JP2011254379A - 光受信装置、光通信システム、並びに、光信号受信方法 - Google Patents

光受信装置、光通信システム、並びに、光信号受信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マッハツェンダ干渉計のバイアス制御電圧が誤ったバイアス点に収束することなく、また信号品質の劣化を抑制することを目的とする。
【解決手段】 マッハツェンダ干渉計の光透過特性が所望の値となるようにバイアス制御電圧を算出する光透過特性制御手段と、前記算出されたバイアス制御電圧を固定する固定手段と、前記バイアス制御電圧を固定した状態で、受信した光信号の分散を補償する分散補償量を決定する分散補償量決定手段とを備え、前記分散補償量が決定された後に、前記固定されたバイアス制御電圧を可変にして、同期検波手段の出力に基づきバイアス制御電圧を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信技術に関し、位相変調された光信号を受信する光受信装置および光信号受信方法に関する。
光通信システムにおいて、DPSK(Differential Phase Shift Keying:差動位相シフト変調)方式をはじめとする位相変調信号を復調する光受信装置は、マッハツェンダ干渉計(以下、MZI:Mach Zehnder interferometer)とバランス型PD(photo diode:フォトダイオード)とを含む構成が知られている。MZIは2つの光導波路をもち、一方の光導波路に対して、他方の光導波路の物理長を長くすることによって、2つの光導波路間に光路長差が設けられている。これによって、他方の光導波路を伝搬する光信号に対して、シンボル周期に等しい遅延時間差が与えられ、2つの信号を干渉させることで復調している。
MZIの光透過特性は、波長や温度などで変化する。そこで従来技術では、2つの光導波路の1シンボル分の遅延を常に保持し続けるために、MZIの光透過特性を受信信号光のキャリア周波数に一致させるよう制御している。具体的には、従来技術の光受信装置ではMZIの光周波数調整端子に微小変調信号を重畳し、MZIの光出力を受けるバランス型PDの出力からこの微小変調信号成分を検出している。この検出成分と微小変調信号とを同期検波して、同期検波から出力される誤差信号が零の値になるようにMZIのバイアスを調整することで、透過特性を信号光キャリア周波数と一致させる状態を常に保持し続けることが可能となっている。低周波微小変調信号の検出手段としては、ツインPDの出力振幅を検出する包絡線検波回路が用いられている。
また、上記の従来技術の光受信装置では、光バンドパスフィルタと光電流モニタ回路と周波数挿引回路を備え、周波数挿引回路でMZIの光透過特性を大きく変動させる。これによって、周波数同期ループだけではMZIの最適な光透過特性となるバイアス制御電圧に収束できない状態であっても、MZIの光透過特性と受信信号光のキャリア周波数が近くなる状態が生じるため、最適バイアス制御電圧に近い点からバイアス制御を開始でき、バイアス制御電圧の最適値への引き込みが可能となる。よって、微小変調信号の振幅を小さくすることができ、結果として微小変調信号による信号品質劣化を抑えることができる(例えば下記特許文献1参照)。
国際公開WO2007/052380号公報
しかしながら、同期検波出力が零になるMZIのバイアス点は、透過特性が最大となる最適バイアス点と、最適バイアス点から90度位相がずれたバイアス点がある。そのため、上記特許文献1に記載の従来技術によれば、MZIバイアスの初期値や微小変調振幅の大きさによっては、同期検波による制御が最適バイアス点に収束せず、90度位相がずれた、誤ったバイアス点に収束する可能性がある、という問題点があった。
また、上記特許文献1に記載された従来技術では低周波微小変調信号の振幅を小さくすることができ、低周波微小変調信号を重畳することによる信号光の品質劣化の影響を抑えることができるが、光バンドパスフィルタで信号光のスペクトルの一部を削除することが必要となる。これは、MZIとツインPDの特性上、光スペクトルを削除しない場合には、MZIの最適バイアス点と最適バイアスから90度位相がずれたバイアス点で光電流がほとんど変化しないためである。このため、低周波微小変調信号の重畳による信号品質の劣化は最小限に抑えられるが、スペクトル削除による信号光の品質劣化が生じるという問題があった。
