<1:スロットマシンの外観構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン1の外観を示す斜視図である。スロットマシン1の筐体は、本体2と本体2の前面に取り付けられたフロントドア3とを備えている。フロントドア3の上段には、所定の情報をプレイヤーに提示する液晶表示装置64が設けられている。フロントドア3中段のパネル表示部Dには、縦長長方形の3つの表示窓4a、4b、4cが設けられている。表示窓4a、4b、4cは、例えばアクリル樹脂等の透明な材料により形成されている。また、表示窓4a、4b、4c上には水平に3本、斜めに2本の入賞ラインL1〜L5が設けられている。
くわえて、表示窓4aの左側には補助表示部20が設けられている。補助表示部20は、各入賞ラインL1〜L5に各々対応する5個のLEDからなる。プレイヤーがメダルを投入したり、あるいは、後述するベット操作を行うと、ベット数に応じた数の入賞ラインL1〜L5が有効となる。このスロットマシン1では、ベット数が1枚の場合に入賞ラインL1が有効となり、ベット数が2枚の場合に入賞ラインL1〜L3が有効となり、ベット数が3枚の場合に入賞ラインL1〜L5が有効となる。補助表示部20を構成する各LEDは、対応する入賞ラインL1〜L5が有効である場合に点灯し、無効である場合に消灯する。これによって、プレイヤーは、どの入賞ラインL1〜L5が有効であるかを知ることができる。
パネル表示部Dの内側には、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれた3列の左・中・右リールR1、R2、R3が回転自在に設けられている。図2に、左・中・右リールR1、R2、R3の構造を示し、図3に、右リールR3の詳細な構造を示す。各リールR1〜R3は、環状の形状をしており、その表面(表示窓4a〜4cから視認可能な面)には各種の図柄が印刷されている。また、右リールR3の裏面には、一部を除いて、光を遮光する遮光膜Sが形成されている。遮光膜Sが形成された部分では、裏面側から光を照射しても光が透過しない。一方、各図柄部分は、遮光膜Sが形成されておらず、光を散乱させるための凹凸部材Pが右リールR3の裏面に形成されている。くわえて、各図柄部分は、リール自体が白色半透明になっている。図3に示す例では、図柄「7」の輪郭部分の内部に凹凸部材Pが形成されている。
また、右リールR3の内周面側には、右リール用照明ユニット670が配置されている。右リール用照明ユニット670は壁によって仕切られた上段・中段・下段シェードを備える。各上段・中段・下段シェードには光源67が設けられている。光源67としては、冷陰極管、LED、あるいは電球を用いることができる。
さらに、右リールR3の一部には、遮光片491がリール本体から突出して設けられており、右リールR3が回転するとフォトカプラ492を横切るようになっている。なお、左リールR1および中リールR2の構造およびその周辺構成は、図3を用いて説明した右リールR3の構造およびその周辺構成と同様である。
図1に戻り、説明を続ける。表示窓4a、4b、4cの下方には、プレイヤーが遊技を実行するための各種操作部材が配置された操作部OPが設けられている。操作部OPは、メダル投入口5、スタートレバー6、左・中・右リールストップボタン7a,7b,7c、クレジットボタン8、およびBETボタン15を備える。
メダル投入口5は、表示窓4cの下方に設けられており、メダルを投入できるようになっている。メダルを1枚投入すると入賞ラインL1が有効となり、メダルを2枚投入すると入賞ラインL1〜L3が有効となり、メダルを3枚投入すると入賞ラインL1〜L5が有効となる。さらに、プレイヤーが3枚を超えてメダルを投入すると、スロットマシン1は4枚以上のメダル数をクレジットとして貯留する。このスロットマシン1は、その内部に貯留装置を備える。貯留装置は、スロットマシン1に投入されたメダルにより獲得されたメダルを貯留することにより、プレイヤーが、新たにスロットマシンにメダルを投入することなく、ボタンその他の装置の操作により、当該貯留に係るメダルの中からあらかじめ定められた数のメダルを順次遊技の用に供することができることとなる装置で、スロットマシンに投入されたメダルと遊技により獲得されたメダルの総数から当該遊技の用に供されたものの総数を減じた数を電磁的方法により記録することが可能である。
BETボタン15は、表示窓4aの左斜下に設けられている。BETボタン15は、プレイヤーが一回のゲームでベットするメダル数を指定するために用いられる。このBETボタン15をプレイヤーが操作することで、メダル投入口5からメダルを投入しなくても、貯留されたメダルをベットすることができる。このため、BETボタン15の操作によって指定されたメダル数に応じて、入賞ラインL1〜L5が適宜有効となる。BETボタン15の操作によって指定されたメダル数と有効となる入賞ラインL1〜L5との関係は、メダルを直接投入する場合と同じである。
スタートレバー6は、BETボタン15の下方に設けられている。スタートレバー6は、プレイヤーがゲームの開始を指示するために用いられる。プレイヤーがスタートレバー6を押し下げると、リールR1、R2、R3が一斉に回転を開始し、表示窓4a、4b、4c内の図柄が可変表示となる。
左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cは、スタートレバー6の右横に設けられている。左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cは、表示窓4a、4b、4c内で回転する3列の左・中・右リールR1、R2、R3をそれぞれ停止させるために用いられる。
リールストップボタン7cの右側には、クレジットとして貯留された分のメダルをメダル受皿10に返却するためのクレジット精算ボタン8が設けられている。
<2:役>
図4に、左・中・右リールR1、R2、R3に表示される図柄の一例を示す。この図に示すように各リールR1、R2、R3には、21個・7種類の図柄が表示されており、各図柄には図柄番号PN=1〜21が割り当てられている。
スロットマシン1による遊技では、メダルの投入等によって有効にした入賞ラインL1〜L5に予め定められた図柄の組合せが揃うと、揃った図柄に対応した枚数のメダル払い出しが行われる。メダルは、ゲームを開始する際にスロットマシン1に投入するものであり、プレイヤーがゲームを継続するために必要である。つまり、メダルはゲームの継続等の遊技価値を有する媒体(遊技媒体)といえる。この場合、メダルが遊技価値に相当する。なお、メダル数に相当する情報を記録した磁気カード、ICカード等の情報記録媒体も遊技媒体に含まれる。
図柄の並び(組合せ)のうち遊技価値を与えるものを「役」といい、無価値な「非入賞」と区別される。遊技価値とは、プレイヤーに付与される特典をいい、プレイヤーに所定数量のメダルを払い出すことの他、ある種類のゲームから他の種類のゲームに移行させることが含まれる。1ゲームの結果として付与される遊技価値の種別を「賞」といい、「賞」を得ることを「入賞」という。賞は、通常ゲームから他の種類のゲームに移行させる開始賞とメダルの払い出しがある小役賞(払出賞)、及びメダルを投入することなく直前のゲームと同一の条件で次のゲームを開始させるリプレイ賞とに大別される。なお、開始賞はメダルの払い出しを伴うものであってもよいし、メダルの払い出しがなくてもよい。
スロットマシン1が実行可能なゲームの種類としては、通常ゲーム、レギュラーボーナスゲーム(以下、RBゲームと称する)、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームと称する)、チャレンジボーナスゲーム(以下、CBゲームと称する)、フリーボーナスゲーム(以下、FBゲームと称する)、及びリプレイタイムゲーム(以下、RTゲームと称する)がある。なお、通常ゲームには、リプレイ賞の入賞を条件にメダルを投入することなく直前のゲームと同一の条件でプレイ可能なリプレイゲームが含まれる。リプレイタイムゲームは、通常ゲームと比較してリプレイ賞に当選する確率が高く設定されているゲームである。RBゲームの開始賞をRB賞、BBゲームの開始賞をBB賞、CBゲームの開始賞をCB賞、FBゲームの開始賞をFB賞という。なお、RB賞、BB賞、CB賞、及びFB賞は入賞により15枚のメダルが払い出されるが、リプレイ賞に入賞してもメダルの払い出しはない。また、リプレイタイムゲームは、所定の開始条件が充足されると実行され、所定の終了条件が充足されると終了する。開始条件としては、例えば、BB賞に入賞したこと、BBゲームが終了したこと、あるいは、内部抽選でBB賞に当選したことを採用することができる。本実施形態の開始条件は、内部抽選でBB賞に当選したことを条件とする。
CBゲームは、通常ゲームと比較して内部抽選におけるFB賞の当選確率が異なるゲームであり、本実施形態のFB賞の当選確率は、CBゲームの方が通常ゲームと比較して高い。但し、CBゲーム中に獲得するメダル枚数には制限があり、所定枚数を越える前にCBゲームを終了させる。FBゲームは、少なくとも一つのリールについて内部抽選の結果と無関係に停止制御が実行され、1ゲームで作動を終了する。従って、FBゲームでは、少なくとも一つのリールについて蹴り飛ばし制御を実行しない。なお、以下の説明ではCBゲーム中のFBゲームをCB中FB、通常ゲームで入賞したFBゲームを単独FBと称する。
リプレイゲームは、メダルの投入(貯留装置に係るボタンその他の装置の操作によりメダルを遊技の用に供することを含む。)をすることによらずに行うことができるゲームである。RBゲームは、JACゲームを12回行うか、最大8回入賞すると終了となる。JACゲームは、1枚のメダルをベットして中央の入賞ラインL1のみを有効にして行われる。JACゲームではJAC賞を採用する。JAC賞に入賞するとスロットマシン1は15枚のメダルを払い出す。
BBゲームはRB賞の当選確率が通常ゲームと比較して高い。但し、BBゲーム中にプレイヤーが獲得するメダル枚数には制限があり、所定枚数を越える前にBBゲームを終了させる。なお、以下の説明ではBB中のRBと、単独で入賞したRBとを区別するため、前者をBB中RBと称し、後者を単独RBと称する。
一方、小役賞としては、2枚のメダルの払い出しがあるチェリー賞、5枚のメダルの払い出しがあるベル賞、7枚のメダルの払い出しがあるスイカ賞が含まれる。役と賞の関係は以下の通りである。
1)赤7役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=1、7の図柄、中リールR2における図柄番号PN=9の図柄、右リールR3における図柄番号PN=1、9の図柄の並びである。赤7役はBB賞に対応し、通常ゲームからBBゲームへ移行する契機となる。
2)白7役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=12の図柄、中リールR2における図柄番号PN=1、11の図柄、右リールR3における図柄番号PN=13の図柄の並びである。白7役はCB賞に対応し、通常ゲームからCBゲームへ移行する契機となる。
3)BAR役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=17の図柄、中リールR2における図柄番号PN=14の図柄、右リールR3における図柄番号PN=5、18の図柄の並びである。BAR役は単独RB賞に対応し、通常ゲームからRBゲームへ移行する契機となる。
4)FB役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=17の図柄、中リールR2における図柄番号PN=14の図柄、右リールR3における図柄番号PN=13の図柄の並びである。即ち、「BAR−BAR−白7」の並びである。FB役はFB賞に対応し、単独FB又はCB中FBへ移行する契機となる。但し、FBゲームにおいて、次のゲームをFBゲームに移行させるFB賞には対応していない。
