本発明の第1の態様は、被操作対象機器に対する制御指示を入力する機器ボタンと、少なくとも制御方向を知らせる報知手段と、前記機器ボタンによって入力された制御指示又は電話回線を介したテレコン制御によって入力された制御指示を受けて前記被操作対象機器に対する制御内容を確定する制御内容確定手段と、確定した制御内容と前記被操作対象機器の現在の機器状態とに基づいて制御方向を判定して前記報知手段に制御方向を報知させる制御方向判定手段と、前記確定した制御内容を前記被操作対象機器又はそのワイヤレスリモコンに送信する制御信号送信手段と、を具備し、前記制御内容確定手段は、制御指示の一つである「反転」が、前回の「反転」制御後、所定時間経過前に再び入力された場合、前回の操作とは反対方向の制御を制御内容として確定することを特徴とするテレコントロール装置である。
以上のように構成されたテレコントロール装置によれば、確定した制御内容と被操作対象機器の現在の機器状態とに基づいて制御方向を判定して報知手段に制御方向を報知させるので、「反転」操作の場合であっても制御方向を表示することができる。また、所定時間内に「反転」指示を繰り返し入力することにより、制御内容が強制的に反対方向の制御となるように制御されるので、何らかの事情で機器状態が常に同一状態として検出される場合であっても制御内容を反転させることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様のテレコントロール装置において、前記報知手段は、機器ボタン操作直後は制御方向を知らせ、その後に機器制御後の確定した機器状態を知らせることとした。
これにより、制御方向と確定した機器状態との2つを一つの報知手段で2段階表示することが出来る。
本発明の第3の態様は、第2の態様のテレコントロール装置において、前記報知手段は、前記機器ボタンと一体的に設けられた機器ランプで構成され、各機器ランプは操作パネル上に機器ボタンと共に配列されているものとした。
これにより、機器ボタンと機器ランプとが一体的に設けられているので、操作者は機器ボタンを操作した手元において制御方向を認識することができる。
以下、本発明のテレコントロール装置を適用可能なテレコントロールシステムの一実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
図1は、テレコントロールシステムのシステム概要を示す図である。宅内に照明機器11、エアコン12,電動シャッター13,床暖房器具14,電気錠15等の電気機器が設置されている状態を示している。
テレコントロール装置16は、親機16−1と子機16−2とから構成されている。親機と子機を区別しない場合は「テレコントロール装置16」として説明する。親機16−1は電話回線に接続されている。宅外から電話回線を介してテレコントロール装置16に操作信号を送る。テレコントロール装置16は、電話回線を介して送られてくる操作信号に基づいて、被操作対象機器の動作を制御する。
照明機器11をリモコン18から赤外線で操作するように構成している。テレコントロール装置16からリモコン18へ制御信号を送信し、制御信号を受信したリモコン18が照明機器11へ赤外線にて信号を送信する。リモコン18の操作部を直接操作しても照明機器11を操作できる。エアコン12に対してはリモコン19を使用する。
図2にテレコントロール装置16及びリモコン18の機能ブロック図を示す。テレコントロール装置16は、後で説明する種々の制御を実行する制御装置201を備える。この制御装置201の周辺に各種構成要素が配置されている。各構成要素は次の通りである。
電話回線から到来する信号を検出する検出部を備える。着信信号を検出する着信信号検出部202、PB信号を検出するPB信号検出部203、ナンバーディスプレイ信号を検出するナンバーディスプレイ信号検出部204である。また、応答制御を行う応答制御装置205を備える。これらの構成要素202から205により電話回線からの信号を検出すると共に適切な応答制御を行う。
リモコン18に対して制御信号を送信する制御信号送信部206、リモコン18から到来する状態通知信号を受信する状態通知信号受信部207、テレコン設定値を記憶するテレコン設定値記憶部208を備える。
照明機器11に対する「ON」「OFF」「順送り」「反転」等の制御内容を記憶する制御内容記憶部209、任意の時刻情報を記憶する時刻記憶部210、時刻を計時する時刻計時部211、反転制御後の経過時間を計時する反転制御計時部212を備える。