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、MZIのバイアス制御が最適バイアス点から90度位相がずれたバイアス点で収束することなく、光スペクトルの一部を削除することによる信号品質の劣化を抑制できる光受信装置を提供することを目的とする。また、最適バイアス点の探索だけでなく、通常の導通状態でも信号品質劣化を抑制することができる。
この発明にかかる光受信装置は、位相変調された光信号をマッハツェンダ干渉計によって受信する光受信装置であって、前記マッハツェンダ干渉計から出力された光信号を光電流に変換して出力する光電変換手段と、前記マッハツェンダ干渉計の光透過特性を調整するバイアス制御電圧を生成するバイアス制御手段と、受信した光信号に微小変調信号を重畳し、前記光電変換手段の出力から抽出された微小変調信号成分と、微小変調信号とを同期検波する同期検波手段と、前記マッハツェンダ干渉計の光透過特性が所望の値となるようにバイアス制御電圧を算出する光透過特性制御手段と、前記算出されたバイアス制御電圧を固定する固定手段と、前記バイアス制御電圧を固定した状態で、受信した光信号の分散を補償する分散補償量を決定する分散補償量決定手段とを備え、前記バイアス制御手段は、前記分散補償量が決定された後に、前記固定されたバイアス制御電圧を可変にして、前記同期検波手段の出力に基づきバイアス制御電圧を調整することを特徴とするものである。
本発明にかかる光受信装置によれば、MZIのバイアス制御電圧が誤ったバイアス点に収束することなく、また信号品質の劣化を抑制することができる。
この発明の実施の形態1における光通信システムの構成例を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるMZI1の透過特性と受信光の光周波数との関係の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるMZI1の透過特性と同期検波出力とのの関係の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるパス開通時のパスの立ち上げ手順の一例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における光受信装置の構成例を示す図である。 この発明の実施の形態2におけるパス開通時のパスの立ち上げ手順の一例を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3における光通信システムの構成例を示す図である。
実施の形態1.
以下に、本実施の形態にかかる光受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するためのものではない。
図1は、この発明の実施の形態1にかかる光受信装置を含む光通信システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態1にかかる光受信装置は、マッハツェンダ干渉計(MZI)1と、MZI1から光信号が出力される出力ポート2−1、2−2、MZI1の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード4−1、4−2を備えるバランス型光電変換部3と、バランス型光電変換部3の出力を監視する受光電流モニタ部5と、MZIの光透過特性を制御するバイアス制御電圧を出力するバイアス制御部6と、バイアス制御電圧をMZI1に印加する駆動部7と、微小変調信号を生成する微小変調信号生成部8と、微小変調信号とバイアス制御電圧を加算する加算器9と、バランス型光電変換部3の出力電気信号から微小変調信号成分を検出する微小変調信号検出部10と、検出された微小変調信号成分と、微小変調信号生成部8により生成された微小変調信号とを同期検波する同期検波部11と、伝送路を経ることにより生じる光信号の分散を補償する分散補償部12と、によって構成されている。
