JP4301542B2 - コンクリート廃材利用蓄熱システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物におけるコンクリート廃材利用蓄熱システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物の床下地中や二重スラブ内に構成した蓄熱槽内に土や砂利やコンクリート廃材等の蓄熱材を充填した構成とし、太陽熱集熱器等で温度が上昇した空気を蓄熱槽内に導入して蓄熱材の蓄熱を行うと共に、熱が必要な時間帯に外気や室内空気等の温度が低い空気を蓄熱槽内に導入して蓄熱材と熱交換させ、温度が上昇した空気を蓄熱槽内から導出して室内に導いて室内暖房に供する蓄熱システムが従来から提案されている。例えば実願昭60−155910号(実開昭62−63622号)のマイクロフィルムを参照のこと。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように蓄熱槽内を通して蓄熱材と熱交換させた空気を室内に供給するものでは、槽内に雑菌や水が入り込むことにより発生する悪臭や、蓄熱材からの塵埃が室内に供給されてしまうので、これを防ぐためには、槽内に湧水が入らないようにしたり、槽内を常に清潔にするために、防水する必要があり、施工の手間がかかる。また槽内で結露水が発生しないように、槽内に導入する空気の温湿度や槽内の温度を制限しなければならない。
【0004】
また蓄熱槽の蓄熱容量を最大にするためには、熱媒としての空気を槽内に比較的均一に通す必要があり、導入口や導出口の位置が制約されたり、同じような大きさの蓄熱材を均一に配置したり、ダクトを設置する等の対策が必要であり、煩雑であると共に、システムが高価になり、実用的でなくなる。
本発明は以上のような課題を解決することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、まず請求項1の発明では、建築物の床の下方に構成した蓄熱槽内に、蓄熱材としてコンクリート廃材塊を充填し、蓄熱槽の一端側に空気導入部、他端側に空気導出部を配置すると共に、蓄熱槽の上部に散水ノズルを設け、底部に排水ピットを設けると共に、排水ピット内の水を排水する排水機構を構成し、蓄熱槽の上壁は建築物の床スラブにより構成して、その上側に居室を構成し、床スラブを通しての伝熱により居室内に放熱可能に構成すると共に、前記空気導入部は、導入口を蓄熱槽の複数の高さに配置して、蓄熱槽内に空気を導入する高さを切換可能に構成したコンクリート廃材利用蓄熱システムを提案する。
【0013】
請求項1の発明によれば、蓄熱時においては、暖房期では太陽熱集熱器等で温度が上昇した空気等、また冷房期では夜間の外気やクールチューブを通して冷却した空気等を空気導入部から蓄熱槽内に導入して、蓄熱材としてのコンクリート廃材塊と熱交換して、コンクリート廃材塊に蓄熱(冷熱を含む)を行った後、空気導出部を経て蓄熱槽から導出して外部に放出する。
【0014】
放熱時には、外気又は室内空気を空気導入部から蓄熱槽内に導入して、蓄熱材としてのコンクリート廃材塊と熱交換した後、空気導出部を経て蓄熱槽から導出し、直接的に、または適宜の空調機の熱交換部を経て室内に供給する。
【0015】
この発明では、散水ノズルからの洗浄水によってコンクリート廃材塊や塊状物の表面を洗浄することができ、洗浄を行った水は排水ピットから排水機構により蓄熱槽内から排出することができる。
【0016】
従って蓄熱槽の施工直後にコンクリート廃材塊の表面に付着している塵埃や、使用中に蓄熱槽内に発生した雑菌や塵埃を洗浄することができる。この場合、洗浄水は通常の水の他、消毒水を使用することができる。
【0022】
発明では、蓄熱槽内のコンクリート廃材塊に蓄熱された熱を床スラブを通しての伝熱により直接的に居室内に放熱することができる。
【0023】
