JP4302519B2 - 親油性流体処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水及び親油性流体のエマルションに含有される親油性流体の処理方法に関する。本方法には、エマルションの前処理工程、エマルションからの親油性流体の分離工程、及びエマルションの使用中に回収される不純物の少なくとも一部分を除去するための親油性流体の精製工程、を含む。前述の各工程に方法の選択肢が与えられる。
衣服のような布地物品の洗浄及び処理に関する従来の洗濯技術には、長い間、通常の水性主体の洗濯、及び一般に「ドライクリーニング」と呼ばれる技術が関わってきた。通常の水性主体の洗濯手法には、水及び洗剤又は石鹸製品の溶液における布地物品の浸漬、それに続くすすぎ及び乾燥が関わってきた。しかながら、こうした従来の浸漬洗浄方法は、水への浸漬に適さない布地容積、繊維構造などのために、特殊な取扱い及び/又は洗浄方法を必要とする様々な布地物品には不十分であることが証明されている。
従って、「ドライクリーニング」の洗濯方法の使用が開発されてきた。ドライクリーニングでは、典型的には洗浄のための溶媒又は溶液として非水性流体、親油性流体の使用を必要とする。この方法では、水への浸漬に適応しない布地に、水が及ぼす可能性のある予期せぬ失敗をすることなく、洗浄及び処理することができる。
様々な非水性親油性流体が利用できるが、ドライクリーニングでの布地に付与される「安全性」を犠牲にすることなく洗浄効率を最大にするため、多くはエマルション又は微小エマルションの形態での低濃度の水の存在を必要とする。更に、非水性親油性流体を再利用及び/又は精製して、水洗浄と対照的なドライクリーニングに伴うはるかに高い運転費用を低減させることが望ましい。親油性流体の再利用は、使用後に、水、染み、及び身体の汚れはまた、エマルションに存在する際、特に難題をもたらす。また一方で、再利用は、特に装置のスペース、コスト、及び安全性の問題点がある場合には、特別の問題を提起する。従って、使用後に親油性流体を精製する方法に対する費用対効果、効率、及び安全性が、特に水及び乳化剤のような補助剤が利用される際に望ましい。
ドライクリーニング溶媒/水エマルション及び/又は混合物の従来の分離方法は、典型的には、蒸留が不要なものを含むすべての溶媒含有流体の蒸留を必要とする。この点に関して、蒸留は、使用後のドライクリーニング溶媒から身体の汚れのような不純物を除去するために使用されるだけでなく、(他の方法で実施できる効用を有する)水からの溶媒の分離にも使用される。蒸留は、分離の実施に必要なエネルギー及び装置の形態で高い運転費用を必要とすることが多く、そのために、多くの場合において、特に装置が消費者の家庭内にある場合は好ましくない。最後に、上述のように、蒸留はドライクリーニングで発生するすべての溶媒含有流体に必ずしも必要ではない。例えば、蒸発した溶媒−水混合物は、実質的には「不純物がない」ことから必ずしも蒸留を必要とせず、水−溶媒分離操作のみを必要とする。
従って、特に水と乳化剤が存在する時、親油性流体の使用後の処理には、費用対効果が高く、効率的、及び安全な方法が依然として必要である。
本発明は、費用対効果が高く、効率的、及び安全な方法での親油性流体の使用後の処理方法を提供する。
第一の実施形態において、本発明は、水及び少なくとも1つの親油性流体のエマルションに含有される親油性流体の処理方法を提供する。この方法は、3つの主要工程を有する。この工程は、エマルションの前処理、エマルションからの親油性流体の回収、及び親油性流体の精製である。
第二の実施形態において、本発明は、親油性流体及び親油性流体蒸気の精製方法を提供する。この方法には、親油性流体蒸気と水及び親油性流体を有する第一エマルションの回収、親油性流体蒸気の凝縮、第二エマルションを形成するための凝縮された親油性流体蒸気と第一エマルションの結合、第二エマルションの前処理、第二エマルションからの親油性流体の回収、及び親油性流体の精製、が挙げられる。
これら及びその他の態様、特徴、及び利点については、次の詳細な説明及び添付の請求項により当該技術分野における当業者には明白になるであろう。本明細書におけるすべての百分率、比率、及び割合は、特に指定のない限り重量を基準とする。特に指定しない限り、温度はすべて摂氏(℃)による。全ての測定値は、特に指定のない限りSI単位による。全ての引用文献は、関連部分において参考として本明細書に組み入れられる。
(定義)
本明細書で使用される「親油性流体」という用語は、後述の試験によって限定されるように、皮脂を除去する能力がある任意の非水性流体又は蒸気を包含することを意味している。
本明細書で使用される「布地類」及び「布地」という用語は、水を使用する洗濯方法又は溶媒を使用するドライクリーニング方法で通常に洗浄されるいずれの物品も意味している。前記用語それ自体は、原体布地類及び繊維類、並びに仕上がった衣服物品類、亜麻布類、生地、及び衣服付属品類を包含する。この用語はまた、手さげバッグ、家具カバー、防水布など、全体的に又は部分的に布で作られた他の品目も包含する。
本明細書で使用される「吸収性材料」又は「吸収性ポリマー」という用語は、詳述されているように、親油性流体を吸収することなく水及び/又は含水流体を選択的に吸収又は吸着する能力があるいずれの材料も意味している。当該技術分野において、それらはまた「応答性ゲル」、「ゲル」、及び「高分子ゲル」と呼ばれる可能性もある。相変化ゲルの一覧については、「応答性ゲル、体積の変化II(Responsive Gels, Volume Transitions II)」、K.ドゥシェク(K. Dusek)編、シュプリンガー出版(Springer Verlag)、ベルリン、1993年(本明細書に参考として組み入れられる)のテキストを参照されたい。また、熱応答ゲル(Thermo-responsive Gels)、放射物理化学(Radiat. Phys. Chem.)、46巻、No.2、185〜190ページ、英国エルゼビア科学社(Elsevier Science Ltd.)、1995年(本明細書に参考として組み入れられる)も参照されたい。本発明の使用に適した超吸収ポリマーはまた、5g/g以上の吸収力を有する高分子材料である。本願に引用し援用する、フレデリック L.ブクホルツ(Fredric L. Buchholz)及びニコラス A.ペッパス(Nicholas A. Peppas)編、アメリカ化学会(American Chemical Society)、ワシントンDC、1994年の「超吸収ポリマー科学技術(Superabsorbent Polymers Science and Technology)」(特に、タダオ・シモムラ(Tadao Shimomura)及びタカシ・ナンバ(Takashi Namba)による「高性能超吸収ポリマーの調製及び応用」(Preparation and Application of High-Performance Superabsorbent Polymers)と題された第9章)も参照すること。
本明細書で使用される「吸収性マトリックス透過助剤」又は「スペーサー物質」又は「スペーサー」という用語は、水に溶解しない、いかなる繊維性又は粒子状物質も意味している。
本明細書で使用される「吸収性マトリックス」という用語は、水を吸収又は吸着する能力がある、いかなる形態のマトリックスも意味している。少なくとも、前記用語は吸収性材料を含む。前記用語は、スペーサー物質及び/又は高表面積物質を任意選択的に含んでもよい。
(親油性流体)
本明細書の親油性流体は、布地/皮革物品処理機器の運転条件下、換言すれば、本発明による布地物品の処理中に、液相が存在するものである。一般にこうした親油性流体は、周囲温度及び周囲圧力で完全に液体である可能性もあり、容易に融解する固体である可能性もあり、例えば約0℃〜約60℃の範囲の温度で液体になるか、又は周囲温度及び周囲圧力、例えば約25℃、1気圧で、液相と気相の混合物を含むことができる。従って、親油性流体は、二酸化炭素のような圧縮性気体ではない。
本明細書の親油性流体は、既知の慣用的なドライクリーニング流体の性質と等しい、又は好ましくはそれを上回る不燃性を有するか又は比較的高い引火点及び/もしくは低VOC(揮発性有機化合物)性を有することが好ましく、これらの用語はドライクリーニング産業で使用されるような慣用的な意味を有する。
更に、本明細書の好適な親油性流体は、流動しやすく、粘性ではない。
一般に、本明細書の親油性流体は、本明細書で後述する試験の中で定義されるように、皮脂又は身体の汚れを少なくとも部分的に溶解できる流体であることが必要である。親油性流体の混合物もまた適しており、下記の親油性流体試験の要件が満たされることを条件として、親油性流体は、任意の分率のドライクリーニング溶媒、特にフッ素化溶媒、又は過フッ素化アミンを含む、より新しい種類のものを含むことができる。パーフルオロトリブチルアミンのような幾つかの過フッ化アミン類は、親油性流体として使用するには適さないが、親油性流体含有組成物中に存在可能な多くの潜在的な補助剤の1つとして存在してよい。
他の適した親油性流体には、ジオール溶媒系、例えば、C6−又はC8−などの高級ジオール、又は更に高級のジオール類、環状及び非環状型の両方を含む有機シリコーン溶媒類など、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物の主構成成分として組み込むのに適した非水性親油性流体の好ましい群には、低揮発性非フッ素化有機物、シリコーン、特にアミノ官能性シリコーン以外のもの、及びこれらの混合物が挙げられる。低揮発性非フッ素化有機物には、例えばオレアン(OLEAN)(登録商標)及びその他のポリオールエステル類、又は特定の比較的非揮発性の生分解性中鎖分枝状石油留分が挙げられる。
本発明の組成物の主構成成分として組み込むのに適した非水性親油性流体の別の好ましい群には、グリコールエーテル、例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールt−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。組成物の主構成成分として、例えば、50%を超過して用いられる好適なシリコーンには、「D5」と呼ばれることもあるシクロペンタシロキサン、及び/又はほぼ同様の揮発性を有し、任意に他の適合性のあるシリコーンにより補完される直鎖類似体が挙げられる。好適なシリコーン類は、文献で周知であり、例えば、カーク・オスマーの工業化学百科事典を参照されたい。また、ゼネラル・エレクトリック社(General Electric)、東芝シリコーン(株)、バイエル社(Bayer)、及びダウ・コーニング社(Dow Corning)を含む多数の業者から入手可能である。他の好適な親油性流体は、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble)、又はダウ・ケミカル社(Dow Chemical)、及び他の業者から入手可能である。
(親油性流体の適合性及び親油性流体試験(LF試験))
ドライクリーニング流体に対する既知の要求(例えば、引火点など)を満たすことができると共に、下記の試験法に示されるように少なくとも部分的に皮脂を溶解することができるいかなる非水性流体も、本明細書の親油性流体として適している。一般指針としてパーフルオロブチルアミン(フロリナート(Fluorinert)FC−43(登録商標))はそれ自体(補助剤と共に、又は補助剤無しで)が標準物質であり、定義上は本明細書で使用される親油性流体として適していない(本質的に非溶媒である)が、一方でシクロペンタシロキサンは好適な皮脂溶解特性を有し、皮脂を溶解させる。
以下は親油性流体として使用する他の物質、例えば、他の低粘度、自由流動性シリコーンの調査及び適格性認定方法である。この方法は、皮脂に関する汚れの例として、市販品で入手可能なクリスコ(Crisco)(登録商標)カノーラ油、オレイン酸(純度95%、シグマ・アルドリッチ社(Sigma Aldrich Co.)から入手可能)、及びスクアレン(純度99%、J.T.ベーカー(J. T. Baker)から入手可能)を使用する。試験物質は、実質的に無水であり、いかなる添加された補助剤も評価中の他の材料も含んでいてはならない。
