JP4295945B2 - 配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システム - Google Patents

配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システムに関し、特に、配電系統において、該配電系統を構成する電気機器の永久的な故障に至る前に、該配電系統を構成する電気機器の部分的な絶縁劣化等に起因して間欠的に絶縁破壊を起こして地絡電流が流れる間欠的地絡の発生位置を標定するための配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、配電線の地絡故障には、永久完全地絡故障以外に、永久完全地絡故障の発生の前駆となる間欠的な間欠弧光地絡故障が存在している。即ち、例えば、何らかの原因により、碍子や電線の部分的な絶縁不良などにより、不完全地絡を生じて、フラッシュオーバが発生する場合がある。
かかる場合にあっては、弧光(アーク)を介して地絡することとなるが、該アーク電流は、アークの状態によって、一時的に消弧したりする。一時的に消弧した場合には、通常、再度、アークが発生することを意味しており、かかる場合にあっては、完全地絡の場合に比して、より以上に高い電圧が発生することになる可能性が高い。
【0003】
また、間欠弧光地絡現象の場合においては、間欠的な衝撃波(サージ波)が生じることになるので、もし、変圧器などの固有振動数と一致するがごとき高周波振動成分が含まれている場合であれば、共振を引き起こす恐れがある。また、電圧上昇のために、線路及び該線路に接続された機器の絶縁破壊を引き起こすこともある。
【0004】
日本の高圧配電系統の大部分は中性点非接地系統であり、たとえ、1線に地絡故障が発生したとしても、1線地絡電流の値が小さくなるので、地絡故障の発生を検出することができず、完全な地絡に至る前に、前述のごとき間欠弧光地絡現象が繰り返されることが多く見られる。而して、無停電もしくは可能な限り停電時間を短くして故障点を除去するためには、永久完全地絡故障の発生に至る前に、かかる間欠弧光地絡故障の発生地点(故障点)を早期に発見し、故障原因を除去することが必要である。
【0005】
一方、永久完全地絡が発生した場合には、変電所に設置されている観測点(即ち、電圧電流検出手段)が常時観測している零相電圧V0と零相電流I0とに基づいて、地絡の発生を検出した際に、一時的に変電所の遮断器を開放させた後、地絡点を標定するために、電源側に近い自動開閉器から順次再投入(再閉路)させていき、再度、遮断器が開放された時の自動開閉器が存在する区間のみをロックするようにして、停電区間を最小限に留める方式が一般的に採られている。
【0006】
しかしながら、間欠的な間欠弧光地絡現象が発生した場合にあっては、遮断器のトリップまでには至らない地絡現象や、遮断器のトリップ後に無電圧になるため絶縁破壊が消滅するような地絡現象が多くなるため、永久完全地絡の場合における前述のごとき方式を適用しても、間欠弧光地絡現象の発生区間の自動開閉器が再投入された際には、再閉路成功となり、再遮断されなくなる場合が多く、間欠弧光地絡区間の特定ができない状況にある。
【0007】
而して、従来より、永久完全地絡の発生に至る前に、永久完全地絡発生の前駆となるかかる間欠的地絡故障の発生を検出して、かつ、かかる間欠的地絡故障の発生区間を、容易かつ速やかに特定することが可能となる地絡区間標定方法に関して、種々の提案がなされてきている。
【0008】
例えば、特開平8−94698号公報「中性点非設置高圧配電系統における間欠弧光地絡区間標定方法及びその標定システム」においては、いわゆるサージ周波数比較法が提案されている。
本公報により提案されているサージ周波数比較法は、中性点非接地高圧配電系統に対して、適当な間隔を置いて、多数の観測点を設定し、以下の手順に従って、間欠的地絡故障発生区間を標定せんとするものである。
【0009】
即ち、まず、各前記観測点にて高周波成分を含む地絡電流を常時監視し、地絡発生に伴う高周波地絡電流が検出された際に、該検出時点において、多数の各前記観測点のうち、それぞれ隣接する2つの隣接観測点における高周波地絡電流の周波数の差分を算出する。
次いで、2つの隣接観測点における高周波地絡電流の周波数に差が存在していない区間にあっては、地絡が発生していないものと標定し、2つの隣接観測点における高周波地絡電流の周波数に差が発生している区間が検出された場合、該区間が地絡故障発生区間であると標定する。
【0010】
即ち、地絡故障発生地点から電源端側において発生するサージ即ち高周波地絡電流の周波数成分と、地絡故障発生地点から末端負荷側において発生するサージ即ち高周波地絡電流の周波数成分と、の双方の周波数の差分を利用することにより、間欠的な地絡故障発生地点を特定せんとするものである。
【0011】
また、他の従来技術としては、例えば、特開平9−101340号公報「配電系統の間欠地絡位置標定方法と絶縁劣化監視方法」において提案されているいわゆるサージ周波数分析法がある。
本技術は、地絡発生に伴うサージ即ち高周波地絡電流を、電源端において常時監視することにより、地絡故障発生を検出し、かつ、該高周波地絡電流の周波数成分を抽出することにより、該電源端から地絡発生地点までの距離を推定し、もって、地絡故障発生区間を標定せんとするものである。
【0012】
即ち、地絡故障発生時に、電源端において観測されるサージ即ち高周波地絡電流の周波数成分が、配電線の敷設条件にも依存することとなるが、地絡故障発生地点と電源端までの距離に応じて、異なることを利用しているものである。
更に説明すれば、配電系統の模擬回路を用いて、地絡故障が生じた時の共振周波数となる比較共振周波数を、地絡故障発生区間標定用として必要とする複数の地絡故障箇所に対応してそれぞれあらかじめ求めておく。一方、実際に間欠地絡故障が発生した場合、パルス状の電圧又は電流のサージ波形を電圧センサ又は電流センサによって計測して、かかる波形データをデジタル波形記録装置にデジタルデータとして記録し、該波形データを基にデジタル演算によって周波数分析を行なうことにより、実測共振周波数を求める。
而して、該実測共振周波数をあらかじめ用意されている前記比較共振周波数と比較すれば、該実測共振周波数に最も近い前記比較共振周波数を与える地絡故障位置が、実際に間欠地絡故障が発生している位置と標定することができるとするものである。
【0013】
また、更なる他の従来技術としては、例えば、サージ到達時間時間差法がある。
本技術は、地絡故障発生に伴うサージ即ち高周波地絡電流の発生を、電源端側と末端負荷側の両方で常時監視しており、地絡故障発生に伴う該サージ即ち高周波地絡電流が発生した場合、電源端側にて検出された時刻情報と、末端側にて検出された時刻情報との双方の時刻情報の差分を算出することにより、地絡故障発生地点を標定せんとするものである。
