JP4300296B2 - 粒子状物質の角度変調波による誘電泳動を利用した特性分析装置並びに方法 - Google Patents

粒子状物質の角度変調波による誘電泳動を利用した特性分析装置並びに方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子状物質の特性の分析方法並びに測定装置に関し、より詳しくは、誘電泳動力を用いた粒子状物質の特性分析、特に電気的な特性分析、あるいは移動、分別、ならびに濃縮の操作を行うにあたって、印加する交流電圧周波数の最適化を簡便かつ短時間に行うことを可能とする特性分析方法ならびに特性分析方法を提供することを目的とする。
近年のバイオテクノロジの進歩に伴い、細胞を操作するための様々な手法が提案されている。この細胞の操作において、電極間に不均一な電場を生じさせ、細胞に誘電泳動現象を生じせしめて、細胞を移動させ、細胞に対して所望の操作をするという形態が一般に行われている。
特許文献1は、このような細胞操作の一形態を示している。図13は、特許文献1に開示される細胞操作形態を示す。
特許文献1に提案される細胞操作形態において、まず、板状電極(P)上に細胞(C)が懸濁された懸濁液層(S)が配される。この懸濁液層(S)の液面に針状電極(N)が挿入される。針状電極(N)の先端部は、絶縁カバー(I)で覆われている。絶縁カバー(I)先端部には開口部が形成され、絶縁カバー(I)内に懸濁液が浸入し、懸濁液が針状電極(N)先端に接触することとなる。
この状態において、板状電極(P)と針状電極(N)に交流電圧を印加し、板状電極(P)と針状電極(N)との間に不均一な電場を生じさせる。板状電極(P)と針状電極(N)の間に生じた電場によって、細胞(C)は分極する。そして、細胞(C)は、板状電極(P)と針状電極(N)の間の電場の不均一性を解消するように移動することとなる。
ここで、細胞(C)の移動方向は、印加される交流電圧の周波数によって決定される。したがって、特許文献1の細胞操作の形態においては、複数の細胞(C)を針状電極(N)先端部に付着させ、その後、針状電極(N)に直流パルス電圧を印加して、針状電極(N)に付着した複数の細胞(C)を融合させることを目的とするので、印加される交流電圧の周波数は、細胞(C)が針状電極(N)に誘引されるように決定される必要がある。
特許文献2は、細胞(C)が針状電極(N)に誘引されるための交流電圧の周波数を決定するのに好適な装置を開示する。図14は、特許文献2に提案される装置の主要部を示す。
特許文献2に開示される装置は、共通電極(M)と電極アレイ(A)から構成される。電極アレイ(A)は複数の導体(a)から構成される。また、共通電極(M)と電極アレイ(A)は、懸濁液を収容するチャンバ(図示せず)内に配され、チャンバ内の懸濁液は複数種の細胞を含んでいる。
複数の導体(a)には、それぞれ異なる周波数の交流電圧が印加され、導体(a)それぞれの先端と共通電極(M)の間には、それぞれ異なる周波数の電場が生ずる。そして、この発生した電場によって、特定種の細胞が、特定の導体(a)先端に集まることとなる。この特定の導体(a)先端に集合した細胞の種類を調べることで、特定の細胞を誘引するための交流周波数を見極めることが可能となる。
特許文献1及び特許文献2に開示される技術を組み合わせて使用することで、好適な細胞融合操作を行うことが可能となる。
次に、従来の細胞分別操作の形態について、説明する。
上述の特許文献2に開示される装置は、細胞の分別を主目的とし、導体(a)それぞれに異なる周波数の交流電圧を印加することで、細胞種別に各導体(a)に集合させることができ、各導体(a)に集合した細胞を採取することで細胞分別操作を行うことが可能となる。
特許文献3は、細胞分別操作を行うための他の方法を開示する。特許文献3に開示される方法は、分離されるべき細胞を色素により選択的に染色し異なる誘電泳動特性を付与することにより、所望の細胞の分離または単離を行うものである。
特許文献4は、細胞分別操作を行うための他の装置を開示する。特許文献4に開示される装置は、微粒子に作用する誘電泳動力と微粒子が懸濁された懸濁液の流れの力の均衡を利用して、細胞分別を行うものである。
特許文献4に開示される微粒子に働く誘電泳動力と他の力との均衡を利用すると、細胞の活性を測定することも可能である。
特許文献5ではさらに、このような方式による誘電泳動活性解析方法を提案する。特許文献5によれば、細胞の特性は細胞の活性度により変動する。この細胞の活性度の変動に起因して、細胞に働く誘電泳動力に差異が生じ、この誘電泳動力と重力・浮力とを均衡させて得られる細胞の静止位置の差異により細胞の活性度が解析可能となる。
細胞の活性解析に関連して、特許文献6は、生菌を濃縮する装置を開示する。この装置は、メモリ部を備え、メモリ部は活性度測定テーブルを格納する。微生物の種類と懸濁液導電率の入力に応じて、装置が備える演算制御部が活性度測定最適周波数を読み出し、この読み出された周波数の交流電圧を印加することにより、生菌が濃縮可能となる。
特開平5−137576号公報 特表2001−500252号公報 特表2004−522452号公報 特開2003−66004号公報 特開2005−224171号公報 特開2003−224号公報
特許文献2で開示されている誘電泳動挙動の調査形態は、電極に細胞を誘引するのに最適な交流電圧周波数に限った結果しか与えないという問題を有している。
そのため、細胞の複素誘電率および複素導電率の周波数スペクトルの緩和周波数と直接関連付けられる特性周波数、すなわち誘電泳動力が斥力から引力に切り替わる境界の周波数を調べることはできない。
このため、例えば、細胞の活性度によって変化することが知られている誘電特性を精度よく同定することが困難である。また、斥力として働く誘電泳動力を用いて細胞を移動させるなどの操作を行う場合の調査形態としては、有用でない。
第2に、上述の操作形態は手順が非常に煩雑であるという問題がある。
上記の方法によれば、まず特許文献2に開示される装置を用意し、この装置を用いて、チャンバ内の細胞を集合させる導体を調査する段階と、この導体に集合した細胞の種類を特定する段階を経て、操作に適した交流周波数を決定しなければならない。その後、特許文献1及び3乃至6に開示される装置を用意して、細胞融合、微粒子分離、細胞活性度分析、細胞濃縮を行う必要がある。
このように複数種の装置を用意し、複数段階の作業を行うため、煩雑である。
第3に、前記誘引のための最適周波数の精度の問題がある。
細胞操作作業の種類によっては、1つの細胞を選択し、選択された細胞に対して特定の細胞操作作業をすることが求められる場合がある。しかしながら、特許文献2に開示される装置によって求められる交流周波数は、特定種の細胞群を誘引するためのものであり、細胞1つ1つに対して求められるものではない。したがって、従来技術によれば、選択された細胞に対して最適化された交流周波数を用いて細胞操作を行うものとはなりえない。
上記第1乃至第3の問題点を鑑みた場合、細胞の1つを選択して、その選択された細胞に対して所望の動作を与えるための最適な交流周波数を決定して、選択された細胞に対して細胞操作を行うことが不可能であることは明らかである。
次に細胞分別操作に関する問題点を述べる。
上述の如く、特許文献2の装置は、細胞種ごとの固有の特性を利用して細胞種を分別するものである。このような方式では、細胞種ごとの分別は可能であるが、特定の細胞種のうち、特定の細胞を分別することはできない。また、特許文献3に開示されるような方法を用いても、同様である。
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであって、細胞の1つを選択して、その選択された細胞に対して所望の動作を与えるための最適な交流周波数を決定して、選択された細胞に対して細胞操作を行うことを非常に容易に行うことを可能とする特性分析方法並びに特性分析装置を提供することを目的とする。
