JP4297097B2 - 光受信器及び入射光信号強度の測定方法 - Google Patents

光受信器及び入射光信号強度の測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光通信において光信号を受信する光受信器、及びそれを用いた入射光信号強度の測定方法に関するものである。
光受信器において光信号の入力レベルをモニタするための回路としては、下記特許文献1に記載のものが知られている。この回路では、電圧フォロア回路におけるオペアンプの出力と帰還ループの出力との間にダイオードを追加することで、オペアンプの出力電圧をプラス側にシフトさせて、オペアンプの出力電圧範囲に起因する誤差を低減している。
特開2003−198279号公報
従来のモニタ用回路は、オペアンプに0〜Vccの大きさの電源電圧が供給されることにより動作している。光受信器に入力される光信号の強度が微弱であって、受光素子において十分な電流が生成されない場合には、モニタ用回路内の電流電圧変換回路の抵抗素子に発生する電位差、つまり、I×R積が0Vに限りなく近づくことになる。従って、オペアンプの動作点も0Vに限りなく近づき、オペアンプの線形動作範囲から逸脱してしまう。
上記特許文献1記載の回路では、オペアンプの出力側にダイオードを追加することで、帰還ループの出力が0Vに近づいた場合でも、オペアンプの出力はダイオードの順方向電圧分だけプラス側にシフトされるため、オペアンプの出力側については線形動作範囲内に留めることが可能となり、Rail to Rail出力特性の限界を回避できる。しかしながら、オペアンプの入力側で発生する入力オフセットに起因する入力電圧と出力電圧との間における誤差を回避することはできない。その結果、光信号の強度が微弱な場合に精度よく光信号をモニタすることが困難である。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、光信号を精度よくモニタすることが可能な光受信器、及び入射光信号強度の測定方法を提供することを目的とする。
また、本発明の第3の光受信器は、入力光に対応した光電流を生成するフォトダイオードと、光電流を検出して、光電流に対応するモニタ電流を生成するモニタ電流生成回路と、モニタ電流生成回路に接続された第1の入力端、基準電圧を入力する第2の入力端、及び第1の入力端に帰還抵抗を介して接続された出力端を有するオペアンプを含んで構成され、モニタ電流を電圧信号に変換する電流電圧変換器と、オペアンプの第1の入力端における電圧値と出力端からの電圧信号との差分に基づき入力光に関するモニタ信号を生成する差信号生成部と、を備えることを特徴とする。
このような光受信器では、フォトダイオードにおいて入力光(入射光信号)に対応して生成された光電流がモニタ電流としてモニタされるとともに、電流電圧変換器によってモニタ電流が電圧信号に変換される。この際、電流電圧変換器内部では、モニタ電流の殆どが帰還抵抗を流れて電圧信号に変換される。また、オペアンプにおいては、第1の入力端と第2の入力端とが仮想短絡(バーチャル・ショート)されているが、入力オフセット電圧は、この第1の入力端と第2の入力端との間に発生する。すなわち、第2の入力端における基準電圧Vに対し、第1の入力端における電圧値は、入力オフセット電圧値Vofsを含んだ値V±Vofsとなる。このことから、差信号生成部において、第1の入力端における電圧値V±Vofsと出力端からの電圧信号との差分に基づき入力光に関するモニタ信号を生成することにより、モニタ信号の中に含まれる入力オフセット電圧の影響が相殺され、入射光信号の強度が微弱で光電流が小さい場合であっても、モニタ信号の精度を向上させることができる。
また、第1の入力端における電圧値及び出力端からの電圧信号のうちいずれか一方を選択的に差信号生成部へ提供する信号スイッチと、電圧値及び電圧信号のうちいずれか一方を選択するための制御信号を信号スイッチに送る切替制御部と、を更に備え、差信号生成部が、電圧値と電圧信号とを制御信号に応じて受信することも好ましい。これにより、差信号生成部において、第1の入力端における電圧値及び出力端からの電圧信号のそれぞれを受信するための回路を共用できるので、差信号生成部の回路規模を小さくできる。また、差信号生成部においてデジタル化処理を行う場合、第1の入力端における電圧値及び出力端からの電圧信号の双方を共通のアナログ・デジタル変換器により変換できるので、このアナログ・デジタル変換器に起因するオフセットをも相殺できる。
また、フォトダイオードからの光電流を受信信号に変換するとともに、利得−周波数特性を変更可能に構成された増幅器と、利得−周波数特性を変更するための増幅器制御信号を増幅器に送る増幅器制御部と、を更に備え、増幅器制御部が、オペアンプの第1の入力端と接続されており、該第1の入力端と仮想短絡の関係にある第2の入力端における基準電圧の大きさに応じて増幅器制御信号を生成することも好ましい。このように、光電流を受信信号に変換する増幅器が利得−周波数特性を変更可能に構成されていることにより、例えば受信信号の信号周波数が比較的高い場合には利得を下げてカットオフ周波数を高め、受信信号の信号周波数が比較的低い場合には利得を上げてカットオフ周波数を低くするといったように、受信信号の信号周波数に応じて適切な利得−周波数特性を選択できる。また、この光受信器では、増幅器制御部が、オペアンプの第1の入力端と接続されており、該第1の入力端と仮想短絡の関係にある第2の入力端における基準電圧に応じて増幅器制御信号を生成している。これにより、第2の入力端へ入力される基準電圧を変更することにより増幅器の利得−周波数特性を変更できるので、増幅器の利得−周波数特性を変更するための信号入力端子を独立して設ける必要がなく、回路への入力端子数を削減できる。
また、フォトダイオード、モニタ電流生成回路、増幅器、及び増幅器制御部を収容するパッケージを更に備え、モニタ電流生成回路及び増幅器制御部とオペアンプの第1の入力端とが、パッケージの一の端子を介して互いに接続されていることも好ましい。これにより、パッケージが備えるべき端子のうち、モニタ電流出力用の端子と、増幅器制御部への信号を入力するための端子とを共通化できるので、パッケージに必要な端子数を削減できる。