そして発明では、蓄熱槽内に空気を導入する高さを切換えることにより、空気の流通経路を調節することができる。即ち、蓄熱槽の高い位置の空気導入部から空気を導入して、主として上部のコンクリート廃材塊に蓄熱を行うことにより、短時間の間で、床スラブを通しての伝熱により居室内に放熱を行うことができると共に、蓄熱槽の低い位置の空気導入部から空気を導入して、主として下部のコンクリート廃材塊に蓄熱を行うことにより、床スラブを通しての居室内への放熱を長時間を掛けて行うことができ、こうして放熱時間のコントロールを行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1は本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための第1の実施の形態の要部を示す説明的断面図である。
図において符号1は蓄熱槽であり、この蓄熱槽1の上壁2は建築物の床スラブにより構成しており、この床スラブ2の上側に居室3が構成されている。蓄熱槽1の一端側には空気導入部を構成する空気導入ダクト4、他端側には空気導出部としての空気導出ダクト5が配置されており、導入口4a,4bを蓄熱槽1の複数の高さに配置して切換可能に構成している。この実施の形態では、導入口4a,4bは、高低2位置に配置しており、図示を省略している切換ダンパ機構により、蓄熱槽1内に空気を導入する導入口4a,4bを選択する構成としている。尚、切換ダンパ機構は両方の導入口4a,4bから空気を導入するように動作可能な構成とすることもできる。また図示は省略しているが、少なくとも空気導出ダクト5側の適所には、空気を蓄熱槽内を経て流すための吸引ファンを設けている。
【0025】
蓄熱槽1内には蓄熱材としてのコンクリート廃材塊6を主として充填すると共に、空気導出ダクト5側の一部に、温度以外の空気調和の機能を有する塊状物7(7a,7b)を充填している。一般に、空気調和とは、空気の温度、湿度、気流、塵埃、バクテリア、臭気、有毒ガス等の条件を室内の人間又は物品に対して最も良好な条件に保つことをいうものであり、本発明における塊状物7は、温度以外のこのような空気調和の機能を有するものである。
【0026】
図1中の右下がりハッチングを付し、コンクリート廃材塊6と隣接させて充填している塊状物7aは大谷石等の多孔質の岩石であり、この塊状物7aは温度以外の空気調和の機能として、湿度調整及び塵埃除去機能を有する。また図1中の点ハッチングを付し、塊状物7aに隣接させて最も空気導出ダクト5側に充填している塊状物7bは活性炭であり、この塊状物7bは温度以外の空気調和の機能として脱臭機能を有する。塊状物7の他の例として、多孔質の塊等に殺菌又は滅菌剤を充填させたものを使用することができる。
【0027】
この実施の形態では、図1に示すように、塊状物7aの大きさはコンクリート廃材塊6と同程度としているが、塊状物7bはそれらよりも小さく構成しており、このように塊状物7の大きさを空気導出ダクト5側に向かって次第に小さく構成することにより、大きな塵埃は大きな塊状物7間に捕捉し、小さな塵埃を小さな塊状物7間に捕捉することになるので、塵埃の除去と、湿度調整や脱臭等の空気調和を効率的に行うことができる。
【0028】
以上の構成において、空調を行わない時間帯においては、暖房期では太陽熱集熱器等で温度が上昇した空気、また冷房期では夜間の外気やクールチューブを通して冷却した空気、あるいは夜間電力で運転するヒートポンプを用いて発生させた空気等の蓄熱動作用の空気を、空気導入ダクト4から蓄熱槽1内に導入して、コンクリート廃材塊6間の隙間と塊状物7の間の隙間を流した後、空気導出ダクト5から蓄熱槽1の外部に導出する。空気導入ダクト4から導入された空気は蓄熱槽1内のコンクリート廃材塊6間の隙間を流れる際に熱交換して、コンクリート廃材塊6に蓄熱(冷熱を含む)を行う。このような蓄熱動作は、空調を行わない時間帯の間中、またはその時間帯内の所定時間だけ行って停止する。
【0029】
このようにして蓄熱槽1内のコンクリート廃材塊6に蓄えられた熱は、空調時間帯において、床スラブ2を通しての伝熱により、徐々に上側の居室3に放熱されて冷暖房に供される。
【0030】
そして、空調時間帯において、外気又は室内空気を、空気導入ダクト4から蓄熱槽1内に導入し、コンクリート廃材塊6間の隙間と塊状物7間の隙間を流れた後、空気導出ダクト5から蓄熱槽1の外部に導出し、直接に、又は空調機の熱交換器を経て居室3に供給して冷暖房に供することができる。
【0031】