5)ベル役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=4、8、10、15、または20の図柄、中リールR2における図柄番号PN=4、8、13、17または21の図柄、右リールR3における図柄番号PN=4、8、12、17または21の図柄の並びである。通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームにおいてベル役が成立するとベル賞に入賞する。
6)スイカ役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=2、6、11、16または21の図柄、中リールR2における図柄番号PN=2、6、10、15または19の図柄、右リールR3における図柄番号PN=3、7、11、16、または20の図柄の並びである。通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームにおいてスイカ役が成立するとベル賞に入賞する。
7)チェリー役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=13、18の図柄が入賞ラインL1〜L5のうち有効化されたものに停止すればよく、他のリールの停止位置とは無関係である。通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームにおいてチェリー役が成立するとチェリー賞に入賞する。
8)プラム役 この役は、左リールR1における図柄番号PN=3、5、9、14、または19の図柄、中リールR2における図柄番号PN=3、7、12、16または20の図柄、右リールR3における図柄番号PN=2、6、10、15または19の図柄の並びである。プラム役は通常ゲームのリプレイ賞、BBゲーム中のRB賞、CBゲーム及びFBゲーム中のFB賞、RBゲーム中のJAC賞に対応する。
9)FBベル役 この役は、「プラム−プラム−ベル」、「プラム−ベル−プラム」、「ベル−プラム−プラム」の図柄の並びであり、かつ、最後の停止操作で「ベル」の図柄が有効化された入賞ラインに停止することを条件とする。即ち、図柄の並びのみならずプレイヤーがリールストップボタンを操作する操作順序もFBベル役の成立の条件となる。この役は、FBゲーム中のベル賞に対応する。
10)FBスイカ役 この役は、「プラム−プラム−スイカ」、「プラム−スイカ−プラム」、「スイカ−プラム−プラム」の図柄の並びであり、かつ、最後の停止操作で「スイカ」の図柄が有効化された入賞ラインに停止することを条件とする。即ち、図柄の並びのみならずプレイヤーがリールストップボタンを操作する操作順序もFBスイカ役の成立の条件となる。この役は、FBゲーム中のスイカ賞に対応する。
11)FBチェリー役 この役は、「プラム−プラム−チェリー」、「プラム−チェリー−プラム」、「チェリー−プラム−プラム」の図柄の並びであり、かつ、最後の停止操作で「チェリー」の図柄が有効化された入賞ラインに停止することを条件とする。即ち、図柄の並びのみならずプレイヤーがリールストップボタンを操作する操作順序もFBチェリー役の成立の条件となる。この役は、FBゲーム中のチェリー賞に対応する。
<3:スロットマシンの電気的構成>
図5は、スロットマシン1における遊技処理動作の制御を司る制御装置と、スロットマシン1を構成するもののうち本発明に関係のある周辺装置を含む回路構成とを示すブロック図である。
制御装置は、メイン基板30Aとサブ基板30Bを主たる構成要素とする。メイン基板30Aは、CPU31、クロック発生回路32、数列発生回路33、RAM34、ROM35、送出タイミング制御回路36、データ送出回路37、入力ポート38および出力ポート39を備える。
CPU31は、送出タイミング制御回路36を除くメイン基板30Aの各構成要素とバス(図示せず)を介して接続されている。CPU31は、第1制御プログラムCP1を実行して各構成要素を制御する。第1制御プログラムCP1には、スロットマシン1全体をどのように動作させるかが記述されている。このため、CPU31は、スロットマシン1の制御中枢として機能する。クロック発生回路32は、水晶振動子を含む発振回路を備えており、固定周期の基準クロック信号CLKを生成し、これをCPU31と数列発生回路33とに供給する。
数列発生回路33は、高速のリングカウンタで構成されており、基準クロック信号CLKをカウントしてカウントデータCDを生成する。カウントデータCDの数値範囲は、後述する賞群抽選テーブルTBL1の記憶内容によるが、例えば、0〜65535である。カウントデータCDは入力ポートを介してCPU31に入力可能にされており、CPU31は、プレイヤーがスタートレバー6を押し下げたタイミングを検知し、当該タイミングでカウントデータCDを入力ポートを介して読み取ることによって、サンプリングデータSDを生成する。
プレイヤーはカウントデータCDの値を知ることができないから、スタートレバー6がプレイヤーによって押し下げられるタイミングはランダムである。したがって、サンプリングデータSDの値は乱数の中からある値をサンプリングしたものと等価である。なお、数列発生回路33は基準クロック信号CLKに同期して動作するので、カウントデータCDの周期は極めて短い。例えば、基準クロック信号CLKの周波数が30MHzであれば、カウントデータCDの値が「0」から「65535」まで変化するのに要する時間は、2.2msecである。したがって、プレイヤーが不正な手段によってカウントデータCDの値を知ることができたとしても、スタートレバー6を操作して所望の値を有するサンプリングデータSDをCPU31に生成させることは不可能である。
次に、RAM34は、CPU31の作業領域として機能し、演算処理の途中結果や必要に応じて生成されたデータや各種の制御に用いるフラグ等を記憶する。例えば、内部抽選の結果を示す内部抽選データISD等がRAM34に記憶されている。
ROM35には、第1制御プログラムCP1の他、賞群抽選テーブル群TBL1、停止テーブル群TBL2、および入賞図柄組合せテーブルTBL3等が格納されている。入賞図柄組合せテーブルTBL3には、入賞役の図柄の組合せと、入賞役のメダル払出枚数とが対応づけられて記憶されている。
スロットマシン1の制御においては、遊技価値の相違に応じた制御が必要とされることから、遊技価値に着目して各種の役を分類しておくと便利である。本実施形態のスロットマシン1では、各役に1つの賞群を割り当てるが、一又は複数の役を一つの賞群に割当てもよい。
次に、賞群抽選テーブル群TBL1は、複数の賞群抽選テーブルを含む。CPU31は、ゲームの種類に応じて選択した賞群抽選テーブルを用いて内部抽選を行う。賞群抽選テーブルとしては、通常ゲームに用いられるテーブル、BBゲームに用いられるテーブル、及びRBゲームに用いられるテーブル、CBゲームに用いられるテーブル、FBゲームに用いられるテーブルが用意されている。
図6(A)に通常ゲーム用の賞群抽選テーブルTBL11の記憶内容を示す。この図に示すように、賞群抽選テーブルTBL11は、第1〜第9記憶領域ADR1〜ADR9に抽選区分データを各々記憶している。抽選区分データの値は、各賞群に対応する抽選区分の幅を示す。例えば、第1記憶領域ADR1に記憶される抽選区分データはハズレに対応しておりその値は「59536」である。また、第9記憶領域ADR9に記憶される抽選区分データはBB賞に対応しており、その値は「200」である。
図7は、賞群抽選テーブルTBL11を用いた内部抽選処理におけるCPU31の動作を示すフローチャートである。まず、CPU31は初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、変数Nの値を「0」にリセットするとともに内部レジスタに記憶している値を「0」にリセットする。
次に、CPU31は、サンプリングデータSDを内部レジスタに記憶し(ステップS2)、これに続いて、変数Nの値をN+1に変更する(ステップS3)。この後、CPU31はN番目の記憶領域から抽選区分データを読み出す(ステップS4)。初期化処理の直後の処理では、変数Nの値が「1」となるので、第1記憶領域ADR1から抽選区分データが読み出される。この場合の値は「59536」となる。
次に、CPU31は内部レジスタの記憶内容を読み出し、読み出したデータ値と抽選区分データ値を加算し、加算値を内部レジスタに記憶する(ステップS5)。この結果、内部レジスタの記憶内容は、元のデータ値から加算値に更新されることになる。
次に、CPU31は、加算値が基準値以上であるか否かを判定する(ステップS6)。基準値は、第1〜第9記憶領域ADR1〜ADR9に記憶されている各抽選区分データの値の総和と等しい。
加算値が基準値未満の場合には、CPU31は処理をステップS3に戻し、加算値が基準値以上になるまでステップS3からステップS6の処理を繰り返す。そして、加算値が基準値以上になると、CPU31は処理をステップS7に進めて、変数Nの値に応じて賞群を決定し、内部抽選データISDを生成する。具体的にはN=1のときハズレ、N=2のときリプレイ賞、N=3のときチェリー賞、N=4のときベル賞、N=5のとき単独FB賞、N=6のときスイカ賞、N=7のときCB賞、N=8のときRB賞、N=9のときBB賞に当選したと決定する。この結果、サンプリングデータSDと賞群との対応は、図6に示すように、SD=65535〜6000でハズレに、SD=5999〜4300でリプレイ賞に、SD=4299〜3300でチェリー賞に、SD=3299〜2400でベル賞に、SD=2399〜1600で単独FB賞に、SD=1599〜900でスイカ賞に、SD=899〜500でCB賞に、SD=499〜200でRB賞に、SD=199〜0でBB賞に各々対応するものとなる。
そして、CPU31は、判定結果に基づいて内部抽選データISDを生成する。内部抽選データISDには、第1ビットにBB賞、第2ビットにRB賞、第3ビットにCB賞、第4ビットにベル賞、第5ビットにスイカ賞、第6ビットにチェリー賞、第7ビットにリプレイ賞、第8ビットに単独FB賞が各々割り当てられている。内部抽選によっていずかの賞に当選すると、CPU31は該当するビットの値を「1」にし、該当しない場合にはビットの値を「0」にする。したがって、内部抽選データISDを参照すれば、当選しているかハズレているか、また当選している賞群を知ることができる。
図6(B)にRTゲームで選択される賞群抽選テーブルTBL12を示す。この例では、リプレイ賞を除いて各賞の抽選区分の幅は、通常ゲームの賞群抽選テーブルTBL11に示されるように通常ゲームと等しい。従って、リプレイ賞を除く各賞の当選確率は、RTゲームでも通常ゲームでも同じである。一方、RTゲームにおけるリプレイ賞の当選確率は、通常ゲームと比較して大きくなるように設定されている。なお、RTゲームにおいて、ハズレの当選確率を「0」に設定し、その分、リプレイ賞の当選確率が高くなるように設定してもよいし、BB賞、RB賞およびCB賞の抽選を行わないようにしてその分に相当する抽選区分の幅をRB賞の抽選区分の幅に加えるようにしてもよい。
プレイヤーがメダルの払い出しを受けるためには、内部抽選でいずれかの賞に当選し、且つ、所定のタイミングでリールストップボタン7a〜7cを操作する必要がある。従って、内部抽選の確率によってのみ出玉率が決まるわけではないが、それによって、ある程度は出玉率を決定することができる。出玉率は、所定ゲーム数における総払い出し枚数と総投入枚数との比の移動平均として与えられる。従って、大量のメダルが払い出されると出玉率が大きく変化する。BBゲームは、通常ゲームと比較して1ゲーム当たりに払いだされるメダル枚数が多いので、BBゲームに移行すると、出玉率が急上昇する。
RTゲームにおいて、リプレイ賞の当選確率は最も高く、通常ゲームではハズレに割り当てられていた抽選区分の幅の殆どがリプレイ賞に割り当てられている。このため、リプレイ賞に当選する確率は極めて高い。リプレイ賞に入賞したゲームはIN枚数およびOUT枚数はともに0枚となるから、獲得枚数にカウントされない。つまり獲得枚数とは無関係である。従って無駄なIN枚数を生じることがないからプレイヤーにとっては有利な遊技を行うことができる。くわえて、出玉率が「3」に達しそうな場合には、RTゲームを実行することによって出玉率を下げることができる。本実施形態に係るスロットマシン1では、BB賞に当選すると、出玉率に応じて定められたゲーム数だけRTゲームを実行して出玉率を一時的に下げ、その後、BB賞に入賞することを許可して、BBゲームを実行しても出玉率が上限を超えないようにゲームの進行を管理している。
