JP4295743B2 - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、加工速度の向上を図ることが可能なレーザ加工装置及び加工方法を提供することである。
加工対象物を保持するステージと、前記マスクの透過領域を透過したレーザビームを、前記ステージに保持された加工対象物の表面上に集束させるレンズと、前記レーザ光源と前記走査器との間に配置されており、前記マスクが配置された位置におけるビーム断面内の光強度分布を均一に近づけ、かつ該マスクが配置された位置におけるビームスポットが、前記マスクに設けられた透過領域の各々を内包する大きさになるようにビーム断面を整形する均一化光学系とを有するレーザ加工装置を用い、前記走査器によって走査されたレーザビームが、前記マスクに設けられた透過領域のうち1つの透過領域を透過するように該走査器の反射鏡の姿勢を制御するとともに、該反射鏡の姿勢が許容範囲内に収まると、該反射鏡の姿勢が安定状態に達するまでの待ち時間を待たずに、前記レーザ光源からレーザビームを出射させるレーザ加工方法が提供される。
レーザ光源1がパルスレーザビームを出射する。レーザ光源1は、例えばCO2ガスレーザ発振器であり、赤外領域のレーザビームを出射する。なお、レーザ光源1として、Nd:YAGレーザの高調波を出射するレーザ光源等を用いてもよい。レーザ光源1は、制御装置15により制御される。
集束レンズ7によって集束されたレーザビームの経路を横切るようにマスク8が配置されている。マスク8は、レーザビームを遮光する遮光領域内に、レーザビームを透過させる複数の透過領域8Aが分布した板状構造物である。CO2レーザを用いる場合、遮光領域は、例えばベリリウム板、ベリリウム銅合金板、ステンレス板等で形成され、透過領域8Aは貫通孔により構成される。マスク8の配置された位置におけるレーザビームのビームスポット内に1つの透過領域8Aが内包され、透過領域8Aの各々はその位置におけるビームスポットより小さい。
透過領域8Aを透過したレーザビームが、集束レンズ9で集束され、ステージ10の上に保持された加工対象物20に入射する。レーザビームの入射した位置に穴が形成される。
0≦L≦a1−r −(1)
図3(C)に示すように、透過領域8AがビームスポットB1に内包されないような場合は加工不良が生じる。このときのずれ量Lは以下の式を満足している。
a1−r<L −(2)
次に、第1の実施例について説明する。図3(A)に示すように、ビームスポットB2の中心と透過領域8Aの中心が一致している場合、良好な加工が行える。また、図3(B)に示すように、透過領域8AがビームスポットB2に内包されている状態であれば、良好な加工が行える。さらに、ビームスポットB2のスポット半径a2はビームスポットB1のスポット半径a1よりも大きいため、図3(C)に示すように、従来例では透過領域8AがビームスポットB1から外れており良好な加工が行えないが、第1の実施例ではビームスポットB2に透過領域が内包されており、良好な加工が行える状態がある。このような状態はずれ量Lが以下の式を満足する場合である。
a1−r<L≦a2−r −(3)
このように、第1の実施例では、均一化光学系2によりレーザビームのビームスポットサイズが従来よりも大きくなり、スポットサイズの拡大した分だけ良好な加工が行える許容範囲が大きくなった。
次に、図4を参照して、実施例によるレーザ加工方法について、従来の加工方法と比較しながら説明する。
まず、反射鏡が角度の変位量P0の姿勢から角度の変位量P1の姿勢に近づいてくる。時刻t0において反射鏡の姿勢が許容範囲A1に入る。反射鏡は慣性等の原因で時刻t1において許容範囲A1から外れてしまう。図4の領域Xで示される期間、すなわちt1からt2の間、反射鏡は許容範囲A1を外れている。時刻t2になり、反射鏡は再び許容範囲A1に入り、時刻t2以降、許容範囲A1に収まっている。
ビームスポットのずれが許容値a2−r以下の状態が、許容範囲A2に対応する。図4の上から2段目に、反射鏡が許容範囲A2に入ったことを制御装置15に通知する通知信号を示し、図4の最上段にレーザ光源1からレーザを出射させる制御装置15の制御信号を示す。時刻tiにおいて、反射鏡が許容範囲A2に入る。反射鏡が静止するまでの過渡状態においても反射鏡の姿勢が許容範囲A2内に収まっている。したがって、従来の実施例のように反射鏡の姿勢の過渡的な状態が収まったことを確認するまでの待ち時間Sをとる必要がない。レーザ光源1からレーザを出射させる制御信号は、通知信号が時刻tiで立ち上がると同時に立ち上がっている。