即ち、空気導入ダクト4から導入された空気は、蓄熱槽1内のコンクリート廃材塊6間の隙間を流れる際にコンクリート廃材塊6と熱交換して、暖房期においては加温され、また冷房期には冷却された後、塊状物7間の隙間を通る際、塊状物7aを構成する多孔質の岩石により湿度調整と塵埃除去が行われた後、塊状物7bを構成する活性炭により脱臭が行われる。
【0032】
このように蓄熱槽1内を通って居室3内に供給される空気は、コンクリート廃材塊6との熱交換により温度の点での空気調和が行われるばかりでなく、塊状物7により、上述した湿度調整、塵埃除去及び脱臭という、温度以外の点での空気調和が行われ、空調空気として質の高い空気を居室3内に供給することができる。こうしてコンクリート廃材塊6を蓄熱材として使用することによる塵埃や、蓄熱槽1に雑菌や水が入り込むことにより発生する悪臭が居室3内に供給されてしまうことを防止することができる。
【0033】
次に図2は本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための第2の実施の形態の要部を示す説明的断面図である。
図において符号11は蓄熱槽であり、この蓄熱槽11の上壁12は建築物の床スラブにより構成しており、この床スラブ12の上側に居室13が構成されている。蓄熱槽11の一端側には空気導入部を構成する空気導入ダクト14、他端側には空気導出部を構成する空気導出ダクト15が配置されている。そして蓄熱槽11内には蓄熱材としてのコンクリート廃材塊16を充填すると共に、複数の短パイプ18を分散配置している。この短パイプ18を分散配置する方向は三次元方向であり、その軸の向きを適宜に設定することができる。尚、図示は省略しているが、空気を蓄熱槽11内を通して流すために、空気導出ダクト15側等の適所にはファンを設けている。
【0034】
以上の構成において、空調を行わない時間帯においては、暖房期では太陽熱集熱器等で温度が上昇した空気、また冷房期では夜間の外気やクールチューブを通して冷却した空気、あるいは夜間電力で運転するヒートポンプを用いて発生させた空気等の蓄熱動作用の空気を、空気導入ダクト14から蓄熱槽11内に導入して、コンクリート廃材塊16間の隙間を流した後、空気導出ダクト15から蓄熱槽11の外部に導出する。空気導入ダクト14から導入された空気は蓄熱槽11内のコンクリート廃材塊16間の隙間を流れる際に熱交換して、コンクリート廃材塊16に蓄熱(冷熱を含む)を行う。
【0035】
このようにして蓄熱槽11内のコンクリート廃材塊16に蓄えられた熱は、空調時間帯において、床スラブ12を通しての伝熱により、徐々に上側の居室13に放熱されて冷暖房に供される。
【0036】
そして、空調時間帯において、外気又は室内空気を、空気導入ダクト14から蓄熱槽11内に導入し、コンクリート廃材塊16間の隙間を流れた後、空気導出ダクト15から蓄熱槽11の外部に導出し、直接に、又は空調機の熱交換器を経て居室13に供給して冷暖房に供することができる。
【0037】
以上の動作において、この第2の実施の形態においては、蓄熱槽11内にコンクリート廃材塊16と共に複数の短パイプ18を分散配置しているので、この短パイプ18による空気流通の良好な個所が分散配置され、このため蓄熱槽11内の空気流通を均一化することができ、このことからデッドスペースが生じず、蓄熱槽11内のコンクリート廃材塊16による蓄熱と放熱を効率的に行うことができる。
【0038】
この第2の実施の形態の変形例として、蓄熱槽11内には第1の実施の形態と同様にコンクリート廃材塊16に加えて、温度以外の空気調和の機能を有する塊状物を充填することができるし、また空気導入ダクト14は、導入口を蓄熱槽11の複数の高さに配置して切換可能に構成することもできる。
【0039】
次に図3は本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための第3の実施の形態の要部を示す説明的断面図である。
図において符号21は蓄熱槽であり、この蓄熱槽21の上壁22は建築物の床スラブにより構成しており、この床スラブ22の上側に居室23が構成されている。蓄熱槽21の一端側には空気導入部を構成する空気導入ダクト24、他端側には空気導出部を構成する空気導出ダクト25が配置されている。空気導入ダクト24は、導入口24a,24bを蓄熱槽1の高低2位置に配置して切換可能に構成している。尚、図示は省略しているが、このように空気を蓄熱槽21内を通して流すために、空気導出ダクト25側等の適所にはファンを設けている。