以下の説明では、内部抽選データISDの第1ビットをBB当選フラグ、第2ビットをRB当選フラグ、第3ビットをCB当選フラグと呼ぶ。そして、各フラグを「1」にすることをセット、「0」にすることをクリアと呼ぶ。小役については、あるゲームにおいて内部抽選で当選しても当該ゲームで入賞しない限りメダルの払い出しはない。しかし、RB賞、BB賞、及びCB賞についてはあるゲームの内部抽選で当選すると、当該ゲームで入賞しなくてもBB当選フラグ、RB当選フラグ、及びCB当選フラグをクリアすることなく、以後のゲームで入賞するまでBB当選フラグ、RB当選フラグ、及びCB当選フラグを維持する。このことを当選フラグの持ち越しという。上述したように内部抽選は各ゲーム毎に実行され、内部抽選データISDが生成され、この抽選結果はRB賞、BB賞、及びCB賞への当選を除いて当該ゲームにおいてのみ有効である。このように当選フラグが持ち越しされた状態でも内部抽選はゲーム毎に実行されるから、例えばBB賞の当選フラグが持ち越しされたゲームにおける内部抽選でスイカ賞に当選した場合には、内部抽選データISDは、第1ビット及び第5ビットの値が「1」にセットされた状態となる。さらに、このゲームでどちらの賞にも入賞しなかった場合は、第5ビットだけが「0」にクリアされて、第1ビットは「1」にセットされたままとなる。
次に、停止テーブル群TBL2は、複数の停止テーブルから構成されている。各停止テーブルには、中央の入賞ラインL1に表示される図柄番号PN(基準位置における図柄番号)と進みコマ数(移動図柄数)を示す進みコマ数データとが対応付けられて記憶されている。ここで、進みコマ数とは、プレイヤーが各左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cを押し下げてから、各左・中・右リールR1、R2、R3が停止するまでに進む図柄の数のことをいう。
各左・中・右リールR1、R2、R3は高速で回転するため、プレイヤーが特定の図柄を狙ってストップボタンを操作したとしても、所望の図柄を停止させるには、熟練が必要となる。ストップボタン操作の習熟には、プレイヤーの個人差がある。特に、動体視力の低いプレイヤーは所望の図柄を停止させることが難しい。一方、スキルの高いプレイヤーは、所望の図柄が入賞ラインに表示されている時に、ストップボタンを操作することが可能である。
しかしながら、スキルの低いプレイヤーがゲームを楽しむためには、図柄をある程度揃い易くする必要がある一方、内部抽選の結果がハズレである場合には、役が成立しないようにリールの回転を制御する必要がある。停止テーブルは、このようなリール回転の制御ために用いられる。そして、各左・中・右リールR1、R2、R3の停止位置は、停止テーブルを参照して決定される。
図5に戻り、説明を続ける。同図に示す送出タイミング制御回路36とデータ送出回路37とは、内部抽選により決定された役の種類と、当該役に対応して選定された停止テーブルに関する情報等をサブ基板30Bに送信する。サブ基板30Bはプレイヤーに対して所定の情報を報知するための処理を担うものである。
次に、入力ポート38は、後述する各種のセンサから供給される信号の入力インターフェースである。一方、出力ポート39は、各モータや各種装置に対して制御信号を供給するための出力インターフェースである。
入力ポート38に接続され、各種の入力信号を発生する主要な入力信号発生手段としては、以下のものがある。投入メダル検出センサ41は、メダル投入口5を介して投入されるメダルを検知して、1個のメダルに対して1個の出力パルスを生成する。したがって、CPU31は、この出力パルスをカウントすることによって、投入されたメダル数を検知することができる。
BETボタンセンサ42はBETボタン15の操作を検出する。スタートレバーセンサ43はスタートレバー6の操作を検出して開始操作信号43aを出力する。左・中・右リールストップボタンセンサ44、45、46は左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cの操作を各々検出して停止操作信号44a、45a、46aを各々出力する。左・中・右リール位置検出センサ47、48、49は、左・中・右リールR1、R2、R3の回転位置を検出し、検出信号47a、48b、49cを生成する。CPU31は、これらの信号を検知して、スタートレバー6の操作タイミング、リールストップボタン7a、7b、7cの操作タイミング、及びリールR1、R2、R3の回転位置を取得する。
右リール位置検出センサ49は、図2および図3に示すフォトカプラ492、増幅器、およびコンパレータを備える。フォトカプラ492は発光部と受光部とを含む。受光部が受光量に応じたレベルの受光信号を出力すると、増幅器が受光信号を増幅する。コンパレータは、増幅器の出力信号を予め定められた閾値と比較して検出信号49aを生成し、これを右リール位置検出センサ49の出力信号として出力する。右リールR3が回転すると、図2に示す遮光片491はフォトカプラ492を1回転1回通過する。したがって、検出信号49aによって、右リールR3の回転位置を検知することができる。なお、左・中位置検出センサ47、48は、右リール位置検出センサ49と同様に構成されている。
出力ポート39に接続され、各種の出力信号の供給を受ける主要な手段としては、左・中・右リール駆動モータ51、52、53がある。左・中・右リール駆動モータ51、52、53は、左・中・右リールR1、R2、R3をそれぞれ回転駆動するモータであって、この例では、ステッピングモータによって構成されている。したがって、CPU31は左・中・右リール駆動モータ51、52、53に供給する各駆動信号51、52a、53aのパルス数を調整することによって、左・中・右リールR1、R2、R3の停止位置を正確に定めることが可能である。
また、各モータ51、52、53は、400個のパルスによって1回転するように構成されている。上述したように各リールR1、R2、R3には、21個の図柄が形成されている。このうち20個の図柄は19個のパルスで1図柄が進み、1個の図柄は20個のパルスで1図柄進む。また、CPU31は、各モータ51、52、53に供給するパルス数をカウントし、カウント結果を各位置データMD1、MD2、MD3として保持している。また、各位置データMD1、MD2、MD3の値は検出信号47a、48a、49aがアクティブとなるタイミングでリセットされるようになっている。
図8は、検出信号49a、図柄番号PN、駆動信号53a、および位置データMD3の関係を示すタイミングチャートである。この図に示すように、時刻t1において検出信号49aがローレベルからハイレベルに立ち上がると、位置データMD3の値はリセットされる。時刻t1は、図3に示す遮光片491がフォトカプラ492を通過するタイミングである。このとき、右リールR3の回転位置は、図4に示す図柄番号PN=1の図柄(BAR)が、表示窓4cの中段に表示される。換言すれば、当該図柄が表示窓4cの中段に表示されるように遮光片491とフォトカプラ492との取り付け位置が定められている。
そして、時刻t1から時刻t2までの期間に、20個のパルスが駆動信号53aとして右リール用駆動モータ53に供給されると、右リール用駆動モータ53は右リールR3を1/21回転させる。この結果、表示窓4cの中段には図4に示す図柄番号PN=2の図柄(チェリー)が表示されることになる。以下、同様に図柄が順次表示され、時刻t3に至ると、右リールR3が1回転して再び図柄番号PN=1の図柄(BAR)が表示される。このように、検出信号49a、図柄番号PN、駆動信号53a、および位置データMD3は密接に関係しているから、CPU31は、位置データMD3に基づいて、図柄の表示状態を検知することができる。
なお、左リールR1および中リールR2についても上述した右リールR3と同様に、CPU31は、位置データMD1、MD2に基づいて、図柄の表示状態を検知することができる。
図9に停止テーブルの一例を示す。この停止テーブルは、入賞ラインL1にプラム図柄を引き込むために用いられる。例えば、プレイヤーが左リールストップボタン7aを押し下げると、停止操作信号44aがアクティブとなる。これをCPU31が検知して、図柄番号PNを取得する。このとき、図柄番号PNが「12」であったとする。この場合には、白7の図柄が入賞ラインL1に差し掛かっている。CPU31は、取得した図柄番号PN=12に対応する移動コマ数を図9の左に示す停止テーブルから読み出し、移動コマ数「2」を取得する。この後、CPU31は左リールR1を2コマ移動させて停止させる。すなわち、白7の図柄から2コマ、上に位置するプラム図柄が入賞ラインL1に引き込まれて停止する。
図9に示す各停止テーブルには、プラム図柄に対応する箇所に移動コマ数として「0」が記録されている。移動コマ数が「0」は、停止操作した瞬間に図柄が停止するだけでなく、停止操作した瞬間から1図柄未満の範囲で移動して図柄の中心位置が入賞ラインに重なることを意味する。具体的には、図10(A)に示すように、リールストップボタンが操作された時点で、プラム図柄の中心位置Qが有効化された入賞ラインL1より前にある場合には、プラム図柄の中心位置Qが有効化された入賞ラインL1と重なるようにリールが回転して停止する。一方、同図(B)に示すようにリールストップボタンが操作された時点で、プラム図柄の中心位置Qが有効化された入賞ラインL1から行き過ぎている場合には、次の図柄であるベル図柄が有効化された入賞ラインL1に停止するようにリールが回転して停止する。従って、移動コマ数が「0」であるときには、リールの回転によって入賞ラインに到達する直前の図柄が入賞ラインL1上に停止する。
次に、サブ基板30Bは、CPU、データ入力回路、クロック発生回路、ROM、RAMおよび液晶表示制御回路60を備え、液晶表示装置64に各種の演出を表示させる。また、サブ基板30Bは、左・中・右バックライト65〜67の点灯・消灯を制御すると共に、効果音をスピーカ68から放音させる。
また、サブ基板30BのCPUは、メイン基板30Aから送信されてくる各種のコマンドを受信する。このコマンドには内部抽選データISD等が含まれている。CPUは内部抽選データのBB当選フラグやCB当選フラグに基づいて、BB賞又はCB賞に当選していることをプレイヤーに知らせるために、液晶表示装置64にアニメーションやキャラクタを表示させる。また、スタートレバー6の操作時にスピーカ68から所定の音を放音させる。
<4:スロットマシンの全体動作>
次に、スロットマシン1の全体動作を説明する。図11及び図12はCPU31がスロットマシン1を1ゲームの開始から終了まで制御する動作を示すフローチャートである。1ゲーム期間とは、ベット操作を受け付けてから次のベット操作を受け付けるまでの期間をいう。
CPU31は、投入メダル検出センサ41およびBETボタンセンサ42からの検出信号に基づいて、プレイヤーがベット操作を行ったか否かを判定し(ステップS11)、ベット操作有りと判定した場合には処理をステップS12に進める。
ステップS12において、CPU31は、スタートレバーセンサ43の検出信号に基づいて、プレイヤーがスタートレバー6を操作したか否かを判定する。プレイヤーがスタートレバー6を操作すると、CPU31は、ベット操作を禁止する処理を行う(ステップS13)。ベット操作が禁止されると、禁止が解除されまでの期間、プレイヤーがメダルの投入やBETボタン15を操作しても受け付けが拒否される。
次にCPU31は、ゲーム態様に応じた賞群抽選テーブルの設定を行う(ステップS14)。具体的には、賞群抽選テーブル群TBL1の中から、通常ゲーム、RBゲーム、BBゲーム、CBゲーム、及びFBゲームといったゲームの種類に応じたテーブルを選択する。この場合、CPU31はRAM34に記憶したRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグ、及びCBゲーム中フラグ等を参照して、当該ゲームのゲームの種類を特定し、その結果に基づいてテーブルを選択する。
