JP4294341B2 - 密閉型電池とその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な密閉型電池とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平8−45488号広報
【特許文献2】
特開平11−25936号公報
【特許文献3】
特開平11−149915号公報
【特許文献4】
特開2002−239762号公報
携帯電話やノート型パソコンなどの情報機器の普及により、密閉型電池の需要が高まっている。中でも、リチウムイオン電池は、ニカド電池やニッケル水素電池と比べエネルギー密度、作動電圧が高く、各種の情報機器などの電源に多く使用されてきている。
【0003】
密閉型電池は、主に正極材、セパレータ、負極材などの電池部品を収納した電池容器と、この電池容器の開口上部を密閉する蓋板とを事前に一体接合し、この蓋板表面に予め設けられている小径の注入穴から有機溶剤の電解液を容器内に注入した後に、この注入穴を最後に完全封止して製造されている。電池容器及び蓋板には、従来から安価なスチール材、耐食性に優れたステンレス鋼材が用いられ、最近では、軽量なアルミニウム材が多く用いられてきている。
【0004】
使用する金属の材質、接合方法や接合条件などに大きな相違があっても、密閉型電池の製造工程で、容器内を密閉保持するべく、最後に電解液の注入穴を封止する必要がある。注入穴を封止するための封止方法がこれまでに幾つか提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1の密閉型電池には、電解液を注入した後、注入穴にアルミニウム製の球状の封止栓を押圧し、超音波溶接で封止することが示されている。又、特許文献2の角形密閉式蓄電池及びその製造方法及び特許文献3の密閉型電池には、注入穴に封止栓を挿入し、レーザー溶接で封止することがそれぞれ示されている。また、特許文献4の容器における注入口の封止方法及び密閉容器には、注入口にステンレス製の球状の封止部材を押し込み、抵抗溶接後にレーザー溶接による仕上げ溶接の二段階で封止溶接することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、超音波溶接或はレーザ溶接等により注入穴に挿入した封止栓の外周と蓋板表面との継ぎ部のみを溶融させる浅い溶け込みの円周溶接である。隙間腐食を抑えるには、裏面側の継ぎ部は未接合のまま残さない方が良い。又、レーザービーム溶接の場合、ビームを照射する継ぎ部に隙間が生じていたり、注入穴部分に液が付着していたりすると、溶接ビードの形成に乱れが生じ易く、ピンホールの発生によって未接合部分が生じ易い。
【0007】
本発明の目的は、蓋板と封止栓とを容易に溶融させて確実に注入穴を封止でき、その表面を平滑にできる密閉型電池とその製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電池部品が収納された金属製の電池容器と、電解液を注入する注入穴を有し、該電池容器の開口部を密閉する蓋板と、前記蓋板に設けられた注入穴を封止する封止栓とを有する密閉型電池において、前記蓋板の裏面は前記封止前に注入穴近傍の全周に前記蓋板の他の部分よりも薄肉の薄肉部(形成される空間をザグリ溝穴と言う)が形成され、該薄肉部は前記電池容器の内側に形成され、前記封止栓は前記注入穴の径より大きい径の張り出し部と前記注入穴に挿入される挿入部とを有し、前記挿入部を前記注入穴に挿入させて前記張り出し部と前記薄肉部とのアーク溶接による溶融によって前記注入穴が封止されていることを特徴とする密閉型電池にある。
【0009】
又、本発明は、前述の密閉型電池において前記封止栓全体の溶融によって前記注入穴が封止されていること、又前記注入穴は前記封止栓全体の溶融によって前記封止され、封止後の前記封止栓の高さが前記蓋板外表面の高さより大きく、前記蓋板外表面の位置から0.2mm以下、好ましくは0.1mm以下であることを特徴とする。