3本のバイアル瓶を用意し、各バイアル瓶に1種類の親油性汚れを入れる。第一のバイアル瓶にカノーラ油1.0gを入れ、第二のバイアル瓶にオレイン酸(95%)1.0gを入れ、最後の第三のバイアル瓶にスクアレン(99.9%)1.0gを入れる。各バイアル瓶に、親油性を試験する流体を1g入れる。室温及び常圧で標準的な攪拌混合機において、最大設定で20秒間、試験される親油性汚れ及び流体を含有する各バイアル瓶を個別に混合する。バイアル瓶を作業台に載置し、室温及び常圧で15分間安定させる。静止した時に、親油性汚れの入ったいずれかのバイアル瓶に透明な単一相が形成された場合は、その非水性流体は、本発明による「親油性流体」として使用するのに適しているとみなされる。しかし、3本のバイアル瓶全部に2つ以上の分離相が形成されている場合は、油相中に溶解される非水性流体の量を、非水性流体が適切なものかどうか判断する前に、更に測定する必要がある。
このような場合には、注射器により、各バイアル瓶の各層から200μlのサンプルを注意して抜き取る。各3つのモデル、汚れ及び試験される流体の較正サンプルの保持時間を決定した後、注射器で抜き取った層のサンプルをGCオートサンプラーバイアル瓶に入れ、従来のGC分析にかける。オレイン酸層、カノーラ油層、又はスクアラン層から成る層のいずれか1つに、試験流体が1%を超えて、好ましくはより多く、存在することがGCで判明した場合には、その試験流体も親油性流体として使用するのに適切であるとみなされる。必要であれば、この方法はヘプタコサフルオロトリブチルアミン、つまりフルオリナート(Fluorinert)FC−43(不合格)及びシクロペンタシロキサン(合格)を使用して更に較正することができる。好適なGCは、スプリット/スプリットレス注入器及びFIDを装備したヒューレットパッカード(Hewlett Packard)のガスクロマトグラフHP5890シリーズIIである。親油性流体存在量を決定するのに使用する好適なカラムは、J&Wサイエンティフィック社(J&W Scientific)の、30メートル、内径0.25mm、厚さ0.1umのフィルム、カタログ番号1221131のキャピラリーカラムDB−1HTである。GCを次の条件下で適切に操作する:
Figure 0004302519
本明細書で使用するのに適した好ましい親油性流体を、優れた衣類ケア特性を有するという点から、使用のために更に格付けすることができる。衣類ケア特性試験は当該技術分野において既知であり、継ぎ目などや、各種ボタンに使用される布地、糸、及びゴムひもを含む様々な衣類又は布地物品構成要素を使用して、特定される流体を試験することを包含する。本明細書に用いるのに好ましい親油性流体は、優れた衣類ケア特性を有する、例えば、良好な収縮及び/又は布地ひだ寄せ特性を有し、またプラスチックボタンに目立った損傷を与えない。例えばエチルラクテートのような、皮脂の除去において親油性流体として使用するのが適切である特定の物質は、ボタンを溶解する傾向があるために極めて好ましくなく、そのような物質が本発明の組成物中に使用される場合、混合物全体が実質的にボタンに損傷を与えないように、水及び/又は他の物質と配合される。他の親油性流体、例えば、D5は、衣類ケアの要件を十分に満たす。幾つかの好適な親油性流体は、付与された米国特許第5,865,852号;第5,942,007号;第6,042,617号;第6,042,618号;第6,056,789号;第6,059,845号;及び第6,063,135号の中に見出されるが、これらは本明細書に参考として組み入れられる。
親油性流体には、直鎖及び環状ポリシロキサン、炭化水素、及び塩素化炭化水素を挙げることができるが、本明細書で使用される親油性流体の定義によって明確に包含されないPERC及びDF2000は例外とする。より好ましいのは、線状及び環状ポリシロキサン、及びグリコールエーテル、酢酸エステル、乳酸エステル類の炭化水素である。好ましい親油性流体には、760mmHgにおいて約250℃未満の沸点を有する環状シロキサンが挙げられる。本発明で使用する特に好ましい環状シロキサンは、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンである。好ましくは、環状シロキサンは、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5、ペンタマー)を含み、実質的にオクタメチルシクロテトラシロキサン(テトラマー)及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン(ヘキサマー)を含まない。
しかしながら、有用な環状シロキサン混合物は、好ましい環状シロキサンに加えて、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びヘキサメチルシクロトリシロキサン、又はテトラデカメチルシクロヘプタシロキサンのようなより高級な環状物を含む少量のその他の環状シロキサンを含有する可能性があることは理解されるべきである。一般的に、環状シロキサン混合物に有用なこれらの他の環状シロキサン量は、混合物の全体の約10重量%未満である。環状シロキサン混合物の工業規格では、このような混合物は混合物の約1重量%未満のオクタメチルシクロテトラシロキサンを含む。
従って、本発明の親油性流体は、親油性流体の好ましくは約50重量%を超える、より好ましくは約75重量%を超える、更により好ましくは少なくとも約90重量%、最も好ましくは少なくとも約95重量%のデカメチルシクロペンタシロキサンを含む。あるいは、親油性流体は、混合物の約50重量%を超える、好ましくは約75重量%を超える、より好ましくは少なくとも約90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%〜約100重量%のデカメチルシクロペンタシロキサン、及び混合物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約2重量%未満、更により好ましくは約1重量%未満、最も好ましくは約0.5重量%未満〜約0重量%のオクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はドデカメチルシクロヘキサシロキサンを有する環状シロキサンの混合物であるシロキサンを含む。
親油性流体の濃度は、本発明の処理組成物中に存在する場合、好ましくは処理組成物の約70重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約90重量%〜約99.9重量%、更により好ましくは約95重量%〜約99.8重量%である。
親油性流体の濃度は、本発明の消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物中に存在する場合、好ましくは消費可能な皮革物品処理/洗浄組成物の約0.1重量%〜約90重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約75重量%、及び更により好ましくは約1重量%〜約50重量%である。
(補助剤成分)
補助剤物質は、大きく異なる可能性があり、広範囲の濃度で使用することができる。例えば、プロテアーゼ類、アミラーゼ類、セルラーゼ類、リパーゼ類などの洗浄性酵素、並びにマンガン又は類似の遷移金属を有する大環状型を含む漂白触媒は、すべて洗濯製品及び洗浄製品に有用であり、本発明で標準的又は特殊な濃度で使用できる。触媒作用を有する補助剤物質、例えば酵素は、本発明から独立して有用であると発見された「順方向」又は「逆方向」モードで使用することができる。例えば、リポラーゼ又は他の加水分解酵素を補助剤としてアルコール類の存在下で任意選択的に使用してもよく、脂肪酸をエステルに転化し、それにより親油性流体の溶解度を増大させる。これは「逆方向」操作であって、水に対する溶解度がより小さい脂肪酸エステルを、水に対する溶解度がより大きい物質に転換するために、水中における加水分解酵素の通常の使用法とは対照的である。いずれにしても、任意の添加剤成分は親油性流体との組み合わせで使用するのに適していなければならない。
組成物は乳化剤を含んでもよい。乳化剤は化学分野で既知である。本質的に、乳化剤は2つ以上の不溶性又は準不溶性の相を一緒にして、安定又は準安定したエマルションをもたらすように作用する。請求する発明において、乳化剤が乳化剤としてだけではなく、トリートメント性能増進剤としても作用できる、二重の目的を果たすことが好ましい。例えば、乳化剤はまた界面活性剤として作用し、その結果、クリーニング性能を増進する。一般の乳化剤及び乳化剤/界面活性剤の両方は市販されている。
好適な洗浄性添加剤には、ビルダー類、界面活性剤、酵素、漂白剤活性化剤、漂白触媒、漂白増進剤、漂白剤、アルカリ供給源、抗細菌剤、着色剤、香料、副香料(プロパフューム:pro-perfumes)、仕上げ助剤、石灰石鹸分散剤、組成物悪臭制御剤、臭気中和剤、高分子染料付着阻害剤、結晶成長阻害剤、光退色剤、重金属イオン封鎖剤、変色防止剤、抗微生物剤、酸化防止剤、再付着防止剤、電解質、pH調節剤、増粘剤、研磨剤、二価又は三価イオン、金属イオン塩、酵素安定剤、腐食防止剤、ジアミン類又はポリアミン類及び/又はそのアルコキシレート類、泡安定化ポリマー類、溶媒、加工助剤、布地柔軟化剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、気泡又は泡抑制剤、気泡又は泡増進剤、布地柔軟剤、静電気防止剤、染料固着剤、染料磨耗阻害剤、クロッキング防止剤、しわ低下剤、防しわ剤、汚れ剥離ポリマー類、防汚剤、日焼け止め剤、退色防止剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
「界面活性剤」という用語は従来、水、親油性流体、又はこの2つの混合物のいずれかの中において界面活性である物質を指す。幾つかの例証的な界面活性剤には、従来型水性洗剤系中で使用されるような、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及びシリコーン界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
a)ノニルフェノール及びミリスチルアルコールのポリエチレンオキシド縮合物であり、米国特許第4,685,930号(カスプルザーク(Kasprzak))におけるものなど、及び
b)脂肪族アルコールエトキシレート、R−(OCHCHOH、a=1〜100、典型的には12〜40、R=炭化水素残基8〜20C原子、典型的には直鎖アルキル。例として、4又は23のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンラウリルエーテル;2、10、又は20のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンセチルエーテル;2、10、20、21、又は100のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンステアリルエーテル;2、又は10のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレン(2),(10)オレイルエーテルがある。市販されている例として、アルフォニック(ALFONIC)、ブリジ(BRIJ)、ゲナポール(GENAPOL)、ネオドール(NEODOL)、サーフォニック(SURFONIC)、トリコール(TRYCOL)が挙げられるが、これらに限定されない。米国特許第6,013,683号(ヒル(Hill)らに発行)も参照のこと。
好適なシロキサン系界面活性剤は、次式を有するポリエーテルシロキサンを含む:
D’D”M’2〜a
式中、aは0〜2であり;bは0〜1000であり;cは0〜50であり;dは0〜50であり、但しa+c+dは少なくとも1である;
MはR 3〜eSiO1/2であり、式中、Rは独立して、H、又は一価の炭化水素基であり、Xはヒドロキシル基であり、eは0又は1である;