なお、FBゲームの内部抽選においては、以下の2態様がある。第1の態様は、当選又はハズレを抽選によって決定するものである。但し、CB中FBと単独FB(通常ゲーム中のFBゲーム)とで抽選確率を異ならせることが好ましい。第2の態様は、内部抽選を実行しない。
次に、CPU31は、ステップS14で設定した賞群抽選テーブルTBL1を用いて内部抽選処理を実行する(ステップS15)。即ち、ゲームの種類に応じて賞群抽選テーブルTBL1の種類も変わる。この後、CPU31は、ゲームの種類を示すフラグ(管理情報)に基づいて、通常ゲーム中、BBゲーム中、CBゲーム中、RBゲーム中、及びFBゲーム中を判定する(ステップS16)。通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームであると判定された場合には、CPU31は処理をステップS17に進め、当選フラグのセット処理を実行する。当選フラグのセット処理の内容を示す。具体的には、図7を参照して説明したように、第1に、CPU31は、スタートレバーセンサ43の検出信号がアクティブとなったタイミングで、カウントデータCDをサンプリングしてサンプリングデータSDを取得する。第2に、CPU31は、賞群抽選テーブルを参照して、当選フラグをセットする。なお、BBゲームまたはCBゲームは、RB賞またはFB賞の当選確率が通常ゲームと相違するが、採用される賞の種類は通常ゲームと同じである。従って、当選フラグのセット処理については通常ゲームとBBゲーム及びCBゲームとで一緒である。
ステップS16において、通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームと判断された場合には、CPU31は、処理をステップS17に進めて、図16に示す通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームにおける当選フラグのセット処理を実行する。まず、CPU31は、BB当選か否かを判定し(ステップS70)、当選していればBB当選フラグをセットし(ステップS71)、さらに、RTゲーム開始処理を実行する(ステップS72)。RTゲーム開始処理の詳細な内容は後述するが、当該処理においてCPU31は、所定の開始条件を充足するか否かを判定し、開始条件を充足する場合にRTゲーム中フラグをセットする。
BB賞に不当選であれば、CPU31は処理をステップS73に進め、CB当選か否かを判定し(ステップS73)、当選していればCB当選フラグをセットし(ステップS74)、CB賞に不当選であれば処理をステップS75に進める。次に、CPU31は、単独RB当選か否かを判定し(ステップS75)、当選していれば単独RB当選フラグをセットする(ステップS76)。
単独RB賞に不当選であれば、CPU31は、BB中RB当選か否かを判定し(ステップS78)、当選していればBB中RB当選フラグをセットする(ステップS78)。一方、BB中RBに不当選であれば処理をステップS79に進める。
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次に、CPU31は、単独FB当選か否かを判定し(ステップS79)、当選していれば単独FB当選フラグをセットし(ステップS80)、単独FB賞に不当選であれば処理をステップS81に進める。次に、CPU31は、CB中FB当選か否かを判定し(ステップS81)、当選していればCB中FB当選フラグをセットし(ステップS82)、CB中FBに不当選であれば処理をステップS83に進める。次に、CPU31は、ベル当選か否かを判定し(ステップS83)、当選していればベル当選フラグをセットし(ステップS84)、ベル賞に不当選であれば処理をステップS85に進める。次に、CPU31は、スイカ当選か否かを判定し(ステップS85)、当選していればスイカ当選フラグをセットし(ステップS86)、スイカ賞に不当選であれば処理をステップS86に進める。次に、CPU31は、チェリー当選か否かを判定し(ステップS87)、当選していればチェリー当選フラグをセットし(ステップS88)、チェリー賞に不当選であれば処理をステップS89に進める。次に、CPU31は、リプレイ当選か否かを判定し(ステップS89)、当選していればリプレイ当選フラグをセットする(ステップS90)。
次に、図11に示すステップS16において、RBゲーム中と判定された場合には、CPU31は、処理をステップS18に進めて、当選フラグセット処理を実行する。具体的には、CPU31は、JAC当選か否かを判定し、JAC賞に当選している場合には、JAC当選フラグをセットする一方、JAC賞に不当選の場合には、JAC当選フラグをセットすることなく処理を終了する。
次に、ステップS16において、FBゲーム中と判定された場合には、CPU31は、処理をステップS19に進めて、当選フラグセット処理を実行する。内部抽選が上述した第1態様である場合、CPU31は、当選か否かを判定し、当選している場合には、FB小役フラグをセットする一方、ハズレの場合にはFB小役フラグをセットすることなく処理を終了する。内部抽選において、当選かハズレかのみを抽選する点で、各賞群の別まで抽選する通常ゲームやCBゲームと異なる。一方、内部抽選が上述した第2の態様である場合には、内部抽選そのものが実行されない。この場合には、FBゲーム中は必ず当選フラグをセットすればよい。さらに、FBゲーム中にFB賞の抽選を実行してもよい。
次に、図11に示すステップS20においては、ステップS17でセットされた通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームの当選フラグに基づいてリール停止データ群の選択処理が実行される。図20に通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームにおけるリール停止データ群選択の処理内容を示す。CPU31は、内部抽選データISDの当選フラグを参照して、リプレイ当選フラグ、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、BB当選フラグ、CB当選フラグ、単独RB当選フラグ、及びBB中RB当選フラグがセットされているか否かを順次判定する(ステップS101〜ステップS108)。そして、CPU31は、リプレイ当選フラグがセットされていればリプレイ用停止データ群を選択し(ステップS109)、スイカ当選フラグが選択されていればスイカ用停止データ群を選択し(ステップS110)、ベル当選フラグがセットされていればベル用停止データ群を選択し(ステップS111)、チェリー当選フラグがセットされていればチェリー用停止データ群を選択し(ステップS112)、BB当選フラグがセットされていればBB用停止データ群を選択し(ステップS113)、CB当選フラグがセットされていればCB用停止データ群を選択し(ステップS114)、単独RB当選フラグがセットされていれば単独RB用停止データ群を選択し(ステップS115)、BB中RB当選フラグがセットされていればBB中RB用停止データ群を選択する(ステップS116)。なお、いずれの当選フラグもセットされていない場合には、ハズレ用停止データを選択する(ステップS117)。
次に、図11に示すステップS21においては、ステップS18でセットされたRBゲームの当選フラグに基づいてリール停止データ群の選択処理が実行される。CPU31は、内部抽選データISDの当選フラグを参照して、JAC当選フラグがセットされているか否かを判定する。そして、CPU31は、JAC当選フラグがセットされていればJAC用停止データ群を選択し、JAC当選フラグがセットされていなければ非入賞用停止データを選択する。ここで、JAC用停止データ群は、図9に示すようにプラム図柄を中央の入賞ラインL1に引き込めるように設定されている。より具体的には、CPU31が、停止操作信号44a〜46aを検知したタイミングにおいて、プラム図柄が入賞ラインL1から所定の移動図柄数の範囲内にある場合にプラム図柄を入賞ラインL1上に引き込んで停止させるようにリールR1〜R3が制御される。JACゲームは、1枚賭けのみが許容されるから入賞ラインL1は有効化された入賞ラインとなる。また、この例において移動図柄数は「4」に設定されている。従って、0コマから4コマの範囲にあるプラム図柄が入賞ラインL1に引き込まれることになる。
次に、図11に示すステップS22においては、ステップS19でセットされたFBゲームの当選フラグに基づいてリール停止データ群の選択処理が実行される。CPU31は、内部抽選データISDの当選フラグを参照して、FB賞の当選フラグがセットされているか否かを判定する。そして、CPU31は、FB当選フラグがセットされていればFB用停止データ群を選択し、FB当選フラグがセットされていなければ小役用停止データ群を選択する。ここで、FB用停止データ群は、プラム図柄を有効化された入賞ラインに引き込めるように設定されている。より具体的には、CPU31が、停止操作信号44a〜46aを検知したタイミングにおいて、プラム図柄が有効化された入賞ラインから所定の移動図柄数の範囲内にある場合にプラム図柄を有効化された入賞ライン上に引き込んで停止させるようにリールR1〜R3が制御される。また、小役用停止データ群は、第3停止においてプラム図柄を有効化された入賞ラインに停止させないように設定されている。
FBゲームは、1枚賭け専用のゲームであっても複数枚賭けのゲームであってもよい。前者の場合、FB用停止データ群は、RBゲームにおけるJAC用停止データ群と兼用することが好ましい。一方、後者の場合、FB用停止データ群は、通常ゲームにおけるリプレイ用停止データ群と兼用することが好ましい。これらの場合には、所定の移動図柄数を「4」に設定する。このように異なる種類のゲーム間で停止データ群を兼用することによって、停止テーブルの数を削減して、ROM35のデータ容量を低減することができる。
FB賞のプラム役を構成するプラム図柄の配置は、図4に示すように最も離れているプラム図柄の間隔は5図柄である。従って、上述したように所定の移動図柄数を「4」に設定することにより、プレイヤーがどのようなタイミングでリールストップボタン7a〜7cを操作したとしても必ず有効化された入賞ライン上にプラム図柄を引き込むことが可能となる。なお、この例では、FB賞にプラム図柄を採用したが、複数種類の図柄を採用してもよい。この場合、ベル図柄のように所定の移動図柄数で入賞ライン上に引き込めるようにリール上の図柄配置が設定されていることが好ましい。
図11に戻り説明を続ける。上述したリール停止データ群の選択が終了すると、CPU31は、リールが回転していることを示す各リール駆動フラブを設定し、リールの回転を開始させ(ステップS23)、リール回転停止処理を実行する(ステップS24)。リール回転停止処理については後述する。
次に、CPU31は、ゲームの種類が通常ゲーム中、BBゲーム中、CBゲーム中、RBゲーム中、FBゲーム中であるかを判別する(図12に示すステップS25)。そして、CPU31は、通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームであれば処理をステップS26に進め、RBゲームであれば処理をステップS27に進め、FBゲームであれば処理をステップS28に進め、入賞判定処理を実行する。各ゲームの入賞判定処理については後述する。
本実施形態のスロットマシン1では、BBゲーム及びCBゲームについて、プレイヤーが獲得できるメダル枚数にそれぞれ制限が設けられている。以下の説明では、BBゲームにおける獲得枚数の上限を最大獲得枚数MAXbbと称し、CBゲームにおける獲得枚数の上限を最大獲得枚数MAXcbと称する。本実施形態においては、最大獲得枚数MAXbb及びMAXcbを出玉率に応じて設定する。ここで、出玉率とは、過去の所定ゲーム数の範囲内において、投入されたメダル枚数の総数に対する払い出したメダル枚数の総数の割合をいう。前者を総メダルIN数、後者を総メダルOUT数と称する。ステップS30のメダルIN枚数計数処理は総メダルIN枚数を算出するものであり、ステップS31に示すメダルOUT枚数計数処理は総メダルOUT枚数を算出処理であり、さらに、ステップS29のゲーム数カウント処理は、ステップS30及びステップS31の処理に必要なゲーム数を計数する処理である。