状態通知信号で通知される照明機器11の機器状態を記憶する機器状態記憶部213、機器ランプ215の点滅周期を制御する点滅周期制御装置214を備える。本例では機器ランプ215をLEDで構成している。
また、制御装置201に対して、ユーザが操作する機器ボタン216、表示手段としてのLCD217が接続され、さらに外部照度センサ219がライン接続される端子218が設置される。また、制御内容に関して制御方向の履歴を書き込む制御方向履歴記憶部220を備える。
リモコン18は、後で説明する種々の制御を実行する制御装置231を備える。この制御装置231の周辺に各種構成要素が配置されている。各構成要素は次の通りである。
テレコントロール装置16から送信した制御信号を受信する制御信号受信部232、テレコントロール装置16へ状態通知信号を送信する状態通知信号送信部233、リモコン18周囲の照度を検出する内部照度センサ234、内部照度センサ234の測定値を記憶する内部照度センサ記憶部235、照明機器11の機器状態を記憶する機器状態記憶部236を備える。
リモコン18に設置したマイク239から出力する音声信号を増幅する音声増幅部237、音声観測カウンタ238、リモコン18に設置した赤外線ランプ241を制御する点滅周期制御部240を備える。また、照明機器11が設置された部屋の窓近傍に設置した外部照度センサ243がライン接続する端子242を備える。外部照度センサ243は窓から入る外光(建物外部からの光)を検知する。
ここで、照明機器11に対するテレコン操作の概要について説明する。図3は照明機器11をテレコン操作にてON/OFF制御する概念を示している。例えば、携帯電話機Mから公衆回線網を介してテレコントロール装置16に回線接続し、携帯電話機Mのボタンを操作して、「反転」コマンド、「順送り」コマンド、「ON」コマンド、「OFF」コマンドのいずれかを送信する。図3において、親機16−1の機器ボタン216aに照明機器11を割り付けている。親機16−1は「ON」コマンドの信号を受信した場合、照明機器11を点灯させる赤外線コマンドをリモコン18から送信させる制御信号をリモコン18へ送る。この制御信号を受けたリモコン18は、照明機器11を点灯させる赤外線コマンド「ON」を照明機器11へ赤外線送信する。この結果、照明機器11は点灯する。逆に、点灯中の照明機器11を消灯させる場合、親機16−1は「OFF」コマンドの信号を受信し、照明機器11を消灯させる赤外線コマンド「OFF」をリモコン18から送信させる制御信号をリモコン18へ送る。この制御信号を受けたリモコン18は、照明機器11を消灯させる赤外線コマンド「OFF」を照明機器11へ赤外線送信する。この結果、照明機器11は消灯する。また、親機16−1は「反転」コマンドを受信した場合、照明機器11の現在の機器状態が点灯又は消灯かを判定し、反転する方向の制御内容となる「OFF」又は「ON」の制御信号をリモコン18へ送信する。この制御信号を受けたリモコン18は、照明機器11を消灯させる赤外線コマンド「OFF」又は点灯させる赤外線コマンド「ON」を照明機器11へ赤外線送信する。このように、照明機器11に対してON−OFF−ON…と、反転方向の赤外線コマンドを送出する方式をON/OFF制御と呼ぶものとする。
図4は照明機器11をテレコン操作にて順送り制御する概念を示している。同一の赤外線コマンド「順送り」を照明機器11に対して繰り返し与えることで、機器状態を「2管点灯」−「1管点灯」−「ナツメ点灯」−「消灯」、の順番に遷移させる。テレコン時は、携帯電話機Mで「順送り」コマンドを送信する操作だけの単一操作を行うことになる。このように、照明機器11に対して「順送り」の赤外線コマンドを繰り返し送出する方式を順送り制御と呼ぶものとする。
次に、以上のように構成されたテレコントロールシステムの動作について具体的に説明する。
本例では、リモコン18が照明機器11の機器状態を検出できるように構成しているので、リモコン18の動作内容から説明する。
リモコン18は、テレコントロール装置16からの制御信号を受信する処理を実行する。リモコン18の制御装置231は、制御信号受信部232を確認し、制御信号を受信していれば、制御内容の判定を行う。制御内容が「ON」であると判定した場合、点滅周期制御部240に赤外線コマンド「ON」の送信を指示する。この結果、照明機器11は赤外線コマンド「ON」に応じて点灯するものとなる。また、制御内容が「OFF」であると判定した場合、点滅周期制御部240に赤外線コマンド「OFF」の送信を指示する。この結果、照明機器11は赤外線コマンド「OFF」に応じて消灯するものとなる。