即ち、地絡故障発生時に発生するサージ即ち高周波地絡電流が、電源端に到達するまでの時間と、末端負荷側に到達するまでの時間との差から、地絡故障発生地点を特定せんとするものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来技術にあっては、配電系統において間欠的な地絡故障現象が発生した場合に、地絡故障発生区間を特定することを可能としてはいるものの、特定された地絡故障発生区間が広範囲に及ぶ結果を招き、地絡故障原因を容易にかつ早期に除去するまでには至らず、間欠的な地絡故障を除去するまでに、かなりの時間を必要としているのが実情である。
【0015】
即ち、例えば、サージ周波数比較法においては、隣接する2つの観測点における高周波地絡電流の周波数の差分を求めて、該周波数に差が発生している隣接観測点間の区間が、地絡故障発生区間であると標定するものであり、地絡故障発生地点を探索容易な狭い領域内に特定せんとする場合にあっては、観測点を、所望の狭い間隔で、多数配置することが必要となってしまい、設備投資額の増大を招来するのみでなく、山間部のごとき配電線の配置状況によっては、現実的に配置が困難になる側面を有している。
【0016】
また、サージ周波数分析法やサージ到達時間時間差法にあっては、共に、地絡故障発生地点から観測点までの距離の違いに基づいて、地絡故障発生地点を標定せんとするものであり、特に、後者の場合には、高精度の時刻同期が必須であり、更に、分岐配電線の場合における地絡故障点の特定が困難となると共に、原理的に、短い距離の違いでは周波数や到達時間の差分を摘出することは困難であり、ある程度の広い範囲までしか地絡故障発生地点を特定することはできない側面を有している。
【0017】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、永久故障の発生に至る前に、たとえ、間欠的な地絡故障の発生の場合であっても、あるいは、分岐配電線のごとき配電系統の場合であっても、地絡故障発生地点を、できる限り狭い領域内に絞りこんで特定することを可能にせんとするものである。
即ち、線路や碍子などの絶縁不良に伴う配電線の地絡故障の中には、前述のごとく、永久故障に発展する前に、地絡故障現象が短時間で消滅して遮断器のトリップまでには至らない地絡故障事象や、遮断器トリップ後に自然消滅して遮断器再閉路が成功するような間欠的な地絡故障などの前駆現象を繰り返す事象があるが、かかる前駆現象(即ち、間欠的地絡故障)の発生時であっても、地絡故障発生時において配電系統内に発生する電気現象を解析することにより、配電線の最遠の位置にある末端側の観測点における高周波成分に着目して、地絡故障発生地点の位置を、迅速に探索可能な程度の狭い範囲内に絞り込んで特定せんとすることを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システムにおいては、永久的地絡故障の前駆となる間欠的地絡故障が発生した場合に、地絡相電圧に重畳する高周波成分を多地点で観測し、該配電系統における末端側の観測点で観測された地絡相電圧の高周波成分の中で、ピーク電圧となっている周波数成分(即ち、標定基準周波数)を抽出することにより、該周波数成分の電圧レベルを各観測点毎に抽出するものである。
【0019】
而して、各観測点の位置関係と該周波数成分の各電圧レベルとから、各観測点における該周波数成分の該電圧レベルを測定点の各位置毎にプロットして、電源端側から各観測点の電圧レベルを直線近似して生成した電圧直線と末端側から各観測点の電圧レベルを直線近似して生成した電圧直線との交点を算出することにより、地絡故障発生地点(即ち、故障点)の位置を算出して、地絡故障発生地点を標定せんとするものである。
即ち、本発明に係る配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システムは、次のごとき請求項により構成されている。
【0020】
請求項1に記載の発明は、電源電圧波形に重畳されてくる高周波成分の周波数を観測することができる複数の観測点を、電力の配電を行なう配電線に配設することにより、該配電線の地絡故障発生地点を標定する配電線故障点標定方法において、前記配電線の最遠となる末端側に位置する末端観測点において観測される高周波成分の周波数のうち、電圧レベルが最大となる周波数を、標定基準周波数として抽出し、かつ、該末端観測点において観測された前記高周波成分と同時刻に各前記観測点において観測される高周波成分の中から、前記標定基準周波数に該当する周波数の電圧レベルを、各前記観測点毎に抽出し、かつ、前記配電線に対する各前記観測点の位置関係と抽出された各前記観測点毎の前記標定基準周波数における各前記電圧レベルとに基づいて、前記配電線の地絡故障発生地点を標定する配電線故障点標定方法とすることを特徴とするものである。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配電線故障点標定方法において、前記配電線に対する各前記観測点の位置関係と抽出された各前記観測点毎の前記標定基準周波数における各前記電圧レベルとに基づいて、前記配電線の地絡故障発生地点を標定する際に、各前記観測点の位置関係を示す距離をパラメータとして、前記地絡故障発生地点から前記末端観測点側となる末端側領域に存在する複数の前記各観測点における前記標定基準周波数の電圧レベルを直線近似して生成された末端側領域の電圧直線と、前記地絡故障発生地点から電源端側となる電源端側領域に存在する複数の前記観測点における前記標定基準周波数の電圧レベルを直線近似して生成された電源端側の電圧直線との、2つの電圧直線が交わる交点の位置を、前記配電線の地絡故障発生地点と特定する配電線故障点標定方法とすることを特徴とするものである。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の配電線故障点標定方法において、前記地絡故障発生地点から末端観測点側となる前記末端側領域と、前記地絡故障発生地点から電源端側となる前記電源端側領域とを識別する場合、電源端側より、各前記観測点における零相電流の周波数分布を、一つ手前の前記観測点における零相電流の周波数分布と順次比較照合していき、該零相電流の周波数分布の構成要素や電圧レベルの変化が観測される前記観測点と該観測点の一つ手前の観測点との間の区間を地絡故障発生区間と判定し、該地絡故障発生区間よりも末端観測点側となる領域を前記末端側領域と識別し、該地絡故障発生区間よりも電源端側となる領域を前記電源端側領域と識別する配電線故障点標定方法とすることを特徴とするものである。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の配電線故障点標定方法において、前記末端側領域と前記電源端側領域とにおいて、それぞれ、少なくとも2つ以上の前記観測点を任意に選定し、選定した2つ以上の各前記観測点における前記標定基準周波数の電圧レベルを抽出して、前記末端側領域の前記電圧直線と前記電源端側の前記電圧直線とを生成する配電線故障点標定方法とすることを特徴とするものである。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の配電線故障点標定方法において、前記末端側領域と前記電源端側領域とに、それぞれ2つ以上の前記観測点が存在していない場合にあっては、地絡故障発生区間の判別区域に地絡故障点があると判定する配電線故障点標定方法とすることを特徴とするものである。