或いは、本発明の第2の入射光信号強度の測定方法は、入射光信号を受けたフォトダイオードの出力信号からモニタ電流を生成する工程と、入力端と出力端との間に帰還抵抗が接続されたオペアンプを用いてモニタ電流を電圧信号に変換する工程と、入力端における電圧値と出力端からの電圧信号との差分に基づいて、入力光信号の強度に応じたモニタ信号を生成する工程と、を備える。上述したように、入力端における電圧値は入力オフセット電圧を含んでいる。従って、入力端における電圧値と出力端からの電圧信号との差分に基づいて、入射光信号の強度に応じたモニタ信号を生成することにより、モニタ信号の中に含まれる入力オフセット電圧の影響が相殺され、広ダイナミックレンジを有する光信号の強度を正確に、特に強度の弱い光信号を正確に測定することができる。
本発明の光受信器、及び入射光信号強度の測定方法によれば、光信号を精度よくモニタすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る光受信器、及び入射光信号強度の測定方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の好適な一実施形態である光受信器の構成を示す図である。同図に示す光受信器1aは、入力された信号光Oinに対応した出力信号Sout+,Sout−を外部に出力するための光通信モジュールであり、信号光Oinに対応した光電流を生成するPINフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード等のフォトダイオード2、フォトダイオード2のアノード電極に接続され、光電流を電圧信号に変換する前置増幅器であるトランスインピーダンスアンプ4、及びフォトダイオード2のカソード電極に接続され、信号光Oinの強度に応じてフォトダイオード2において生成される光電流Iorgを時間的に平均化して電流信号Ipdを出力するフィルタ回路3を有する光電変換部5と、フィルタ回路3によって出力された電流信号Ipdを検出して、電流信号Ipdに比例するモニタ電流Imonを生成するカレントミラー部(モニタ電流生成回路)6と、カレントミラー部6から出力されたモニタ電流Imonに基づいて信号光Oinの強度のモニタ信号を算出する信号処理部7と、トランスインピーダンスアンプ4の出力に接続され、トランスインピーダンスアンプ4からの電圧信号を増幅するとともに、その電圧信号を出力信号Sout+,Sout−として出力するリミッティングアンプ8とを備えている。
フォトダイオード2によって生成された光電流Iorgは、トランスインピーダンスアンプ4により電圧信号に変換されて差動信号として出力され、リミッティングアンプ8によって、差動信号の差分信号が生成されるとともに、その差信号分が、正負が逆の2つの出力信号Sout+,Sout−に増幅されて後段の受信信号処理回路(図示せず)に出力される。このように出力信号Sout+,Sout−を差動処理により取り出すことにより、光電流Iorgにおける信号振幅を等価的に2倍にして扱うことができるので、ハイレベルとローレベルとの間の遷移時間を短くできる結果、より高速な信号処理を可能にする。
カレントミラー部6のフィルタ回路3側に流れる電流Ipdは、フォトダイオード2に入射する信号光Oinの平均強度Pin[W]に比例し、例えば、近似的にIpd=r×Pinで(rは、r>0の実数を表す)与えられる。カレントミラー部6は、信号処理部7に対して、α倍(αは、α>0の実数を表す)の変換率でモニタ電流Imon=Ipd/αを出力する。
以下、信号処理部7の各構成要素について詳細に説明する。
信号処理部7は、電流経路スイッチS、電流電圧変換器10、電圧信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータ(アナログデジタル変換部)11、アナログデジタルコンバータ11から出力されたデジタル信号を演算器(演算部)13に送出するセレクタ(セレクタ部)12、セレクタ12から送出されたデジタル信号に対して所定の演算処理を施す演算器13、及び演算器13から出力されたデータを記憶するレジスタ14がこの順で接続されるとともに、電流経路スイッチS及びセレクタ12に電流経路スイッチS及びセレクタ12の動作を制御する切替制御部15が接続され、電流電圧変換器10に所定のオフセット電圧Vpofsを発生させるためのオフセット電圧発生回路17が接続されて構成されている。これらのアナログデジタルコンバータ11、セレクタ12、及び演算器13で、信号光Oinのモニタ信号を生成する差信号生成部16を構成する。
電流電圧変換器10は、カレントミラー部6に電流経路スイッチSを介して接続され、信号光Oinの平均強度Pinに対応するモニタ電流Imonを受け取って、電流信号Imonを電圧信号VRXPに変換する。このとき、電流電圧変換器10は、生成した電圧信号VRXPをアナログデジタルコンバータ11に対して出力する。
電流経路スイッチSは、カレントミラー部6と電流電圧変換器10との間に接続(介装)され、カレントミラー部6から流れるモニタ電流Imonの電流経路を接続及び切断するスイッチ素子である。具体的には、電流経路スイッチSは、切替制御部15から制御信号SELをハイレベル(論理値1)の状態で受信すると、カレントミラー部6と電流電圧変換器10との間の接続をオンする。これに対して、電流経路スイッチSは、切替制御部15から制御信号SELをローレベル(論理値0)の状態で受信すると、カレントミラー部6と電流電圧変換器10との間の接続をオフする。
切替制御部15は、モニタ電流Imonの電流経路を接続及び切断するための制御信号SELを、電流流路スイッチS及びセレクタ12に送出する。詳細には、切替制御部15は、モニタ電流Imonの電流経路を接続するために、ハイレベルの制御信号SELを生成する一方、モニタ電流Imonの電流経路を切断するために、ローレベルの制御信号SELを生成する。そして、切替制御部15は、ハイレベルの制御信号SEL及びローレベルの制御信号が交互に時系列に並んだパルス信号を生成して、そのパルス信号を電流流路スイッチS及びセレクタ12に送出する。