また、制御内容が「順送り」であると判定した場合、点滅周期制御部240に赤外線コマンド「順送り」の送信を指示する。この結果、照明機器11は赤外線コマンド「順送り」に応じて点灯状態を1つ遷移させるものとなる。
上記制御信号受信処理が実行された後、照度センサ状態記憶処理が実行される。照度センサ状態記憶処理ではリモコン18に設置した内部照度センサ234を使用して操作後の点灯状態を検知して保存する。すなわち、リモコン18に設置した内部照度センサ234の測定値(ア)を読み取り、前回の読み取り値(イ)(赤外線コマンド送信前の照度)を内部照度センサ記憶部235から読み出す。前回の赤外線コマンド送信直後の照度測定値(イ)と今回の赤外線コマンド送信後の照度測定値(ア)との差分を計算する。その結果、差分値が、照度変化があったことを示しており、且つ今回の赤外線コマンド送信後の照度測定値(ア)がしきい値を越えていれば、機器状態記憶部236の内容を反転方向に書き換える。赤外線コマンドの送信によって照明機器11の機器状態が確かに変化したことを照度変化から確認できたので、機器状態記憶部236の内容をONからOFF、又はOFFからONへと書き換えたことになる。
一方、ON/OFF制御において反転方向の赤外線コマンドを送信したが照明機器11の機器状態の変化を照度変化から検出できなかった場合、又は照度変化はあったが照度測定値(ア)の値がしきい値より小さかった場合は、機器状態記憶部236の書き換えは行わない。照度測定値(ア)の値がしきい値より小さい場合、照明機器11の状態変化によるものではなく、外光等の変化によるものと予想されるからである。そして、今回の照度測定値(ア)を内部照度センサ記憶部235へ書き込んで処理を終了する。
このように、照明機器11から直接照明される箇所にリモコン18を配置して、リモコン18に設けた内部照度センサ234で照明状態を検知し、その検知した照明状態を内部照度センサ記憶部235へ書き込むので、照明機器11に動作状態を送信する機能を搭載していなくても、現在の照明機器11の動作状態を正確に把握してリモコン18に記憶することができる。
また、マイク239の検知結果に基づいて内部照度センサ234で照明状態を検知し、その検知した照明状態を内部照度センサ記憶部235へ書き込むように構成してもよい。赤外線コマンドの送信が完了したことを確認できたならば、マイク239のスイッチをONして集音可能な状態する、「マイクON時間」のカウント値をセットする。一般の照明機器11はON操作(点灯)のときは「ピッ」という短音を発するが、OFF操作(消灯)のときは「ピー」という長音を発する。この音は制御信号を受信したときに発生する受信音である。この制御信号受信音の種別を判定する。先ず、マイク239の出力信号を増幅している音声増幅部237の出力信号を監視してマイク入力の有無を判定する。マイク入力を検出すると、入力音声周波数を分析して制御信号受信音であるか否か判断する。制御信号受信音であれば、音声観測カウンタ238のカウント値をインクリメントする。ここで、マイク入力が継続している間は、制御信号受信音の長さに応じた値が音声観測カウント値として計測される。音声観測カウント値が「OFF」の規定時間を示しているか又は「ON」の規定時間を示しているかを判断する。「OFF」の規定時間を示していると判断した場合は機器状態記憶部236に「OFF」を書き込む。また、「ON」の規定時間を示していると判断した場合は機器状態記憶部236に「ON」を書き込む。
このように、照明機器11が発する制御信号受信音の長さを測定して機器状態を検出し、検出した機器状態を機器状態記憶部236に書き込むので、照明機器11に動作状態を送信する機能を搭載していなくても、リモコン18において照明機器11の機器状態を把握することができる。
上記マイク検知音により機器状態を把握する構成は、上記した内部照度センサ234により機器状態を把握する構成の代替となるものであり、どちらか一方を備えればよい。図2では説明の都合上、一緒に記載している。
以上のようにして機器状態記憶部236に機器状態を書き込む照度センサ状態記憶処理を実行した後、機器状態記憶部236に書き込まれた機器状態をテレコントロール装置16へ送信する。
