JP4300633B2 - 電子キイ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばロック装置を電気的に作動制御する電子キイシステムに用いられる電子キイの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子キイシステムに用いられる電子キイは、たとえばドイツ特許公開明細書DE19605201A1に示されているように、キイ本体をケース構造として該キイ本体内に電子通信用の通信機を収納配置するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通信機が基盤上に各種の電子部品およびスイッチ部品等を配設して構成され、該基盤をキイ本体の内周部に係合保持させるようにしているが、これらキイ本体および通信機の成型誤差や経時的な変形等によってガタツキを生じて品質感を損なってしまう可能性がある。
【0004】
そこで、本発明は簡単な構造によりキイ本体に内蔵した通信機のガタツキを確実に防止できて、品質感を一段と高めることができる電子キイ構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、キイ本体に電子通信用の通信機を内蔵した電子キイにおいて、前記通信機をアッパーケースとロアケースとからなるモジュールケース内に収納して通信モジュールを構成し、前記アッパーケースとロアケースとの間に通信機を覆う弾性シール部材を介在させると共に、該弾性シール部材の外表面にアッパーケースに形成した貫通孔を通して外側へ突出する突出部を設け、該突出部を前記キイ本体の通信モジュール収容部分の内面に弾接させ、弾性シール部材を光透過性材料で形成すると共に、突出部を大径部とその先端に設けた小径部とで構成する一方、キイ本体周壁の前記突出部に対応する位置には該突出部の小径部が貫通する貫通孔を形成して、小径部を該貫通孔に嵌入して先端をキイ本体の外表面側に露出配置し、かつ、弾性シール部材の裏側の前記突出部形成部分に対応した位置に、通信モジュールの発光装置を配置したことを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の突出部を弾性シール部材の周縁部近傍に間隔をあけて複数個設け、これら突出部をアッパーケースの周縁部近傍に設けた貫通孔を通して突出させたことを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2に記載のキイ本体内には通信モジュールの背面側に、キイプレート部を有するメカニカルキイが挿,脱自在に収納されるメカニカルキイ収納部が設けられ、メカニカルキイを弾性シール部材の突出部の弾性反力により通信モジュールの背面で押えるようにしたことを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明にあっては、請求項1〜3の何れかに記載のキイ本体内には通信モジュールの背面側に、キイプレート部を有するメカニカルキイが挿,脱自在に収納されるメカニカルキイ収納部が設けられ、通信モジュールの背面にはメカニカルキイ収納部側に突出する突起部が設けられ、該突起部を介してメカニカルキイを押えるようにしたことを特徴としている。
【0010】
請求項5の発明にあっては、請求項4に記載の突起部がキイプレート部の平面確保部に当接する位置に設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項6の発明にあっては、請求項4に記載の突起部がキイプレート部の長さ方向の溝部に合致する位置に設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項7の発明にあっては、請求項4〜6の何れかに記載の突起部がキイプレート部の長さ方向に沿った突条として形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項8の発明にあっては、請求項4〜7の何れかに記載の突起部がメカニカルキイ収納部の奥部に形成されていることを特徴としている。
【0014】