【0010】
更に、本発明は、電池部品が収納された金属製の電池容器の開口部を蓋板によって密閉し、次いで前記蓋板表面に設けられた注入穴から電解液を注入した後、前記注入穴を封止栓によって封止する密閉型電池の製造法において、前記蓋板はその裏面に注入穴近傍の全周に前記蓋板の他の部分よりも薄肉の薄肉部を前記電池容器の内側に形成し、前記封止栓が前記注入穴の径より大きい径の張り出し部と前記注入穴に挿入される挿入部とを有し、前記挿入部を前記注入穴に挿入させて前記張り出し部と前記薄肉部とアーク溶接によって溶融することによって前記注入穴を封止することを特徴とし、又前記封止栓全体を溶融することによって封止すること、更に前記注入穴を前記封止栓全体の溶融によって前記封止し、該封止後の前記封止栓の高さが前記蓋板外表面の高さと同等以上であり、前記蓋板外表面の位置から0.2mm以下、好ましくは0.1mm以下になるように調整することを特徴とする。この調整は、溶接条件、薄肉部の厚さ、ザグリ溝穴の大きさ、封止栓の形状等によって行う。
【0011】
更に、本発明は、前述の密閉型電池の製造法において、前記蓋板を前記開口部に装着する工程と、前記電池容器と蓋板とを封止溶接する工程と、前記電解液を注入した後に前記注入穴の大きさより大きい張り出し部と前記注入穴に挿入される挿入部とを有する前記封止栓を前記注入穴に挿入する工程と、前記封止栓をアーク溶接により溶融し前記注入穴を封止溶接する工程とを有することを特徴とする。
【0012】
特に、前記封止栓頭部に設ける張り出し部分は、少なくとも蓋板表面にある注入穴の内径より大きく、裏面側に設けたザグリ溝穴の内径より小さい径にし、前記ザグリ溝穴上部のツバ部分の体積と同程度又は幾分小さい体積に形成するとよい。
【0013】
また、前記溶融を、非消耗性のタングステンを電極にするTIGアーク溶接又はプラズマアーク溶接によって行うのが好ましく、前記封止栓の張り出し部分と前記蓋板表面の注入穴周辺部との一体融合が可能な溶接条件を設定する。特に、前記溶接条件は、電流I(A)と溶接時間T(ms)との関係を下記の(1)式に基づいて設定するとよい。但し、bは接合部分の溶融に係わる乗数、cは栓頭部の加熱に係わる定数である。
【0014】
I=(c/T) ・・・ (1)
前記注入穴から電解液を注入した後の工程で、吸収性のシート材を表面に設けた液拭き取り機構を用いて、前記注入穴の表面周囲を拭くようにするとよい。また、前記蓋板表面の注入穴に前記封止栓を挿入した後に、封止溶接する前工程でガスバーナー、温風ヒータ、プラズマジェットなどの加熱源を用いて、前記封止栓及び注入穴の周囲を予め加熱乾燥するとよい。
【0015】
即ち、本発明は、注入穴の外周囲に予めザグリ溝穴を前記蓋板の裏面側に設けると、封止接合すべき注入穴周辺部の肉厚を蓋板の厚さより薄くすることにより、その薄肉部のみを集中させて溶融することができるので、少ないエネルギーで、溶融範囲のバラツキの極めて少ない封止が得られる。また、封止栓の頭部に短時間で溶融可能な大きさの張り出し部分を設けると、封止栓の頭部を冶具で簡単につかんで注入穴へ圧入することができ、張り出し部分の下面と注入穴周囲の蓋板表面とを確実に密着させることができるばかりでなく、蓋板表面より凸形状に突き出した栓頭部にアーク熱源を加え易く、短時間で確実に溶融させることができる。
【0016】
特に、封止栓頭部の張出し部は、少なくとも蓋板表面にある注入穴の内径より大きく、裏面側に設けたザグリ溝穴の内径より小さい径にし、前記ザグリ溝穴上部のツバ部分の体積と同程度又は幾分小さい体積に形成すると、融合すべきツバ部分との体積バランスが良くなり、短時間のアーク加熱で栓頭部を確実に溶融でき、蓋板表面のツバ部分と平滑に一体融合させることができる。又、張出し部は薄肉であるので、溶融し易く、確実な封止が得られる。
【0017】
