JP4300085B2 - 配管の残留応力改善方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の残留応力を改善する方法に係り、特に配管の溶接部近傍の残留応力を改善する方法に関する。
配管の内面の残留応力を緩和する方法の例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の応力緩和方法では、環状溶接部の外周側を均一に急速加熱し、内面側の引張り残留応力を低減させることが試みられている。この結果、配管の内外面に温度差が付与され、この温度差に基づく熱膨張差により、低温側である配管内面の残留応力が改善される。小口径の配管内面における引張残留応力を改善する方法の他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載の残留応力低減方法では、小口径配管を水で満たし、その後配管の内面にキャビテーション気泡を含む高速水流をノズルから噴射している。これにより、高速水流から発生したキャビテーション気泡が小口径配管の内面近傍で崩壊し、圧縮応力を生じさせている。
特開2001−150178号公報
特開2000−52247号公報
上記特許文献1および特許文献2のいずれに記載の残留応力の改善方法は、十分な作業スペースが確保される場合には、所望の効果を得ることができる。しかしながら、発電プラントの小口径配管等の場合には、隣り合う配管同士のスペースに限りがある。例えば、溶接作業がどうにかできる程度のスペースしか確保できない場合には、溶接後の残留応力低減に用いる従来の装置を導入するのに、十分なスペースが与えられない恐れがある。また、この従来の装置を導入できるようにするためスペースを確保すると、発電プラントが大型化し高価になる。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、コンパクトな装置を用いて配管の溶接部近傍の応力腐食割れを防止することにある。本発明の他の目的は、配管内面に働く引張残留応力を低減ないし圧縮状態にして応力腐食割れを防止することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、内部に水を保有した配管の少なくとも2個所に水密な栓を形成し、この水密な栓で挟まれた配管内部の水を冷却して凝固させ、氷を形成して体積膨張させて配管を塑性変形させ、配管の残留応力を改善するものである。
この特徴において、配管の外面に配管の最大塑性変形量を制限する拘束治具を設けた後に、配管内部の水を凝固させるのがよく、拘束治具は、厚板材の片面中央部を2つ割り円筒状に形成した2個の治具と、この治具を締結する締結具とを有し、円筒の軸方向端部の径よりも軸方向中間部の径が大であることが望ましい。また上記特徴において、2つ割円筒状の治具の少なくとも一方の内面に、配管とこの治具との接触を検出して配管の拡管量を計測する手段を設けるのがよく、水密な栓間に配管の溶接部を配置するのが好ましい。さらに、配管の外部にこの配管の周面を覆うように中空の容器を取り付け、この中空容器の内部にドライアイスを投入して水密な栓を形成してもよく、中空容器にドライアイスを投入して水密な栓を形成した後、さらにドライアイスを投入して水密な栓で挟まれた配管内部の水を凝固させるようにしてもよい。
本発明によれば、配管内部に水を満たし、配管外部に冷凍源のドライアイス等を配置したので配管内部に圧縮応力を発生させることができ、配管を溶接した後に溶接部近傍に生じた引張残留応力を低減できる。これにより、配管の溶接部近傍に生じる恐れのある応力腐食割れを防止できる。また、配管内外の引っ張り残留応力を低減するための温度差を付与しにくい小口径で薄い配管においても、確実に引張残留応力を低減できる。
ステンレス鋼やニッケル基金合金等では、引張残留応力が付与されたまま高温純水中に長時間曝されると、応力腐食割れを発生するおそれがある。発電プラントでは、高温水配管には耐食性等を考慮してステンレス製配管を用いることが多い。このような場合、配管の溶接部近傍における応力腐食割れを防止するために、配管内面の引張残留応力を低減するか、圧縮残留応力にすることが望ましい。以下に、応力腐食割れを防止する残留応力改善方法の具体的実施例を図面を用いて説明する。