また、以下の説明においては、光送信装置から伝送路13を経て伝送される光位相変調信号はDPSK変調信号であるとする。図1の光送信装置では、光源14から出力される光を、変調装置15がシンボル間の位相差を0またはπに位相変調することによって、DPSK変調信号が生成される。光源14は、例えば、DFB(Distributed Feed-Back)レーザダイオードを用いることができる。また、変調装置15は、例えば、マッハツェンダ変調器を用いることができる。
次に、光受信装置の動作を説明する。まず、MZI1は受信した位相変調信号を強度変調信号に変換する。MZI1は2つの導波路によって構成され、一方の導波路が他方の導波路に対して1シンボル分遅延させて、それぞれの導波路を経た光波形を干渉させる。これにより、MZI1に入力される位相変調信号は、強度変調された光信号に変換される。図1に示すようにMZI1には出力ポート2−1と出力ポート2−2が備えられており、2つの出力ポートから前後のシンボル間の位相変化の有無に依存して光信号が出力される。具体的には、1シンボル前後の光信号の光位相に変化がなければ、一方のポートから干渉後の強度変調された光信号を出力する。逆に、干渉時に光位相の変化があったときには、もう一方のポートから干渉後の強度変調された光信号を出力する。
図2は、MZI1の透過特性と受信光の光周波数との関係の一例を示す図である。図示するようにMZIの透過特性は光周波数に対して周期的に変動する。MZI1のポート2−1とポート2−2からの光出力は、ポート2−1が最大となる点ではポート2−2が最小となる。このように、伝送品質を最適にするためには、受信光のキャリア周波数と、MZIの光透過特性が最大または最小になる光周波数とを、一致させるように制御することが必要である。
光透過特性が最大となる点がキャリア周波数と一致している場合において、位相変化が無い場合には、ポート2−1から信号光が出力され、ポート2−2からは信号光が出力されない。位相変化が有る場合には、逆にポート2−2からは信号光が出力され、ポート2−1からは信号光が出力されない。
一方、光透過特性が最小となる点にキャリア周波数と一致している場合には、位相変化が有る場合には、ポート2−1から信号光が出力され、ポート2−2からは信号光が出力されない。位相変化が無い場合には、ポート2−2から信号光が出力され、ポート2−1からは信号光が出力されない、すなわち、この場合には、前述の光透過特性が最大となる点にキャリア周波数を一致させた場合と逆の動作となる。
次に、MZI1の各ポートからの光出力はそれぞれ対応するバランス型光電変換部3のPD4−1とPD4−2に入力される。バランス型光電変換部3において光信号を電気信号(受光電流)に変換する。
受光電流モニタ部5は、PD4−1、PD4−2からの受光電流をバイアス制御部6へ送る。尚、受光電流を電圧に変換して、アナログ電圧として送ることも、A/D変換(アナログ/ディジタル変換)してディジタル電圧として送ることも可能である。
微小変調信号生成部8はMZI1の光透過特性を変調させる低周波の変調信号を生成する。この変調信号の周波数は伝送信号のキャリア周波数よりも充分に低速な所定の周波数(例えば、キャリア周波数の1/10〜1/100以下)であり、振幅も伝送品質への影響を少なくするよう受信信号に比べて充分に小さく設定されている。加算器9ではバイアス制御部6から出力されるバイアス制御電圧に微小変調信号が重畳される。重畳後の信号は駆動部7でMZIを駆動できるレベルに信号を増幅してMZI1に印加される。
微小変調信号検出部10はバランス型光電変換部3の出力電気信号から、MZI1で印加された微小変調信号に対応する信号成分を検出し、同期検波部11に送る。具体的な検出方法としては、例えば、包絡線検波が用いられる。
次に、同期検波部11は、検出された信号成分と微小変調信号生成部8からの微小変調信号とを同期検波する。同期検波により求められた誤差信号がバイアス制御部6に送られる。
バイアス制御部6では、同期検波出力を元に、MZI1のポート2−1若しくはポート2−2の光透過特性が最大となるように駆動部7に最適なバイアス制御電圧を設定する。バイアス制御部6の同期検波出力に基づく最適なバイアス制御電圧の算出、MZI1への最適バイアス制御電圧の設定は光送信装置から光信号を受信している間、光受信装置で継続して行われる。