一方、エアコン12を操作するリモコン19は、リモコン18のようなエアコン12の動作状態を把握する機能は搭載していない。したがって、リモコン19は、テレコントロール装置16から受信する制御内容に応じた赤外線コマンドをエアコン12に対して送信するが、その結果としてのエアコン12の動作状態は検出できない。このため、リモコン19は、図2に示すリモコン18の機能ブロックにおける内部照度センサ234,内部照度センサ記憶部235,端子242,外部照度センサ243,マイク239,音声増幅部237,音声観測カウンタ238,機器状態記憶部236,状態通知信号送信部233は備えていない。
また、その他の電気機器(電気錠15等)は、JEM−Aインターフェースを介してテレコントロール装置16に有線接続されている。したがって、テレコントロール装置16に対して機器状態を示す状態通知信号を送信する機能を備えているものとする。
次に、以上のように構成されたテレコントロール装置16の具体的な動作について説明する。
テレコントロール装置16において制御装置201は、定期的に状態通知信号受信部207を確認してリモコン18及び有線JEM−A接続している電気機器からの状態通知信号を確認し、通知された機器状態を機器状態記憶部213へ書き込む。
また、テレコントロール装置16の機器ボタン216を介して信号が入力すれば、機器ボタン押下処理を実行する。また電話回線を介してテレコン制御の要求があればテレコン制御処理を実行する。最初に、機器ボタン押下処理について説明する。
今、図5に示すように、機器ボタン216の中から被操作対象機器に対応した「機器1」ボタンを押下するものとする。
図6は機器ボタン押下処理に関するフロー図である。機器ボタン216が押下されたことを検知すると(S101)、テレコン設定値記憶部208から押下された機器ボタン216に対応した機器のテレコン設定値を読み出す(S102)。
図7はテレコン設定値記憶部208に記憶したテーブルデータを示している。機器番号に対応させて「機器名称」「制御方式」「機器状態取得」を登録可能になっている。例えば、エアコン12は、親機16−1では機器番号「3」で「制御方式」はON/OFF制御方式が登録されている。前述したように、エアコン12はリモコン19を介しての制御であって「機器状態取得」は不可である。
次に、図7のテレコン設定値から被操作対象機器の制御方式を判定する(S103)。制御方式が「リモコン制御」でない場合は、本例では有線JEM−A方式であるのでステップS104へ移行して、従来通りの有線JEM−A方式に基づいた制御を実行する。すなわち、被操作対象機器から機器状態を示す信号を受け取り、機器状態を確認した上で機器ランプ215等の制御を行う。図5に示すように、ON操作であれば「機器1」ボタン216aと一体的に設けた機器ランプとしてのLED215aを点灯する。OFF操作であれば「機器1」ボタン216aと一体的に設けたLED215aを消灯する。なお、LEDの点滅制御については詳細を後述する。
一方、被操作対象機器がリモコン制御の場合は(S103)、該当機器が「ON/OFF」制御か否か判断する(S105)。「ON/OFF」制御でなければ、「順送り」制御であるので、ステップS106へ移行して制御内容記憶部209に「順送り」を書き込む。また、該当機器が「ON/OFF」制御であった場合は「反転」操作時の「ON/OFF」制御を実行する(S107)。
図8は「反転」操作時の「ON/OFF」制御の詳細を示すフロー図である。反転制御計時部212より前回の反転制御からの経過時間を読み出し(S121)、前回の反転制御から10秒経過しているか否か判断する(S122)。前回の反転制御から10秒以上経過していた場合、機器状態記憶部213から被操作対象機器の現在の機器状態を読み出す(S123)。機器状態記憶部213には被操作対象機器から受信した状態通知信号に示された現在の機器状態が記憶されている。
制御装置201は、現在の機器状態が「ON」であれば(S124)、今は反転制御であるので、制御内容記憶部209に「OFF」を書き込む(S125)。また、現在の機器状態が「OFF」であれば(S124)、制御内容記憶部209に「ON」を書き込む(S126)。これにより、前回の制御内容と反対方向の制御内容が制御内容記憶部209に設定されたことになる。
制御内容記憶部209に制御内容の書き込みが完了するとその制御内容で被操作対象機器が制御されることとなる。制御方向履歴記憶部220には制御方向を把握するための履歴情報として制御内容記憶部209に書き込んだ制御内容(ON,OFF)を書き込む(S127,128)。そして、反転制御計時部212で経過時間の計時を開始する(S129)。
