JP4299179B2 - 識別位相余裕モニタ回路、送受信装置、及び通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、伝送信号の再生エラーを抑制する回路に関し、特に高速通信下の伝送信号の再生エラーを抑制する回路に関する。
近年、通信システムの伝送スピードは高速化の一途を辿り、情報の伝送路として使用される光ファイバにおいては10[Gb/s]程度の伝送レートを実現している。
一般に通信システムの受信装置は、例えば光ファイバを伝送媒体として光伝送信号を伝送させる光通信システムの光受信装置であれば、当該通信システムの光送信装置から送信された光伝送信号を受信すると、その光伝送信号を光電変換して電気信号に変え、当該電気信号を内蔵の等化回路で整形等行ない、そしてその出力信号に対してデータの識別を行なう。このデータの識別は、当該出力信号から抽出したクロック信号によって決まる識別位相と、「0」と「1」の閾値電圧(識別レベル、または識別電圧ともいう)とが組み合わされた、識別点において、当該受信装置内蔵の識別回路により行なわれ、この識別により、上記出力信号データが再生される。
しかし、上に例を挙げた光通信システムのように光ファイバを伝送する光伝送信号は、ノイズや光ファイバの伝送特性などの影響により光通信システムの受信側における光伝送波形が崩れるため、これを受信した光受信装置において、予め設定された識別点で内蔵の識別回路において信号再生が行なわれると、信号再生に最適な識別点にズレが生じ、再生エラーを増発させることとなる。
この波形崩れの現象を視覚化する方法として、アイパターンを表示させる方法が知られている。このアイパターンは、例えばオシロスコープなどの測定器を用い、クロックに同期をかけて信号を繰り返し重ね合わせていくことにより形成できる。上述したような等価回路を出力した出力信号の場合、該出力信号から抽出されたクロックに同期をかけ該出力信号を繰り返し重ね合わせていくことにより、横軸を時間軸、縦軸を電流電圧軸とした表示画面上に「マーク」と「スペース」が重層されてなるアイパターンが形成される。そして、当該アイパターン上に、時間軸上の所定の点(上記識別位相)と電流電圧軸上の所定の点(上記識別レベル)とで表される識別点を対応付けて該識別点の検証ができる。
波形崩れが起こると、上記アイパターンはその輪郭(連続する信号波形を重ねた形状)に厚みを帯び、隣り合う信号波形との境界が曖昧になる。そしてこの結果、当該アイパターンのアイ開口と共に、識別有効領域(「1」、「0」の識別が良好に行なえる識別点の範囲)が狭まる。この波形崩れにより、例えば波形の上方側が崩れる場合や下方側が崩れる場合などその崩れ方によってまちまちではあるが、上記アイパターン上において、電流電圧軸方向の単位値ごとに許容される時間軸方向の識別位相の有効範囲(位相余裕)が経時的に変動する。通常、アイパターンの「マーク」と「スペース」の波形が交差する点で上記「位相余裕」が最大となり、その点を中心に波形の上方または下方に向かうに従って「位相余裕」が小さくなる。よって、上記識別有効領域のうちで最も識別エラーが起こり難い最適点の位置も移動することとなる。なおこの最適点の移動は、伝送後の信号が電流電圧軸方向へシフトする場合も同様に生じる。
以上のように波形崩れの現象が生じることにより、「位相余裕」が最大となる電流電圧軸上の点が電流電圧軸方向へ振れるため、上記「1」、「0」の識別を良好に行なうには上記「位相余裕」が最大となる最適な識別レベルを見つけることが重要である。
この波形崩れの現象に備え、上記識別点を最適なポイントに動的変化させる技術を開示したものがある。
その一つは、基準の識別点をもつ識別回路に対し、識別点を該基準の位置から上下(電流電圧軸方向)または左右(時間軸方向)へずらした二つの識別回路を構成し、基準の識別回路とそれぞれの識別回路との演算結果を基に、基準の識別点(電流電圧軸方向の識別レベルまたは時間軸方向の識別位相)を最適な位置へ独立に制御する技術である。特に識別レベルを最適な位置に調整する場合は、全ての識別回路に同一のクロック信号を入力して各識別回路に対して共通の識別位相を与え、時間軸方向の条件を同じくして識別レベルを最適化する。また、識別位相を最適な位置に調整する場合は、全ての識別回路に共通の識別レベルを与え、電流電圧軸方向の条件を同じくして識別位相を最適化する。このとき各識別回路はそれぞれ、タイミング再生部から再生されるクロック信号が基となる、基準位相のクロック信号、基準位相より進んだ位相のクロック信号、及び基準位相より遅れた位相のクロック信号を使用して結果を得る。そしてこれらの結果を基に、基準の識別回路の識別位相が最適な位置にくるように上記クロック信号の位相を可変させる(特許文献1参照)。
またその他に、ある基準位相をもつクロック信号で識別する識別回路と、その基準位相を中心にして位相変調をかけたクロック信号で識別する識別回路を持ち、これら識別回路の出力を演算した結果を用いてクロック信号の位相を可変し、識別点を最適点に制御する技術も開示されている(特許文献2参照)。
特開平8−265375号公報 特開平11−68674号公報
送信装置から送信された伝送信号を受信装置で再生させる場合、伝送経路における伝送信号の波形崩れの現象が従来から課題となっている。