図3は、この発明の実施の形態1におけるMZI1の透過特性と同期検波出力との関係の一例を示す図である。MZIの透過特性(MZIから出力される光出力に対応する)が最大または最小となる点は同期検波出力が零となる点に対応する。従って、バイアス制御部6は同期検波の誤差信号が零となるバイアス制御電圧をMZI1に設定することにより、MZI1の各ポートの透過特性を最大或いは最小に制御することが可能となる。しかし、同期検波出力が零となる点は、光透過特性の1周期を360度とすると90度ずれたところにもあるが、この点は誤った制御点である。
同期検波出力が零となったときに、MZI1の出力の透過特性が最大となる最適バイアス点と最適バイアス点から90度位相がずれた、すなわち、誤ったバイアス点に収束しているかどうかの判定として、例えば、バランス型光電変換部3からの出力に対し識別レベルを元に「0」と「1」に識別した後にフレーム処理を行い、フレーム同期を確立させる方法を用いても良い。誤ったバイアス点に収束している場合には図3から分かるとおり、ポート2−1とポート2−2からの出力差が充分に得られなくなるため、論理「0」、「1」の識別が困難となり、フレーム同期を取ることができなくなる。
フレーム同期が取れない場合は、前述のように、MZI1の出力の光透過特性が最大となる点にバイアス制御電圧が収束したか、最小となる点にバイアス制御電圧が収束したかによって、フレーム同期を確立させるときに「0」と「1」の論理を反転させればよい。論理を反転してもフレーム同期が取れない場合には、誤った点にバイアス制御が収束したものとして、バイアス制御を再度やり直す。このとき、バイアス初期値を異なる点に変更することで、誤った収束点から制御が始まることを防ぐことができる。これにより、微小変調信号振幅を大きくすることやバンドパスフィルタでのスペクトル削除による信号品質の劣化も抑えられる。
次に、パスの立ち上げ、すなわち、送受信端局の故障からの復旧時や新規に設置された光伝送路等で光信号の通信を開始するパス開通時の光受信装置の動作について説明する。パス開通時には、受信光信号のキャリア周波数に合わせてMZI1の出力の透過特性を調整する必要がある。位相変調信号を受信して、同期検波による透過特性の制御を行うと、前述のように誤った制御点を安定点と認識してしまう場合がある。
図4は、この発明の実施の形態1におけるパス開通時のパスの立ち上げ手順の一例を示すフローチャートである。まず、光送信装置からMZI1に入力する無変調光信号若しくは低速変調光信号が送信される(ステップS1)。ここで、無変調光信号とは、位相変調されていない信号であり、また、低速変調光信号とは、複数のシンボルに跨って位相の変化がない程度の低周波数で変調されている信号である。従って、低速変調光信号をMZI1に入力した場合には、一方の導波路を通る光信号と1シンボル分遅延させた他方の導波路を通る光信号を干渉させても、複数のシンボル間で位相の変化は起こらず、その間は実質的に無変調光を入力している場合と同等となる。無変調光信号若しくは低速変調光信号は、例えば、前述の図1における変調装置15が、光源14から出力される光の変調を制御することによって実現される。または、伝送信号を送信する光源14とは別に、無変調光信号若しくは低速変調光信号を送信する光源を設けることも可能である。
無変調光若しくは低速変調光信号をMZI1に入力している場合には2つの導波路を通るそれぞれの光信号間に位相の変化が常に無い状態となり、MZI1の光透過特性が最大または最小となる点と受信光信号のキャリア周波数とが一致していれば、干渉させた光はポート2−1、またはポート2−2のいずれか一方から出力される。すなわち、ポート2−1、ポート2−2からの光信号のいずれか一方が最大となり、他方が出力されない、若しくは十分に消光されている状態に制御すれば、MZI1の光透過特性が最大または最小となる点とキャリア周波数が一致していることとなる。
次に、MZI1からの出力をPD4−1およびPD4−2のPD電流によってモニタする(ステップS2)。このときは、バイアス制御部6からバイアス制御電圧を出力するが、微小変調信号生成部8は微小変調信号を出力しない。次に、バイアス制御部6はMZI1に印加するバイアス制御電圧を挿引し、PD4−1の光電流が最大(PD4−2の光電流が最小)となるバイアス制御電圧、若しくはPD4−2の光電流が最大(PD4−1の光電流が最小)となるバイアス制御電圧を探す(ステップS3)。本実施の形態においてはステップS1からステップS3までが光透過特性制御手段に対応する。尚、上記において、必ずしも光電流が最大、最小になるバイアス制御電圧に調整しなければならないわけではなく、例えば、最大、最小から少しずれた動作点であったとしても「0」と「1」の論理判断が充分取れる程度にまで出力ポート2−1、2−2からの出力差が得られれば、そのバイアス制御電圧を算出点としても良い。また、論理判断が可能となるバイアス制御範囲を算出するものであっても良い。