【0040】
蓄熱槽21内には蓄熱材としてのコンクリート廃材塊26を主として充填すると共に、空気導出ダクト25側の一部に、温度以外の空気調和の機能を有する塊状物27(27a,27b)を充填している。即ち、図3中の右下がりハッチングを付し、コンクリート廃材塊26と隣接させて充填している塊状物27aは湿度調整及び塵埃除去機能を有する大谷石等の多孔質の岩石であり、またこの塊状物27aに隣接させて最も空気導出ダクト25側に充填している塊状物27bは脱臭機能を有する活性炭であり、この大きさは塊状物27aよりも小さく構成している。これらの塊状物27に加えて、多孔質の塊等に殺菌又は滅菌剤を充填させたものを使用することもできる。
【0041】
以上の構成に加えて、この第3の実施の形態では、蓄熱槽21の上部に散水ノズル28を設け、底部に排水ピット29を設けると共に、排水ピット29内の水を排水する排水機構30を構成している。また蓄熱槽21の底部は、排水ピット29に向かって適宜傾斜させている。
【0042】
以上の構成において、空調を行わない時間帯においては、暖房期では太陽熱集熱器等で温度が上昇した空気、また冷房期では夜間の外気やクールチューブを通して冷却した空気、あるいは夜間電力で運転するヒートポンプを用いて発生させた空気等の蓄熱動作用の空気を、空気導入ダクト24から蓄熱槽21内に導入して、コンクリート廃材塊26間の隙間と塊状物27の間の隙間を流した後、空気導出ダクト25から蓄熱槽21の外部に導出する。空気導入ダクト24から導入された空気は蓄熱槽21内のコンクリート廃材塊26間の隙間を流れる際に熱交換して、コンクリート廃材塊26に蓄熱(冷熱を含む)を行うことができる。
【0043】
このようにして蓄熱槽21内のコンクリート廃材塊26に蓄えられた熱は、空調時間帯において、床スラブ22を通しての伝熱により、徐々に上側の居室23に放熱されて冷暖房に供される。
【0044】
そして、空調時間帯において、外気又は室内空気を、空気導入ダクト24から蓄熱槽21内に導入し、コンクリート廃材塊26間の隙間と塊状物27間の隙間を流れた後、空気導出ダクト25から蓄熱槽21の外部に導出し、直接に、又は空調機の熱交換器を経て居室23に供給して冷暖房に供することができる。
【0045】
即ち、空気導入ダクト24から導入された空気は、蓄熱槽21内のコンクリート廃材塊16間の隙間を流れる際にコンクリート廃材塊16と熱交換して、暖房期においては加温され、また冷房期には冷却された後、塊状物27間の隙間を通る際、塊状物27aを構成する多孔質の岩石により湿度調整と塵埃除去が行われた後、塊状物27bを構成する活性炭により脱臭が行われる。
【0046】
このように蓄熱槽21内を通って居室23内に供給される空気は、コンクリート廃材塊26との熱交換により温度の点での空気調和が行われるばかりでなく、塊状物27により、上述した湿度調整、塵埃除去及び脱臭という、温度以外の点での空気調和が行われ、空調空気として質の高い空気を居室23内に供給することができる。こうしてコンクリート廃材塊26を蓄熱材として使用することによる塵埃や、蓄熱槽21に雑菌や水が入り込むことにより発生する悪臭が居室23内に供給されてしまうことを防止することができる。
【0047】
特に、この第3の実施の形態では、蓄熱槽21の上部に設けた散水ノズル28から洗浄水を散水し、この洗浄水によってコンクリート廃材塊26や塊状物27の表面を洗浄することができ、そして洗浄を行った水を排水ピット29から排水機構30により蓄熱槽21内から排出することができる。
【0048】
従って蓄熱槽21の施工直後にコンクリート廃材塊26の表面に付着している塵埃や、使用中に蓄熱槽21内に発生した雑菌や塵埃を洗浄することができ、このことから、上述した塊状物27が有する湿度調整、塵埃除去及び脱臭機能と相俟って、空調空気として非常に質の高い空気を居室23内に供給することができる。この場合、洗浄水は通常の水の他、消毒水を使用することができる。
【0049】
この第3の実施の形態の変形例として、蓄熱槽11内には第2の実施の形態と同様に温度以外の空気調和の機能を有する塊状物の充填を省略することができるし、また空気導入ダクト24は空気を導入する位置が固定されているように構成することもできる。