本発明は、細胞操作に限定されず、他の微粒子(例えば、高分子微粒子やリポソーム)に対しても適用可能である。加えて、微粒子に限られず、一の種類の液体中に形成された他の種類の液体からなる微小領域に対する操作を行うことも、本発明の特性分析方法並びに特性分析装置は可能とする。
更に、本発明は、細胞を選択して、選択された細胞のみを分別することを可能とする特性分析方法並びに特性分析装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、細胞を選択して、選択された細胞に対する活性度解析を容易に行うことを可能とする特性分析方法並びに特性分析装置を提供することを目的とする。これにより、上記特許文献6の装置で用いられる活性度測定テーブル中のデータ構築などを容易に作成可能となる。
本発明は、流体中の粒子状物質を少なくとも一つ選択する工程と、一対の電極近傍に前記選択された粒子状物質を位置させる工程と、前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを用いて空間的に不均一な電場を発生させる工程と、前記プログラム化電圧シグナルを印加している間の前記粒子状物質の移動動作を検出し、該粒子状物質の移動動作に関する時系列データを作成する工程と、該時系列データに基づき、前記粒子状物質の特性を解析する工程からなることを特徴とする粒子状物質の特性分析方法を提供する。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記時系列データが、前記粒子状物質の移動動作を撮像して得られる動画データであることを特徴とする。
本発明の一実施形態は、前記時系列データが、前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記動画データが更に、撮像時間のデータを含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記時系列データを作成する工程が、前記動画データとともに前記撮像時間のデータを、記憶装置に記憶させる段階を含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記動画データとともに前記撮像時間のデータを、ディスプレイに表示させる段階を含むことを特徴とする。
特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記時系列データを作成する工程が、前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化のデータを、記憶装置に記憶させる段階を含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化のデータを、ディスプレイに表示させる段階を含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記ディスプレイに表示される前記動画データに基づき、前記粒子状物質を選択する工程により選択された粒子状物質が前記一対の電極のうち一方の電極の先端近傍に滞在している時間を求める段階を含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記測定されたインピーダンスの時間変化に対する上限閾値及び下限閾値を設定する段階と、インピーダンスの大きさの変化率が一方の閾値を超えた時点から他方の閾値を超えた時点までの時間を求める段階を含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記求められた時間から、前記選択された粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出する段階を含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記求められた時間から、前記選択された粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出する段階を含むことを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質が、楕円球状であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質が、中空状であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質が、該粒子状物質の周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率を有することを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質が、該粒子状物質の周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率の周波数スペクトルを有することを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記プログラム化電圧シグナルが、角度変調波形を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記角度変調波形が周波数変調波形であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記角度変調波形が位相変調波形であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記プログラム化電圧シグナルの瞬時周波数が、1Hz以上10GHz以下であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記プログラム化電圧シグナルの変調周波数が、100kHz以下であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記一対の電極が、突出部分を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記一対の電極が、略ハの字状に配置されることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記一対の電極が、それぞれ独立または一体に流体中を移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器に対して独立または一体に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器と同方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器の移動方向に対して異なる方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器と一体に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程の後に、前記一対の電極を移動させる工程を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程の後に、前記一対の電極間に電圧を生じさせる工程を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態は、前記粒子状物質の特性を解析する工程の後に、前記選択された粒子状物質を回収する工程を備えることを特徴とする。
本発明は、粒子状物質が懸濁された懸濁液を収容するチャンバと、前記懸濁液内に配される一対の電極と、該一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための電圧印加装置と、前記一対の電極の少なくとも先端部を含む領域を撮像する撮像装置と、該撮像装置により得られた動画データを表示するディスプレイからなることを特徴とする特性分析装置を提供する。