【0025】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の配電線故障点標定方法において、電源電圧波形に重畳されてくる前記高周波成分の周波数から前記標定基準周波数を抽出して解析する際に、FFT解析を適用する配電線故障点標定方法とすることを特徴とするものである。
【0026】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の配電線故障点標定方法に基づいて動作する配電線の故障点標定手段を備えている配電線故障点標定システムとすることを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システムの実施形態の一例について、以下に図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る配電線故障点標定方法を適用する配電系統の一例を、観測点及び地絡故障発生地点と共に、示している配電系統構成図である。
また、図2は、図1に示す配電系統構成図の各観測点にて観測されるサージ即ち高周波成分の標定基準周波数(スペクトルレベル)における電圧レベルに関する特性を説明するための模式図である。
【0028】
図1に示すごとく、電源端Sから、配電線lにより、末端の負荷である末端負荷Tまで給電されている状態にある簡単な配電系統において、電源端S及び末端負荷T側の近傍それぞれに、地絡故障発生時におけるサージ即ち高周波成分の電圧レベルを測定することができる観測点PS及びPTを備え、更に、該配電線lの途中の適当な位置に、観測点P1,P2を敷設して、各観測点においても、地絡故障発生時におけるサージ即ち高周波成分の電圧レベルを測定することとしている。
【0029】
即ち、各観測点PS,P1,P2,PTにおいては、3相からなる配電系における各相電圧、各相電流、零相電圧、零相電流及び電柱CTからの電柱漏洩電流の計9種類の波形データを常時監視していて、地絡故障の発生に伴うサージ状の高周波成分が検出測定された場合には、GPS(Global Positioning System)により算出される高精度の時刻情報と共に保存することが可能とされている。
【0030】
なお、図1においては、配電線lの途中に敷設されている観測点がP1及びP2の2箇所のみの場合を例示しているが、本発明は、かかる場合に限るものではなく、地絡発生地点を特定するための標定精度を向上させるために、更に多数の観測点を敷設することとしても勿論構わない。
【0031】
ここに、配電線lの途中に敷設される観測点P1,P2及び末端負荷Tの観測点PTの設置間隔は、電源端Sの観測点Psから、順次、それぞれ、a1(km),a2(km),a3(km)となっているものとする。
また、ここで、間欠的な地絡故障の発生地点である地絡地点tは、観測点P1と観測点P2との間の区間に存在しているものとする。
【0032】
図2は、図1に示す地絡地点tにおいて地絡故障が発生した場合における高周波成分の電圧レベルの模様を示すものであり、図2においては、横軸に、電源端の給電位置から各観測点までの位置を示す距離を、また、縦軸には、地絡故障発生時に末端観測点PTにおいて観測された地絡相電圧に重畳された高周波成分のうち、電圧レベルが最高の値となる周波数成分である標定基準周波数と同一の周波数における各観測点の電圧レベルを示している。
【0033】
前述のごとく、地絡地点tにてかかる地絡故障が発生した場合にあっては、該配電線lに配設されている各観測点Ps,P1,P2,PTにおいて観測される電圧・電流には、地絡故障発生時のサージ状の高周波成分が重畳してくるが、かかるサージ状の高周波成分が検出された場合、サージ状の高周波成分を含む各相電圧、各相電流、零相電圧、零相電流及び電柱CTからの電柱漏洩電流の各観測波形は、各観測点Ps,P1,P2,PTにおいて時刻情報と共に一旦記憶されることになる。
【0034】
かかるサージ状の高周波成分が検出され、記憶された場合、該配電線lの配電系統にそれぞれ敷設されている各観測点Ps,P1,P2,PTからは、地絡標定演算装置FCD(Fault Calculation Device)に対して、記憶されている高周波成分を含む各観測波形が、高精度の時刻情報と共に、別途配設されている通信部と専用の通信線を介して、自動的に送信される。
【0035】
ここで、通信線を介して、かかる高周波成分を含む各観測波形が送信されてきた地絡標定演算装置FCDにおいては、まず、地絡故障が発生した配電系統である該配電線lの末端に位置している末端負荷T側近傍の末端観測点PTにおいて観測された各観測波形から、ハイパスフィルタ(HPF)を介して、低周波数成分を除去した後、各電圧波形に重畳されているサージ状の高周波成分の周波数分布を、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)により解析し、該高周波成分の各周波数スペクトラムとそれぞれの電圧レベルとを算出する。
【0036】
次に、算出された各周波数スペクトラムの中から、ピーク電圧レベルVFTを示している周波数を、地絡した配電線と同相である地絡相電圧に重畳されているサージ状の高周波成分と判定すると共に、該周波数を、地絡故障発生地点を標定するための標定基準周波数Fsとして抽出する。ここに、末端観測点PTにおいて観測された該標定基準周波数Fsは、地絡地点tにて流れる地絡電流に重畳されている高周波成分を含んでいるものであり、両者の間に相関があることが、後述するごとく、フィールド試験やシミュレーションの結果、判明している。かかる判明結果は、該標定基準周波数Fsを利用することにより、地絡故障発生地点を特定することが可能であることを示している。
【0037】
即ち、該配電線lに配設されているその他の各観測点Ps,P1,P2において、同様に、地絡した配電線と同相の地絡相電圧に重畳されているサージ状の高周波成分の周波数分布を、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)により解析し、該高周波成分の各周波数スペクトラムとそれぞれの電圧レベルとを算出し、末端観測点PTにおいて抽出されたピーク電圧レベルVFTを示す標定基準周波数Fsと同一の周波数における各観測点Ps,P1,P2それぞれの電圧レベルVFS,VF1,VF2を抽出する。
【0038】