ここで、反転制御計時部212で経過時間を計時する意味について説明する。ステップS123で機器状態記憶部213から読み出した被操作対象機器の現在の機器状態は実際の機器状態を正しく反映していない場合がある。具体的に、被操作対象機器が照明機器11であるとする。照明機器11をON/OFF操作した場合、制御後の機器の状態は、前述した通りリモコン18の内部照度センサ234の検出値を利用して把握しているものとする。昼間であると、室内に外光が入り込んで、照明機器11を点灯した時と消灯したときの照度差が小さい場合がある。この場合、リモコン18はOFF操作後であってもONしていると誤認識し、ON状態であることを示す状態通知信号をテレコントロール装置16へ送信しつづける。その結果、テレコントロール装置16の機器状態記憶部213には機器状態として「ON」が書き込まれる。すなわち、機器状態記憶部213には常に「ON」が記憶される事態が発生し、制御内容記憶部209には常に「OFF」が書き込まれることとなる。これでは、実質的に反転制御の機能が失われたこととなる。そこで、本例では、短時間内に機器ボタンを繰り返し押下したときには、機器状態記憶部213の機器状態に基づいた反転制御を実行するのではなく、制御方向履歴に基づいた反転制御を実行するようにした。10秒経過する前に機器ボタンを押下したら、制御方向履歴に基づいて反転制御するモードに切り替えるようにした。なお、「10秒」は目安であり適宜変更可能なパラメータである。
ステップS122で前回の反転制御から10秒経過していないと判定した場合、制御方向履歴記憶部220より前回(最新)の制御内容を読み出す(S130)。直前の制御内容がONであれば(S131)ステップS125へ移行して制御内容記憶部209にOFFを書き込む。また、直前の制御内容がOFFであれば(S131)ステップS126へ移行して制御内容記憶部209にONを書き込む。これにより、昼間に照明機器11を反転制御しようとした場合、照明機器11の機器ボタンを押下するたびに制御内容としてOFFしかでないといった不具合を解消できる。なお、順送り制御の場合はこのような問題は生じない。
次に、図6に示すように、制御内容記憶部209に書き込まれた制御内容を被操作対象機器へ送信する制御信号送信処理を実行する(S108)。すなわち、制御装置201は、制御内容記憶部209から制御内容を読み出し、当該制御内容を内容とする制御信号を制御信号送信部206から送信する。この制御信号を受信したリモコン又は被操作対象機器は制御信号に応じた機器制御を実行する。
次に、被操作対象機器に対して制御信号をリモコン経由で又は直接送信したら、制御時の表示処理を実行する(S109)。制御時の表示処理では、機器ランプ215で制御方向を表示し、その後に機器状態を表示する制御を行う。
図9,10はステップS109の詳細を示すフロー図である。機器ボタン216の押下又はテレコン制御により機器制御が発生すると(S141)、テレコン設定値記憶部208より図7のテーブルデータを読み出す(S142)。機器制御の行われた該当機器がリモコン制御であるか否か判定する(S143)。図7に示す例では照明機器11及びエアコン12がリモコン制御である。
該当機器がリモコン制御である場合、さらに制御方式を判定する(S144)。該当機器の制御方式が「ON/OFF」制御方式であれば、制御内容記憶部209より制御内容を読み出す(S145)。
なお、該当機器の制御方式が「ON/OFF」制御方式以外で有れば(S144)、制御内容を判定する(S146,147,148)。ステップS148で制御内容が順送りであると判定した場合は、LCD217に制御内容として「順送り」を表示させる(S149)。そして、機器状態記憶部213から現在の機器状態を読み出して判定し(S150)、現在の機器状態がONならばステップS160(図10)へ移行して機器ランプ215を3秒間消灯する。また、現在の機器状態がOFFならばステップS157(図10)へ移行して機器ランプ215を3秒間点灯する。このようにして、順送り制御によって機器状態がどのように変化したかを機器ランプ215によって表示することができる。
一方、該当機器の制御方式が「ON/OFF」制御方式の場合、ステップS145で読み込んだ制御内容に基づいて、「順送り」「反転」「ON」(「OFF」)の判定を行う(S151,152,153)。
ステップS144で該当機器は「ON/OFF」制御方式であると判断したにも拘わらず、制御内容が「順送り」「反転」であった場合(S151,152)、矛盾する内容であるので機器ランプ215に制御方向を表示することなく制御後の機器状態を機器ランプ215に表示させる処理(ステップS161)へ移行する。