オフセット電圧発生回路17は、電流電圧変換器10に接続されており、電流電圧変換器10に対してオフセット電圧±Vpofsを入力し、電流電圧変換器10によって生成される電圧信号VRXPに意図的なオフセット電圧±Vpofsを付加する。
電流電圧変換器10の出力は、アナログデジタルコンバータ11に接続され、アナログデジタルコンバータ11により、電流電圧変換器10から出力された電圧信号VRXPがデジタル値であるデジタル信号DRXPに変換される。
アナログデジタルコンバータ11の出力には、セレクタ12が接続されている。セレクタ12は、アナログデジタルコンバータ11からデジタル信号DRXPを受け取るとともに、切替制御部15からの制御信号SELの出力タイミングに同期させて、アナログデジタルコンバータ11から受け取ったデジタル信号DRXPを演算器13に出力する。
演算器13は、セレクタ12から、制御信号SEL=1に同期して出力された第1のデジタル信号DRXP(1)と、制御信号SEL=0に同期して出力された第2のデジタル信号DRXP(2)とを受信するとともに、両デジタル信号DRXP(1),DRXP(2)の差分を算出することにより、差分デジタル値(差信号)Vを生成する。また、演算器13は、算出した差分デジタル値Vをフォトダイオード2における信号光Oinの強度モニタ値としてレジスタ14に記憶する。
次に、信号処理部7の回路構成についてより詳細に説明する。
図2を参照して、カレントミラー部6と電流経路スイッチSとの間の接続点にはスイッチSを介して抵抗素子18が接続され、抵抗素子18のスイッチSと反対側の端子はグラウンド電位に接続されている。スイッチSは、切替制御部15から制御信号SELと逆極性の信号SEL2を受信し、信号SEL2=1の場合にカレントミラー部6と抵抗素子18との接続をオンし、信号SEL2=0の場合にカレントミラー部6と抵抗素子18との接続をオフする。このような構成により、制御信号SELのレベル(論理値)に応じて、カレントミラー部6からのモニタ電流Imonの経路を、電流電圧変換器10、及び抵抗素子18のいずれかに切り替えることができる。
電流電圧変換器10は、帰還抵抗として抵抗素子19を有するオペアンプ20から成り、オペアンプ20の反転入力には、電流経路スイッチSを介してモニタ電流Imonが入力され、非反転入力は、後述する参照電圧発生回路24の出力端子26及びアナログデジタルコンバータ11の非反転入力端子に接続されている。このような構成において、電流電圧変換器10の電流電圧変換利得であるトランスインピーダンスは、抵抗素子19の抵抗値Rmonによって決定される。すなわち、モニタ電流Imon=Ipd/αは、電流電圧変換器10によりそのモニタ電流に比例した電圧Rmon×Ipd/αに変換される。また、オペアンプ20の反転入力には、定電流源であるオフセット電圧発生回路17が接続されている。オフセット電圧発生回路17で生成された定電流(基準電流)Iofsは、抵抗素子19に流れ込むことにより、オペアンプ20の出力電圧VRXPにオフセット電圧±Vpofsを付加する。また、オペアンプ20における2つの入力端子間には、オペアンプ内部で発生する入力オフセット電圧±Vofsが生じている。ここで、オペアンプ20は、入力電流によるオフセットを防ぐため、入力側にMOS型トランジスタを含む入力インピーダンスが無限大のオペアンプであるとする。
電流電圧変換器10におけるオペアンプ20の出力は、アナログデジタルコンバータ11の反転入力端子に接続され、オペアンプ20の非反転入力端子は、アナログデジタルコンバータ11の非反転入力端子に接続されている。また、アナログデジタルコンバータ11には、アナログ−デジタル変換における2つの基準電位が、参照電圧発生回路24から供給される。具体的には、アナログデジタルコンバータ11には、参照電圧発生回路24の出力端子25,26から、それぞれ参照電位VREF1,VREF2が供給される。
セレクタ12は、アナログデジタルコンバータ11から、第1のデジタル信号DRXP(1)と第2のデジタル信号DRXP(0)とを受け取って、これらのデジタル信号を分離して後段の平均化回路21a,21bに出力する。具体的には、アナログデジタルコンバータ11から、制御信号SEL=0のときのデジタル信号DRXP(0)と、制御信号SEL=1のときのデジタル信号DRXP(1)とが、時分割されて出力され、セレクタ12は、制御信号SELを受信しながら、時分割された2つのデジタル信号DRXP(0),DRXP(1)を分離する。そして、セレクタ12は、第1のデジタル信号DRXP(1)を第1の平均化回路21aに、第2のデジタル信号DRXP(0)を第2の平均化回路21bに出力する。
平均化回路21a,21bは、セレクタ12から受け取ったデジタル信号DRXP(1),DRXP(0)から量子化雑音及び低周波の時間的揺らぎを除去するために、デジタル信号DRXP(1),DRXP(0)に対して移動平均フィルタ又はIIRフィルタを用いた抑圧処理を施す。その際、平均化回路21a,21bは、セレクタ12から出力されたmサンプル分(mは1以上の整数)のデジタル信号DRXP(1),DRXP(0)を対象にして平均化処理を実行する。平均化回路21a,21bは、抑圧処理が施された後のデジタル信号DRXP(1),DRXP(0)を、それぞれ、レジスタ22a,22bに記憶する。
演算回路23は、レジスタ22a,22bに記憶されたそれぞれのデジタル信号DRXP(0),DRXP(1)を読み出すとともに、両デジタル信号DRXP(0),DRXP(1)の差分デジタル値Vを算出する。そして、演算回路は算出した差分デジタル値Vを信号光Oinの強度モニタ値としてレジスタ14に記憶する。