【0050】
次に図4は本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための全体構成の実施の形態を示す説明的断面図である。
図において符号31は蓄熱槽であり、この蓄熱槽31の上壁32は建築物の床スラブにより構成しており、この床スラブ32の上側に居室33が構成されている。蓄熱槽31の一端側には空気導入部を構成する空気導入ダクト34、他端側には空気導出部を構成する空気導出ダクト35が配置されており、夫々には切換機構34v,35vが構成されている。これらの切換機構34v,35vについては後述する。尚、図示は省略しているが、空気を蓄熱槽31内を通して流すために、空気導出ダクト35側等の適所にはファンを設けている。
【0051】
蓄熱槽31内には蓄熱材としてのコンクリート廃材塊36を主として充填すると共に、空気導出ダクト35側の一部に、図4中に右下がりハッチングを付して示すように温度以外の空気調和の機能を有する塊状物37、この場合、湿度調整及び塵埃除去機能を有する大谷石等の多孔質の岩石を充填している。蓄熱槽31には、この他、脱臭機能を有する活性炭や、多孔質の塊等に殺菌又は滅菌剤を充填させた塊状物を充填することもできる。
【0052】
居室33の屋根38には太陽集熱器39を構成しており、この太陽集熱器39は、暖房期において太陽熱により空気を温めると共に、冷房期においては放射冷却熱により空気を冷やす構成としている。またこの建築物にはクールチューブ40を設置している。
【0053】
次に切換機構34v,35vについて説明すると、まず空気導入ダクト34側の切換機構34vは、太陽集熱器39に至るダクト41aと、クールチューブ40に至るダクト41bと、室外に至るダクト41cを切換ダンパー42を介して空気導入ダクト34に接続して構成している。また空気導出ダクト35側の切換機構35vは、空気導出ダクト35に接続した切換ダンパー43に、居室33内に至るダクト44aと、室外に至るダクト44bを接続して構成している。
【0054】
以上の構成において、暖房期の空調を行わない時間帯には、切換ダンパー42によりダクト41a又は41bを選択し、また切換ダンパー43によりダクト44bを選択すると、太陽熱集熱器39で温度が上昇した空気又はクールチューブ40を経て温度が上昇した空気が、切換ダンパー42を経て空気導入ダクト34から蓄熱槽31内に導入され、コンクリート廃材塊36間の隙間と塊状物37の間の隙間を流れて、コンクリート廃材塊36と熱交換を行った後、空気導出ダクト35から切換ダンパー43を経てダクト44bにより蓄熱槽31の外部に導出される。
【0055】
一方、冷房期の空調を行わない時間帯には、切換ダンパー42によりダクト41c又は41bを選択し、また切換ダンパー43によりダクト44bを選択すると、夜間の温度が低い外気や、クールチューブ40を経て温度が低下した空気が、切換ダンパー42を経て空気導入ダクト34から蓄熱槽31内に導入され、コンクリート廃材塊36間の隙間と塊状物37の間の隙間を流れて、コンクリート廃材塊36と熱交換を行った後、空気導出ダクト35から切換ダンパー43を経てダクト44bにより蓄熱槽31の外部に導出される。
【0056】
このようにして蓄熱槽31内のコンクリート廃材塊36に蓄えられた熱(冷熱を含む)は、空調時間帯において、床スラブ32を通しての伝熱により、徐々に上側の居室33に放熱されて冷暖房に供される。
【0057】
また空調時間帯においては、暖房期では切換ダンパー42によりダクト41a又は41b(また場合によってはダクト41c)を選択すると共に、切換ダンパー43によりダクト44aを選択すると、太陽集熱器39又はクールチューブ40を経た空気が蓄熱槽31内のコンクリート廃材塊36との熱交換により、更に温度が高くなって、ダクト44aから室内に供給されて暖房に供される。一方、冷房期では切換ダンパー42によりダクト41b(また場合によってはダクト41c)を選択すると、クールチューブ40を経た空気が蓄熱槽31内のコンクリート廃材塊36との熱交換により、更に温度が低くなって、ダクト44aから室内に供給されて冷房に供される。
【0058】
