JP4296024B2 - 露光方法 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトレジストをはじめとする感光材料に微細パターンを露光する露光方法および露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光リソグラフィ技術の発展は、主に縮小投影露光技術とレジスト技術の進歩によって支えられてきた。縮小投影露光技術の性能は、主に解像度RPと焦点深度DOPの2つの基本量で決定される。投影光学系の露光波長をλ、投影レンズの開口数をNAとすると、上記2つの基本量は、RP=k1×λ/NA、DOP=k2× λ/NA (k1 、k2 は係数)で表される。リソグラフィの解像度を上げるためには、波長λを小さくすることと、投影レンズの開口数NAを大きくすることが重要である。ところが、NAを大きくすると解像度は上がるが、焦点深度がNAの2乗に反比例して小さくなるため、微細化の流れとしては、波長λを小さくすることが求められるようになった。そこで露光光は、波長436nmのg線から波長365nmのi線へと短波長化され、さらに現在では波長248nm、193nmのエキシマレーザ光が主流となっている。
【0003】
しかし、光を用いるリソグラフィでは露光光の回折限界が解像度の限界となるため、レンズ列光学系を用いた場合は、波長248nm、193nmのエキシマレーザ光を用いても、線幅100nmの解像度が限界と言われている。さらにその先のナノメートルオーダーの解像度を求めようとすると、電子線やX線(特にSOR光:シンクロトロン放射光)リソグラフィ技術を用いる必要がある。
【0004】
電子線リソグラフィは、ナノメートルオーダーのパターンを高精度に制御して形成でき、光学系を用いるリソグラフィに比べてかなり深い焦点深度を持っている。また、ウエハ上にマスク無しで直接描画が可能であるという利点もあるが、スループットが低く、コストも高いことから、量産レベルにはほど遠いという欠点がある。
【0005】
一方、X線リソグラフィは、1対1マスクの等倍露光の場合にも、反射型結像X線光学系を用いた場合にも、エキシマレーザ露光と比べて1桁程度高い解像度および精度を実現できる。しかしこのX線リソグラフィは、マスクの作成が難しくて実現が困難であり、また使用する装置のコストが高いという問題もある。
上述のような問題を解決する方法として、近時、露光光の波長よりも小さい開口からなるパターンを有する露光マスクに露光光を照射し、露光マスクの開口からしみ出す近接場光によってフォトレジスト等の感光材料を露光する方法が提案されている。この方法によれば、露光光の波長に拘わらず、上記開口の大きさ程度の微細パターンを形成可能となる。
【0006】
近接場光を用いてフォトレジスト等の感光材料に露光マスクの微細パターンを露光する際、その微細パターンが例えば回折格子のように一方向に延びる直線の集合からなるものである場合には、それらの直線の向きと同じ方向に直線偏光した露光光を用いると、感光材料に露光されるパターンの線幅が太ることを防止して、より微細なパターンを露光できることが知られている。マスク基板の上に、露光光の波長よりも小さい開口パターンと、この開口パターンのライン方向と平行に光を偏光させるグリッド偏光子とを集積してなる近接場光露光マスクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、非偏光状態の露光光を偏光板によって直線偏光化し、露光板を回転させることによって直線偏光の向きを開口パターンのライン方向と平行にすることでパターンの線幅が太ることを防止している(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−112116号公報(第3−4頁、第1図)
【0009】
【特許文献2】
特開2003−7593号公報(第4−5頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1および特許文献2の方法では、微細パターンが例えば回折格子のように一方向に延びる直線の集合からなるものである場合には有効であるが、実際の微細パターンは、直線偏光と直行するパターンや円などの複雑なパターンで構成される。したがって、直線偏光と平行なパターンの太りは防止できても、その他のパターンの太りを同時に防止することができない問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、感光材料への露光方法であって、直線偏光からなる露光光を、金属材料で構成されるマスクパターンに照射し、マスクパターン外形のうち直線偏光の偏光方向と略直交する部分で発生する近接場光を利用して近接場光が届く位置に保持される感光材料を露光することを特徴とする露光方法とする。