図1ないし図7に、本発明に係る配管の残留応力改善方法の一実施例を示す。本実施例では、発電プラントに用いる小口径配管の溶接部近傍の応力を改善する場合を例にとり説明する。図1の(a)〜(d)は、小口径配管1の変化状態を示す図であり、小口径配管1の縦断面図である。同図(e)および(f)は、小口径配管1の各部(A部、B部)の応力状態を示す図である。
配管1の図示しない溶接部の近傍には、応力腐食割れが発生しやすいことが知られている。そこで応力腐食割れが発生する恐れのある位置、すなわち応力改善が望まれる位置7を挟んで左右両側に所定距離だけ離して、密封位置を定める。そして図1(a)に示すように、配管1内部に作動水2を通し、密封位置に水密な栓3、3を配置し、水2で満たされた水密な空間1aを形成する。この水密な栓3、3としては、配管1に開閉弁を設け、この開閉弁を閉じる。または、配管1の外周側を冷却して内部の水2を凝固させて、アイスプラグ29を形成する。配管2の外周には、応力改善位置7を挟んで両側にリング状に形成された内側容器5、5を配置する。内側容器5、5の隣りであって応力改善位置とは反対側に、これもリング状に形成された外側容器4、4を配置する。内側容器5、5および外側容器4、4のリング内部は空洞であり、この内部の空洞にメチルアルコール6を注入する。
次に、同図(b)に示すように、応力改善位置7から遠い側に位置する外側容器4、4に、ドライアイス8を投入する。外側容器4、4にドライアイス8が投入されると、外側容器4、4が取り付けられた部分に対応する配管1内部分の水2が冷却され、凝固9し始める。配管1内の水の凝固9が進むに従い氷が形成され、それに伴い体積膨張して水密な栓3で挟まれた部分の水2の水圧が上昇する。そして、配管1が膨らみ10始める。
外側容器4、4にドライアイス8を投入してからしばらくして、内側容器5、5にドライアイス8を投入する(図1(c)参照。)。これにより、配管1内の水2の冷却が促進され、配管1の中央部を除いて、配管1内の殆ど水2が氷9に変化する。
配管1内に氷9が形成されて、配管2が予め定めた量だけ膨らんだら、水密な栓3、3を取り外すか、水密な栓3、3が弁の場合には弁を開く(図1(d)参照。)。なお、配管1の膨らみ10量と配管1に作用する圧縮応力との関係は、予め実験等で求めておく。水密な栓3、3が無くなったら、外側容器4、4と内側容器5、5を配管1から外して、配管1内部の氷9を融解させる。なお、水密な栓3がアイスプラグ29の場合には、氷9が融解すると水密な栓3も融解するので、外側容器4、4と内側容器5、5を配管1から外すだけでよい。
上記手順により、配管1内部に形成された氷9が溶解した後も、配管1の膨らみ10が残る。これにより、配管1の中心線を含む縦断面においては、配管1が曲げ変形して配管1軸方向に、残留応力が発生する。この残留応力は、最も拡管したA部においては図1(e)に示すように、配管1の内面11側で圧縮応力となり、配管1の外面12側では引張応力となる。これに対し、配管1が拡管し始めるB部においては、図1(f)に示すように、配管1の内面11側で引張応力に、配管1の外面12側で圧縮応力となる。配管1が曲げ変形して生じる曲げ応力は、曲げ半径が小さい程大きい。そこで、A部における配管1の膨らみ10の曲げ半径を小さくし、B部における配管1の膨らみ10の曲げ半径を大きくする。配管1の内部には大きな圧縮応力か小さな引張応力を残留応力として付与される。
上記残留応力改善方法において、メチルアルコール6の代わりにエチルアルコールを代用してもよい。また、リング状の内側容器5や外側容器4の代わりに図2、図3に示すような容器を用いてもよい。図2は、水平な配管1に内側容器や外側容器を取り付ける例であり、図3は垂直な配管1に内側容器や外側容器を取り付ける例である。外側容器または内側容器を組み立てる前の斜視図を、図2(a)に、そのX矢視図を同図(b)に、組み立て後の斜視図を同図(c)に、そのX矢視図を同図(d)に示す。