ステップS3で求められた点を現在の受信光波長に対する調整点とし、バイアス制御電圧を固定する(ステップS4)。このときのバイアス制御電圧はMZI1の光透過特性が最大または最小となるバイアス点とキャリア周波数が一致している点である。同期検波を使って算出されたバイアス値ではないため、誤った制御点に収束することはない。
次に、伝送路波形品質の最適化を行う(ステップS5)。伝送路の分散による波形劣化があると、受信波形が乱れる。通常、伝送路波形品質の最適化は、例えば、フレーム同期が確立した後にビット誤り率を見ながら調整する。しかし、伝送路の分散による受信波形の乱れにより、前述の同期検波によるMZI1の透過特性の制御が最適点に引き込めない場合がある。このような場合には、ビット誤りが生じている原因が、伝送路の分散補償量の調整が最適で無いのか、MZI1の制御が最適点に引き込めなかったかを区別ができない。
これに対して、無変調光や低速変調信号は通常の変調信号に比べてスペクトル幅が狭いので、分散の影響が少なく、受信波形の乱れは少なくなる。従って、前述のステップS3において受信光を無変調光若しくは低速変調光信号として受信光周波数に対する動作点を探索しておき、その動作点を固定した状態で分散補償寮を調整すれば、フレーム同期が取れないことの原因として、信号光キャリア周波数に対するMZI1の透過波長調整のためのバイアスずれを排除できる。すなわち、フレーム同期が取れないときには、分散補償量を調節すればよいということとなる。ビット誤り率が取れるようになれば、分散補償量を微調整して最適点に追い込むことができ、MZI1のバイアスずれを判別する必要がないので、より少ない手順や時間でパスを開通させることが可能となる。
上記の分散補償量の調整は分散補償部12によって行われる。分散補償部12には、例えば、分散補償量を可変に調整できる分散補償光デバイスである分散補償ファイバ(DCF)やファイバグレーティング等を設置することにより実現できる。尚、分散補償部12は、受信装置外に設置することも可能である。そのような変形であっても、分散補償部12を含めて受信装置とすることができる。
伝送路波形品質の調整が完了した後、MZI1のバイアス制御電圧は可変状態にされ、バイアス制御電圧の調整は同期検波を用いる方式に切り替わる。すなわち、微小変調信号生成部8から出力される微小変調信号が受信光信号に重畳され、微小変調信号検出部10によって検出された微小変調信号成分と微小変調信号生成部8から出力される微小変調信号との間で同期検波がなされる。これにより同期検波出力が零となるときのバイアス制御電圧がMZI1に印加されることとなり、常時、温度や経年変動に対して透過特性が最大となる点にバイアス制御電圧を調整し続けることで高い伝送品質を保つことができる。
伝送路波形品質の調整は、他にも図示していない受信識別器の閾値調整があり、分散補償量の調整と合わせて行う。
以上の構成にすることで、実施の形態1による光受信装置において、パス開通時に無変調または低速変調信号をMZI1に入力し、後段のバランス型光電変換部3のPD4−1若しくはPD4−2の光電流が最大となるようにバイアス制御部6でバイアス制御電圧を挿引することで、受信キャリア周波数に対するMZI1の透過特性を調整することができる。これにより、透過特性の最適バイアス値を簡易に指定することができるので、低周波微小変調信号振幅を大きくすることや、バンドパスフィルタでのスペクトル削除による信号品質の劣化も抑えられる。また、MZI1のバイアス制御が誤ったバイアス点に収束することなく、最適バイアス点に収束させることができる。さらに、伝送路波形品質の最適化を行う際に、生じたフレーム同期はずれやビット誤り率が、伝送路波形品質の調整に起因するものとわかるので、分散補償量の調節といった伝送路波形品質の調整追い込みだけで済み、少ない手順や時間でパス開通が実現できる。
実施の形態2.