かかる標定基準周波数FSにおける各観測点それぞれの電圧レベルの大きさVF(即ち、Ps,P1,P2,PTそれぞれにおける電圧レベルVFS,VF1,VF2,VFT)を、地絡相電圧として、比較すると、末端観測点PT及び電源端観測点PSから、それぞれ、地絡地点tに向って、距離に略比例して、徐々に、漸減していくV字型となる特性を示すことが、後述のごとく、フィールド試験及びシミュレーションの結果により、判明している。
【0039】
而して、例えば、図1に示すように、各観測点P1及びP2の間にある配電区間において、地絡故障が発生している場合にあっては、末端観測点PT及び電源端観測点PSのそれぞれの電圧レベルVFT及びVFSから、それぞれ各観測点P2及びP1の各電圧レベルVF2及びVF1に向って、図2に示すごとく、それぞれ直線LS及びLTにより直線近似して外挿することにより、直線LSと直線LTとの交点cが、略、地絡地点tを示していることになる。
【0040】
かかる漸減特性は、配電系統条件や地絡故障発生地点や地絡故障発生モード(地絡時の接地時間や地絡時の接地抵抗値など)の如何に関わらず、保持されるものであり、いかなる場合においても、定量的な地絡故障発生位置を特定することが可能であると共に、従来技術における場合よりも、遥かに狭い範囲内に、地絡故障位置を標定することが可能となる。
【0041】
更には、電源端S側近傍の電源端観測点PSと末端負荷T側近傍の末端観測点PTとの間に配設する観測点の設置個数を、地絡故障発生地点として特定すべき範囲を規定するような区間数に応じて配設する必要はなく、極端な場合にあっては、地絡故障が発生する恐れがある配電系統の区間を挟むように、その外側にそれぞれ2つの観測点さえ配置すれば(即ち、地絡故障発生地点よりも電源端側に位置する電源端側領域と地絡故障発生地点よりも末端負荷側に位置する末端側領域とに、それぞれ、2つずつの観測点さえ配置すれば)、電源端観測点PSと末端観測点PTとからそれぞれの観測点までを直線近似するV字型の電圧直線を得ることが可能となる。もって、かかる直線近似された2つの電圧直線の交点を求めることにより、地絡故障発生地点を特定することが可能であり、観測点の設置コストを大幅に削減することが可能となる。
【0042】
即ち、本発明に係る配電線故障点標定方法においては、少なくとも、地絡故障発生地点に対して、電源端S側の電源端側領域及び末端負荷T側の末端側領域のそれぞれにおいて、各2つ以上の観測点が存在している限り、地絡故障発生地点を精度良く特定することが可能な「地絡故障距離標定区域」とすることができる。
【0043】
一方、地絡故障発生地点に対して、電源端S側の電源端側領域及び末端負荷T側の末端側領域のそれぞれに2つ以上の観測点が存在しない場合にあっては、地絡故障の発生地点が存在している区間として判別することが可能な「地絡故障区間判定区域」とすることができる。
【0044】
即ち、「地絡故障距離標定区域」以外の「地絡故障区間判定区域」の区域にあっては、図2に示すごとき地絡故障点に対する電源端S側及び末端負荷T側の地絡相電圧スペクトルレベルに関する各測定点毎の傾斜電圧直線LS及びLTを得ることができないため、従来技術と同様に、本発明に係る配電線故障点標定方法においては、零相電流による地絡故障発生地点の区間の判定のみを行なうこととなる。
【0045】
次に、配電系統における地絡故障発生地点を標定する際の地絡故障点標定手順について、図3を用いて、更に説明する。
ここに、図3は、本発明に係る配電線故障点標定方法における地絡故障発生地点を標定するための基本的な標定手順の流れを示すフローチャートである。
【0046】
図3において、まず、配電系統における地絡故障が発生している故障発生区間を仮に判定する(ステップS1)。
即ち、ステップS1においては、各観測点における零相電流I0を、あらかじめ定められた時間と電流レベルとに基づいて検出した後、各観測点における零相電流I0の高周波成分に対して、故障開始ポイントから任意の時間分だけFFT解析を行なう。ここで、FFT解析の窓関数は、例えば、2ms(50kHzサンプリングの場合で、100ポイント)とする。
【0047】
更に、電源端側より、各観測点毎の零相電流I0の周波数分布を順次比較していき、零相電流I0の周波数分布の構成要素(即ち、周波数成分)や電圧レベルの変化が観測される観測点の手前(即ち、電源端側)の区間を地絡故障発生区間として判定する。而して、地絡故障発生地点が存在していると判定された地絡故障発生区間よりも末端観測点側となる末端側領域と、地絡故障発生区間よりも電源端観測点側となる電源端側領域との2つの領域に、配電線の各観測点を2分する。
【0048】
かかる地絡故障発生区間において、前記電源端側領域及び前記末端側領域にそれぞれ2つ以上の観測点が存在していない場合にあっては(ステップS2のNO)、地絡故障点の距離を標定することができず、地絡故障発生区間の判別区域に地絡故障点があるとする区間判定即ち「地絡故障区間判定区域」の判定のみとする(ステップS8)。
【0049】
一方、ステップS2において、前記電源端側領域及び前記末端側領域にそれぞれ2つ以上の観測点が存在していると判定された場合(ステップS2のYES)、標定基準周波数FSを選定する(ステップS3)。
ステップS3においては、まず、零相電流I0より判定された地絡故障発生区間がある配電線l上で、地絡故障発生区間よりも末端側の領域である末端側領域にあって、かつ、最も遠方に存在している末端観測点を選定して、選定された末端観測点の3相電圧波形を、例えば、200Hzを遮断周波数とするハイパスフィルタにより、フィルタ処理して、交流電源周波数の50Hz成分を、3次高調波成分まで含めて除去する。
【0050】
更に、地絡故障時間が短い間欠的な地絡現象が発生していた場合にあっては、波形観測のみでは、地絡相の判別が困難であるため、交流電源周波数の低周波成分を除去した3相分の電圧波形を、故障開始ポイントから任意の時間だけFFT解析する。而して、各相において、電圧レベルが最大となっている周波数を、暫定標定基準周波数FS′として選定する。
【0051】
次に、各観測点における相電圧スペクトルレベルを算出する(ステップS4)。即ち、零相電流I0の様相が異なる観測点の区間として特定された地絡故障発生区間の前後(即ち、前記電源端側領域及び前記末端側領域の双方)に、それぞれ、少なくとも2つ以上の観測点(合計4つ以上の観測点)を選定した後、選定された各観測点における3相の電圧波形を、末端観測点の場合と同様に、例えば、200Hzを遮断周波数とするハイパスフィルタにより、フィルタ処理して、交流電源周波数の50Hz成分を、3次高調波成分まで含めて除去する。
【0052】
更に、交流電源周波数の低周波成分を除去した3相分の電圧波形に関して、該電圧波形と同時に収集されている時刻情報により、末端観測点の時刻と同一時刻に、各観測点の電圧波形の同期合わせをした後、故障開始ポイントから任意の時間だけFFT解析し、暫定標定基準周波数FS′における相電圧スペクトルレベルを抽出する。