請求項9の発明にあっては、請求項4〜8の何れかに記載の弾性シール部材の突出部がメカニカルキイ収納部の奥部に対応した位置に設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項10の発明にあっては、請求項9に記載の突起部が弾性シール部材の突出部の下方位置に設けられていることを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、通信機はモジュールケース内に収納して通信モジュールとしてサブアッセンブリしてあるため、部品管理、組付作業等における取扱いが容易であると共に取扱いの過誤により通信機を損傷するようなことがなく、従って、キイ本体への組付性を一段と向上することができる。
【0017】
そして、この通信モジュールはアッパーケースの貫通孔から外側へ突出した弾性シール部材の突出部がキイ本体の内面に弾接して、その反力によりキイ本体の反対側の内面に押圧されるため、キイ本体と通信モジュールの成形誤差や経時的な変形等があってもガタツキを生じることがなく品質感を一段と高めることができる。
また、弾性シール部材の突出部により通信モジュールの発光装置の光を外部へ透過できるため、例えば該発光装置の発光による通信モジュールの作動確認等を容易に行うことができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、突出部は弾性シール部材の周縁部近傍に間隔をあけて複数個設けられていて、これら突出部がモジュールケースのアッパーケースの周縁部近傍から外部へ突出するから、通信モジュールの製造時におけるアッパーケースとロアケースとの接合前に弾性シール部材を適正に位置決めできて、通信モジュールの加工精度を高めることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1,2の発明の効果に加えて、キイ本体のメカニカルキイ収納部に収納したメカニカルキイを、通信モジュールの弾性部材の突出部の弾性反力により該通信モジュールの背面で押えることができるため、メカニカルキイのガタツキを生じることがなく品質感を高めることができる。
【0021】
また、メカニカルキイのガタツキ防止のための専用の押え部材又は押え機構が不要となるから、コスト的にも有利となる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の発明の効果に加えて、メカニカルキイの押えを突起部に集中させることができるため、メカニカルキイのガタツキ防止効果を高めることができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、キイプレート部のキイ山の切り込み深さに係りなくプレート平面が確保された平面確保部にメカニカルキイ押え用の突起部が当接するので、メカニカルキイのガタツキ防止を確実に行わせることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4の発明の効果に加えて、メカニカルキイをキイ本体のメカニカルキイ収納部へ挿入した際に、キイプレート部の長さ方向の溝部とメカニカルキイ押え用の突起部とが係合することによってガイド作用が得られ、メカニカルキイを引掛かり等を生じることなくスムーズに挿入収納することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、請求項4〜6の発明の効果に加えて、メカニカルキイ押え用の突起部をキイプレート部の長さ方向に沿った突条として形成してあるため、該キイプレート部を所要の長さ領域で押えることができて、メカニカルキイのガタツキ防止効果を更に高めることができる。
【0026】
また、突条として形成した突起部がキイプレート部の長さ方向の溝部に合致する構造のものでは、メカニカルキイの挿入収納時のガイド性を挿入操作の過程で長く維持できるから、挿入性をより一層向上することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、請求項4〜7の発明の効果に加えて、メカニカルキイ押え用の突起部をメカニカルキイ収納部の奥部に形成してあるため、メカニカルキイの挿入収納時にメカニカルキイの挿入初期では挿入方向に自由度を持たせ、ある程度奥まで挿入した時にガイド作用を発揮させることができるから、メカニカルキイの挿入性を更に向上することができる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、請求項4〜8の発明の効果に加えて、弾性シール部材の突出部をメカニカルキイ収納部の奥部に対応した位置に設けてあるため、該突出部の弾性反力がメカニカルキイ挿入初期や挿入過程でメカニカルキイに作用するのを抑制できて、メカニカルキイ挿入性を向上することができる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9の発明の効果に加えて、前記突出部の弾性反力をメカニカルキイ押え用の突起部の上方から作用させることができるから、メカニカルキイのガタツキ防止を更に有効に行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0031】