各種通信システムの中でも上述したような光ファイバを伝送媒体として光伝送信号を伝送させる光通信システムの場合は、ノイズや光ファイバの伝送特性などの影響による光伝送波形の崩れが顕著に現れ、光伝送信号の再生に大きな影響を与える。その中でも、例えば40[Gb/s]を超えるような高速光通信システムでは、光ファイバの分散特性や非線形特性、或いは光受信装置側の回路の高速特性不足などの影響により、上記光伝送波形が劣化し、光受信装置における信号再生に深刻な問題を与えている。
この波形劣化により生じる最適な識別点のズレの問題を解決するための技術が上述したように開示されてはいるが、この技術を実現させるためには、複数に分岐したクロック信号に対して高精度な位相合わせやクロック信号の位相を高精度に可変する位相可変回路が必要となる。すなわちこれは実現の困難性を意味するものである。
昨今では、小型化のために回路をIC化する方向性で開発は進められる。データ信号の伝送速度が例えば40[Gb/s]の場合、1タイムスロットが25[ps]と非常に短い時間となる。このため、以上のような技術では1[ps]精度での位相合わせが要求されることになる。よってこの点を鑑みると従来技術による識別装置のIC化の実現は特に困難性を極め、これとは別の今後の発展が期待できる新しい技術が望まれていた。
また、受信装置においてより波形崩れの少ない伝送信号を受信するためにも、送信装置から送信する伝送信号をより安定させることができる技術も望まれていた。
そのためには、先ず、伝送信号がいかなる位相余裕を有しているか観察する仕組みが必要不可欠である。
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、アイパターンの位相余裕をモニタする識別位相余裕モニタ回路を提供することを目的とする。そして更に、上記位相余裕モニタ回路を備える送受信回路、送受信装置、及び通信システムを提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために以下のように構成する。
本発明の識別位相余裕モニタ回路の態様一つは、入力データ信号から抽出したクロック信号を用いて識別する第一の識別回路と、上記クロック信号とは異なる周波数のクロック信号を用いて上記入力データ信号を識別する第二の識別回路と、上記第一の識別回路の出力信号及び上記第二の識別回路の出力信号との排他的論理和をとり、その結果を平均化して位相余裕モニタ出力信号を得る演算回路と、を有する。
なお、上記二つのクロック信号の周波数差の絶対値の逆数は、上記平均化回路の時定数よりも小さいことが望ましい。
本発明の識別レベル最適化回路の態様の一つは、上記識別位相余裕モニタ回路と、上記位相余裕モニタ出力信号に基づいて上記第一の識別回路の識別レベルを設定する識別レベル設定回路と、を有する
なお、上記識別レベル設定回路は、上記位相余裕モニタ出力信号に基づき、上記入力データ信号の位相余裕が最大となるように上記識別レベルを設定する、ことが望ましい。
本発明の受信装置の態様の一つは、光ファイバを伝送する光伝送信号を電気信号に変換する受光素子と、上記受光素子によって変換された電気信号を波形整形及び帯域制限する等化回路と、上記等化回路から出力された信号を上記入力データ信号とする上記識別レベル最適化回路と、を有する。
本発明のクロスポイント最適化回路は、入力データ信号のクロスポイント(当該クロスポイントは、入力データ信号波形をアイパターンで示した際に波形が交差する点の電圧値である)を可変させて出力データ信号を出力するクロスポイント可変回路と、上記クロスポイント可変回路の出力データ信号を入力データ信号とする上記識別位相余裕モニタ回路と、上記位相余裕モニタ出力信号をモニタして上記出力データ信号の位相余裕が最大となるように上記クロスポイント可変回路を制御するクロスポイント設定回路と、を有する。
なお、上記クロスポイント設定回路は、上記出力データ信号のクロスポイントが上記第一の識別回路に設定された識別レベルと一致するように上記クロスポイント可変回路を制御する、ことが望ましい。
また、上記第一の識別回路の識別レベルを調整できるようにしてもよい。
本発明の送信装置の態様の一つは、上記クロスポイント最適化回路と、上記クロスポイント可変回路から出力された出力データ信号を駆動信号として信号を光変調し、該光変調後の信号を光ファイバに伝送する光変調回路と、を有する。
なお、上記光ファイバを伝送する上記光変調後の信号を電気信号に変換する受光素子と、該受光素子によって変換された電気信号を増幅する増幅回路と、を有し、該増幅回路から出力された信号を上記識別位相余裕モニタ回路の上記入力データ信号とする、ように構成してもよい。
本発明の光多重化信号送信装置の態様の一つは、複数の上記送信装置と、各送信装置から出力される各光出力信号を多重化して光ファイバに送出する光合波装置と、を有する。
本発明の光多重化信号受信装置は、複数の上記受信装置と、光ファイバから伝送されてくる光多重化信号を分離する分波装置と、を有し、上記分波装置で分離された信号のそれぞれを、上記受信装置で別々に識別する。
本発明に光通信システムの態様の一つは、上記光多重化信号送信装置及び上記光多重化信号受信装置を備える。
本発明では、入力データ信号の識別を第一の識別回路で行なう際に、第一の識別回路で識別に使用するクロック信号とは異なる周波数のクロック信号を用いて第二の識別回路で当該入力データ信号の識別を行なわせる。そして上記二つの識別回路の出力信号の排他的論理和をとり、これを平均化する。このように構成することにより、平均化した値は、位相余裕が大きくなるに従って減少し、ある所定の値(最小値)に到達する。