【0053】
次に、ステップS4において抽出された各観測点の相電圧スペクトルレベルに基づいて、横軸に、選定された各観測点の位置を示す距離を、縦軸に、各観測点毎の相電圧スペクトルレベルを示す特性グラフを、各相毎に作成する(ステップS5)。
【0054】
更に、3相の各相毎に特性グラフとして作成されている3つの特性グラフの中から、前記地絡故障発生区間に向って、相電圧スペクトルレベルが低下している傾向を示す特性グラフの相を、地絡配電線と同相にある地絡相と判別し、該地絡相の暫定標定基準周波数FS′を、地絡電流と同相にある標定基準周波数FSと認定すると共に、該相電圧スペクトルレベルを、地絡故障発生地点を特定するための地絡相電圧VFと認定する(ステップS6)。
【0055】
而して、ステップS6で判別された地絡相に関する特性グラフに基づいて、地絡故障発生区間よりも電源端側の前記電源端側領域にある2つ以上の観測点と、末端観測点側の前記末端側領域にある2つ以上の観測点における、各相電圧スペクトルレベル即ち地絡相電圧VFの値を、それぞれ、直線近似して得られた2つの電圧直線(前記電源端側領域の電圧直線と前記末端側領域の電圧直線)の交点を算出する。算出された交点を地絡故障発生地点の標定距離として標定する(ステップS7)。
【0056】
かかる手順により、前記電源端側領域及び前記末端側領域のそれぞれの領域において、少なくとも2つ以上の観測点が存在している限り、地絡故障発生区間よりも遙かに狭い範囲となる地絡故障発生地点の位置(距離)を、略正確に特定することが可能となる。
【0057】
なお、地絡相電圧に重畳されている高周波成分を解析するFFT解析の解析範囲については、地絡時間が数ms程度と短い範囲の場合には、地絡時間以内のFFT解析範囲であれば、充分、地絡相の高周波成分を抽出することが可能であり、電源端から最遠端となる末端側の観測点における各高周波成分のうち、ピーク電圧を有する高周波成分を標定基準周波数FSとして特定することができる。一方、地絡時間よりも長いFFT解析範囲とした場合、地絡終了時の影響が大きくなり、標定基準周波数FSの特定が困難になる。而して、FFTの解析範囲は、標定基準周波数FSが抽出可能な最小範囲である数ms程度とすることが望ましい。
【0058】
次に、本発明に係る配電線故障点標定方法に関するフィールド試験を実施する評価結果について、図4乃至図10を用いて説明する。
ここに、図4は、本フィールド試験における配電線故障点標定システムの構成の実施例を示すシステム構成図であり、図5は、本発明に係る配電線故障点標定システムの構成の他の例を示すシステム構成図であり、図6は、図4に示す配電線故障点標定システムにおける配電線路をモデル化して示している概念図である。
なお、図4においては、地絡故障点を標定するための演算を行なう地絡標定演算装置FCD 40を、営業所10a内に設置されている親装置30とは別に設置する例を示しているが、図5においては、地絡故障点を標定する演算も営業所10a内に設置されている親装置30により行なうことを可能とし、地絡標定演算装置(FCD)を別に設置することを不要とする例を示している。
【0059】
図4又は図5に示すごとく、変電所10の配電CB(Circuit Breaker)11からの配電線lには、適当な間隔をおいて、地絡故障を検出するための観測端末装置ID1 21,ID2 22,…,ID5 25が接続されていて、配電線lに発生する地絡故障発生時の電圧・電流の波形観測が行なわれるように構成されている。一方、変電所10を管轄する営業所10aの事務所内には、各観測端末装置ID1 21,ID2 22,…,ID5 25から、専用の通信線30aを介して、送信されてくる地絡故障発生時の電圧・電流の波形データを収集して、図4においては、地絡標定演算装置FCD 40に送信するための親装置30が、一方、図5においては、地絡故障点を標定する機能までも有している親装置30が、設置されている。なお、図4及び図5に示す親装置30は、前記通信線30aを介して、各観測端末装置ID1 21,ID2 22,…,ID5 25の制御も司っている。
【0060】
また、図4に示すように、親装置30と遠隔地に設置された地絡標定演算装置FCD 40との間は、本フィールド試験の実施例においては、PHS回線を介した無線回線で相互接続されており、地絡標定演算装置FCD 40は、親装置30の監視制御を行なったり、あるいは、親装置30にて収集された波形データを地絡標定演算装置FCD 40に送信させたりしている。
【0061】
ここで、該フィールド試験における配電線lをモデル化して示すと、図6に示す通りであり、観測端末装置ID1 21,ID2 22,ID3 23は、変電所10の配電CB11から、それぞれ、0.23km、4.37km、5.96kmの位置に観測点として配設されており、更に、観測端末装置ID3 23の先の配電CB11から6.34km離れた位置で、2つの配電線に分岐されて、一方の分岐配電線l1には、分岐位置から0.56km離れて、観測端末装置ID4 24が配置され、他方の分岐配電線l2には、分岐位置から6.58km離れて、観測端末装置ID5 25が配置されている。
即ち、本フィールド試験における配電系統においては、前述した図1における電源端側近傍に配置した電源端観測点PSは、観測端末装置ID1 21に相当し、一方、最遠の末端負荷T側近傍に配置した末端観測点PTは、観測端末装置ID5 25に相当している。
【0062】
また、地絡地点tは、観測端末装置ID2 22と観測端末装置ID3 23との配線区間の間に存在しているものとし、模擬接地装置を用いて、該地絡地点tにおいて擬似的に地絡故障を発生させている。ここで、該模擬接地装置は、接地時間と接地抵抗とを制御可能とするものであり、任意に設定することができる所定の時間の間、所定の接地抵抗を介して、擬似的に接地することにより、地絡故障を発生させることが可能なものである。もって、かかる各種の擬似的地絡故障発生時における地絡地点tの標定結果を評価試験している。
【0063】
また、観測端末装置ID1 21,ID2 22,…,ID5 25は、すべて同一の構成からなっており、例えば、図7に示すごとき構成からなっている。
ここに、図7は、観測端末装置の構成の一例を示すブロック構成図である。
図7に示すごとく、観測端末装置IDi 2i(i=1乃至5)は、いずれも、AC100V又はバッテリにより給電される電源基板7により動作するものであり、故障区間表示機能付き開閉器FTAS2からの3つの各相電圧及び電流,零相電圧及び零相電流更には電柱CT3からの電柱漏洩電流の計9種類の波形データをサンプリング周波数50kHzで常時観測し、トランス基板4を介して、計測基板5に搭載されている信号処理装置DSPj(j=1乃至3)の制御により信号処理されて、メモリに一旦格納される。
【0064】
また、GPSアンテナ1を介して、GPS衛星からの高精度(誤差10μs以内)の時刻情報が、GPSレシーバ1aにて受信されて、計測基板5内の時刻制御部に供給されており、観測された波形データと共に、該時刻情報がメモリに格納されている。