外側容器4または内側容器5を、上部容器14とこの上部容器14が嵌合する下部容器17とから形成する。下部容器17は箱型をしており、対向する側面部17aに配管1が通るV字型の溝17bが形成されている。この溝17bの下部は、配管1形状に合わせて半円状となっている。下部容器17の上面には、各角部に対応してねじ穴16bが4個形成されている。上部容器14は一対の板部材であり、下部容器17のねじ穴16bに対応した位置に穴16aが形成された横板部14aと、下部容器17のV字型の溝17bに嵌合する嵌合部14bとを有している。嵌合部14bの下端部も配管1形状に合わせて半円状となっている。
下部容器17と上部容器14の合わせ面および配管1との組み合わせ面には、パッキン13が設けられている。下部容器17と上部容器14とをねじ15を用いて、ねじ止めすることによりパッキン13が潰れて、下部容器17と上部容器14の合わせ面、各容器14、17と配管1との組み合わせ面にできる恐れのある隙間を塞ぎ、メチルアルコールやドライアイス等の冷媒が容器から漏れるのを防いでいる。
垂直な配管1に容器を取り付ける途中の状態を図3(a)に、取付け後の状態を同図(b)に示す。外側容器4または内側容器5を、容器18とこの容器と嵌合する側板19とから形成する。容器18は、一側面部がない枡状をしており、底面部18aには、配管1が通りかつ側板19が嵌合する溝18bが形成されている。図3において、溝18bの左端側は配管1形状に合わせて半円形になっている。容器18の側面部がない部分の端面には、ねじ穴16bが上下に4ヶ所形成されている。側板19は、外側容器4または内側容器4の側面部を形成する垂直板部19aと、この垂直板部19aから直角に突き出て容器18に形成された溝18bに嵌合する底板部19bとからなる。底板部19bの端部は配管1形状に合わせて半円形になっている。垂直板部19aには、容器のねじ穴16bに対応する位置に穴16aが形成されている。容器18と側板19、配管1との嵌合面には、パッキン13が設けられている。ねじ15を用いて側板19を容器18にねじ止めすると、パッキン13が潰れて外側容器4または内側容器5を気密に形成する。これにより、メチルアルコールやドライアイス等の冷媒が、外側容器4や内側容器5から漏洩するのが防止される。
ところで、配管1を変形させて圧縮応力を付与するときに、ただ膨張量を増大させればよい、というわけではない。多大な配管1の変形は、配管1に過大な応力を発生させ配管寿命を縮める恐れがある。そこで本発明においては、配管の変形を所定量までとする拘束治具を用いて配管を拡管している。この様子を、図4を用いて説明する。
図4(a)に、拡管を制限する拘束治具20を組み立てる前の斜視図を示し、同図(b)に組み立て後の縦断面図を示す。拘束治具20は、2つ割れ形状をしている上側治具21と下側治具22とを有している。2つの治具21、22の合わせ面には、配管1を通すための半円形の溝21a、22aがそれぞれ形成されている。下側治具22の上面には、上側治具21と組み合わせる際にボルト26締めするボルト穴25bが、溝22aを挟んで左右両側に複数箇所形成されている。上側治具21には、ボルト穴25bに対応する位置に貫通穴25aが形成されている。
上側治具21にはさらに、溝21aの頂部に沿って軸方向に複数のダイヤルゲージ取付け穴が形成されている。図4では3箇所に取付け穴が形成されており、中央部の穴には内側ダイヤルゲージ24が、その両隣の穴には外側ダイヤルゲージ23、23が取付けらている。内側容器5、5の中間部において、上側治具21と下側治具22により配管1を上下から挟みこむ。そして、ボルト26を用いて上側治具21と下側治具22を、配管1に固定する。
ここで、溝21a、22aは、図4(b)に詳細を示すように、中央部付近で配管1との隙間27が大きく、両端部で配管1との隙間27が小さくなるように形成されている。さらに、内側ダイヤルゲージ24を取り付けた穴付近が、最大隙間すなわち最大拡管量に設定されている。ダイヤルゲージ23、24は、配管1に治具21、22を取り付けた状態で、先端の触針部が配管1に接するように取り付けられる。上側治具21および下側治具22はステンレス鋼などの低温靭性に優れた材料を用いている。隙間27は配管の膨張形状、すなわち配管1の中心線を含む断面の曲げ形状を規定する。上述したように、この曲げ形状で残留応力が規定されるから、配管1内面に残留する応力値や配管1外径の許容変形量を考慮して隙間27を設定する。