参照電圧発生回路24は、オペアンプ20の非反転入力端子に設定される基準電位、及びアナログデジタルコンバータ11におけるアナログ−デジタル変換における2つの基準電位を設定する回路である。参照電圧発生回路24は3つの出力端子25,26,27を有し、出力端子25を所定の電位VREF1=1/4VREFに、出力端子26を所定の電位VREF2=3/4VREFに、出力端子27を所定の電位VREFに設定する。電位VREFの値は、カレントミラー部6から出力されるモニタ電流Imonの範囲、及び抵抗素子19の抵抗値に応じて適宜設定される。この参照電圧発生回路24の出力端子25は、アナログデジタルコンバータ11の一方の基準電位設定用の入力端子に、出力端子26は、オペアンプ20の非反転入力端子及びアナログデジタルコンバータ11の他方の基準電位設定用の入力端子に、それぞれ接続される。
次に、信号処理部7における信号光Oinの強度モニタ値の算出方法について説明する。
電流電圧変換器10において、制御信号SEL=1のときには、カレントミラー部6からの電流と、オフセット電圧発生回路17で生成された定電流Iofsとを合わせた電流Ipd/α+Iofsが、帰還抵抗素子19に対して供給される。一方、制御信号SEL=0のときには、オフセット電圧発生回路17で生成された定電流Iofsのみが、帰還抵抗素子19に対して供給される。オペアンプ20の非反転入力端子は、電位VREF2=3/4VREFに設定されているので、アナログデジタルコンバータ11の反転入力に入力される電圧VRXP−(SEL)、及びアナログデジタルコンバータ11の非反転入力に入力される電圧VRXP+(SEL)は、制御信号SELの論理値に応じて、下記式(1)及び(2)のような差動信号として与えられる。
Figure 0004297097

Figure 0004297097

上記式(1)において、オフセット電圧発生回路17によって生成されるオフセット電圧Vpofs=Rmon×Iofsは、オペアンプ20で発生する入力オフセット電圧±Vofsが正電圧の場合に、アナログ−デジタル変換後の値が0以下になるのを防ぐために付加されるものである。
アナログデジタルコンバータ11では、上記入力電圧の差VRXP(SEL)=VRXP+(SEL)−VRXP−(SEL)をデジタル値DRXP(SEL)に変換する。ここで、アナログデジタルコンバータ11に入力される電圧信号VRXP−(SEL),VRXP+(SEL)は、基準電位VREF1,VREF2により、最小値VREF1=1/4VREF、最大値VREF1=3/4VREFとなるように制限されている。従って、VRXP(SEL)=VRXP+(SEL)−VRXP−(SEL)の最大値は1/2VREFとなり、最小値は−1/2VREFとなる。そこで、アナログデジタルコンバータ11は、分解能がNビットの場合には、VRXP(SEL)=1/2VREFをデジタル値DRXP(SEL)=“2N−1”(10進数)のコードに変換し、VRXP(SEL)=0をデジタル値DRXP(SEL)=“2N−1−1”のコードに変換し、VRXP(SEL)=−1/2VREFをデジタル値DRXP(SEL)=“0”のコードに変換するように動作する。
アナログデジタルコンバータ11から出力されたデジタル値DRXP(SEL)は、それぞれ平均化回路21a,21bによって平均化処理が施され、それぞれのデジタル値DRXP(1),DRXP(0)の差分デジタル値Vが信号光Oinの強度モニタ値としてレジスタ14に記憶される。ここで、アナログデジタルコンバータ11の伝達関数をfとすると、得られる差分デジタル値Vは、下記式(3)で与えられる。
Figure 0004297097

上記式中、伝達関数内の各値“VRXP−(1)”,“VRXP−(0)”,“Rmon×Ipd/α”は、平均化処理後の値を示す。
図3には、信号処理部7において処理される各信号のタイミングチャートを示す。図3において、(a)は、制御信号SELのタイミングチャート、(b)は、オペアンプ20の出力信号VRXPのタイミングチャート、(c)は、アナログデジタルコンバータ11の出力信号DRXPのタイミングチャート、(d)は、レジスタ22aに格納されるデータのタイミングチャート、(e)は、レジスタ22bに格納されるデータのタイミングチャート、(f)は、レジスタ14に格納されるデータのタイミングチャートである。なお、レジスタ22a,22bに格納されるデータは、深さ4ビットの移動平均フィルタを用いて平均化処理が施されている。これにより、生成されるモニタ値Vにおいては、量子化誤差の影響が十分に抑制されていることがわかる。
以上説明した光受信器1aによれば、フォトダイオード2において入力光Oinに対応して生成された光電流Iorgがモニタ電流Imonとしてモニタされるとともに、電流電圧変換器10によってモニタ電流Imonが電圧信号VRXPに変換される。この際、電流電圧変換器10により、モニタ電流Imonに対応する電圧信号とオフセット電圧Vofsとに依存する第1の電圧信号VRXP(1)と、第1の電圧信号のうちのオフセット電圧Vofsに依存する信号部分である第2の電圧信号VRXP(0)が別々に生成され、2つの電圧信号の差分に基づいて入力光Oinのモニタ信号Vが生成される。従って、モニタ信号の中に含まれるオペアンプやアナログデジタルコンバータ等で発生する入力オフセットVofsの影響や、意図的に付加したオフセットの影響が相殺されることにより、信号光Oinの強度が微弱で光電流Iorgが小さい場合であっても、モニタ信号の精度を向上させることができる。さらには、オペアンプの入力オフセットは温度変動や電源電圧の影響を受けるので、この入力オフセットをモニタ信号から減算することで、電源電圧や温度変動に対して安定して光強度をモニタすることができる。
また、電流電圧変換器10における出力電圧の範囲を、1/4VREF〜3/4VREFに設定することで、単電源オペアンプにおける出力電圧範囲の制限(通常は、下限が100mV)を受けることもない。
図4において、(a)は、電流経路スイッチ、切替制御部、差信号生成部を有さない従来の光受信器における信号光の強度のモニタ結果を示すグラフ、(b)は、本実施形態における信号光の強度のモニタ結果を示すグラフである。同図において、横軸は信号光の平均強度Pin[dBm]、縦軸は、モニタ信号Vの対数値を示す。また、点線で囲んだ範囲は、誤差±2dBの範囲を表している。これらの結果から、従来の光受信器においては、信号光の強度が小さい場合にモニタ信号の誤差が大きくなっており、入力オフセットVofsが正電圧の場合には、モニタ信号がゼロ以下になってしまい、アナログ−デジタル変換を行うと誤差が更に大きくなってしまう。これに対して、光受信器1aでは、信号光の強度の広い範囲で誤差が小さくなっている。
