JP4295472B2 - 計測値の補正装置及び補正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、計測値の補正装置及び補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、変位量や温度等を計測する計測機器の計測値には、機器固有の原因、測定者による原因、外的要因による原因などから生じる誤差が含まれている。特に外的要因は、設置条件、温度、振動、気圧、湿度などの要因が複雑に絡み合って作用している。
【0003】
計測値を補正する場合は、計測値に誤差を生じさせる最も大きな要因となる誤差因子を抽出し、計測値と誤差因子との相関関係に基づいて計測値を補正することが有効である。
従来の計測値の補正方法としては、計測値と誤差因子との相関関係を関数化して相関式を求め、この相関式に誤差因子の所定値を代入することにより、誤差因子の所定値における補正値を算出する計測値の補正方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の計測値の補正方法では、以下の問題が存在している。
従来の計測値の補正方法では、計測値と誤差因子との相関式を求めているため、計測値と誤差因子の値との相関関係を1次関数などにより、簡易に関数化することができる場合は相関式を容易に求めることができるが、図1(a)に示すように、誤差因子(壁温度)の値順に対する計測値(変位量)の分布が広範囲になる場合は、相関式を高次の関数式で求める必要があり、計算が複雑になるため、補正値を容易に算出することができないという問題が存在している。さらに、計測値と誤差因子との相関関係を関数化することができない場合には、相関式を求めることができないため、補正値を算出することができないという問題が存在している。
【0005】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、計測値と誤差因子との相関関係の関数化が複雑になる場合や、関数化することができない場合であっても、計測値の補正値を容易かつ精度良く算出することができる計測値の補正装置及び補正方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、請求項1に記載の発明は、計測値の補正装置であって、計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、誤差因子の値順に整序する計測値整序手段と、誤差因子の値を所定値ごとに区分し、各区分に属する各計測値の補正値として、各区分に属する各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出手段とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、計測値の補正装置であって、計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、誤差因子の値順に整序する計測値整序手段と、誤差因子の値を所定値ごとに区分し、各区分に属する各計測値の補正値として、各区分に属する各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出手段と、各区分ごとに算出された指標値を、各誤差因子の値に対応させて連続値に補間した指標補間値を算出する指標値補間手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、計測値の補正方法であって、計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、誤差因子の値順に整序する計測値整序段階と、誤差因子の値を所定値ごとに区分し、各区分に属する各計測値の補正値として、各区分に属する各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出段階と、補正を必要とする被補正計測値に関し、被補正計測値が属する区分における指標値を、補正後の補正計測値とする補正段階とを含むことを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、計測値の補正方法であって、計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、誤差因子の値順に整序する計測値整序段階と、誤差因子の値を所定値ごとに区分し、各区分に属する各計測値の補正値として、各区分に属する各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出段階と、各区分ごとに算出された指標値を、各誤差因子の値に対応させて連続値に補間した指標補間値を算出する指標値補間段階と、補正を必要とする被補正計測値に関し、被補正計測値の誤差因子の値に対応する指標補間値を、補正後の補正計測値とする補正段階とを含むことを特徴としている。
【0010】
ここで、誤差因子とは、設置条件、温度、振動、気圧、湿度など、計測機器の計測値に誤差を生じさせる原因である。
また、区分の間隔は、誤差因子が定数的な条件(測定機器の設置条件など)である場合にはゼロでもよい。すなわち、区分は、所定の離散値ごとに定められるものであってもよい。
さらに、指標値は、各区分に属する各計測値の平均的な値であり、単純平均値、加重平均値又は中央値などを用いて算出される値である。
【0011】
請求項1から請求項4に記載の発明によれば、計測値の補正値を算出する場合に、計測値と誤差因子との相関式を求めることなく、計測値の補正値を容易かつ精度良く算出することができるため、計測値と誤差因子との相関関係の関数化が複雑になる場合や、関数化することができない場合であっても、計測値を補正することができる。
また、各区分ごとに算出した各指標値(補正値)を連続値に補間する構成では、各区分の間に存在する誤差因子の所定値における補正値を算出する場合であっても、新たに区分を設定することなく、補正値を容易かつ精度良く算出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
