JP4297457B2 - 防眩性を評価する方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は防眩フィルム及び防眩性の定量的評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、防眩性を測定する方法としては、全光線透過率と散乱光線透過率の比と曇価から求める方法や光源の輝度と正反射光の輝度の比として鏡面反射率を測定する方法がある。防眩性は映り込む像の見え方に関係するので、前者のような透過法によるものでは直接的に防眩性を表しているとは言えず、また、内部ヘイズ(曇価)がある場合には適用できない。後者の方法は正反射率だけの測定であるため、反射画像の鮮明性を取り扱うことができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
LCD等のディスプレイの高精細化が進み、表示画像の鮮明性が向上するにつれ、防眩処理においては、評価画像を鮮明に維持しながら、反射画像の画面映り込みを防止する必要が益々増大してきている。しかしながら、防眩処理したフィルムの防眩性の効果のうち、反射鮮明性を表す指標としては、目視による感応試験に頼るしかなく、従来からある測定方法を用いたとしても、反射鮮明性を十分に反映する結果が得られていなかった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためのもので、防眩性の効果を定量化し、目視による感応試験との整合性が図れるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はフィルムによる光源の反射像をCCDカメラで撮影し、得られた画像データの輝度分布の傾きの角度を求めることによって反射画像の鮮明度を求めるようにしたものであり、フィルムによる防眩性の効果を反射画像鮮明度として定量化することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。◆
図1は本発明の防眩性定量評価装置の概略構成図である。◆
光源ランプ1からの光をサンプル3の表面に照射し、その反射画像をCCDカメラで撮影する。サンプル3は端をテープで板に止めることでなるべく平らになるようにする。また、サンプルの法線に対する光源ランプ1とCCDカメラ2の角度は等しくする。この角度を可変とすることで様々な角度での反射画像鮮明度を評価することができる。光源ランプ1にはマスクホルダをつけて光源の大きさを制御する。また、CCDカメラ2のピントは光源のマスク像に合わせるようにする。絞りは同一のサンプルに対して反射像の輝度のピーク値が常に一定になるように合わせるように調節する。フィルムの防眩処理されていない側に黒テープを空気泡が入らないように貼ることによって裏面反射の影響を取り除くことができる。逆に貼らないことで、裏面反射の影響も考慮することもできる。その際、フィルムの裏はライトトラップするか、便宜的に光沢のない黒板等を置く。
【0007】
次に本発明による反射画像鮮明度の測定原理について説明する。◆
反射画像鮮明度とはディスプレイを見たとき、蛍光灯などの外からの映り込みがぼやける程度のことを意味している。そこで、四角形のマスクの窓を通った光を映り込ませるようにする。防眩処理をしていないクリアなフィルムに映り込ませた場合、図2(a)に示すような四角形の像が得られ、中心線でスライスした時の輝度分布は図2(b)に示すようにほぼ矩形となり、立ち上がりの角度(傾き)αはほぼ90度となる。これに対し、防眩処理したフィルムの場合、映り込ませた画像がぼやけるので、図2(c)のような画像が得られ、中心線でスライスした時の輝度分布は図2(d)のようになまった波形となり、波形の変曲点での傾きβは90度より小さくなる。このように、防眩性がある場合、映り込む画像がぼやけて輝度分布の傾きが小さくなることが分かる。本発明はこの輝度分布の傾きによって反射画像鮮明度を定量化するものである。
【0008】
図3は本発明における輝度分布の傾きの求め方を説明する図である。◆
図3(a)は図1の装置で撮影した画像であり、この画像データをパソコンに取り込み、画像処理ソフトを用いて図3(b)に示すような輝度分布としてグラフ化する。図3(b)において、色の薄い細かく脈動している線が測定値、色の黒い平滑化した線は回帰曲線で、
f(x)=M0+M1*x+……+M8*x8 +M9*x9