よって、平均化した値をモニタして、その値が最小値をとるように例えば第一の識別回路の識別レベルを変更するなどすれば、第一の識別回路における識別を位相余裕が最大となる点で行なえるようになる。
以上より本発明においては、高精度な位相合わせを行なうことなくアイパターンの位相余裕をモニタすることが可能になり、更に、当該位相余裕をモニタすることにより受信データ信号の再生エラーを大幅に減少させることが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における識別位相余裕モニタ回路のブロック図である。
同図の識別位相余裕モニタ回路10は、クロック再生回路11、第一の識別回路12、発振器13、第二の識別回路14、排他的論理和回路(EXOR)15、平均化回路16によって構成される。
クロック再生回路11は、入力データ信号(1)からクロック信号(以下、第一のクロック信号と呼び、周波数=f0「Hz」とする)を抽出し、該第一のクロック信号(2)を第一の識別回路12へ入力する。
第一の識別回路12は、クロック再生回路11によって抽出された第一のクロック信号(2)によって決まる識別位相及び、該第一識別回路12に対して現時点で設定されている識別レベル(可変可能な識別レベル、または固定の識別レベル)との識別点で、入力データ信号(1)を識別し、出力データ信号(3)を生成する。
発振器13は、上記第一のクロック信号(1)とは周波数が異なる第二のクロック信号(周波数=f0+Δf「Hz」とし、発振器13の周波数安定性を考慮に入れた場合、1/|Δf|<後述の平均化回路のもつ時定数とする)を発振し、発振した第二のクロック信号(4)を第二の識別回路14に入力する。
第二の識別回路14は、発振器13の第二のクロック信号(4)によって決まる識別位相及び、該第二の識別回路14に対して固定の識別レベルとの識別点で、入力データ信号(1)を識別し、出力データ信号(5)を生成する。
排他的論理和回路15は、第一の識別回路12の出力信号(3)及び第二の識別回路14の出力信号(5)との排他的論理和をとる。
平均化回路16は、排他的論理和回路15の出力信号(6)を平均化する。
以下に詳しく説明するが、本回路構成では上記異なる周波数のクロック信号(第一及び第二のクロック信号)を用いて、入力データ信号(1)のアイパターンにおいて示される位相余裕を、平均化回路16の出力値からモニタする。
そして更に、当該位相余裕に応じて変化する上記出力値を見て、受信装置であれば第一の識別回路12に設定される識別レベルを最適な値に調整し、送信装置であれば第一の識別回路12に設定したクロスポイントの位置に入力データ信号(1)のクロスポイントの位置が合うように入力データ信号(1)を調整する。
図2、3は、図1の識別位相余裕モニタ回路10のタイミングチャートである。
図2は、図1の入力データ信号(1)の位相余裕が十分に広い場合(良好な信号の場合)におけるタイミングチャートであり、図3は、入力データ信号(1)の位相余裕が狭い場合(波形崩れが生じた信号の場合)におけるタイミングチャートである。
各図には、図1の(1)〜(6)の番号で示される各種信号の順にタイミングチャート(2−1〜2−6、または、3−1〜3−6)が示されている。上述したように、第一のクロック信号(2)と第二のクロック信号(4)の周波数はΔf(ここではΔf>0とする)だけ異なる。そこで第一のクロック信号(2)と第二のクロック信号(4)を同じ周波数に見立てると、第二のクロック信号(4)は、第一のクロック信号(2)に対して1/|Δf|の周期で−πからπ(単位[rad])へ繰り返し位相変化する信号に置き換えできる。そこで各図には、第一のクロック信号(2)に対して第二のクロック信号(4)が位相Φずれた時点での状態が示されている。
先ず、図2のタイミングチャートを説明する。
位相余裕の広い入力データ信号2−1を第一のクロック信号2−2で識別すると、出力信号2−3が得られる。
また、位相余裕の広い当該入力データ信号2−1を第二のクロック信号2−4で識別すると、出力信号2−5が得られる。
そして、出力信号2−3及び出力信号2−5の排他的論理和をとると、上記位相差Φによって決まるパルス幅を持つ出力信号2−6が得られる。
続いて、図3のタイミングチャートを説明する。
図2と比べ位相余裕が狭い入力データ信号3−1を第一のクロック信号3−2で識別すると、出力信号3−3が得られる。なお本例では、説明を理解し易くするために図2で説明した出力信号2−3の結果と同様の結果が得られるようにした。
一方、入力データ信号3−1を第二のクロック信号3−4で識別すると、出力信号3−5が得られる。この例では第二のクロック信号3−4が入力データ信号3−1の変化点付近に位置する状態が示されているため、同図のように伝送波形の崩れにより位相余裕が狭くなっていると、出力信号3−5は1ビットずれた信号となることがある。
このため、出力信号3−3及び出力信号3−5の排他的論理和をとると、同図の3−6に示されるように、1[UI(Unit Interval、1UI はビットクロックの1 周期)]−Φによって決まるパルス幅を持つ出力信号が得られる。つまり、位相余裕が広い場合と比べると、位相余裕が狭い場合は、排他的論理和をとった後の出力信号のパルス幅が広くなる。