本発明は、粒子状物質が懸濁された懸濁液を収容するチャンバと、前記懸濁液内に配される一対の電極と、該一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置と、前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化を検出するインピーダンス検出装置からなることを特徴とする特性分析装置を提供する。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記特性分析装置が更に、前記動画データを格納する記憶装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記特性分析装置が更に、前記検出されるインピーダンスの時系列データを格納する記憶装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記特性分析装置が更に、入力装置を備え、該入力装置が、前記記憶装置に、前記一対の電極間のインピーダンスの大きさに対する上限閾値と下限閾値を記憶させることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記特性分析装置が更に、演算装置を備え、該演算装置が、前記検出されるインピーダンスが上限閾値を超えた時点と下限閾値を超えた時点との間の時間間隔を算出することを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記演算装置が、前記算出された時間間隔に基づき、粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出することを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記ディスプレイが、前記動画データとともに前記撮像装置による撮像時間を表示することを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、演算装置と、該演算装置への入力装置を更に備え、前記演算装置が、前記入力装置を介して入力データに基づき、粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出し、前記入力データが、前記ディスプレイの動画データと撮像装置による撮像時間のデータにより得られる前記一対の電極のうち一方の電極先端近傍に前記粒子状物質が滞在する時間であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記粒子状物質が、楕円球状であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記粒子状物質が、中空形状であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記粒子状物質が、該粒子状物質の周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率を有することを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記粒子状物質が、該粒子状物質の周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率の周波数スペクトルを有することを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記プログラム化電圧シグナルが、角度変調波形を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記角度変調波形が周波数変調波形であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記角度変調波形が位相変調波形であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記プログラム化電圧シグナルの瞬時周波数が、1Hz以上10GHz以下であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記プログラム化電圧シグナルの変調周波数が、100kHz以下であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極が、突出部分を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極が、略ハの字状に配置されることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極が、それぞれ独立または一体に流体中を移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器に対して独立または一体に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器と同方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器の移動方向に対して異なる方向に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器と一体に移動可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、波形発生器を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、周波数変調器を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、電圧増幅器を備えることを特徴とする。
本発明に係る特性分析装置の一実施形態は、前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、直流電圧を印加可能であることを特徴とする。
本発明に係る特性分析方法によれば、所望の粒子状物質に対して効率よく、その特性を分析することが可能となる。
本発明の一実施形態によれば、粒子状物質の特性を分析するために、粒子状物質の移動動作の時系列データは、撮像装置を用いて動画データとして作成される。動画データは、撮像時間のデータを含むものであってもよい。動画データは、ディスプレイに表示される。ディスプレイには、撮像時間のデータが同時に表示されてもよい。これにより、粒子状物質が所定の動作を行っている間の時間を容易に求めることが可能となる。例えば、プログラム化電圧シグナルを印加するために用いられる一対の電極間のうち一方の先端に粒子状物質が略静止状態で留まっている時間をディスプレイの表示により判別可能となる。
本発明の他の実施形態によれば、粒子状物質の移動動作の時系列データは、粒子状物質にプログラム化電圧シグナルを印加するために用いられる一対の電極間のインピーダンスの時間変化である。粒子状物質が、電極先端近傍に滞在するときと滞在しないときで大きくインピーダンスが変化するので、粒子状物質の移動動作、即ち、電極先端近傍に粒子状物質が位置するか否かを容易に且つ正確に判断することができる。
インピーダンスの変化の検出には、閾値を用いてもよい。例えば、インピーダンスの変化に対して上限閾値並びに下限閾値を設け、上限閾値を超えた時点と下限閾値を下回った時点の間の時間間隔を、粒子状物質が電極先端近傍に滞在する時間とすることができる。
プログラム化電圧シグナルの印加は、粒子状物質に誘電泳動力を生じせしめる。誘電泳動力は、粒子状物質に対して引力として或いは斥力として作用する。誘電泳動力が引力として粒子状物質に作用するとき、粒子状物質は、プログラム化電圧シグナルの印加に用いられる一対の電極のうち一方に接近する動作をする。一方で、誘電泳動力が斥力として粒子状物質に作用するとき、粒子状物質は、プログラム化電圧シグナルの印加に用いられる一対の電極から離れる方向に移動する動作をする。
プログラム化電圧シグナルが角度変調波形であるとき、粒子状物質に作用する誘電泳動力は、粒子状物質に対する引力としての作用と斥力としての作用を交互に繰り返すこととなる。この結果、粒子状物質は、プログラム化電圧シグナルの印加に用いられる一対の電極のうち一方に接近する動作とこの一方の電極から離れる動作を周期的に繰り返すこととなる。