【0012】
また、直線偏光の偏光方向を前記露光光の光軸周りに回転させて露光を行うことを特徴とする露光方法とする。
【0013】
また、露光光がマスクパターンに照射されている時間中に、直線偏光の偏光方向を常に回転させていることを特徴とする露光方法とする。
【0014】
また、露光光がマスクパターンに照射されている時間中は、直線偏光の偏光方向が停止している停止露光と、露光光が前記マスクパターンに照射されていない間に直線偏光の偏光方向を変更する変更ステップを有し、少なくとも一回以上は停止露光と変更ステップを繰り返すことを特徴とする露光方法とする。
【0015】
また、直線偏光の偏光方向を偏光素子を用いて回転させることを特徴とする露光方法とする。
【0016】
また、マスクパターンと感光材料との間に、直線偏光の偏光方向と略垂直な透過軸を有する偏光板を挿入して露光を行うことを特徴とする露光方法とする。
【0017】
また、偏光板の透過軸が、露光光の直線偏光の向きに対して略90度となる状態を保つように回転させることを特徴とする露光方法とする。
【0018】
また、マスクパターンを構成する金属の側面が、露光光の進行方向に対して順テーパとなっていることを特徴とする露光装置とする。
【0019】
また、マスクパターンを構成する金属の側面が、露光光の進行方向にたいして逆テーパとなっており、露光光の光軸と金属の側面とがなす角度が0度以上60度以下であることを特徴とする露光装置とする。
【0020】
また、マスクパターンを構成する金属の少なくとも一部が金であることを特徴とする露光装置とする。
【0021】
また、マスクパターンを構成する金属の少なくとも一部が銀であることを特徴とする露光装置とする。
【0022】
また、マスクパターンを構成する金属の少なくとも一部がアルミニウムであることを特徴とする露光装置とする。
【0023】
また、直線偏光を発生する露光源と、露光源で発生する露光光が照射される位置に配置され、金属材料で構成されるマスクパターンを有するマスクと、感光材料が塗布された基板を保持し、基板をマスクに対して相対的に移動自在に保持する基板保持手段とを有することを特徴とする露光装置とする。
【0024】
また、マスクパターンと感光材料との間に露光光の光軸を中心とした軸回転可能な偏光板を有することを特徴とする露光装置とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る露光装置の断面図である。露光装置1000は、露光光15を照射するための光源1、光源1から照射される光を直線偏光にするための偏光板2、偏光板2から照射される直線偏光の偏光方向を回転させるためのλ/2板3、λ/2板3から照射される直線偏光を直線偏光のまま、あるいは、円偏光、楕円偏光に変更するためのλ/4板4、マスクパターン6が形成されたマスク5を保持するマスク保持台10、フォトレジスト7が塗布されたウエハ8を保持するウエハ保持台9を備えている。また、ウエハ保持台9には孔12が形成されており、孔12は、減圧装置13へ接続されている。減圧装置13によって孔12から空気を吸引することによって、ウエハ8は、ウエハ保持台9に保持される。また、マスク保持台10には、孔14が形成されており、減圧装置13に接続されている。孔14から空気を吸入して、ウエハ8とマスク5の間の空間16を減圧する。孔12および孔14からの空気の吸入は、それぞれ独立して実施することができる。また、孔14から空気を吸入する際に、ウエハ保持台9とマスク保持台10の間からの空気のリークを防止するために、シール11がウエハ保持台9とマスク保持台10の間に設けられている。
【0027】
光源1は、水銀ランプやレーザが用いられる。光源1がレーザの場合、偏光板2を透過する光量が大きくなるように、レーザ光の直線偏光の方向と偏光板2の光軸とを一致させておくことが望ましい。また、光源1がレーザであり、レーザ光が直線偏光である場合、偏光板2は、なくても良い。光源1から照射させる光の波長は、波長193nmから波長1600nmである。偏光板2、λ/2板3、λ/4板4は、それぞれ光軸A-A’を中心軸として任意の角度で回転可能となっている。レジスト7の塗布厚は、200nm以下である。また、マスク保持台9は、マスク5に対して相対的に移動可能となっている。マスク5の移動方向は、図1の紙面に対して垂直方向、紙面内で左右上下、また、A-A’軸に対する回転方向である。