更に、アーク溶接として、所定条件のアーク熱源を封止栓の頭部より短時間与えて加熱溶融させると、封止栓の張り出し部分と蓋板表面の注入穴周辺部とが適正に一体融合して完全封止でき、表面が平滑で高品質な溶接部を得ることができる。又前述の関係式に基づいて溶接すると、確実な封止が可能な適正条件を出力でき、溶接条件の管理、溶接の品質管理が容易となる。
【0018】
TIGアークの代わりにプラズマアークを用い、封止栓の頭部より与えて加熱溶融させても、TIGアーク溶接の時とほぼ同様に、封止栓の張り出し部分と蓋板表面の注入穴周辺部とが適正に一体融合して完全封止でき、表面が平滑で高品質な溶接部を得ることが可能である。プラズマアーク溶接は、電極の外周囲にあるノズル及びノズル穴から流出するプラズマガスで保護されているので、電極の寿命が長く、長時間使用が可能である
【0019】
さらに、前記注入穴から電解液を注入した後の工程で、吸収性のシート材を表面に設けた液拭き取り機構を用いて前記注入穴の表面周囲を拭くようにすると、液たれ等によって付着した電解液や汚れを確実に拭き取り除くことができ、注入穴封止の溶接時に、発生することがあるポロシティなどの欠陥要因を未然に防止することができる。また、封止溶接する前工程でガスバーナー、温風ヒータ、プラズマジェットなどの加熱源を用いて、前記封止栓及び注入穴の周囲を予め加熱乾燥すると、残存していた付着液があっても、それを乾燥、除去することができ、注入穴封止の溶接時に、ポロシティ等の欠陥要因を抑制、防止することができ、表面が平滑で高品質な溶接部が得ることができる。更に、前記封止後に溶接部及び液漏れの有無を検査する検査工程を有することにより、不良品を除外し、合格品のみを選択、認定することができるので、密閉性の高い密閉型電池を確実に提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、角形の密閉型電池の斜視図である。図1において、角形の電池容器1の内部(図示せずに省略)には、正極材、セパレータ、負極材、タブなどの電池部品が収納される。電池容器1は正極端子を兼ねている。電池容器1の上部には、容器を密閉するための蓋板2が装着される。蓋板2は外周継ぎ部を溶接8して電池容器1と一体接合されている。蓋板2の外周継ぎ部の溶接8は、レーザビーム熱源やアーク熱源を与えて接合するレーザ溶接法やアーク溶接法によって行うことが可能である。蓋板2の中央部には、負極端子7が絶縁パッキング6を介して予め固定されている。また、蓋板2には、電解液を注入するための小径の注入穴4が予め設けられており、この注入穴4に図2に示す封止栓3を挿入し、アーク溶接によって完全に封止溶接するようにしている。これらの電池容器1、蓋板2、封止栓3には、いずれも軽量なアルミニウム材が用いられる。なお、電池容器1に安価な炭素鋼板又は耐食性に優れたステンレス鋼板を用いる場合には、蓋板2及び封止栓3の材料も、電池容器1と同じ材質又は類以の材質にすることが望ましい。いずれも溶接性を良くするためである。
【0021】
図2は本発明による封止溶接方法を採用した注入穴及び封止栓の一実施形態を示す断面図である。図3及び図4は封止栓の頭部の形状が異なる一実施形態を示す断面図である。図2、図3及び図4に示すように、蓋板2は全体が塑性加工によって形成され、円形の注入穴4が設けられると共に、その近傍の全周には、蓋板2より薄肉とした薄肉部5bを有するザグリ溝穴5が蓋板2の裏面側に設けられている。例えば、注入穴4の大きさは約d1=1〜2mmである。また、ザグリ溝穴5の大きさは、約d2=2〜3mmであり、そのザグリ溝穴5上部の薄肉部5bの厚みhは、蓋板2の厚さtに対して、t/2≦h≦t/3程度にすると良く、特にt/2未満が良い。本実施例においてはt=0.8mm、h=0.3mmとした。
【0022】