粒子状物質は、プログラム化電圧シグナルの印加に用いられる一対の電極のうち一方に接近する動作とこの一方の電極から離れる動作が切り替わる間、粒子状物質は、一方の電極先端近傍に略静止状態で留まることとなる。この静止状態で留まっている時間は、上述の如く、ディスプレイに表示される動画データや電極間のインピーダンスの時間変化により、簡単に求めることが可能である。
ディスプレイに表示される動画データや電極間のインピーダンスの時間変化により求められた粒子状物質の電極先端における静止時間に基づいて、誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出することができる。
上述のような、プログラム化電圧シグナルの印加に起因する粒子状物質の周期的な移動動作は、角度変調波形が周波数変調波形である場合でも位相変調波形である場合でも得ることが可能である。
本発明に係る特性分析方法のある実施形態において、プログラム化電圧シグナルは、1Hz以上10GHz以下である。他の実施形態において、プログラム化電圧シグナルは、100kHz以下である。
本発明に係る特性分析方法は、任意形状の粒子状物質の特性を分析可能である。例えば、粒子状物質が楕円球状であってもよいし、中空状であってもよい。粒子状物質が、粒子状物質の周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率を有することにより、本発明の方法を好適に実施可能である。或いは、粒子状物質が周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率の周波数スペクトルを有することで、本発明を好適に実施可能となる。
本発明に係る特性分析方法に用いられるプログラム化電圧シグナルを印加するための一対の電極は、針状に形成されたものであってもよく、或いは、粒子状物質を収容するチャンバ底面(容器底面)に印刷されたプリント電極であってもよい。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態において、針状電極が略ハ字状(略V字状)にチャンバ内に配される。他の実施形態においては、突出部を有するプリント電極が利用される。
本発明に係る特性分析方法において、様々な態様で一対の電極を移動させることができる。
本発明に係る特性分析方法の一実施形態において、一対の電極は、互いに独立に移動する。他の実施形態において、一対の電極は一体的に移動する。
ある実施形態において、一対の電極のうち少なくとも一方が、粒子状物質を収容するチャンバとともに一体的に移動する。他の実施形態において、一対の電極のうち少なくとも一方が、粒子状物質を収容するチャンバに対して独立して移動する。
ある実施形態において、一対の電極のうち少なくとも一方が容器と同方向に移動する。他の実施形態において、一対の電極のうち少なくとも一方が容器の移動方向と異なる方向に移動する。
これら移動形態は、本発明を用いる使用者の要求に応じて適宜組み合わされ、選択される。
上記電極や容器の移動は、対象とする粒子状物質の選択を目的とするもののみならず、境界周波数算出後の粒子状物質の操作を目的としても行うことができる。上記の電極或いは容器の移動を通じて、粒子状物質を所望の位置に移動させてもよい。他の実施形態においては、更に、粒子状物質に対して直流電圧を印加することもできる。更には、粒子状物質を所定の場所に回収することもできる。
本発明は、上記方法を実行するための好適な特性分析装置を提供する。本発明の特性分析装置によれば、粒子状物質の特性を容易に且つ迅速に測定・分析することが可能となる。
以下、本発明に係る特性分析方法並びに特性分析装置について、図面を参照しつつ説明する。尚、以下の説明において、特性分析対象を細胞として説明するが、本発明はこれに限られるものでなく、細胞以外の物質の特性測定にも適用可能である。
図1は、本発明に係る特性分析装置のある一形態を示した概略図である。
特性分析装置(1)は、細胞が懸濁された懸濁液を収容するチャンバ(2)と、チャンバ(2)上方に配されるとともにチャンバ(2)内部の観察像の時系列データを取得可能な検出装置(CCDカメラ付き顕微鏡)(3)と、検出装置(3)により取得された前記データを記録し処理する解析装置(コンピュータ)(4)と、チャンバ(2)内の懸濁液層中に挿入される一対の針状電極(5)と、針状電極(5)に電気的に接続するプログラム化電圧シグナル源(6)から構成される。
解析装置(4)は、市販されるパーソナルコンピュータが備えるのと同様のメモリ(記憶装置)を内蔵する。
針状電極(5)は、針状電極(5)を移動或いは回転動作させるためのアーム部(51)に接続し、アーム部(51)の動作は、電動モータを用いて実行される。解析装置(4)の入力手段(キーボード等)から電動モータの回転量・回転方向を入力し、アーム部(51)の移動量・移動方向を決定可能とすることが好ましい。
図1に示す形態においては、一対の針状電極(5)それぞれは、独立して制御される。したがって、一方の針状電極(5)のみを動作させることも可能である。尚、一対の針状電極(5)を一体に動作させる形態を採用してもよい。
プログラム化電圧シグナル源(6)は、周波数変調波あるいは位相変調波を含む角度変調波を出力可能である。尚、本実施例においてはプログラム化電圧シグナル源(6)として、交流電源と交流電圧の周波数を変調させる変調器が一体となっている任意波形発生器を用いているが、交流電源と変調器が別体に設けられるものであってもよい。尚、プログラム化電圧シグナル源に加えて電圧増幅器を備えるものであってもよい。ここで、プログラム化との用語は、波形式のパラメータ代入により種々の波形を自在に発生可能とすることを意味する。
また、解析装置(4)は、プログラム化電圧シグナル源(6)の出力ポートと接続することで、オシロスコープ機能を代替するほか、電圧入力とデータ取得タイミングの同期をとることも可能となる。
検出装置(3)からの画像データ(動画データ)は、解析装置(4)に順次送られ、解析装置(4)に内蔵された記憶装置に格納される。結果として、解析装置(4)には検出装置(3)からの画像データが時系列に格納されることとなる。また、解析装置(4)のディスプレイ(41)が、検出装置(3)から送信された画像データを表示する。ディスプレイ(41)には、更に、ディスプレイ(41)に表示される画像データに対応する時間データ(画像データのコマ数や検出装置(3)による撮像時間など)が表示される。
図2は、本発明に係る特性分析方法の概略フローチャートである。尚、以下の説明において、図1に示す特性分析装置(1)を用いた例を示すが、本発明に係る特性分析方法はこれに限るものではなく、他の構成形態を有する装置によっても実施可能である。
特性分析方法は、準備工程、電圧印加工程、検出工程、周波数調整工程、解析工程からなる。検出工程から周波数範囲の調整工程へと続く操作は、必要があれば複数回行い、解析工程を行うのに最適な瞬時周波数の範囲と変調周波数を決定する。また、図2に示す例においては、電圧印加工程後に検出工程が行われる形態であるが、この2工程の順番は入れ替えても良い。
図3は、観察装置(3)により得られる像の領域、即ち視野領域を示す。図3中、矩形の枠内の領域が視野領域(F)である。視野領域(F)は、ディスプレイ(41)に表示される。
視野領域(F)内には、一対の針状電極(5)が映し出される。針状電極(5)は、先端部以外の部分は誘電体で被覆され、一対の針状電極(5)先端部間で電場が生ずる。また、一対の針状電極(5)は、懸濁液層中で、ハの字状に横たわるように配され、一対の針状電極(5)間の距離は、先端部分で最も狭くなっている。
図3に示す例において、視野領域(F)内に3つの細胞(7)が映し出されている。細胞(7)周囲は懸濁液で覆われており、この懸濁液の複素誘電率は細胞の複素誘電率と異なるものとする。或いは、懸濁液の複素誘電率の周波数スペクトルが、細胞(7)の複素誘電率の周波数スペクトルと異なるものであってもよい。