【0028】
図3(a)は、マスク5のマスクパターン6が形成された面からみた上面図である。また、同図(b)は、図3(a)中、B-B’で示す位置での断面図である。なお、図3(a)に示すマスクパターン6は、一例である。マスク5の材質は、露光光15の波長に対して透明なものを用い、例えば、石英、ガラス、シリコン、水晶などを用いる。マスク5の厚さT5は、数100μm以上である。また、マスク5の幅は、ウエハ8の大きさや、露光面積などによって任意の大きさを用いることができる。マスクパターン6の材質は、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属である。マスクパターン6の厚さT6は、数nmから数100nm程度である。また、マスクパターン6の幅L6は、数nm以上であり、マスクパターン間の距離G6は、数nm以上である。また、マスクパターン6の側壁角度θは、0度よりも大きく、150度以下とする。
【0029】
次に、露光装置1000の動作について説明する。レジスト7が塗布されたウエハ8をウエハ保持台9に設置し、孔12をとおして減圧手段13によって減圧することでウエハ8をウエハ保持台9に保持する。マスク5もマスク保持台10に設置し、ウエハと同様に図示しない孔を通して減圧保持する。次に、ウエハ保持台9とマスク5の相対位置を所望の位置に移動させ固定する。次に、孔14を通して減圧手段13によって空間16を減圧することによって、マスクパターン6とレジスト7を密着させる。このとき、ウエハ保持台9を機械的にマスク5側に押し上げて、マスクパターン6とレジスト7との密着度を向上させても良い。このときの状態を図2に示す。図2の状態で、光源1内または外部に設置されたシャッターなどの光源ON-OFF手段(図示しない)によって、露光光15を照射する。露光光15の偏光状態は、偏光板2、λ/2板3、λ/4板4を適切に設置して、任意の方向の直線偏光とする。
【0030】
図4(a)は、マスクパターン6と、マスクパターン6を透過した直後の光強度を説明する図である。また、同図(b)は、図3(a)のマスクパターン6を用いて露光し、現像した後のレジストパターン17を説明する図である。図4(a)中、矢印Eで示す方向の直線偏光をマスク5およびマスクパターン6に照射すると、表面プラズモン効果によってマスクパターン6の直線偏光の偏光方向Eと垂直な端に対応する部分で近接場光が発生し、光強度が大きくなり、その値は、他の部分に比べて数倍から数1000倍だけ大きい。表面プラズモン効果によって生じる近接場光による光強度のピークにおける半値全幅Wpは、数10nmから100nm程度である。
【0031】
レジスト7の適正露光量は、光強度と露光時間の積で決まる。表面プラズモン効果によって生じる近接場光の光強度が他の部分に対して十分大きいため、適切な時間だけ露光することでレジスト7へマスクパターン6の外形のうち偏光方向Eと垂直な部分に対応したレジストパターン17を得ることができる。なお、矢印Eで示す方向の直線偏光をマスクパターン6へ入射すると、直線偏光の向きと直行するマスクパターン6の外形のみで表面プラズモン効果を得ることができるため、レジスト7がネガ型の場合、図4(b)に示すようなレジストパターン17が形成できる。表面プラズモン効果によって露光されたレジストパターン17の幅W17は、100nm以下である。なお、露光光15の光軸が、マスク5に対して略垂直な場合、表面プラズモン効果による近接場光を効率よく得るためには、図3(b)で説明した側壁角度θを0度よりも大きく、150度以下とする必要がある。図9は、図3(b)中の円Vを拡大した図であり、図9(a)は、マスクパターン6の側壁が露光光15の進行方向Zに対して逆テーパとなっている状態を示している。
【0032】
また、図9(b)は、マスクパターン6の側壁が露光光15の進行方向Zに対して順テーパーとなっている状態を示している。図3(b)で説明した側壁角度θは、図9(a)または、図9(b)のいずれかの状態を示している。側壁角度θが0度よりも大きくから90度より小さい場合が、図9(b)の状態であり、90度以上が図9(a)の状態である。図9(b)で示すようにマスクパターン6の側壁が露光光15の進行方向Zに対して順テーパーとなっている場合は、露光光15の光軸Rとマスクパターン6の側壁とがなす角度ψがいかなる角度でも、表面プラズモン効果による近接場光を効率良く得ることができる。