また、電流電圧変換器10には、出力電圧信号VRXP(SEL)に所定のオフセット電圧を発生させるオフセット電圧発生回路17を更に備えることも好ましい。かかる構成を採れば、入力光Oinの強度範囲に対応して、電流電圧変換器10で生成される電圧信号VRXP(SEL)を所定の電圧範囲に収めることができる。その結果、後段の差信号生成部16におけるアナログ−デジタル変換を円滑化することができる。
また、光入力強度のモニタを、アナログデジタルコンバータ11、セレクタ12、及び演算器13の構成で実現しているので、光受信器の小型化、及び低コスト化を容易に達成できる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の好適な他の実施形態である光受信器の構成を示す図である。同図に示す光受信器1bは、フォトダイオード2、フィルタ回路3、及びトランスインピーダンスアンプ4を有する光電変換部5と、カレントミラー部(モニタ電流生成回路)6と、信号処理部28と、リミッティングアンプ8とを備えている。これらの構成要素のうち、信号処理部28以外の構成及び作用については、上記第1実施形態と同様なので詳細な説明を省略する。
信号処理部28は、電流電圧変換器31、信号スイッチ36、アナログデジタルコンバータ11、セレクタ12、演算器13、及びレジスタ14がこの順で接続されるとともに、信号スイッチ36及びセレクタ12に信号スイッチ36及びセレクタ12の動作を制御する切替制御部33が接続されて構成されている。アナログデジタルコンバータ11、セレクタ12、及び演算器13は、信号光Oinのモニタ信号を生成する差信号生成部16を構成する。
電流電圧変換器31は、カレントミラー部6に接続され、信号光Oinの平均強度Pinに対応するモニタ電流Imonを受け取って、モニタ電流Imonを電圧信号VRXPに変換する。電流電圧変換器31は、生成した電圧信号VRXPを信号スイッチ36に対して出力する。
詳細には、電流電圧変換器31は、オペアンプ20を含んで構成されている。オペアンプ20の反転入力端(第1の入力端)20aと出力端20cとの間には、帰還抵抗として抵抗素子43が接続されている。反転入力端20aはカレントミラー部6に接続されており、モニタ電流Imonの殆どは抵抗素子43を通って出力端20c側へ流れる。また、オペアンプ20の非反転入力端(第2の入力端)20bは、参照電圧発生回路24の出力端子26に接続されており、参照電圧発生回路24から基準電圧VREF3(例えば3/4VREF)を受ける。非反転入力端20bは、アナログデジタルコンバータ11の非反転入力端子にも接続されている。反転入力端20aと非反転入力端20bとは、オペアンプ20の内部回路によって互いに仮想短絡(バーチャル・ショート)の関係にある。しかし、実際には、オペアンプ20における反転入力端20aと非反転入力端20bとの間には、オペアンプ内部で発生する入力オフセット電圧±Vofsが生じている。従って、反転入力端20aにおける電圧値Vinは、基準電圧VREF3と入力オフセット電圧±Vofsとの和とほぼ等しくなる。なお、本実施形態においては、抵抗素子43はその抵抗値を変更可能に構成されており、抵抗素子43の抵抗値は、例えば後述する切替制御部33等によって設定される。
信号スイッチ36は、電流電圧変換器31の反転入力端20a及び出力端20cとアナログデジタルコンバータ11との間に接続されている。信号スイッチ36は、反転入力端20aにおける電圧値Vin及び出力端20cからの電圧信号VRXPのうちいずれか一方を選択的に差信号生成部16へ提供するスイッチ素子である。具体的には、信号スイッチ36は、切替制御部33から制御信号SEL3をハイレベル(論理値1)の状態で受信すると、出力端20cとアナログデジタルコンバータ11とを接続する。これに対して、信号スイッチ36は、切替制御部33から制御信号SEL3をローレベル(論理値0)の状態で受信すると、反転入力端20aとアナログデジタルコンバータ11とを接続する。
切替制御部33は、電圧値Vin及び電圧信号VRXPのうちいずれか一方を選択するための制御信号SEL3を、信号スイッチ36及びセレクタ12に送出する。詳細には、切替制御部33は、電圧信号VRXPを選択するために、ハイレベルの制御信号SEL3を生成する一方、電圧値Vinを選択するために、ローレベルの制御信号SEL3を生成する。そして、切替制御部33は、ハイレベルの制御信号SEL3及びローレベルの制御信号SEL3が交互に時系列に並んだパルス信号を生成して、そのパルス信号を信号スイッチ36及びセレクタ12に送出する。
信号スイッチ36の出力は、アナログデジタルコンバータ11に接続され、アナログデジタルコンバータ11により、電圧値Vin及び電圧信号VRXPがデジタル値であるデジタル信号Din及びDRXPにそれぞれ変換される。アナログデジタルコンバータ11には、アナログ−デジタル変換における2つの基準電位が、参照電圧発生回路24から供給される。具体的には、アナログデジタルコンバータ11には、参照電圧発生回路24の出力端子25,26から、それぞれ参照電位VREF1,VREF2が供給される。
アナログデジタルコンバータ11の出力には、セレクタ12が接続されている。セレクタ12は、アナログデジタルコンバータ11からデジタル信号Din及びDRXPを受け取るとともに、切替制御部33からの制御信号SEL3の出力タイミングに同期させて、デジタル信号Din及びDRXPを演算器13に出力する。すなわち、セレクタ12は、アナログデジタルコンバータ11から、デジタル信号Din及びDRXPを受け取って、これらのデジタル信号を分離して後段の平均化回路21a,21bに出力する。具体的には、アナログデジタルコンバータ11から、制御信号SEL3=0のときのデジタル信号DRXPと、制御信号SEL3=1のときのデジタル信号Dinとが、時分割されて出力され、セレクタ12は、制御信号SEL3を受信しながら、時分割された2つのデジタル信号Din,DRXPを分離する。そして、セレクタ12は、デジタル信号Dinを第1の平均化回路21aに、デジタル信号DRXPを第2の平均化回路21bに出力する。