図13にゲーム数カウント処理の処理内容を示す。まず、CPU31は、遊技カウンタのカウント値を「1」インクリメントし(ステップS40)、遊技カウンタのカウント値が「400」と等しいか否かを判定する(ステップS41)。そして、カウント値が「400」であれば、CPU31は遊技カウンタのカウント値をクリアして「0」に戻す(ステップS42)。一方、遊技カウンタのカウント値が400未満であれば、ステップS42の処理を終了してゲーム数カウント処理を終了する。従って、遊技カウンタのカウント値は「0」から「399」までを巡回するものとなる。ステップS41の判定基準となる「400」は、出玉率の算出の基礎となる過去のゲーム数となるように設定される。この例では、過去400ゲームのゲーム結果に基づいて出玉率を算出する。また、遊技カウンタとしては専用のリングカウンタを設けてもよいが、この例では、プログラムによってこれを実現している。この場合は、RAM34の所定の記憶領域を遊技カウンタとして用い、当該記憶領域に記憶した遊技カウンタのカウント値をゲーム毎に更新する。
図14にメダルIN枚数計数処理及びメダルOUT枚数計数処理の処理内容を示す。同図に示すように、これらの処理は、RAM34の所定の記憶領域に対してデータを読み書きしながら進行する。RAM34には、総IN枚数を記憶する記憶領域341、遊技カウンタのカウント値を記憶する記憶領域342、過去400ゲームの各ゲームにおける投入メダル数INと払出メダル数OUTを記憶する記憶領域343、及び総OUT枚数を記憶する記憶領域344が設けられている。
図15に記憶領域343の詳細な構成を示す。記憶領域343は、いわゆるリングバッファとして構成される。リングバッファの1段は、8ビットのデータが記憶されるようになっており、0番目のビットb0から3番目のビットb3までに投入枚数を示すINデータが格納され、4番目のビットb4から7番目のビットb7までに払い出し枚数を示すOUTデータが格納される。リングバッファの各記憶領域は、遊技カウンタのカウント値と対応付けられている。この例では、400個の記憶領域のアドレスが2000H乃至218FHまでに割り当てられており、アドレスの下位のビットと遊技カウンタのカウント値が一致するようになっている。従って、遊技カウンタのカウント値からリングバッファのアドレスを示すバッファポインタを直ちに生成することが可能となる。
図14に示すメダルIN枚数計数処理において、CPU31は、リプレイゲームか否かを判定し(ステップS50)、リプレイ賞に入賞していれば、投入数を「0」に設定して(ステップS51)、処理をステップS52に進める。一方、リプレイ賞に非入賞である場合には、CPU31はステップS51の処理を省略し、処理をステップS52に進める。
ステップS52において、CPU31は、記憶領域341から読み出した総IN枚数に当該ゲームで投入されたメダル枚数である新投入数を加算して、これを記憶領域341に書き込む。これにより、総IN枚数が更新される。次に、CPU31は、遊技カウンタのカウント値を記憶領域342から読み出し、カウント値に基づいてバッファポインタを算出する(ステップS53)。
次にCPU31は、バッファポインタの指示する記憶領域から、そこに記憶されている旧投入枚数を読み出して取得し(ステップS54)、当該記憶領域に新投入枚数を書き込む(ステップS55)。続いて、CPU31は、総IN枚数から旧投入枚数を減算して総IN枚数を更新する(ステップS56)。
次に、メダルOUT枚数計数処理について図14を参照して説明する。CPU31は、まず、RAM34の記憶領域344にアクセスして総OUT枚数を読み出し、これに新払出枚数を加算して、これを記憶領域344に書き込む(ステップS60)。次に、CPU31は、遊技カウンタのカウント値を記憶領域342から読み出し、カンウト値に基づいてバッファポインタを算出する(ステップS61)。
次にCPU31は、バッファポインタの指示する記憶領域から、そこに記憶されている旧払出枚数を読み出して取得し(ステップS62)、当該記憶領域に新払出枚数を書き込む(ステップS63)。続いて、CPU31は、総OUT枚数から旧払出枚数を減算し、これを記憶領域344に書き込んで総OUT枚数を更新する(ステップS64)。
説明を図12に戻す。上述したメダルOUT枚数計数処理が終了すると、CPU31は、停止した各リールの有効ライン上の図柄とリプレイ賞の図柄の組み合わせであるプラム役と比較することによりリプレイ賞に入賞したか否かを判定する(ステップS32)。リプレイ賞に入賞すると、ベット操作を行うことなく、前ゲームで有効化された入賞ラインと同じ入賞ラインが自動的に有効化される。このため、リプレイ賞に入賞している場合には、処理をステップS12に戻す。この後、CPU31は、1ゲーム終了処理を実行して(ステップS33)、ベット操作の禁止を解除する(ステップS34)。
図17は、RTゲーム開始処理の処理内容を示すフローチャートである。この図に示すように、CPU31は、まず、予想出玉率を算出する(ステップS93)。予想出玉率は、所定ゲーム数だけ過去のゲームを対象として上述した総IN枚数に対する総OUT枚数の比を演算することにより算出される出玉率とBB賞に入賞した場合に見込まれる将来の出玉率とに基づいて定める。より具体的には、BB賞に入賞するゲームを含めてBBゲームにおける純増枚数が最大となるゲーム数、総IN枚数および総OUT枚数をあらかじめROM35に格納しておき、BB賞に当選したゲームにおいて、次ゲームでBB賞に入賞してBBゲームが開始されたことを想定し、BBゲームが終了した時点の出玉率を算出する。ここでBBゲームにおける純増枚数が最大となるゲーム数を32ゲーム、予想IN枚数を32枚、予想OUT枚数を480枚と例示できる。この場合、当ゲームから368ゲーム数(400ゲームから32ゲームを引いたゲーム数)だけ過去のゲームの総IN枚数と総OUT枚数に対してそれぞれ予想IN枚数の32枚と予想OUT枚数の480枚を加算し、それらの比を演算して予想出玉率を算出する。次に、CPU31は、予想出玉率に基づいてRTゲーム数を決定する。より具体的には、ROM35に格納されたRTゲーム数テーブルを参照して、CPU31は、RTゲーム数を決定する。RTゲーム数テーブルには、予想出玉率とRTゲーム数とが対応付けられて記憶されている。RTゲーム数テーブルに記録されたRTゲーム数は、RTゲームが終了した次のゲームでBB賞に入賞した場合に見込まれる予想出玉率が予め定められた基準出玉率に満たないように定められている。BB賞に入賞することによる出玉率の変化は、BBゲームにおける純増枚数が最大となる場合に最も大きくなる。従って、将来の出玉率が基準出玉率を超えないという観点からは、BBゲームにおける純増枚数が最大となる場合を想定してRTゲーム数を定めることが好ましい。なお、RTゲーム数テーブルには、BB賞に当選したゲームの次のゲームでBB賞に入賞しても基準出玉率を超えないと予想される範囲で、RTゲーム数が0となるように出玉率とRTゲーム数の関係が記録されている。
RTゲームは、リプレイ賞の当選確率が高い、さらに、CPU31は、RTゲームにおいてリプレイ賞用又は小役賞用の停止テーブルをBB賞用の停止テーブルに優先して選択する。従って、内部抽選データISDがBB賞の当選とリプレイ賞の当選を同時に示す場合であってもリプレイ賞の入賞を優先させることになるから、RTゲームにおいてBB賞に入賞することは困難である。換言すれば、RTゲームでは、BB賞に対応する図柄の組みが有効された入賞ライン上に揃うことを禁止するか、あるいは、極めて困難にしている。この結果、RTゲームを実行することによってBB賞の入賞を遅らせることが可能となる。一方、リプレイ賞に入賞すると、次のゲームがリプレイゲームとなる。RTゲームではリプレイ賞の当選確率が最も高いので、リプレイゲームが連続する可能性が高い。この結果、RTゲーム中はメダルのIN枚数とOUT枚数が略0となる。従って、BB賞に入賞した時点での出玉率が「3」以上に到達しそうな場合に、RTゲームを実行することにより、出玉率を下げることができる。
ステップS94でRTゲーム数を決定すると、CPU31は、ゲーム回数が0か否かを判定する(ステップS95)。CPU31は、RTゲーム数が0でなければ、RTゲーム中フラグをセットし(ステップS96)、RTゲームが0であればRTゲーム中フラグをセットすることなくRTゲーム開始処理を終了する。
次に、図18を参照して、RTゲーム終了判定処理を説明する。CPU31は、まず、RTゲーム回数を「1」だけ減算し(ステップS97)、残りのRTゲーム回数が「0」か否かを判定する(ステップS98)。残りRTゲーム数が「0」であればCPU31はRTゲームフラグをクリアする(ステップS99)一方、残りRTゲーム数が「0」でなければ残りのRTゲーム回数を液晶表示装置64に表示させる(ステップS100)。
図19にRTゲームの進行例を示す。第1ゲームにおいて、内部抽選でBB賞に当選すると、CPU31は、BB賞に当選したゲームでは、リーチ目などを表示させるため非入賞用の停止テーブルを選択する。このため、当該ゲームではBB賞に入賞することはない。そして、CPU31はRTゲーム数テーブルを参照して出玉率に対応するRTゲーム数を読み出す。この例では、RTゲーム数は7ゲームが選択されるものとする。この結果、第2ゲームから第8ゲームまでがRTゲームとなる。RTゲームではリプレイ賞の当選確率が高いので、内部抽選データISDにはBB当選フラグとリプレイ当選フラグが同時にセットされることが多くなる。この例では、第2〜第5、第7、及び第8ゲームにおいてリプレイ賞に当選して入賞している。但し、リプレイゲームは、メダルの投入を伴わないので、プレイヤーは手持ちのメダルを減らすことなく、RTゲームを消化することができる。そして、第8ゲームでRTゲームが終了すると、第9ゲームからBB賞に対応する図柄を有効化された入賞ライン上に揃えることが可能となる。具体的には、CPU31は、BB用の停止テーブルを選択する。この例では、第10ゲームでBB賞に入賞し、第11ゲームからBBゲームが開始する。
図21に、リール回転停止処理(ステップS24)の処理内容を示すフローチャートである。まず、CPU31は、1回目のボタン停止操作があったか否かを、停止操作信号44a〜46aに基づいて判定する(ステップS120)。
1回目のリールストップボタンの停止操作が検出されると、CPU31は今回、押下されたリールストップボタン7a〜7cの停止ボタン番号(ボタンの種別)を取得し(ステップS121)、停止操作直後の図柄番号PNを取得する(ステップS122)。具体的には、CPU31は各リールストップボタン7a、7b、7cが押し下げられたタイミングを各リールストップボタンセンサ44〜46からの停止操作信号44a〜46aに基づいて検知し、当該タイミングにおける図柄番号PNを取得する。この例では、リールストップボタン7aに停止ボタン番号「1」、リールストップボタン7bに停止ボタン番号「2」、リールストップボタン7cに停止ボタン番号「3」が各々割り当てられている。
次に、CPU31は、ステップS20〜S22において選択された停止データテーブル群の中から、RTゲーム中フラグ、内部抽選データISD、停止ボタン番号および図柄番号PN等に基づいて、使用可能な停止データテーブル群を限定し(ステップS124)、停止操作順別の停止データテーブルの組合せを特定する。なお、組合せが複数ある場合には、CPU31は抽選等により使用する停止テーブルの組み合わせを特定する。組合せが複数ない場合には、その組み合わせで特定されることになる。これにより、CPU31は当該リールの第1停止に使用する一の停止データテーブルを決定することとなる(ステップS125)。この例においては、上述したようにRTゲーム中フラグがセットされている場合には、BB賞用の停止テーブルに優先して小役賞又はリプレイ賞の停止テーブルが選択される。この点は、第2停止操作及び第3停止操作においても同様である。