M’はR SiO1/2であり、式中、Rは独立して、H、一価の炭化水素基、又は(CH−(C6H4)O−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、但し少なくとも1つのRが(CH−(C6H4)O−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、式中、Rは独立して、H、一価の炭化水素基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8である;
DはR SiO2/2であり、式中、Rは独立して、H又は一価の炭化水素基であり;
D’はR SiO2/2であり、式中、Rは独立してRであり、但し少なくとも1つのRが(CH−(C6H4)O−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、式中、Rは独立して、H、一価の炭化水素基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり、
D”はR SiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、一価の炭化水素基又は(CH(C(A)−[(L)−(A’)−]−(L’)Z(G)であり、式中、lは1〜10であり;mは0又は1であり;nは0〜5であり;oは0〜3であり;pは0又は1であり;qは0〜10であり;rは0〜3であり;sは0〜3であり;CはC1〜10アルキル又はアルケニルで置換されていないか又は置換されており;A及びA’はそれぞれ独立して連結部分であって、エステル、ケト、エーテル、チオ、アミド、アミノ、C1〜4フルオロアルキル、C1〜4フルオロアルケニル、分枝又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ホスフェート、スルホニル、サルフェート、アンモニウム、及びこれらの混合物を表し;L及びL’はそれぞれ独立して、非置換又は置換の、C1〜30直鎖又は分枝アルキル又はアルケニル又はアリールであり;Zは水素、カルボン酸、ヒドロキシ、ホスフェート、ホスフェートエステル、スルホニル、スルホネート、サルフェート、分枝又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ニトリル、グリセリル、C1〜30アルキル又はアルケニルで置換されていない又は置換されているアリール、C1〜10アルキル又はアルケニル又はアンモニウムで置換されていない又は置換されている炭水化物であり;GはH、Na、Li、K、NH 、Ca+2、Mg+2、Cl、Br、I、メシラート又はトシラートなどの陰イオン又は陽イオンである。
前述のシロキサン系界面活性剤の種類の例は、EP−1,043,443A1、EP−1,041,189、及び国際公開第01/34,706号(すべてGEシリコーンズ(GE Silicones)に発行)、及び米国特許第5,676,705号、米国特許第5,683,977号、米国特許第5,683,473号、及びEP−1,092,803A1(すべてリーバー・ブラザーズ(Lever Brothers)に発行)に見出すことができる。
好適なシロキサン系界面活性剤の市販の非限定的な例は、TSF4446(例えばゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones))、XS69−B5476(例えばゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones));ジャナミンHSX(Jenamine HSX)(例えばデルコン(DelCon))及びY12147(例えばOsiスペシャルティ(OSi Specialties))である。
界面活性剤構成成分に適した第2の好ましい分類の物質は、有機物の性質である。好ましい物質は、炭素原子が約6〜約20の炭素鎖を有する、有機スルホサクシネート界面活性剤である。それぞれ、炭素原子約6〜約20の炭素鎖を有するジアルキル鎖を含有する有機スルホサクシネートが、最も好ましい。アリール又はアルキルアリール、置換又は非置換、分枝又は直鎖、飽和又は不飽和基を含有する鎖も好ましい。
好適な有機スルホサクシネート界面活性剤の市販の非限定的な例は、エアゾール(Aerosol)OT及びエアゾール(Aerosol)TR−70(例えば、サイテック(Cytec))の商品名で入手可能である。
界面活性剤の別の好ましい種類は、非イオン性界面活性剤、特に低いHLB値を有するものである。好ましい非イオン性界面活性剤は約10未満、より好ましくは約7.5未満、最も好ましくは約5未満のHLB値を有する。好ましい非イオン性界面活性剤はまた、界面活性剤の鎖の中に約6〜20の炭素、及び界面活性剤の親水性部分中に約1〜15のエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)単位を有し(すなわち、C6〜20 EO/PO 1〜15)、好ましくはC7〜11 EO/PO 1〜5(例えばC7〜11 EO 2.5)の範囲内のものから選択される非イオン性界面活性剤である。
界面活性剤構成成分は、本発明の布地物品処理組成物中に存在する場合、好ましくは布地物品処理組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.02重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.05重量%〜約2重量%を含む。
界面活性剤構成成分は、本発明の消費可能な洗剤組成物中に存在する場合、好ましくは消費可能な洗剤組成物の約1重量%〜約99重量%、より好ましくは約2重量%〜約75重量%、更により好ましくは約5重量%〜約60重量%を含む。
好適な陽イオン性界面活性剤は次式を有するジアルキルジメチルアンモニウム塩類が挙げられるが、これに限定されない:
R’R”N(CH
式中、各R’R”は独立して、12〜30炭素原子から成る群から選択されるか、又はタロー、ココヤシ油又は大豆から誘導され、X=塩素又は臭素である。例として、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジココナッツジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムブロミド(DTAB)が挙げられる。市販の例として、アドゲン(ADOGEN)、アークワッド(ARQUAD)、トマー(TOMAH)、バリクワット(VARIQUAT)が挙げられるが、これらに限定されない。米国特許第6,013,683号(ヒル(Hill)らに発行)も参照のこと。
好適なシリコーン界面活性剤には、ジメチルポリシロキサン疎水性部分及び1又はそれ以上の親水性ポリアルキレン側鎖を有するポリアルキレンオキシドポリシロキサンが挙げられるが、これに限定されず、次の一般式を有する:
―(CHSiO―[(CHSiO]―[(CH)(R)SiO]―Si(CH―R
式中、a+bは約1〜約50、好ましくは約3〜約30、更に好ましくは約10〜約25であり、各Rは同一であるか又は異なり、メチル及び次の一般式を有するポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基から成る群から選択され、
−(CHO(CO)(CO)
少なくとも1個のRはポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基であり、その際、nは3又は4、好ましくは3であり;(すべてのポリアルキレン側基の)cの合計は1〜約100、好ましくは約6〜約100の値を有し;dの合計は0〜約14、好ましくは0〜約3であり;更に好ましくはdは0であり;c+dの合計の値は約5〜約150、好ましくは約9〜約100の値を有し、各Rは同一であるか又は異なり、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、及びアセチル基、好ましくは水素及びメチル基から成る群から選択される。これらの界面活性剤の例は、米国特許第5,705,562号及び第5,707,613号(いずれもヒル(Hill)に発行)に見出すことができる。
この種の界面活性剤の例は、コネチカット州ダンベリーからのCKウィトコ(CK Witco)OSi部から市販されるシルウェット(Silwet)(登録商標)界面活性剤である。典型的なシルウェット(Silwet)界面活性剤は次のとおりである。
Figure 0004302519
ポリアルキレンオキシ基(R)の分子量は、約10,000以下である。好ましくは、ポリアルキレンオキシ基の分子量は約8,000以下、最も好ましくは約300〜約5,000の範囲である。従って、c及びdの値は、これらの範囲内の分子量を与える数であってもよい。しかしながら、ポリエーテル鎖(R)中のエチレンオキシ単位(−CO)の数は、ポリアルキレンオキシドポリシロキサンを水分散性又は水溶性にするのに十分な値でなければならない。ポリアルキレンオキシ鎖にプロピレンオキシ基が存在する場合、それらは鎖中に無作為に分布するか、又はブロックとして存在する可能性がある。好ましいシルウェット(Silwet)界面活性剤は、L−7600、L−7602、L−7604、L−7605、L−7657、及びこれらの混合物である。表面活性の他にも、ポリアルキレンオキシドポリシロキサン界面活性剤は、布地に対して静電気防止効果、及び柔軟性などの他の効果をもたらすこともできる。
ポリアルキレンオキシドポリシロキサン類の調製は当該技術分野において既知である。本発明のポリアルキレンオキシドポリシロキサンを、米国特許第3,299,112号に開示された手順に従って調製することができる。別の好適なシリコーン界面活性剤は、GEシリコーン・フリュード(GE silicone fluids)から市販されているSF−1488である。
補助剤として親油性流体と組み合わせて用いるのに適したこれら及びその他の界面活性剤は、当該技術分野において既知であり、カーク・オスマーの工業化学百科事典、3版、22巻、360〜379ページ、「界面活性剤及び洗浄システム(Surfactants and Detersive Systems)」に、より詳細に記載されている。更に適した非イオン性洗剤界面活性剤は、米国特許第3,929,678号(1975年12月30日にローリン(Laughlin)らに発行)の第13欄14行〜第16欄6行に一般に開示されている。
補助剤はまた、静電気防止剤であってよい。洗濯及びドライクリーニング分野において用いられるいかなる適した既知の静電気防止剤も、本発明の方法及び組成物に用いるのに適している。静電気防止剤として特に適しているのは、静電気防止効果をもたらすことで知られている布地柔軟剤の一部である。例えば、N,N−ジ(タローオイル−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのような、ヨウ素価が20以上の脂肪族アシル基を有する布地柔軟剤である。しかしながら、「静電気防止剤」という用語は、布地柔軟剤のこの部分集合のみに限定されるべきでなく、すべての静電気防止剤を含むことが理解されるべきである。
本発明で利用される方法及び/又は組成物は詳細に記載されるが、本発明を実行することが可能であるいかなる組成物、方法、及び/又は装置も使用可能であることを、当該技術分野における当業者には理解されるであろう。
(吸収性材料)
本発明の吸収性材料は1又はそれ以上の吸水剤を含む。好適な吸水剤及び/又は本発明の吸水剤を含む吸収性材料を、本明細書の以下に記載する。
(ヒドロゲル形成吸収性ポリマー)
本発明の吸収性ポリマーは、好ましくは少なくとも1つのヒドロゲル形成吸収性ポリマー(ヒドロゲル形成ポリマーともいう)を含む。本発明で有用なヒドロゲル形成ポリマーには、水性液流体を吸収することが可能な種々の水不溶であるが水で膨潤可能なポリマーを含む。こうしたヒドロゲル形成ポリマーは、当該技術分野では既知であり、これらのポリマーのいずれも本発明に有用である。