実施の形態1で透過特性が最大となるように調整するために、無変調または低速変調信号によってMZIの透過特性の最適バイアス値を算出しているが、本実施の形態においては、受信した光信号のキャリア周波数をモニタする機能を備えている。
図5は、本実施の形態にかかる光受信装置を示す構成図である。図5に示した光受信装置は、図1に示す光受信装置のMZI1の前に光分岐部16と、光分岐部からの受信光の光周波数をモニタする光周波数モニタ部17とを有する構成である。実施の形態1と同一の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。また、図示していない光送信装置は図1と同一の構成であるとする。ただし、本実施の形態における受信光信号はキャリア周波数を測定することが可能であれば良く、必ずしも無変調信号または低速変調信号でなくとも良い。従って、実施の形態1のように無変調信号または低速変調信号を生成する光源を減らすことも可能となる。
次に図6を用いて本実施の形態にかかる光受信装置の動作を説明する。図6は、この発明の実施の形態2におけるパス開通時のパスの立ち上げ手順の一例を示すフローチャートである。受信光が光分岐部16に入力されると、光分岐部16は受信光パワーの一部を光周波数モニタ部17に分岐する(ステップS1)。受信光の内、多くの受信光パワーは受信性能を保つために、MZI1に送られる。分岐された受信光を用いて光周波数モニタ部17は受信光の周波数を判別する(ステップS2)。光周波数モニタ部17は、例えば複数のPDを配列した受光素子アレイを用いることによって実現できる。受光素子アレイは光ファイバからの光を分波素子によって、光周波数ごとに光信号を分離する。焦点面となる受光素子のアレイで、どの光周波数成分がどの程度検出されるかによって、受信光の光周波数を判別することができる。尚、光周波数モニタ方法は、他にもエタロン(光共振器)を用いた方法もあり、光周波数をモニタすることができれば、上記の方法に限定するものではない。
バイアス制御部6では、受信キャリア光周波数に対してMZIの透過特性が最大となる点に調整できるMZI1のバイアス制御電圧のテーブルを予め備えておく。すなわち、テーブルには受信光キャリア光周波数とMZIの透過特性が最大となるバイアス制御電圧が対応付けされている。バイアス制御部6は、光周波数モニタ部17からの光周波数情報を元に、前記テーブルに従って設定すべきバイアス制御電圧を抽出する(ステップS3)。尚、上記テーブルはバイアス制御部6以外の場所に格納されていても良い。また、上記テーブルには受信キャリア光周波数に対してMZIの透過特性が最小となる点に調整できるMZI1のバイアス制御電圧であっても良い。本実施の形態においてはステップS1からステップS3までがMZIの光透過特性制御手段に対応する。尚、上記において、テーブルに格納されている値は、必ずしも光電流が最大、最小になるバイアス制御電圧でなければならないわけではなく、例えば、最大、最小から少しずれた動作点であったとしても「0」と「1」の論理判断が充分取れる程度にまで出力ポート2−1、2−2からの出力差が得られれば、そのバイアス制御電圧を算出点として格納しておいても良い。また、論理判断が可能となるバイアス制御範囲を格納するものであっても良い。
次に、実施の形態1と同様に、分散補償部12による伝送路波形品質の最適化が完了するまで、光周波数から決まるMZI1のバイアスを固定する(ステップS4)。分散補償量の調整完了後には、MZI1のバイアス制御電圧の調整は同期検波による制御に切り替える(ステップS5)。これによって、光送信装置と光受信装置が光信号の送受をしている間、温度や経年変動に対して透過特性が最大となる点に調整し続けることで高い伝送品質を保つことができる。尚、上記の分散補償部12、光分岐部16と光周波数モニタ部17は受信装置外に設置することも可能である。そのような変形であっても、それらを含めて受信装置とすることができる。