次に、CPU31は、決定した停止テーブルから図柄番号に応じた進みコマ数(移動図柄数)を取得し(ステップS126)、続いて、進みコマ数に基づいて停止操作のあったリールを停止させる(ステップS127)。
次に、CPU31は、2回目のボタン停止操作があったか否かを、停止操作信号44a〜46aに基づいて判定し(ステップ128)、2回目のボタン停止操作があると、停止ボタン番号の取得(ステップS129)、図柄番号の取得(ステップS130)、ステップS124で特定した停止テーブルの組み合わせから当該リールの第2停止に対応した停止テーブルを決定し(ステップS131)、進みコマ数の取得(ステップS132)、及びリール停止(ステップS133)を実行する。この後、CPU31は、3回目のボタン停止操作があったか否かを、停止操作信号44a〜46aに基づいて判定し(ステップS134)、3回目のボタン停止操作があると、停止ボタン番号の取得(ステップS135)、図柄番号の取得(ステップS136)、ステップS124で特定した停止テーブルの組み合わせから当該リールの第3停止に対応した停止テーブルを決定し(ステップS137)、進みコマ数の取得(ステップS138)、及びリール停止(ステップS139)を実行する。以上説明したようにCPU31は、ゲームの種類、内部抽選の結果、及びリールストップボタンの停止操作の順序に応じて複数の停止テーブル中から停止制御に用いる停止テーブルを選択する。上述したリール停止制御処理を実行するCPU31は、内部抽選データ(抽選情報)が当選を示す場合、当選した賞に対応する図柄の組が有効化された入賞ライン上に停止することを許容し、当選した賞以外の賞に対応する図柄の組が有効化された入賞ライン上に停止することを禁止し、内部抽選データ(抽選情報)がハズレを示す場合、全ての賞に対応する図柄の組が有効化された入賞ライン上に停止することを禁止するように各リール(複数の表示列)の可変表示を停止させる停止制御手段として機能する。
次に、図22を参照して上述した通常ゲーム、BBゲームまたはCBゲームの入賞判定処理について説明する。当該処理においては、停止した各リールの各有効ライン上の図柄と各賞に割り当てられた役の図柄の組み合わせとを比較することによりスイカ賞、ベル賞、チェリー賞に入賞したか否かを順次判定し(ステップS140〜S142)、入賞図柄組合せテーブルTBL3を参照して入賞した賞に対応した数のメダルの払い出しを行うよう各部の制御を行う(ステップS143〜S145)。
次に、CPU31は、単独RB入賞か否かを判定し(ステップS146)、単独RB入賞であれば、メダルの払い出しを実行し(ステップS147)、さらにRBゲーム開始処理を実行する(ステップS148)。この処理において、CPU31はRBゲーム中フラグをセットし、JAC入賞回数を設定する。例えば、8回である。次に、CPU31はJACゲーム回数を設定する。例えば、12回である。
図22のステップS146において判定条件が否定された場合には、CPU31は処理をステップS149に進め、BB中RB入賞か否かを判定する。具体的には、BBゲーム中フラグがセットされており、且つ、RB当選フラグがセットされている場合に判定条件が肯定され、それ以外は判定条件が否定される。判定条件が肯定された場合には、CPU31は、RB賞に割り当てられたメダルを払い出し(ステップS150)、RB開始処理を実行する(ステップS151)。ステップS151におけるRB開始処理はステップS148のそれと同様であるので、説明を省略する。
一方、ステップS149の判定条件が否定された場合には、CPU31は処理をステップS152に進め、単独FB入賞か否かを判定する。具体的には、CBゲーム中フラグがクリアされており、且つ、FB当選フラグがセットされている場合に判定条件が肯定され、それ以外は判定条件が否定される。判定条件が肯定された場合には、CPU31は、FB賞に割り当てられたメダルを払い出し(ステップS153)、FBゲーム開始処理を実行する(ステップS154)。この処理において、CPU31はFBゲーム中フラグをセットし、FBゲーム回数を「1」に設定する。
単独FB入賞でない場合には、ステップS152の判定条件は否定され、CPU31は処理をステップS155に進め、CB中FB入賞か否かを判定する(ステップS155)。具体的には、CBゲーム中フラグがセットされており、且つ、FB当選フラグがセットされている場合に判定条件が肯定され、それ以外は判定条件が否定される。判定条件が肯定された場合には、CPU31は、FB賞に割り当てられたメダルを払い出し(ステップS156)、FBゲーム開始処理を実行する(ステップS157)。ステップS157におけるFB開始処理はステップS154のそれと同様であるので、説明を省略する。
CB中FB入賞でない場合には、ステップS155の判定条件は否定され、CPU31は処理をステップS158に進め、BBゲーム中か否かを判定する(ステップS158)。具体的には、BBゲーム中フラグがセットされている場合に判定条件が肯定され、それ以外は判定条件が否定される。判定条件が肯定された場合には、CPU31は、BBゲーム終了判定処理を実行する(ステップS159)。
図23にBBゲーム終了判定処理の内容を示す。この処理において、CPU31はメダル払い出しがあったか否かを判定し(ステップS180)、メダル払い出しがあった場合には、BBゲーム中の獲得数に当該ゲームの獲得枚数を加算する(ステップS181)。当該ゲームにおいてメダルが払い出されなかった場合にはステップS181の処理を省き、また、ステップS181の処理が終了すると、CPU31は処理をステップS182に進め、獲得メダル枚数が基準枚数を超えたか否かを判定する。なお、獲得メダル枚数は、CPU31がBBゲームの開始から現在のゲームに至るまでの期間に払い出されたメダル枚数を加算することによって算出する。この意味でCPU31は、獲得メダル枚数(獲得数量)を算出する獲得数量算出手段として機能する。ここで、所定枚数X1は、BBゲーム全体で許容される最大獲得枚数MAXbb、BBゲーム中の1ゲーム(次の1ゲーム)で獲得可能な最大の獲得枚数をZ1としたとき、X1=MAXbb−Z1で与えられる。図20に示す例では、BBゲーム全体で許容される最大獲得枚数MAXbbを465枚とし、BBゲーム中の1ゲームで獲得可能な最大のメダル枚数を15枚している。従って、450枚が基準枚数となる。このように基準枚数を設定することにより、当該ゲームを終了した時点で、次のゲームで最大獲得枚数MAXbbを超える可能性があるか否かを判定することが可能となる。
獲得メダル枚数が450枚を超えて、ステップS182の判定条件が否定される場合には、CPU31は処理をステップS183に進め、BBゲーム中の獲得メダル枚数を表示する(ステップS183)。一方、獲得メダル枚数が450枚を越える場合には、BBゲーム中フラグをクリアし(ステップS184)、さらに、RBゲーム中であるか否かをRBゲーム中フラグを参照して判定し(ステップS185)、RBゲーム中であればRBゲーム中フラグをクリアする(ステップS186)。これにより、BBゲーム中にRB賞に入賞してRBゲームを実行している期間において、RBゲーム本来の終了条件に到達しない場合でも、獲得メダル枚数が基準枚数を超えればRBゲームを中断する制御が可能となる。また、BBゲーム中にRB賞に入賞すると、RBゲーム開始処理(S151)が行われるが、RB賞に入賞したゲームで基準枚数を超えたと判断された場合には、BBゲーム中フラグがクリアされ(S184)、かつ、RBゲーム中フラグがクリアされ(S186)るので、RBゲームを一度も実行しないままBBゲームを終了させる制御が可能となる。なお、BBゲーム中ではない単独RBゲーム中においては、S158の判定条件が否定されるので、RBゲームを開始させることなくRBゲームを終了させることはない。また、ステップS182の処理を実行するCPU31は、獲得メダル枚数(獲得数量)を最大獲得枚数MAXbb(所定数量)より少ない基準枚数(基準数量)と比較する比較手段として機能する。さらに、ステップS184〜ステップS186の処理を実行するCPU31は、比較手段の比較結果を参照して獲得メダル枚数(獲得数量)が基準枚数(基準数量)を超えた場合に、現在のゲームでBBゲーム(特定ゲーム)を終了して次のゲームからゲーム状態を通常ゲームに移行させるゲーム状態管理手段として機能する。
BBゲーム終了判定処理において、最大獲得枚数MAXbbを固定としてもよいが、本実施形態のスロットマシン1は、出玉率に応じて最大獲得枚数MAXbbを調整している。BBゲームは、RB賞の当選確率が通常ゲームと比較して高いので、単位ゲーム当りの獲得枚数が大きい。従って、BBゲーム中は出玉率が高くなる。プレイヤーの射幸心を抑える観点からは、出玉率に一定の制限を設けることが好ましい。出玉率に上限を設定すると、短期間にBB賞に入賞した場合、上限を超えることがあり得る。そこで、最大獲得枚数MAXbbの値を出玉率に応じて調整することによって、出玉率上限を超えないように調整可能となる。この場合には、総IN枚数に対する総OUT枚数の割合を出玉率として算出し、出玉率上限を超えないように最大獲得枚数MAXbbを定めることが好ましい。
また、基準枚数は、上述したように最大獲得枚数MAXbbから次のゲームで獲得しうる最大のメダル枚数を減算した値に設定される。例えば、BB中RBにおいてJAC賞の配当が15枚であり、RBゲーム以外のBBゲームの賞の最大配当が12枚であり、最大獲得枚数MAXbbが465枚であるとする。この場合、BB中RBにおいては、図24に示すように基準枚数は最大獲得枚数から15枚を減算した450枚となる。この場合、直前のゲームの獲得枚数は450枚以下であり、現在のゲームにおいて獲得枚数が450枚から465枚までになることが許容される。一方、次のゲームがRBゲーム以外のBBゲームであれば、図25に示すように基準枚数は最大獲得枚数から12枚を減算した453枚となる。従って、直前のゲームの獲得枚数は453枚以下であり、現在のゲームの獲得枚数が453枚から465枚までになることが許容される。
図26に基準枚数が450枚に設定され、BB中RBが途中で終了する一例を示す。この例では、BBゲームにおいてRB賞に入賞したゲームの獲得枚数が410枚である。RBゲームはJAC賞に8回入賞するか、12回のゲームで終了する。すなわち、その終了条件がゲーム回数に関連付けられている。従って、終了条件を充足する回数だけゲームが進行しないと、RBゲームは本来終了しない。しかしながら、獲得枚数が基準枚数に近い状態でRB賞に入賞すると、BB中RBにおいて最大獲得枚数MAXbbを超える可能性が極めて高い。そこで、本実施形態においては、BB中RBにおいては、RBゲームの終了条件よりも基準枚数によるBBゲームの終了条件を優先させ、当該ゲームの獲得枚数が基準枚数を超えた場合には、たとえRBゲーム中であってもRBゲームを強制的に終了させて、次のゲームを通常ゲームとなるようにCPU31はゲーム状態を管理している。この例では、BB中RBに移行した後、3ゲーム連続してJAC賞に入賞し、獲得枚数が455枚となり、基準枚数を超える。このため、獲得枚数が455枚となったゲームでRBゲームの終了条件よりもBBゲームの終了条件を優先させて、RBゲームを終了させて、次のゲームを通常ゲームに移行させている。
図27に基準枚数が450枚に設定され、RB賞に入賞してもRBゲームに移行することなく通常ゲームに戻るゲーム進行例を示す。この例では、BBゲームにおいてRB賞に入賞したゲームの獲得枚数が452枚である。RBゲームはRB賞に入賞することが開始条件となっている。しかしながら、RB賞に入賞した時点で基準枚数を超えると、BB中RBにおいて最大獲得枚数MAXbbを超える可能性が極めて高い。そこで、本実施形態においては、BBゲーム中のRB入賞については、RBゲームの開始条件よりも基準枚数によるBBゲームの終了条件を優先させ、当該ゲームの獲得枚数が基準枚数を超えた場合には、たとえRB賞に入賞してもRBゲームを開始することなく、次のゲームを通常ゲームとなるようにCPU31はゲーム状態を管理している。この例では、RB賞に入賞した時点で獲得枚数が452枚となり、基準枚数を超える。このため、獲得枚数が452枚となったゲームでRBゲームの開始条件よりもBBゲームの終了条件を優先させて、BBゲームを終了させて、次のゲームを通常ゲームに移行させている。