準備工程において、視野領域(F)に映し出された細胞(7)のうち1つを選択する。ここでは、ハッチングが施された細胞(7)を選択するものとする。尚、視野領域(F)内に所望の細胞(7)が存在しなければ、観察領域を変更し、他の視野領域(F)を観察すればよい。
図4は、細胞(7)を選択した後の視野領域(F)内に映し出される像を示す。
1つの細胞(7)を選択した後、針状電極(5)を移動させ、一対の針状電極(5)先端を結ぶ線上或いはその近傍(一対の針状電極(5)間に生ずる電場の影響が及ぶ程度の範囲)に選択された細胞(7)を位置させる。このとき、針状電極(5)の移動に伴い、観察装置(3)を操作し、視野領域(F)も移動させる。
図5は、一対の針状電極(5)にプログラム化電圧シグナル源(6)によりプログラム化電圧シグナルを印加した状態を示す。この状態において、針状電極(5)先端近傍においては、電場強度が高く、針状電極(5)先端から離れるにつれて電場強度が低くなり、空間的に不均一な電場が生じている。
本実施例において、シグナル波形(角度変調波)として、以下の式で表される周波数変調波を選択する。
Figure 0004300296
ここで、Eは印加される電場の振幅である。上式より、サイン関数の引数部分の時間微分で与えられる瞬時周波数f (t)は、下記のように表される。
Figure 0004300296
上式より、数1で表される周波数変調波を印加するとき、その瞬時周波数の範囲はf c−Δfからf c+Δfの間であり、また変調周波数はf mであることがわかる。
前記数1で表される周波数変調波を印加しているとき、図5の細胞(7)には以下の式で表される誘電泳動力が働く。
Figure 0004300296
Figure 0004300296
ここで、Fdは、細胞(7)を移動させる誘電泳動力であり、aは細胞(7)を球形としたときの細胞(7)の半径を表し、Re(x)は複素数xの実数部を表している。また、KはClausiuis−Mossotti関数と呼ばれ瞬時周波数f (t)の関数である。εpは細胞(7)の複素誘電率、εsは溶媒の複素誘電率である。ただし水溶媒の複素誘電率実部は、1Hz以上10GHz以下という瞬時周波数範囲においては、ほぼ定数と見なせる。
尚、周波数変調波の代わりに、下式で表される位相変調波を用いることも可能である。
Figure 0004300296
このとき、瞬時周波数f (t)は下記で与えられる。
Figure 0004300296
上記力Fdの向きと大きさは、Clausiuis−Mossotti関数Kを通して、瞬時周波数f (t)に依存する。Clausiuis−Mossotti関数が正である低周波域では、誘電泳動力は電場強度の小さい方向へと押し出す斥力として働く。一方、細胞(7)の複素誘電率の実部が小さくなる高周波域ではClausiuis−Mossotti関数が負となるため、誘電泳動力は電場強度の大きい方向へと引き寄せられる引力として働く。より詳しくは、誘電泳動力が斥力から引力に切り替わる境界周波数f 0は、細胞(7)の複素誘電率虚部の周波数スペクトルにおけるピーク周波数である誘電緩和周波数により決定される量となっている。
図6は、瞬時周波数がClausiuis−Mossotti関数が負である高周波数領域にある時の状態を示す。このとき、細胞(7)に対して誘電泳動力は引力として働くため、細胞(7)は電場強度の強い針状電極(5)先端間の近傍、あるいはどちらかの針状電極(5)上に誘引された状態を持続する。
図7は、瞬時周波数がClausiuis−Mossotti関数が正である低周波数領域にある時の状態を示す。このとき、細胞(7)に対して誘電泳動力は斥力として働くため、細胞(7)は電場(E)から押し出される方向に移動する。
図8は、瞬時周波数がClausiuis−Mossotti関数が正から負に移り変わる周波数での状態を示す。このとき、細胞(7)に作用する誘電泳動力は引力に切り替わるため、細胞(7)は再び針状電極(5)先端間に引き寄せられるように移動する。
前記数2からわかるように、周波数変調波における瞬時周波数は、変調周波数f mで決まる周期1/ f mで時間的に振動する。従って、変調周波数を0.1Hzにしたとき、瞬時周波数の時間的振動に応じて、細胞(7)は針状電極(5)先端近傍に滞在する図6の状態と電極先端から離れていく図7の状態の間を、10秒の周期で行き来することなる。尚、細胞(7)の移動を観察するためには、変調周波数を100kHz以下に設定することが好ましい。
前記周波数変調波の印加下での解析工程において、粒子状物質の移動に関する時系列データ(解析装置(4)のディスプレイ(41)に表示される動画データ)から、図6の状態で針状電極(5)先端近傍に滞在する時間を求めることができる。即ち、観察者は解析装置(4)のディスプレイ(41)に現れる細胞(7)の挙動と、ディスプレイ(41)に表示される時間データから、針状電極(5)先端近傍に細胞(7)が滞在する時間を求めることができる。この滞在時間をτと置くと、瞬時周波数の最高値f c + Δfと前記境界周波数f 0までの所要時間は0.5τとなるので、f 0は下式より得られることとなる。
尚、境界周波数f 0は、解析装置(4)が備えるCPU等の演算ユニットを用いて算出してもよいし、或いは、手計算により算出してもよい。解析装置(4)の演算ユニットを用いて境界周波数f 0を算出する場合、例えば、解析装置(4)に電気的に接続するキーボード等の入力装置を用いて、滞在時間τを入力することにより、演算装置が下式の演算を実行して、境界周波数f 0を算出することとなる。
Figure 0004300296
細胞、リポソーム、高分子微粒子などの粒子状物質において、前記境界周波数f 0は多くの場合、周囲の流体の導電率が10mS/mから100mS/mの間で大きく変化する。そのため、瞬時周波数の望ましい選択範囲は、粒子状物質を囲む流体の導電率により変わる。前記導電率よりも十分に導電率が小さい場合には、f 0が1MHzを越える場合が多いため、瞬時周波数範囲の最低値は1MHzより上に設定されていることが望ましい。一方、上記導電率よりも十分に導電率が大きい場合には、f 0が100kHzから1MHzの範囲にある場合が多いため、瞬時周波数範囲の最高値は1MHz程度に設定されていることが望ましい。
本発明の利点の一つは、境界周波数を短時間に決定できる点にある。例えば、前記のとおり周波数変調波の変調周波数を0.1Hzに設定し、サイクルの周期が10秒となる場合には、3サイクル程度の時系列データがあれば、十分に前記滞在時間τを求めることができるので、解析所要時間は1分にも満たないこととなる。細胞のように、特に電場印加により境界周波数が容易に変化する粒子状物質の場合には、このように短時間で特性を同定することは必要である。
本発明のもう一つの利点は、同じ粒子状物質単体の特性変化を経時的に追える点にある。例えば、瞬時周波数範囲を100kHzから900kHzに、また前記と同様に変調周波数を0.1Hzに設定して、細胞懸濁液の代わりにリポソーム水溶液を用いて以下のような結果を得ることができる。
まず、あるリポソーム単体にターゲットを絞る。このリポソームに針状電極(5)を用いて前記条件の周波数変調電圧シグナルを印加した結果、滞在時間は約5秒と求まったものとする。これを数7の式に代入することにより、境界周波数は約500kHzと求まる。
次に、マイクロインジェクターを用いて、透明に近い極希薄な染色剤を滴下する。この結果、水は染色されずに疎水性部位を含むリポソーム壁のみが選択的に染色されることとなる。
以上の一連の作業中、電場は印加していないが、観察により前記リポソームを同定したままである。染色後、再び前記と同様の波形電圧を印加し滞在時間を測定する。その結果、約3秒となったものとする。これを上記数7の式に代入することにより、境界周波数は前記500kHzから700kHzへとわずかに変化することを短時間に測定することが可能となる。