【0033】
また、図9(a)で示すように、マスクパターン6の側壁が露光光15の進行方向Zに対して逆テーパとなっている場合は、露光光15の光軸Rとマスクパターン6の側壁とがなす角度φが0度以上60度以下の範囲で、表面プラズモン効果による近接場光を効率良く得ることができる。したがって、露光光15の光軸が、マスク5に対して角度を有している場合でも、マスクパターン6の側壁が露光光15の進行方向Zに対して順テーパとなっているか、逆テーパの場合でも露光光15の光軸とマスクパターン6の側壁とがなす角度が0度以上60度以下であれば、表面プラズモン効果による近接場光を効率良く得ることができる。したがって、表面プラズモン効果によって効率よく近接場光を得るためには、マスクパターン6の側壁角度を上記のように制御するか、マスクパターン6の側壁角度に対応して、露光光15の光軸に角度をつければよい。
【0034】
λ/2板3、λ/4板4は、回転可能であるため、露光中にλ/2板3、λ/4板4を回転させることによって、マスクパターン6のすべての外形に直交するような偏光方向Eを有する直線偏光を順次照射することができる。このようにして露光すると、マスクパターン6の外形に対応した近接場光を順次発生させることが可能であり、レジスト7がネガ型の場合、図5に示すように、マスクパターン6の外形をレジスト7に転写することが可能である。なお、λ/2板3、λ/4板4の回転は、露光中に連続的に行う。また、任意の角度の直線偏光での露光中は、λ/2板3およびλ/4板4を停止させておく停止露光と、露光光がマスクパターン6へ照射されていない間にλ/2板3およびλ/4板4を回転させて直線偏光の偏光方向を変更する変更ステップを少なくとも一度以上繰り返すステップ露光を行っても図5に示すようなレジストパターン17を得ることができる。なお、レジスト7がポジ型の場合、図5に示すレジストパターン17の凹凸が逆になることはいうまでもない。マスクパターン6は、実際に作製したいレジストパターンとは異なる。作製したいレジストパターンが細線の場合、マスクパターン6の端を利用して露光する。また、作製したいレジストパターンが、例えば一辺数百nm以上の四角形のような大面積図形の場合、マスクパターン6は、作製したいレジストパターンに対応したグリッドパターンの集合などを利用し、マスクパターン6の端で発生する近接場光を重ね合わせて露光する。作製したいレジストパターンに対応するマスクパターン6は、コンピュータ支援設計ソフトなどによって容易に作成することができる。
【0035】
また、マスク5が、水晶をはじめとする結晶材料の場合、直線偏光を入射してもマスクパターン6に露光光が到達する間に楕円偏光や円偏光となり、表面プラズモン効果による近接場光を効率よく得ることができないことがある。そのような場合、マスクパターン6に照射される露光光15が直線偏光になるように、λ/4板4によって露光光15の偏光状態を調整することで、表面プラズモン効果による近接場光を効率よく得ることができる。
【0036】
以上説明したとおり、本発明の実施の形態1で説明した露光装置1000によれば、マスクパターン6の外形に対して直線偏光からなる露光光15を照射することによって、直線偏光の方向と直行するマスクパターンの外形のみに表面プラズモン効果によって強い近接場光を発生させることができる。したがって、容易に露光光15の波長における回折限界を超える高解像度なレジストパターンを得ることができる。また、露光中にλ/2板3およびλ/4板4を回転させることによって、露光光15の直線偏光の方向を回転させることができ、任意の角度の直線偏光に直行するマスクパターン6の外形にだけ強い強度を有する近接場光を形成することができる。したがって、任意の形状を有するマスクパターン6の外形に対応した複雑なレジストパターンを、露光光15の波長における回折限界を超える高解像度で一度に得ることができる。