平均化回路21a,21bは、セレクタ12から受け取ったデジタル信号Din,DRXPに対して移動平均フィルタ又はIIRフィルタを用いた抑圧処理を施す。その際、平均化回路21a,21bは、セレクタ12から出力されたmサンプル分(mは1以上の整数)のデジタル信号Din,DRXPを対象にして平均化処理を実行する。抑圧処理が施された後のデジタル信号Din,DRXPは、それぞれレジスタ22a,22bに記憶される。
演算回路23は、レジスタ22a,22bに記憶されたそれぞれのデジタル信号Din,DRXPを読み出すとともに、両デジタル信号Din,DRXPの差分デジタル値Vを算出する。そして、演算回路は算出した差分デジタル値Vを信号光Oinの強度モニタ値としてレジスタ14に記憶する。
次に、信号処理部28における信号光Oinの強度モニタ値の算出方法について説明する。
電流電圧変換器31においては、オペアンプ20の反転入力端20aの入力インピーダンスが極めて大きいため、カレントミラー部6からのモニタ電流Imonの殆どは、抵抗素子43に対して供給される。また、反転入力端20aにおける電圧値Vinは、仮想短絡によって、非反転入力端20bへの基準電圧VREF3に入力オフセット電圧±Vofsを加えた値となる。従って、SEL=1のときにアナログデジタルコンバータ11の反転入力に入力される電圧VRXP−、SEL=0のときにアナログデジタルコンバータ11の反転入力に入力される電圧Vin−、及びアナログデジタルコンバータ11の非反転入力に入力される電圧Vは、下記式(4)〜(6)のように与えられる。
Figure 0004297097

Figure 0004297097

Figure 0004297097
アナログデジタルコンバータ11では、上記入力電圧の差V−VRXP−をデジタル値DRXPに、差V−Vin−をデジタル値Dinに、それぞれ変換する。アナログデジタルコンバータ11から出力されたデジタル値DRXP,Dinは、それぞれ平均化回路21a,21bによって平均化処理が施され、それぞれのデジタル値DRXP,Dinの差分デジタル値Vが信号光Oinの強度モニタ値としてレジスタ14に記憶される。ここで、アナログデジタルコンバータ11の伝達関数をfとすると、得られる差分デジタル値Vは、下記式(7)で与えられる。
Figure 0004297097
以上説明したように、光受信器1bにおいては、フォトダイオード2において入力光Oinに対応して生成された光電流Iorgがモニタ電流Imonとしてモニタされるとともに、電流電圧変換器31によってモニタ電流Imonが電圧信号VRXPに変換される。この際、電流電圧変換器31内部では、モニタ電流Imonの殆どが抵抗素子43を流れて電圧信号VRXPに変換される。また、オペアンプ20においては、反転入力端20aと非反転入力端20bとが仮想短絡されているが、入力オフセット電圧Vofsは、この反転入力端20aと非反転入力端20bとの間に発生する。すなわち、非反転入力端20bにおける基準電圧VREF3に対し、反転入力端20aにおける電圧値Vinは、入力オフセット電圧Vofsを含んだ値VREF3±Vofsとなる。このことから、差信号生成部16において、反転入力端20aにおける電圧値VREF3±Vofsと出力端20cからの電圧信号VRXPとの差分に基づき入力光Oinに関するモニタ信号Vが生成される。従って、モニタ信号Vの中に含まれるオペアンプ20の入力オフセットVofsの影響が相殺されることにより、信号光Oinの強度が微弱で光電流Iorgが小さい場合であっても、モニタ信号の精度を向上させることができる。さらには、オペアンプの入力オフセットは温度変動や電源電圧の影響を受けるので、この入力オフセットをモニタ信号から減算することで、電源電圧や温度変動に対して安定して光強度をモニタすることができる。
また、本実施形態のように、光受信器は、反転入力端20aにおける電圧値Vin及び出力端20cからの電圧信号VRXPのうちいずれか一方を選択的に差信号生成部16へ提供する信号スイッチ36と、電圧値Vin及び電圧信号VRXPのうちいずれか一方を選択するための制御信号SEL3を信号スイッチ36に送る切替制御部33とを備えることが好ましい。そして、差信号生成部16は、電圧値Vinと電圧信号VRXPとを制御信号SEL3に応じて受信することが好ましい。これにより、差信号生成部16において、反転入力端20aにおける電圧値Vin及び出力端20cからの電圧信号VRXPのそれぞれを受信するための回路(例えば、アナログデジタルコンバータ11)を共用できるので、差信号生成部16の回路規模を小さくできる。また、本実施形態のように差信号生成部16においてデジタル処理を行う場合、電圧値Vin及び電圧信号VRXPの双方を共通のアナログデジタルコンバータ11によってデジタル化することにより、アナログデジタルコンバータ11に起因するオフセットをも相殺できるので、モニタ信号の精度を更に向上させることができる。
(変形例)
図6は、第2実施形態による光受信器1bの変形例として、光受信器1cの構成を示す図である。同図に示す光受信器1cは、パッケージ30と、信号処理部29と、リミッティングアンプ8とを備えている。パッケージ30は、フォトダイオード2、フィルタ回路3、カレントミラー部(モニタ電流生成回路)6、トランスインピーダンスアンプ42、及び増幅器制御部45を収容している。パッケージ30としては、例えば同軸型CANパッケージが例示される。トランスインピーダンスアンプ42は、フォトダイオード2からの光電流Iorgを受信信号に変換するとともに、利得−周波数特性を変更可能に構成された(前置)増幅器である。また、増幅器制御部45は、利得−周波数特性を変更するための増幅器制御信号Sampをトランスインピーダンスアンプ42に送るための回路である。