以上の構成にすることで、実施の形態2による光受信装置において、バイアス制御部6では波長に対するMZI1のバイアス電圧のテーブルを持ち、このテーブルに基づいてMZI1の透過特性を設定することで、パス開通時の伝送路波形品質の最適化を行う際に、MZIの透過特性が同期検波による誤った制御点に制御されることを回避することができる。これにより、伝送路波形品質を調整するだけの少ない手順や時間でパス開通が実現できる。また、微小変調信号振幅を大きくすることやバンドパスフィルタでのスペクトル削除による信号品質の劣化も抑えられる。さらに、実施の形態1で透過特性が最大となるように調整するために、受信光を無変調または低速変調信号としていたが、本実施の形態では無変調または低速変調信号でなくとも、実施の形態1と同様に透過特性の最適バイアス値を簡易に指定することができる。これによって、パス開通のために受信光を無変調または低速変調信号に設定するような光送信装置側での操作が不要で、受信装置側の操作のみで済むので手順が簡易になる。
実施の形態3.
実施の形態1、2による形態では、分散補償部12を光受信装置側に設けていたが、本実施の形態においては光送信装置側に設ける構成としている。
図7はこの発明の実施の形態3における光通信システムの構成例を示す図である。実施の形態1では光受信装置において、分散補償部12がMZI1の前段に設けられていたが、本実施の形態では、光送信装置側の変調装置15の後段に設けられている。
分散補償部12において、伝送路13で光信号が受ける歪みと逆の歪みを送信装置側で予め加えておくことにより、受信装置で受信した際に伝送路の歪が打ち消され、歪の少ない光信号を受信することができる。このような方式は予等化方式と呼ばれる。尚、図7の構成のように分散補償部12は変調装置15から出力された位相変調光に対して逆の歪みを加えるものでもよく、変調装置15を駆動するバイアス電圧となる電気信号に逆の歪を加えるものであっても良い。すなわち、送信データ列を示す電気信号に上記の逆の歪成分を加味し、その歪まされた電気信号を変調装置15を駆動するバイアス電圧に変換して予等化方式を実現することも可能である。なお、分散補償部12を光送信装置側と光受信装置側の両方に設けることも可能である。
以上の構成にすることで、実施の形態3による光受信装置において、実施の形態1、2と同様の効果を奏する。伝送路パス開通時には、伝送路波形品質の最適化のみで済むので、少ない手順や時間でパス開通が実現できる。
尚、上述の実施の形態1から3は受光電流モニタ部5では受光電流を電圧に変換しているが、アナログ電流のまま送っても良いし、A/D変換しても良く、いずれの場合であっても同様の効果が得られる。
また、上述の実施の形態1から3では光信号の変調方式はDPSK変調としているが、例えば、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying:差動4相位相シフト変調)などの他の位相変調をする変調方式についても本発明を適用することは可能である。
1 マッハツェンダ干渉計(MZI)
2−1、2−2 出力ポート
3 バランス型光電変換部
4−1、4−2 フォトダイオード
5 受光電流モニタ部
6 バイアス制御部
7 駆動部
8 微小変調信号生成部
9 加算器
10 微小変調信号検出部
11 同期検波部
12 分散補償部
13 伝送路
14 光源
15 変調装置
16 光分岐部
17 光周波数モニタ部

Claims (11)

  1. 位相変調された光信号をマッハツェンダ干渉計によって受信する光受信装置であって、
    前記マッハツェンダ干渉計から出力された光信号を光電流に変換して出力する光電変換手段と、
    前記マッハツェンダ干渉計の光透過特性を調整するバイアス制御電圧を生成するバイアス制御手段と、
    受信した光信号に微小変調信号を重畳し、前記光電変換手段の出力から抽出された微小変調信号成分と、微小変調信号とを同期検波する同期検波手段と、