本発明の実施形態に係る計測値の補正装置及び補正方法は、距離、角度、温度などの各種計測値の補正に適用可能であるが、この実施形態では、構造物の形状変化による壁の変位量の計測において、その計測値(変位量)の最も大きな誤差要因とされる誤差因子(壁温度)に基づいて、計測値を補正する場合を例として説明する。
【0014】
図1は、計測値と誤差因子との相関関係を示したグラフであり、(a)は計測値の分布状況を示したグラフ、(b)は補正値を示した線形グラフである。図2は、本発明の実施形態に係る補正装置を示したブロック図である。図3は、本発明の実施形態に係る補正装置により作成されたデータを示した図で、(a)は補正テーブル作成手段で作成された補正テーブルを示した図、(b)は誤差因子の所定値の区分に属する各計測値の度数を示したグラフである。図4は、計測値と補正値とを比較したグラフである。
【0015】
まず、本発明の実施形態に係る計測値の補正装置1の構成について説明する。補正装置1は、図2に示すように、計測機器(計測手段)10で計測された複数の計測値、後記する補正値算出手段4における計測値の区分及び補正を必要とする被補正計測値を入力する入力手段2と、複数の計測値を誤差因子の値順に整序する計測値整序手段3と、計測値の補正値を算出する補正値算出手段4と、各誤差因子の区分ごとの補正値を示したテーブルを作成する補正テーブル作成手段5と、各補正値を連続値に補間した補正補間値を算出する補正値補間手段6と、補正を必要とする被補正計測値の補正値を決定する補正値決定手段7と、各種データを表示する出力手段8とを備えている。この補正装置1は、例えば、CPU、ROM、RAM、I/O等を有するコンピュータ(マイクロコンピュータを含む)により構成され、入力手段2であるキーボードと、出力手段8であるモニタとを備えている。
なお、入力手段2は、計測機器10からケーブル等を介して直接入力手段2に計測値が入力される構成にしてもよい。さらに、出力手段8をプリンタにより構成し、各種データが紙面上に印刷されるようにしてもよい。
また、計測機器10は、構造物の壁の変位量と壁温度を計測する既存の計測機器であり、その構成は限定されるものではない。
【0016】
次に、各構成要素について説明する。
計測値整序手段3は、入力手段2で入力された計測値を、図1(a)のグラフに示すように、誤差因子の値順に整序したデータを作成し、そのデータを補正値算出手段4に出力するものである。
【0017】
補正値算出手段4は、誤差因子を所定値ごとに区分し、各区分に属する各計測値の補正値として、各区分に属する各誤差因子ごとの指標値(中央値)を算出する。その補正値(中央値)を補正テーブル作成手段5に出力するものである。
【0018】
補正テーブル作成手段5は、図3(a)に示すように、各誤差因子の区分ごとに補正値を示した補正テーブル20を作成し、そのデータを補正値補間手段6に出力するものである。
補正値補間手段6は、各区分ごとに算出された補正値を、誤差因子の値に対応させて連続値に補間して補正補間値を算出し、そのデータを補正値決定手段7に出力するものである。なお、本実施形態では、図1(b)に示すような線形グラフ21となる補正補間値を算出した。
【0019】
補正値決定手段7は、入力手段2で入力された補正を必要とする被補正計測値の誤差因子の値に対応した補正補間値を求め、その補正補間値から被補正計測値を減算して補正量を算出する。そして、この補正量を被補正計測値に加算することにより、被補正計測値の補正値を決定するものである。
【0020】
次に、補正装置1による計測値の補正方法について説明する。
まず、計測機器10で計測した計測値(変位量)と、各計測値を計測した際の誤差因子(壁温度)とを入力手段2に入力する。入力手段2では、入力された計測値及び誤差因子を計測値整序手段3に出力する。
【0021】
そして、計測値整序手段3は、図1(a)に示すように、計測値を誤差因子の値順に整序したデータを作成し、そのデータを補正値算出手段4に出力する。
また、補正値決定手段7に、入力手段2により誤差因子の所定値ごとに区分を入力する。なお、誤差因子の区分は予め入力しておいてもよい。
補正値算出手段4では、計測値整序手段3で作成されたデータにおける誤差因子の値を、入力された所定値ごとに区分する(例えば、図1(a)に示すt区間)。本実施形態では、15.0℃以上15.1℃未満、15.1℃以上15.2℃未満、・・・、のようにして0.1℃幅に区分し、各区分の最小値をその区分の代表値として定めている。なお、誤差因子の所定値は任意の値であり、限定されるものではなく、各所定値ごとの間隔も一定である必要はない。
【0022】
続いて、補正値算出手段4は、各誤差因子の区分に属する計測値の指標値(中央値)を算出する。なお、図3(b)は、各区分ごとの計測値の度数及び中央値を示したグラフである。この各区分に属する各計測値の補正値として補正テーブル作成手段5に出力する。
【0023】
また、補正テーブル作成手段5では、図3(a)に示すように、各誤差因子の区分ごとの補正値を示した補正テーブル20を作成し、そのデータを補正値補間手段6に出力する。
【0024】
さらに、補正値補間手段6では、各誤差因子の区分ごとに算出された補正値を、誤差因子の値に対応させて連続値に補間した補正補間値を算出する。なお、本実施形態では、各区分の誤差因子の代表値に対する補正値を線形で補間することにより、図1(b)に示すような線形グラフ21となる補正補間値を作成し、そのデータを補正値決定手段7に出力する。
【0025】
補正値決定手段7では、入力手段2で入力された補正を必要とする被補正計測値の誤差因子の値に対応した補正補間値を求め、その補正補間値から被補正計測値を減算して補正量を算出する。そして、この補正量を被補正計測値に加算することにより、被補正計測値の補正値を決定して出力手段8に出力するため、被補正計測値の誤差因子の値が、区分の間に存在する場合であっても、被補正計測値の補正値を容易かつ精度良く把握することができる。