【0037】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る露光装置2000を説明する図である。なお、実施の形態1と同じ構成要素には、同一符号を用い説明を省略する。露光装置2000は、露光装置1000の構成に加え、マスクパターン6とレジスト7の間に、偏光板21を挿入している。偏光板21は、偏光板保持台22によって保持されている。偏光板21は、図6中A-A’で示す軸を中心軸として回転可能となっている。偏光板保持台22とマスク保持台10、偏光板保持台22とウエハ保持台9の間には、空間19および空間18を減圧する際のリークを抑えるためのシール11が配置される。また、偏光板保持台22は、空間18と空間19とをつなぐ孔(図示しない)が形成されており、孔14からの排気によって空間18と空間19を同時に減圧することができる。偏光板21の厚さは、数μm以下であり、理想的には、100nm以下である。偏光板は、例えば、厚さ100nmから数μmの二酸化ケイ素膜に、金属スリットを形成したものや、有機物質を堆積させたものなどを使用する。
【0038】
次に、露光装置2000の動作方法について説明する。露光装置2000は、露光装置1000とほぼ同様に動作する。ただし、孔14から排気を行う前に、偏光板21が、露光光15の直線偏光を透過しない光学配置となるように偏光板保持台22を回転させる。孔14から排気を行った後の状態を図7に示す。孔14から排気を行うことによって空間18および空間19が減圧雰囲気となり、マスク5がウエハ8側に撓む。マスク5が撓むことによって、マスクパターン6は偏光板21に密着し、かつ、空間18も減圧雰囲気になっているため、偏光板21とレジスト7も密着した状態となる。
【0039】
図8は、露光装置2000において、偏光板21を透過した直後の光の強度を説明する図である。なお、偏光板21は、矢印E方向の直線偏光からなる露光光15が透過しないように配置されている。しかし、露光光15がマスクパターン6に照射されると、実施の形態1で説明したように、矢印E方向と直交するマスクパターン6の端で表面プラズモン効果によって近接場光が発生する。この近接場光の偏光状態は、必ずしも露光光15の偏光状態を保持しているわけではなく、様々な偏光状態が混在した状態となっている(デポラリゼーションという)。したがって、マスクパターン6の端で発生した近接場光のうち、偏光方向E以外の成分を持つ近接場光が偏光板21を透過する。
【0040】
一方、マスクパターン6が形成されていない部分を透過する伝搬光成分は偏光板21を透過しないため、偏光板21を透過した後の光強度分布は、マスクパターン6の端で発生した近接場光成分のみとなるため、実施の形態1で説明した露光装置よりもコントラストの良い露光成分を得ることができる。また、偏光板21を透過した光強度の半値全幅Wppは、80nm以下となる。なお、λ/2板3、λ/4板4を回転させて露光光15の直線偏光を回転させる場合、その回転量に応じて偏光板21を回転させることによって、すべての直線偏光の向きで、図8と同じ状態を作ることができる。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係る露光装置2000によれば、実施の形態1で説明した効果に加え、偏光板21を露光光15の直線偏光を透過しないような配置とすることで、レジスト7に照射される光成分をマスクパターン6の端で発生した近接場光成分とすることができるため、レジストパターンの解像度を向上させることができる。また、マスクパターン6を透過する露光光15の伝搬光成分を偏光板21でカットすることができるため、レジストパターンのコントラストを向上させることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、マスクパターンの外形に対して直線偏光からなる露光光を照射することによって、直線偏光の方向と直行するマスクパターンの外形のみに表面プラズモン効果によって強い近接場光を発生させることができる。したがって、容易に露光光の波長における回折限界を超える高解像度なレジストパターンを得ることができる。また、露光中にλ/2板およびλ/4板を回転させることによって、露光光の直線偏光の方向を回転させることができ、任意の角度の直線偏光に直行するマスクパターンの外形にだけ強い強度を有する近接場光を形成することができる。したがって、任意の形状を有するマスクパターンの外形に対応した複雑なレジストパターンを、露光光の波長における回折限界を超える高解像度で一度に得ることができる。
【0043】
