記底板３の下部においてグランドパッキング５（断面４角の環状パッキング）によってシーリングされ該パッキング５はケーシング６内に収納される。
【００１０】
又上記回転軸２は中心線ｃを供給する縦向中空部７を有する中空管軸であって、該回転軸２の下端から水、空気等による冷媒の供給管８を上記中空部７に挿入し、その上端開口部８’をグランドパッキング５の中程又は上部水準に配置する。
【００１１】
冷媒供給管８の下端注入口８”は回転軸２の下方に露出し、回転軸２の内径を該供給管８の外径より大に形成して供給管８の外周と回転軸２の内周との間隙を下端排出口７’に接続し、上記供給管８の上端開口部８’から間隙を経て排出口７’に至る冷媒流通路９を形成する。
【００１２】
円形底板３の下面には図２に示すように底板冷却ジャケット１０を設け、該ジャケット１０に冷媒入口１０’及び出口１０”を設ける。
【００１３】
又図３に示すように複数の回転羽根４を中空となし、中空部に水平方向の冷媒案内ガイド１１を配設し、同ガイド１１の先端と回転羽根４の内端との間にガイド１１の上部流通路ａと下部流通路ｂとの連通部ｅが形成され、冷媒をガイド１１の上部から下部に流通させることができる。
【００１４】
この図３では下部流通路ｂの基部が回転軸２の縦向中空部７に連通し、冷媒供給管８の上端開口部８’は上部流通路ａの上方に配置され、上部及び下部流通路ａ、ｂの中程（上記ガイド１１部）に縦向中空部７の閉鎖板１６が設けられ、上記供給管８はこの閉鎖板１６を上方に貫通し、上端開口部８’から縦向中空部７の上端部分から回転羽根４の上部流通路ａに連通している。
【００１５】
従って円形底板３上の高温粉粒体（焼却灰等）を回転羽根４で外側に掻き寄せて内外筒１２，１３間の排出口１５から次のコンベヤ等に供給するに際し、回転軸２を縦向中空部７の流通路９を流通する冷媒によって内部から冷却し、外側のグランドパッキング５を比較的低温（３００℃程度）に保持することができる。
【００１６】
又底板冷却ジャケット１０に冷媒を流通させることによって円板底板３のみならずグランドパッキング５を冷却し、さらに回転羽根４の中空部に冷媒を流通させることによって回転羽根４は勿論回転軸２の上端突出部２’を冷却することができる。
【００１７】
尚図中１７で示すものは回転軸２の下端開口部のロータリージョイント、１８は回転軸２の減速駆動部、１９は駆動用モータ、図４中２０は従来の冷却ジャケット、図５中２１は内外筒１２，１３の固定板である。
【００１８】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような冷却装置によったので、以下に記載されるような効果を奏する。
【００１９】
▲１▼軸内部から冷却しているため簡単な構造で確実な冷却が可能になる。又、従来の冷却ジャケットのスペースが要らないので軸を短くでき、軸ぶれ防止用ベアリングが不要となりコンパクト化と同時に経済性にも優れる。
【００２０】
▲２▼１０００℃の高温でもグランドパッキングが使用できるので安価で高いシール性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の耐熱性回転フィーダの全体縦断面図である。
【図２】底板冷却ジャケットを有する全体縦断面図である。
【図３】回転羽根の冷媒流通路を備えた全体縦断面図である。
【図４】従来の耐熱性回転フィーダの全体縦断面図である。
【図５】従来の耐熱性回転フィーダであって（イ）図は平面図、（ロ）図は正面図、（ハ）図は（ロ）図を右方から見た側面図である。
【符号の説明】
１ 耐熱性回転フィーダ
２ 回転軸
２’ 突出部
３ 円形底板
ｃ 中心線
４ 回転羽根
５ グランドパッキング
６ ケーシング
７ 縦向中空部
８ 冷媒供給管
８’ 上端開口部
９ 流通路
１０ 底板冷却ジャケット
１１ 案内ガイド

Claims (3)

1. 円形底板と中心線を共有する回転軸の上端部を上記底板上に突出し、突出部に複数の回転羽根を上記底板に沿って設けてなる耐熱性回転フィーダにおいて、上記底板の下部に回転軸に接するグランドパッキング及びそのケーシングを設け、該回転軸に縦向中空部を形成し、該中空部に冷媒供給管を挿入し、該供給管の上端開口部から該中空部を経て冷媒を流通させる流通路を形成してなる耐熱性回転フィーダにおける軸部冷却装置。
2. 円形底板の下面に底板冷却ジャケットを設けた請求項１記載の耐熱性回転フィーダにおける軸部冷却装置。
3. 回転羽根を中空となし、これを上記回転軸の縦向中空部に連通させ、冷媒供給管の上端開口部から回転羽根の中空部を流通させる案内ガイドを設けた請求項１又は２記載の耐熱性回転フィーダにおける軸部冷却装置。

Images