ヒドロゲル形成吸収性ポリマーはまた、一般に「ヒドロコロイド」又は「吸収性」材料とも呼ばれ、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースのような多糖類;ポリビニルアルコール、及びポリビニルエーテルのような非イオン型;ポリビニルピリジン、ポリビニルモルフォリニオン、及びN,N−ジメチルアミノエチル、又はN,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート及びメタクリレート、及びこれらそれぞれの第四級塩のような陽イオン型を含むことができる。典型的には、本発明で有用なヒドロゲル形成吸収性ポリマーは、スルホン酸又はアミド又はアミノ基類、及び更に典型的にはカルボキシル基類のような多数の陰イオン性又は陽イオン性官能基類を有する。本明細書に用いるのに好適なポリマー類の例には、重合可能で、不飽和の酸を含有するモノマー類から調製されるポリマー類が挙げられる。陽イオン基類を有する陽イオンポリマー類の例では、塩基含有モノマー類から調製される。従って、このようなモノマー類には、少なくとも1つの炭素−炭素オレフィン性二重結合を含有するオレフィン系の不飽和酸及び無水物が挙げられる。更に具体的には、これらのモノマー類はオレフィン性不飽和のカルボン酸類及び酸無水物類、オレフィン性不飽和のスルホン酸類、及びこれらの混合物から選択することができる。上述のように、ヒドロゲル形成吸収性ポリマーの性質は本発明には重要ではない。それにも関わらず、最適なポリマー材料の選択で本発明の性能特性を強化してもよい。次に続く開示は、本明細書で有用な吸収性ポリマーの好ましい特性を説明する。このような特性は限定として解釈されるべきではなく、むしろ単に吸収性ポリマー技術で過去数年間にわたってきた進展を示すものである。
本明細書でヒドロゲル形成吸収性ポリマーを調製するのに、酸性ではないモノマー類のいくらかは、通常わずかな量で含まれる。こうした酸性ではないモノマー類には、例えば、酸を含有するモノマー類の水溶性又は水分散性のエステル類、並びにカルボン酸基類又はスルホン酸基類を全く含有しないモノマー類を挙げることができる。従って任意の酸性ではないモノマー類には、次の種類の官能基:カルボン酸又はスルホン酸エステル類、ヒドロキシル基類、アミド基類、アミノ基類、ニトリル基類、第四級アンモニウム塩基類、アリール基類(例えば、スチレンモノマーに由来するようなフェニル基)を含有するモノマー類を挙げることができる。このような酸性ではないモノマー類は既知の物質であり、例えば、1978年2月28日に発行された米国特許第4,076,663号(マスダ(Masuda)ら)、及び1977年12月13日に発行された米国特許第4,062,817号(ウエスターマン(Westerman))に詳細に記載されており、両方とも参照として組み入れる。
オレフィン性不飽和のカルボン酸及びカルボン酸無水物のモノマー類には、アクリル酸自体で代表されるアクリル酸類、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、a−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p−クロロケイ皮酸、β−ステリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン及びマレイン酸無水物が挙げられる。
オレフィン性不飽和のスルホン酸モノマー類には、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸及びスチレンスルホン酸のような脂肪族又は芳香族のビニルスルホン酸類;スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のようなアクリル及びメタクリルスルホン酸が挙げられる。
本発明で使用するのに好ましいヒドロゲル形成吸収性ポリマー類はカルボキシ基類を含有する。これらのポリマーには、加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー類、部分的に中和され加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー類、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー類、部分的に中和されたデンプン−アクリル酸グラフトコポリマー類、鹸化された酢酸ビニル−アクリルエステルコポリマー類、加水分解されたアクリロニトリル又はアクリルアミドコポリマー類、前述のコポリマー類のいずれかの軽く架橋した網状組織ポリマー類、部分的に中和されたポリアクリル酸、及び部分的に中和されたポリアクリル酸の軽く架橋した網状組織ポリマー類が挙げられる。これらのポリマー類は単独で、又は2つもしくはそれ以上の異なるポリマー類の混合物の形態で用いることができる。これらのポリマー材料の例は、米国特許第3,661,875号、米国特許第4,076,663号、米国特許第4,093,776号、米国特許第4,666,983号、及び米国特許第4,734,478号に開示されている。
ヒドロゲル形成吸収性ポリマーの製造に用いるのに最も好ましいポリマー材料は、部分的に中和されたポリアクリル酸類及びそのデンプン誘導体類の軽く架橋された網状組織ポリマー類である。最も好ましくは、ヒドロゲル形成吸収性ポリマー類は約50〜約95%、好ましくは約75%の中和された、軽く架橋された網状組織の、ポリアクリル酸(すなわち、ポリ(アクリル酸ナトリウム/アクリル酸))を含む。網状組織の架橋は、ポリマーを実質的に水不溶性にし、部分的に、ヒドロゲル形成吸収性ポリマーの吸収能力及び抽出可能なポリマー含量の特徴を決定する。このようなポリマー類を網状組織に架橋する工程及び典型的な網状組織架橋剤は、米国特許第4,076,663号に詳細に記載されている。
ヒドロゲル形成吸収性ポリマーは、好ましくは1種(すなわち、均質)である一方で、ポリマー類の混合物も本発明に用いることができる。例えば、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー類と、部分的に中和されたポリアクリル酸の軽く架橋した網状組織のポリマー類との混合物も本発明に用いることができる。
ヒドロゲル形成ポリマー構成成分は、陽イオン交換ヒドロゲル形成吸収性ポリマー及び陰イオン交換ヒドロゲル形成吸収性ポリマーを含む混合床式イオン交換組成物の形態であってもよい。こうした混合床式イオン交換組成物は、例えば1998年1月7日にアシュラフ(Ashraf)らによって出願された、米国特許出願第09/130,321号(P&Gケース6976R−表題「加圧下で高吸収力及び高流体透過性を有する吸収性ポリマー組成物(Absorbent Polymer Compositions With High Sorption Capacity and High Fluid Permeability Under an Applied Pressure)」)、及び米国特許第6,121,509号に記述されており、それぞれの開示を本明細書に参考として組み入れる。
本発明で有用なヒドロゲル形成吸収性ポリマー類は、広範囲にわたって変化する大きさ、形状及び/又はモルホロジーを有することができる。これらのポリマー類は、最大寸法と最小寸法の大きな比を持たない粒子の形態(例えば、顆粒、粉砕粒、粒子間集合体、粒子間架橋集合体、など)の可能性もあり、繊維、シート、フィルム、発泡体、薄片などの形態の可能性もある。ヒドロゲル形成吸収性ポリマー類はまた、例えば、粉末化シリカ、ゼオライト類、活性炭、モレキュラーシーブ類、界面活性剤類、糊、結合剤類、などの1又はそれ以上の添加物を低濃度で有する混合物を含むことができる。この混合物の中の構成成分は、ヒドロゲル形成ポリマー構成成分とヒドロゲル形成ポリマーではない添加物が物理的に分離しにくいような形態で、物理的に及び/又は化学的に結合させることができる。
ヒドロゲル形成吸収性ポリマー類は、本質的には非多孔質(すなわち、内部多孔性でない)である可能性もあり、又は実質的な内部多孔性を有することができる。
上記のような粒子については、粒径をふるいのサイズ分析によって決定された寸法として定義する。従って、例えば、710ミクロンの開口部を有する米国標準試験ふるい(例えば、No.25米国シリーズ代替ふるい指定)上に保持される粒子は、710ミクロンより大きいサイズであるとみなされ;710ミクロンの開口部を有するふるいを通過し、500ミクロンの開口部を有するふるい(例えば、No.35米国シリーズ代替ふるい指定)上に保持される粒子は500μm〜710μmの間の粒径であるとみなされ;500ミクロンの開口部を有するふるいを通過する粒子は500μmよりも小さいサイズであるとみなされる。ヒドロゲル形成吸収性ポリマー粒子類の任意試料における重量中央値粒径は、重量を基にして試料を半分に分割する粒径として定義され、すなわち、重量による試料の半分が重量中央値よりも少ない粒径を有し、試料の半分が重量中央値よりも大きい粒径を有する。標準粒径プロット法(任意のふるいサイズの開口部に保持された又はそれを通過した粒子試料の累積重量パーセントを確率紙上でふるいサイズの開口部に対してプロットする)を、典型的には50%重量値が米国標準試験ふるいのサイズ開口部に相当しない場合、重量中央値粒径を決定するために用いる。ヒドロゲル形成吸収性ポリマー粒子類の粒径を決定するこれらの方法は、1991年10月29日に発行された米国特許第5,061,259号(ゴールドマン(Goldman)ら)に更に記載されており、参照として組み入れる。
本発明で有用なヒドロゲル形成吸収性ポリマーの粒子については、粒子は一般に約1μm〜約2000μm、更に好ましくは約20μm〜約1000μmの範囲のサイズである。重量中央値粒径は、一般に約20μm〜約1500μm、更に好ましくは約50μm〜約1000μm、更に一層好ましくは約100μm〜約800μmである。不織布のような基材にコーティングされた被膜類、薄膜類、発泡体、繊維類、又はポリマー類を含有する実施形態については、上述よりも大きな粒子が有用又は好ましい場合がある。
具体的な実施形態においては、吸収性ポリマーの他の特性も相当してもよい。こうした実施形態では、物質は、ゴールドマン(Goldman)らに1996年10月8日に発行された米国特許第5,562,646号、及びゴールドマン(Goldman)らに1997年2月4日に発行された米国特許第5,599,335に記載されている1又はそれ以上の特性を有してもよく、その開示のそれぞれを参考として本明細書に組み入れる。
基本的なヒドロゲル形成吸収性ポリマーは、従来の方式のいかなるやり方においても形成することができる。これらのポリマー類の典型的且つ好ましい製造方法は、1988年4月19日(ブランツ(Brandt)ら)に発行された米国再発行特許第32,649号、1987年5月19日(ツバキモト(Tsubakimoto)ら)に発行された米国特許第4,666,983号、及び1986年11月25日(ツバキモト(Tsubakimoto)ら)に発行された米国特許第4,625,001号に記載されており、そのすべてを参照として組み入れる。
基本的なヒドロゲル形成吸収性ポリマーを形成するための好ましい方法は、水溶液又はその他の溶液重合法を包含する方法である。上記で引用した米国再発行特許第32,649号に記載されているように、水溶液重合には、重合を行うための水性反応混合物の利用も包含される。次いで、水性反応混合物を、混合物内に実質的に水不溶性の、軽く架橋された網状組織のポリマーを生成するのに十分である重合条件下に置く。その後、形成されるポリマーの塊を、個別の粒子を形成するために粉砕又は細断することができる。
更に具体的には、ヒドロゲル形成吸収性ポリマーを製造するための水溶液重合法は、その中で重合を行うための水性反応混合物の調製を含む。こうした反応混合物の一要素は、製造されるヒドロゲル形成吸収性ポリマーの「主鎖」を形成する酸性基を含有するモノマーである。反応混合物は一般に約100重量部のモノマーを含む。水性反応混合物のもう1つの構成成分は、網状組織の架橋剤を含む。本発明に従ってヒドロゲル形成吸収性ポリマーを形成するのに有用な網状組織架橋剤は、上記で引用した米国再発行特許第32,649号、米国特許第4,666,983号、及び米国特許第4,625,001号に詳細に記載されている。網状組織の架橋剤は、一般に水性混合物に存在するモノマーの総モルの約0.001モルパーセント〜約5モルパーセント(モノマーの100重量部に対して約0.01〜約20重量部)の量で水性反応混合物内に存在する。水性反応混合物の任意構成成分は、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化カプリリル、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、第三級ブチルジペルフタレート、第三級ブチルペルベンゾエート、過酢酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどのような過酸素化合物を含む遊離基反応開始剤を含む。水性反応混合物のその他の任意構成成分は、必須不飽和酸性官能基含有モノマー類のエステル、又はカルボン酸官能性もしくはスルホン酸官能性を含有しない他のコモノマー類を含む種々の非酸性コモノマー類を含む。