このように、第二のクロック信号(4)が第一のクロック信号(2)に対して1/|Δf|の周期で−πからπ(単位[rad])へ位相変化すると、位相余裕範囲内の各時点においては、図2に示されるように位相差Φによって決まるパルス幅を持つ出力信号が排他的論理和回路15から得られる。そして、位相余裕の範囲外(伝送波形が崩れた場合における入力データ信号の境界付近)の各時点においては、図3に示されるように、1[UI]−Φによって決まるパルス幅(Φによって決まるパルス幅よりも広いパルス幅)を持つ出力信号が排他的論理和回路15から得られる。
図4は、入力データ信号の位相余裕に応じて変化する平均化回路の出力値(位相余裕モニタ出力値ともいう)の説明図である。
本例では、図2の出力信号2−6及び図3の出力信号3−6のLowレベルを0とし、Highレベルを1として説明する。なお、マーク率は1/2である。また、同図においては、位相余裕が狭まる事により生じる変化を理解しやすいように、位相Φを0から2πまで変化させた場合について説明する。
同図(a)は、位相余裕が広い状態(図2の状態)の平均化回路の出力計算図である。
この例では、位相余裕が1[UI]と広いため、位相Φが0から2πへ変化してもその間のビットのズレは全く生じない。
このため、位相Φが0から2πへ変化すると、位相0から位相πまでは位相Φによって決まるパルス幅に比例するように増加して位相πで値0.25に達し、位相πからは減少して位相2πで値0をとる。そしてこの場合、平均値(位相余裕モニタ出力値)は0.125の値をとる。
同図(b)は、位相余裕が狭い状態(図3の状態)の平均化回路の出力計算図である。
入力データ信号の波形が崩れて位相余裕が狭くなってくると、入力データ信号の変化点付近では1−Φによって決まるパルス幅に広がるため、その広がった範囲において図形面積が同図のように増大する。そしてこの場合、その平均値(位相余裕モニタ出力値)は0.125以上の値をとるようになる。
同図(c)は、位相余裕が全くない状態(位相余裕が0[UI]の状態)の平均化回路の出力計算図である。
このように位相余裕が0[UI]になると、位相Φが0から2πに変化する全ての範囲でパルス幅に広がるため、図4(b)に示されるパルス幅の広がった範囲が、0から2πに拡大され、この範囲を通して図形面積が増大する。そしてこの時、その平均値(位相余裕モニタ出力値)は最大値0.375の値をとる。
本例では、上述したように平均化回路の時定数>1/|Δf|という関係を成立させている。平均化回路の時定数に対して上記のような関係をもたせているのは、積分期間を長くして、排他的論理和の出力パルスの、位相余裕が狭い場合におけるパルス幅の広がりの変化を検出するためであり、このような関係をもたせることにより、上記図4(b)のΦ=πを中心に図4(c)の状態まで同図の斜め破線の方向に広がる面積の増大を捉えることが可能になる。
平均化回路16は、例えば1/Δfの時間が0乃至2πまでに相当するだけ経過する期間にわたって出力の平均化を行なう。
尚、図2及び図3のタイミングチャートはこの期間の一部における位相差Φのタイミングを示したものである。
図5は、図4の計算を位相余裕0[UI]から1[UI]に対して行なった場合の、各位相余裕と、各位相余裕において得られる平均化回路の出力値(位相余裕モニタ出力値)との関係グラフである。
上記グラフは、同図に示されるように、位相余裕が0[UI]の場合の位相余裕モニタ出力値0.375を最大値として位相余裕が大きくなるごとにその出力値は減少し、位相余裕が1[UI]の時に算出される出力値0.125を通る漸近線に向けて緩やかに出力値0.125に到達する。
なお、図2から図5の説明では、Δf>0として説明した。一方、Δf<0の場合は、第一のクッロック信号に対して第二のクロック信号が変化する方向が逆になる。しかし、平均化回路の結果としてはΔf>0の場合と同じ結果が得られることになる。
図1の位相余裕モニタ回路10に対し、入力データ信号(1)のクロスポイントと入力データ信号に対する識別レベルとを該入力データ信号(1)の位相余裕が変化する電流電圧軸方向に相対的に変える仕組みを組み合わせれば、平均化回路から出力される出力信号をモニタして位相余裕モニタ出力値が最小になる上記識別レベルや上記クロスポイントの位置を見つけ出し、位相余裕が最大となる最適点が設定できるようになる。
そして、以上の構成であれば、二つのクロック信号の周波数を互いに異ならせた事により高精度の位相合わせが必要なくなる。
図6は、上記位相余裕モニタ回路を適用した識別レベル最適化回路のブロック図である。なお図1と同じ構成のものには同一の番号を付している。
本識別レベル最適化回路60には、図1の位相余裕モニタ回路に対して識別レベル設定回路61が新たに構成される。
上記識別レベル設定回路61は、第一の識別回路12の識別レベルを設定する回路である。識別レベル設定回路61は、同図に示されるように、その入力端子から位相余裕モニタ出力を入力し、そして、その時に入力した位相余裕モニタ出力を基に、位相余裕モニタ出力値が最小となるように第一の識別回路12の識別レベルを徐々に調整し、最終的に、該第一の識別回路12に最適な識別レベルを設定する。
図7及び図8は、上記識別レベル設定回路61のブロック図である。
図7は、識別レベルの最適点をデジタル処理によって抽出する場合の構成例である。
同図の識別レベル設定回路70は、A/Dコンバータ71(71−1、72−2)、メモリ72、最適レベル検出回路73、電圧設定回路74、及び電圧可変電源75によって構成される。
A/Dコンバータ71は、位相余裕モニタ出力信号や第一の識別回路12へ出力する電圧信号を数値変換する。