一方、この注入穴4に挿入する封止栓3は、その頭部に短時間で溶融可能な大きさの薄肉を有する張出し部3aが設けられ、更に注入穴への挿入部3bが設けられている。図2に示した封止栓3の頭部は、加工が簡単な平面形状をしている。図3に示した封止栓3の頭部は、滑らかな曲面形状又は半球形状をしており、また、図4に示した封止栓3の頭部は、中央に突起を有する形状をしており、これらにより溶接時の位置合せを容易にすることができる。封止栓3の頭部に設ける張出し部3aは、少なくとも注入穴4の内径d1より大きく、ザグリ溝穴5の内径d2より小さい外径(d1<D<d2)にし、ザグリ溝穴5上部のツバ部分5bの体積(注入穴を含む合計体積:(d2−d12)πh/4)と同程度又は幾分小さい体積に形成するとよい。このように形状の異なる封止栓3は、例えば、金型による塑性加工によって容易に製作することができる。
【0023】
注入穴4から電解液を注入した後に、封止栓3の挿入部3bを注入穴4へ押し込み、張り出し部分3aの下面と注入穴4周囲のツバ部分5b上面(蓋板表面)とを密着させる。その後、アーク熱源を封止栓3頭部より与えて、張出し部3aと蓋板2表面の注入穴周辺部とを封止溶接する。
【0024】
このように、封止栓3頭部に短時間で溶融可能な張出し部3aを設けると、封止栓3の張出し部3aを冶具などで簡単につかんで注入穴4へ圧入することができ、張出し部3aの下面と注入穴4周囲の蓋板表面とを確実に密着させることができるばかりでなく、蓋板表面より凸形状に突き出した封止栓3頭部にアーク熱源を加え易くなる。また、ザグリ溝穴5を蓋板2の裏面側に設けると、封止接合すべき注入穴4周辺部の肉厚が薄く、表面側から行うアーク溶接で裏側まで完全に溶融させることができる。また、張出し部3aの体積をツバ部分5bの体積と同程度又は幾分小さい体積に形成すると、融合すべきツバ部分との体積バランスが良くなり、短時間で封止栓3頭部を確実に溶融でき、蓋板表面の注入穴4周辺のツバ部分と平滑に一体融合させることができる。
【0025】
図5は、注入穴の封止をアーク溶接によって行う工程を示す断面図及び溶接電流と時間との関係を示す線図であり、(1)溶接前の封止栓と電極の配置、(2)封止栓頭部のアーク加熱、(3)封止栓頭部の球形溶融、(4)蓋板ツバ部との一体融合、(5)溶接後の溶接部、(6)時間経過の電流波形の様子をそれぞれ示している。この実施例で用いているアーク熱源は、非消耗性のタングステンを電極12にするTIGアークであり、所定の溶接条件(電流と溶接時間)を溶接電源に設定し出力させている。
【0026】
図5(1)に示したように、蓋板2の裏側にザグリ溝穴5を有する注入穴4に密着挿入された封止栓3の頭部中央に電極12先端を位置決めする。溶接開始によってシールドガス(Arガス)流出の雰囲気内で封止栓3頭部にアーク11を発生させ、図5(6)に示したように所定時間T(ms)にわたって電流I(A)を出力させている。次に、図5(2)示すようにアーク加熱で封止栓3頭部の張り出し部分3aが最初に溶融し、図5(3)に示すように、溶融金属の表面張力によって球形状に溶融変化する。そして、図5(4)に示すように、その後に加熱溶融される注入穴4周辺のツバ部分と、既に球形状に溶融変化した封止栓3頭部の張出し部3aとが平滑に一体融合し、封止栓3全体と蓋板2の裏側まで完全に溶け込ますことができる。更に、図5(5)に示すように溶接後の溶接部9表面は、その中心部で蓋板2の表面より約0.1mmと若干高く、平滑で円形を有する完全封止の良好な溶接部9を得ることができる。
【0027】
図6は、アルミニウム製の密閉電池における適正な注入穴封止溶接の時間と電流の関係を示す線図である。図中の○印が接合良好な領域である。蓋板2及び封止栓3は、いずれもアルミニウム材であり、注入穴4の径d1が1.4mm、ザグリ溝穴5の径d2が2.4mm、ツバ部分5aの厚みhが約0.3mmの注入穴封止の結果を示している。例えば、電流Iが90Aの時には約29msの短い時間、40Aの時には約100msでアーク溶接すると、図中に示すように図5(5)と同様の良好な溶接部9を得ることができ、溶接部9の高さも0.1mm以下の良好なものであった。
【0028】