上記第1の実施例では、反射鏡の姿勢の過渡的状態が収まったことを確認するための待ち時間を待たずにレーザビームを出射したが、従来のように、待ち時間を待つようにしてもよい。この場合、図4において時刻tiから待ち時間Sだけ経過した時点からレーザビームを出射して加工を行うことができる。従来の加工開始時刻t3よりも早い時点から加工が開始される。
いずれの実施例の場合でも、均一化光学系2を入れたことによりレーザビームのビームスポットが従来よりも大きくなり、かつ光強度分布をトップフラットに近づけたたことで、加工速度を速くすることができる。
2 均一化光学系
3 折り返しミラー
4 リレーレンズ
5 X用ガルバノミラー
6 Y用ガルバノミラー
7,9 集束レンズ
8 マスク
8A 透過領域
10 ステージ
11 マスク固定部材
15 制御装置
16 走査器
20 加工対象物
Claims (5)
- レーザビームを出射するレーザ光源と、
反射鏡の姿勢を変化させることにより、前記レーザ光源から出射したレーザビームを走査し、該反射鏡の姿勢が目標とする許容範囲内に収まっていることを通知する第1の信号を出力する走査器と、
前記走査器によって走査されたレーザビームの経路を横切るように配置され、レーザビームを遮光する遮光領域内に、レーザビームを透過させる複数の透過領域が分布したマスクと、
加工対象物を保持するステージと、
前記マスクの透過領域を透過したレーザビームを、前記ステージに保持された加工対象物の表面上に集束させるレンズと、
前記レーザ光源と前記走査器との間に配置されており、前記マスクが配置された位置におけるビーム断面内の光強度分布を均一に近づけ、かつ該マスクが配置された位置におけるビームスポットが、前記マスクに設けられた透過領域の各々を内包する大きさになるようにビーム断面を整形する均一化光学系と、
前記レーザ光源から出射したレーザビームが、前記マスクに設けられた透過領域のうち1つの透過領域を透過するように前記走査器の反射鏡の姿勢を制御するとともに、前記ビーム走査器から、前記第1の信号を受信すると、該反射鏡の姿勢の過渡的状態が収まるまでの待ち時間を待たずに、前記レーザ光源からレーザビームを出射させる制御装置と
を有するレーザ加工装置。 - 前記レンズは、前記マスクに形成された透過領域を前記ステージに保持された加工対象物の表面上に結像させる請求項1に記載のレーザ加工装置。
- 前記マスクの配置された位置におけるビームスポットは、前記反射鏡が許容範囲内に収まった後、安定状態に至るまでの過渡的な状態の期間に、該反射鏡の姿勢の変動に起因してビームスポットの位置が変動しても、ビームスポット内に前記マスクの1つの透過領域が内包される状態が維持されるような大きさである請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
- レーザビームを出射するレーザ光源と、
反射鏡の姿勢を変化させることにより、前記レーザ光源から出射したレーザビームを走査する走査器と、
前記走査器によって走査されたレーザビームの経路を横切るように配置され、レーザビームを遮光する遮光領域内に、レーザビームを透過させる複数の透過領域が分布したマスクと、
加工対象物を保持するステージと、
前記マスクの透過領域を透過したレーザビームを、前記ステージに保持された加工対象物の表面上に集束させるレンズと、
前記レーザ光源と前記走査器との間に配置されており、前記マスクが配置された位置におけるビーム断面内の光強度分布を均一に近づけ、かつ該マスクが配置された位置におけるビームスポットが、前記マスクに設けられた透過領域の各々を内包する大きさになるようにビーム断面を整形する均一化光学系とを有するレーザ加工装置を用い、
前記走査器によって走査されたレーザビームが、前記マスクに設けられた透過領域のうち1つの透過領域を透過するように該走査器の反射鏡の姿勢を制御するとともに、該反射鏡の姿勢が許容範囲内に収まると、該反射鏡の姿勢の過渡的状態が収まるまでの待ち時間を待たずに、前記レーザ光源からレーザビームを出射させるレーザ加工方法。 - 前記マスクの配置された位置におけるビームスポットは、前記反射鏡が許容範囲内に収まった後、安定状態に至るまでの過渡的な状態の期間に、該反射鏡の姿勢の変動に起因してビームスポットの位置が変動しても、ビームスポット内に前記マスクの1つの透過領域が内包される状態が維持されるような大きさである請求項4に記載のレーザ加工方法。
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