外側ダイヤルゲージ23と内側ダイヤルゲージ24は、配管1の内部の水2が外側容器4や内側容器5に収容した冷媒により冷却されて凝固し、配管1を拡管させることをゲージ目盛りの変化により表示する。これにより、配管1の拡管を確認できる。なお、外側ダイヤルゲージ23を内側ダイヤルゲージ24の両側に設けているので、配管1内部の水2が上流側と下流側でほぼ対称に凝固するか否かを確認できる。配管1内の水2の凝固が上流側と下流側とで不均一のときには、外側ダイヤルゲージ23のゲージ目盛り値の小さい方が、水2の凝固の進行が遅れているので、その側のドライアイス量を増やすなどして、配管1内の水2の凝固を促進させる。
図5に、配管1内の水2が凝固して体積膨張し配管1を拡管させるときに、拘束治具20を用いて拡管量を制限する本発明に係る残留応力の改善方法のフローチャートを示す。溶接部近傍等の残留応力を改善する位置7が定まったら、水密な栓3により水2を配管1内に閉じ込める(ステップ500)。水密な栓3には、配管1中に設けた弁を閉じて用いるか、配管1外に配置した冷媒を用いて配管1内の水2を凝固させてアイスプラグを作成する。
残留応力を改善する位置7に拘束治具20を取付ける(ステップ502)。次いで、上側治具21に取付けた外側ダイヤルゲージ23と内側ダイヤルゲージ24の触針を配管1に接触させ、各ダイヤルゲージ23、24の零点を調整する(ステップ504)。配管1の内面の残留応力を改善する位置7を挟んで配管1の両側に、1対の内側容器5、5を、この内側容器5、5の軸方向端部側に1対の外側容器4、4それぞれ取付ける。各容器4、5にメチルアルコールを注入する(ステップ506)。
配管1の外径の拡管量計測を開始する(ステップ508)。拡管量のゼロ点を定める。外側容器4、4にドライアイス8を投入する。これにより配管1内部の水2が凝固し始める(ステップ510)。配管1内の水が凝固するのに従って水圧が上昇し、配管が膨らみ始める(ステップ512)。内側ダイヤルゲージ24の両側に配置した一対の外側ダイヤルゲージ23、23の指示値を確認する(ステップ514)。上流側のダイヤルゲージ23と下流側のダイヤルゲージ23との指示値が異なる場合は、ゲージ目盛り値の小さい方の外側容器4にドライアイス8を追加する(ステップ516)。配管1内の水2の凝固を促進して、水2の凝固が上流側と下流側でほぼ対称となるようにする。
水2の凝固が上流側と下流側とでほぼ対称となったら、配管1外径の拡管量が増加するかどうかを監視する(ステップ518)。配管1の拡管が続く間、冷却を継続する(ステップ520)。配管1の外径の変化が殆どなく、配管1外径が平衡状態となったら、内側容器5にドライアイス8を投入する。これにより、内面の残留応力を改善する位置7近傍の水2を凝固させる(ステップ522)。配管1内の水2が凝固するにつれ、配管1内の水圧が上昇し、配管1が膨らみ始める(ステップ524)。その際、上流側ダイヤルゲージ23と下流側ダイヤルゲージ23の指示値を確認し(ステップ526)、この2つの指示値が異なる場合にはゲージ目盛り値の小さい側の内側容器5にドライアイス8を追加する(ステップ528)。これにより、配管1内の水2の凝固が促進されるとともに、水2の凝固は上流側と下流側とでほぼ対称となる。この状態をしばらく継続する(ステップ530)。
配管1および配管内の水2を冷却するのに伴い、配管1の拡管量が増加する。そして、拘束治具20に配管1の外面が接触する。このとき、配管1の拡管が停止する(ステップ532)。残留応力を改善する位置7で、配管1が拘束治具20に接触したか否かを確認する。残留応力を改善する位置7の近傍には、内側ダイヤルゲージ24が配置されているので、ダイヤルゲージ24の指示値から、残留応力を改善する位置7の配管1の拡管量を評価する(ステップ534)。配管1が拘束治具20に接触していないと判断したら、内側容器5、5内の冷媒による冷却を継続する。
残留応力を改善する位置7で配管1が拘束治具20に接触したら、水密な栓3を解除する(ステップ536)。ただし、水密な栓3をアイスプラグ29で形成したときはこのステップ536を省く。内側容器5と外側容器7を配管1から撤去する(ステップ538)。冷媒を配管1から取り去ったので、配管内の氷が融解する(ステップ540)。なお、水密な栓3をアイスプラグ29で形成したときは、水密な栓3も同時に融解し、元の水に戻る。これで、配管1には残留応力が付与される。