メモリ72は、数値変換した位相余裕モニタ出力の値と電圧レベルの値を対応付けて記憶する。
最適レベル検出回路73は、メモリ72に設定された電圧レベルを、該電圧レベルと対応づけて記憶されている位相余裕モニタ出力の値が減少する方向へ所定レベルごとに振り、その電圧レベルを電圧設定回路74に設定し、最終的に電圧レベルの最適値を電圧設定回路74に設定する。
電圧設定回路74は、最適レベル検出回路73から指定された電圧レベルに基づいて電圧可変電源75の電圧を制御する。
電圧可変電源75は、可変された電圧信号を第一の識別回路12へ供給する。
本識別レベル設定回路70では、メモリに初期設定された電圧値を何れかの方向へ所定レベル振り、振った先の電圧値の電圧信号を第一の識別回路12へ出力する。これにより、その電圧値の設定において得られる位相余裕モニタ出力信号がA/Dコンバータ71−2に入力され、また上記電圧信号がA/Dコンバータ71−1に入力され、当該位相余裕モニタ出力の値及び電圧信号の電圧値がメモリ72に互いに対応付けて格納される。この処理を繰り返すことにより最適レベル検出回路73は、メモリ72に格納されている各値を基に、位相余裕モニタ出力の値が減少する方向を検出してその検出した方向に電圧値を振り、最終的に、位相余裕モニタ出力の値が最小となる電圧値(識別レベルの最適値)を検出する。そして、この電圧値に電圧可変電源75が制御され、第一の識別回路12に対してその電圧信号が供給される。第一の識別回路12ではこの電圧値に基づいて識別レベルが制御され、常に、位相余裕が最も大きい位置に識別レベルを調整できる。
図8は、上記識別レベルの最適点をアナログ処理によって抽出する場合の構成例である。
同図の識別レベル設定回路80は、低周波発振器81、乗算器82、ローパスフィルタ83、電圧設定回路84、電圧可変電源85、及び加算器86によって構成される。
低周波発信器81から出力される低周波信号を位相余裕モニタ出力信号に乗算器82で乗算する。また、電圧可変電源85から第一の識別回路12に出力される出力信号に上記低周波信号を加算器86で加算する。
ローパスフィルタ83では乗算器82から出力された信号を帯域制限する。
電圧設定回路84では、位相余裕がより広くなる方向へ電圧可変電源85を可変する。
この構成により、最終的に位相余裕の極大値に第一の識別回路12に設定する識別レベルを収束させる。
なお、以上に示した識別レベルの最適点の設定では、予め識別レベルの初期設定行なわなくとも識別レベルを最適点に設定することが可能である。識別レベルが入力データ信号のHighレベルより高いまたはLowレベルよりも低い場合は、位相余裕が0の状態に相当する。ただしこの場合、位相余裕モニタ出力値は、第二の識別回路14の出力信号(5)の平均値である0.5になる。しかし、図5に示されるように位相余裕モニタ出力値は0.5よりも小さい値をとるため、位相余裕モニタ出力値を最小にする制御をすることにより、初期設定なしでも識別レベルの最適点を検出できる
図9は、図6の識別レベル最適化回路60を備えた光受信装置の一例である。なお図6と同じ構成のものには同一の番号を付している。
同図の光受信装置90は、光ファイバ91を介して伝送された光伝送信号を、例えばフォトダイオードなどの受光素子92で光/電気変換を行ない、更に、等化フィルタなどの等化回路93で波形整形や雑音の帯域制限を施す。そして、繰り返しになるためここでの説明は省くが、図6から図8を用いて説明した上述の識別レベル最適化制御を施す。
この最適化制御により、光ファイバ91を介して伝送された光伝送信号に対する第一の識別回路12の識別レベルは、その光伝送信号の波形劣化に応じ、位相余裕が最大となる識別レベルに調整される。そして、クロック再生回路11で抽出されたクロックタイミングによって決まる識別位相と上記調整後の識別レベルとによって決まる識別点で上記光伝送信号の「1」または「0」の識別判定が施され、データ(出力データ信号)として出力される。そして、この出力データ信号及びクロック再生回路11で抽出したクロック信号(出力クロック信号)が、後続の装置へ送信される。
このように最適化制御を施すことにより、受信器における光伝送信号の識別時に、エラーレート(符号誤り率)を大幅に減少させることができる。
図10は、図1の位相余裕モニタ回路10を適用したクロスポイント最適化回路のブロック図である。なお図1と同じ構成のものには同一の番号を付している。
本クロスポイント最適化回路1000には、図1の位相余裕モニタ回路10に対してクロスポイント可変回路1001及びクロスポイント設定回路1002が新たに構成され、更に、第一の識別回路12には、クロスポイント設定レベルが設定される。
クロスポイント可変回路1001は、その入力端子から入力データ信号を入力し、当該入力データ信号のクロスポイントが後述のクロスポイント設定回路1002によって指定されるクロスポイントの位置になるように、該入力データ信号を電流電圧軸方向へシフトさせる。そして、図1を用いて説明したに位相余裕モニタ回路10の出力データ信号に取って代わり、電流電圧軸方向へシフトさせた当該信号を、後続の装置に出力データ信号として出力する。また該出力データ信号は、位相余裕モニタ回路10に構成される第一の識別回路12にも入力される。
クロスポイント設定回路1002は、その入力端子で、平均化回路16から出力される位相余裕モニタ出力信号を入力し、位相余裕モニタ出力の値が最小となるようにその出力端子からクロスポイント可変回路1001に信号を送る。