図1〜5において、1は電子キイのキイ本体を示し、本実施形態では該キイ本体1を偏平形状としてその厚み方向で2分割した合成樹脂製のアッパーカバー2とロアカバー3とで構成し、これらアッパーカバー2とロアカバー3とを嵌合してビス4により締結固定してある。
【0032】
具体的には、前記アッパーカバー2とロアカバー3の各合わせ部分の周縁には、凹凸嵌着溝5を相互に設けてある一方、図7のキイシリンダKYのキイ挿入孔KHに差し込むキイ本体1の差し込み部6はロアカバー3の前端部に一体成形してあり、この差し込み部6の成形基部にソケット部7を、他方、アッパーカバー2の前端部には係止突起8を設けてあって、これらアッパーカバー2とロアカバー3との間に後述する通信モジュール11を挟み込んで、前記係止突起8をソケット部7に差し込み係合した上で前記凹凸嵌着溝5を相互に嵌着するようにしている。
【0033】
ロアカバー3の内側にはスペーサと補強とを兼ねたリブ9を一体成形してあり、このリブ9上に図外のドアロック装置やトランクオープナー等を遠隔操作する通信モジュール11を配設してある。
【0034】
従って、通信モジュール11はキイ本体1のアッパーカバー2側に寄せて収納するようにしてあり、アッパーカバー2には該通信モジュール11の上面部分を露出配置するための窓部2aを形成してある。
【0035】
この通信モジュール11は電子通信用の通信機12および電池13等を、合成樹脂製のアッパーケース15とロアケース16とからなるモジュールケース14内に収納して構成してある。
【0036】
通信機12は基盤12a上に図外の各種の電子部品やスイッチ部品12b等を配設してあり、前述の電池13はこの通信機12の下側に配設してある。
【0037】
モジュールケース14のアッパーケース15とロアケース16の各合わせ部分の周縁には、凹凸嵌着溝19を相互に設けてあると共に、通信機12の上方を全体的に覆うゴム又は合成樹脂等からなる弾性シール部材17の周縁部を挟着できるように溝形成してあり、該弾性シール部材17の周縁を挟み込んだ上で前記凹凸嵌着溝19を相互に嵌着して、弾性シール部材17の周縁の弾性反力によってこれらアッパーケース15とロアケース16とを液密的に、かつ、しっかりと嵌合固定できるようにしてある。
【0038】
弾性シール部材17の上側表面には、各スイッチ部品12bに対応した位置に押し釦部18を一体的に突設してある一方、モジュールケース14のアッパーケース15には、これら押し釦部18を外表面に露出配置するための窓部15aを形成してある。
【0039】
押し釦部18は弾性シール部材17と硬度を変えないで一体に厚肉に突設してもよいが、この実施形態では該押し釦部18は熱硬化性樹脂等で別体に形成して硬度を高めて構成している。
【0040】
ここで、前記弾性シール部材17の外表面、具体的には本実施形態では、弾性シール部材17の上側表面の後端側の左右両側縁部近傍に突出部21を一体に突設してある一方、モジュールケース14のアッパーケース15のこれら突出部21に対応する位置に貫通孔22を形成し、該貫通孔22を通して突出部21をモジュールケース14の外側へ突出させ、該突出部21をキイ本体1の通信モジュール収容部分の内面、即ち、アッパーカバー2の内面に弾接させている。
【0041】
また、本実施形態では前記弾性シール部材17は例えばシリコンゴムのように透明乳白色の光透過性材料で形成してあって、前記突出部21を設けた側とは反対側となる先端側周縁部近傍の中央部分にも突出部23を一体に突設してある一方、モジュールケース14のアッパーケース15の該突出部23に対応する位置に、該突出部23が貫通する貫通孔24を設けてある。
【0042】
この突出部23は大径部23aとその先端に同心上に突設した小径部23bとで断面略凸形状に構成してある。
【0043】