細胞(7)などの半固体微粒子あるいは固体微粒子に限らず、本発明を液体で構成される微小領域に対する特性の測定にも適用可能である。
例えば、チャンバ(2)内に一の種類の液体を収容し、液層を形成する。また、この一の種類の液体とは異なる誘電率を有する他の種類の液体を用意し、この他の種類の液体をピストンシリンダに収容する。そして、チャンバ(2)上方から、ピストンシリンダ内に収容された液体を滴下する。これにより、液層内にピストンシリンダ内に収容された液体から構成される微小領域が形成される。
そして、上記の特性の測定と同様の手法で、微小領域に対して特性の測定を行うことが可能となる。
このように、本発明は細胞などの楕円球状微粒子のみならず周囲の液体と異なる誘電率及び/又は複素誘電率の周波数スペクトルを備える液体のような不定形微小領域或いは中空状の微粒子にも適用可能である。
次に、細胞分別操作について説明する。
まず、一の種類の細胞が懸濁された懸濁液を収容するチャンバ(2)を用意する。尚、ここで使用者は、用意された細胞の種類を知っているものとする。そして、上記のように用意された細胞に対して特性を計測する。
次に、他の種類の細胞が懸濁された懸濁液を収容するチャンバ(2)を用意する。同様に、使用者は、用意された細胞の種類を知っているものとする。そして、上記のように用意された細胞に対して特性を計測する。
このようにして、複数種類の細胞に対して、前記滞在時間の違い、すなわち前記境界周波数の違いを明らかにしておく。
図9は、5種類の細胞が1つの作業領域に配された状態を示す。図9に示す例において、視覚的に細胞種の区別することは困難なものとする。ここで、図9に示す状態において、作業領域(F1)中に配された5つの細胞の中から、上記手順によって滞在時間が同定された「細胞1」を分別し、作業領域(F2)に配置することとする。
ここで、一対の針状電極(5)間に印加する交流電圧の周波数を500kHzに合わせた後、針状電極(5)を移動させ、各細胞に近づける。
針状電極(5)を近づけられた細胞のうち、針状電極(5)先端に滞在している時間が、前記手順により予め同定しておいた滞在時間と同じものが「細胞1」である。
このようにして、見出された「細胞1」を移動させて、作業領域(F2)へ移動させることにより、目的とする細胞のみを分別可能となる。尚、「細胞1」を移動させる操作については、誘電泳動力が斥力となる周波数の交流電圧を針状電極(5)間に印加した状態で、針状電極(5)自身あるいはチャンバ(2)が載置された顕微鏡ステージを移動することで実現される。上記の分別操作の後、「細胞1」は回収され、所望の解析或いは細胞操作などが「細胞1」に対して行われる。
「細胞1」を移動させる形態については、特に限定されるものではない。例えば、針状電極(5)とチャンバ(2)をそれぞれ独立して移動させてもよい。針状電極(5)とチャンバ(2)を同方向に且つ互いに異なる速度で移動させてもよいし、針状電極(5)とチャンバ(2)を異なる方向へ移動させてもよい。また、このような針状電極(5)の移動操作において、一対の針状電極(5)のうちいずれか一方のみを移動させる形態を採用してもよい。
また上記例において、ハの字状に配された針状電極(5)の先端を超えた領域において細胞(7)を取扱ったが、ハの字状に配された針状電極(5)に囲まれた領域内に細胞(7)を配しても上述と同様の操作を行うことが可能である。
図10は、他の電極の形態を示す。
上記説明において、針状電極(5)を用いてきたが、本発明はこれに限られるものではない。図10に示すようにチャンバ(2)の底面に印刷されたパターン電極(51)を本発明の電極として利用可能である。
図10に示すパターン電極(51)は、チャンバ(2)底面左右に所定間隔をあけて配された電極領域(511,512)からなる。そして、電極領域(511,512)の間には、平面視三角形状の突出部(513,514)が形成されている。このようにパターン電極(51)を形成することで、左右の電極領域(511,512)間に不均一な電場を生じさせることができ、上記と同様の操作を行うことが可能となる。また、チャンバ(2)と電極(51)を一体に移動させることが可能となる。
上記の手法は、細胞活性度の解析にも応用可能である。
まず、培養器から採取された直後の細胞が懸濁された懸濁液を収容するチャンバ(2)を用意する。尚、ここでは、図9に関連して説明した「細胞1」を対象とする。
その後、1日ごとに印加交流電圧周波数と「細胞1」の動作態様との関係を調査する。
細胞の特性は、細胞の活性度に応じて変動するので、印加交流電圧周波数と「細胞1」の動作態様との関係を明らかにすることで、例えば、活性度の高い細胞のみを分別することが可能となる。
尚、細胞の種類ならびに状態ごとの境界周波数あるいは滞在時間は、記録装置(4)内にデータベースとして格納されることが好ましい。このように多種の細胞について、特性がデータベース化され、データの蓄積がされることにより、多様な細胞マニピュレーション(分別、濃縮、活性度分析など)を効率よく行うことが可能となる。
また、プログラム化電圧シグナル源(6)が直流電圧を印加可能であるならば、上記のように選択された細胞を分別して、分別された細胞を配列し、細胞列を形成し、この細胞列の両端部に針状電極(5)を近接させて直流電圧を印加することにより、細胞融合の操作を行うことも可能である。
図11は、図1に示す特性分析装置の変更形態を示すが、図11に示す特性分析装置を用いても、上述と同様の操作・解析を行うことができる。
図11に示す特性分析装置(10)において、図1に示す特性分析装置(1)の観察装置(3)に代えて、インピーダンス検出装置(30)が用いられている。インピーダンス検出装置(30)として、例えば、インピーダンスアナライザやLCRメータを用いることができるが、針状電極(5)間のインピーダンスの時系列データを取得可能な機器であれば、任意の機器をインピーダンス検出装置(30)として利用可能である。
インピーダンス検出装置(30)は、針状電極(5)に電気的に接続し、針状電極(5)間のインピーダンスを測定する。測定されたインピーダンスの時系列データは、図11に示す例においては、インピーダンス検出装置(30)に接続する解析装置(4)に内蔵された記憶装置に格納される。また、解析装置(4)のディスプレイ(41)が図12に示すようなインピーダンスの大きさのグラフを表示する。
尚、インピーダンス検出装置(30)自体が、測定されたインピーダンスの時系列データを格納及び/又は表示する機能を備えるものであってもよい。
図12は、図11に示す特性分析装置(10)により取得されたインピーダンスの時系列データの概略的グラフを示す。図12のグラフ中、縦軸はインピーダンスの大きさを示し、横軸は時間軸である。
細胞(7)が針状電極(5)上に滞在(付着)した状態(図6参照)と、針状電極(5)から離れた状態(例えば、図5参照)とでは、インピーダンスの実部及び虚部に大きな変化が現れ、測定されるインピーダンスの大きさに顕著な差異が現れる。図12に示す例においては、針状電極(5)上に細胞(7)が滞在しているときには、測定されるインピーダンスは増大し、針状電極(5)から細胞(7)が離れると測定されるインピーダンスは低減する。
図1に示す特性分析装置(1)を用いた場合には、針状電極(5)上の細胞(7)の滞在時間τを、観察装置(3)から得られる画像に基づいて、観察者が決定するものとなるが、図11に示す特性分析装置(10)を用いると、測定されるインピーダンスの大きさ又はインピーダンスの大きさの変化に基づいて、数学的・物理的に滞在時間τを決定することができる。例えば、解析装置(4)に電気的に接続するキーボード等の入力装置を用いて、インピーダンスの大きさの変化率に対する上限閾値(インピーダンスの増加に対する閾値)並びに下限閾値(インピーダンスの低下に対する閾値)を解析装置(4)に入力・格納し、解析装置(4)が有する演算装置の演算機能を用いて、上限閾値を測定されたインピーダンスの変化が超える時点から下限閾値を測定されたインピーダンスの変化が超える時点までの時間を滞在時間τとして算出することができる。