本クロスポイント最適化回路1000では、入力データ信号が、クロスポイント設定回路1002の指示によるクロスポイント可変回路1001の制御により、電流電圧軸方向へシフトされる。当該移動後の入力データ信号は、第一の識別回路12に入力され、当該移動後の入力データ信号からクロック再生回路11によって抽出されたクロックタイミングの識別位相と第一の識別回路12に設定されたクロスポイント設定レベル(例えば電圧値など)の識別レベルとで示される識別点を基に、上記移動後の入力データ信号が識別される。また、第二の識別回路14では、上記移動後の入力データ信号が識別される。そして、互いの識別信号から、これまでに説明したように排他的論理和回路15及び平均化回路16を介して位相余裕モニタ信号が生成される。
本例では識別レベルではなく入力データ信号を電流電圧軸方向へシフトする。これは、入力データ信号から見ると、識別レベルを変える識別レベル最適化回路の動作に等しい。
よって、位相余裕モニタ出力と位相余裕の関係グラフは、位相余裕が0[UI]から1[UI]に近づくに従って、位相余裕が1[UI]である時の所定の位相余裕モニタ出力値に該位相余裕モニタ出力値は徐々に近づく。このため、上記位相余裕モニタ出力の値は、識別レベルとクロスポイントの位置が等しくなった時に最小値をとる。
クロスポイント設定回路では、例えば図7や図8で説明した動作原理に従って、上記位相余裕モニタ出力の値が最小になるようにクロスポイント可変回路1001を制御する。そして、最終的に、第一の識別回路12に設定されるクロスポイント設定レベル(電圧値)にクロスポイントの位置を合わせた入力データ信号が、クロスポイント可変回路1001から出力データ信号として出力される。なお、通常は、上記クロスポイント設定レベルを中心に合わせる。しかし、適用個所によっては、上記クロスポイント設定レベルを上記中心よりも上下にずらした方がより好ましい場合もあるため、上記クロスポイント設定レベルを調整できるようにしている。
図11は、図10のクロスポイント最適化回路1000を備えた光送信装置の一例である。なお図10と同じ構成のものには同一の番号を付している。
本例では、光変調器の変調特性が非線形の場合に、光変調器の駆動電気波形のクロスポイントを制御し、光変調器から出力される光出力波形の最適化を図る。
同図の送信器1100は、伝送信号を変調させるための光変調器1101、変調された信号を伝送する光ファイバ1102が構成され、入力データ信号を光変調器1101で変調させる駆動信号の最適制御を当該クロスポイント最適化回路で行なうように構成される。
この構成では、光変調器1101の駆動信号の位相余裕モニタ出力の値がモニタされ、位相余裕モニタ出力の値が最小となるようにクロスポイント可変回路が制御される。こうして、第一の識別回路12に設定されたクロスポイント設定レベルの位置に正確に、上記駆動信号のクロスポイントを設定することができる。
図12は、図11の光送信装置1100の変形例である。なお図11と同じ構成のものには同一の番号を付している。
本例では、光変調器1101を駆動する駆動信号のクロスポイントを、光変調器1101で変調した後の光出力波形に基づいて制御し、光ファイバを伝送させる光伝送波形の最適化を図る。
同図の送信器1200には、光変調器1101によって変調された光伝送信号が伝送する光ファイバ1102から該光伝送信号を入力し、入力した光伝送信号を電気信号に変換する受光素子1201と、該電気信号を増幅する増幅回路1202とが構成され、こうして得られた電気信号に基づいて光変調器1101の駆動信号を制御する。
なお、この動作は、図11で説明した動作と基本的には同じ原理で動作するため、その詳細な説明は省略する。
図13は、上述した光送信装置及び光受信装置のそれぞれを任意に組み合わせてなる光通信装置の一例である。
本例では、上述した光送信装置及び光受信装置を用いてWDM(Wavelength Division Multiplex)装置を構築している。
同図のWDM装置1300には、光送信装置1301及び光受信装置1302が光ファイバ1303を介して構成されている。なお、光ファイバの伝送路には、減衰した光を増幅するための光増幅中継器1304が構成されている。
本例の光送信装置1301には、クロスポイントを最適化する光送信回路(1〜N(但しNは正の整数))1305を複数備えるように構成している。
本例の光送信回路1305は、低速の電気信号を40Gbpsの電気信号にまとめる電気信号多重化部を備え、当該40bpsの電気信号を光変調器で光変調する。この光変調時には、例えば光変調器の駆動信号や光変調後の出力信号を監視することにより、それらの信号のクロスポイントが最適になるように、上記駆動信号のクロスポイントを制御する。こうして各光送信回路1305からは、それぞれ異なる波長の安定した光伝送信号が出力される。
各光送信回路1305から出力された光出力信号は、光ファイバ1306を伝送して光合波器(光MUX)1307で多重化され、光ファイバ1303及び光増幅中継器1304を介して光受信装置1302に送信される。
一方、同図の光受信装置1302は、第一の識別回路の識別レベルを最適点に設定する光受信回路(1〜N(但しNは正の整数))1308が複数備えられている。光送信装置1301から光ファイバ1303及び光増幅中継器1304を介して伝送された光伝送信号は、光分波器(光DMUX)1309によって元のそれぞれの波長に分離され、分離された各光伝送信号は、光ファイバ1310を介して、上記各光受信回路1308に入力される。