水性反応混合物を、当該混合物中で実質的に水不溶性であるが、水で膨潤可能な、ヒドロゲル形成吸収性の軽く架橋された網状組織のポリマー類を製造するのに十分である重合条件下に置く。重合条件も上記で参照した3つの特許で更に詳細に論じられている。こうした重合条件には、一般に約0℃〜約100℃、更に好ましくは約5℃〜約40℃の重合温度への加熱(熱活性化法)を含む。水性反応混合物を維持する重合条件には、例えば、反応混合物又はその一部分を、照射を活性化する従来のいずれかの重合型にさらすことも含むことができる。放射性、電子性、紫外線、及び電磁性の照射は代替的な従来の重合法である。
水性反応混合物内で形成されるヒドロゲル形成吸収性ポリマーの酸性官能基も好ましくは中和される。中和は、ポリマーを形成するのに利用される総モノマーの少なくとも約25モルパーセント、更に好ましくは少なくとも約50モルパーセントが、塩生成陽イオンで中和される酸性基含有モノマー類となるいかなる従来の方式でも行うことができる。こうした塩生成陽イオンには、例えば、上記の参照の米国再発行特許第32,649号で更に詳細に論じられているような、アルカリ金属類、アンモニウム、置換型アンモニウム及びアミン類が挙げられる。
水溶液重合工程を用いてヒドロゲル形成吸収性ポリマーの微粒子型を製造するのが好ましい一方で、逆エマルション重合法又は逆懸濁重合法のような多相式の重合処理技術を用いた重合工程を行うこともまた可能である。逆エマルション重合法又は逆懸濁重合法では、前述のような水性反応混合物は、シクロヘキサンのような水不混和性の不活性有機溶媒のマトリクス中で極小の液滴の形態で懸濁される。得られるヒドロゲル形成吸収性ポリマーの粒子は一般に球状の形状である。逆懸濁重合法は、1982年7月20日(オバヤシ(Obayashi)ら)に発行された米国特許第4,340,706号、1985年3月19日(フレッシャー(Flesher)ら)に発行された米国特許第4,506,052号、及び1988年4月5日(モリタ(Morita)ら)に発行された米国特許第4,735,987号に更に詳しく記載されており、そのすべてを参照として組み入れる。
最初に形成されるポリマーの表面架橋は、本発明との関連で有益である可能性のある相対的に高い多孔性ヒドロゲル−層(「PHL」)、圧力下作動(「PUP」)能力及び塩水流伝導度(「SFC」)値を有するヒドロゲル形成吸収性ポリマーを得るための好ましい方法である。本発明に基づいたヒドロゲル形成吸収性ポリマーの表面架橋を行うのに適した一般法は、1985年9月17日(オバヤシ(Obayashi))に発行された米国特許第4,541,871号;1992年10月1日(スタンレー(Stanley))に発行された国際公開第92/16565号、1990年8月9日(タイ(Tai))に発行された国際公開第90/08789号;1993年3月18日(スタンレー(Stanley))に発行された国際公開第93/05080号;1989年4月25日(アレクサンダー(Alexander))に発行された米国特許第4,824,901号;1989年1月17日(ジョンソン(Johnson))に発行された米国特許第4,789,861号;1986年5月6日(マキタ(Makita))に発行された米国特許第4,587,308号;1988年3月29日(ツバキモト(Tsubakimoto))に発行された米国特許第4,734,478号;1992年11月17日(キムラ(Kimura)ら)に発行された米国特許第5,164,459号;1991年8月29日(ダーメン(Dahmen))に発行されたドイツ特許出願第4,020,780号;及び1992年10月21日(ガートナー(Gartner))に発行されたEP−A−509,708に開示されており;そのすべてを参考として組み入れる。本願に引用し援用する1996年10月8日(ゴールドマン(Goldman)ら)に発行された米国特許第5,562,646号、及び1997年2月4日(ゴールドマン(Goldman)ら)に発行された米国特許第5,599,335号も参照のこと。
本発明の幾つかの実施形態については、本発明に従って調製されたヒドロゲル形成吸収性ポリマー粒子が、典型的には実質的に乾燥していると好都合である。用語「実質的に乾燥」とは、粒子が、粒子の約50重量%未満、好ましくは約20重量%未満、更に好ましくは約10重量%未満の流体含量、典型的には水又はその他の溶液含量を有することを意味するために本明細書で用いられる。一般に、ヒドロゲル形成吸収性ポリマー粒子の液体含量は、粒子の約0.01重量%〜約5重量%の範囲である。加熱のような従来のいかなる方法によっても個々の粒子を乾燥することができる。別の方法として、水性反応混合物を用いて粒子を形成する場合、共沸蒸留によって反応混合物から水を除去することができる。メタノールのような脱水用溶媒によって水性反応混合物含有ポリマーを処理することもできる。これらの乾燥方法の組み合わせも用いることができる。次いで、脱水されたポリマーの塊を細断又は粉砕して、ヒドロゲル形成吸収性ポリマーの実質的に乾燥した粒子を形成することができる。
(その他のゲル化ポリマー)
アクリルアミドをベースにするゲルも、本発明での使用に適している。具体的に好適なものは、アクリルアミド、2−(アクリロイルオキシ)エチル酸ホスフェート、2−アクリルアミド(acyrlamido)−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2,2’−ビス(アクリルアミド)酢酸、3−(メタクリルアミド)プロピルトリメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミドメチルプロパンジメチルアンモニウムクロリド、アクリレート、アクリロニトリル、アクリル酸、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチレングリコール、ジメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、メタクリルアミド、メチルアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−[2[[5−(ジメチルアミノ)1−ナフタレニル(naphthaleny)]スルホニル]アミノ[エチル]−2−アクリルアミド、N−[3−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド塩酸塩、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、2−(2−カルボキシベンゾイルオキシ)エチルメタクリル酸ナトリウム、アクリル酸ナトリウム、アリル酢酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニル酢酸ナトリウム、トリアリルアミン、トリメチル(N−アクリロイル−3−アミノプロピル)アンモニウムクロリド、トリフェニルメタン−ロイコ誘導体、ビニル末端ポリメチルシロキサン、N−(2−エトキシエチル)アクリルアミド、N−3−(メトキシプロピル)アクリルアミド、N−(3−エトキシプロピル)アクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、及びN−(テトラヒドロフルフリル)アクリルアミドである。
またN−イソプロピルアクリルアミドをベースにするゲルも適している。これらには、N−イソプロピルアクリルアミド、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホンアクリレート、アクリル酸、アクリルアミドアルキルメタクリレート、ビス(4−ジメチルアミノ)フェニル)(4−ビニルフェニル)メチルロイコシアニド(leucocyanide)、コンカナバリンA(レシチン)、ヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メタクリル酸、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、n−ブチルメタクリレート、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、及びビニル末端ポリメチルシロキサンを挙げることができる。
またN,N’−ジエチルアクリルアミドをベースにするゲルも適している。これらには、N,N’−ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(methyacrylamidopropyltrimethylammonium chloride)、N−アクリルオキシスクシンイミドエステル、N−第三級−ブチルアクリルアミド、及びメタクリル酸ナトリウムが挙げられる。
アクリレートをベースにするゲルもまた適している。これには、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミド、トリアリルアミン、アクリレート、アクリルアミド、メタクリル酸メチル、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリ(オキシテトラメチレンジメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)、及びポリエチレングリコールメタクリレートが挙げられる。
また種々のモノマー類をベースにするゲルも適している。これらには、アクリル酸、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、コラーゲン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ポリ[4−6−デカジエン−1,10−ジオールビス(n−ブトキシカルボニルメチルウレタン)]、ポリ[ビス[アミノエトキシ)エトキシ]ホスファゼン]、ポリ[ビス[(ブトキシエトキシ)エトキシ]ホスファゼン]、ポリ[ビス[エトキシエトキシ)エトキシ]ホスファゼン]、ポリ[ビス[メトキシエトキシ)エトキシ]ホスファゼン]、ポリ[ビス[メトキシエトキシ)ホスファゼン]、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレンオキシド、ポリ(エチレン−ジメチルシロキサン−エチレンオキシド)、ポリ(N−アクリロピロリジン)、ポリ[n,n−ジメチル−N−[(メタクリロイルオキシエチル]−N−(3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン]、ポリメタクリル酸、ポリメタクリロイルジペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−酢酸ビニル、ポリビニルメチルエーテル、フラン−変性ポリ(n−アセチルエチレンイミン)、及びマレインイミド−変性ポリ(n−アセチルエチレンイミン)が挙げられる。
またヒドロゲルとして好適なのは:ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N−置換アクリルアミド、N−置換メタクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクロイルピロリドン、アクリル、メタクリル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−スルホキシエチルメタクリル酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルピリジン、アミノエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシトリメチルアンモニウムクロリド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、2,2’−(p−フェニレンジオキシジエチルジメタクリレート、ジビニルベンゼン、及びトリアリルアミンを含むものから成る群から選択されるモノマーを含むヒドロゲルである。