図6に、図4に示した拘束治具20を用いたときに、配管1に付与される残留応力の一例を示す。図4(a)は、拘束治具20部の縦断面図であり、拡管状態を誇張して示した図である。同図(b)および(c)は、最大拡管部であるA部と、拡管が開始されるB部における残留応力の状態を示す図である。拘束治具20を配管1の外面側に設置したまま、配管1内の水2を冷却して凝固させる。このとき、拘束治具20の中間部の曲げ半径Rと両端の曲げ半径RをR≧Rに設定する。そのため、上側治具21と下側治具22では、A部に対応する位置の軸方向みぞ深さの変化を緩やかに、B部に対応する位置の軸方向みぞ深さの変化を急激にしている。これにより、配管1の内面のA部には、大きな圧縮方向残留応力を、B部には引張方向に小さな残留応力を付与することができる。
すなわち、A部の曲げ半径RAはB部の曲げ半径RBよりも小さいので、曲げ半径が小さいA部に大きな圧縮残留応力が、曲げ半径が大きいB部に小さな残留応力を付与できる。この図6において、上部治具21と下部治具22は、上部治具21に設けた貫通穴に挿入されたボルト25と、下部治具22に形成したねじ穴26により固定されている。また、配管11のA部内面には降伏応力σyにほぼ相当する圧縮残留応力が発生し、配管のB部内面では、それよりも小さい引張り応力σが作用する。
上記実施例では、残留応力を改善する位置を特に定めていなかったが、残留応力の改善が望まれるのは溶接部近傍が多い。溶接部近傍の残留応力の改善では、上記手順において、残留応力を改善する位置7として、配管溶接部を選定する。溶接部及びその近傍の配管内面には、溶接金属の凝固時に発生した引張残留応力が働いているので、この残留応力を圧縮応力に変化させるか引張り残留応力を低減することが必要である。上記手順により、引張り応力は低減される。
本発明に係る配管の残留応力改善方法の一実施例を示す図。 図1に示した改善方法に用いる治具の斜視図および縦断面図。 図1に示した改善方法に用いる治具の斜視図。 図1示した改善方法に用いる拘束治具の斜視および縦断面図。 配管の残留応力を改善する方法の一実施例のフローチャート。 拘束治具による残留応力の改善効果を説明する図。
符号の説明
1…配管、2…水、3…水密な栓、4…外側容器、5…内側容器、6…メタノール、7…内面の残留応力を改善する位置、8…ドライアイス、9…氷、10…配管の膨らみ、11…配管内面、12…配管外面、13…パッキン、14…上部容器、15…ボルト、16…ネジ穴、17…下部容器、18…容器、19…低側面容器、20…拘束治具、21…治具、22…治具、23…外側ダイヤルゲージ、24…中央ダイヤルゲージ、25…ネジ穴、26…ボルト、27…隙間、28…溶接部、29…アイスプラグ。

Claims (4)

  1. 配管の応力改善位置における配管の残留応力改善方法であって、
    内部に水を保有した配管であって、配管の外面に配管の最大塑性変形量を制限する拘束治具を設けた後に、前記応力改善位置の両側に、配管内部の水を凝固させ、水密な栓を形成し、この水密な栓の内側であって、前記応力改善位置の両側に、配管内部の水を凝固させ、水密な栓を形成し、配管内部の水を冷却して凝固させ、氷を形成して体積膨張させて配管を塑性変形させ、前記応力改善位置における配管の残留応力を改善することを特徴とする配管の残留応力改善方法。
  2. 前記拘束治具は、厚板材の片面中央部を2つ割り円筒状に形成した2個の治具と、この治具を締結する締結具とを有し、円筒の軸方向端部の径よりも軸方向中間部の径が大であることを特徴とする請求項に記載の配管の残留応力改善方法。
  3. 前記2つ割円筒状の治具の少なくとも一方の内面に、配管の拡管量を計測するダイヤルゲージを設け、前記ダイヤルゲージの表示値から、配管とこの治具との接触を評価することを特徴とする請求項に記載の残留応力改善方法。
  4. 前記水密な栓間に配管の溶接部を配置したことを特徴とする請求項に記載の配管の残留応力改善方法。
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