上記光受信回路1308では、入力された40Gbpsの光伝送信号を、受光素子を通して40Gbpsの電気信号に変換し、更に等化回路を通して波形整形や雑音の帯域制限を行なう。そして、当該40Gbpsの電気信号に対し、識別レベルを最適化する制御を行なって信号を再生する。
上述して説明してきたように、光送信回路1305では、例えば光変調器の駆動信号のクロスポイントが最適な位置に設定されるなどして、光ファイバに1306や光ファイバ1303内において精度良い(例えばクロスポイントが中心の位置にある)伝送信号を送信できる。また、光受信回路1308では、識別回路の識別レベルが最適化され、エラーレート(符号誤り率)を大幅に低減した信号が抽出できる。
この送信側と受信側における相互の最適化動作により、結果として、低いエラーレートでの光伝送を実現する。
以上、本発明の実施の形態によれば、異なる周波数のクロック信号を用いて入力データ信号の位相余裕をモニタすることができる。そして本発明の実施形態によればその位相余裕モニタ出力は、位相余裕が大きくなるに従って小さな値を出力する。
よって、当該位相余裕モニタ出力の値が最小値となるように、第一の識別回路の識別レベルを調節すれば、常に位相余裕が最大となる識別点でデータ再生が可能となる。
また、第一の識別回路にクロスポイント(例えば電圧レベル)を設定した場合は、第一の識別回路に入力される信号のクロスポイントが当該第一の識別回路に設定されたクロスポイントと一致するように入力信号が制御される。
以上より、クロック信号の位相合わせを考慮することなく識別レベルやクロスポイントの最適点の設定を容易に構成できるだけでなく、受信装置での信号再生の誤りを格段に抑制することが可能になる。
また、本識別位相余裕モニタ回路を用いれば、回路構成が簡単なため、この回路を適用した様々な装置のIC化、または装置の一部のIC化が可能になる。
(付記1)入力データ信号から抽出したクロック信号を用いて識別する第一の識別回路と、上記クロック信号とは異なる周波数のクロック信号を用いて上記入力データ信号を識別する第二の識別回路と、上記第一の識別回路の出力信号及び上記第二の識別回路の出力信号との排他的論理和をとり、その結果を平均化して位相余裕モニタ出力信号を得る演算回路と、を有することを特徴とする識別位相余裕モニタ回路。
(付記2)上記二つのクロック信号の周波数差の絶対値の逆数は、上記平均化回路の時定数よりも小さいことを特徴とする付記1に記載の識別位相余裕モニタ回路。
(付記3)付記1または付記2の内の何れか一つに記載の識別位相余裕モニタ回路と、上記位相余裕モニタ出力信号に基づいて、上記第一の識別回路の識別レベルを設定する、識別レベル設定回路と、を有することを特徴とする識別レベル最適化回路。
(付記4)上記識別レベル設定回路は、上記位相余裕モニタ出力信号に基づき、上記入力データ信号の位相余裕が最大となるように上記識別レベルを設定する、ことを特徴とする付記3に記載の識別レベル最適化回路。
(付記5)上記識別レベル設定回路は、上記位相余裕モニタ出力信号及び該位相余裕モニタ出力信号を得たときの上記第一の識別回路の識別レベルの設定電圧とを互いに対応付けて数値情報としてメモリに記憶し、該メモリに記憶された数値情報から、上記第一の識別回路の識別レベルの設定電圧を変化させたときの上記位相余裕モニタ出力信号の値が最小になる上記識別レベルの設定電圧を検出する、ことを特徴とする付記3に記載の識別レベル最適化回路。
(付記6)上記識別レベル設定回路は、上記位相余裕モニタ出力信号に低周波信号を乗算し、乗算された信号からローパスフィルタを介して得られる信号に対して位相余裕が広くなる方向へ電圧信号を可変し、該電圧信号に上記低周波信号を加算した信号を上記第一の識別回路へ出力する、ことを特徴とする付記3に記載の識別レベル最適化回路。
(付記7)光ファイバを伝送する光伝送信号を電気信号に変換する受光素子と、上記受光素子によって変換された電気信号を波形整形及び帯域制限する等化回路と、上記等化回路から出力された信号を上記入力データ信号とする付記3乃至6の内の何れか一つに記載の識別レベル最適化回路と、を有することを特徴とする受信装置。
(付記8)入力データ信号のクロスポイントを可変させて出力データ信号を出力するクロスポイント可変回路と、上記クロスポイント可変回路の出力データ信号を入力データ信号とする付記1または2に記載の識別位相余裕モニタ回路と、上記位相余裕モニタ出力信号をモニタして上記出力データ信号の位相余裕が最大となるように上記クロスポイント可変回路を制御するクロスポイント設定回路と、を有することを特徴とするクロスポイント最適化回路。
(付記9)上記クロスポイント設定回路は、上記出力データ信号のクロスポイントが上記第一の識別回路に設定された識別レベルと一致するように上記クロスポイント可変回路を制御する、ことを特徴とする付記8に記載のクロスポイント最適化回路。
(付記10)上記第一の識別回路の識別レベルを調整する調整回路を更に有することを特徴とする付記8または9に記載のクロスポイント最適化回路。
(付記11)付記8乃至10の内の何れか一つに記載のクロスポイント最適化回路と、上記クロスポイント可変回路から出力された出力データ信号を駆動信号として信号を光変調し、該光変調後の信号を光ファイバに伝送する光変調回路と、を有することを特徴とする送信装置。