而して、各観測端末装置ID1 21,ID2 22,…,ID5 25でそれぞれ観測された波形データに関する時刻同期を確保するようにしている。
【0065】
また、計測基板5内のメモリには、配電線lの地絡故障が発生した際に、観測された波形データを、それぞれ数十秒(例えば10〜30秒)間保存させることができる。
一方、メモリに格納された観測波形データは、通信基板6に搭載されているCPUの制御に基づいて、自動的に取り出されて、データ信号に変換されて、通信線30aを介して、図4又は図5に示す営業所10a内に設置されている親装置30に送信される。
ここで、親装置30においては、図4にあっては、受信されたデータ信号を地絡故障点を標定するための演算を行なう地絡標定演算装置FCD 40に送信し、該地絡標定演算装置FCD 40にて地絡故障点の位置を標定するが、図5にあっては、当該親装置30自身にて地絡故障点を標定する演算を行ない、地絡故障点の位置を標定する。
【0066】
更には、図5に示す配電線故障点標定システムの場合にあっては、親装置30と各観測端末装置IDi 2i(i=1乃至5)との効率的な伝送方式を確立するために、図7に示す観測端末装置IDi 2iと図5に示す親装置30との機能配備を以下に示すごとく配分することにより、地絡故障点が標定される配電線故障点標定システムを構成することも可能である。
即ち、地絡故障の発生が検出されたことを示す観測端末装置IDi 2i(i=1乃至5のいずれか)からの地絡故障検出情報(GPSシステムによる高精度の時刻情報が付加されている)を受信した親装置30は、直ちに、全ての観測端末装置IDi 2i(i=1乃至5のすべて)に対して、各観測端末装置IDi2iに備えられているメモリの上書きを禁止することを指示するメモリロック指令を送信する。
該メモリロック指令を受信した各観測端末装置IDi 2iは、それぞれに備えられている前記メモリの上書きを禁止すると共に、メモリロック状態にされた前記メモリに保存されている各波形に対して、交流電源周波数(50Hz)及びその高調波成分からなる周波数成分を除去するフィルタリング処理を施した後、FFT解析処理を施す。
【0067】
親装置30は、全観測端末装置IDi 2iに零相電流解析要求を行ない、全観測端末装置IDi 2iから受信したそれぞれの零相電流解析結果に基づいて、故障区間を判定し、標定基準周波数を選定する観測端末装置IDi 2iに対して、各相電圧解析結果(標定基準周波数)の要求を行なう。
該各相電圧解析結果(標定基準周波数)の要求を受信した観測端末装置IDi2iは、各相電圧波形をフィルタリング処理及びFFT解析処理した解析結果から、標定基準周波数を親装置30に返送する。
【0068】
各相電圧波形の解析結果(標定基準周波数)を受信した親装置30は、故障区間を含む電源端側と末端側との各観測端末装置IDi 2iに対して、それぞれ各相電圧解析結果(標定基準周波数の電圧レベル)の要求を行なう。
該各相電圧解析結果(標定基準周波数の電圧レベル)の要求を受信した各観測端末装置IDi 2iは、各相電圧波形をフィルタリング処理及びFFT解析処理した解析結果から標定基準周波数の電圧レベルを親装置30に返送する。
而して、親装置30においては、返送されてきた各相電圧波形の解析結果(標定基準周波数の電圧レベル)に基づいて、地絡故障点を算出し、標定することができる。
【0069】
かかる構成において、地絡抵抗を0オーム、地絡時間を10ms、サンプリング周波数50kHzとした観測条件で、重畳されてくるサージの高周波成分を観測し、FFT解析した結果を図8及び図9に示す。
ここに、図8は、末端負荷T側近傍にある末端観測点PTである観測端末装置ID5 25における地絡相電圧波形から電源周波数成分50Hzを除去した後の地絡相の電圧波形を示す電圧波形図であり、図9は、図8の地絡相の電圧波形に関するFFT周波数解析結果である電圧スペクトル分布を示すスペクトル分布図である。
【0070】
図8に示すように、故障発生時の電気現象として、擬似的に地絡故障を発生せしめると、観測端末装置ID5 25における地絡相電圧に高周波成分が重畳されることになり、図示していないが、該配電系統に配置されている観測端末装置ID1 21,ID2 22,ID3 23,ID4 24の各観測点にも、同様に高周波成分が重畳されている状態になる。
【0071】
また、図9に示すように、観測端末装置ID5 25における地絡相電圧に重畳されている高周波成分のFFT解析の結果、最も電圧レベルが高い値を示す標定基準周波数Fsは、1,171Hzであり、電圧値は、約279Vであった。
【0072】
標定基準周波数Fsとした算出された1,171Hzにおける観測端末装置ID1 21,ID2 22,ID3 23,ID4 24の各観測点の地絡相電圧の電圧レベルをそれぞれ算出して、地絡故障発生地点からの相対距離をパラメータとしてプロットすると、図10のごとき地絡相電圧VFがプロットされる。
【0073】
ここに、図10は、地絡故障発生地点からの位置をパラメータとして各観測点における標定基準周波数Fsの地絡相電圧VFの実測電圧レベルを示す模式図である。
図10に示すように、各観測点における標定基準周波数の地絡相電圧VFの電圧レベルは、地絡故障発生地点に向って漸減していく傾向を示している。即ち、前述の図2と全く同様に、標定基準周波数Fsの地絡相電圧VFの電圧レベルは、V字形特性を有する様相を呈しており、電源端側と末端負荷側との2つの電圧直線の交点即ちV字の尖端部が、地絡故障発生地点の位置と、略一致していることが確認できた。
【0074】
また、図示していないが、地絡抵抗を200オーム、地絡時間を10ms、サンプリング周波数50kHzとした場合、地絡抵抗を200オーム、地絡時間を50ms、サンプリング周波数50kHzとした場合、あるいは、地絡抵抗を300オーム、地絡時間を50ms、サンプリング周波数50kHzとした場合など、地絡抵抗の値を変化させた場合であっても、あるいは、地絡時間を変化させた場合であっても、観測端末装置ID5 25における地絡相電圧波形から算出される標定基準周波数Fsが、前述の図8の場合とは異なり、いずれも、約1,025Hzの近辺の値となるものの、前記図10に示す場合と同様に、各観測点における標定基準周波数Fsの約1,025Hzの地絡相電圧VFの電圧レベルは、地絡故障発生地点に向って漸減していくV字型傾向を示し、かつ、前記図10に示す場合と略同一の位置が、地絡故障発生地点として特定されている結果が得られている。
【0075】
即ち、本発明に係る配電線故障点標定方法によれば、地絡時間や地絡抵抗などの地絡条件の相違には依存することなく、地絡故障発生地点を略正しく特定していることを確認することができた。また、分岐配電線などの配電系統を変化させた場合であっても、略同様の結果が得られており、配電系統にも依存することなく、略正確に、地絡故障発生地点を特定することができた。