の多項式を用い、これを生データに当てはめることによって平滑化する。回帰曲線の当てはめはwindows版KaleidaGraphを利用した。
【0009】
回帰曲線の2次微分から変曲点を求め、その点の1次微分の値から最大の傾きの角度が得られ、この最大角度をもって反射画像鮮明度の大きさとする。
【0010】
次に、本発明による評価方法と従来の方法おび目視評価との対応について説明する。測定に用いた機器は以下の通りである。
〔測定例〕
サンプルとの角度10°
図4は測定結果を示しており、ヘイズは全光線透過率と散乱光線透過率の比から求めた値であり、JISーKー7105に準じ、村上色彩技術研究所製HRー100を用いて測定した。◆
グロス(20°)は20°の角度で光を入射させた時に正反射する光の強度を測定する方法で、JISーZー8741に準じ、フィルム裏面を両面テープで押さえ板(光沢のない黒)に貼り付け、村上色彩技術研究所製GMー26D用いて測定した。◆
目視評価は、水平な台に黒台紙を置き、蛍光灯の映り込みを目視で評価した。
×……蛍光灯の輪郭が確認できる
△……蛍光灯の輪郭はぼやけるが形状は認識できる
○……蛍光灯の形状の認識はできなくなる
◎……蛍光灯の形状に認識は全くできない
本発明の数値(反射画像鮮明度)は輝度分布の角度である。
TAC 防眩処理をしていない透明なフィルム(基材フィルム)
ここに、RaはJIS規格の表面粗さを表す測定値の1つ(中心線平均粗さ)で、単位はμmで表した数値、Smは表面凹凸の谷から谷までの間隔をμm単位で表した数値である。
【0011】
この測定結果において、ヘイズは拡散度合いに関連し、通常、ヘイズが高いと映り込みが弱く、ヘイズが低いと映り込みが強いと考えられているが、例えば、サンプル6はサンプル3よりヘイズ値が高いのに対して、目視評価はサンプル3が○、サンプル6が△であり、目視評価と符合せず、ヘイズ値では防眩性を評価できない。
【0012】
グロスは光沢度合いに関連し、グロスが低いと映り込みが弱く、グロスが高いと映り込みが強くなるが、例えば、サンプル3はサンプル7よりグロスが高いのに対して、目視評価はサンプル3が○、サンプル7が△であり、目視評価と符合せず、ヘイズ値では防眩性を評価できない。
【0013】
これに対して本発明では、傾き角が小さいと、映り込みが弱くなり、傾き角が大きいと映り込みが強くなり、目視評価と非常によく符号している。この反射画像鮮明度はサンプルの法線に対する光源CCDカメラの角度を変えても其れほど変わらないので、この値をもって防眩性の定量的評価を行うことができる。色々実験した結果、防眩性フィルムの望ましい反射画像鮮明度としては70以下、より好ましくは65以下、さらに好ましくは60以下である。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、フィルムによる光源の反射画像をCCDカメラで撮影し、画像の輝度分布の傾きの角度を求めることによって、直接的に画像鮮明度を定量評価することができ、LCD等のディスプレイにおいて、防眩処理したフィルムの防眩性の効果等の測定に用い、極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の防眩性定量評価装置の概略構成図である。
【図2】 本発明による反射画像鮮明度の測定原理を説明する図である。
【図3】 本発明における輝度分布の傾きの求め方を説明する図である。
【図4】 測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1…光源ランプ、2…CCDカメラ、3…サンプル。
Claims (1)
- 評価対象の防眩処理したフィルム面の法線に対して等角度の位置に、マスクにより光源の大きさが制御される拡散性の光源とCCDカメラとを配置し、前記光源からの光をマスクの窓を通して防眩処理したフィルム面に映り込ませ、前記マスクにピントを合わせるとともに、同一サンプルに対して反射像の輝度のピーク値が一定になるように調節された絞りを介して前記防眩処理したフィルムからの正反射画像を前記CCDカメラにより取り込み、取り込んだ画像データの輝度分布曲線を9次の多項式により平滑化して回帰曲線を求め、該回帰曲線の2次微分から変曲点を求めるとともに、求めた変曲点の1次微分値から回帰曲線の最大傾斜角度を求め、該最大傾斜角度の値により防眩性を評価する方法。
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