接合良好な適正条件は、電流I(A)と時間T(ms)との相関関係があり、下記の(1)式で求めることができる。ただし、bは、注入穴3接合部分の溶融に係わる乗数であり、封止栓3及び蓋板2の注入穴4周辺部の形状や材質などの違いで変化し、0.5〜0.8程度となる。また、cは、栓頭部の加熱に係わる定数であり、約9300〜175000の範囲である。
【0029】
I=(c/T) ・・・ (1)
このように、所定条件のアーク熱源を封止栓3の頭部より短時間与えて加熱溶融させると、封止栓3の張り出し部分3aと蓋板2表面の注入穴4周辺部とが適正に一体融合し完全封止することができ、表面が平滑で高品質な溶接部9を得ることができる。また、溶接条件を少なくとも電流と溶接時間との関係式に基づいて設定すると、完全封止が可能な適正条件を確実に出力でき、溶接条件の管理、溶接の品質管理が容易となる。
【0030】
図5に示したTIGアークよる穴封止溶接の代わりにプラズマアーク及び溶接電源を用い、封止栓3の頭部よりアーク熱源を与えて加熱溶融させても、TIGアーク溶接の時とほぼ同様に、封止栓3の張出し部3aと蓋板2表面の注入穴4周辺部とが適正に一体融合して完全封止でき、表面が平滑で高品質な溶接部が得ることが可能である。プラズマアーク溶接は、電極の外周囲にあるノズル及びノズル穴から流出するプラズマガスで保護されているので、電極の寿命が長く、長時間使用が可能である。
【0031】
図7は、本発明の密閉型電池の製造工程を示すフロー図である。最初の工程で製造組立21された電池部品を電池容器1内に収納22する。この容器上面の開口部を密閉するため、次の工程で、蓋板2を装着23した後に、例えば、レーザー溶接で蓋板2をその外周に沿って電池容器1に封止溶接24をする。その後、予め蓋板2に設けられた注入穴4より電池容器1内に電解液10を注入25する。次の工程で封止栓3を注入穴4に圧入27する。最後に注入穴4を密閉するため、アーク熱源による注入穴4の封止溶接28をする。この封止溶接後に溶接部8、9及び液漏れの検査29を行う。さらに、図示していないが、電池外装の洗浄と乾燥、電池の充電、性能試験や品質検査などを行う。
【0032】
このように、電池部品の製造組立21から溶接後の溶接部及び液漏れの検査29まで、密閉が必要な所望の密閉型電池を一連の製造ラインで確実に生産することができる。特に、注入穴を封止溶接する工程において、封止栓の張り出し部と前記蓋板表面の注入穴周辺部との一体融合が可能な溶接条件を出力させてアーク溶接すると、従来のレーザー溶接による円周封止溶接と異なる融合形態及び溶け込み形状になり、表面が平滑で高品質な溶接部を得ることができる。また、溶接後に行う溶接部及び液漏れの検査によって、不良品を除外し、合格品のみを選択、認定するので、密閉性の高い密閉型電池を確実に生産、提供することができる。
【0033】
図8は、本発明の密閉型電池の他の製造工程を示すフロー図である。本工程は、電解液10を注入25するまでは図7と同じであり、次の工程で、電解液10の液たれ等で注入穴部に付着した電解液10を取り除くため、例えば、吸収性のシート材を表面に設けた液拭き取り機構を用いて注入穴4の表面周囲を拭く26ようにしている。その後に、図7と同様に封止栓3を注入穴4に圧入27する工程を順次行うものである。
【0034】
このように、電池部品の製造組立21から溶接後の溶接部及び液漏れの検査29まで一連の工程を経て、密閉性の高い密閉型電池を生産することができる。特に、電解液の注入25後の工程で、吸収性のシート材を表面に設けた液拭き取り機構を用いて注入穴4の表面周囲を拭くようにすると、液たれ等によって付着した電解液や汚れを確実に拭き取り除くことができ、注入穴封止の溶接時に発生することがあるポロシティなどの欠陥要因を未然に防止することができる。
【0035】
図9は、注入穴へ封止栓を挿入した後に、その封止栓及び注入穴の周囲を予め加熱乾燥する工程を加えたフロー図である。例えばガスバーナー、温風ヒータ、プラズマジェットなどの加熱源を用いて、封止栓及び注入穴の周囲を予め加熱乾燥30すると、残存していた付着液があっても、それを乾燥、除去することができ、注入穴封止の溶接時に、ポロシティ等の欠陥要因を抑制、防止することができ、表面が平滑で高品質な溶接部を得ることができる。