【0076】
次に、図6に示す配電系統モデルを用いて、地絡時間や地絡抵抗などの地絡現象をモデル化して、電磁過渡現象解析プログラムEMTPによってシミュレーションした場合の評価結果について、図8乃至図10に示すフィールド試験結果と対比させた形で、以下に説明する。
【0077】
ここに、図11は、EMTPによるシミュレーションの際に用いた配電系統のモデルを示す模式図であり、図6に示すフィールド試験のモデルと略同一の配電系統モデル図となっている。即ち、各観測点を構成する観測端末装置ID1 21,ID2 22,ID3 23は、変電所10の配電CB11から、それぞれ、0.23km、4.37km、5.96kmの位置に観測点として配設されており、更に、観測端末装置ID3 23の先の配電CB11から6.34km離れた位置で、2つに分岐されて、一方の分岐配電線l1には、分岐位置から0.56km離れて、他の観測点を構成する観測端末装置ID4 24が配置され、他方の分岐配電線l2には、分岐位置から6.58km離れて、もう一つの観測点を構成する観測端末装置ID5 25が配置されている。
【0078】
即ち、本フィールド試験における配電系統においては、前述した図1における電源端側近傍に配置した電源端観測点PSは、観測端末装置ID1 21に相当し、一方、最遠の末端負荷T側近傍に配置した末端観測点PTは、観測端末装置ID5 25に相当している。
【0079】
また、地絡地点tは、観測端末装置ID2 22と観測端末装置ID3 23との配線区間の間に存在しているものとし、地絡抵抗Rgを介して高速スイッチングSwにより、間欠アーク地絡を擬似的に発生させている。
【0080】
また、図8及び図9に示すフィールド試験に対応させて、同じ地絡条件、例えば、地絡抵抗を0オーム、地絡時間を10ms、サンプリング周波数50kHzとした条件下における地絡電流の電流波形と、末端観測点である観測端末装置ID5 25の地絡相電圧の電圧波形、及び、地絡電流の周波数スペクトル分布と、観測端末装置ID5 25の地絡相電圧の周波数スペクトル分布とを、シミュレーションした結果を、それぞれ、図12及び図13に示している。
【0081】
ここで、図12は、地絡電流の電流波形と観測端末装置ID5 25の地絡相電圧の電圧波形とを示す模式図であり、図12(A)には、地絡電流の電流波形を示し、図12(B)には、観測端末装置ID5 25の地絡相電圧の電圧波形を示している。
図12(A)及び(B)にそれぞれ示すように、地絡発生時においては、地絡電流にも、また、末端側の観測端末装置ID5 25の地絡相電圧にも、共に、類似した高周波成分が重畳していて、末端側の観測端末装置ID5 25にて観測される地絡相電圧は、故障発生地点を流れる地絡電流と何らかの相関関係を有していることが判る。
【0082】
また、図13は、図12に示す各電流・電圧波形に関してFFT解析を施した結果を示すものであり、地絡電流の周波数スペクトル分布と観測端末装置ID525の地絡相電圧の周波数スペクトル分布とをそれぞれ示す模式図であり、図13(A)には、地絡電流の周波数スペクトル分布を示し、図13(B)には、観測端末装置ID5 25の地絡相電圧の周波数スペクトル分布を示している。
【0083】
図13(A)及び(B)に示すごとく、地絡電流に重畳している高周波成分のうちピーク電流値を示す周波数Fiと、末端側の観測点である観測端末装置ID5 25の地絡相電圧に重畳している高周波成分のうちピーク電圧値を示す周波数即ち標定基準周波数FSとのそれぞれの周波数は、全く同じ値の1,758Hzであり、両者の間には、明らかな相関があることを示している。
【0084】
また、図13に示す周波数分布と図9に示すフィールド試験における周波数分布とは、標定基準周波数FSの値に若干の相違はあるものの、略同じ分布を示しており、本シミュレーションの正当性が証明されている。
【0085】
更に、本EMTPによるシミュレーション結果として、標定基準周波数FSにおける各観測点の地絡相電圧VFの電圧レベルと地絡故障発生地点との関係を算出すると、図14に示すごとく、フィールド試験結果である図10の場合と略同じ結果が得られる。
ここに、図14は、地絡故障発生地点からの各観測点の位置をパラメータとして、各観測点における標定基準周波数の地絡相電圧の電圧レベルに関するシミュレーション結果を示す模式図である。
図14に示すごとく、シミュレーション結果においても、図10と同様に、各観測点における地絡相電圧に重畳している標定基準周波数FSの電圧レベル即ち地絡相電圧VFは、電源端側にある電源端側領域の各観測点、末端負荷側にある末端側領域の各観測点の双方において、共に、地絡故障発生点(故障点)に向って漸減するV字型の特性を示す傾向を有している。
【0086】
即ち、図14に示すシミュレーション結果における地絡故障発生地点から観測点までの距離と該観測点における標定基準周波数FSの電圧レベルVFとは、図10に示すフィールド試験の場合と同様に、略比例する関係にあることを示している。而して、電源端側領域の各観測点における前記電圧レベルVFを直線近似して生成された電圧直線と末端側領域各観測点における前記電圧レベルVFを直線近似して生成された電圧直線との交点を、地絡故障発生地点と特定することができることを示している。
【0087】
なお、各種の条件を変化させた場合のシミュレーション結果としては、図示していないが、分岐やフィーダの有無などの配電系統の条件変更や故障発生個所、地絡故障条件(地絡抵抗や地絡時間など)の変更あるいは負荷側の条件(負荷種別や数量や接続形態など)の変更によって、高周波成分のスペクトル分布は変化することになるが、地絡故障の発生地点を示す地絡地点tに向って、標定基準周波数Fsの地絡相電圧VFが漸減するV字型の特性を示す点に関しては、何ら変わることなく、保持される特性を示している。
もって、地絡故障発生時の電気現象のうち、標定基準周波数FSの電圧レベル即ち地絡相電圧VFに着目することにより、地絡故障発生地点に関する定量的な位置関係の標定が可能であることを、シミュレーション結果及びフィールド試験結果の双方から、確認することができた。
【0088】
【発明の効果】
本発明に係る配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システムによれば、地絡故障発生位置の特定のために必要とする観測点として、地絡故障発生地点よりも電源側と地絡故障発生地点よりも末端側とのそれぞれに、少なくとも2つの観測点さえ存在していれば、永久地絡故障に至る前に、間欠的な地絡故障発生地点の位置を、早急に探索可能なより狭い範囲内に限定することができる。
【0089】
而して、かかる地絡故障発生地点に存在している碍子や線路の状態を点検すれば良いので、間欠的な地絡故障であっても、地絡故障発生原因を、容易に、かつ、迅速に発見することが可能であるため、作業員の労力も大幅に軽減することができる。