    前記マッハツェンダ干渉計の光透過特性が所望の値となるようにバイアス制御電圧を算出する光透過特性制御手段と、
    前記算出されたバイアス制御電圧を固定する固定手段と、
    前記バイアス制御電圧を固定した状態で、受信した光信号の分散を補償する分散補償量を決定する分散補償量決定手段とを備え、
    前記バイアス制御手段は、
    前記分散補償量が決定された後に、前記固定されたバイアス制御電圧を可変にして、前記同期検波手段の出力に基づきバイアス制御電圧を調整する光受信装置。
  2. 前記光透過特性制御手段は、
    無変調光信号、若しくは、所定の低速変調光信号を前記マッハツェンダ干渉計によって受信し、前記光電変換手段から出力される光電流に基づき、前記バイアス制御電圧を算出する請求項1に記載の光受信装置。
  3. 前記光透過特性制御手段は、
    無変調光信号、若しくは、所定の低速変調光信号を前記マッハツェンダ干渉計によって受信し、前記マッハツェンダ干渉計の出力に対応する光電変換手段の2つの出力の内、一方の光電流が最大に、もう一方の光電流が最小となる前記バイアス制御電圧を算出する請求項1に記載の光受信装置。
  4. 前記光透過特性制御手段は、
    受信した光信号の一部を分岐する分岐手段と、
    前記分岐した一部の光信号から光周波数情報を算出する光周波数モニタ手段を備え、
    光周波数情報と、マッハツェンダ干渉計の透過特性が所望の値となるバイアス制御電圧とが対応付けられたテーブルに基づき、前記算出された光周波数情報に対応するバイアス制御電圧を算出する光受信装置。
  5. 前記分散補償決定手段を光送信装置内に備える請求項1乃至4のいずれか一に記載の光受信装置。
  6. 前記光電変換手段の出力は、電流値または電流電圧変換された電圧値として前記バイアス制御手段に送られる請求項1乃至5のいずれか一に記載の光受信装置。
  7. 光送信装置と請求項1乃至6のいずれか一に記載の光受信装置とによって構成される光通信システム。
  8. 位相変調された光信号をマッハツェンダ干渉計により受信する光受信方法であって、
    前記マッハツェンダ干渉計の光透過特性が所望の値となるようにバイアス制御電圧を算出する光透過特性制御ステップと、
    前記算出されたバイアス制御電圧を固定する固定ステップと、
    前記バイアス制御電圧を固定した状態で、受信した光信号の分散を補償する分散補償量を決定する分散補償量決定ステップと、
    前記分散補償量が決定された後に、前記固定されたバイアス制御電圧を可変にして、前記同期検波手段の出力に基づきバイアス制御電圧を調整するバイアス制御電圧調整ステップと含む光信号受信方法。
  9. 前記光透過特性制御ステップは、
    無変調光信号、若しくは、所定の低速変調光信号を前記マッハツェンダ干渉計に受信させ、前記光電変換手段から出力される光電流に基づき、前記バイアス制御電圧を算出する請求項8に記載の光信号受信方法。
  10. 前記光透過特性制御ステップは、
    無変調光信号、若しくは、所定の低速変調光信号を前記マッハツェンダ干渉計に受信させ、前記マッハツェンダ干渉計の出力に対応する光電変換手段の2つの出力の内、一方の光電流が最大に、もう一方の光電流が最小となる前記バイアス制御電圧を算出する請求項8に記載の光信号受信方法。
  11. 前記光透過特性制御ステップは、
    受信した光信号の一部を分岐するステップと、
    前記分岐した一部の光信号から光周波数情報を算出する光周波数算出ステップを有し、
    光周波数情報と、マッハツェンダ干渉計の透過特性が所望の値となるバイアス制御電圧とが対応付けられたテーブルに基づき、前記算出された光周波数情報に対応するバイアス制御電圧を算出する請求項8に記載の光信号受信方法。
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