また米国特許第4,555,344号、第4,828,710号、及びEP−648,521A2(すべて本願に参照として援用する)に開示されているゲルも適している。
(高表面積物質)
浸透吸収剤(例えば、ヒドロゲル形成吸収性ポリマー)に加えて、本発明は高表面積物質を含むことができる。単独又はヒドロゲル形成吸収性ポリマーと組み合わせて、分別装置又は容器に高い毛管吸着吸収能力を与えるのがこの高表面積物質である。本明細書で論じるように、高表面積物質を、1つの点において、その毛管吸着吸収能力(ヒドロゲル形成ポリマー又はその他のいかなる物質も分別装置又は容器に含有されていない状態で測定される)という観点から記述する。高表面積を有する物質は、極めて高い吸引力の高さ(例えば、100cm以上)で取り込み能力を有する可能性があることが認識される。このことによって高表面積物質は、i)浸透吸収剤への液体の毛管経路、ii)追加の吸収能力、の1つ又は両方を提供することができる。従って、高表面積物質は、重量又は容積当りのその表面積に関して記載されてもよいが、本明細書の出願者らは別の方法として、高表面積物質を記載するのに毛管吸着吸収能力を用いる。それは毛管吸着吸収能力が、一般に本発明で使用される分別装置又は容器に改善された吸収製品を提供するために、必要な吸引能力を提供する性能のパラメータであるからである。特定の高表面積物質、例えば、ガラス微小繊維はそれ自体、あらゆる高さ、特に極めて高い高さ(例えば、100cm以上)では特に高い毛管吸着吸収能力を示さないことが認識される。それにも関わらず、こうした物質は、ヒドロゲル形成ポリマー又はその他の浸透吸収剤と組み合わせた場合、相対的に高い高さでさえ必要な毛管吸着吸収能力を備えるために、ヒドロゲル形成吸収性ポリマー又はその他の浸透吸収剤への液体の望ましい毛管経路を提供する可能性がある。
ヒドロゲル形成吸収性ポリマー又はその他の浸透吸収剤と組み合わせて使用された時に、十分な毛管吸着吸収能力を有するいかなる物質も、本発明の分別装置又は容器に有用である。この点に関して、用語「高表面積物質」とは、それ自体(すなわち、浸透吸収剤又はその他のいかなる物質も分別装置又は容器に収容されていない状態で測定した時)次の毛管吸着吸収能力の1又はそれ以上を示すいかなる物質も表す:(I)吸着高100cmで少なくとも約2g/g、好ましくは少なくとも約3g/g、更に好ましくは少なくとも約4g/g、一層更に好ましくは高さ100cmにて少なくとも約6g/gの毛管吸着吸収能力;(II)高さ35cmで少なくとも約5g/g、好ましくは少なくとも約8g/g、更に好ましくは少なくとも約12g/gの毛管吸着吸収能力;(III)高さ50cmで少なくとも約4g/g、好ましくは少なくとも約7g/g、更に好ましくは少なくとも約9g/gの毛管吸着吸収能力;(IV)高さ140cmで少なくとも約1g/g、好ましくは少なくとも約2g/g、更に好ましくは少なくとも約3g/g、一層更に好ましくは少なくとも約5g/gの毛管吸着吸収能力;又は(V)高さ200cmで少なくとも約1g/g、好ましくは少なくとも約2g/g、更に好ましくは少なくとも約3g/g、一層更に好ましくは少なくとも約5g/gの毛管吸着吸収能力。
1つの実施形態においては、高表面積物質は繊維性(以後「高表面積繊維」と呼ぶ)の性質であり、ヒドロゲル形成吸収性ポリマー又はその他の浸透吸収剤と組み合わせた時に繊維性ウェブ又は繊維性マトリックスを提供する。あるいは、高表面積物質は連続気泡の親水性高分子発泡体(以後「高表面積高分子発泡体」又はより一般的には「高分子発泡体」と呼ぶ)である。これらの物質は次に詳述されている。
本発明で有用な高表面積繊維には、天然(改質又は未改質)及び合成繊維が含まれる。高表面積繊維は、木材パルプ繊維のような吸収製品に典型的に使用される繊維よりもはるかに大きい表面積を有する。本発明で使用される高表面積繊維は、望ましくは親水性である。本明細書で使用される場合、「親水性」という用語は、これらの繊維上に付着した水性液体(例えば、水性体液)によって湿潤性がある繊維又は繊維の表面について表している。親水性及び湿潤性は、典型的には関連する流体及び固体の接触角及び表面張力よって定義される。この点については、ロバート・F・ゴールド(Robert F. Gould)によって編集された「接触角、湿潤性、及び付着(Contact Angle, Wettability,and Adhesion)」と題するアメリカ化学会誌(the American Chemical Society)の出版物(1964年版権)にて詳細に説明されている。繊維、又は繊維の表面は、流体と繊維もしくはその表面との間の接触角が90度未満の時、又は流体が繊維の表面全体に自然に広がる傾向がある時に流体によって湿っている(すなわち、親水性)と考えられ、通常は両方の条件が共存する。逆に、接触角が90度より大きい場合及び液体が繊維の表面全体に自然に広がらない場合は、繊維又は表面は疎水性とみなされる。本明細書で有用な繊維の親水性の特徴は、繊維に内在してもよく、又は繊維が親水性を有するように処理された本来は疎水性の繊維であってもよい。本質的には疎水性の繊維に親水性の特徴をもたらす物質及び方法は既知である。
本明細書で有用な高表面積繊維は、後述する高分子発泡体と同じ範囲の毛管吸引比表面積を有する。しかしながら、典型的には高表面積繊維はBET表面積という点で特徴付けられる。
本明細書で有用な高表面積繊維には、例えば、エバナイト・ファイバー社(Evanite Fiber Corp.)(オレゴン州コーバリス(Corvallis, OR))から入手可能なガラスウールのようなガラス微小繊維が挙げられる。本明細書で有用なガラス微小繊維は、典型的には約0.8μm以下、より典型的には約0.1μm〜約0.7μmの繊維直径を有する。これらの微小繊維は、少なくとも約2m/g、好ましくは少なくとも約3m/gの表面積を有する。典型的には、ガラス微小繊維の表面積は約2m/g〜約15m/gである。本明細書に用いる代表的なガラス微小繊維は、エバナイト・ファイバー社(Evanite Fiber Corp.)から104型ガラス繊維として入手可能で、公称繊維直径は約0.5μmである。これらのガラス微小繊維の計算表面積は約3.1m/gである。
本明細書で有用な別の種類の高表面積繊維は、フィブリル化されたセルロースアセテート繊維である。これらの繊維類(本明細書で「フィブレット(fibrets)」と呼ぶ)は吸収性の物品技術で、一般に使用されているセルロース誘導繊維と比較して高表面積を有する。こうしたフィブレットは、直径の範囲が極めて小さく、その粒径の幅は典型的には約0.5〜約5μmである。これらのフィブレットは、典型的には約20m/gの表面積を有する。本明細書の高表面積物質として有用な代表的フィブレットは、ヘキスト・セラニーズ社(Hoechst Celanese Corp.)(ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte, NC))からセルロースアセテートフィブレット(Fibrets)(登録商標)として入手可能である。フィブレットの詳細な説明は、その物理的特性及びその調製方法を含めて、それぞれ本願に参照し援用する、スミス.J.E(Smith, J. E.)の「セルロースアセテートフィブレット:高表面積のフィブリル化パルプ」(Cellulose Acetate Fibrets:A Fibrillated Pulp With High Surface Area)、パルプ製紙業界技術協会誌(Tappi Journal)、1998年12月、237頁;及び1996年1月23日発行の米国特許第5,486,410号(グレーガー(Groeger)ら)、を参照のこと。
これらの繊維に加えて、吸収性の技術で既知の他の繊維を本明細書に用いる高表面積繊維を提供するよう改質してもよいことを、当該技術者には理解されている。本発明に必要とされる高表面積を得るために改質できる代表的繊維は、米国特許第5,599,335号(特に21〜24段参照)に開示されており、本願に引用して援用する。
使用する高表面積繊維の性質にかかわらず、繊維及び浸透吸収剤は組み合わせる前は別個の物質である。本明細書で使用する時、「別個の」という用語は、高表面積繊維及び浸透吸収剤が、組み合わされて分別装置又は容器の中核を形成する前に、それぞれ形成されることを意味する。つまり、高表面積繊維は、浸透吸収剤(例えば、ヒドロゲル形成吸収性ポリマー)との混合後に形成されるのでもなく、浸透吸収剤は高表面積繊維と組み合わせた後で形成されるのでもない。別個のそれぞれの構成成分を組み合わせることで、高表面積繊維が望ましいモルホロジーを有し、更に重要なことには、望ましい表面積を有する。
(スペーサー)
スペーサー物質が本発明の吸収性材料に用いられてもよい。本発明での使用に好適なスペーサー物質は、水及び/又は親油性流体内において、あってもわずかしか可溶性がない任意の繊維状又は粒子状物質を含む。吸収性材料単独で作られたマトリックスの浸透性以上に、その浸透性を改善するために、スペーサーを吸収性材料のマトリックス全体に分散することができ、又は吸収性材料が水に接触する際に膨張及び/又はゲル化した後でも浸透性を維持するためにスペーサーを使用することができる。従って、スペーサーは、含水流体が吸収性材料マトリックスを通過した時に当該マトリックス前後での圧力損失を減少する作用がある。加えて、吸収性材料が水にさらされてから壊れた後で凝固する傾向がある場合、スペーサーは、壊れる時のゲル凝固の減少又は防止に役立つことができる。
好適なスペーサー物質の非限定例には、砂、シリカ、アルミノケイ酸塩類、ガラス微小球類、粘土、層状シリカ塩類、木、天然繊維材料、合成繊維材料、アルミナ、酸化アルミニウム、シリカアルミニウム、酸化亜鉛、モレキュラーシーブ類、ゼオライト類、活性炭、珪藻土、水酸化ケイ素、雲母、微結晶セルロース、モンモリロナイト、桃種子粉末、ペカン殻粉末、タルク、酸化スズ、二酸化チタン、クルミ殻粉末、及び異なる金属又は合金の粒子が挙げられる。また、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン/プロピレン/イソブチレンコポリマー、ポリエチレン/スチレンコポリマーなどのような混合ポリマー(例えば、コポリマー類、ターポリマー類など)から形成された粒子も有用である。
本明細書で有用なその他の粒子状物質は、ポリブチレン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ナイロン、テフロン、及びこれらの混合物から成る群から選択される合成高分子粒子である。これらの中で最も好ましいのはポリエチレン及びポリプロピレン粒子であり、これらの物質が酸化されたものが特に好ましい。本明細書で有用な市販の粒子の例には、アライドシグナル(Allied Signal)(ニュージャージー州モリスタウン(Morristown, N. J.))から5ミクロン〜60ミクロンの範囲で平均粒径が様々なA、B、C、及びDシリーズとして入手可能な微粉化ポリエチレンワックスのアキュミスト(Acumist)(商標)が挙げられる。好ましいのは、平均粒径がそれぞれ25、30及び45ミクロンの酸化ポリエチレン粒子であるアキュミスト(Acumist)(商標)A−25、A−30、及びA−45である。市販のポリプロピレン粒子の例には、マイクロパウダーズ(Micro Powders)(ダーテック(Dartek))から入手可能なプロピルテックス(Propyltex)シリーズ及びアライドシグナル(Allied Signal)(ニュージャージー州モリスタウン(Morristown, N. J.))から入手可能な平均粒径が約125ミクロンのアキュスクラブ(Acuscrub)(商標)51が挙げられる。
(吸収性マトリックス)