本変形例による光受信器1cと第2実施形態の光受信器1bとの相違点の一つは、カレントミラー部6がフォトダイオード2と共にパッケージ30に収容されている点である。また、別の相違点の一つは、トランスインピーダンスアンプ42の利得−周波数特性が可変であり、この利得−周波数特性を制御する増幅器制御部45が設けられている点である。そして、増幅器制御部45が、オペアンプ20の反転入力端20a及びカレントミラー部6の出力端と接続されており、オペアンプ20への基準電圧VREF3を変更できる点である。
具体的には、カレントミラー部6はパッケージ30内に収容されており、カレントミラー部6の出力端とオペアンプ20の反転入力端20aとがパッケージ30の一つのリードピン(端子)を介して互いに接続されている。また、カレントミラー部6の出力端は、パッケージ30内において増幅器制御部45にも接続されている。これにより、オペアンプ20の反転入力端20aは、一つのリードピンによってカレントミラー部6及び増幅器制御部45に接続される。なお、増幅器制御部45の入力インピーダンスは高く設定されており、モニタ電流Imonの増幅器制御部45への流入は、殆ど無視できる。
また、本実施形態の信号処理部29は、差動入出力アンプ35及び参照電圧発生回路37を有する。参照電圧発生回路37は、アナログデジタルコンバータ11におけるアナログ−デジタル変換における2つの基準電位、及び差動入出力アンプ35における基準電位を設定する回路である。参照電圧発生回路37は3つの出力端子38〜40を有し、出力端子38を所定の電位VREF1=1/4VREFに、出力端子39を所定の電位VREF2=3/4VREFに、出力端子40を所定の電位VREF4=1/2VREFに設定する。電位VREFの値は、カレントミラー部6から出力されるモニタ電流Imonの範囲、及び抵抗素子43の抵抗値に応じて適宜設定される。この参照電圧発生回路37の出力端子38は、アナログデジタルコンバータ11の一方の基準電位設定用の入力端子に、出力端子39は、アナログデジタルコンバータ11の他方の基準電位設定用の入力端子に、出力端子40は、差動入出力アンプ35の基準電位設定用の入力端子に、それぞれ接続される。
オペアンプ20の非反転入力端20bには、入力端子44が接続されている。入力端子44にはオペアンプ20への基準電圧VREF3が入力されるが、本実施形態では、この基準電圧VREF3は参照電圧発生回路37からは供給されず、信号処理部29の外部から任意の値に設定することが可能となっている。上式(5)から、オペアンプ20の反転入力端20aにおける電圧値Vinは、入力端子44に入力される基準電圧VREF3の値に対応しているので、基準電圧VREF3を変化させることによって電圧値Vinを変化させ得る。
本実施形態では反転入力端20aが増幅器制御部45に接続されているので、電圧値Vinは、増幅器制御部45へ入力される。増幅器制御部45は、電圧値Vinの大きさに応じて増幅器制御信号Sampを生成する。すなわち、光受信器1cにおいては、入力端子44へ入力する基準電圧VREF3を変更することによって、トランスインピーダンスアンプ42の利得−周波数特性を変更できる。トランスインピーダンスアンプ42は、例えば電流電圧変換器31と同様の内部構成を有するとよい。その場合、オペアンプの反転入力端と出力端との間に接続される帰還抵抗の抵抗値を増幅器制御信号Sampに応じて可変とすれば、利得−周波数特性を変更可能なトランスインピーダンスアンプ42を容易に構成できる。
差動入出力アンプ35は、信号スイッチ36からの電圧値Vin或いは電圧信号VRXPの電位を調整するために設けられている。差動入出力アンプ35は、一対の差動入力端及び一対の差動出力端を有する。差動入出力アンプ35の一対の差動入力端のうち一方は信号スイッチ36に接続されており、他方は入力端子44に接続されている。すなわち、差動入出力アンプ35の一対の差動入力端のうち一方には、反転入力端20aにおける電圧値Vin及び出力端20cからの電圧信号VRXPのうちいずれか一方が選択的に提供される。また、他方には、基準電圧VREF3が提供される。
差動入出力アンプ35の一対の差動出力端のうち一方は、アナログデジタルコンバータ11の反転入力端子に接続されている。また、差動入出力アンプ35の一対の差動出力端のうち他方は、アナログデジタルコンバータ11の非反転入力端子に接続されている。
差動入出力アンプ35の基準電圧設定用の入力端子には、上述したように参照電圧発生回路37から基準電圧VREF4が供給される。そして、差動入出力アンプ35に入力された電圧値Vin及び電圧信号VRXPの基準電圧(すなわち差動信号の中心電圧)は、基準電圧VREF4に変更される。基準電圧VREF4は、例えばアナログデジタルコンバータ11への基準電圧VREF1と基準電圧VREF2との間の電圧(本実施形態では、1/2VREF)に設定される。これにより、オペアンプ20への基準電圧VREF3の変動による、電圧値Vin及び電圧信号VRXPの電位の変動を修正して、電圧値Vin及び電圧信号VRXPの大きさをアナログデジタルコンバータ11の入力範囲内に収めることができる。
本変形例による光受信器1cにおいては、フォトダイオード2からの光電流Iorgを受信信号に変換するトランスインピーダンスアンプ42が、利得−周波数特性を変更可能に構成されている。これにより、例えば受信信号の信号周波数が比較的高い場合にはトランスインピーダンスアンプ42の利得を下げてカットオフ周波数を高め、受信信号の信号周波数が比較的低い場合にはトランスインピーダンスアンプ42の利得を上げてカットオフ周波数を低くするといったように、受信信号の信号周波数に応じて適切な利得−周波数特性を選択できる。
また、本変形例による光受信器1cにおいては、増幅器制御部45が、利得−周波数特性を変更するための増幅器制御信号Sampを、オペアンプ20の反転入力端20aにおける電圧値Vinに応じて生成している。更に、オペアンプ20への基準電圧VREF3が変更可能とされている。また、この光受信器1cでは、増幅器制御部45が、オペアンプ20の反転入力端20aと接続されており、反転入力端20aと仮想短絡の関係にある非反転入力端20bにおける基準電圧VREF3の値に応じて増幅器制御信号Sampを生成している。これにより、オペアンプ20への基準電圧VREF3を利用してトランスインピーダンスアンプ42の利得−周波数特性を変更できるので、トランスインピーダンスアンプ42の利得−周波数特性を変更するための信号入力端子を独立して設ける必要がなく、回路への入力端子数を削減できる。