従って、地絡故障の再発防止対策を迅速に講じることにより、永久地絡故障を未然に防ぐことができるため、顧客サービスの一層の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る配電線故障点標定方法を適用する配電系統の一例を、観測点及び地絡故障発生地点と共に、示している配電系統構成図である。
【図2】 図1に示す配電系統構成図の各観測点にて観測されるサージ即ち高周波成分の標定基準周波数における電圧レベルに関する特性を説明するための模式図である。
【図3】 本発明に係る配電線故障点標定方法における地絡故障発生地点を標定するための基本的な標定手順の流れを示すフローチャートである。
【図4】 本フィールド試験における配電線故障点標定システムの構成の実施例を示すシステム構成図である。
【図5】 本発明に係る配電線故障点標定システムの構成の他の例を示すシステム構成図である。
【図6】 図4に示す配電線故障点標定システムにおける配電線路をモデル化して示している概念図である。
【図7】 観測端末装置の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図8】 末端観測点である観測端末装置における地絡相電圧波形から電源周波数成分50Hzを除去した後の地絡相の電圧波形を示す電圧波形図である。
【図9】 図8の地絡相の電圧波形に関するFFT周波数解析結果である電圧スペクトル分布を示すスペクトル分布図である。
【図10】 地絡故障発生地点からの位置をパラメータとして各観測点における標定基準周波数の地絡相電圧の実測電圧レベルを示す模式図である。
【図11】 EMTPによるシミュレーションの際に用いた配電系統のモデルを示す模式図である。
【図12】 地絡電流の電流波形と観測端末装置ID5 25の地絡相電圧の電圧波形とを示す模式図である。
【図13】 地絡電流の周波数スペクトル分布と観測端末装置ID5 25の地絡相電圧の周波数スペクトル分布とをそれぞれ示す模式図である。
【図14】 地絡故障発生地点からの各観測点の位置をパラメータとして、各観測点における標定基準周波数の地絡相電圧の電圧レベルに関するシミュレーション結果を示す模式図である。
【符号の説明】
1…GPSアンテナ、1a…GPSレシーバ、2…故障区間表示機能付き開閉器FTAS、3…電柱CT、4…トランス基板、5…計測基板、6…通信基板、7…電源基板、10…変電所、10a…営業所、11…配電CB、21…観測端末装置ID1、22…観測端末装置ID2、23…観測端末装置ID3、24…観測端末装置ID4、25…観測端末装置ID5、30…親装置、30a…通信線、40…地絡標定演算装置、Fi…ピーク電流値を示す周波数、FS…標定基準周波数、FS′…暫定標定基準周波数、l…配電線、l1,l2…分岐配電線、LS,LT…直線、PS,P1,P2,PT…観測点、Rg…地絡抵抗、S…電源端、Sw…高速スイッチング、T…末端負荷、VF…地絡相電圧、VF1,VF2,VFS…電圧レベル、VFT…ピーク電圧レベル、t…地絡地点。

Claims (7)

  1. 電源電圧波形に重畳されてくる高周波成分の周波数を観測することができる複数の観測点を、電力の配電を行なう配電線に配設することにより、該配電線の地絡故障発生地点を標定する配電線故障点標定方法において、前記配電線の最遠となる末端側に位置する末端観測点において観測される高周波成分の周波数のうち、電圧レベルが最大となる周波数を、標定基準周波数として抽出し、かつ、該末端観測点において観測された前記高周波成分と同時刻に各前記観測点において観測される高周波成分の中から、前記標定基準周波数に該当する周波数の電圧レベルを、各前記観測点毎に抽出し、かつ、前記配電線に対する各前記観測点の位置関係と抽出された各前記観測点毎の前記標定基準周波数における各前記電圧レベルとに基づいて、前記配電線の地絡故障発生地点を標定することを特徴とする配電線故障点標定方法。
  2. 請求項1に記載の配電線故障点標定方法において、前記配電線に対する各前記観測点の位置関係と抽出された各前記観測点毎の前記標定基準周波数における各前記電圧レベルとに基づいて、前記配電線の地絡故障発生地点を標定する際に、各前記観測点の位置関係を示す距離をパラメータとして、前記地絡故障発生地点から前記末端観測点側となる末端側領域に存在する複数の前記各観測点における前記標定基準周波数の電圧レベルを直線近似して生成された末端側領域の電圧直線と、前記地絡故障発生地点から電源端側となる電源端側領域に存在する複数の前記観測点における前記標定基準周波数の電圧レベルを直線近似して生成された電源端側の電圧直線との、2つの電圧直線が交わる交点の位置を、前記配電線の地絡故障発生地点と特定することを特徴とする配電線故障点標定方法。
  3. 請求項2に記載の配電線故障点標定方法において、前記地絡故障発生地点から末端観測点側となる前記末端側領域と、前記地絡故障発生地点から電源端側となる前記電源端側領域とを識別する場合、電源端側より、各前記観測点における零相電流の周波数分布を、一つ手前の前記観測点における零相電流の周波数分布と順次比較照合していき、該零相電流の周波数分布の構成要素や電圧レベルの変化が観測される前記観測点と該観測点の一つ手前の観測点との間の区間を地絡故障発生区間と判定し、該地絡故障発生区間よりも末端観測点側となる領域を前記末端側領域と識別し、該地絡故障発生区間よりも電源端側となる領域を前記電源端側領域と識別することを特徴とする配電線故障点標定方法。
  4. 請求項2又は3に記載の配電線故障点標定方法において、前記末端側領域と前記電源端側領域とにおいて、それぞれ、少なくとも2つ以上の前記観測点を任意に選定し、選定した2つ以上の各前記観測点における前記標定基準周波数の電圧レベルを抽出して、前記末端側領域の前記電圧直線と前記電源端側の前記電圧直線とを生成することを特徴とする配電線故障点標定方法。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載の配電線故障点標定方法において、前記末端側領域と前記電源端側領域とに、それぞれ2つ以上の前記観測点が存在していない場合にあっては、地絡故障発生区間の判別区域に地絡故障点があると判定することを特徴とする配電線故障点標定方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の配電線故障点標定方法において、電源電圧波形に重畳されてくる前記高周波成分の周波数から前記標定基準周波数を抽出して解析する際に、FFT解析を適用することを特徴とする配電線故障点標定方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の配電線故障点標定方法に基づいて動作する配電線の故障点標定手段を備えていることを特徴とする配電線故障点標定システム。
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