上述と同様に、蓄熱槽31内を通って居室33内に供給される空気は、コンクリート廃材塊36との熱交換により温度の点での空気調和が行われるばかりでなく、塊状物37により湿度調整、塵埃除去及び脱臭という、温度以外の点での空気調和が行われ、空調空気として質の高い空気を居室33内に供給することができ、コンクリート廃材塊36を蓄熱材として使用することによる塵埃や、蓄熱槽31に雑菌や水が入り込むことにより発生する悪臭が居室33内に供給されてしまうことを防止することができる。
【0059】
以上の実施の形態では、いずれも蓄熱槽の上壁を建築物の床スラブにより構成して、その上側に居室を構成し、床スラブを通しての伝熱によっても居室内に放熱可能に構成しているが、この他、蓄熱槽は、その中のコンクリート廃材塊に蓄えられた熱を、専ら、その中を流して熱交換させた空気を直接に、又は空調機の熱交換部を経て居室に供給して利用するように構成することもできる。
【0060】
【発明の効果】
本発明は以上のとおり、建築物の床の下方に構成した蓄熱槽内に蓄熱材を充填し、蓄熱槽の一端側に空気導入部、他端側に空気導出部を配置した蓄熱システムにおいて、次のような効果がある。
a.散水ノズルからの洗浄水によってコンクリート廃材塊や塊状物の表面を洗浄することができ、蓄熱槽の施工直後にコンクリート廃材塊の表面に付着している塵埃や、使用中に蓄熱槽内に発生した雑菌や塵埃を洗浄することで、空調空気として質の高い空気を室内に供給することができる。
b.蓄熱槽内のコンクリート廃材塊と熱交換した空気は、空気導出部側に充填した塊状物により、温度以外の空気調和がなされて、空調空気として質の高い空気を室内に供給することができる。
c.蓄熱槽内のコンクリート廃材塊に蓄熱された熱を、床スラブを通しての伝熱により直接的に居室内に放熱することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための第1の実施の形態の要部を示す説明的断面図である。
【図2】 本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための第2の実施の形態の要部を示す説明的断面図である。
【図3】 本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための第3の実施の形態の要部を示す説明的断面図である。
【図4】 本発明に係るコンクリート廃材利用蓄熱システムを説明するための全体構成の実施の形態を示す説明的断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 蓄熱槽
2,12,22,32 床スラブ
3,13,23,33 居室
4(4a,4b),14 空気導入ダクト(空気導入部)
24(24a,24b),34 空気導入ダクト(空気導入部)
5,15,25,35 空気導出ダクト(空気導出部)
6,16,26,36 コンクリート廃材塊
7(7a,7b) 塊状物
27(27a,27b) 塊状物
18 短パイプ
28 散水ノズル
29 排水ピット
30 排水機構
34v,35v 切換機構
37 塊状物
38 屋根
39 太陽集熱器
40 クールチューブ
41a,41b,41c ダクト
42,43 切換ダンパー
44a,44b ダクト

Claims (1)

  1. 建築物の床の下方に構成した蓄熱槽内に、蓄熱材としてコンクリート廃材塊を充填し、蓄熱槽の一端側に空気導入部、他端側に空気導出部を配置すると共に、蓄熱槽の上部に散水ノズルを設け、底部に排水ピットを設けると共に、排水ピット内の水を排水する排水機構を構成し、蓄熱槽の上壁は建築物の床スラブにより構成して、その上側に居室を構成し、床スラブを通しての伝熱により居室内に放熱可能に構成すると共に、前記空気導入部は、導入口を蓄熱槽の複数の高さに配置して、蓄熱槽内に空気を導入する高さを切換可能に構成したことを特徴とするコンクリート廃材利用蓄熱システム。
JP2002335324A 2002-11-19 2002-11-19 コンクリート廃材利用蓄熱システム Expired - Fee Related JP4301542B2 (ja)

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