したがって、図11に示す特性分析装置(10)を利用した場合には、滞在時間τの決定過程において観察者間のばらつきを除去することができ、高い精度での滞在時間τの決定を行うことができる。
本発明は、粒子状物質の移動、分別、ならびに濃縮の操作を行うにあたって粒子状物質の特性の分析を効率よく行うことが可能な方法及び装置に好適に適用される。
本発明に係る特性分析装置の概略構成図である。 本発明に係る特性測定方法の概略フローチャートである。 本発明に係る特性測定方法の微粒子選択工程を示す図である。 本発明に係る特性測定方法の微粒子位置設定工程を示す図である。 一対の針状電極にプログラム化電圧シグナル源からプログラム化電圧シグナルを印加した状態を示す図である。 瞬時周波数が高周波数領域にあるとき(Clausiuis-Mossotti関数が負の値を示す)の状態を示す図である。 瞬時周波数が低周波数領域にあるとき(Clausiuis-Mossotti関数が正の値を示す)の状態を示す図である。 Clausiuis-Mossotti関数が正から負に切り替わる状態を示す図である。 細胞分別操作の一例を示す図である。 本発明に用いられる電極の他の実施形態を示す図である。 図1に示す特性分析装置の変更形態を示す。 図11に示す特性分析装置から得られるインピーダンスの時系列データの概略的なグラフである。 従来の誘電泳動現象を利用するマニピュレーション装置の一例を示す図である。 従来の細胞の特性分析装置の一例を示す図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・特性分析装置
10・・・・・・・・・・・・特性分析装置
2・・・・・・・・・・・・・チャンバ
3・・・・・・・・・・・・・観察装置
30・・・・・・・・・・・・インピーダンス検出装置
41・・・・・・・・・・・・ディスプレイ
5・・・・・・・・・・・・・針状電極
6・・・・・・・・・・・・・プログラム化電圧シグナル源
7・・・・・・・・・・・・・細胞

Claims (41)

  1. 流体中の粒子状物質を少なくとも一つ選択する工程と、
    一対の電極近傍に前記選択された粒子状物質を位置させる工程と、
    前記一対の電極間に角度変調波形を備えるプログラム化電圧シグナルを用いて空間的に不均一な電場を発生させる工程と、
    前記プログラム化電圧シグナルを印加している間の前記粒子状物質の移動動作を検出し、該粒子状物質の移動動作に関する時系列データを作成する工程と、
    該時系列データに基づき、前記粒子状物質の特性を解析する工程からなり、
    前記時系列データが、前記粒子状物質の移動動作を撮像して得られる動画データであり、
    動画データが更に、撮像時間のデータを含み、
    前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記動画データとともに前記撮像時間のデータを、ディスプレイに表示させる段階を含み、
    前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記ディスプレイに表示される前記動画データに基づき、前記粒子状物質を選択する工程により選択された粒子状物質が前記一対の電極のうち一方の電極の先端近傍に滞在している時間を求める段階と、
    求められた時間から、前記選択された粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出する段階を含むことを特徴とする特性分析方法。
  2. 流体中の粒子状物質を少なくとも一つ選択する工程と、
    一対の電極近傍に前記選択された粒子状物質を位置させる工程と、
    前記一対の電極間に角度変調波形を備えるプログラム化電圧シグナルを用いて空間的に不均一な電場を発生させる工程と、
    前記プログラム化電圧シグナルを印加している間の前記粒子状物質の移動動作を検出し、該粒子状物質の移動動作に関する時系列データを作成する工程と、
    該時系列データに基づき、前記粒子状物質の特性を解析する工程からなり、
    前記時系列データが、前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化であり、
    前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記測定されたインピーダンスの時間変化に対する上限閾値及び下限閾値を設定する段階と、
    インピーダンスの大きさの変化率が一方の閾値を超えた時点から他方の閾値を超えた時点までの時間を算出することにより、前記一対の電極のうち一方の電極の先端近傍に、前記粒子状物質を選択する工程で選択された粒子状物質が滞在している時間を求める段階と、
    求められた時間から、前記選択された粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出する段階を含むことを特徴とする特性分析方法。
  3. 前記時系列データを作成する工程が、前記動画データとともに前記撮像時間のデータを、記憶装置に記憶させる段階を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の粒子状物質の特性分析方法。
  4. 前記時系列データを作成する工程が、前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化のデータを、記憶装置に記憶させる段階を含むことを特徴とする請求の範囲第2項記載の粒子状物質の特性分析方法。
  5. 前記粒子状物質の特性を解析する工程が、前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化のデータを、ディスプレイに表示させる段階を含むことを特徴とする請求の範囲第2項記載の粒子状物質の特性分析方法。
  6. 前記粒子状物質が、楕円球状であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  7. 前記粒子状物質が、中空状であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  8. 前記粒子状物質が、該粒子状物質の周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率を有することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  9. 前記粒子状物質が、該粒子状物質の周囲を取り囲む流体と異なる複素誘電率の周波数スペクトルを有することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  10. 前記角度変調波形が周波数変調波形であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  11. 前記角度変調波形が位相変調波形であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  12. 前記プログラム化電圧シグナルの瞬時周波数が、1Hz以上10GHz以下であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  13. 前記プログラム化電圧シグナルの変調周波数が、100kHz以下であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  14. 前記一対の電極が、突出部分を備えることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  15. 前記一対の電極が、略ハの字状に配置されることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  16. 前記一対の電極が、それぞれ独立または一体に流体中を移動可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  17. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器に対して独立または一体に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  18. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器と同方向に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の特性分析方法。