ケース本体1のアッパーカバー2の前記突出部23に対応する位置には、該突出部23の小径部23bが貫通する貫通孔25を形成してあり、この貫通孔25に突出部23の小径部23bを挿入してその先端をアッパーカバー2の外表側に露出配置し、大径部23aを該貫通孔25の周縁部に弾接させている。
【0044】
そして、通信モジュール11内には、前記通信機12の基盤12a上に、前記突出部23の直下となる部位にLED等の発光装置26を配置してある。
【0045】
キイ本体1内には、通信モジュール11の背面とロアカバー3との間に、該キイ本体1の一側に偏寄ってメカニカルキイ収納部27を前後方向に設けてその開口部28をキイ本体1の後端面に設定してある。
【0046】
31は前記メカニカルキイ収納部27に少なくともキイプレート部32が収納される金属製のメカニカルキイを示し、そのキイヘッド33には図7のキイホルダーHLやタグ類等を掛着するホルダー掛着部33aを一側方向に張り出して形成してある。
【0047】
前記メカニカルキイ収納部27の開口部28には、前記ホルダー掛着部33aの略前半部分を収容するための拡張部28aを形成してある。
【0048】
通信モジュール11の背面、即ち、モジュールケース14のロアケース16の下面には、前記メカニカルキイ31に当接して該メカニカルキイ31を押える突起部34を設けてある。
【0049】
本実施形態ではこの突起部34は、メカニカルキイ31のキイプレート部32の両側端縁に設けたキイ山32aおよび長さ方向の溝部32bから外れた平面確保部32cに当接する位置に設けてある。
【0050】
また、該突起部34は前記キイプレート部32の長さ方向に沿った突条として、メカニカルキイ収納部27の奥部位置に設けてあり、前記弾性シール部材17の前端側の突出部23はこの突条24の前端部近傍位置に設けてある。
【0051】
前述のようにこの実施形態ではキイ本体1のアッパーカバー2側の内側に通信モジュール11を配設し、ロアカバー3の一側寄りにメカニカルキイ収納部27を設けてあるため、キイシリンダ側に設けた図外のアンテナコイルとの間で送受信を行ってID照合を行わせる回路チップ29は、このロアカバー3の他側寄りに配設してある。
【0052】
そして、ID照合が適正であれば、自動車のインストルメントパネル等に設けられるイグニッションスイッチ部IGのキイシリンダKYの図外のロックが解除され、キイ本体1によりキイシリンダKYが回転可能になるようにしてある。
【0053】
また、このロアカバー3の内側にはメカニカルキイ収納部27の開口部28の近傍位置で、メカニカルキイ31を抜け止めするロックパウル35を配設してある。
【0054】
ロックパウル35はその両側縁に一体成形したガイド片36を、ロアカバー3に一体成形したガイドレール部37に係合して、メカニカルキイ収納部27に収納状態にある時のメカニカルキイ31のキイプレート部32と交差する方向に摺動自在に配設してあると共に、ロックパウル35の後端に弾装した弾性部材としてのスプリング38によってパウル先端が常時メカニカルキイ収納部27内に突出するように付勢してあり、メカニカルキイ31をメカニカルキイ収納部27に所定位置まで差し込むと、パウル先端がメカニカルキイ31のキイプレート部32とキイヘッド33との間の側縁に設けた係止溝38に落ち込んで該係止溝39に噛合し、メカニカルキイ31をロックして抜け止めするようにしてある。
【0055】
ロックパウル35の下面にはロック解除ノブ41を突設してある一方、ロアカバー3の該ロック解除ノブ41に対応する部分には、該ロック解除ノブ41を収容するスライド孔42を形成してあり、ロック解除ノブ41をスライド孔42から外側に露出させて指先でロック解除ノブ41を操作してロック解除できるようにしてある。
【0056】
以上の実施形態の構造によれば、キイ本体1に内蔵した通信機12はモジュールケース14内に収納して通信モジュール11としてサブアッセンブリしてあるため、部品管理,組付作業等において通信機12を損傷するようなことがなく、従って、キイ本体1への組付性を一段と向上することができる。
【0057】
そして、前記通信モジュール11はモジュールケース14のアッパーケース15の貫通孔22,24から外側へ突出した弾性シール部材17の突出部21,23が、キイ本体1のアッパーカバー2の内面に弾接して、その反力によりキイ本体1の反対側のロアカバー3のリブ9面に押圧されるため、キイ本体1と通信モジュール11の成形誤差や経時的な変形等があってもガタツキを生じることがなく品質感を一段と高めることができる。
【0058】