「乾燥した」吸収性マトリックスの透過性を増大するため、又は湿潤時に吸収性マトリックスの透過性を維持するためには、スペーサー、及び、任意選択的に高表面積物質に対して吸収性材料の比を十分にすることが重要である。考えられるスペーサーの重量は吸収性材料の重量に対して大きく変動する可能性があるので、この比率を「乾燥」容積を基準として定量化しなければならない。「正味マトリックス容積」は、吸収性材料、スペーサー、及び、任意選択的に、任意の高表面積物質の容積であって、これら自体が含有する可能性のある物質間容積又は物質内の空隙に起因するいかなる容積も含まない。「物質内の空隙容積」は、物質粒子及び/又は繊維が特定の空間を占めた時に、典型的及び自然に発生する物質粒子及び/又は繊維間の空隙の累積体積である。「乾燥原体マトリックス容積」は、乾燥量を基準として正味マトリックス容積と物質内空隙容積を合わせたものに等しい。本発明に関しては、吸収性材料は乾燥原体マトリックス容積の約50体積%〜100体積%、より好ましくは75体積%〜95体積%であることが好ましい。スペーサーは、乾燥原体マトリックス容積の1体積%〜50体積%、より好ましくは5体積%〜25体積%であることが好ましい。任意の高表面積物質は、乾燥原体マトリックス容積の1体積%〜50体積%、より好ましくは5体積%〜25体積%であることが好ましい。
ゲル物質、スペーサー、及び任意選択的に高表面積物質を、シート又はフィルム又は膜などの繊維構造、織布又は不織布に形成することができ、また異なる方法で構成することができる。シート形体は用途に応じて、一般には4つの一般外形、すなわち、管、中空繊維、プレート、及びフレームユニット、並びにスパイラル形モジュールを含み、そのすべてが本発明の範囲内にある。
本発明のこうした繊維構造上の吸水剤の積載密度は、吸水剤約50g/繊維構造1平方メートルから吸水剤約2000g/繊維構造1平方メートルまでの範囲であってよい。
管はおそらく最も単純な形体で、この場合シートが多孔質支持管の内壁上に貼りつけられる。しかしながら、管形体は、多孔質支持管自体が主要費用要因であるために非常に費用がかかる可能性がある。
中空繊維は、理論上は「有害」効力及び高額な多孔質支持管がない理想的なシート形体である。こうした繊維は、内部が加圧され、「細流路」による含水流体の流体処理を可能にすることができる。しかしながら、中空繊維の最大の欠点は、中空繊維の内孔を下る直交流速度を制限する圧力拘束である。加えて、中空糸形体は他の3つの形体よりも汚れ及び目詰まりを起こしやすい。しかし、直径の大きな繊維が汚れ抵抗性を改善するため、普及してきている。幸い、中空繊維は逆洗浄で容易に浄化でき、これが汚れやすい性質を補う傾向がある。対照的に、管;プレート及びフレームユニット;並びにスパイラル形モジュールは、薄膜の層間剥離及びグルーラインのシール破裂の問題により、逆洗浄は推奨されない。
プレート及びフレームユニットのフラットシートは汎用性を最大にするが、費用も最もかかる。
スパイラル形モジュールは本来は逆浸透用に開発されたが、シート面積単位当たりの費用の点で最も安価で入手可能な限外濾過モジュールの1つを提供することによって、限外濾過市場で大きなシェアを獲得しつつある。スパイラル形ユニットは洗浄のために開放することができず、大部分はオートクレーブ処理できない。汚れやすい性質に関しては、スパイラル形ユニットは中空繊維と管(並びにより高額なプレートとフレームユニット)の間である。
ゲル物質もまた繊維構造又はスペーサー物質上に直接に付着することができる。これは、最初に10〜100%の水溶性不飽和モノマーを含有するモノマーの水溶液を繊維構造又はスペーサー物質上に適用し、次に前記モノマーを重合することにより達成できる。
繊維構造の厚さは、一般に0.01〜10mm、好ましくは0.1〜5mmの範囲である。不織布繊維は、5〜1000g/m、好ましくは10〜300g/mの範囲の坪量を有することが望ましい。
(本発明の方法)
本発明は、流体を精製する数種類の既知の方法と必要に応じて組み合わせることができる。これらの方法で、水−親油性流体分離操作の補助のための使用、及び/又は使用後の親油性流体からの不純物除去のための使用が可能である。
蒸留は、液体を容器内で加熱することによって当該液体から蒸気を発生させた後、当該蒸気を凝縮し、それを別の容器に収集する方法である。利用可能な蒸留方法の種類は、単、分別、水蒸気、不混和溶媒、共沸、抽出、減圧、分子、添加溶剤昇華、及び凍結乾燥である。
抽出は、ある液体から別の不混和液体へ、又は固体から液体への1つ又は複数の化合物の選択的移動である。前者の方法は液−液抽出と呼ばれ、2つの構成成分が直接分離されないことから、間接的分離である。異物、不混和流体は第二相をもたらすように導かれる。
「デカンテーション」及び「密度勾配」は重力型の分離方法である。「デカンタ」は、重力を用いて流れを連続的に2つの液相に分離するために使用される容器として定義される。ストークスの法則を用いて、連続相中の液滴の沈殿速度を導き出し、それに従ってデカンタを設計することができる。
イオン交換は、化合物中の1種類のイオンが同じ種類の異なるイオン、つまり陽イオンは別の陽イオン、及び陰イオンは別の陰イオンに交換される方法である。一般的には、イオン交換樹脂を使用して交換が実施される。すべてのイオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂又は陰イオン交換樹脂、強くイオン化されているか弱くイオン化されているか、ゲル又はマクロ孔質、球状又は顆粒状のいずれであっても、固溶体として考えられることができる。実際には、観察されるすべてのイオン交換挙動は、2つの溶液相間での構成成分の分布に基づいて理論的に説明でき、溶液相の1つは固相に限定される。構成成分の移動は相間の界面を横切って起こり、界面はビード又は顆粒の表面である。イオン交換樹脂の内部層には、4つの必要な構成成分が含有される。前記構成成分には、3次元高分子網状組織、前記網状組織に永久的に付着するイオン性官能基、対イオン、及び溶媒が挙げられる。特定の条件下では、第二の溶媒、対イオン、及び非イオン溶液などの他の構成成分が樹脂内部に存在してもよい。
吸着、例えば活性炭は、流体の分離には重要な単位操作であり、吸着性材料の表面で起こる表面現象を利用する。吸着は、固体表面に付随するエネルギーが分子性種又はイオン性種を流体から固体へ引きつけた時に起きる。吸着された物質は1個〜数個の分子の深さで表面上に層を形成することができる。表面の量及び特性並びに表面での環境条件は、吸着を制御する。多数の高度多孔質固体は、湿潤溶媒混合物によって接触された時に水を優先的に吸着し、極めて低い濃度まで水を除去することができる。前記固体はワンス・スルーで使用することができるが、加熱によって再生することができる。モレキュラーシーブは一般的に使用されているが、イオン交換樹脂型の有機吸着剤は魅力的な代替法である。
クロマトグラフィーは、表面への吸着又は流体の薄膜への溶解における化合物間の差に基づく多段階分別法である。より一般的なクロマトグラフィーの種類は、ペーパー、薄層、高速、ガス、及びゲル浸透である。クロマトグラフィー分離中に作用する2つの主要機構は、置換と分配である。
透析は、溶質濃度の膜内外勾配の結果として生じる、薄膜を通じた溶質の移動である。透析は、溶媒濃度の膜内外勾配の結果として生じる、薄膜を通じた溶媒の移動である浸透に伴う。透析での溶質移動の方向は、浸透での溶媒移動の方向と反対である。透析は、濃度勾配によって駆動される半透膜の通過を介して低分子量溶質分子又はイオンを溶液から除去する際に有効である。
電気透析は、電気的駆動力によって電解質が溶液及び膜のシステムを通じて移動する方法である。本明細書で使用される、電気透析という用語は、イオン交換膜を備える多室電気透析を指す。電気透析には、電解、濃度希釈、イオン置換、及び逆転の4つのバリエーションがある。
ダイアフィルトレーションは、微細種の除去速度が濃度に依存せず、単に交換又は透析される体積を基準にした限外濾過速度(膜面積)の関数であるという点で従来の透析と異なる。新鮮な溶媒を繰り返し又は連続的に添加することで、塩及びその他の微細種が効率的且つ迅速に洗い流され又は交換される。
固体は、溶媒を受け入れないが水を吸着するように設計することができる。同様に、膜は水を通過し溶媒を保持する、又はその逆に設計することができる。溶媒−水混合物からの水除去への浸透気化の使用は、親水性膜の使用を必要とする。好ましい膜は、オスモニックJX(Osmonic JX)(商品名)のようなポリフッ化ビニリデン膜、AGより供給されるポリスルホン中空糸膜、及びワットマン(Whatman)より供給されるシラン処理セルロースフィルターである。水からの溶媒除去は、水を排除するが、親油性である膜を使用する点を除いて同じである。
結晶化は、蒸気、融解生成物、又は溶液からの結晶生成方法で、沈殿は、通常極めて高水準の過飽和、一次核生成、及び低溶解度を示す点で区別される。
遠心分離は、密度の差に基づいて物質を分離する手法で、その分離速度は大きな回転力を加えることで増幅される。前記の力は遠心力と呼ばれ、回転力を提供する装置は遠心分離器と呼ばれる。
遠心濾過は、主に流体から固体を除去するために使用される。具体的には、低固体含有液体が、光学的に透明な溶液になるように濾過される。カートリッジは、円筒形の形体で、ひだ有り又はひだ無し、使い捨て又は洗浄可能の濾材である。この濾材は、通常はプラスチック又は金属製のハードウエアに一体化して接合されている。
沈降は、重力沈殿を介した流体の流れからの懸濁固体粒子の分離である。沈降はまた、沈殿速度の差に基づいて固体粒子を分離するためにも使用できる。
エアストリッピングは、廃水から多数の有機溶媒を、水を放出できる濃度にまで除去できる方法である。この方法は、特に水への溶解度が低い溶媒又は水に比べて揮発性が高い溶媒に適用される。
乾燥剤での乾燥では、過湿溶媒を、水を引き抜いて第二相を形成するのに適した固体、通常は電解質に接触させることを含む。次いで、他の手段(例えばデカンテーション)によって第二相から水を除去することができる。
化学品添加では、pH、イオン強度などの流体の物理化学的特性の少なくとも1つを変えるために化学品を添加する。こうした化学品の例には、塩、酸、塩基、凝固剤、及び凝集剤が挙げられる。
酵素、微生物、又は細菌の添加では、酵素、微生物、又は細菌を廃水の流れに添加して、流れから有機汚染物質を除去する。
温度変更は、二成分混合物の分離を強め、混合物の冷却及び/又は加熱の両方を含むことができる。混合物の温度の上昇が合体を促進するのに対し、冷却は構成成分の1つの結晶化又は凍結を促進する。
静電合体では、1つの相が連続相であって、もう1つの相が不連続相である2つの互いに不溶性の相(例えば親油性流体と水)を含有するエマルションを、電界にさらし、2つの相の密度差に基づいて、エマルションから液滴が沈下するのに十分な大きさの液滴サイズになるように不連続相の合体に作用する。この方法を実施するには、2つの相は誘電定数及び密度に少なくともわずかな差がなければならない。電気的合体は既知の方法であり、ジャルビス(Jarvis)らへの米国特許第3,207,686号;ターナー(Turner)への第3,342,720号;プレストリッジ(Prestridge)への第3,772,180号;プレストリッジ(Prestridge)への第3,939,395号;ホジソン(Hodgson)への第4,056,451号;プレストリッジ(Prestridge)への第4,126,537号;プレストリッジ(Prestridge)への第4,308,127号;及びガッティ(Gatti)らへの第5,861,089号に記載されている。
吸収は、エマルションを、当該エマルションの少なくとも1つの構成成分を「吸収する」物質にさらすことを必要とする。吸収性材料は、吸着とは対照的に、主に表面現象である体積変化(膨張又は収縮のいずれか)を典型的に受ける。1つの例では、吸収性ポリマーを使用して、溶媒−水エマルションから水を除去することができる。
(方法)
本発明は、少なくとも水及び親油性流体から成るエマルションに含有される親油性流体の処理方法を対象とする。本方法は、エマルションの前処理工程と、エマルションからの親油性流体の回収工程と、親油性流体の精製の工程とを含む。本方法は更に、布地を親油性流体及び水にさらす第一の工程と、エマルション形態における親油性流体及び水を回収する工程とを含む。本方法は、親油性流体の少なくとも一部分及び水の少なくとも一部分を混合して、布地を水にさらす前にエマルションを形成する混合工程を任意に含んでもよい。乳化剤をも混合工程中に加えてよい。