【0036】
以上、本実施例によれば、封止栓の張出し部と蓋板表面の注入穴周辺部の薄肉部とを容易に一体融合することができ、注入穴を確実に封止溶接することができる。また、ポロシティなど溶接欠陥の発生を未然に防止でき、表面が平滑で高品質な溶接部が得られ、バラツキの少ない密閉性の高い密閉型電池を製造することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、封止栓の張出し部と蓋板表面の注入穴周辺部の薄肉部との薄肉同士での一体融合が容易にでき、注入穴を容易に確実に封止溶接することができる。また、ポロシティなど溶接欠陥の発生が少なく、表面が平滑で高品質な溶接部が得られ、バラツキの少ない密閉性の高い密閉型電池とその製造法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る角形の密閉型電池の斜視図である。
【図2】 蓋板の注入穴及び封止栓の断面図である。
【図3】 蓋板の注入穴及び封止栓の他の形状を示す断面図である。
【図4】 蓋板の注入穴及び封止栓の他の形状示す断面図である。
【図5】 注入穴をアーク溶接によって封止する工程を示す断面図である。
【図6】 アルミニウム製密閉型電池の注入穴の封止における溶接時間と電流の関係を示す線図である。
【図7】 本発明の製造法に係る密閉型電池の製造工程を示すフロー図である。
【図8】 図7の工程に、注入穴の周辺に付着した電解液を拭き取る拭き取り工程を加えたフロー図である。
【図9】 図7の工程に、封止栓及び注入穴の周囲を予め加熱乾燥する工程を加えたフロー図である。
【符号の説明】
1…電池容器、2…蓋板、3…封止栓、3a…張り出し部、3b…注入穴への挿入部、4…注入穴、5…ザグリ溝穴、5b…薄肉部、6…絶縁パッキング、7…負極端子、8…蓋板外周の溶接部、9…注入穴封止の溶接部、10…電解液、11…アーク、12…電極。

Claims (4)

  1. 電池部品が収納された金属製の電池容器と、電解液を注入する注入穴を有し、前記電池容器の開口部を密閉する蓋板と、前記注入穴を封止する封止栓とを有、前記蓋板の裏面は前記注入穴近傍が外周部よりも薄肉に形成された薄肉部を有し、該薄肉部と前記封止栓の溶融によって前記注入穴が封止される密閉型電池であって、
    前記封止栓は前記注入穴の径より大きい径の張り出し部と前記注入穴に挿入される挿入部とを有し、前記挿入部を前記注入穴に挿入させて前記張り出し部と前記薄肉部とのアーク溶接による溶融によって前記封止されていることを特徴とする密閉型電池。
  2. 電池部品が収納された金属製の電池容器の開口部を蓋板によって密閉し、次いで前記蓋板に設けられた注入穴から電解液を注入した後、前記注入穴を封止栓によって封止する密閉型電池の製造法において、
    前記蓋板はその裏面に前記注入穴近傍の全周に前記蓋板の他の部分よりも薄肉にした薄肉部を形成し、前記封止栓が前記注入穴の径より大きい径の張り出し部と前記注入穴に挿入される挿入部とを有し、前記挿入部を前記注入穴に挿入させて前記張り出し部と前記薄肉部とをアーク溶接によって溶融することによって前記注入穴を封止することを特徴とする密閉型電池の製造法。
  3. 請求項において、前記アーク溶接による溶接条件を、電流I(A)と溶接時間T(ms)とを下記の(1)式に基づいて設定することを特徴とする密閉型電池の製造法。
    I=(c/T) ……(1)
    (但し、bは接合部分の溶融に係わる乗数、cは栓頭部の加熱に係わる定数である)
  4. 請求項2又は3において、前記注入穴から電解液を注入した後に、前記封止前に、吸収性のシート材を表面に設けた液拭き取り機構を用いて前記注入穴の表面周囲に付着した前記電解液を拭き取る拭き取り工程を有することを特徴とする密閉型電池の製造法。
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