ここで、前記弾性シール部材17は光透過性材料で形成してあって、キイ本体1の前端部側では突出部23の小径部23bがキイ本体1のアッパーカバー2の貫通孔25から外表面に露出し、通信モジュール11内に配設したLED等の発光装置26の光を外部へ透過できるようにしてあるため、例えば該発光装置26の発光による通信モジュール11の作動確認等を容易に行えて便利度を高めることができる。
【0059】
また、突出部21,21は弾性シール部材17の後側周縁部近傍に左右方向に間隔をあけて設けてあり、他方の突出部23は弾性シール部材17の前側周縁部近傍の中央部分に突設して突出部21とは前後方向に間隔をあけて設けてあって、これら突出部21,23がモジュールケース14のアッパーケース15の周縁部近傍の貫通孔22,24から外部へ突出するから、通信モジュール11の製造時におけるアッパーケース15とロアケース16との接合前に弾性シール部材17を適正に位置決めできて、通信モジュール11の加工精度を高めることができる。
【0060】
更に、キイ本体1には通信モジュール11の背面とロアカバー3との間にメカニカルキイ収納部27を設けて、該メカニカルキイ収納部27にメカニカルキイ31を収納できるようにしてあって、該収納したメカニカルキイ31を前記突出部21,23の弾性反力により通信モジュール11の背面で押えることができるため、メカニカルキイ31のガタツキを生じることがなく品質感を高めることができ、しかも、専用の押え部材又は押え機構が不要となるためコスト的にも有利となる。
【0061】
とりわけ、本実施形態では通信モジュール11の背面にメカニカルキイ押え用の突起部34を突設して、該突起部34にメカニカルキイ31の押え力を集中させるようにしてあるから、メカニカルキイ31のガタツキ防止効果を高めることができる。
【0062】
また、この突起部34はキイプレート部32の長さ方向に沿った突条として形成して、キイプレート部32の平面確保部32cに当接するようにしてあるから、キイプレート32のキイ山32aの切り込み深さに係りなくキイプレート部32を所要の長さ領域でしっかりと押えることができて、前記ガタツキ防止効果を更に高めることができる。
【0063】
しかも、この突条(突起部)34はメカニカルキイ収納部27の奥部に対応した位置に設けてあるため、メカニカルキイ31の挿入収納時に該メカニカルキイ31の挿入初期では突条34がキイプレート部32の平面確保部32c面と非接触で挿入方向に自由度を持たせることができ、そして、ある程度奥まで挿入したときに突条34が前記平面確保部32c面に摺接して挿入ガイド作用を発揮させることができるから、メカニカルキイ31の挿入性を向上することができる。
【0064】
更に、この突条34を設けたメカニカルキイ収納部27の奥部に対応した位置に前述の突出部23を設けてあるため、該突出部23の弾性反力がメカニカルキイ31の挿入初期や挿入過程で該メカニカルキイ31に作用するのを抑制できて、メカニカルキイ挿入性を更に向上することができる。
【0065】
前記実施形態では通信モジュール11の背面の突起部34を、キイプレート部32の平面確保部32cに当接する位置に設けてあるが、この他、図6に示すように該キイプレート部32の長さ方向の溝部32bに合致する位置に設けるようにしてもよい。
【0066】
この場合、メカニカルキイ31をメカニカルキイ収納部27へ挿入した際に、キイプレート部32の長さ方向の溝部32bと突起部34とが係合することによって挿入ガイドを確実に行わせることができるから、メカニカルキイ31が途中で引掛かりを生じることなくスムーズに挿入収納することができる。
【0067】
また、この他、図2に示したように、例えばメカニカルキイ押え用の突起部34を突出部23の下方位置に設けるようにすれば、突出部23の弾性反力を突起部23の略直上から作用させることができて、メカニカルキイ31のガタツキ防止を更に有効に行うことができる。
【0068】
そして、メカニカルキイ31は、ID照合での電子キイが作動しない時の緊急用のキイとして作用させるために、キイシリンダKYのキイ挿入孔KHにも差し込めるようになっているが、特に図外の自動車におけるグローブボックス等のロック装置のキイシリンダが施解錠できるようにしてあり、物品をグローブボックスに入れてメカニカルキイ31により施錠すれば、ID照合でのキイ本体1だけではグローブボックスを解錠することができないので、貴重品の保管ができるようになっている。
【0069】