(付記12)上記光ファイバを伝送する上記光変調後の信号を電気信号に変換する受光素子と、該受光素子によって変換された電気信号を増幅する増幅回路と、を有し、該増幅回路から出力された信号を上記識別位相余裕モニタ回路の上記入力データ信号とする、ことを特徴とする付記11に記載の送信装置。
(付記13)付記11または12に記載の複数の送信装置と、各送信装置から出力される各光出力信号を、多重化して光ファイバに送出する光合波装置と、を有することを特徴とする光多重化信号送信装置。
(付記14)付記7に記載の複数の受信装置と、光ファイバから伝送されてくる光多重化信号を分離する分波装置と、を有し、上記分波装置で分離された信号のそれぞれを、上記受信装置で別々に識別する、ことを特徴とする光多重化信号受信装置。
(付記15)光多重化信号送信装置及び光多重化信号受信装置を備える光通信システムであって、
付記14に記載の光多重化信号送信装置を備える光通信システム。
(付記16)光多重化信号送信装置及び光多重化信号受信装置を備える光通信システムであって、
付記15に記載に光多重化信号受信装置を備える光通信システム。
本発明の実施の形態における識別位相余裕モニタ回路のブロック図である。 入力データ信号(1)の位相余裕が十分に広い場合におけるタイミングチャートである。 入力データ信号(1)の位相余裕が狭い場合におけるタイミングチャートである。 入力データ信号の位相余裕に応じて変化する平均化回路の出力値の説明図である。 位相余裕と位相余裕モニタ出力値との関係グラフである。 識別レベル最適化回路のブロック図である。 識別レベルの最適点をデジタル処理によって抽出する場合の識別レベル設定回路の構成例である。 識別レベルの最適点をアナログ処理によって抽出する場合の識別レベル設定回路の構成例である。 図6の識別レベル最適化回路60を備えた光受信装置の一例である。 クロスポイント最適化回路のブロック図である。 図10のクロスポイント最適化回路1000を備えた光送信装置の一例である。 図11の光送信装置1100の変形例である。 光通信装置の一例である。
符号の説明
10 識別位相余裕モニタ回路
11 クロック再生回路
12 第一の識別回路
14 第二の識別回路
15 排他的論理和回路
16 平均化回路

Claims (10)

  1. 入力データ信号から抽出したクロック信号を用いて識別する第一の識別回路と、
    前記クロック信号とは異なる周波数のクロック信号を用いて前記入力データ信号を識別する第二の識別回路と、
    前記第一の識別回路の出力信号及び前記第二の識別回路の出力信号との排他的論理和をとり、その結果を平均化して位相余裕モニタ出力信号を得る演算回路と、
    を有することを特徴とする識別位相余裕モニタ回路。
  2. 請求項1に記載の識別位相余裕モニタ回路と、
    前記位相余裕モニタ出力信号に基づいて、前記第一の識別回路の識別レベルを設定する、識別レベル設定回路と、
    を有することを特徴とする識別レベル最適化回路。
  3. 前記識別レベル設定回路は、前記位相余裕モニタ出力信号に基づき、前記入力データ信号の位相余裕が最大となるように前記識別レベルを設定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の識別レベル最適化回路。
  4. 光ファイバを伝送する光伝送信号を電気信号に変換する受光素子と、
    前記受光素子によって変換された電気信号を波形整形及び帯域制限する等化回路と、
    前記等化回路から出力された信号を前記入力データ信号とする請求項2または3に記載の識別レベル最適化回路と、
    を有することを特徴とする受信装置。
  5. 入力データ信号のクロスポイントを可変させて出力データ信号を出力するクロスポイント可変回路と、
    前記クロスポイント可変回路の出力データ信号を入力データ信号とする請求項1に記載の識別位相余裕モニタ回路と、
    前記位相余裕モニタ出力信号をモニタして前記出力データ信号の位相余裕が最大となるように前記クロスポイント可変回路を制御するクロスポイント設定回路と、
    を有することを特徴とするクロスポイント最適化回路。
  6. 前記クロスポイント設定回路は、前記出力データ信号のクロスポイントが前記第一の識別回路に設定された識別レベルと一致するように前記クロスポイント可変回路を制御する、ことを特徴とする請求項5に記載のクロスポイント最適化回路。
  7. 請求項5または6に記載のクロスポイント最適化回路と、
    前記クロスポイント可変回路から出力された出力データ信号を駆動信号として信号を光変調し、該光変調後の信号を光ファイバに伝送する光変調回路と、
    を有することを特徴とする送信装置。
  8. 請求項7に記載の複数の送信装置と、
    各送信装置から出力される各光出力信号を、多重化して光ファイバに送出する光合波装置と、
    を有することを特徴とする光多重化信号送信装置。
  9. 請求項4に記載の複数の受信装置と、
    光ファイバから伝送されてくる光多重化信号を分離する分波装置と、
    を有し、
    前記分波装置で分離された信号のそれぞれを、前記受信装置で別々に識別する、
    ことを特徴とする光多重化信号受信装置。
  10. 光多重化信号送信装置及び光多重化信号受信装置を備える光通信システムであって、
    請求項9に記載の光多重化信号受信装置を備える光通信システム。
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