  19. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器の移動方向に対して異なる方向に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第17項に記載の特性分析方法。
  20. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器と一体に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  21. 前記粒子状物質の特性を解析する工程の後に、前記一対の電極を移動させる工程を備えることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  22. 前記粒子状物質の特性を解析する工程の後に、前記一対の電極間に電圧を生じさせる工程を備えることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  23. 前記粒子状物質の特性を解析する工程の後に、前記選択された粒子状物質を回収する工程を備えることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の特性分析方法。
  24. 粒子状物質が懸濁された懸濁液を収容するチャンバと、
    前記懸濁液内に配される一対の電極と、
    該一対の電極間に角度変調波形を備えるプログラム化電圧シグナルを印加するための電圧印加装置と、
    前記一対の電極の少なくとも先端部を含む領域を撮像する撮像装置と、
    該撮像装置により得られた動画データを表示するディスプレイと、
    演算装置と、
    該演算装置への入力装置を備え、
    前記ディスプレイが、前記動画データとともに前記撮像装置による撮像時間を表示し、
    前記演算装置が、前記入力装置を介して入力データに基づき、粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出し、
    前記入力データが、前記ディスプレイの動画データと前記撮像装置による撮像時間のデータにより得られる前記一対の電極のうち一方の電極先端近傍に前記粒子状物質が滞在する時間であることを特徴とする特性分析装置。
  25. 粒子状物質が懸濁された懸濁液を収容するチャンバと、
    前記懸濁液内に配される一対の電極と、
    該一対の電極間に角度変調波形を備えるプログラム化電圧シグナルを印加するための電圧印加装置と、
    前記一対の電極間のインピーダンスの時間変化を検出するインピーダンス検出装置と、
    前記検出されるインピーダンスの時系列データを格納する記憶装置と、
    入力装置と、
    演算装置を備え、
    前記入力装置が、前記記憶装置に、前記一対の電極間のインピーダンスの大きさに対する上限閾値と下限閾値を記憶させ、
    前記演算装置が、前記検出されるインピーダンスが上限閾値を超えた時点と下限閾値を超えた時点との間の時間間隔を算出し、前記一対の電極のうち一方の電極先端近傍に前記粒子状物質が滞在する時間を求め、
    該算出された時間間隔に基づき、粒子状物質に対する誘電泳動力が引力から斥力に切り替わる境界周波数を算出することを特徴とする特性分析装置。
  26. 前記特性分析装置が更に、前記動画データを格納する記憶装置を備えることを特徴とする請求の範囲第24項記載の特性分析装置。
  27. 前記角度変調波形が周波数変調波形であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  28. 前記角度変調波形が位相変調波形であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  29. 前記プログラム化電圧シグナルの瞬時周波数が、1Hz以上10GHz以下であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  30. 前記プログラム化電圧シグナルの変調周波数が、100kHz以下であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  31. 前記一対の電極が、突出部分を備えることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  32. 前記一対の電極が、略ハの字状に配置されることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  33. 前記一対の電極が、それぞれ独立または一体に流体中を移動可能であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  34. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記粒子状物質の周囲を取り囲む流体を収容する容器に対して独立または一体に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  35. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記チャンバと同方向に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第34項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  36. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記チャンバの移動方向に対して異なる方向に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第34項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  37. 前記一対の電極のうち少なくとも一方が、前記チャンバと一体に移動可能であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  38. 前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、波形発生器を備えることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  39. 前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、周波数変調器を備えることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  40. 前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、電圧増幅器を備えることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
  41. 前記一対の電極間にプログラム化電圧シグナルを印加するための装置が、直流電圧を印加可能であることを特徴とする請求の範囲第24項又は第25項記載の粒子状物質の特性分析装置。
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