尚、電子キイは上記実施形態で説明した自動車用に限らず、例えば、ID照合(電子キイ)で解錠できるものとして、個別金庫が複数収まった金庫室の入口ドアのロック装置があり、またメカニカルキイで解錠できるものとして各個別金庫のドアのロック装置、等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図。
【図2】同実施形態のアッパーカバーを外した状態を示す平面図。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図。
【図4】図1のB−B線に沿う断面図。
【図5】図1のC−C線に沿う断面図。
【図6】本発明の第2実施形態を示す図5と同様の断面図。
【図7】本発明の実施形態の電子キイを自動車のイグニッションスイッチ部に適用した斜視図。
【符号の説明】
1 キイ本体
11 通信モジュール
12 通信機
14 モジュールケース
15 アッパーケース
16 ロアケース
17 弾性シール部材
21,23 突出部
23a 大径部
23b 小径部
22,24 アッパーケースの貫通孔
25 キイ本体の貫通孔
26 発光装置
27 メカニカルキイ収納部
31 メカニカルキイ
32 キイプレート部
32c 平面確保部

Claims (10)

  1. キイ本体に電子通信用の通信機を内蔵した電子キイにおいて、前記通信機をアッパーケースとロアケースとからなるモジュールケース内に収納して通信モジュールを構成し、前記アッパーケースとロアケースとの間に通信機を覆う弾性シール部材を介在させると共に、該弾性シール部材の外表面にアッパーケースに形成した貫通孔を通して外側へ突出する突出部を設け、該突出部を前記キイ本体の通信モジュール収容部分の内面に弾接させ
    弾性シール部材を光透過性材料で形成すると共に、突出部を大径部とその先端に設けた小径部とで構成する一方、キイ本体周壁の前記突出部に対応する位置には該突出部の小径部が貫通する貫通孔を形成して、小径部を該貫通孔に嵌入して先端をキイ本体の外表面側に露出配置し、かつ、弾性シール部材の裏側の前記突出部形成部分に対応した位置に、通信モジュールの発光装置を配置したことを特徴とする電子キイ構造。
  2. 突出部を弾性シール部材の周縁部近傍に間隔をあけて複数個設け、これら突出部をアッパーケースの周縁部近傍に設けた貫通孔を通して突出させたことを特徴とする請求項1に記載の電子キイ構造。
  3. キイ本体内には通信モジュールの背面側に、キイプレート部を有するメカニカルキイが挿,脱自在に収納されるメカニカルキイ収納部が設けられ、メカニカルキイを弾性シール部材の突出部の弾性反力により通信モジュールの背面で押えるようにしたことを特徴とする請求項1,2に記載の電子キイ構造。
  4. キイ本体内には通信モジュールの背面側に、キイプレート部を有するメカニカルキイが挿,脱自在に収納されるメカニカルキイ収納部が設けられ、通信モジュールの背面にはメカニカルキイ収納部側に突出する突起部が設けられ、該突起部を介してメカニカルキイを押えるようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子キイ構造。
  5. 突起部がキイプレート部の平面確保部に当接する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電子キイ構造。
  6. 突起部がキイプレート部の長さ方向の溝部に合致する位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電子キイ構造。
  7. 突起部がキイプレート部の長さ方向に沿った突条として形成されていることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の電子キイ構造。
  8. 突起部がメカニカルキイ収納部の奥部に形成されていることを特徴とする請求項4〜7の何れかに記載の電子キイ構造。
  9. 弾性シール部材の突出部がメカニカルキイ収納部の奥部に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の電子キイ構造。
  10. 突起部が弾性シール部材の突出部の下方位置に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電子キイ構造。
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