また、本変形例による光受信器1cにおいては、フォトダイオード2、カレントミラー部6、トランスインピーダンスアンプ42、及び増幅器制御部45がパッケージ30に収容されており、カレントミラー部6及び増幅器制御部45とオペアンプ20の反転入力端20aとが、パッケージ30の一の端子(リードピン)を介して互いに接続されている。これにより、パッケージ30が備えるリードピンのうち、モニタ電流Imonを出力するためのリードピンと、増幅器制御部45への信号を入力するためのリードピンとを共通化できるので、パッケージ30に必要なリードピン数を削減できる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、光受信器1aのアナログデジタルコンバータ11においては、入力電圧VRXPが1/4VREF〜3/4VREFの範囲で、デジタル値が“0”〜“2N−1”範囲に収まるようにマッピングして変換していたが、このアナログ−デジタル変換のスケーリングは随時変更されてよい。例えば、最大光入力の時の変換後のデジタル値を“2N−1”、オペアンプ20の最大出力電圧の変換後のデジタル値を“100”(分解能10ビットの場合)、や“1000”(分解能12ビットの場合)等に設定することで、アナログ−デジタル変換後の量子化誤差をより低減することが可能となる。
また、セレクタ12、平均化回路21a,21b、レジスタ22a,22b,14、及び演算回路23は、別々のハードウェア装置として構築されてもよいし、同一のCPUボード上に機能的な構成要素として構築されていてもよい。
本発明の第1実施形態である光受信器の構成を示す図である。 図1の信号処理部の回路構成についてより詳細に示す図である。 図1の信号処理部において処理される各信号のタイミングチャートを示す図であり、(a)は、制御信号のタイミングチャート、(b)は、オペアンプの出力信号のタイミングチャート、(c)は、アナログデジタルコンバータの出力信号のタイミングチャート、(d)は、演算器の第1のレジスタに格納されるデータのタイミングチャート、(e)は、演算器の第2のレジスタに格納されるデータのタイミングチャート、(f)は、出力側レジスタに格納されるデータのタイミングチャートである。 (a)は、差信号生成部を有さない従来の光受信器における信号光の強度のモニタ結果を示すグラフ、(b)は、本実施形態における信号光の強度のモニタ結果を示すグラフである。 本発明の第2実施形態である光受信器の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態の変形例である光受信器の構成を示す図である。
符号の説明
1a〜1c…光受信器、2…フォトダイオード、6…カレントミラー部(モニタ電流生成回路)、10,31…電流電圧変換器、11…アナログデジタルコンバータ(アナログデジタル変換部)、12…セレクタ(セレクタ部)、13…演算器(演算部)、15,33…切替制御部、16…差信号生成部、17…オフセット電圧発生回路、DRXP(1)…第1のデジタル信号、DRXP(0)…第2のデジタル信号、V…モニタ信号、Oin…光信号(入力光)、S…電流経路スイッチ、VRXP(1)…第1の電圧信号、VRXP(0)…第2の電圧信号。

Claims (5)

  1. 入力光に対応した光電流を生成するフォトダイオードと、
    前記光電流を検出して、前記光電流に対応するモニタ電流を生成するモニタ電流生成回路と、
    前記モニタ電流生成回路に接続された第1の入力端、基準電圧を入力する第2の入力端、及び前記第1の入力端に帰還抵抗を介して接続された出力端を有するオペアンプを含んで構成され、前記モニタ電流を電圧信号に変換する電流電圧変換器と、
    前記オペアンプの前記第1の入力端における電圧値と前記出力端からの前記電圧信号との差分に基づき前記入力光に関するモニタ信号を生成する差信号生成部と、
    を備えることを特徴とする光受信器。
  2. 前記第1の入力端における前記電圧値及び前記出力端からの前記電圧信号のうちいずれか一方を選択的に前記差信号生成部へ提供する信号スイッチと、
    前記電圧値及び前記電圧信号のうちいずれか一方を選択するための制御信号を前記信号スイッチに送る切替制御部と、
    を更に備え、
    前記差信号生成部が、
    前記電圧値と前記電圧信号とを前記制御信号に応じて受信することを特徴とする請求項記載の光受信器。
  3. 前記フォトダイオードからの前記光電流を受信信号に変換するとともに、利得−周波数特性を変更可能に構成された増幅器と、
    前記利得−周波数特性を変更するための増幅器制御信号を前記増幅器に送る増幅器制御部と、
    を更に備え、
    前記増幅器制御部が、前記オペアンプの前記第1の入力端と接続されており、該第1の入力端と仮想短絡の関係にある前記第2の入力端における前記基準電圧の大きさに応じて前記増幅器制御信号を生成することを特徴とする請求項または記載の光受信器。
  4. 前記フォトダイオード、前記モニタ電流生成回路、前記増幅器、及び前記増幅器制御部を収容するパッケージを更に備え、
    前記モニタ電流生成回路及び前記増幅器制御部と前記オペアンプの前記第1の入力端とが、前記パッケージの一の端子を介して互いに接続されていることを特徴とする請求項記載の光受信器。
  5. 入射光信号を受けたフォトダイオードの出力信号からモニタ電流を生成する工程と、
    入力端と出力端との間に帰還抵抗が接続されたオペアンプを用いて前記モニタ電流を電圧信号に変換する工程と、
    前記入力端における電圧値と前記出力端からの前記電圧信号との差分に基づいて、前記入射光信号の強度に応じたモニタ信号を生成する工程と、
    を備えることを特徴とする入射光信号強度の測定方法。
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