また、本発明によれば、上述した効果に加え、偏光板を露光光の直線偏光を透過しないような配置とすることで、レジストに照射される光成分をマスクパターンの端で発生した近接場光成分とすることができるため、レジストパターンの解像度を向上させることができる。また、マスクパターンを透過する露光光の伝搬光成分を偏光板でカットすることができるため、レジストパターンのコントラストを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る露光装置を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る露光装置を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る露光装置で用いるマスクを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るマスクを透過した後の光強度を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る露光装置で作製したレジストパターンを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る露光装置を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る露光装置を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るマスクを透過した後の光強度を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るマスクの側壁角度を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2 偏光板
3 λ/2板
4 λ/4板
5 マスク
6 マスクパターン
7 レジスト
8 ウエハ
9 ウエハ保持台
10 マスク保持台
11 シール
12、14 孔
13 減圧装置
15 露光光
17 レジストパターン
21 偏光板
22 偏光板保持台

Claims (7)

  1. マスクパターンを用いて感光材料を露光する露光方法において、
    直線偏光からなる露光光を、金属材料で構成される前記マスクパターンに照射し、前記マスクパターンの外形のうち前記直線偏光の偏光方向と略直交する部分で発生する近接場光を利用して前記近接場光が届く位置に保持される前記感光材料を露光するものであり、
    前記直線偏光の偏光方向を前記露光光の光軸周りに回転させて露光を行い、
    前記露光光が前記マスクパターンに照射されている時間中に、前記直線偏光の偏光方向を常に回転させていることを特徴とする露光方法。
  2. 前記直線偏光の偏光方向を偏光素子を用いて回転させることを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  3. 前記マスクパターンと前記感光材料との間に、前記直線偏光の偏光方向と略垂直な透過軸を有する偏光板を挿入して露光を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の露光方法。
  4. マスクパターンを用いて感光材料を露光する露光方法において、
    直線偏光からなる露光光を、金属材料で構成される前記マスクパターンに照射し、前記マスクパターンの外形のうち前記直線偏光の偏光方向と略直交する部分で発生する近接場光を利用して前記近接場光が届く位置に保持される前記感光材料を露光するものであり、
    前記マスクパターンと前記感光材料との間に、前記直線偏光の偏光方向と略垂直な透過軸を有する偏光板を挿入して露光を行うことを特徴とする露光方法。
  5. 前記直線偏光の偏光方向を前記露光光の光軸周りに回転させて露光を行うことを特徴とする請求項記載の露光方法。
  6. 前記露光光が前記マスクパターンに照射されている時間中は、前記直線偏光の偏光方向が停止して露光する停止露光と、前記露光光が前記マスクパターンに照射されていない間に前記直線偏光の偏光方向を変更する変更ステップを有し、少なくとも一回以上は前記停止露光と前記変更ステップを繰り返すことを特徴とする請求項記載の露光方法。
  7. 前記直線偏光の偏光方向を偏光素子を用いて回転させることを特徴とする請求項からのいずれか一つに記載の露光方法。
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