説明を図22に戻す。ステップS158においてBBゲーム中でないと判定された場合には、CPU31は処理をステップS160に進め、BB賞に入賞したか否かを判定する。BB賞に入賞した場合には、所定枚数のメダルを払い出し(ステップS161)、BBゲーム開始処理を実行する(ステップS162)。図28にBBゲーム開始処理の詳細を示す。同図に示すように、CPU31は、BBゲーム中フラグをセットし(ステップS187)、BBゲーム中の獲得数カウントをクリアする(ステップS188)。これにより、次のゲームから獲得数の累算が実行される。
一方、ステップS160においてBB入賞に該当しないと判定された場合には、CPU31は処理をステップS163に進め、CBゲーム中か否かを判定する。具体的にはCBゲーム中フラグがセットされている場合に判定条件が肯定され、それ以外は判定条件が否定される。判定条件が肯定された場合には、CPU31は、CBゲーム終了判定処理を実行する(ステップS164)。
図29にCBゲーム終了処理の詳細を示す。同図に示すように、CPU31はメダル払い出しがあったか否かを判定し(ステップS190)、メダル払い出しがあった場合には、FBゲーム中の獲得数に当該ゲームの獲得枚数を加算する(ステップS191)。当該ゲームにおいてメダルが払い出されなかった場合にはステップS191の処理を省き、また、ステップS191の処理が終了すると、CPU31は処理をステップS192に進め、獲得メダル枚数が基準枚数を超えたか否かを判定する。ここで、基準枚数X2は、CBゲーム全体で許容される最大獲得枚数をMAXcb、CBゲーム中の1ゲーム(次の1ゲーム)で獲得可能な最大の獲得枚数をZ2としたとき、X2=MAXcb−Z2で与えられる。この例では、CBゲーム全体で許容される最大獲得枚数が253枚であり、CBゲーム中の1ゲームで獲得可能な最大の獲得枚数が15枚である。従って、238枚が所定枚数となる。
獲得メダル枚数が238枚を超えて、ステップS192の判定条件が否定される場合には、CPU31は処理をステップS193に進め、CBゲーム中の獲得メダル枚数を表示する(ステップS193)。一方、獲得メダル枚数が238枚を越える場合には、CBゲーム中フラグをクリアし(ステップS194)、さらに、FBゲーム中であるか否かをFBゲーム中フラグを参照して判定し(ステップS195)、FBゲーム中であればFBゲーム中フラグをクリアする(ステップS196)。即ち、獲得枚数が基準枚数を超えると、CBゲームを終了する。これにより、CBゲーム全体で許容される最大獲得枚数MAXcbを超えないように調整することが可能となる。
CBゲーム終了判定処理においても、上述したBBゲーム終了判定処理と同様に、最大獲得枚数MAXcbを固定としてもよいが、本実施形態のスロットマシン1は、出玉率に応じて最大獲得枚数MAXcbを調整している。CBゲームは、CB賞の当選確率が通常ゲームと比較して高いので、単位ゲーム当りの獲得枚数が大きい。従って、CBゲーム中は出玉率が高くなる。プレイヤーの射幸心を抑える観点からは、出玉率に一定の制限を設けることが好ましい。出玉率に上限を設定すると、短期間にCB賞に複数回入賞した場合、上限を超えることがあり得る。そこで、最大獲得枚数MAXcbの値を出玉率に応じて調整することによって、出玉率上限を超えないように調整可能となる。この場合には、総IN枚数に対する総OUT枚数の割合を出玉率として算出し、出玉率上限を超えないように最大獲得枚数MAXcbを定めることが好ましい。また、基準枚数は、上述したように最大獲得枚数MAXcbから次のゲームで獲得しうる最大のメダル枚数を減算した値に設定される。
説明を図22に戻す。ステップS163においてCBゲーム中でないと判定された場合には、CPU31は処理をステップS165に進め、CB入賞か否かを判定する。CB賞に入賞した場合には、所定枚数のメダルを払い出し(ステップS166)、CBゲーム開始処理を実行する(ステップS167)。図30にCBゲーム開始処理の詳細を示す。まず、CPU31は、CBゲーム中フラグをセットし(ステップS197)、CBゲーム中の獲得数カウントをクリアする(ステップS198)。これにより、次のゲームから獲得数の累算が実行される。
次に、RBゲームにおける入賞判定処理(図12のステップS27)について説明する。図31にRBゲームにおける入賞判定処理の詳細なフローチャートを示す。まず、CPU31は、JAC入賞か否かを判定し(ステップS200)、JAC入賞であれば所定数のメダルを払い出す(ステップS201)。メダル払出処理が終了するか、あるいは、JAC入賞でなければRBゲーム中か否かを判定する(ステップS202)。RBゲーム中フラグがセットされている場合には、CPU31はRBゲーム中であると判定して、処理をステップS203に進め、RBゲーム終了判定処理を実行する。
図32はRBゲーム終了判定処理の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、CPU31は、まずJAC入賞か否かを判定し(ステップS210)、JAC入賞であれば、JAC入賞回数を「1」だけ減算して(ステップS211)、さらにJAC入賞回数が「0」となったか否かを判定する(ステップS212)。JAC入賞回数が「0」であれば、CPU31は、RBゲーム中フラグをクリアする(ステップS217)。一方、JAC入賞回数が「0」でなければ、CPU31はJAC入賞回数の残数を表示させ(ステップS213)、JACゲーム回数を「1」だけ減算する(ステップS214)。なお、JAC賞に入賞しなかった場合は、CPU31は、ステップS211からステップS213までの処理を省略して、ステップS210からステップS214に処理を進める。この後、CPU31は残りのJACゲーム回数が「0」か否かを判定し(ステップS214)、「0」であればRBゲーム中フラグをクリアし(ステップS217)、一方、「0」でなければJACゲーム回数の残数を表示させる(ステップS216)。
説明を図31に戻す。上述したRBゲーム終了判定処理が終了するか、あるいは、RBゲーム中フラグがクリアされていて、ステップS202の判定条件が否定された場合、CPU31は、BBゲーム中か否かをBBゲーム中フラグを参照して判定する(ステップS204)。BBゲーム中フラグがセットされている場合は、CPU31は、BBゲーム中であると判定して、処理をステップS205に進め、BBゲーム終了判定処理を実行する。一方、BBゲーム中フラグがクリアされていれば、CPU31はBBゲーム中でないと判定してRBゲームの入賞判定処理を終了する。なお、BBゲーム終了判定処理は、図23を用いて既に説明したので、説明を省略する。
ここで、BBゲーム中のRBゲーム中にJAC賞に入賞した場合でも、BBゲーム終了判定処理(S205)にて基準枚数を超えたと判断された場合には、BBゲーム中フラグがクリアされ(S184)、かつ、RBゲーム中フラグがクリアされ(S186)るので、RBゲームの本来の終了条件に到達していない状態でもBBゲームを終了させる制御が可能となる。なお、BBゲーム中ではない単独RBゲーム中においては、S204の判定条件が否定されるので、RBゲームの途中でRBゲームを中断させることはない。
次に、FBゲームにおける入賞判定処理(図12のステップS28)について説明する。図34にFBゲームにおける入賞判定処理の詳細なフローチャートを示す。まず、CPU31は、FB賞に入賞か否かを判定し(ステップS220)、FB入賞であれば所定数のメダルを払い出す(ステップS221)。
FB賞に入賞していなければ、CPU31はFB用の小役賞に入賞したか否かを判定する(ステップS222)。FB用の小役賞とは、FBゲームにおいて採用される小役賞のことであり、FBベル役、FBスイカ役、及びFBチェリー役等が該当する。FB用の小役賞に入賞した場合には、CPU31は入賞した賞に応じた枚数のメダルを払い出す(ステップS223)。メダル払出処理が終了するか、あるいは、FB用の小役賞に入賞していなでステップS222の判定条件が否定された場合、CPU31はFBゲーム中か否かをFBゲーム中フラグを参照して判定し(ステップS224)、FBゲーム中であればFBゲーム終了判定処理を実行する(ステップS225)。図31にFBゲーム終了判定処理のフローチャートを示す。この図に示すようにFBゲーム終了判定処理では、FBゲーム回数を「1」だけ減算し(ステップS230)、残りのFBゲーム回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。FBゲーム回数が「0」であれば、CPU31はFBゲーム中フラグをクリアする(ステップS232)。上述したようにFBゲーム回数は1回に設定されているので、原則としてFBゲームが継続することはない。但し、FBゲーム中にFB賞の抽選を実行する場合には、FBゲームで再度FB賞に入賞することが可能になる。従って、FBゲームが見かけ上継続する。最もFBゲームの単位は1ゲームであることに変わりがなく、連続してFB賞に入賞したに過ぎない。
FBゲーム終了判定処理が終了するか、あるいは、FBゲーム中でなかった場合、CPU31は処理をステップS226に進め、FB賞に入賞か否かを判定し、FB入賞であればFBゲーム開始処理を実行する(ステップS227)。次に、CBゲーム中か否かをCBゲーム中フラグを参照して判定する(ステップS228)。判定条件が肯定された場合にはCBゲーム終了判定処理を実行する(ステップS229)。なお、CBゲーム終了判定処理は図29を用いて既に説明したので、ここでは説明を省略する。
次に、1ゲーム終了処理(図12のステップS33)について説明する。図35及び図36は1ゲーム終了処理の処理内容を示すフローチャートである。CPU31は、リプレイ当選フラグ、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグがセットされているか否かを順次判定し(ステップS240〜S243)、セットされている当選フラグをクリアする(ステップS245〜S248)。次に、CPU31はBB当選フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS249)。BB当選フラグがセットされている場合には、さらに、CPU31はBB賞に入賞したか否かを判定し(ステップS250)、入賞していれば、BB当選フラグをクリアする(ステップS251)。一方、入賞していなければ、BB当選フラグをクリアすることなく次のゲームに持ち越す。
次に、CPU31はCB当選フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS252)。CB当選フラグがセットされている場合には、さらに、CPU31はCB賞に入賞したか否かを判定し(ステップS253)、入賞していれば、CB当選フラグをクリアする(ステップS254)。一方、入賞していなければ、CB当選フラグをクリアすることなく次のゲームに持ち越す。
次に、CPU31は処理を図36に示すステップS255に進め、単独RB当選フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS255)。単独RB当選フラグがセットされている場合には、さらに、CPU31はRB賞に入賞したか否かを判定し(ステップS256)、入賞していれば、単独RB当選フラグをクリアする(ステップS257)。一方、入賞していなければ、単独RB当選フラグをクリアすることなく次のゲームに持ち越す。
この後、CPU31は、BB中RB当選フラグ、CB中FB当選フラグ、及びJAC当選フラグがセットされているかを順次判定し(ステップS258〜260)、セットされている当選フラグをクリアする(ステップS261〜S263)。
<5.変形例>