ステップS153で制御内容が「ON」と判定した場合、LCD217に制御内容「ON」を表示する(S154)。そして、機器状態記憶部213より該当機器の現在の機器状態を確認し(S155)、現在の機器状態が「ON」ならば該当機器の機器番号に対して設けた機器ランプ215であるLEDを3秒間点滅させる(S156)。これにより、現在の機器状態が「ON」のところ、制御内容として「ON」の指示をユーザが出したことを表示したことになる。LEDを3秒間点滅させることは警告の意味も含まれる。すなわち、照明機器11がON(点灯)であるにも拘わらず、ユーザが「ON」指示を出した場合に、LEDを3秒間点滅させて既にON状態であることを警告する。ユーザが機器ボタン216を直接操作した場合には効果的である。また、現在の機器状態が「OFF」ならば該当機器の機器番号に対して設けた機器ランプ215であるLEDを3秒間点灯させる(S157)。これにより、現在の機器状態が「OFF」のところ、制御内容として「ON」の指示をユーザが出したことを、機器ランプを短時間点灯することで、表示したことになる。
ステップS153で制御内容が「ON」でない判定した場合、すなわち「OFF」と判定した場合は、LCD217に制御内容「OFF」を表示する(S158)。そして、機器状態記憶部213より該当機器の現在の機器状態を確認し(S159)、現在の機器状態が「OFF」ならばステップS156へ移行して、該当機器の機器番号に対して設けた機器ランプ215であるLEDを3秒間点滅させる(S156)。これにより、現在の機器状態が「OFF」のところ、制御内容として「OFF」の指示をユーザが出したことを表示したことになる。この場合のLED点滅も警告の意味を持つ。すなわち、照明機器11がOFF(消灯)であるにも拘わらず、ユーザが「OFF」指示を出した場合に、LEDを3秒間点滅させて既にOFF状態であることを警告する。ユーザが機器ボタン216を直接操作した場合には効果的である。また、現在の機器状態が「ON」ならば機器ランプ215を3秒間消灯させる(S160)。これにより、現在の機器状態が「ON」のところ、制御内容として「OFF」の指示をユーザが出したことを、機器ランプを短時間消灯することで、表示したことになる。
以上の処理が機器ランプによる制御方向の表示及び警告表示である。次に、機器ランプ制御により機器ランプ215に機器状態を反映させる機器ランプ制御を実行する(S161)。
図11は機器ランプ制御の詳細を示すフロー図である。テレコン設定値記憶部208から図7のテーブルデータを読み出し(S171)、今回機器制御のあった機器の機器状態が取得可能な否か判断する(S172)。図7に示す例ではエアコン12を除いて全て取得可能である。
機器状態を取得可能で有れば(S172)、機器状態記憶部213から該当機器の機器状態を読み出して確認する(S173)。その結果、機器状態がONであった場合は、該当の機器ランプ215を点灯し(S174)、機器状態がOFFであった場合は、該当の機器ランプ215を消灯する(S175)。これにより、機器制御後の機器状態を該当の機器ランプ215の制御(点灯/消灯)によって表現することができたことになる。
なお、ステップS172において機器状態を取得可能でなかった場合は、機器ランプ215を消灯する(S175)。
次に、図10に示すように、LCD217の表示制御を実行する(S162)。ステップS162ではLCD217の表示に機器制御後の機器の状態を反映させるLCD制御を実行する。
図12はLCD制御の詳細を示すフロー図である。テレコン設定値記憶部208より図7のテーブルデータを読み出し(S181)、該当機器の機器状態を取得可能か否か判断する(S182)。機器状態を取得可能の場合は(S182)、機器状態記憶部213から機器状態を読み出す(S183)。そして、該当機器の機器状態がONであれば、LCD217に「ON」を表示し(S184)、該当機器の機器状態がOFFであれば、LCD217に「OFF」を表示する(S185)。LCD217に機器状態を表示して5秒経過したら表示を消去して次の表示に備える(S186)。以上が、機器ボタン216が押下された場合の動作内容である。
次に、テレコン制御による動作内容について説明する。
図13,14はテレコン制御のフロー図である。基本的には機器ボタン216が押下された場合の動作と同じである。