乳化剤を含有する場合、エマルションは約10重量%までの乳化剤を含有してよい。親油性流体と水のエマルションは、エマルションの重量において、約1/98.9/0.1〜約40/55/5の比で、水/親油性流体/乳化剤を有することが好ましい。最後に、「補助剤成分」の項で論じられるように、乳化剤は界面活性剤としての役割を果たすこともできる。
親油性流体は、直鎖シロキサン、環状シロキサン、及びこれらのシロキサン類の混合物を含むことが好ましい。これらのシロキサン類は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、及びこれらのシロキサンの混合物から成る群から選択されることがより好ましい。親油性流体がデカメチルシクロペンタシロキサンを含有する場合が、更に一層好ましい。最後に、親油性流体がデカメチルシクロペンタシロキサンを含有するが、オクタメチルシクロテトラシロキサンを実質上含有しない場合が、最も好ましい。
本発明の「回収」工程は、数種類の方法で実施してもよい。親油性流体及び水を含む布地負荷(布地ロード:fabricload)を回転させることは、従来の洗濯分野で周知である。処理した布地を絞る又はねじる又は圧搾することも、布地及び布地物品から流体を抽出するための周知の機械的方法である。蒸発も、親油性流体及び水の回収及び/又は布地負荷の乾燥のために採用してもよい。布地負荷、親油性流体及び水の加熱又はその他の周知の蒸発手段でこれを実施してもよい。蒸発及び蒸発の均一性を促進するために、回転及び/又はタンブリングを加熱と組み合わせてもよい。この方法が採用される場合、親油性流体及び水の連続的な凝縮と、それに続く回収及び精製工程を必要とする。
「前処理」工程は、多数の従来の方法によって実行できる。前処理方法の非限定的な例には、沈降分離、遠心分離、サイクロン方式(cyclonic action exposure)、デカンテーション、濾過、化学薬品添加、及び温度調製が挙げられる。前処理には、上述の方法の組み合わせも同様に含まれる。
濾過を実行する場合、親油性流体と水エマルションを、約25ミクロン以上の粒子及び粒子凝集体が除去されるように、好ましくは約15ミクロン以上の粒子及び粒子凝集体が除去されるように、更に好ましくは約10ミクロン以上の粒子及び粒子凝集体が除去されるように、一層好ましくは約5ミクロン以上の粒子及び粒子凝集体が除去されるように、更に一層好ましくは約1ミクロン以上の粒子及び粒子凝集体が除去されるように、粒子状物質フィルターに通すことが望ましい。別の前処理として活性炭に親油性流体と水エマルションをさらすのは、更に可能である。
「回収」工程は、同様に種々の周知の方法で実行できる。回収方法の非限定的な例には、機械的な凝集、電気的な凝集、化学薬品添加、膜濾過、温度変更、エアストリッピング、微生物添加、吸収性材料暴露、遠心分離、蒸留、吸着、吸収、結晶化、沈殿、ダイアフィルトレーション、電気分解、抽出、pH変更、及びイオン強度変更が挙げられる。吸着を実行するのに対して多くの可能なものの1つに、エマルションを活性炭にさらすことである。回収のレジメンには、同様に上述の方法の組み合わせを含むことができる。
「精製」工程は、多数の方法によって実行できる。非限定的な例には、膜濾過、蒸留、析出、ストリッピング、酵素添加、イオン交換、乾燥剤乾燥、クロマトグラフィー、及び吸着が挙げられる。精製のレジメンには、同様に上述の方法の組み合わせを含むことができる。
本発明は、親油性流体及び親油性流体蒸気の精製方法を対象とする。本発明は、親油性流体蒸気及び水と親油性流体とを含有する第一エマルションを回収する工程を含む。次に、親油性流体蒸気を、凝縮親油性流体蒸気を形成するために凝縮する。凝縮親油性流体蒸気を、第二エマルションを形成するために第一エマルションと組み合わせる。次いで、第二エマルションを、上述のように前処理することができる。前処理後、親油性流体及び凝縮親油性流体蒸気を、上述と同様の方法で第二エマルションから回収することができる。エマルションからの回収後、親油性流体及び凝縮親油性流体蒸気を、上述の方法に従って精製する。第一の実施形態として、この工程は布地に親油性流体及び水を最初にさらし、次いで第一エマルションの形態での親油性流体及び水の回収の工程を任意に含むこともできる。この工程は、布地にさらす前に、第一エマルションを形成するために親油性流体の少なくとも一部分及び水の少なくとも一部分を混合する場合において、混合工程を任意に含むことができる。乳化剤も混合工程中に添加することができる。
以上に論じられたいかなる組成物又はエマルションは、酵素、漂白剤、界面活性剤、布地柔軟剤、香料、抗菌剤、静電気防止剤、光沢剤、染料固着剤、染料磨耗阻害物質、クロッキング防止剤、しわ低下剤、防しわ剤、汚れ放出ポリマー、日焼け止め剤、退色防止剤、ビルダー、起泡剤、組成物悪臭防止剤、組成物着色剤、pH緩衝剤、防水剤、防汚剤、及びこれらの補助剤の混合物を含むがこれらに限定されない前述の「補助剤成分」の項から選択された補助剤成分を更に含有してもよい。
本発明の方法及びシステムは、ドライクリーニングサービス、おむつサービス、制服クリーニングサービスのようなサービス、又はコインランドリ−(Laundromat)、ドライクリーニング店、ホテル、レストラン、コンベンションセンター、空港、観光船、港湾施設、カジノの一部のリネンサービスのような事業で使用してもよく、又は家庭で使用してもよい。
本発明の方法は、水性洗浄のような従来の方法に加えて本発明の工程を実行するような方式において、既存の装置を変更し、及び改善した装置で実行してもよい。
本発明の方法は、改造された既存装置ではなく本発明を実施するような方法で専用に作られた装置で実施してもよく、又は親油性流体処理システムの一部として別の装置に追加してもよい。このことは、化学物質及び水の供給、及び廃液洗浄流体の下水設備への接続のような付随するあらゆる配管を含む。
本発明のシステムは、既存の装置を変更するのではなく、本発明及び水性洗浄のような従来の工程を実行することができるような方式において、特に作られた装置において使用されてもよい。
「二重型」機能が可能である装置においても本発明の方法を実行してもよい。「二重型」の装置とは、同一ドラムの中で布地の洗濯及び乾燥の両方が可能であるものを示す。このような装置は特に欧州で市販されている。
本発明を実行するのに用いられる装置は、通常ある種の制御システムを含有する。これらには、いわゆるスマート制御システム、並びにより従来の電気機械システムのような電気システムが挙げられる。制御システムによってユーザが洗浄する布地負荷の大きさ、汚れの種類、汚れの程度、洗浄サイクルの時間を選択することが可能になる。別の方法として、ユーザは予め設定した洗浄サイクル及び/又はリフレッシュサイクルを利用することができ、又は装置は、確認可能な任意の数のパラメータに基づいてサイクルの長さを制御することができる。このことは、電気制御システムについて特にあてはまる。例えば、親油性流体の回収率が定常の率に達した時、装置は定められた時間の後で自動的に停止するか、又は別の親油性流体の工程方法を開始することができる。
電気制御システムの場合、選択肢の1つは制御デバイスをいわゆる「スマートデバイス」にすることである。これは、自己診断システム、負荷の種類及びサイクル選択、機械をインターネットに接続して使用者が装置を遠隔的に始動させ、装置が布地物品を洗浄したら知らせること、又は装置が故障した場合、供給元が遠隔的に問題を診断することを含むが、これに限定されないことを意味する。更に、本発明のシステムが洗浄システムの一部だけの場合、いわゆる「スマートシステム」は、洗濯機及び乾燥機のような、残りの洗浄方法を完了するために使用される他の洗浄デバイスに連絡することができる。

Claims (11)

  1. 水及び親油性流体を含むエマルションに含有され前記親油性流体の処理方法であって、前記方法は、
    a.前記エマルションの前処理工程、但し、該前処理工程は、沈降分離、遠心分離、サ
    イクロン作用の暴露、デカンテーション、濾過、温度変更、液体の少なくとも一つ
    の物理化学的特性を変えるための化学薬品添加、及びこれらの組み合わせから成る
    群から選択される;
    b.前記エマルションからの前記親油性流体の回収工程;及び
    c.膜濾過法による前記親油性流体の精製工程、但し、該膜濾過法は、ポリフッ化ビニ
    リデン膜、ポリスルホン中空繊維膜又はシラン処理セルロース膜を含む;
    を含む方法であって、前記親油性流体は、直鎖シロキサン、環状シロキサン、又はこれらの混合物を含む、上記方法。
  2. 前記前処理工程が、1ミクロン以上の粒子及び粒子集合体を除去するように、前記エマルションをフィルターに通すことを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記回収工程が、機械的な凝集、電気的な凝集、液体の少なくとも一つの物理化学的特性を変えるための化学薬品添加、膜濾過、温度変更、エアストリッピング、微生物添加、吸収性材料暴露、遠心分離、蒸留、吸着、吸収、結晶化、沈殿、ダイアフィルトレーション、電気分解、抽出、pH変更、イオン強度変更、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 回収工程が、前記エマルションを活性炭にさらすことを含む吸着である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記エマルションが、該エマルションの10重量%までの乳化剤を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記エマルションが、前記エマルションの重量において、1/98.9/0.1〜40/55/5の比で、水/親油性流体と凝縮親油性流体蒸気を合わせたもの/乳化剤、を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記乳化剤が界面活性剤を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記親油性流体が、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロペンタシロキサン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記親油性流体が、デカメチルシクロペンタシロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記親油性流体が、デカメチルシクロペンタシロキサンを含むが、オクタメチルシクロテトラシロキサンを含まない、請求項1に記載の方法。
  11. 親油性流体及び親油性流体蒸気の精製方法であって、前記方法は、
    a.前記親油性流体蒸気と水及び前記親油性流体を含有する第一エマルションの回収工
    程;
    b.凝縮された親油性流体蒸気を形成するための前記親油性流体蒸気の凝縮工程;
    c.第二エマルションを形成するための凝縮された親油性流体蒸気と第一エマルション
    の結合工程;
    d.第二エマルションの前処理工程、該前処理工程は、沈降分離、遠心分離、サイクロ
    ン作用の暴露、デカンテーション、濾過、温度変更、液体の少なくとも一つの物理
    化学的特性を変えるための化学薬品添加、及びこれらの組み合わせから成る群から
    選択される;
    e.第二エマルションからの前記親油性流体及び前記凝縮親油性流体蒸気の回収工程;
    及び
    f.膜濾過法による親油性流体及び前記凝縮親油性流体蒸気の精製工程、但し、該膜濾
    過法は、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリスルホン中空繊維膜又はシラン処理セルロ
    ース膜を含む;
    を含む方法であって、前記親油性流体は、直鎖シロキサン、環状シロキサン、又はこれらの混合物を含む、上記方法。
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