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う遊技機及びその制御方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。例えば、以下に述べる変形例は、本発明に包含されることは勿論である。
(1)上述した実施形態のスロットマシン1では、リングバッファをRAM34の記憶領域343として設け、1段のバッファに4ビットのINデータと4ビットのOUTデータを記憶したが、図37に示すように1段のバッファにOUTデータのみを記憶し、INデータの記憶を省略してもよい。例えば、1ゲームの開始に3枚賭けのみを許容するスロットマシンにおいては、400ゲームの投入枚数は1200枚であり、ゲーム毎の投入枚数を記憶する必要はなく、出玉率の算出において総IN枚数を1200枚に固定とすればよい。また、通常ゲームおよびBBゲームは3枚賭けのみを許容し、RBゲームは1枚賭けのみを許容するスロットマシンにおいても、INデータの記憶を省略してもよい。この場合も出玉率の算出において総IN枚数を1200枚に固定して考える。INデータとOUTデータの両方を記憶して出玉率を算出する場合と比べて誤差を生ずるが、1段のバッファに2ゲーム分の4ビットのOUTデータを記憶することができるので、リングバッファをRAM34の記憶領域343を半分にすることができ記憶領域の節約をすることができる
また、総IN枚数を記憶する記憶領域341、遊技カウンタのカウント値を記憶する記憶領域342、過去400ゲームの各ゲームにおける投入メダル数INと払出メダル数OUTを記憶する記憶領域343、及び総OUT枚数を記憶する記憶領域344は、電源がOFFされた状態でも記憶した値を保存できるようにRAM34が電池などでバックアップされていることが好ましい。なお、初回電源投入時にバッファの値が不定にならないようにあらかじめ所定の値を初期値としてセットされていることが好ましい。
(2)上述した実施形態は、スロットマシンに関するものであったが、本発明は、上述したスロットマシンを模倣したゲームプログラムまたはゲーム機として捉えることも可能である。この場合には、各リールR1〜R3の代りに、各リールR1〜R3の画像をディスプレイに表示し、それらの動作をゲームプログラムに従って制御すればよい。さらに、本発明は、機械式のリールR1〜R3の代わりに、液晶表示装置等のディスプレイにリールの画像を表示するビデオスロットに適用可能であることは勿論である。
(3)上述した実施形態又は変形例のスロットマシンは、遊技媒体としてメダルを採用するものであったが、パチンコ球とメダルとを採用するものであってもよい。この場合には、メダルとパチンコ球との換算数を予め定めておき、換算数に従ってパチンコ球数をメダル数に換算してクレジットとして電子的に貯留してもよい。例えば、メダル1枚当たりパチンコ球5個を割り当ててもよい。
(4)上述した実施形態又は変形例のスロットマシンは、BBゲームとCBゲームの双方を実行可能であったが、いずれか一方を実行可能なスロットマシンであってもよい。また、最大獲得枚数MAXbb及びMAXcbを出玉率に応じて調整したが、固定であってもよいことは勿論である。
(5)上述した実施形態又は変形例のスロットマシンにおいて、あるゲームを開始するためにプレイヤーがメダルを投入するベット操作から次のゲームのベット操作までを1ゲームとしたとき、1ゲームは、複数の処理を順次実行することによって進行する。CPU31は、1ゲームの複数の処理のうち所定の処理から次の1ゲームの所定の処理までの時間が所定時間を超えるように制御する。これにより、大量のメダルを短時間で消費することを防止できる。しかし、リプレイゲームはメダルの投入を必要としないので、BBゲーム中のリプレイゲームについては、CPU31は上述した時間管理を無効にして1ゲームの時間を短縮してもよい。これにより、RTゲームを採用してもBB賞に当選してからBB賞に入賞するまでの時間の短縮もできるので、プレイヤーにとっては効率の良いゲームを行うことができる。
(6)また、上述した実施形態及び変形例において、RBゲームではJACゲームを実行するものとして、説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常ゲームと比較して、単位ゲーム当りにプレイヤーが獲得できるメダル枚数の期待値が大きいものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、小役賞の内部抽選の当選確率が通常ゲームと比較して高いものであってもよい。
(7)また、上述した実施形態及び変形例において、リプレイ入賞にかかるIN枚数は、そのまま計数し、次のリプレイゲームの投入数を「0」としたが(図14に示すステップS51)、リプレイ入賞したゲームの投入枚数を0に設定し、直前のゲームと同一の条件でゲームを実行できるリプレイゲームの投入枚数を直前のゲームの投入枚数、例えば3枚というようにしてもよい。この場合、リプレイ入賞したゲームのIN枚数およびOUT枚数はともに0となる。具体的には、CPU31は、図38に示すメダルIN枚数計数処理を実行すればよい。まず、CPU31は、リプレイ賞に入賞したか否かを判定する(ステップS300)。リプレイ賞に入賞していれば、投入数をRAM34の所定の記憶領域に記憶し(ステップS301)、当該ゲームの投入数を「0」に設定する(ステップS302)。一方、リプレイ賞に入賞していなければ、ステップS301及びS302を省略する。次に、CPU31は当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(ステップS303)、リプレイゲームであれば、RAM34の所定の記憶領域からリプレイ賞に入賞したゲームの投入数を読み出し、これを当該ゲームの投入数に設定する(ステップS304)。一方、当該ゲームがリプレイゲームでない場合には、ステップS304の処理を省略する。この後、CPU31は総IN枚数の計算を実行する(ステップS305)。なお、ステップS305の処理は、上述した実施形態において、図14を参照して説明したステップS52〜S56までの処理と同じである。
(8)また、上述した実施形態及び変形例において、RTゲーム数は、BB賞に当選したゲームから所定ゲーム数だけ過去のゲームを対象として算出される出玉率とBB賞に入賞した場合に見込まれる将来の出玉率とに基づいて定めた。このようにBB賞に当選したゲームの出玉率に応じて将来の出玉率を予想することは可能であるが、これは、出玉率の算出範囲となるゲームでほぼ均等に払い出しがあることを前提とする。このため、将来の出玉率に誤差が含まれることがあり得る。そこで、CPU31は、内部抽選でBB賞に当選したことを検知すると、1ゲーム毎にBB賞に入賞した場合に見込まれる将来の出玉率が予め定められた基準出玉率に満たないか否かを判定し、判定の結果が超える場合にRTゲームを継続するように内部抽選の確率を制御してもよい。
より具体的には、CPU31は、図39に示す入賞調整処理を1ゲーム毎に実行し、次のゲームをRTゲームにするか否かを決定すればよい。まずCPU31は、遊技カウンタ+0から+31までの32ゲームに対応する払い出し履歴領域の旧払い出し数の合計を総払い出し数として算出する(ステップS400)。ここで、32ゲームは、BB賞に入賞するゲームを含めてBBゲームにおいて純増枚数が最大となるゲーム数に設定する。純増枚数が最大となるゲームの進行が出玉率の上昇率が最大となるからである。BBゲームの最大獲得枚数MAXbbは465枚である。従って、図40に示すようにBBゲームの純増枚数が最大となるのは、BB賞に入賞した次のゲームでRB賞に入賞し、RBゲームが終了したら次のゲームでRB賞に入賞といったパターンを繰り返して一連のゲームが進行する場合である。この場合、BB賞に入賞してからBBゲームが終了するまで32ゲームを要する。
次に、CPU31は、総投入枚数から3(枚)×32(回)を減算した値に最小投入枚数を加算した値を投入枚数基準値として算出する(ステップS401)。最小投入枚数とは、純増枚数を最大とする投入枚数であり、事前に設定しておく。この例では、図40に示すように32枚である。次に、CPU31は、総払い出し枚数から総旧払い出し枚数を減算した値に最大払い出し枚数を加算した値を払い出し基準値とする(ステップS402)。最大払い出し枚数は純増枚数を最大とする払い出し枚数であり、事前に設定しておく。この例では図40に示すように480枚である。また、最小投入枚数を今回は、1(枚)×32(回)で算出したが、それぞれの遊技において想定される最大投入枚数を用いて算出するようにしてもよい。
次に、CPU31は、払い出し基準値が投入基準値の3倍を下回るか否かを判定する(ステップS403)。この例では、最大出玉率を「3」に設定している。ステップS403の判定条件が肯定される場合は、次のゲームでBB賞に入賞しても将来の出玉率が最大出玉率を下回る場合である。この場合には、CPU31は、リプレイ賞の当選確率を通常確率とする(ステップS404)。具体的には、CPU31は、通常ゲーム用の賞群抽選テーブルTBL11を選択して内部抽選を実行し、BB用の停止テーブルを選択して、BB賞に入賞を許容する。
一方、ステップS403の判定条件が否定される場合は、次のゲームでBB賞に入賞すると将来の出玉率が最大出玉率以上となる。この場合には、CPU31は、リプレイ賞の当選確率を高確率とする(ステップS405)。具体的には、CPU31は、RTゲーム用の賞群抽選テーブルTBL12を選択して内部抽選を実行し、リプレイ賞又は小役賞用の停止テーブルを選択する。この結果、BB賞への入賞が遅延される。
(9)また、上述した実施形態及び変形例において、RTゲームをBBゲームが終了した後に実行するようにしてもよい。この場合には、図41に示すようにBBゲーム終了処理中にBBゲーム中フラグをクリアし(ステップS184)、また、RB中ゲームフラグをクリアし(ステップS186)、この後にRTゲーム開始処理を実行する(ステップS187)。RTゲーム開始処理は、図17を参照して説明したものと同様である。この場合には、例えば、図42に示すようにBBゲームが終了すると、RTゲームに移行するが、RTゲーム中にBB賞に当選しても、基準出玉率に満たないようにBB賞の入賞を遅らせることが可能となる。換言すれば、次のゲームでBB賞に入賞しても将来の出玉率が基準出玉率に満たないようにRTゲーム数がBBゲーム終了時の出玉率に基づいて決定される。BBゲームは出玉率が急激に上昇するので、BBゲームが終了した直後に再びBB賞に入賞すると、基準出玉率以上である可能性が高い。この変形例によれば、BBゲームの間隔を出玉率に応じて調整することができる。なお、BBゲーム後のRTゲームおいても図39を参照して説明した1ゲーム毎の入賞調整処理を実行してもよいことは勿論である。
(10)また、上述した実施形態及び変形例において、RTゲームをBBゲーム中に実行するようにしてもよい。この場合には、図28に示すBBゲーム開始処理において、ステップS188のBBゲーム中獲得数カウントクリアの後に、RTゲーム開始処理を実行すればよい。RTゲーム開始処理は、図17を参照して説明したものと同様である。BBゲーム中のRTゲームおいても図39を参照して説明した1ゲーム毎の入賞調整処理を実行してもよいことは勿論である。BBゲームは、獲得枚数が最大獲得枚数MAXbbに達すると終了するが、RTゲームでリプレイ賞に入賞しても且つ獲得枚数は0枚なので、RTゲームを実行しても、プレイヤーの獲得枚数や純増枚数が減るわけではない。従って、プレイヤーにとって不利にならずに、出玉率を基準出玉率より下げることができる。
(11)また、上述した実施形態及び変形例では、将来の出玉率が基準出玉率に満たないか否かを判定したが、CPU31は、将来の出玉率と基準出玉率より小さい判定出玉率とを比較して、将来の出玉率が判定出玉率を超えることを示す場合、将来の出玉率が基準出玉率に満たないようにリプレイ賞の当選確率を高確率とするゲーム数を決定してもよい。例えば、基準出玉率として法的な規制の基準となるものを採用し、判定出玉率を実機で用いる基準とすればよい。このように2段階の基準を設けることによって、法的な規制を遵守するスロットマシンを提供できる。