制御装置201は、着信信号検出部202及びPB信号検出部203の検出信号からテレコンによる制御指示を検知する(S201)。テレコン制御指示を検出すると(S201)、テレコン設定値記憶部208から図7のテーブルデータを読み出し(S202)、該当機器がリモコン制御であるか否か判断する(S203)。
該当機器がリモコン制御以外で有れば有線JEM−A接続であるので、有線JEM−A制御を実行する(S204)。
一方、該当機器がリモコン制御で有れば(S203)、電話回線経由で受信した指示内容を判定する(S205,206,207,208)。
ステップS205で指示内容が「ON」であると判定した場合、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」であるか否か判断する(S209)。指示内容がONであるにも拘わらず、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」以外で有ればON制御できないことは明らかであるのでエラーメッセージを出力する処理を実行する(S210)。また、該当機器が「ON/OFF制御」の機器であれば(S209)、制御内容記憶部209に「ON」を書き込む(S211)。
ステップS206で指示内容が「OFF」であると判定した場合、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」であるか否か判断する(S212)。指示内容がOFFであるにも拘わらず、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」以外で有ればOFF制御できないことは明らかであるのでエラーメッセージを出力する処理を実行する(S210)。また、該当機器が「ON/OFF制御」の機器であれば(S212)、制御内容記憶部209に「OFF」を書き込む(S213)。
ステップS207で指示内容が「順送り」であると判定した場合、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」であるか否か判断する(S214)。指示内容が順送りであるにも拘わらず、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」で有れば順送り制御できないことは明らかであるのでエラーメッセージを出力する処理を実行する(S210)。また、該当機器が「ON/OFF制御」以外の機器であれば(S214)、制御内容記憶部209に「順送り」を書き込む(S215)。
ステップS208で指示内容が「反転」であると判定した場合、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」であるか否か判断する(S216)。ステップS208で指示内容が「反転」でない場合は、該当する制御方式が存在しないのでエラーメッセージを出力する処理を実行する(S210)。ステップS208で指示内容が反転であるにも拘わらず、該当機器の制御方式が「ON/OFF制御」以外で有れば(S216)、反転制御できないことは明らかであるのでエラーメッセージを出力する処理を実行する(S210)。また、該当機器が「ON/OFF制御」の機器であれば(S216)、「反転」操作時の「ON/OFF」制御を実行する(S217)。ステップS217の処理の詳細は図8に示すフロー図に基づいた処理を実行する。「反転」操作時の「ON/OFF」制御の詳細は前述した通りである。
以上のようにして制御内容記憶部209に指示内容に応じた制御内容が書き込まれた後、制御信号送信処理を実行する(S218)。すなわち、制御信号送信部206が制御内容記憶部209に記憶した制御内容を該当機器(リモコン18,19を含む)へ送信する。そして、最後に制御時の表示処理を実行する(S219)。制御時の表示処理は図9,10に示した通りである。
このように本実施の形態によれば、機器ランプ215に操作してから3秒間は制御方向を表示し、その後に制御後の状態を表示するようにしたので、ユーザは機器ランプ215の表示により自己のボタン操作の結果実行される制御方向及び制御後の機器状態を知ることができる。
また、ON状態の該当機器に対してON指示を出した場合やOFF状態の該当機器にOFF指示を出した場合は、該当の機器ランプ215が点減するので、ユーザは自分の操作が不適切であったことを知ることができる。
また、反転操作時の「ON/OFF」制御において短時間の間に機器ボタン216が押下されたり、テレコン指示を与えたりすることにより、確実に反転操作が実行されるようになった。