【0026】
ここで、図4は、計測値と、本発明の補正装置1及び補正方法により算出した補正値とを、日付ごとに比較したグラフであり、誤差因子の影響が適切に除去されているため、補正値23は、計測値22と比較して変動幅が少なく、安定した値になっていることが示されている。
【0027】
したがって、本発明の実施形態に係る計測値の補正装置1及び補正方法では、計測値の補正値を算出する場合に、計測値と誤差因子との相関式を求めることなく、各誤差因子の区分に属する各計測値ごとの補正値(中央値)を精度良く算出し、さらに、各誤差因子ごとの補正値を線形補間することにより、計測値の補正値を容易に把握することができる。
また、計測値から補正値を減算し、各誤差因子ごとの計測値と補正値との補正量を算出することにより、計測機器10の精度を把握することができるため、以後の計測作業における有効なデータを得ることができる。
【0028】
以上、本発明の好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、誤差因子の区分に属する各計測値の度数分布が平らな線形を示す場合には、補正値算出手段4において、各区分に属する各計測値ごとの平均値を求めることにより補正値を算出してもよい。この構成では、中央値よりも精度の高い平均値を用いているため、補正値の精度をより高めることができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の計測値の補正装置及び補正方法によれば、計測値の補正値を算出する場合に、計測値と誤差因子との相関式を求めることなく、計測値の補正値を容易かつ精度良く算出することができるため、計測値と誤差因子との相関関係の関数化が複雑になる場合や、関数化することができない場合であっても、計測値を補正することができる。
また、各区分ごとに算出した各補正値を連続値に補間する構成では、各区分の間に存在する誤差因子の所定値における補正値を算出する場合であっても、新たに区分を設定することなく、補正値を容易かつ精度良く算出することができる。
さらに、計測値から補正値を減算し、計測値と補正値との誤差を算出することにより、計測手段の精度を把握することができるため、以後の計測作業における有効なデータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】計測値と誤差因子との相関関係を示したグラフであり、(a)は計測された計測値の分布状況を示したグラフ、(b)は補正値を示した線形グラフである。
【図2】本発明の実施形態に係る補正装置を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る補正装置により作成されたデータを示した図で、(a)は補正テーブル作成手段で作成された補正テーブルを示した図、(b)は誤差因子の所定値の区分に属する各計測値の度数を示したグラフである。
【図4】計測値と補正値とを比較したグラフである。
【符号の説明】
1・・・・補正装置
2・・・・入力手段
3・・・・計測値整序手段
4・・・・補正値算出手段
5・・・・補正テーブル作成手段
6・・・・補正値補間手段
7・・・・補正値決定手段
8・・・・出力手段
10・・・・計測機器
20・・・・補正テーブル
21・・・・補正グラフ
Claims (4)
- 計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、前記誤差因子の値順に整序する計測値整序手段と、
前記誤差因子の値を所定値ごとに区分し、前記各区分に属する前記各計測値の補正値として、前記各区分に属する前記各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出手段と、を備えていることを特徴とする計測値の補正装置。 - 計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、前記誤差因子の値順に整序する計測値整序手段と、
前記誤差因子の値を所定値ごとに区分し、前記各区分に属する前記各計測値の補正値として、前記各区分に属する前記各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出手段と、
前記各区分ごとに算出された前記指標値を、前記各誤差因子の値に対応させて連続値に補間した指標補間値を算出する指標値補間手段と、を備えていることを特徴とする計測値の補正装置。 - 以下の段階を含むことを特徴とする計測値の補正方法。
計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、前記誤差因子の値順に整序する計測値整序段階。
前記誤差因子の値を所定値ごとに区分し、前記各区分に属する前記各計測値の補正値として、前記各区分に属する前記各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出段階。
補正を必要とする被補正計測値に関し、前記被補正計測値が属する区分における前記指標値を、補正後の補正計測値とする補正段階。 - 以下の段階を含むことを特徴とする計測値の補正方法。
計測値とともに計測された誤差因子に関連づけられている複数の計測値を、前記誤差因子の値順に整序する計測値整序段階。
前記誤差因子の値を所定値ごとに区分し、前記各区分に属する前記各計測値の補正値として、前記各区分に属する前記各計測値ごとの平均値又は中央値である指標値を算出する指標値算出段階。
前記各区分ごとに算出された前記指標値を、前記各誤差因子の値に対応させて連続値に補間した指標補間値を算出する指標値補間段階。
補正を必要とする被補正計測値に関し、前記被補正計測値の誤差因子の値に対応する前記指標補間値を、補正後の補正計測値とする補正段階。
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